JP7428886B2 - 沸騰冷却装置 - Google Patents

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Description

本明細書の開示は、冷媒を沸騰蒸発させて被冷却物の冷却を行う沸騰冷却装置に関する。
特許文献1及び特許文献2には、ループタイプのサーモサイフォンを用いる例が説明されている。特許文献1の例は、凝縮部で液化した冷媒を貯留槽に貯めて置き、緊急時に開閉弁を開いて、液戻し管より液冷媒を沸騰部に供給するようにしている。特許文献2の例も、凝縮部で液化した冷媒をリザーバに貯めて置き、沸騰部で冷却を行う必要がある時に開閉弁を開いて液冷媒を沸騰部に供給するようにしている。
特開2013-217552号公報 特開2014-3192号公報
特許文献1も特許文献2も、ループタイプのサーモサイフォンであるため、冷媒配管が2本必要となっていた。即ち、凝縮部から沸騰部に液冷媒を供給する液冷媒配管と、沸騰部から気化した冷媒を凝縮部に供給する配管とが必要となっていた。
これに対し、1本の冷媒配管で沸騰部と凝縮部とを結ぶサーモサイフォンも知られている。しかしながら、1本の冷媒配管からなるサーモサイフォンでは、開閉弁を用いても沸騰部と凝縮部との動作をオン、オフ制御することが困難である。
即ち、特許文献1や特許文献2に開示のような開閉弁を、1本の冷媒配管からなるサーモサイフォンに用いても、単に1本の冷媒配管からなるサーモサイフォンが開閉弁の前後で2分されるのみとなる。凝縮部側に残った冷媒は凝縮部で気化、液化を行うこととなり、同様に、沸騰部側に残った冷媒も沸騰部で気化、液化を行うこととなる。
もちろん、凝縮部のみでの気化液化や沸騰部のみでの気化液化は、凝縮部と沸騰部とを備えるサーモサイフォンの熱移動に対して、熱の移動量は大幅に少なくなる。しかしながら、熱の移動を実質的に無くすことはできない。
本開示は、沸騰冷却装置に1本の冷媒配管からなるサーモサイフォンを用いることを前提として、サーモサイフォンの機能停止を確実に行うことを課題とする。
本開示の沸騰冷却装置(300)は、被冷却物の熱を受けて沸騰装置冷媒を気化させる沸騰部(310)と、この沸騰部より上方に位置して沸騰装置冷媒を液化させる凝縮部(320)と、この凝縮部と沸騰部とを繋ぐ沸騰装置冷媒配管(330)と、この沸騰装置冷媒配管に配置されるサーモバルブ(340)とを備える。
そして、本開示のサーモバルブは、凝縮部で液化した沸騰装置冷媒が沸騰部に向かう流路に配置される弁座(345)と、この弁座と当接して凝縮部で液化した沸騰装置冷媒が沸騰部に向かう流路を閉じる弁体(346)とを備えている。
特に、本開示の第1は、弁体及び弁座をバイパスして沸騰部で気化した沸騰装置冷媒を凝縮部に向けて流すバイパス流路と、周囲温度を検知して弁体と弁座との当接を制御する制御部とを備えている。
本開示の第1は、周囲温度が低温側所定温度以下では弁体(346)が弁座(345)と当接して、凝縮部で液化した沸騰装置冷媒が沸騰部に向かう流路を閉じる。これによって、沸騰部への液化した沸騰装置冷媒の供給を断つことができる。
かつ、本開示の第1は、周囲温度が所定温度以下で弁体(346)が弁座(345)と当接した状態であっても、沸騰部で気化した沸騰装置冷媒はバイパス流路から凝縮部側に流すことが可能である。これによって、沸騰部から沸騰装置冷媒を除去することができ、沸騰部を確実にドライアウトさせることができる。
かつ、本開示の第1は、沸騰冷却装置冷媒配管のうちサーモバルブの上方に、液化した沸騰装置冷媒を貯留する貯留空間を設けている。これにより、特別なリザーバを不要とし、沸騰冷却装置冷媒配管によって液化した沸騰装置冷媒を貯めることができる。そのため、沸騰冷却装置を全体として小型化することができる。
本開示の第は、弁体と一体に移動可能な中空パイプ(351)を弁体の中心部に1本備えて、この中空パイプによりバイパス流路を形成している。そのため、バイパス流路を沸騰冷却装置冷媒配管(330)の内部に形成することができる。換言すれば、バイパス流路を沸騰冷却装置冷媒配管の外部に別途形成する必要がなくなり、バイパス流路の形成が容易となる。
本開示の第は、中空パイプの上方向端面は、沸騰装置冷媒配管のうち、液化した沸騰装置冷媒を貯留する貯留空間よりも更に上方に位置している。本開示では、上述のとおり、沸騰冷却装置冷媒配管に液化した沸騰装置冷媒の貯留機能を持たせている。この貯留した液化沸騰装置冷媒が中空パイプから沸騰部に流れ出ることが無いよう、中空パイプの上方向端面を液面より高くしている。結果として中空パイプは液化した沸騰装置冷媒を貯留するのに充分な長さ伸びることになる。そこで、中空パイプと弁体の挙動を安定させるために、中空パイプは弁体の上側と下側でガイドされている。
本開示の第は、弁座が、円環状の固定爪により沸騰装置冷媒配管の内周に固定されるようにしている。弁座を沸騰冷却装置冷媒配管の内周に直接固定することで、固定構造を簡潔にすることができる。
本開示の第は、弁座の上方に上側バネ受け(344)を配置し、この上側バネ受けは連結部(343)により弁座と連結される。そして、中空パイプはこの上側バネ受けによりガイドされる。また、弁体はこの上側バネ受けに支持された圧縮バネ(349)により弁座と当接するよう付勢されている。制御部からの制御力を受けない状態では、圧縮バネ(349)によって、弁体を弁座に確実に押し付けることができ、液化した沸騰装置冷媒の漏れが防止できる。
本開示の第は、弁座の下方に下側バネ受け(342)を配置し、この下側バネ受けと弁座とは連結部(343)で連結される。そして、中空パイプはこの下側バネ受けによりガイドされる。また、弁体はこの下側バネ受けに支持された形状記憶合金製バネ(350)と当接可能に配置される。
本開示の第では、この形状記憶合金製バネ(350)が、弁体と弁座との当接を制御する制御部を構成している。形状記憶合金製バネ(350)は低温側所定温度以下では縮んでおり、弁体を押し上げることはない。一方で、高温側所定温度以上となると、記憶合金製バネが伸びて、弁体を押し上げ、弁座から離脱させる。
本開示の第は、弁体は下側バネ受けに支持されたサーモワックス(3410)と当接可能に配置される。このサーモワックスが、弁体と弁座との当接を制御する制御部を構成している。高温側所定温度以上となると、サーモワックスが伸びて、弁体を押し上げ、弁座から離脱させる。
本開示の第は、圧縮バネ(349)を、中空パイプ(351)の周囲に配置している。これにより、圧縮バネの保持が確実となる。
本開示の第は、形状記憶合金製バネ(350)を、中空パイプの周囲に配置している。圧縮バネと同様、形状記憶合金製バネの保持も確実になる。
本開示の第は、弁体にOリング保持溝(347)を形成し、このOリング保持溝に配置されたOリング(348)が弁座と当接する構造である。弁座と弁体との間のシールをOリング(348)で行うことができ、液化した沸騰装置冷媒の漏れを確実に防止できる。
なお、各構成要素に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素との対応関係の一例を示すものである。
冷凍サイクル装置及び沸騰冷却装置の全体構成図である。 図1における凝縮部の正面図である。 凝縮部の他の例を示す正面図である。 凝縮部の他の例を示す断面図である。 凝縮部の他の例を示す一部断面正面図である。 凝縮部の更に他の例を示す一部断面正面図である。 図2のA-A断面図である。 冷凍装置冷媒配管に放熱フィンを形成した例の断面図である。 図8図示冷凍装置冷媒配管を示す正面図である。 放熱フィンを螺旋状に配置した冷凍装置冷媒配管を示す正面図である。 冷凍装置冷媒配管に一方向螺旋溝を形成した例を示す断面図である。 図11のB-B断面図である。 冷凍装置冷媒配管に双方向螺旋溝を形成した例を示す断面図である。 図13のC-C断面図である。 図1における沸騰部の正面図である。 図15のD-Dの断面図である。 沸騰部の他の例を示す断面図である。 沸騰部の更に他の例を示す断面図である。 沸騰部の更に他の例を示す断面図である。 沸騰部の更に他の例を示す断面図である。 図1におけるサーモバルブの断面図である。 図21のサーモバルブに凝縮した沸騰装置冷媒が溜まった状態を示す断面図である。 図21のサーモバルブの開弁状態を示す断面図である。 図21のサーモバルブの連結部の展開図である。 サーモバルブの他の例を示す断面図である。 図25のサーモバルブのバネ受け部の断面図である。 サーモバルブのさらに他の例の一部を示す断面図である。 凝縮部の他の例を示す断面図である。
以下、実施形態について図に基づいて説明する。以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
図1は、冷凍サイクル装置及び沸騰冷却装置の全体構成図である。図中100は自動車を表し、エンジンルーム102と車室103とは、隔壁101によって隔てられている。なお、エンジンルーム102内には、ハイブリッド車ではエンジンと走行モーターが配置される。また、電気自動車では、エンジンルーム102内には走行用モーターのみが配置される。本開示では、走行用モーターの配置される空間をエンジンルーム102と称する。
200は、冷凍サイクル装置を示す。冷凍サイクル装置200の圧縮機201はエンジンルーム102内に配置される。圧縮機201は通常モーター駆動であるが、ハイブリッド車の場合エンジン駆動とすることも可能である。圧縮機201は、モーター等の駆動力を受けて、冷凍装置冷媒を吸入して、圧縮吐出する。冷凍装置冷媒としては、R134a若しくはR1234yfが用いられる。
エンジンルーム102前方で自動車の走行風を受ける位置に、凝縮器202が配置される。凝縮器202は、圧縮機201からの高温高圧冷媒と外気とを熱交換して、冷凍装置冷媒を高圧のまま凝縮させる。
車室103内には、膨張弁203と蒸発器204とが配置される。共に、図示しない自動車空調装置のダクト内に配置されている。膨張弁203は、凝縮器202で液化した冷凍装置冷媒を断熱膨張させて、低温低圧の霧状にする。蒸発器204は自動車空調装置のダクトを流れる空気と熱交換して、冷凍装置冷媒を気化させる。その際、ダクトを流れる空気から気化熱を奪って、空気を冷却する。
冷却された空気は、ダクトの吹き出し口から車室103内の乗員に向けて吹き出される。そして、膨張弁203は、蒸発器204を通過した冷凍装置冷媒が所定の過熱度を持つように、冷凍装置冷媒の流量を調整している。
冷凍サイクル装置200は冷凍装置冷媒配管205によって連結されている。従って、圧縮機201より吐出した冷凍装置冷媒は、凝縮器202、膨張弁203、蒸発器204を経て、再度圧縮機201に吸入される。冷凍装置冷媒配管205は、アルミニウム若しくはアルミニウム合金製である。但し、圧縮機201の吸入口及び吐出口の部位は、圧縮機201の振動を吸収するためゴムホースを用いている。
300は沸騰冷却装置を示す。沸騰冷却装置300は、沸騰部310、凝縮部320、沸騰部310と凝縮部320とを結ぶ沸騰装置冷媒配管330、及び沸騰装置冷媒配管330に配置されるサーモバルブ340を備える。沸騰装置冷媒も、冷凍装置冷媒と同じく、R134aやR1234yfを用いている。
沸騰部310は、ハイブリッド車の走行用のリチウムイオンバッテリー110などの被冷却物から熱を受けて沸騰装置冷媒を気化させる。サーモバルブ340は、温度に応じて沸騰装置冷媒配管330を開閉する。詳細構造は後述する。
凝縮部320は、冷凍サイクル装置200の冷凍装置冷媒配管205のうち、蒸発器204と圧縮機201との間のアルミニウム合金製の配管の外周に配置される。凝縮部320に配置される冷凍装置冷媒配管205は、内径が17ミリメートル程度、外径が19ミリメートル程度である。
図2に示すように、円管状の本体部321を備えている。本体部321はアルミニウム合金製で、その内径は冷凍装置冷媒配管205の外径との間に1~5ミリメートル程度の間隙ができる大きさとなっている(図7図示)。この本体部321と冷凍装置冷媒配管との径の差は、封入される冷媒量により異なる。後述する凝縮部320の組付けが問題なくできる程度の間隙があればよい。
また、本体部321の長さは20~40センチメートル程度である。この本体部321の長さは、凝縮部320に求められる熱交換能力に応じて定められる。本体部321の一端321aは、第1エンドキャップ322によって閉じられている。第1エンドキャップ322は冷凍装置冷媒配管205の周囲にろう付けされており、凝縮部320から沸騰装置冷媒が漏洩することはない。
本体部321の他端321bも第2エンドキャップ323によって閉じられている。第1エンドキャップ322と同様、冷凍装置冷媒配管205の周囲にろう付けされている。かつ、第2エンドキャップ323には沸騰装置冷媒配管330もろう付けされている。従って、沸騰部310で気化した沸騰装置冷媒は沸騰装置冷媒配管330を介して凝縮部320に流入する。
なお、図1及び図2に示すように、凝縮部320及びこの凝縮部320に位置する冷凍装置冷媒配管205は、第1エンドキャップ322から第2エンドキャップ323に向けて、下方に傾斜している。通常は、傾斜角度は5度から30度程度で、凝縮した沸騰装置冷媒が重力によって沸騰部310側に還流しやすくしている。ただ、冷凍装置冷媒配管205の配置状態により傾斜角度は異なる。極端な例では、冷凍装置冷媒配管205が上下方向に配管されている場合、凝縮部320は垂直配置となる。
第1エンドキャップ322や第2エンドキャップ323に代えて、図3に示すように、本体部321の両端を縮管することで、本体部321と冷凍装置冷媒配管205との間の気密を図ることも可能である。
この図3の例でも、沸騰装置冷媒配管330は、本体部321の他端321bにろう付けしている。図2の例では、沸騰装置冷媒配管330を本体部321の右側の第2エンドキャップ323にろう付けしたのに対し、図4の例では沸騰装置冷媒配管330は本体部321の左側の他端321bにろう付けしている。いずれの例でも、沸騰装置冷媒配管330は傾斜した凝縮部320の下方となる端部に接続され、その下方側の端部が他端321bとなる。
なお、図4に示すように、本体部321の一端321a(及び他端321b)を縮管して接合したうえで、冷凍装置冷媒配管205との間にOリング325を介在させてもよい。Oリング325を配置することでシール性能の向上が図れる。
また、図5に示すように、本体部321の縮管に代えて、第1エンドキャップ322及び第2エンドキャップ323を、ボルト326とナット327とで、締め付け固定しても良い。第1エンドキャップ322及び第2エンドキャップ323と冷凍装置冷媒配管205との間は、Oリング325により密閉される。
更に、図6に示すように、本体部321の両端にフランジ328を形成し、このフランジ328と第1エンドキャップ322及び第2エンドキャップ323とを、ボルト326とナット327とで締め付け固定してもよい。端部の密閉はOリング325によって行う。
図28に示すように、本体部321の一端321aの近傍に鍔部3201を形成し、また他端321bの近傍にも鍔部3202を形成し、押え板で固定してもよい。一端側の鍔部3201は第1エンドキャップ322に押え板3203を介してボルト3204によって固定される。他端の鍔部3202も第2エンドキャップ323に押え板3205を介してボルト3206で固定される。この図28の例も、一端321aと他端321bの密閉はOリング325によって行う。
図28の例では、沸騰装置冷媒配管330と第2エンドキャップ323とをろう付けではなく、ボルト固定としている。沸騰装置冷媒配管330の端部近傍に鍔部3301を形成し、この鍔部3301を押え板3207によって第2エンドキャップ323側に押圧し、ボルト3208によって固定している。
また、図28の例では、第1エンドキャップ322及び第2エンドキャップ323と冷凍装置冷媒配管205との間も、カシメによる機械固定としている。従って、図28の例ではろう付けを不要としており、組み立てのしやすい構造となっている。
なお、図5、図6、及び図28では、第1エンドキャップ322と第2エンドキャップ323とを強調して記載しているが、実際には、第1エンドキャップ322、第2エンドキャップ323共に、本体部321に対して小型軽量化されている。
本開示では、図7に示すように、凝縮部320内の沸騰装置冷媒が直接冷凍装置冷媒配管205の外表面に触れることとなる。ここで、冷凍装置冷媒配管205の内部には蒸発器204を通過した低温低圧の冷凍装置冷媒が流れるので、冷凍装置冷媒配管205の温度は、通常は摂氏5度から10度程度である。そのため、沸騰部310に比べて凝縮部320の温度を低く保つことが可能となる。
特に、凝縮部320内の沸騰装置冷媒は、上記の通り、冷凍装置冷媒配管205に直接触れるので、接触により冷凍装置冷媒配管205の表面に凝縮しやすくなる。換言すれば、凝縮部320内の沸騰装置冷媒と冷凍装置冷媒配管205内の冷凍装置冷媒とは、冷凍装置冷媒配管205を挟んで直接対向することとなる。その結果、沸騰装置冷媒と冷凍装置冷媒との間の熱交換は極めて効率的に行うことができる。
凝縮した液状の沸騰装置冷媒は、その後滴下して本体部321の底部321cを伝わり、次いで、第2エンドキャップ323から沸騰装置冷媒配管330に流れる。
なお、冷凍装置冷媒配管205のうち、凝縮部320に対応する部位には、図8に示すように、外表面に放熱フィン210を形成しても良い。放熱フィンはアルミニウム合金製の薄板材であり、レーザ溶接若しくはろう付けで冷凍装置冷媒配管205に取り付けられる。図8では省略しているが、放熱フィン210を、折り曲げ成型した薄肉板材を圧入やはんだ付けすることも可能である。
本体部321の底部321cと対向する部位には放熱フィン210は形成しない。これは、底部321cを通過する液化した沸騰装置冷媒の流れが、放熱フィン210によって阻害されることが無いようにするためである。もっとも、放熱フィン210を本体部321の全周に配置することも可能である。全周配置とした方が、放熱フィン210の組付けが容易となる場合もある。
放熱フィン210は、図9に示すように、冷凍装置冷媒配管205の軸方向と一致する方向に配置してもよい。この場合には、放熱フィン210の接合が容易となる。
一方、図10に示すように、放熱フィン210を冷凍装置冷媒配管205の外表面に螺旋状に配置してもよい。この場合には、放熱フィン210に凝縮した沸騰装置冷媒を、本体部321の底部321cに向けて流しやすくなる。
また、放熱フィン210に代えて、図11に示すように、冷凍装置冷媒配管205に放熱溝220を形成しても良い。放熱溝220を形成することで、冷凍装置冷媒配管205の内周及び外周の表面積を増やすことができる。
図12は、図11の例の断面図であるが、この断面図に示すように、放熱溝220を形成することで、冷凍装置冷媒配管205内部を流れる冷凍装置冷媒の流れに乱れを生じさせることができる。冷凍装置冷媒の流れを乱すことで、冷凍装置冷媒と沸騰装置冷媒との間の伝熱効率は向上する。図12の例では、放熱溝220を螺旋状に3条形成している。但し、放熱溝220の数は、求められる伝熱性能に応じて、適宜増減可能である。
図13の例では、放熱溝220を双方向に交わる螺旋状に形成している。C-C線に沿う断面図である図14に示すように、一方向に放熱溝220を螺旋状に3条形成し、他方向に同じく螺旋状に3条形成し、双方向では6条放熱溝220を形成している。
放熱溝220を双方向に形成することで、冷凍装置冷媒配管205の表面積を更に増加させることができる。加えて、双方向に冷凍装置冷媒配管205を形成することで、冷凍装置冷媒配管205内を流れる冷凍装置冷媒の流れをより乱すことができる。その結果、冷凍装置冷媒と沸騰装置冷媒との熱交換を一層効率的に行うことが可能となる。
図15に示すように、沸騰部310は被冷却物である車載のリチウムイオンバッテリー110と熱的に結合している。より具体的には、図16に示すように、沸騰部310は一対のリチウムイオンバッテリー110の間に配置される。沸騰部310は、一対のアルミニウム合金製放熱ブロック311の間に配置され、放熱ブロック311にろう付け固定される。
リチウムイオンバッテリー110と放熱ブロック311との間には、ジェル状の熱伝導シート312が介在している。熱伝導シート312により、リチウムイオンバッテリー110からの熱が確実に放熱ブロック311に伝達され得るようになっている。
なお、図16では放熱ブロック311と熱伝導シート312とを強調しているが、実際には、リチウムイオンバッテリー110に比べて、放熱ブロック311や熱伝導シート312の厚さは薄くなっている。具体的には、リチウムイオンバッテリー110の幅がそれぞれ15センチメートル程度であるのに対し、放熱ブロック311は5ミリメートル程度、熱伝導シート312は1ミリメートル程度の厚さである。そして、沸騰部310の円管は外径が2センチメートル程度である。
図15に示すように、沸騰部310はリチウムイオンバッテリー110に対して傾斜して配置されている。この傾斜角度も、凝縮部320と同様、通常は5度から30度程度である。この傾斜角度は、主にリチウムイオンバッテリー110の大きさと形状によって定まる。沸騰部310ができる限り広い面積でリチウムイオンバッテリー110と接することができるように、傾斜角度を定める。傾斜角度を付けるのは、凝縮部320で液化した沸騰装置冷媒を沸騰部310の最下方まで導くとともに、沸騰部310で気化した沸騰装置冷媒を上方に流すためである。
なお、沸騰部310とリチウムイオンバッテリー110との間の熱的結合は、他の材料を用いても良い。図17の例では、伝熱性能を高めた放熱ゴム313が用いられている。
また、図16の例ではアルミニウム合金製の放熱ブロック311を用いていたが、図18に示すように、放熱ブロック311を廃止しても良い。図18の例では、沸騰部310は熱伝導シート312を介して直接リチウムイオンバッテリー110に接触している。
また、沸騰部310の伝熱面積を増加させるため、図19に示すように、沸騰部310を扁平管としてもよい。扁平管の扁平面310aが熱伝導シート312を介してリチウムイオンバッテリー110と接触している。
更に、図20に示すように、扁平面310aを広くして、伝熱面積を大きくしても良い。図20の例では、沸騰部310の幅とリチウムイオンバッテリー110の幅とが一致している。ただ、図20の例でも、沸騰部310は、下方に向けて傾斜する配置となっている。
また、図20の例では、沸騰部310内にインナーフィン315を配置して、沸騰部310での放熱面積を増加させている。このインナーフィン315は、気化した沸騰装置冷媒の凝縮部320への流れや、液化した沸騰装置冷媒の沸騰部310への流れを阻害しない構造となっている。
リチウムイオンバッテリー110はその温度が高くなりすぎても、低くなりすぎても作動効率が落ち、寿命が短くなる。そのため、通常の運転では、摂氏15度から35度程度に保つように温度管理するのが望ましい。
ただ、リチウムイオンバッテリー110は、高負荷状態で充電と放電とを繰り返す場合には、自己発熱により、35度以上となる場合がある。特に夏季でリチウムイオンバッテリー110の周囲温度が高い状態では、35度以上の高温となる恐れが高くなる。
本開示では、リチウムイオンバッテリー110の熱は、熱伝導シート312や放熱ブロック311を介して、沸騰部310に伝熱する。そして、沸騰部310で沸騰装置冷媒を気化させることで、沸騰装置冷媒より気化熱を奪い、リチウムイオンバッテリー110の冷却がなされる。
なお、沸騰装置冷媒は、沸騰冷却装置300内の沸騰部310であっても、凝縮部320であっても、その圧力自体はさほど変わらない。沸騰装置冷媒配管330で連通しているためである。沸騰装置冷媒は専ら重力を利用して、凝縮部320で液化した沸騰装置冷媒を下方の沸騰部310に還流させ、沸騰部310で気化した沸騰装置冷媒を上方の凝縮部320に流す。
上述したとおり、自動車空調装置の作動時であれば凝縮部320の温度は摂氏5度から10度程度である。特に本開示の凝縮部320は、冷凍装置冷媒との熱交換が効率的に行え、沸騰装置冷媒の凝縮を確実に行うことができる。しかも、夏季でリチウムイオンバッテリー110の温度が35度以上となる際には、沸騰部310と凝縮部320との間には充分な温度差が生じている。そのため、リチウムイオンバッテリー110の冷却が必要とされる状況では、その冷却を確実に行うことができる。
このように、上述の開示では、夏季等でリチウムイオンバッテリー110の冷却が必要となる状況では、効率的にリチウムイオンバッテリー110を冷却することができる。ただ、冬季等の周囲温度が低い場合には、リチウムイオンバッテリー110の温度は15度以上に保つ必要がある。本開示は、凝縮部320の熱交換効率が良い結果、リチウムイオンバッテリー110の温度が低い場合には、過剰冷却となる恐れもある。
そこで、過剰冷却の恐れがある場合には、沸騰装置冷媒配管330に配置したサーモバルブ340が作動する。サーモバルブ340の構成を、図21に示す。図に示すように、沸騰装置冷媒配管330には内方に向けて円周状の凸部331が形成されている。そして、この凸部331にサーモバルブ340の円環状の固定爪341が係合している。
サーモバルブ340は、固定爪341の両側に円盤状の上側バネ受け344及び下側バネ受け342が形成されている。上側バネ受け344、固定爪341及び下側バネ受け342は連結部343によって連結されている。なお、連結部343には、図24に示すように、窓343aが大きく形成されており、沸騰装置冷媒は連結部343を通過可能となっている。
円環状をした固定爪341の内周には弁座345がテーパ状に形成されている。そして、弁体346のOリング保持溝347に保持されたOリング348が、弁座345に当接可能となっている。弁体346と上側バネ受け344との間には圧縮バネ349が配置され、圧縮バネ349は弁体346を弁座345側に付勢している。
なお、Oリング348は弁座345と弁体346との間のシールを行う上で望ましいが、廃止も可能である。弁体346が金属製の場合メタルシールを用いることが可能であり、弁体346が樹脂製の場合樹脂の弾力性を利用することも可能である。
弁体346と下側バネ受け342との間には、形状記憶合金製バネ350が配置されている。この形状記憶合金製バネ350は、温度が低い時、例えば、15度以下では縮んで押圧力を発生させない。ただ、周囲温度が高くなり、例えば、20度以上となると形状記憶合金製バネ350が延びて、圧縮バネ349の圧縮力に逆らって弁体346を弁座345から引き離す。
351は中空パイプで、弁体346と一体に移動する。中空パイプ351は、上側バネ受け344の中心穴344a及び下側バネ受け342の中心穴342aによってガイドされて、上下動する。
なお、固定爪341、上側バネ受け344、下側バネ受け342、連結部343及び弁体346は、沸騰装置冷媒との相性を考慮した樹脂材料を用いている。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミドや、ポリアセタール等がある。
図21の例では、サーモバルブ340を沸騰装置冷媒配管330の凸部331に固定したが、図25に示すように、沸騰装置冷媒配管330を二分して、サーモバルブ340を沸騰装置冷媒配管330の端部から挿入してもよい。サーモバルブ340と沸騰装置冷媒配管330の端部とは、互いにろう付け接合されている。
サーモバルブ340は、アルミニウム合金製のバルブ本体部3400を備え、弁座345はこのバルブ本体部3400に形成される。また、バルブ本体部3400の内周には雌ネジ3401が形成されており、上側バネ受け344及び下側バネ受け342外周の雄ネジ3402(図26図示)と螺合する。従って、図25の例では、バルブ本体部3400が連結部を構成する。
なお、バルブ本体部3400は他の金属製としてもよく、樹脂製としてもよい。また、沸騰装置冷媒配管330との接続は、図示しないが、ネジ止め、カシメ固定等で接合してもよい。その場合には、サーモバルブ340と沸騰装置冷媒配管330の端部との間はOリングによりシールする。
バルブ本体部3400と上側バネ受け344及び下側バネ受け342との結合も雌ネジ3401と雄ネジ3402との螺合には限らない。係止肩部に当接させるようにしてもよく、Cリングで固定してもよい。
また、図21の例では形状記憶合金製バネ350を採用したが、代わりにサーモワックスを使用してもよい。図27に示すように、サーモワックスは円筒形状容器3410内に配置される。円筒形状容器3410は蛇腹部を有しており、軸方向(図27の上下方向)には変形可能となっている。サーモワックスは所定温度、例えば20度で体積が急増して、弁体346を弁座345から離間するよう持ち上げる。
次に、このサーモバルブ340の作動を説明する。冬季等で周囲温度が低い場合、形状記憶合金製バネ350は縮み、付勢力は発生しない。そのため、弁体346は圧縮バネ349によって弁座345側に押圧され、Oリング348が弁座345に当接する。
この状態でも、沸騰部310で気化した沸騰装置冷媒は中空パイプ351の内部を通って凝縮部320側に向かう。一方、凝縮部320で液状の沸騰装置冷媒は、重力によって下方に滴下してくるが、その移動は弁座345に当接したOリング348によって阻まれる。その結果、図22に示すように、液状の沸騰装置冷媒が沸騰装置冷媒配管330内に貯められる。
換言すれば、沸騰装置冷媒配管330や中空パイプ351は、弁座345がOリング348によって閉じられた際に、液状の沸騰装置冷媒を貯めるのに必要な長さを有している。リチウムイオンバッテリー110の大きさによっても異なるが、一般に、沸騰冷却装置300内には100グラム程度の沸騰装置冷媒が封入されている。
そのため、沸騰装置冷媒配管330の内径にもよるが、液化した沸騰装置冷媒が弁座345の上方に数十センチメートル程度溜まることもある。その場合、中空パイプ351の長さは、弁座345の上方に更に伸びる必要がある。何故なら、中空パイプ351の上方向端面351aが液面より低くなると、液化した沸騰装置冷媒が中空パイプ351を通って沸騰部310に漏れるからである。
ただ、本開示では、中空パイプ351は、上側バネ受け344の中心穴344a及び下側バネ受け342の中心穴342aによってガイドされている。そのため、中空パイプ351の長さが長くなっても、沸騰装置冷媒配管330内で確実に保持される。加えて、中空パイプ351は保持された状態で、上下方向の円滑な移動が可能である。
このように、本開示では雰囲気温度が低い場合は、沸騰装置冷媒の全てを液の状態で沸騰装置冷媒配管330内に貯めておくことができる。その結果、沸騰部310はドライアウトした状態となって、内部に液化した沸騰装置冷媒は存在しなくなる。そして、液状の沸騰装置冷媒が存在しない結果、沸騰部310ではリチウムイオンバッテリー110を冷却することができなくなる。
即ち、雰囲気温度が低い状態では、リチウムイオンバッテリー110の冷却がなされず、リチウムイオンバッテリー110は自己発熱により15度以上の温度に維持される。
本開示では、中空パイプ351を用いて沸騰部310内で気化した沸騰装置冷媒を確実に凝縮部320側に流せるようにしている点に特徴がある。単純にサーモバルブ340によって沸騰装置冷媒配管330を開閉するのみでは、本開示の作用は達成できない。即ち、単純に低温雰囲気時に沸騰装置冷媒配管330を閉じたのでは、サーモバルブ340と沸騰部310との間に残った沸騰装置冷媒が、サーモバルブ340と沸騰部310との間を循環してしまう。この沸騰装置冷媒の循環によって、沸騰装置冷媒が沸騰部310で気化し、リチウムイオンバッテリー110を冷却してしまうこととなる。
それに対し、本開示では、中空パイプ351を用いて沸騰部310から気化した沸騰装置冷媒を凝縮部320側に逃がすことができる。その結果、沸騰部310をドライアウトさせることができて、リチウムイオンバッテリー110の冷却を確実に止めることができる。
雰囲気温度が高くなり、リチウムイオンバッテリー110の冷却が必要となった状態では、図23に示すように、形状記憶合金製バネ350やサーモワックスが伸びる。その結果、圧縮バネ349の圧縮力に反して弁体346を押し上げ、Oリング348は弁座345から離れる。そのため、沸騰装置冷媒配管330内の液状の沸騰装置冷媒は、重力によって下方に流れることができる。
リチウムイオンバッテリー110を長寿命化し、かつ、効率よく作動させるためには、温度を15度から30度に保つことが求められる。本例では形状記憶合金製バネ350やサーモワックスの雰囲気温度が20度以上の場合に液状の沸騰装置冷媒を供給して、沸騰部310での冷却を開始している。ただ、リチウムイオンバッテリー110の温度とサーモバルブ340の雰囲気温度との関係は、サーモバルブ340の配置位置によっても異なるので、形状記憶合金製バネ350やサーモワックスが変形する温度は適宜選択する必要がある。
弁体346が開いた際、沸騰部310からの気化した沸騰装置冷媒は、中空パイプ351を通って上方に向かう流れと、弁座345と弁体346との間から上方に向かう流れとの双方となる。
従って、雰囲気温度が高くなった状態では、凝縮部320で液化した沸騰装置冷媒が重力によって下方の沸騰部310に向かう流れと、沸騰部310で気化した沸騰装置冷媒が上方の凝縮部320に向かう流れとの循環がなされる。これにより、リチウムイオンバッテリー110の冷却が確実になされ、リチウムイオンバッテリー110を35度以下の適温に保つことができる。
なお、上述したのは本開示の望ましい例であるが、本開示は以下に説明するように、多数の変形例がある。
本開示の沸騰冷却装置300は、リチウムイオンバッテリー110と共に、若しくはリチウムイオンバッテリー110に代えて、他の被冷却物の冷却を行うことが可能である。他の被冷却物としては、バッテリーの充電、放電を制御するECU等がある。
本開示の沸騰冷却装置300は、冷凍サイクル装置200と共に用いられるのが望ましいが、必ずしも凝縮部320の冷却に冷凍サイクル装置200を用いる必要はない。車室103内の空気や車室103外の空気によって凝縮部320の冷却を行ってもよい。ファン3420(図1)を用いて、空気を凝縮部320に当てることで、冷却を行うようにしてもよい。
冷凍サイクル装置200が停止している場合の凝縮部320の凝縮性能を向上させるため、凝縮部320や凝縮部320近傍の沸騰装置冷媒配管330の外周にフィンを形成しても良い。フィンにより放熱面積が増えるので、ファン3420からの風による凝縮部320での冷却を効率的に行うことができる。
また、冷凍サイクル装置200を用いる場合であっても、冷凍サイクル装置200は必ずしも自動車100の車室103用の空調装置である必要はない。発熱部材の冷却を行う装置であってもよい。
本開示の沸騰冷却装置300は、周囲温度を検知して弁体346と弁座345との当接を、低温側所定温度以下で当接し、高温側所定温度以上では当接しないよう制御する制御部として、形状記憶合金製バネ350やサーモワックスを用いていた。簡潔な構成とする上では、形状記憶合金製バネ350やサーモワックスが望ましいが、他の部材を用いてもよい。例えば、電磁弁を用い、低温側所定温度以下で電磁弁を閉じ、高温側所定温度以上では電磁弁を開くようにしてもよい。
また、本開示の沸騰冷却装置300は、バイパス流路として弁体346と共に移動する中空パイプ351を用いていた。弁体346と中空パイプ351とは、一体的にすることが望ましい。何故なら、液化した沸騰装置冷媒が弁体346と中空パイプ351との隙間から漏れ出るのを防止できるからである。
ただ、弁体346と中空パイプ351との間の隙間を充分小さく管理できるのであれば、中空パイプ351を上側バネ受け344の中心穴344a及び下側バネ受け342の中心穴342aに固定してもよい。その場合には、中空パイプ351の固定がより確実となる。特に、中空パイプ351の長さが上下方向に長くなった際に有効である。
中空パイプ351を用いるのが、バイパス流路形成に望ましいが、必要に応じバイパス流路を沸騰装置冷媒配管330の外部に形成しても良い。その場合、バイパス流路の下端は弁座345の下方で沸騰装置冷媒配管330に開口し、バイパス流路の上端は液化した沸騰装置冷媒の液面より上方で沸騰装置冷媒配管330に開口する。
また、上述の開示では、液化した沸騰装置冷媒を全て沸騰装置冷媒配管330内で貯留したが、液化した沸騰装置冷媒は、その一部を凝縮部320に貯留させるようにしてもよい。
110・・・被冷却物である車載バッテリー
300・・・沸騰冷却装置
310・・・沸騰部
320・・・凝縮部
330・・・沸騰装置冷媒配管
340・・・サーモバルブ
341・・・固定爪
342・・・下側バネ受け
343・・・連結部
344・・・上側バネ受け
345・・・弁座
346・・・弁体
348・・・Oリング
349・・・圧縮バネ
350・・・形状記憶合金製バネ
351・・・中空パイプ

Claims (8)

  1. 被冷却物と熱的に接触して、被冷却物の熱を受けて沸騰装置冷媒を気化させる沸騰部と、
    この沸騰部より上方に位置し、前記沸騰装置冷媒を液化させる凝縮部と、
    この凝縮部と前記沸騰部とを繋ぐ沸騰装置冷媒配管と、
    この沸騰装置冷媒配管に配置されるサーモバルブとを備える沸騰冷却装置であって、
    前記サーモバルブは、
    前記凝縮部で液化した前記沸騰装置冷媒が前記沸騰部に向かう流路に配置される弁座と、
    この弁座と当接して前記凝縮部で液化した前記沸騰装置冷媒が前記沸騰部に向かう流路を閉じる弁体と、
    この弁体及び前記弁座をバイパスして前記沸騰部で気化した前記沸騰装置冷媒を前記凝縮部に向けて流すバイパス流路と、
    周囲温度を検知して前記弁体と前記弁座との当接を、低温側所定温度以下で当接し、高温側所定温度以上では当接しないよう制御する制御部とを備え、
    かつ、前記沸騰装置冷媒配管は、前記サーモバルブの上方に液化した前記沸騰装置冷媒を貯留する貯留空間を有し、
    前記弁体は、前記弁体と一体に移動可能な1本の中空パイプを中心部に備えており、この中空パイプにより前記バイパス流路が形成され、
    前記貯留空間は、前記沸騰装置冷媒配管の内周と前記中空パイプの外周との間に形成されて、
    前記中空パイプの上方向端面は、前記沸騰装置冷媒配管のうち、液化した前記沸騰装置冷媒を貯留する前記貯留空間よりも更に上方に位置し、前記中空パイプは、前記弁座の上方に前記貯留空間に液化した前記沸騰装置冷媒を貯留する長さ伸びており、
    前記中空パイプは、前記弁座の上側と下側でガイドされている
    ことを特徴とする沸騰冷却装置。
  2. 前記弁座は、円環状の固定爪により前記沸騰装置冷媒配管の内周に固定される
    ことを特徴とする請求項1記載の沸騰冷却装置。
  3. 前記弁座の上方に上側バネ受けが配置され、この上側バネ受けと前記弁座とは連結部により連結されており、
    前記中空パイプはこの上側バネ受けによりガイドされ
    前記弁体は前記上側バネ受けに支持された圧縮バネにより前記弁座と当接するよう付勢されている
    ことを特徴とする請求項1若しくは2に記載の沸騰冷却装置。
  4. 前記弁座の下方に下側バネ受けが配置され、この下側バネ受けと前記弁座とは連結部により連結されており、
    前記中空パイプはこの下側バネ受けによりガイドされ
    前記弁体は前記下側バネ受けに支持された形状記憶合金製バネと当接可能に配置されており、
    この形状記憶合金製バネが、前記弁体と前記弁座との当接を制御する前記制御部をなす
    ことを特徴とする請求項1ないしいずれか記載の沸騰冷却装置。
  5. 前記弁座の下方に下側バネ受けが配置され、この下側バネ受けと前記弁座とは連結部により連結されており、
    前記中空パイプはこの下側バネ受けによりガイドされ
    前記弁体は前記下側バネ受けに支持されたサーモワックスと当接可能に配置されており、
    このサーモワックスが、前記弁体と前記弁座との当接を制御する前記制御部をなす
    ことを特徴とする請求項1ないしいずれか記載の沸騰冷却装置。
  6. 前記圧縮バネは、前記中空パイプの周囲に配置される
    ことを特徴とする請求項3に記載の沸騰冷却装置。
  7. 前記形状記憶合金製バネは、前記中空パイプの周囲に配置される
    ことを特徴とする請求項4に記載の沸騰冷却装置。
  8. 前記弁体にはOリング保持溝が形成され、このOリング保持溝に配置されたOリングが前記弁座と当接する
    ことを特徴とする請求項1ないしいずれか記載の沸騰冷却装置。
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