JP7430035B2 - 真空排気装置及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メインポンプとその後段に並列的に接続された補助ポンプ及び逆止弁とを備えた真空排気装置及びその運転方法に関する。
半導体装置や液晶表示装置の製造用の真空チャンバの排気ラインには、ドライポンプと補助ポンプとを有する真空排気装置が広く用いられている。また、真空排気装置の消費電力の低減を図る目的で、メインポンプとその後段に並列的に接続された補助ポンプ及び逆止弁とを備えた真空排気装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008-8302号公報
近年、真空排気装置の消費電力のさらなる低減が求められている。一般に、真空ポンプの消費電力は真空ポンプの回転数に強く依存するため、真空ポンプの回転数を低下させることで真空ポンプの消費電力を低下させることができる。しかし、例えばスクリューポンプ等の容積移送型ポンプでは、回転数を低下させたときに到達真空度が劣化し、ポンプとして要求される性能を確保することができなくなる場合がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、消費電力の低減を図りつつ、目的とするポンプ性能を確保することができる真空排気装置及びその運転方法を提供することにある。
本発明の一形態に係る真空排気装置は、メインポンプと、補助ポンプと、逆止弁と、検出部と、制御部とを具備する。
前記メインポンプは、回転数可変のモータを有する。
前記補助ポンプは、前記メインポンプの排気口に接続される。
前記逆止弁は、前記メインポンプの排気口に前記補助ポンプとは並列的に接続され、前記メインポンプ側から大気側への方向を順方向とする。
前記検出部は、前記モータの電流値を検出する。
前記制御部は、前記モータの消費電力が第1の閾値以下のとき、前記モータの回転数を第1の回転数から前記第1の回転数よりも低い第2の回転数へ低下させる。
上記真空排気装置においては、メインポンプのモータの消費電力が所定の閾値(第1の閾値)以下のときに当該モータの回転数を第1の回転数から第2の回転数へ低下させる制御を実行するように構成されているため、メインポンプの消費電力の低減を図ることができる。また、メインポンプの後段に補助ポンプ及び逆止弁がそれぞれ並列に接続されているため、メインポンプのモータの回転数の低下に起因する到達圧力の劣化が抑制され、これによりメインポンプのポンプ性能(到達圧力)は真空排気装置として確保される。
前記制御部は、前記モータの消費電力が第2の閾値以上のとき、前記モータの回転数を前記第2の回転数から前記第1の回転数へ上昇させるように構成されてもよい。
これにより、外乱要因によって最大パフォーマンスが必要な状態を検出した場合には、モータを第1の回転数に上昇させてポンプ性能(排気速度)を低減させずに真空排気運転を継続させることができる。
前記メインポンプは、スクリューポンプであってもよい。
回転数の低下により到達圧力の劣化が起こりやすいスクリューポンプがメインポンプとして採用される場合においても、真空排気装置としてポンプ性能(主に到達圧力)を低下させずに消費電力の低減を図ることができる。
前記第1の回転数は、典型的には、前記モータの定格回転数である。
前記制御部は、前記モータの消費電力が前記第1の閾値以下のとき、前記補助ポンプを起動させるように構成されてもよい。
これにより、補助ポンプの消費電力量(典型的には大気から目的とする真空度までの積算電力量に対して)の削減をも図りつつ、目的とするポンプ性能を確保することができる。
本発明の一形態に係る真空排気装置の運転方法は、回転数可変のモータを有するメインポンプと、前記メインポンプの排気口に接続された補助ポンプと、前記メインポンプの排気口に前記補助ポンプとは並列的に接続され、前記メインポンプ側から大気側への方向を順方向とする逆止弁と、を備えた真空排気装置の運転方法であって、
前記モータを第1の回転数で回転させ、
前記モータの電流値を検出し、
前記モータの消費電力が第1の閾値以下に減少したとき、前記モータの回転数を第1の回転数から前記第1の回転数よりも低い第2の回転数へ低下させる。
上記運転方法は、前記モータの消費電力が第2の閾値以上に上昇したとき、前記モータの回転数を前記第2の回転数から前記第1の回転数へ上昇させてもよい。
本発明によれば、消費電力の低減を図りつつ、目的とするポンプ性能を確保することができる。
本発明の一実施形態に係る真空排気装置を示す概略構成図である。 上記真空排気装置の運転方法の一例を示すフローチャートである。 上記真空排気装置におけるメインポンプの回転数の時間変化を示す図である。 上記メインポンプの消費電力と吸入圧との関係の一例を示す図である。 構成が異なる真空排気装置の消費電力及びチャンバ内圧力の時間変化を示す一実験結果である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る真空排気装置100を示す概略構成図である。
[真空排気装置]
本実施形態の真空排気装置100は、メインポンプ10と、補助ポンプ20と、逆止弁30と、検出部40と、コントローラ50とを備える。
メインポンプ10は、典型的には、ドライポンプで構成され、本実施形態ではスクリューポンプである。メインポンプ10は、2本のスクリューロータを内蔵するポンプ本体11と、ポンプ本体11を駆動するモータ12とを有する。
ポンプ本体11は、配管101を介して真空チャンバ1の内部に連通する吸気口11aと、配管102を介して外気に連通する排気口11bとを有する。配管102には、真空チャンバ1とポンプ本体11との間の連通及びその遮断を切り替え可能な真空バルブが配置されてもよい。モータ12は、コントローラ50からの指令に基づき回転数を可変に制御可能な同期モータである。
補助ポンプ20は、配管102を介してメインポンプ10の排気口11bに接続され、メインポンプ10の背圧を排気する。補助ポンプ20は、典型的には、メインポンプよりも排気容量が十分に小さいポンプで構成され、本実施形態ではダイアフラムポンプである。補助ポンプ20は、典型的には、メインポンプ10とともに起動し、常時一定の回転数で駆動される。なお、真空排気装置100の消費電力の視点からは、メインポンプ10の消費電力が支配的になるように補助ポンプ20が選定される。具体的には、補助ポンプ20の定格電力は、メインポンプ10(モータ12)の定格電力に対し8~0.5%となるように選定され、典型的には3%前後が(排気する容量やタクトタイム等から)妥当な設計となる。補助ポンプ20をこのように選定することで、到達圧力近傍におけるメインポンプ10と補助ポンプ20との合算した電力について、ポンプ性能を低下させずに極小化することができる。
逆止弁30は、配管102を介してメインポンプ10の排気口11bに、補助ポンプ20とは並列的に接続される。逆止弁30は、メインポンプ10側から大気側への方向を順方向とする弁装置である。
検出部40は、モータ12の電流値を検出する電流センサである。検出部40は、モータ12のステータコイルに流れる電流を検出可能であればどのような構成であってもよく、独立したセンサであってもよいし、インバータ回路を含むモータ12の駆動回路(図示略)の一部で構成されてもよい。
コントローラ50は、メインポンプ10及び補助ポンプ20の動作を制御する制御部として構成される。コントローラ50は、CPU(Central Processing Unit)を含むコンピュータで構成されてもよいし、インバータ回路を含むモータ12の駆動回路と兼用した構成としてもよいし、リレーシーケンス回路などで構成されてもよい。
コントローラ50は、検出部40の出力に基づいて、モータ12の消費電力が第1の閾値Th1以下であるか否かを判定し、その判定結果に応じて、モータ12の回転数を制御することが可能に構成される。本実施形態においてコントローラ50は、モータ12の消費電力が第1の閾値Th1以下のとき、モータ12の回転数を第1の回転数R1から当該第1の回転数R1よりも低い第2の回転数R2へ低下させる制御を実行する。
第1の回転数R1は、典型的には、モータ12の定格回転数である。例えば、真空チャンバ1の内部を大気圧またはその近傍から排気する場合など、メインポンプ10を最大のパフォーマンス(動力)で動作させるときに、モータ12は、第1の回転数R1で駆動される。
第2の回転数R2は、メインポンプ10の省エネルギ化を実現することができる回転数であって、定格回転数よりも低い適宜の回転数(以下、制御回転数ともいう)に設定される。第2の回転数R2は特に限定されず、補助ポンプ20の排気速度等に応じて適宜設定することができる。例えば、第1の回転数R1(定格回転数)が5000rpmの場合、第2の回転数R2(制御回転数)は3000rpmとされる。
本実施形態においてコントローラ50は、第2の回転数R2を通常の回転数としてモータ12を駆動する。したがって、メインポンプ10の起動時は、モータ12が第2の回転数R2で駆動される。
第1の閾値Th1は特に限定されず、本実施形態では、モータ12の定格の動力発生時における消費電力を100%としたとき、例えばその50%以下に相当する消費電力が第1の閾値Th1と設定される。つまり、本実施形態においてコントローラ50は、第1の回転数R1で回転するモータの消費電力が第1の閾値Th1として設定された消費電力以下になったときに、モータ12の回転数を第2の回転数R2に低下させる制御を実行する。なお本実施形態においては、モータ12の定格電力の1/3以下近傍に第1の閾値Th1が設定される。
コントローラ50はさらに、モータ12の消費電力が第2の閾値Th2以上のとき、モータ12の回転数を第2の回転数R2(制御回転数)から第1の回転数R1(定格回転数)へ上昇させるように構成される。例えば、真空チャンバ1の内圧の上昇などの外乱要因によってメインポンプ10を最大パフォーマンスで動作させる必要がある状態を検出した場合、あるいは図示しない上位の制御装置より最大パフォーマンスでの動作指令の入力がコントローラ50に成された場合には、モータ12の回転数を第1の回転数R1に上昇させることで、ポンプ性能を低減させずに真空排気運転を継続させることができる。なお図示しない上位の制御装置からの動作指令がコントローラ50へ入力可能に構成される場合は、上位の制御装置が外乱を予見出来るとき、事前にメインポンプ10を最大パフォーマンスの状態とする事が出来るため、外乱を検出してからメインポンプ10が最大パフォーマンスとなるまでの時間が不要となり、結果としてタクトタイムを向上させる効果がある。
第2の閾値Th2は、第1の閾値Th1と同じ電力値でもよいし、異なる電力値であってもよい。第2の閾値Th2は、第1の閾値Th1よりも高い電力値が望ましい。典型的には、第2の閾値Th2は、メインポンプ10のポンプ特性などに応じて個別的に設定される。なお本実施形態においては、モータ12の定格電力の1/2以下近傍に第2の閾値Th2が設定される。
なお、制御の安定性を図る観点から、モータ12の消費電力が第1の閾値Th1以下になってから所定時間経過後に、モータ12の回転数を第1の回転数R1から第2の回転数R2へ低下させるようにしてもよい。同様に、モータ12の消費電力が第2の閾値Th2以上になってから所定時間経過後に、モータ12の回転数を第2の回転数R2から第1の回転数R1へ上昇させるようにしてもよい。
[真空排気装置の運転方法]
続いて、コントローラ50の詳細について、真空排気装置100の典型的な動作例とともに説明する。
メインポンプ10及び補助ポンプ20が起動すると、真空チャンバ1の内部が真空排気される。メインポンプ10は、配管101を介して真空チャンバ1内の気体を吸引し、配管102及び逆止弁30を介して排気する。補助ポンプ20は、メインポンプ10の背圧(排気口11b)を排気する。
なお、真空排気装置100の起動時は、メインポンプ10から排気される気体は、主として逆止弁30を介して排気されるため、後述するように、補助ポンプ20は、真空チャンバ1の内圧が所定以下に達した時点で起動されてもよい。なお、主として逆止弁30を介して排気される理由は、メインポンプ10に対して補助ポンプ20の排気速度が低い為である。これは真空排気装置としての到達圧力近傍に於ける電力を、メインポンプ10単体での電力と比較し、低減させる効果を生んでいる。
図2は、コントローラ50によるメインポンプ10の制御手順の一例を示すフローチャートである。図3は、メインポンプ10におけるモータ12の回転数の時間変化を示す図である。図4は、メインポンプ10の消費電力と吸入圧との関係の一例を示す図である。
コントローラ50は、上述のように、メインポンプ10の起動時、モータ12を第2の回転数R2(例えば、3000rpm)で駆動する。コントローラ50は、検出部40からモータ12の電流値を取得し、モータ12の消費電力が第2の閾値Th2以上であるか否かを判定する(ST101,102)。
真空チャンバ1の内部が大気圧又はこれに近い圧力のとき、モータ12の負荷は比較的高く、したがってモータ12の消費電力も比較的高い。コントローラ50は、モータ12の消費電力が第2の閾値Th2以上であると判定すると、モータ12の回転数を第2の回転数R2から定格回転数である第1の回転数R1(例えば、5000rpm)へ上昇させる(ST103)。これにより、メインポンプ10は最大動力(モータ12の定格電力)で駆動されるため、真空チャンバ1が目的とする排気速度で排気される。
コントローラ50は、所定の周期で検出部40からモータ12の電流値を取得し、モータ12の消費電力が第1の閾値Th1以下であるか否かを判定する(ST104)。メインポンプ10の排気運転により真空チャンバ1の内圧は徐々に低下し、真空チャンバ1内部からの気体の移送量が減少する(つまり単位時間あたりの圧縮損失量が減少する)事を主因としてメインポンプ10のモータ12の負荷も徐々に低下するため、モータ12の消費電力も低下する。コントローラ50は、モータ12の消費電力が第2の閾値Th2未満の場合でも、第1の閾値Th1以下に低下するまで、モータ12を第1の回転数R1(定格回転数)で駆動させる制御を継続する(ST102,104,103)。
一方、コントローラ50は、モータ12の消費電力が第1の閾値Th1以下であると判定すると、モータ12の回転数を第1の回転数R1(定格回転数)から第2の回転数R2(制御回転数)へ低下させる制御を実行する(ST104,105)。これにより、メインポンプ10及びこれを備えた真空排気装置100全体の消費電力の削減を図ることができる。
このとき、メインポンプ10の後段に逆止弁30が接続され、かつ第1の閾値Th1の値は逆止弁30が作動している事を条件とするため、メインポンプ10の回転数の低下に伴って発生し得る気体の逆流(排気口11bから吸気口11aへ向かう気体の流れ)が禁止される。したがって、モータ12の回転数の低下によりメインポンプ10のポンプ性能(到達圧力)が劣化することもない。
さらに、メインポンプ10の排気口11bが補助ポンプ20により常時排気されている。メインポンプ10が排気口11bより吐出した気体体積の全量が補助ポンプ20により常時排気される状態、つまり配管102の内圧が大気圧以下の(逆止弁30が動作した)状態となると、給気口11aと排気口11bとの差圧が減少する効果により、モータ12の負荷が軽減される。この効果は、モータ12の電流値、ひいては消費電力に顕著に現れるため、第1の閾値Th1の設定値はこの効果が現れた後の値として設定する事が好ましい。
なお補助ポンプ20が停止している条件では前記の効果が発現しないが、第1の閾値Th1の設定値以下にモータ12の消費電力が低下したら、コントローラ50は、補助ポンプ20を起動させる制御を実行し、配管102の内圧が大気圧以下の(逆止弁30が動作した)状態と想定される一定時間経過後に、メインポンプ10のモータ12を第2の回転数R2に切り替える制御を実行してもよい。つまり逆止弁30が作動した条件下で第2の回転数R2(制御回転数)へ低下させる制御が実行できる。これにより、真空排気装置100の起動時は補助ポンプ20を停止させておくことができるため、真空排気装置100全体の消費電力の更なる低減を図ることができる。
図5は、一実験例として、100リットルの真空チャンバを大気圧から1Pa付近まで排気したときの真空排気装置の消費電力及びチャンバ内圧力の時間変化を示す図である。
図中、Po1は、上述のように、補助ポンプ及び逆止弁を備え、かつ、メインポンプの回転数制御が適用される真空排気装置(実施例)における消費電力の時間変化を示す。
Po2は、補助ポンプ及び逆止弁を備え、かつ、メインポンプの回転数が一定値(5000rpm)で固定された真空排気装置(比較例1)における消費電力の時間変化を示す。
Po3は、補助ポンプ及び逆止弁を備えていないメインポンプ(スクリューポンプ)のみからなる真空排気装置(比較例2)における消費電力の時間変化を示す。
Pr1は、実施例における真空チャンバ内の圧力の時間変化を示す。
Pr2は、比較例1における真空チャンバ内の圧力の時間変化を示す。
そして、Pr3は、比較例2における真空チャンバ内の圧力の時間変化を示す。
比較例1に係る真空排気装置において、メインポンプは定格回転数(5000rpm)で回転する。このため、起動開始直後において消費電力が最大値に達し、以後は時間の経過とともに消費電力(Po2)及びチャンバ内圧力(Pr2)は低下する傾向にある。消費電力(Po2)に関しては、起動開始から約45秒付近でほぼ一定に推移することが確認された。また、起動開始から約25秒経過後に見られる消費電力(Po2)の急激な低下は、逆止弁の動作が開始されたことによるものである。
一方、実施例に係る真空排気装置においては、起動時は制御回転数(3000rpm)で駆動され、約1500W付近に設定された第2の閾値(Th2)を境としてモータの回転数が定格回転数(5000rpm)に上昇させられる。このため、起動開始から十数秒付近で消費電力のピークに達し、以後は時間の経過とともに消費電力は低下する。なお、起動開始から約30秒経過後に見られる消費電力(Po1)の急激な低下は、逆止弁の動作が開始されたことによるものである。
さらに、実施例に係る真空排気装置においては、起動開始から48秒付近で消費電力(Po1)が急激に低下する。これは、メインポンプのモータの消費電力が第1の閾値(Th1)以下に達したことで、モータの回転数が定格回転数(5000rpm)から制御回転数(3000rpm)へと推移したことによるものである。その結果、起動開始から56秒付近で制御回転数への到達に起因すると見られる消費電力の若干の上昇は認められるものの、比較例1に係る真空排気装置における消費電力(Po2)よりも低い状態が維持され、この実験では、約400Wの低消費電力が実現された。また、チャンバ内圧力(Pr1)に関しても、比較例1と同等の到達圧力を実現できた。
比較例2に係る真空排気装置においては、起動開始から比較例1に係る真空排気装置の場合と同様な推移で消費電力(Po3)が低下するものの、起動開始から約26秒~30秒付近で実施例(Po1)及び比較例1(Po2)との間で消費電力の差が大きくなる。これは、比較例2に係る真空排気装置は補助ポンプを備えていないため、メインポンプの背圧を減圧させることができず、メインポンプの消費電力の低減が図れないことに起因する。
本実験例によれば、実施例、比較例1及び比較例2に係る真空排気装置はいずれも、1Paオーダーの到達圧力が得られることが確認された。また、比較例2では消費電力が2300W程度であるのに対して、逆止弁及び補助ポンプを備えた実施例及び比較例1では、消費電力が1000W以下にまで低減できることが確認された。さらに、回転数制御を行わない比較例1の消費電力(600~700W程度)と比較して、回転数制御を行う実施例によれば、消費電力が300~400W程度にまで低減することが確認された。
以上のように、本実施形態(実施例)に係る真空排気装置においては、メインポンプ10の後段に補助ポンプ20及び逆止弁30が接続されているため、チャンバ内圧力が一定の真空度以上に達した後でのメインポンプ10の消費電力を低減させることができるとともに、回転数を低下させる制御を実行した場合でも気体の逆流を生じさせることなくチャンバ内を排気することができる。
さらに本実施形態(実施例)に係る真空排気装置によれば、モータ12の消費電力が所定の閾値(第1の閾値Th1)以下に達した時点で回転数を低下させる制御を実行するようにしているので、到達圧力を劣化させることなく、消費電力のさらなる低減を図ることができる。
なおこれまで説明に用いた文言「電力」は、電圧または抵抗が略一定であれば「電流」を用いる事で同様な効果を奏する事から、開示した技術思想と同様の効果を発揮できるのであれば、「電力」は電流、すなわち電流値であってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施形態では、メインポンプとしてスクリューポンプを例に挙げて説明したが、これに限られず、多段ルーツポンプ等の他のドライポンプが適用されてもよい。補助ポンプも同様に、ダイアフラムポンプに限られず、他の種類の真空ポンプが採用されてもよい。
1…真空チャンバ
10…メインポンプ
12…モータ
20…補助ポンプ
30…逆止弁
40…検出部
50…コントローラ
100…真空排気装置

Claims (6)

  1. 回転数可変のモータを有するメインポンプと、
    前記メインポンプの排気口に接続された補助ポンプと、
    前記メインポンプの排気口に前記補助ポンプとは並列的に接続され、前記メインポンプ側から大気側への方向を順方向とする逆止弁と、
    前記モータの電流値を検出する検出部と、
    前記モータの消費電力が、前記モータの定格の消費電力の半分以下に相当する消費電力である第1の閾値以下のとき、前記補助ポンプを起動させ、前記補助ポンプを起動させてから前記メインポンプの排気口の圧力が大気圧以下となる一定時間経過後に、前記モータの回転数を第1の回転数から前記第1の回転数よりも低い第2回転数へ低下させる制御部と
    を具備する真空排気装置。
  2. 請求項1に記載の真空排気装置であって、
    前記制御部は、前記モータの消費電力が前記第1の閾値よりも高い電力値である第2の閾値以上のとき、前記モータの回転数を前記第2の回転数から前記第1の回転数へ上昇させる
    真空排気装置。
  3. 請求項1又は2に記載の真空排気装置であって、
    前記メインポンプは、スクリューポンプである
    真空排気装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1つに記載の真空排気装置であって、
    前記第1の回転数は、前記モータの定格回転数である
    真空排気装置。
  5. 回転数可変のモータを有するメインポンプと、前記メインポンプの排気口に接続された補助ポンプと、前記メインポンプの排気口に前記補助ポンプとは並列的に接続され、前記メインポンプ側から大気側への方向を順方向とする逆止弁と、を備えた真空排気装置の運転方法であって、
    前記モータを第1の回転数で回転させ、
    前記モータの電流値を検出し、
    前記モータの消費電力が、前記モータの定格の消費電力の半分以下に相当する消費電力である第1の閾値以下に減少したとき、前記補助ポンプを起動させ、前記補助ポンプを起動させてから前記メインポンプの排気口の圧力が大気圧以下となる一定時間経過後に、前記モータの回転数を第1の回転数から前記第1の回転数よりも低い第2の回転数へ低下させる
    真空排気装置の運転方法。
  6. 請求項5に記載の真空排気装置の運転方法であって、
    前記モータの消費電力が前記第1の閾値よりも高い電力値である第2の閾値以上に上昇したとき、前記モータの回転数を前記第2の回転数から前記第1の回転数へ上昇させる
    真空排気装置の運転方法。
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