(本発明に至る経緯)
まず、本発明に至る経緯について、図1および図2を参照しながら説明する。
従来、建築外構または架橋などをバックにて観客に対する演出が行われる。演出を行うための制御システムは、例えば、ライトアップを行う照明システム、プロジェクションマッピングを行う映像システム、および、音を出力する音響システムなどを組み合わせたシステムで構成される。
図1は、比較例の制御システム101を示す概略図である。
比較例の制御システム101は、複数の再生コントローラ130a、130b、130cと、複数の再生コントローラ130a~130cのそれぞれに接続された複数の演出装置140と、複数の再生コントローラ130a~130cを制御するマスターコントローラ110とによって構成される。なお、図1にはスイッチングハブ120も示されている。
制御システム101で演出を始める場合、マスターコントローラ110は、演出開始の合図となる開始信号s102を各再生コントローラ130a~130cへ送信する。開始信号s102を受信した各再生コントローラ130a~130cは、自身が保有する演出用コンテンツCを再生処理し、再生処理によって生成された再生データRDを各演出装置140へ出力する。
開始信号s102の送信時刻は、例えば、予め決められた時刻に設定される。また、式典イベントにおいてカウントダウンに合わせて演出を始めたり、モータースポーツやマラソンなどの競技会においてゴールに合わせて演出を始めたりする場合、開始信号s102の送信は、例えば、人による手動操作をきっかけとして行われる。
図2は、比較例の制御システム101の動作タイミングを示す図である。
制御システム101では、マスターコントローラ110から各再生コントローラ130a~130cへ開始信号s102を送信してから、各再生コントローラ130a~130cにおいて再生がスタートするまでに遅れ時間Tdが発生する。遅れ時間Tdは、通信時間Tcおよび処理時間Tpを足し合わせた時間である。
通信時間Tcは、マスターコントローラ110が開始信号s102を送信してから再生コントローラ130a~130cが開始信号s102を受信するまでの時間である。通信時間Tcは、マスターコントローラ110と各再生コントローラ130a~130cとの通信におけるデータアクセス速度に関わり、両コントローラのネットワーク処理性能や物理的距離に依存する。
処理時間Tpは、再生コントローラ130a~130cが再生処理を開始してから演出用コンテンツCの再生がスタートするまでの時間である。つまり、処理時間Tpは、再生コントローラ130a~130cが開始信号s102を受信してから演出用コンテンツCを読み込みんで、再生データRDを出力するのにかかる時間である。処理時間Tpは、再生コントローラ130a~130cの処理性能、演出装置140の台数、および、演出用コンテンツCのデータサイズ(ファイル容量)などに依存する。
遅れ時間Tdは、各再生コントローラ130a~130cによって異なるため、例えば開始信号s102が同時に各再生コントローラ130a~130cへ出力されても、各再生コントローラ130a~130cにて同時に再生がスタートするとは限らない。また、制御システム101が複雑な通信ネットワークで構成される場合、通信時間Tcのばらつきが大きくなり、各再生コントローラ130a~130cにて同時に再生をスタートすることが難しくなる。各再生コントローラ130a~130cによる再生タイミングが一致していないと、例えば、照明、映像および音に対するずれが感じられ、演出に対する違和感が生じてしまう。
それに対し、本実施の形態の制御システムは、演出に対する違和感が生じることを抑制できる構成を備えている。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の一形態に係る実現形態を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。本発明の実現形態は、現行の独立請求項に限定されるものではなく、他の独立請求項によっても表現され得る。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
(実施の形態1)
[1-1.制御システムの構成]
本実施の形態に係る制御システムの構成について、図3~図7を参照しながら説明する。
図3は、実施の形態1に係る制御システム1を構成するマスターコントローラ10、再生コントローラ30a、30b、30cおよび演出装置40を示す概略図である。図4は、制御システム1のブロック構成図である。なお、図3にはスイッチングハブ20および外部スイッチ5a、5bも示されている。
図3および図4に示すように、制御システム1は、演出を行う複数の演出装置40と、複数の演出装置40を制御する複数の再生コントローラ30a~30cと、複数の再生コントローラ30a~30cを制御するマスターコントローラ10と、を備えている。
複数の演出装置40と各再生コントローラ30a~30cとは有線によって通信接続されている。各再生コントローラ30a~30cとマスターコントローラ10とは、スイッチングハブ20を介して、有線によって通信接続されている。例えば、再生コントローラ30aは第1の経路R1を介してマスターコントローラ10に接続され、再生コントローラ30bは第2の経路R2を介してマスターコントローラ10に接続され、再生コントローラ30cは第3の経路R3を介してマスターコントローラ10に接続されている。
図3に示すように、複数の演出装置40は、屋外灯などの照明機器40a、プロジェクターなどの映像機器40b、および、スピーカなどの音響機器40cによって構成されている。
複数の演出装置40は、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対応して通信接続されている。例えば、再生コントローラ30aには、複数の照明機器40aが通信接続され、再生コントローラ30bには、複数の映像機器40bが通信接続され、再生コントローラ30aには、複数の音響機器40cが通信接続されている。すなわち、複数の再生コントローラ30a~30cのうち少なくとも1つの再生コントローラ30aには、照明機器40aである演出装置40が接続されている。
図5は、演出装置40の配置の一例を示す図である。
複数の演出装置40は、ビル、塔、橋などの建物90に設置される。例えば、照明機器40aは、建物90の外壁に所定間隔で点在するように配置され、映像機器40bは、建物90に映像を投影するように建物90の正面側に配置され、音響機器40cは、演出を体感する観衆に向けて配置される。
各演出装置40は、再生コントローラ30a~30cの再生処理によって生成された再生データRDに基づいて演出を行う。例えば、再生コントローラ30aから出力される再生データRDには、照明機器40aにて照射する光の色および明るさに関する情報が含まれている。再生コントローラ30bから出力される再生データRDには、映像機器40bにて投影する映像に関する情報が含まれている。再生コントローラ30cから出力される再生データRDには、音響機器40cにて出力する音に関する情報が含まれている。このように、各演出装置40は、再生コントローラ30a~30cの再生に基づいて演出を行う。
各再生コントローラ30a~30cは、演出用コンテンツCを再生処理して再生を行うコントローラである。
図4に示すように、各再生コントローラ30a~30cは、通信部32、情報処理部35、記憶部36、出力部37を有している。通信部32、記憶部36および出力部37のそれぞれは、情報処理部35に接続されている。
通信部32は、マスターコントローラ10と通信する通信モジュールである。通信部32は、マスターコントローラ10から送信された試行信号s1または再生処理開始信号s2を受信する。試行信号s1は、各再生コントローラ30a~30cに対して再生処理を試行させる信号である。再生処理開始信号s2は、実際の演出開始時において、各再生コントローラ30a~30cに対して演出用コンテンツCの再生処理の開始を指示する信号である。
記憶部36には、演出用コンテンツCが保存されている。演出用コンテンツCは、例えば、カメラ等で撮像した動画データであるが、それに限られず、ダウンロード等により取得した動画データであってもよい。また、記憶部36には、MAC(Media Access Control)アドレスなどの識別情報が保存されている。なお、各再生コントローラ30a~30cの各MACアドレスは、スイッチングハブ20に読み込まれて保持される。
また、記憶部36には、情報処理部35によって実行されるアプリケーションプログラム等のプログラムが保存されている。記憶部36は、スタティックRAM(Random Access Memory)若しくはダイナミックRAM等の揮発性の記憶装置、または、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置等によって実現される。
情報処理部35は、演出用コンテンツCを再生処理して再生を行う処理部である。具体的には、情報処理部35は、マスターコントローラ10から送信された試行信号s1または再生処理開始信号s2に基づいて、演出用コンテンツCを再生処理して、再生データRDを生成する。情報処理部35は、プロセッサまたはマイクロコンピュータなどによって実現される。
出力部37は、例えば通信モジュールであり、出力部37に有線接続された演出装置40と通信する。出力部37は、情報処理部35で生成された再生データRDを演出装置40へ出力する。
マスターコントローラ10は、複数の再生コントローラ30a~30cを作動制御するコントローラである。
図4に示すように、マスターコントローラ10は、入力部11と、情報処理部15と、記憶部16と、通信部17とを備えている。入力部11、記憶部16および通信部17のそれぞれは、情報処理部15に接続されている。
通信部17は、例えば通信モジュールであり、各再生コントローラ30a~30cと有線で通信する。
入力部11は、制御システム1を利用するユーザからの操作入力を受け付ける回路である。入力部11には、複数の外部スイッチ5a、5bが接続されている。入力部11は、複数の外部スイッチ5a、5bによる操作入力を択一的に受け付け可能である。
情報処理部15は、プロセッサまたはマイクロコンピュータなどによって実現される。記憶部16には、情報処理部15によって実行されるアプリケーションプログラム等のプログラムが保存されている。記憶部16は、スタティックRAM若しくはダイナミックRAM等の揮発性の記憶装置、または、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置等によって実現される。
情報処理部15は、通信部17を介して、再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対して試行信号s1を送信する。この試行信号s1は、各再生コントローラ30a~30cに再生処理を開始する指令を送信してから再生コントローラ30a~30cのそれぞれにて再生がスタートするまでのそれぞれの遅れ時間Tdを算出するために送信される信号である。
情報処理部15は、遅れ時間Tdを含む遅れ時間情報itを記憶部16に記憶させる。記憶部16には、遅れ時間情報itが保存される。
図6は、マスターコントローラ10の記憶部16に保存される遅れ時間情報itの一例を示す図である。
記憶部16には、遅れ時間情報itとして、再生コントローラ30a~30cの識別情報、再生コントローラ30a~30cとの通信時間Tc(例えばTc1、Tc2、Tc3)、再生コントローラ30a~30cに保存されている演出用コンテンツC(例えばC1、C2)、再生コントローラ30a~30cにおける処理時間Tp(例えばTp1、Tp2、Tp3)、および、遅れ時間Td(例えばTd1、Td2、Td3)が、関連付けられた状態で保存されている。また、記憶部16には、遅れ時間情報itに外部スイッチ5a、5bの操作入力情報が、関連付けられた状態で保存されている。
再生コントローラ30a~30cの識別情報、演出用コンテンツCおよび外部スイッチ5a、5bの操作入力情報は、ユーザによって記憶部16に予め保存される。通信時間Tc、処理時間Tpおよび遅れ時間Tdは、マスターコントローラ10から各再生コントローラ30a~30cへ試行信号s1を送信して得られたデータに基づいて算出される。
情報処理部15は、遅れ時間情報itに基づいて、複数の演出装置40にて演出を始めるタイミングが一致するように、各再生コントローラ30a~30cを制御する。具体的には、情報処理部15は、遅れ時間情報itに基づいて、再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対して再生処理開始信号s2を送信する。
図7は、制御システム1の動作タイミングを示す図である。
マスターコントローラ10は、入力部11で受け付けた操作入力をきっかけとし、この操作入力に対応する遅れ時間情報itに基づいて、再生処理開始信号s2を送信する。再生処理開始信号s2を送信する際、情報処理部15は、記憶部16に記憶された遅れ時間情報itに基づいて、各再生コントローラ30a~30cへ再生処理開始信号s2を送信する時刻を調整する。具体的には、マスターコントローラ10は、試行信号s1を送信してから複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれで再生がスタートするまでの遅れ時間Td1~Td3のうち、最も長い遅れ時間Tmを基準として、再生処理開始信号s2を送信する時刻を調整する。
図7では、第1の経路R1の遅れ時間Td1が最も長い遅れ時間Tmであり、この最も長い遅れ時間Tmを基準として再生処理開始信号s2が送信されている。例えばこの図では、遅れ時間が最も長い第1の経路R1の再生コントローラ30aへ再生処理開始信号s2が送信された後、次に遅れ時間が長い第2の経路R2の再生コントローラ30bへ再生処理開始信号s2が送信され、その後、遅れ時間が最も短い第3の経路R3の再生コントローラ30cへ再生処理開始信号s2が送信されている。例えば、再生コントローラ30bへ再生処理開始信号s2を送信する時刻は、再生コントローラ30bを含む第2の経路R2の遅れ時間Td2と最も長い遅れ時間Tmとの時間差により決定される。再生コントローラ30cへ再生処理開始信号s2を送信する時刻は、再生コントローラ30cを含む第3の経路R3の遅れ時間Td3と最も長い遅れ時間Tmとの時間差により決定される。
このように、遅れ時間情報itに基づいて複数の再生コントローラ30a~30cを制御することで、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出を始めるタイミングを一致させ、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
[1-2.制御方法]
実施の形態1に係る制御方法について、図8および図9を参照しながら説明する。実施の形態1に係る制御方法は、遅れ時間情報itを取得するステップと、遅れ時間情報itに基づいて複数の再生コントローラ30a~30cを制御するステップと、を含む。
まず、遅れ時間情報itを取得するステップについて説明する。
図8は、遅れ時間情報itを取得するステップを示す図である。遅れ時間情報itは、再生処理開始信号s2を送信する時刻を決めるために必要となる情報である。
まず、マスターコントローラ10は、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対して再生処理を試行させる試行信号s1を送信する(ステップS11)。マスターコントローラ10は、試行信号s1を送信した時刻を時刻t1として記憶部16に記憶させる。
各再生コントローラ30a~30cは、試行信号s1を受信する(ステップS12)。各再生コントローラ30a~30cは、試行信号s1を受信した時刻を時刻t2として記憶部36に記憶させる。
試行信号s1を受信した直後、各再生コントローラ30a~30cは、演出用コンテンツC1に対して再生処理を試行する(ステップS13)。各再生コントローラ30a~30cは、再生処理により再生がスタートした時刻を時刻t3として記憶部36に記憶させる。
ここで、各再生コントローラ30a~30cは、再生処理を開始してから再生がスタートするまでの時間、すなわち再生処理にかかった処理時間Tpを算出する(ステップS14)。処理時間Tpは、Tp=t3-t2により求められる。各再生コントローラ30a~30cは、算出した処理時間Tpをマスターコントローラ10へ送信する(ステップS15)。
マスターコントローラ10は、処理時間Tpを受信した時刻を時刻t4として記憶部16に記憶させる(ステップS16)。次に、マスターコントローラ10は、試行信号s1を送信してから処理時間Tpの返信を受け付けるまでの応答時間Taを算出する(ステップS17)。応答時間Taは、Ta=t4-t1により求められる。
そして、マスターコントローラ10は、再生コントローラ30a~30cに試行信号s1を送信してから再生がスタートするまでの遅れ時間Tdを求める(ステップS18)。遅れ時間Tdは、通信時間Tcと処理時間Tpとを足し合わせた時間である(Td=Tc+Tp)。通信時間Tcは、Tc=(Ta-Tp)/2により求められる。なお、この例では、試行信号s1を送信する上り時間と、処理時間Tpを受け取る下り時間とが、ほぼ同じ時間であるとしている。
このようにして、各経路R1~R3における遅れ時間Td(Td1~Td3)等を取得する。同様に、演出用コンテンツC2においてもステップS11~S18を実行することで遅れ時間Td(Td4~Td6)等を取得する。これらのステップS11~S18により、遅れ時間Tdを含む遅れ時間情報itを取得する。
次に、遅れ時間情報itに基づいて複数の再生コントローラ30a~30cを制御するステップについて説明する。
図9は、再生コントローラ30a~30cを制御するステップを示す図である。
まず、マスターコントローラ10は、外部スイッチ5a、5bのいずれかの操作入力を受け付ける(ステップS21)。
マスターコントローラ10は、外部スイッチ5a、5bのいずれかの操作入力に対応した遅れ時間情報itを記憶部16から読み出す(ステップS22)。例えば、外部スイッチ5aに対応する各再生コントローラ30a~30cの各経路R1~R3の遅れ時間Tdは、遅れ時間Td1、Td2、Td3である(図6参照)。
マスターコントローラ10は、各遅れ時間Td1~Td3のうち最も長い遅れ時間Tmを抽出する(ステップS23)。図6に示す例では、再生コントローラ30aを含む第1の経路R1の遅れ時間Td1が最も長い遅れ時間Tmとして抽出される。
次に、マスターコントローラ10は、再生処理開始信号s2を送信する時刻を調整するための差分時間Dを算出する(ステップS24)。差分時間Dは、遅れ時間Tdと最も長い遅れ時間Tmとの差をとることで求められる(D=Tm-Td)。
マスターコントローラ10は、さらに、演出が始まる時間を所定時間経過させるためのオフセット時間に関する情報を読み込む(ステップS25)。なお、オフセット時間は、外部スイッチ5a、5bの種類によって予め決められ、外部スイッチ5a、5bごとに関連付けられて記憶部16に保存されている。
マスターコントローラ10は、例えば、外部スイッチ5aによる操作入力を受け付け、所定時間経過した後、ステップS24で求めた差分時間Dに基づいて、各再生コントローラ30a~30cへ再生処理開始信号s2を送信する(ステップS26)。具体的には、各再生コントローラ30a~30cへ送信する再生処理開始信号s2の送信時刻を変えて、再生処理開始信号s2を送信する(図7参照)。
再生処理開始信号s2を受信した各再生コントローラ30a~30cは、再生処理を開始する(ステップS27)。この再生処理の開始により、各再生コントローラ30a~30cは再生をスタートする(ステップS28)。具体的には、再生処理により生成された再生データRDを各演出装置40に送信する。各演出装置40は、再生データRDに基づいて演出を始める。これにより、各演出装置40にて演出を始めるタイミングを同期させる。
これらのステップS21~S28を実行することで、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制できる。
[1-3.効果等]
本実施の形態に係る制御システム1は、演出用コンテンツCを再生処理して再生を行う複数の再生コントローラ30a~30cと、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対応して通信接続され、複数の再生コントローラ30a~30cの再生に基づいて演出を行う複数の演出装置40と、を備える。複数の再生コントローラ30a~30cのうちの少なくとも1つの再生コントローラ(例えば30a)に通信接続された演出装置40は、照明機器40aを含む。制御システム1は、複数の再生コントローラ30a~30cへ再生処理を試行させる試行信号s1を送信してから複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれで再生がスタートするまでのそれぞれの遅れ時間Tdを含む遅れ時間情報itを記憶している記憶部を有し、記憶部に記憶された遅れ時間情報itに基づいて、複数の演出装置40にて演出を始めるタイミングが一致するように、複数の再生コントローラ30a~30cを制御する。
このように、遅れ時間情報itに基づいて複数の再生コントローラ30a~30cを制御することで、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
また、制御システム1は、さらに、複数の再生コントローラ30a~30cに通信接続されたマスターコントローラ10を備え、記憶部16は、マスターコントローラ10に設けられている。マスターコントローラ10は、遅れ時間情報itに基づいて、複数の再生コントローラ30a~30cを制御してもよい。
このように、マスターコントローラ10の記憶部16に記憶された遅れ時間情報itに基づいて複数の再生コントローラ30a~30cを制御することで、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
また、マスターコントローラ10は、遅れ時間情報itに基づいて、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対して再生処理の開始を指示する再生処理開始信号s2を送信する時刻を調整してもよい。
このように、再生処理開始信号s2を送信する時刻を調整することで、複数の演出装置40にて演出を始めるタイミングを適切に一致させることができる。これにより、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
また、マスターコントローラ10は、それぞれの遅れ時間Tdのうち最も長い遅れ時間Tmを基準として、再生処理開始信号s2を送信する時刻を調整してもよい。
このように、最も長い遅れ時間Tmを基準として再生処理開始信号s2を送信する時刻を調整することで、複数の演出装置40にて演出を始めるタイミングを適切に一致させることができる。これにより、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
また、マスターコントローラ10は、さらに、外部からの操作入力を受け付ける入力部11を有し、入力部11で受け付けた操作入力をきっかけとして再生処理開始信号s2を送信してもよい。
これによれば、外部からの操作入力をきっかけとする適切なタイミングで、照明機器40aを含む演出装置40による演出を行うことが可能となる。
また、入力部11は、複数の操作入力を択一的に受け付け、マスターコントローラ10は、複数の操作入力のそれぞれに対応する遅れ時間情報itに基づいて、再生処理開始信号s2を送信してもよい。
これによれば、複数の操作入力に対応した遅れ時間情報itに基づいて、複数の再生コントローラ30a~30cを制御することができる。これにより、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
また、マスターコントローラ10は、操作入力を受け付けてから所定時間経過した後に、遅れ時間情報itに基づく再生処理開始信号s2を送信してもよい。
このように、所定時間経過した後に再生処理開始信号s2を送信することで、複数の演出装置40にて演出を始めるタイミングを、余裕をもって一致させることができる。これにより、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
本実施の形態に係る制御方法は、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対応して通信接続された、照明機器40aを含む複数の演出装置40にて演出を行う制御方法であって、複数の再生コントローラ30a~30cへ演出用コンテンツCの再生処理を試行させる試行信号s1を送信してから複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれで再生がスタートするまでのそれぞれの遅れ時間Tdを含む遅れ時間情報itを取得するステップと、遅れ時間情報itに基づいて、複数の演出装置40にて演出を始めるタイミングが一致するように、複数の再生コントローラ30a~30cを制御するステップと、を含む。
このように、遅れ時間情報itに基づいて複数の再生コントローラ30a~30cを制御することで、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
(実施の形態2)
[2-1.制御システムの構成]
実施の形態2に係る制御システム1Aの構成について、図10および図11を参照しながら説明する。
図10は、実施の形態2に係る制御システム1Aを構成するマスターコントローラ10、再生コントローラ30a、30b、30cおよび演出装置40を示す概略図である。図11は、制御システム1Aのブロック構成図である。なお、図10にはスイッチングハブ20および外部スイッチ5a、5bも示されている。
図10および図11に示すように、制御システム1Aは、演出を行う複数の演出装置40と、複数の演出装置40を制御する複数の再生コントローラ30a~30cと、複数の再生コントローラ30a~30cを制御するマスターコントローラ10と、を備えている。
複数の演出装置40と各再生コントローラ30a~30cとは有線によって通信接続されている。各再生コントローラ30a~30cとマスターコントローラ10とは、スイッチングハブ20を介して、有線によって通信接続されている。例えば、再生コントローラ30aは第1の経路R1を介してマスターコントローラ10に接続され、再生コントローラ30bは第2の経路R2を介してマスターコントローラ10に接続され、再生コントローラ30cは第3の経路R3を介してマスターコントローラ10に接続されている。なお、マスターコントローラ10と、再生コントローラ30a~30cとの時計は一致している。
図10に示すように、複数の演出装置40は、屋外灯などの照明機器40a、プロジェクターなどの映像機器40b、および、スピーカなどの音響機器40cによって構成されている。
複数の演出装置40は、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対応して通信接続されている。例えば、再生コントローラ30aには、複数の照明機器40aが通信接続され、再生コントローラ30bには、複数の映像機器40bが通信接続され、再生コントローラ30cには、複数の音響機器40cが通信接続されている。すなわち、複数の再生コントローラ30a~30cのうち少なくとも1つの再生コントローラ30aには、照明機器40aである演出装置40が接続されている。
各再生コントローラ30a~30cは、演出用コンテンツCを再生処理して再生を行うコントローラである。
図11に示すように、各再生コントローラ30a~30cは、通信部32、情報処理部35、記憶部36、出力部37を有している。通信部32、記憶部36および出力部37のそれぞれは、情報処理部35に接続されている。
通信部32は、マスターコントローラ10と通信する通信モジュールである。通信部32は、マスターコントローラ10から送信された試行信号s1または待機時間信号s3を受信する。試行信号s1は、各再生コントローラ30a~30cに対して再生処理を試行させる信号である。待機時間信号s3は、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれが、再生をスタートするまでの待機時間を示す信号である。
記憶部36には、演出用コンテンツCが保存されている。演出用コンテンツCは、例えば、カメラ等で撮像した動画データであるが、それに限られず、ダウンロード等により取得した動画データであってもよい。また、記憶部36には、MACアドレスなどの識別情報が保存されている。なお、各再生コントローラ30a~30cの各MACアドレスは、スイッチングハブ20に読み込まれて保持される。
情報処理部35は、演出用コンテンツCを再生処理して再生を行う処理部である。具体的には、情報処理部35は、マスターコントローラ10から送信された試行信号s1または待機時間信号s3に基づいて、演出用コンテンツCを再生処理して、再生データRDを生成する。
出力部37は、例えば通信モジュールであり、出力部37に有線接続された演出装置40と通信する。出力部37は、情報処理部35で生成された再生データRDを演出装置40へ出力する。
マスターコントローラ10は、複数の再生コントローラ30a~30cを作動制御するコントローラである。
図11に示すように、マスターコントローラ10は、入力部11と、情報処理部15と、記憶部16と、通信部17とを備えている。入力部11、記憶部16および通信部17のそれぞれは、情報処理部15に接続されている。
通信部17は、例えば通信モジュールであり、各再生コントローラ30a~30cと有線で通信する。
入力部11は、制御システム1Aを利用するユーザからの操作入力を受け付ける回路である。入力部11には、複数の外部スイッチ5a、5bが接続されている。入力部11は、複数の外部スイッチ5a、5bによる操作入力を択一的に受け付け可能である。
情報処理部15は、通信部17を介して、再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対して試行信号s1を送信する。この試行信号s1は、各再生コントローラ30a~30cに再生処理を開始する指令を送信してから再生コントローラ30a~30cのそれぞれにて再生がスタートするまでのそれぞれの遅れ時間Tdを算出するために送信される信号である。
情報処理部15は、遅れ時間Tdを含む遅れ時間情報itを記憶部16に記憶させる。記憶部16には、遅れ時間情報itが保存される(図6参照)。
情報処理部15は、遅れ時間情報itに基づいて、複数の演出装置40にて演出を始めるタイミングが一致するように、各再生コントローラ30a~30cを制御する。具体的には、情報処理部15は、遅れ時間情報itに基づいて、再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対して待機時間信号s3を送信する。
図12は、制御システム1Aの動作タイミングを示す図である。
マスターコントローラ10は、入力部11で受け付けた操作入力をきっかけとし、この操作入力に対応する遅れ時間情報itに基づいて、待機時間信号s3を送信する。情報処理部15は、各再生コントローラ30a~30cに対し待機時間信号s3を同時に送信する。待機時間信号s3には、各再生コントローラ30a~30cが再生をスタートするまでの待機時間Wに関する情報が含まれている。マスターコントローラ10は、試行信号s1を送信してから複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれで再生がスタートするまでの遅れ時間Td1~Td3のうち、最も長い遅れ時間Tmを基準として、待機時間Wを決定する。
図12では、第1の経路R1の遅れ時間Td1が最も長い遅れ時間Tmであり、この最も長い遅れ時間Tmを基準として待機時間Wが決定されている。例えばこの図では、各再生コントローラ30a~30cへ同時に待機時間信号s3が送信された後、遅れ時間が最も短い第3の経路R3の再生コントローラ30cの待機時間Wが最も長く、次に遅れ時間が短い第2の経路R2の再生コントローラ30bの待機時間Wが長く、遅れ時間が最も長い第1の経路R1の再生コントローラ30aの待機時間Wは最も短くなっている。例えば、再生コントローラ30bの待機時間Wは、再生コントローラ30bを含む第2の経路R2の遅れ時間Td2と最も長い遅れ時間Tmとの時間差により決定される。再生コントローラ30cの待機時間Wは、再生コントローラ30cを含む第3の経路R3の遅れ時間Td3と最も長い遅れ時間Tmとの時間差により決定される。
このように、遅れ時間情報itに基づいて複数の再生コントローラ30a~30cを制御することで、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出を始めるタイミングを一致させ、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
[2-2.制御方法]
実施の形態2に係る制御方法について説明する。実施の形態2に係る制御方法も、遅れ時間情報itを取得するステップと、遅れ時間情報itに基づいて複数の再生コントローラ30a~30cを制御するステップと、を含む。遅れ時間情報itを取得するステップは、実施の形態1の図8と同じなので説明を省略し、ここでは再生コントローラ30a~30cを制御するステップについて説明する。
図13は、再生コントローラ30a~30cを制御するステップを示す図である。
まず、マスターコントローラ10は、外部スイッチ5a、5bのいずれかの操作入力を受け付ける(ステップS41)。
マスターコントローラ10は、外部スイッチ5a、5bのいずれかの操作入力に対応した遅れ時間情報itを記憶部16から読み出す(ステップS42)。例えば、外部スイッチ5aに対応する各再生コントローラ30a~30cの各経路R1~R3の遅れ時間Tdは、遅れ時間Td1、Td2、Td3である(図6参照)。
マスターコントローラ10は、各遅れ時間Td1~Td3のうち最も長い遅れ時間Tmを抽出する(ステップS43)。図6に示す例では、再生コントローラ30aを含む第1の経路R1の遅れ時間Td1が最も長い遅れ時間Tmとして抽出される。
次に、マスターコントローラ10は、待機時間Wを調整するための差分時間Dを算出する(ステップS44)。差分時間Dは、遅れ時間Tdと最も長い遅れ時間Tmとの差をとることで求められる(D=Tm-Td)。
マスターコントローラ10は、さらに、演出が始まる時間を所定時間経過させるためのオフセット時間に関する情報を読み込む(ステップS45)。なお、オフセット時間は、外部スイッチ5a、5bの種類によって予め決められ、外部スイッチ5a、5bごとに関連付けられて記憶部16に保存されている。
マスターコントローラ10は、例えば、外部スイッチ5aによる操作入力を受け付け、所定時間経過した後、ステップS44で求めた差分時間Dに基づいて、各再生コントローラ30a~30cへ待機時間信号s3を送信する(ステップS46)。具体的には、各再生コントローラ30a~30cにおける再生スタートまでの待機時間Wを変えた状態で、待機時間信号s3を同時に送信する(図12参照)。
待機時間信号s3を受信した再生コントローラ30a~30cは、再生処理を開始する(ステップS47)。ただし、各再生コントローラ30a~30cは、再生処理が完了しても、待機時間信号s3によって指示された待機時間Wの間は、再生をスタートしないで待機する。
マスターコントローラ10は、ステップS46において、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれに待機時間信号s3を送信する際に、待機時間信号s3が再生コントローラ30a~30cに到達する到達予定時刻tr1も送信する。到達予定時刻tr1は、ステップS18で示した通信時間Tcに基づいて求められる。
複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれは、必要に応じて、待機時間信号s3を実際に受信した受信時刻tr2と到達予定時刻tr1との差に基づいて待機時間Wを補正する(ステップS47A)。例えば、再生コントローラ30bの受信時刻tr2が到達予定時刻tr1よりも0.1秒遅かった場合、再生コントローラ30bは、差分時間Dから0.1秒減らした時間をもとに、待機時間Wを補正する。例えば、再生コントローラ30bの受信時刻tr2が到達予定時刻tr1よりも0.1秒早かった場合、再生コントローラ30bは、差分時間Dから0.1秒増やした時間をもとに、待機時間Wを補正する。なお、再生コントローラ30bが受信時刻tr2と到達予定時刻tr1とから待機時間Wの補正を行うため、本実施の形態では、マスターコントローラ10と再生コントローラ30bとの時刻同期が図られている。
再生待機後、各再生コントローラ30a~30cは再生をスタートする(ステップS48)。具体的には、再生処理により生成された再生データRDを各演出装置40に送信する。各演出装置40は、再生データRDに基づいて演出を始める。これにより、各演出装置40にて演出を始めるタイミングを同期させる。
これらのステップS41~S48を実行することで、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制できる。
[2-3.効果等]
本実施の形態に係る制御システム1Aは、複数の再生コントローラ30a~30cへ再生処理を試行させる試行信号s1を送信してから複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれで再生がスタートするまでのそれぞれの遅れ時間Tdを含む遅れ時間情報itを記憶している記憶部を有し、記憶部に記憶された遅れ時間情報itに基づいて、複数の演出装置40にて演出を始めるタイミングが一致するように、複数の再生コントローラ30a~30cを制御する。
このように、遅れ時間情報itに基づいて複数の再生コントローラ30a~30cを制御することで、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
また、制御システム1Aは、さらに、複数の再生コントローラ30a~30cに通信接続されたマスターコントローラ10を備え、記憶部16は、マスターコントローラ10に設けられている。マスターコントローラ10は、遅れ時間情報itに基づいて、複数の再生コントローラ30a~30cを制御してもよい。
このように、マスターコントローラ10の記憶部16に記憶された遅れ時間情報itに基づいて複数の再生コントローラ30a~30cを制御することで、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
また、マスターコントローラ10は、遅れ時間情報itに基づいて、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対して、再生をスタートするまでの待機時間Wを示す待機時間信号s3を送信し、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれは、待機時間信号s3に基づいて待機時間Wを調整してもよい。
このように、待機時間信号s3によって待機時間Wを調整することで、複数の演出装置40にて演出を始めるタイミングを適切に一致させることができる。これにより、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
また、マスターコントローラ10は、それぞれの遅れ時間Tdのうち最も長い遅れ時間Tmを基準として、待機時間Wを決定してもよい。
このように、最も長い遅れ時間Tmを基準として待機時間Wを調整することで、複数の演出装置40にて演出を始めるタイミングを適切に一致させることができる。これにより、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
また、記憶部16は、マスターコントローラ10と複数の再生コントローラ30a~30cとの通信時間Tcをそれぞれ記憶し、マスターコントローラ10は、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれに待機時間信号s3を送信する際に、通信時間Tcに基づいて待機時間信号s3が再生コントローラ30a~30cに到達する到達予定時刻tr1も送信し、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれは、待機時間信号s3を受信した受信時刻tr2と到達予定時刻tr1との差に基づいて待機時間Wを補正し、補正後の待機時間Wに基づいて待機時間Wを調整してもよい。
このように、待機時間信号s3を受信した受信時刻tr2と到達予定時刻tr1との差に基づいて待機時間Wを補正することで、複数の演出装置40にて演出を始めるタイミングを適切に一致させることができる。これにより、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
また、マスターコントローラ10は、さらに、外部からの操作入力を受け付ける入力部11を有し、入力部11で受け付けた操作入力をきっかけとして待機時間信号s3を送信してもよい。
これによれば、外部からの操作入力をきっかけとする適切なタイミングで、照明機器40aを含む演出装置40による演出を行うことが可能となる。
また、入力部11は、複数の操作入力を択一的に受け付け、マスターコントローラ10は、複数の操作入力のそれぞれに対応する遅れ時間情報itに基づいて、待機時間Wを決定してもよい。
これによれば、複数の操作入力に対応した遅れ時間情報itに基づいて、複数の再生コントローラ30a~30cを制御することができる。これにより、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
また、マスターコントローラ10は、遅れ時間情報itおよび操作入力を受け付けてから所定時間経過させるためのオフセット時間に関する情報に基づいて、再生処理の開始時刻を決定してもよい。
このように、オフセット時間によって所定時間経過した後に待機時間信号s3を送信することで、複数の演出装置40にて演出を始めるタイミングを、余裕をもって一致させることができる。これにより、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3係る制御システム1Bの構成について説明する。実施の形態3では、複数の再生コントローラ30a~30cのうちの1つの再生コントローラ(例えば30a)がマスターコントローラの機能を有している例について説明する。
図14は、実施の形態3に係る制御システム1Bを構成する再生コントローラ30a、30b、30cおよび演出装置40を示す概略図である。図15は、制御システム1Bのブロック構成図である。
図14および図15に示すように、制御システム1Bは、演出を行う複数の演出装置40と、複数の演出装置40を制御する複数の再生コントローラ30a~30cと、を備えている。
複数の演出装置40と各再生コントローラ30a~30cとは有線によって通信接続されている。再生コントローラ30aは第1の経路R1を介して、再生コントローラ30bは第2の経路R2を介して、再生コントローラ30cは第3の経路R3を介して、それぞれスイッチングハブ20に接続されている。すなわち、各再生コントローラ30a~30cは、スイッチングハブ20を介して、有線によって通信接続されている。
複数の演出装置40は、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対応して通信接続されている。各演出装置40は、再生コントローラ30a~30cの再生処理によって生成された再生データRDに基づいて演出を行う。
本実施の形態の再生コントローラ30aは、実施の形態1で示すマスターコントローラの機能を有している。再生コントローラ30aは、入力部31と、通信部32と、情報処理部35と、記憶部36と、出力部37とを備えている。入力部31、通信部32、記憶部36および出力部37のそれぞれは、情報処理部35に接続されている。
スレーブである各再生コントローラ30b、30cは、通信部32、情報処理部35、記憶部36、出力部37を有している。通信部32、記憶部36および出力部37のそれぞれは、情報処理部35に接続されている。
再生コントローラ30a~30cの通信部32は、他の再生コントローラと通信する通信モジュールである。再生コントローラ30b、30cの通信部32は、例えば、再生コントローラ30aからスイッチングハブ20を介して送信された試行信号s1または再生処理開始信号s2を受信する。
記憶部36には、演出用コンテンツCが保存されている。また、記憶部36には、MACアドレスなどの識別情報が保存されている。なお、各再生コントローラ30a~30cの各MACアドレスは、スイッチングハブ20に読み込まれて保持される。
情報処理部35は、演出用コンテンツCを再生処理して再生を行う処理部である。再生コントローラ30b、30cの情報処理部35は、再生コントローラ30aからスイッチングハブ20を介して送信された試行信号s1または再生処理開始信号s2に基づいて、演出用コンテンツCを再生処理して、再生データRDを生成する。
出力部37は、例えば通信モジュールであり、出力部37に有線接続された演出装置40と通信する。出力部37は、情報処理部35で生成された再生データRDを演出装置40へ出力する。
マスター機能を有する再生コントローラ30aは、自身を含む複数の再生コントローラ30a~30cを作動制御するコントローラである。以下、再生コントローラ30aが備える各構成要素について説明する。
入力部31は、制御システム1Bを利用するユーザからの操作入力を受け付ける回路である。入力部31には、複数の外部スイッチ5a、5bが接続されている。入力部31は、複数の外部スイッチ5a、5bによる操作入力を択一的に受け付け可能である。
情報処理部35は、通信部32およびスイッチングハブ20を介して、再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対して試行信号s1を送信する。
情報処理部35は、遅れ時間Tdを含む遅れ時間情報itを記憶部36に記憶させる。記憶部36には、遅れ時間情報it(図6参照)が保存される。
情報処理部35は、遅れ時間情報itに基づいて、複数の演出装置40にて演出を始めるタイミングが一致するように、各再生コントローラ30a~30cを制御する。具体的には、情報処理部35は、遅れ時間情報itに基づいて、再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対して再生処理開始信号s2を送信する。
例えば、再生コントローラ30aは、入力部31で受け付けた操作入力をきっかけとし、この操作入力に対応する遅れ時間情報itに基づいて、再生処理開始信号s2を送信する。再生処理開始信号s2を送信する際、情報処理部35は、記憶部36に記憶された遅れ時間情報itに基づいて、各再生コントローラ30a~30cへ再生処理開始信号s2を送信する時刻を調整する。具体的には、再生コントローラ30aは、試行信号s1を送信してから複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれで再生がスタートするまでの遅れ時間Td1~Td3のうち、最も長い遅れ時間Tmを基準として、再生処理開始信号s2を送信する時刻を調整する。
実施の形態3に係る制御システム1Bは、演出用コンテンツCを再生処理して再生を行う複数の再生コントローラ30a~30cと、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対応して通信接続され、複数の再生コントローラ30a~30cの再生に基づいて演出を行う複数の照明機器40aと、を備える。制御システム1Bは、複数の再生コントローラ30a~30cへ再生処理を試行させる試行信号s1を送信してから複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれで再生がスタートするまでのそれぞれの遅れ時間Tdを含む遅れ時間情報itを記憶している記憶部を有し、記憶部に記憶された遅れ時間情報itに基づいて、複数の演出装置40にて演出を始めるタイミングが一致するように、複数の再生コントローラ30a~30cを制御する。
このように、遅れ時間情報itに基づいて複数の再生コントローラ30a~30cを制御することで、照明機器40aを含む演出装置40にて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
なお、上記では、実施の形態1の再生コントローラ30aがマスターコントローラの機能を有する例について示したが、それに限られず、実施の形態2の再生コントローラ30aがマスターコントローラの機能を有していてもよい。
(実施の形態4)
実施の形態4に係る制御システム1Cについて説明する。実施の形態4では、複数の演出装置40の全てが照明機器40aである例について説明する。
図16は、実施の形態4に係る制御システム1Cを構成するマスターコントローラ10、再生コントローラ30a、30b、30cおよび演出装置40を示す概略図である。
図16に示すように、制御システム1Cは、演出を行う複数の演出装置40と、複数の演出装置40を制御する複数の再生コントローラ30a~30cと、複数の再生コントローラ30a~30cを制御するマスターコントローラ10と、を備えている。
本実施の形態の複数の演出装置40は、全てが照明機器40aによって構成され、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対応して通信接続されている。複数の照明機器40aは、ビル、塔、橋などの建物90に設置される。例えば、照明機器40aは、建物90の外壁に所定間隔で点在するように配置される。照明機器40aは、例えば、赤、緑または青の光を出射する複数の発光素子を有しており、照明機器40aは、複数の発光素子から同時に出射された光が合成されることで形成される無地の光を出射する。各照明機器40aは、それぞれが独立して、調光、調色、点灯、点滅、消灯可能である。
実施の形態4に係る制御システム1Cは、演出用コンテンツCを再生処理して再生を行う複数の再生コントローラ30a~30cと、複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれに対応して通信接続され、複数の再生コントローラ30a~30cの再生に基づいて演出を行う複数の照明機器40aと、を備える。制御システム1Cは、複数の再生コントローラ30a~30cへ再生処理を試行させる試行信号s1を送信してから複数の再生コントローラ30a~30cのそれぞれで再生がスタートするまでのそれぞれの遅れ時間Tdを含む遅れ時間情報itを記憶している記憶部を有し、記憶部に記憶された遅れ時間情報itに基づいて、複数の照明機器40aにて演出を始めるタイミングが一致するように、複数の再生コントローラ30a~30cを制御する。
このように、遅れ時間情報itに基づいて複数の再生コントローラ30a~30cを制御することで、照明機器40aにて演出を行う際に、演出に対する違和感が生じることを抑制することができる。
(その他の形態)
以上、制御システム等について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
例えば、上記の実施の形態では、図8に示す1回の試行により遅れ時間を求める例を示したが、それに限られず、複数回の試行を行い平均値または中央値などの統計値をとることで、遅れ時間を求めてもよい。