JP7430459B2 - 繰出し容器 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の繰出し容器は、いわゆる回転式の繰出し容器であり、内周面に螺旋溝が形成された外筒と、挟持片に対応する二つのスリットを有して外筒内に嵌挿される内筒と、外筒に対する内筒の回転を許容しつつ軸線方向への移動を阻止するロック手段と、棒状物を挟持する二つの挟持片が設けられると共に内筒内に摺動自在に嵌挿された棒状物ホルダを有して構成され、外筒に対して内筒を相対回転させると、外筒の螺旋溝に、棒状物ホルダの突起が係合され、棒状物ホルダがその突起を嵌め込んだ内筒のスリットに沿って案内されながら軸方向に移動して棒状物ホルダに保持された棒状物が回転方向に応じて内筒から繰り出される、というものである。
側面に窓部が形成されたケース本体と先端に棒状物を繰り出す開口部が形成されたノズル部とが連結されたケースと、先端に棒状物を保持すると共に窓部を介して外部に突出する操作用突起を有してケースの内側に摺動自在に配置されたスライド部材と、を備えた繰出し容器であって、
ケース本体とスライド部材とが対向する部分に、スライド部材の移動を規制するロック手段が設けられると共に、
前記操作用突起が前記窓部の内側領域内を長手方向及び周方向に移動可能に設けられていることを特徴とする、と云うものである。
本発明の主たる手段では、片手の親指等を用いて操作するだけで棒状物の繰り出し及びその戻しができるため、操作性を向上させることができる。
また操作用突起を操作するだけで、先端に棒状物を保持するスライド部材の長手方向への移動及び周方向への回転を容易に達成できる。
上記手段では、ロック手段におけるロック操作とその解除操作を簡単に行うことができる。
上記手段では、軸対称に配置された一対の係止突片を用いて両側から係止することができるため、ロック手段におけるロック操作を確実に行うことが可能となる。
上記手段では、片手の親指等で基端部に設けられた操作用突起を操作することにより、軸部の先端の保持部に保持されている棒状物を容易に繰り出すことができ、またケース本体側に設けられた一対の係止突片が軸部に設けられた一対の凹凸部を夫々係止することが可能となることから、ロック手段におけるロック操作を確実に行うことが可能となる。
上記手段では、ケース本体側に設けられた一対の係止突片を一対の非係止空間部内に夫々位置することにより、スライド部材が自在に摺動可能なフリー状態に設定することができる。
上記手段では、スライド部材を長手方向に移動させることにより、棒状物の繰り出し及びその戻しが可能となり、またスライド部材を周方向に回転させることにより、スライド部材をロック状態からフリー状態に、及びフリー状態からロック状態に容易に変更することが可能となる。
上記手段では、長手方向における操作用突起の位置をインジケータで測定することにより、棒状物の残量を容易に把握することが可能となる。
また凹凸部のピッチ寸法を細かく設定することにより、棒状物が必要以上に大きく繰り出されてしまうことを防止することが可能となる。
更に棒状物を適量繰り出した状態で、操作用突起を回転させることにより、繰出し容器を繰出しロック状態に設定することができる。
またインジケータを利用することにより、棒状物の残量を容易に把握することができる。
本発明の繰出し容器1は、例えば棒状に形成されたアイライナー、アイブロウ、アイシャドウ又は口紅などの化粧料、あるいは棒状に形成されて成る鉛筆の芯材又は消しゴムなどの筆記具等の棒状物を収納し、使用者の操作に応じてケースの先端から棒状物が繰り出すことで使用できるようにするものである。
図1は本発明の第1実施例としての繰出し容器を示し、(a)はキャップの半断面図及びケースの断面図、(b)はケースの平面図、図2は図1(a)におけるA部拡大図である。
図1に第1実施例として示す繰出し容器1は、棒状物を収納するケース20と棒状物Pが繰り出される先端部を保護する有頂筒状から成るキャップ10とを有して構成され、これらはすべて合成樹脂材料を射出成形することにより形成されている。
ケース本体21は頂部及び底部が開口する長筒状の部材であり、頂部側には複数の段差を介して連設された細径部21Aが形成され、図2及び図6(a)(b)に示すように、細径部21Aの先端の内周面で軸対称となる位置には、径方向内側に向かって突出する一対の係止突片21aが設けられている。また細径部21Aの下端の位置には、被係止部21bが突設されている。
またケース本体21の下端の内周面には、断面凸状から成る被係止突起21dが環状又は間欠的に突設されている。
また基端部23Aの下端の外周面には、ケース本体21に形成された被係止突起21dに係合する断面凸状の係止突起23dが環状又は間欠的に突設されている。
(1)初期のロック状態
図3(a)は棒状物がケース内に収納されると共に初期のロック状態を示す容器本体の断面図、図3(b)はその正面図である。
この状態では、スライド部材23が最も下方に位置にあって、棒状物Pはその全体がノズル部22内に収納されている。
また操作用突起23Dは、窓部21B内にあって「Lock」側の位置にあり、スライド部材23の軸部23Bに設けられた一対の凹凸部23bを構成する凹凸に、ケース本体21に設けられた一対の係止突片21aが係合している(図6(b)参照)。またケース本体21側の被係止突起21dに、スライド部材23側の係止突起23dが係合している。このため、繰出し容器1は、スライド部材23の長手方向への移動が規制され、棒状物Pが開口部22aから外部に繰り出すことのできないロック状態に設定されている。
尚、ケース本体21に設けられた一対の係止突片21aとスライド部材23の軸部23Bに設けられた一対の凹凸部23bとは、スライド部材23の長手方向への移動を規制するロック手段を構成している。
図4(a)は棒状物がケース先端から繰り出すと共にフリー状態を示す容器本体の断面図、図4(b)はその正面図、図4(c)はその側面図である。
片手の親指等を使用して操作用突起23Dを操作し、「Lock」の位置から「Free」の位置に回すと、スライド部材23が略60度回転し、軸部23Bに設けられた一対の凹凸部23bが、ケース本体21側の一対の係止突片21aと係合する位置(図6(b)参照)から周方向に移動して係合が解除され、図6(a)に示すように軸部23Bの一対の非係止空間部23c内に一対の係止突片21aが位置するフリー状態に設定される。
尚、スライド部材23は、係止突起23dがケース本体21の内周面を摺動しながら、すなわち摺動抵抗を生じながら移動するため、移動中のスライド部材23が落下するようなことはない。またスライド部材23が最も下方に移動した位置では、係止突起23dが被係止部21dに係合するため、スライド部材21がケース本体21内から抜け出ることを防止することができる。
図5(a)は棒状物がケース先端から繰り出されると共に再度のロック状態を示す容器本体の断面図、図5(b)はその正面図、図5(c)はその側面図である。
棒状物Pをケース20の先端から繰り出した状態において、操作用突起23Dを操作し、「Free」の位置から「Lock」の位置に回すと、スライド部材23が略60度回転し、再び軸部23Bに設けられた一対の凹凸部23bが、ケース本体21側の一対の係止突片21aと係合するため、繰出し容器1を再度のロック状態に設定することができる。再度のロック状態では、スライド部材23が自在に移動できないため、ケース20の先端から繰り出している棒状物Pを用いての作業中(棒状物Pがアイライナーの場合には化粧中)に、棒状物Pがケース20の開口部22a内に容易に戻ることがなく、作業を良好に行うことができる。
図7は本発明の第2実施例としての繰出し容器を示す断面図、図8(a)は第2実施例におけるケースの断面図、図8(b)はその正面図、図9はケースの平面図を示し、(a)は第1の実施形態、(b)は第2実施形態、(c)は第3実施形態である。
第2実施例に示す繰出し容器1が、第1実施例と繰出し容器1と異なる点は、ロック手段の構成にあり、その他の構成及び効果を第1実施例と同様である。このため、以下の説明においては第1実施例と異なる点を中心に、同一部材については同一の符号を付して説明する。
そして、ケース本体21側の細径部21Aの内周面に突設された一対の係止突片21aが凹凸部23bに係合可能に構成されている。
ただし、ケース本体21の底部側の側面に形成される窓部21Bは、長手方向に延びる長穴状であり、操作用突起23Dは長穴状の窓部21B内を長手方向にのみ移動でき、周方向には移動できない点で上記第1実施例とは異なる。
また使用後は、操作用突起23Dを窓部21Bの最下部の位置に戻すことにより、棒状物Pをケース20内に戻すことができる(図7参照)。
例えば、上記第1実施例では、棒状物Pがホルダ24を介して間接的に保持される場合を示して説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、スライド部材23の保持部23Cが棒状物Pの基端を直接保持する構成であってもよい。
10 : キャップ
20 : ケース
21 : ケース本体
21A: 細径部
21B: 窓部
21a: 係止突片
21b: 被係止部
21c: インジケータ
21d: 被係止突起
22 : ノズル部
22a: 開口部
22b: 係止部
23 : スライド部材
23A: 基端部
23B: 軸部
23C: 保持部
23D: 操作用突起
23a: 頂壁
23b: 凹凸部
23c: 非係止空間部
23d: 係止突起
24 : ホルダ
P : 棒状物
Claims (7)
- 側面に窓部(21B)が形成されたケース本体(21)と先端に棒状物(P)を繰り出す開口部(22a)が形成されたノズル部(22)とが連結されたケース(20)と、先端に棒状物(P)を保持すると共に前記窓部(21B)を介して外部に突出する操作用突起(23D)を有して前記ケース(20)の内側に摺動自在に配置されたスライド部材(23)と、を備えた繰出し容器であって、
前記ケース本体(21)と前記スライド部材(23)とが対向する部分に、前記スライド部材(23)の移動を規制するロック手段が設けられると共に、
前記操作用突起(23D)が前記窓部(21B)の内側領域内を長手方向及び周方向に移動可能に設けられていることを特徴とする繰出し容器。 - ロック手段は、スライド部材(23)側に形成された蛇腹状の凹凸部(23b)と、ケース本体(21)に形成されて前記凹凸部(23b)に係合する係止突片(21a)により構成される請求項1記載の繰出し容器。
- 一対の係止突片(21a)が、ケース本体(21)の細径部(21A)の内周面で且つ軸対称を成す位置に形成されている請求項2記載の繰出し容器。
- スライド部材(23)が、側面に操作用突起(23D)が形成された有頂筒形状からなる基端部(23A)と、該基端部(23A)の頂壁(23a)に垂直に起立設された棒状の軸部(23B)と、該軸部(23B)の先端に設けられて棒状物(P)の保持を可能とする保持部(23C)とを有して形成されており、前記軸部(23B)の外周面上で且つ軸対称を成す位置に一対の凹凸部(23b)が設けられている請求項2又は3記載の繰出し容器。
- 軸部(23B)の周囲で且つ一方の凹凸部(23b)と他方の凹凸部(23b)との間に、一対の非係止空間部(23c)が長手方向に沿って設けられている請求項4記載の繰出し容器。
- スライド部材(23)は、基端部(23A)がケース本体(21)の内側に長手方向及び周方向に摺動可能に挿嵌されている請求項5記載の繰出し容器。
- 窓部(21B)の側部に、棒状物(P)の残量を測るインジケータ(21c)が設けられている請求項1乃至6のいずれか一項に記載の繰出し容器。
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