JP2014077582A - 冷却装置 - Google Patents

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雄一 大野
Kazuhide Uchida
和秀 内田
Naoki Hakamada
尚樹 袴田
Yoshiaki Kawakami
芳昭 川上
Kunihiko Arai
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Abstract

【課題】冷房能力と発熱源の冷却能力とを確保しつつ、省動力化を可能にする、冷却装置を提供する。
【解決手段】EV機器を冷却する冷却装置1は、冷媒を循環させるための圧縮機12と、冷媒と外気との間で熱交換し冷媒を凝縮する、直列に接続された熱交換器14,15と、冷媒を減圧する膨張弁16と、冷媒と空調用空気との間で熱交換し冷媒を蒸発する熱交換器18と、熱交換器14と熱交換器15との間に並列に接続された二つの冷媒の経路のうちの一方に設けられ、冷媒を用いてEV機器を冷却する冷却部30と、熱交換器14から冷却部30へ向かう冷媒の流れと、熱交換器14から膨張弁16へ向かう冷媒の流れと、を切り替える四方弁50と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷却装置に関し、特に、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用して発熱源を冷却する冷却装置に関する。
近年、環境問題対策の一つとして、モータの駆動力により走行するハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車などが注目されている。このような車両において、モータ、ジェネレータ、インバータ、コンバータおよびバッテリなどの電気機器は、電力の授受によって発熱する。そのため、これらの電気機器を冷却する必要がある。そこで、車両用空調装置として使用される蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用して、発熱体を冷却する技術が提案されている(たとえば、特開2007−69733号公報(特許文献1)、特開2005−90862号公報(特許文献2)、特開2001−309506号公報(特許文献3)参照)。
一方、蒸気圧縮式冷凍サイクル内に複数の冷媒の経路を設け、運転条件の変動に伴って冷媒が流れる経路を切り替える技術が種々提案されている(たとえば特開平6−255351号公報(特許文献4)、特開2000−280732号公報(特許文献5)参照)。
特開2007−69733号公報 特開2005−90862号公報 特開2001−309506号公報 特開平6−255351号公報 特開2000−280732号公報
特開2007−69733号公報(特許文献1)に記載の冷却システムでは、減圧後の冷えた冷媒を利用して発熱体を冷却するため、冷房能力が犠牲となり、冷房能力を確保するためには圧縮機の回転数を上げて冷媒の流量を確保する必要があるため、動力が増加する。一方、特開2005−90862号公報(特許文献2)に記載の冷却システムでは、冷媒の流通のために常に冷媒ポンプを駆動する必要があり、発熱体の冷却と冷房とに必要な動力は大きい。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、冷房能力と発熱源の冷却能力とを確保しつつ、省動力化を可能にする、冷却装置を提供することである。
本発明に係る冷却装置は、発熱源を冷却する冷却装置であって、冷媒を循環させるための圧縮機と、冷媒と外気との間で熱交換し冷媒を凝縮する、直列に接続された第一熱交換器および第二熱交換器と、冷媒を減圧する減圧器と、冷媒と空調用空気との間で熱交換し冷媒を蒸発する第三熱交換器と、第一熱交換器と第二熱交換器との間に並列に接続された二つの冷媒の経路のうちの一方に設けられ、冷媒を用いて発熱源を冷却する冷却部と、第一熱交換器から冷却部へ向かう冷媒の流れと、第一熱交換器から減圧器へ向かう冷媒の流れと、を切り替える四方弁と、を備える。
上記冷却装置において好ましくは、四方弁は、第一熱交換器の出口側、冷却部の入口側、第二熱交換器の出口側、および減圧器の入口側に接続される。
上記冷却装置において好ましくは、四方弁は、第一熱交換器の出口側と冷却部の入口側とを連通するとともに第二熱交換器の出口側と減圧器の入口側とを連通する第一状態と、第一熱交換器の出口側と減圧器の入口側とを連通するとともに第二熱交換器の出口側と冷却部の入口側とを連通する第二状態と、を切り替える。
上記冷却装置において好ましくは、四方弁を第二状態に切り替えることにより、第二熱交換器と冷却部との間に冷媒を循環させる閉ループ状の回路を形成する。
上記冷却装置において好ましくは、冷却部は、第二熱交換器よりも下方に配置されている。
上記冷却装置において好ましくは、第二熱交換器によって凝縮された液状の冷媒を貯留する蓄液器を備える。
上記冷却装置において好ましくは、蓄液器に貯留された液状の冷媒を移送するポンプを備える。
上記冷却装置において好ましくは、第一熱交換器によって凝縮された冷媒を気相と液相とに分離する気液分離器を備える。
上記冷却装置において好ましくは、四方弁は、第一熱交換器と四方弁との間の冷媒の圧力と、第三熱交換器と圧縮機との間の冷媒の圧力と、の差圧の変化に従って、冷媒の流れを切り替える。
上記冷却装置において好ましくは、四方弁は、第一熱交換器と四方弁との間の冷媒の圧力と、第三熱交換器と圧縮機との間の冷媒の圧力と、の差圧の変化に従って移動する弁体を備える。
本発明の冷却装置によると、冷房能力と発熱源の冷却能力とを確保しつつ、省動力化を達成することができる。
冷却装置が適用される車両の構成を示す概略図である。 本実施の形態の冷却装置の構成を示す模式図である。 蒸気圧縮式冷凍サイクルの冷媒の状態を示すモリエル線図である。 四方弁を切り替えた状態の冷却装置を示す模式図である。 四方弁を切り替えた状態の冷媒の状態を示すモリエル線図である。 冷却装置を構成する各機器の垂直方向の位置を示す模式図である。 冷却装置の運転モード毎の四方弁および流量調整弁の設定を示す図である。 エアコンOFF時のモードの冷却装置を示す模式図である。 エアコンOFF時のモードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。 冷媒の圧力に従った四方弁の開閉設定の切替方法を示すフローチャートである。 冷媒の差圧により駆動する四方弁の第一の状態を示す模式図である。 冷媒の差圧により駆動する四方弁の第二の状態を示す模式図である。 冷媒の差圧により駆動する四方弁の第三の状態を示す模式図である。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
[車両1000の構成]
図1は、冷却装置1が適用される車両1000の構成を示す概略図である。本実施の形態に係る車両1000は、内燃機関であるエンジン100と、電動機である駆動ユニット200と、PCU(Power Control Unit)700と、走行用バッテリ400と、を含んで構成され、エンジン100と駆動ユニット200とを動力源とするハイブリッド車両である。なお、本発明の冷却装置1は、エンジンと電動機とを動力源とするハイブリッド車両のみならず、電動機のみを動力源とする車両(本明細書では、両者を包含して電気自動車という)にも適用可能である。
エンジン100は、ガソリンエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよい。駆動ユニット200は、エンジン100とともに車両1000を駆動する駆動力を発生させる。エンジン100および駆動ユニット200は、ともに車両1000のエンジンルーム内に設けられている。駆動ユニット200は、ケーブル500を介してPCU700と電気的に接続される。PCU700は、ケーブル600を介して走行用バッテリ400と電気的に接続される。
[冷却装置1の構成]
図2は、本実施の形態の冷却装置1の構成を示す模式図である。図2に示すように、冷却装置1は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10を備える。蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、たとえば、車両の車内の冷房を行なうために、車両1000に搭載される。蒸気圧縮式冷凍サイクル10を用いた冷房は、たとえば、冷房を行なうためのスイッチがオンされた場合、または、自動的に車両の室内の温度を設定温度になるように調整する自動制御モードが選択されており、かつ、車室内の温度が設定温度よりも高い場合に行なわれる。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、圧縮機12と、第一熱交換器としての熱交換器14と、第二熱交換器としての熱交換器15と、減圧器の一例としての膨張弁16と、第三熱交換器としての熱交換器18と、を含む。蒸気圧縮式冷凍サイクル10はまた、熱交換器14と熱交換器15との間の冷媒の経路上に配置された気液分離器40と、熱交換器15と膨張弁16との間の冷媒の経路上に配置されたレシーバ46とを含む。
圧縮機12は、車両に搭載されたモータまたはエンジンを動力源として作動し、冷媒ガスを断熱的に圧縮して過熱状態冷媒ガスとする。圧縮機12は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の作動時に熱交換器18から流通する冷媒を吸入圧縮して、冷媒通路21に高温高圧の気相冷媒を吐出する。圧縮機12は、冷媒通路21に冷媒を吐出することで、蒸気圧縮式冷凍サイクル10に冷媒を循環させる。
熱交換器14,15は、冷媒を流通するチューブと、チューブ内を流通する冷媒と熱交換器14,15の周囲の空気との間で熱交換するためのフィンと、を含む。熱交換器14,15は、冷媒と外気の間で熱交換を行ない、圧縮機12において圧縮された過熱状態冷媒ガスを、外部媒体へ等圧的に放熱させて冷媒液とする。圧縮機12から吐出された高圧の気相冷媒は、熱交換器14,15における冷却風と冷媒との熱交換により周囲に放熱し冷却される。
冷却風は、車両の走行によって発生する自然の通風によって熱交換器14,15に供給されてもよい。または冷却風は、コンデンサファンもしくはエンジン冷却用のラジエータファンなどの、モータからの駆動力を受けて回転し空気の流れを発生させる外気供給用ファンからの強制通風によって、熱交換器14,15に供給されてもよい。熱交換器14,15における熱交換によって、冷媒の温度は低下し冷媒は凝縮(液化)する。
膨張弁16は、冷媒通路25を流通する高圧の液相冷媒を小さな孔から噴射させることにより膨張させて、低温・低圧の霧状冷媒に変化させる。膨張弁16は、熱交換器14,15によって凝縮された冷媒液を減圧して、気液混合状態の湿り蒸気とする。なお、冷媒液を減圧するための減圧器は、絞り膨張する膨張弁16に限られず、毛細管であってもよい。膨張弁16は、温度式膨張弁であってもよく、電気式の膨張弁であってもよい。
熱交換器18は、冷媒を流通するチューブと、チューブ内を流通する冷媒と熱交換器18の周囲の空気との間で熱交換するためのフィンと、を含む。チューブ内には、湿り蒸気状態の冷媒が流通する。熱交換器18は、その内部を流通する霧状冷媒が気化することによって、熱交換器18に接触するように導入された周囲の空気の熱を吸収する。熱交換器18を経由して蒸気圧縮式冷凍サイクル10を循環する冷媒と、空調用空気と、の熱交換によって、空調用空気の温度が調節される。
熱交換器18は、膨張弁16によって減圧された冷媒を用いて、冷媒の湿り蒸気が蒸発して冷媒ガスとなる際の気化熱を、車両の室内へ流通する空調用空気から吸収して、車両の室内の冷房を行なう。熱交換器18において冷媒に吸熱され温度が低下した空調用空気が車両の室内に供給されることによって、車両の室内の冷房が行なわれる。冷媒は、チューブ内を流通する際に、フィンを経由して空調用空気の熱を蒸発潜熱として吸収することによって蒸発し低圧高温ガスとなり、さらに顕熱によって過熱蒸気になる。気化した冷媒は、冷媒通路27を経由して圧縮機12へ戻る。圧縮機12は、熱交換器18から流通する冷媒を圧縮する。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10はまた、圧縮機12と熱交換器14とを連通する冷媒通路21と、熱交換器14と熱交換器15とを連通する冷媒通路22,23,24と、熱交換器15と膨張弁16とを連通する冷媒通路25,26,27と、膨張弁16と熱交換器18とを連通する冷媒通路28と、熱交換器18と圧縮機12とを連通する冷媒通路29と、を含む。
冷媒通路21は、冷媒を圧縮機12から熱交換器14に流通させるための通路である。冷媒は、冷媒通路21を経由して、圧縮機12と熱交換器14との間を、圧縮機12の出口から熱交換器14の入口へ向かって流れる。
冷媒通路22〜27は、冷媒を熱交換器14から膨張弁16に流通させるための通路である。冷媒は、冷媒通路22〜27を経由して、熱交換器14と膨張弁16との間を、熱交換器14の出口から膨張弁16の入口へ向かって流れる。熱交換器14の出口から膨張弁16の入口へ向かう冷媒が流れる経路は、熱交換器14の出口側から気液分離器40へ至る冷媒通路22と、気液分離器40から後述する流量調整弁38へ冷媒蒸気を流通させる冷媒通路23と、熱交換器15の入口側へ連結される冷媒通路24と、熱交換器15の出口側から冷媒を膨張弁16へ流通させる冷媒通路25〜27と、を含む。
冷媒通路28は、冷媒を膨張弁16から熱交換器18に流通させるための通路である。冷媒は、冷媒通路28を経由して、膨張弁16と熱交換器18との間を、膨張弁16の出口から熱交換器18の入口へ向かって流れる。冷媒通路29は、冷媒を熱交換器18から圧縮機12に流通させるための通路である。冷媒は、冷媒通路29を経由して、熱交換器18と圧縮機12との間を、熱交換器18の出口から圧縮機12の入口へ向かって流れる。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、圧縮機12、熱交換器14,15、膨張弁16および熱交換器18が、冷媒通路21〜29によって直列に接続されて構成される。なお、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の冷媒としては、たとえば二酸化炭素、プロパンやイソブタンなどの炭化水素、アンモニア、フロン類または水などを用いることができる。
気液分離器40は、熱交換器14から流出し気液分離器40へ流入する冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する。気液分離器40の内部には、液相冷媒である冷媒液と、気相冷媒である冷媒蒸気と、が蓄蔵されている。気液分離器40には、冷媒通路22,23と、後述する冷媒通路34とが連結されている。
熱交換器14で凝縮された冷媒は、熱交換器14の出口側において、飽和液と飽和蒸気とが混合した気液二相状態の湿り蒸気の状態にある。熱交換器14から流出した高圧の冷媒液は、冷媒通路22を通って気液分離器40へ供給される。冷媒通路22から気液分離器40へ流入する気液二相状態の冷媒は、気液分離器40の内部において気相と液相とに分離される。気液分離器40は、熱交換器14によって凝縮された冷媒を液体状の冷媒液とガス状の冷媒蒸気とに分離して、一時的に蓄える。
気液分離された冷媒液は、冷媒通路34を経由して、気液分離器40の外部へ流出する。冷媒通路34の端部は、気液分離器40内の底部側の、液相の冷媒が溜められる冷媒液貯留部に接続されている。冷媒通路34は、液相冷媒の気液分離器40からの流出口を形成する。気液分離された冷媒蒸気は、冷媒通路23を経由して、気液分離器40の外部へ流出する。冷媒通路23の端部は、気液分離器40内の天井部側の、気相の冷媒が溜められる冷媒蒸気貯留部に接続されている。冷媒通路23は、気相冷媒の気液分離器40からの流出口を形成する。冷媒通路23は、気液分離器40から膨張弁16へ向かう冷媒が流通する経路の一部を形成し、気液分離器40で分離された気相冷媒が気液分離器40から流出するための通路を形成する。
気液分離器40の内部では、冷媒液が下側、冷媒蒸気が上側に溜まる。気液分離器40から冷媒蒸気を導出する冷媒通路23の端部は、気液分離器40の天井部に連結されている。気液分離器40から冷媒液を導出する冷媒通路34の端部は、気液分離器40の底部に連結されている。冷媒通路23を経由して気液分離器40の天井側から冷媒蒸気のみが気液分離器40の外部へ送り出され、冷媒通路34を経由して気液分離器40の底側から冷媒液のみが気液分離器40の外部へ送り出される。これにより、気液分離器40は、気相冷媒と液相冷媒との分離を確実に行なうことができる。
気液分離器40から流出した冷媒蒸気は、熱交換器15において周囲に放熱し冷却されることによって、凝縮する。この凝縮した冷媒が、冷媒通路25を経由して、レシーバ46へ流入する。レシーバ46は、熱交換器15の下流側と膨張弁16の上流側との間に接続され、負荷に応じて冷媒を熱交換器18に供給できるように、熱交換器15を通過して凝縮された冷媒液を、その内部に一時的に蓄える。レシーバ46は、熱交換器15によって凝縮された液状の冷媒を貯留する蓄液器としての機能を有し、液相冷媒のみを膨張弁16に向けて流出させる。
レシーバ46の内部には、液相冷媒である冷媒液と、気相冷媒である冷媒蒸気とが蓄蔵される。冷媒液はレシーバ46の底部側に貯留されており、冷媒蒸気はレシーバ46の天井部側に溜められる。レシーバ46には、冷媒通路25,26が接続される。冷媒通路25,26は、レシーバ46の内部と外部とに亘って配置され、レシーバ46の内部と外部とを連通する。冷媒通路25の端部は、レシーバ46内の上部空間に接続される。冷媒通路26は、レシーバ46内の下部空間に接続される。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10を循環する冷媒中に空気が含まれていると、空気は冷媒のように状態変化しないので、熱交換器14,15,18における冷媒の熱交換の妨げとなり、冷凍サイクルの冷却能力を低下させる虞がある。レシーバ46から送り出される冷媒液が流通する冷媒通路26をレシーバ46の下部空間に接続すれば、冷媒中に空気が含まれていても当該空気がレシーバ46内の上部空間に残るので、レシーバ46を利用して空気を冷媒から除去することができる。
レシーバ46の内部に、液体の冷媒を濾過するストレーナと、冷媒中に含まれる水分を除去する乾燥剤とを配置し、冷媒はストレーナと乾燥剤との積層構造を経由してレシーバ46の上部空間から下部空間へ落下する構成としてもよい。冷媒中に水分が含まれていると、各部品を腐食させたり、膨張弁16で凍結して冷媒の流れを阻害することになる。膨張弁16の小孔に異物が詰まると、冷媒の流れが阻害されて蒸気圧縮式冷凍サイクル10が動作しなくなる。熱交換器15と膨張弁16との間にレシーバ46を設けることにより、冷凍サイクル内の空気および水分を除去でき、かつ、膨張弁16前で異物除去を行なって膨張弁16での目詰まりを防ぐことができるので、冷凍サイクルの性能低下を防止することができる。
レシーバ46内には、ポンプ48が配置されている。ポンプ48は、レシーバ46に貯留された液状の冷媒を移送する。ポンプ48は、レシーバ46の出口側の、冷媒液が流れる冷媒通路26に配置されてもよい。
冷却装置1は、気液分離器40と熱交換器15の入口側とを接続する、並列に接続された二つの冷媒の経路を備える。気液分離器40から熱交換器15へ向かって流れる冷媒の経路は、冷媒通路23,24を含む。冷媒通路23は、気液分離器40で分離された気相冷媒が流れるための通路である。気液分離器40から導出された気相の冷媒蒸気は、熱交換器15において周囲に放熱し冷却されることによって、凝縮する。
気液分離器40から熱交換器15へ向かって流れる冷媒の経路はまた、気液分離器40と冷却部30とを連通する冷媒通路34,35と、冷却部30と、冷却部30と冷媒通路24とを連通する冷媒通路36と、を含む。冷媒通路34は気液分離器40に接続されており、冷媒通路34,35を経由して、気液分離器40から冷却部30へ冷媒液が流れる。冷媒通路36は冷媒通路24に連結されており、冷却部30を通過した冷媒は、冷媒通路36を経由して、冷媒通路24へ戻る。
冷却装置1は、冷媒通路23,24と並列に配置された冷媒の経路を備え、冷却部30は、当該冷媒の経路上に設けられている。冷却部30は、熱交換器14から熱交換器15へ向けて流れる冷媒の経路において並列に接続された複数の通路のうちの、一方に設けられている。冷却部30は、電気自動車に搭載される電気機器であるEV(Electric Vehicle)機器と、冷媒が内部を流通する冷却器とを含む。EV機器は、発熱源の一例である。冷却器の入口側は冷媒通路35に接続され、冷却器の出口側は冷媒通路36に接続される。
冷媒通路34,35は、冷却部30よりも上流側(気液分離器40に近接する側)の冷媒の経路であり、冷媒通路34,35を経由して冷却部30へ冷媒が流入する。冷媒通路34,35は、液相の冷媒が気液分離器40から冷却部30に流れるための通路である。冷媒通路36は、冷却部30よりも下流側(熱交換器15に近接する側)の冷媒の経路であり、冷媒は、冷却部30から流出して冷媒通路36へ流れ込む。冷媒通路36は、冷却部30から冷媒通路24に冷媒を戻すための通路である。
気液分離器40から流出した冷媒液は、冷媒通路34,35を経由して、冷却部30へ向かって流通する。冷却部30へ流通し、冷却器を経由して流れる冷媒は、発熱源としてのEV機器と冷媒との温度差に応じて、EV機器から熱を奪って、EV機器を冷却する。冷却部30は、気液分離器40において分離され冷媒通路34,35を経由して冷却部30へ流れる飽和液状態の冷媒を用いて、EV機器を冷却する。冷却部30において、冷却器内を流通する冷媒と、EV機器と、が熱交換することにより、EV機器は冷却され、冷媒は加熱される。
気液分離器40の内部には、飽和液状態の冷媒液が貯留されている。気液分離器40は、その内部に液状の冷媒である冷媒液を一時的に貯留する蓄液器として機能する。気液分離器40内に所定量の冷媒液が溜められることにより、負荷変動時にも気液分離器40から冷却部30へ流れる冷媒の流量を維持できる。気液分離器40が液だめ機能を有し、負荷変動に対するバッファとなり負荷変動を吸収できるので、EV機器の冷却性能を安定させることができる。
冷却部30は、冷却器においてEV機器と冷媒との間で熱交換が可能な構造を有するように設けられる。本実施の形態においては、冷却部30は、たとえば、EV機器の筐体に冷却器の外周面が直接接触するように形成された冷却器を有する。冷却器は、EV機器の筐体と隣接する部分を有する。当該部分において、冷却器を流通する冷媒と、EV機器との間で、熱交換が可能となる。
EV機器は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の熱交換器14から熱交換器15に至る冷媒の経路の一部を形成する冷却器の外周面に直接接続されて、冷却される。冷媒とEV機器とが直接熱交換してもよく、または、冷媒とEV機器を流れる水や油などの二次媒体とが熱交換してもよい。冷却器の外部にEV機器が配置されるので、冷却器の内部を流通する冷媒の流れにEV機器が干渉することはない。そのため、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の圧力損失は増大しないので、圧縮機12の動力を増大させることなく、EV機器を冷却することができる。
代替的には、冷却部30は、EV機器と冷却器との間に介在して配置された任意の公知の伝熱装置を備えてもよい。この場合EV機器は、冷却器の外周面に伝熱装置を介して接続され、EV機器から冷却器へ伝熱装置を経由して熱伝達することにより、冷却される。伝熱装置として、たとえばウィック式などのヒートパイプを使用することができる。EV機器をヒートパイプの加熱部とし冷却器をヒートパイプの冷却部とすることで、冷却器とEV機器との間の熱伝達効率が高められるので、EV機器の冷却効率を向上できる。
伝熱装置によってEV機器から冷却器へ確実に熱伝達することができるので、EV機器と冷却器との間に距離があってもよく、EV機器に冷却器を接触させるための経路を複雑に配置する必要がない。その結果、EV機器の配置が制限されることがなく、EV機器の配置の自由度を向上することができる。
EV機器は、電力の授受によって発熱する電気機器を含む。電気機器は、たとえば、直流電力を交流電力に変換するためのインバータ、回転電機であるモータジェネレータ、蓄電装置であるバッテリ、バッテリの電圧を昇圧させるための昇圧コンバータ、バッテリの電圧を降圧するためのDC/DCコンバータなどの、少なくともいずれか一つを含む。バッテリは、リチウムイオン電池あるいはニッケル水素電池等の二次電池である。バッテリに代えてキャパシタが用いられてもよい。
気液分離器40と熱交換器15との間に並列に接続された冷媒の経路のうち、冷却部30を経由しない方の経路には、流量調整弁38が設けられている。流量調整弁38は、その弁開度を変動させ、冷媒通路23,24を流れる冷媒の圧力損失を増減させる。これにより、流量調整弁38は、冷却部30を経由することなく気液分離器40と熱交換器15との間を直接流れる冷媒の流量と、冷却器を含むEV機器の冷却系を流れる冷媒の流量と、を任意に調節する。流量調整弁38は、開度調整が可能な仕様の弁であり、たとえば電動弁であってもよい。
流量調整弁38の弁開度を大きくすれば、熱交換器14から冷媒通路22へ流れる冷媒のうち、冷媒通路23,24を経由して熱交換器15へ直接流れる流量が大きくなり、冷媒通路34,35を経由して冷却部30へ流れEV機器を冷却する冷媒の流量が小さくなる。流量調整弁38の弁開度を小さくすれば、熱交換器14から冷媒通路23,24を経由して熱交換器15へ直接流れる流量が小さくなり、冷却部30へ流れEV機器を冷却する冷媒の流量が大きくなる。
流量調整弁38の弁開度を大きくするとEV機器を冷却する冷媒の流量が小さくなり、EV機器の冷却能力が低下する。流量調整弁38の弁開度を小さくするとEV機器を冷却する冷媒の流量が大きくなり、EV機器の冷却能力が向上する。流量調整弁38を使用して、EV機器に流れる冷媒の量を最適に調節できるので、EV機器の過熱および過冷却を確実に防止することができる。加えて、EV機器の冷却系の冷媒の流通に係る圧力損失および冷媒を循環させるための圧縮機12の消費電力を、確実に低減することができる。
[冷却装置1の動作]
冷媒は、圧縮機12と熱交換器14,15と膨張弁16と熱交換器18とが冷媒通路21〜29によって順次接続された冷媒循環流路を通って、蒸気圧縮式冷凍サイクル10内を循環する。図3は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の冷媒の状態を示すモリエル線図である。図3中の横軸は、冷媒の比エンタルピーを示し、縦軸は、冷媒の絶対圧力を示す。比エンタルピーの単位はkJ/kgであり、絶対圧力の単位はMPaである。図中の曲線は、冷媒の飽和蒸気線および飽和液線である。
図3中には、熱交換器14の出口の冷媒通路22から気液分離器40を経由して冷媒通路34へ流れ、冷却部30へ流入してEV機器を冷却し、冷却部30から冷媒通路36を経由して熱交換器15の入口側の冷媒通路24へ戻る、蒸気圧縮式冷凍サイクル10中の各点における冷媒の熱力学状態が示される。このときの冷媒が流れる経路、すなわち冷媒通路21、冷媒通路22、冷媒通路34,35、冷媒通路36および冷媒通路24〜29は、第一通路を形成する。
図3に示すように、圧縮機12に吸入された冷媒は、圧縮機12において等比エントロピー線に沿って断熱圧縮される。圧縮するに従って冷媒の圧力と温度とが上昇し、冷媒は、圧縮機12の出口において高温高圧の過熱度の大きい過熱蒸気になる。
圧縮機12において断熱圧縮された高温高圧の過熱蒸気状態の冷媒は、熱交換器14へと流れ、熱交換器14において冷却される。圧縮機12から吐出された高圧の気相冷媒は、熱交換器14において周囲に放熱し冷却されることによって、凝縮(液化)する。熱交換器14における外気との熱交換によって、冷媒の温度は低下し冷媒は液化する。熱交換器14へ入った高圧の冷媒蒸気は、熱交換器14において等圧のまま過熱蒸気から乾き飽和蒸気になり、凝縮潜熱を放出し徐々に液化して気液混合状態の湿り蒸気になる。
熱交換器14で完全に液化しない程度まで冷やされた気液二相状態の冷媒は、気液分離器40において、飽和蒸気状態の冷媒蒸気と飽和液状態の冷媒液とに気液分離される。気液分離された冷媒のうち、液相の冷媒液が、気液分離器40から流出し、冷媒通路34,35を経由して冷却部30へ流れ、EV機器を冷却する。冷却部30において、熱交換器14で凝縮され気液分離器40で分離された飽和液状態の液冷媒に熱を放出することで、EV機器が冷却される。EV機器との熱交換により、冷媒が加熱され、冷媒の乾き度が増大する。冷媒は、EV機器から潜熱を受け取って一部気化することにより、冷却部30の出口において、飽和液と飽和蒸気とが混合した気液二相状態の湿り蒸気となる。
冷却部30から流出した冷媒は、冷媒通路36,24を経由して、熱交換器15に流入する。冷媒の湿り蒸気は、熱交換器15において周囲に放熱し外気と熱交換して冷却されることにより再度凝縮され、冷媒の全部が凝縮すると飽和液になり、さらに顕熱を放出して過冷却された過冷却液になる。冷媒は、熱交換器15において、飽和温度以下にまで冷却される。熱交換器15で冷媒を過冷却液にするのは、その後の膨張弁16での減圧量、冷媒流量および冷房能力の制御を容易にするためである。
熱交換器15で過冷却液まで冷却された冷媒は、冷媒通路25を経由してレシーバ46へ流入し、レシーバ46の内部に過冷却液状態の冷媒が蓄積される。レシーバ46が液だめ機能を有し液冷媒のバッファとなるので、冷房性能低下を防止でき冷房能力が安定する。冷媒液は、冷媒通路26,27を経由して、膨張弁16に流入する。膨張弁16において、過冷却液状態の冷媒は絞り膨張され、比エンタルピーは変化せず温度と圧力とが低下して、低温低圧の気液混合状態の湿り蒸気となる。
膨張弁16から出た湿り蒸気状態の冷媒は、冷媒通路28を経由して熱交換器18へ流入する。熱交換器18のチューブ内には、湿り蒸気状態の冷媒が流入する。熱交換器18は、その内部を流通する霧状冷媒が気化することによって、熱交換器18に接触するように導入された空調用空気の熱を吸収する。熱交換器18は、膨張弁16によって減圧された冷媒を用いて、冷媒の湿り蒸気が蒸発して冷媒ガスとなる際の気化熱を、車両の室内へ流通する空調用空気から吸収して、車両の室内の冷房を行なう。熱が熱交換器18に吸収されることによって温度が低下した空調用空気が車両の室内に再び戻されることによって、車両の室内の冷房が行なわれる。
冷媒は、熱交換器18のチューブ内を流通する際に、フィンを経由して車両の室内の空気の熱を蒸発潜熱として吸収することによって、等圧のまま蒸発する。全ての冷媒が乾き飽和蒸気になると、さらに顕熱によって冷媒蒸気は温度上昇して、過熱蒸気となる。冷房運転時には、熱交換器18において高温の空調用空気と冷媒とが熱交換することにより空調用空気が冷却され、空調用空気の温度が低下し、冷媒は空調用空気からの熱伝達を受けて加熱される。その後冷媒は、冷媒通路29を経由して圧縮機12に吸入される。圧縮機12は、熱交換器18から流通する冷媒を圧縮する。
冷媒はこのようなサイクルに従って、圧縮、凝縮、絞り膨張、蒸発の状態変化を連続的に繰り返す。なお、上述した蒸気圧縮式冷凍サイクルの説明では、理論冷凍サイクルについて説明しているが、実際の蒸気圧縮式冷凍サイクル10では、圧縮機12における損失、冷媒の圧力損失および熱損失を考慮する必要があるのは勿論である。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10の運転中に、冷媒は、蒸発器として作用する熱交換器18において蒸発する際に気化熱を車両の室内の空気から吸収して、車室内の冷房を行なう。加えて、熱交換器14から流出し気液分離器40で気液分離された高圧の液冷媒が冷却部30へ流通し、EV機器と熱交換することでEV機器を冷却する。冷却装置1は、車両に搭載された発熱源であるEV機器を、車両の室内の空調用の蒸気圧縮式冷凍サイクル10を利用して、冷却する。なお、EV機器を冷却するために必要とされる温度は、少なくともEV機器の温度範囲として目標となる温度範囲の上限値よりも低い温度であることが望ましい。
熱交換器18において空調用空気を冷却するために設けられた蒸気圧縮式冷凍サイクル10を利用して、EV機器の冷却が行なわれるので、EV機器の冷却のために、専用の水循環ポンプまたは冷却ファンなどの機器を設ける必要はない。そのため、EV機器の冷却装置1のために必要な構成を低減でき、装置構成を単純にできるので、冷却装置1の製造コストを低減することができる。加えて、EV機器の冷却のためにポンプや冷却ファンなどの動力源を運転する必要がなく、動力源を運転するための消費動力を必要としない。したがって、EV機器の冷却のための消費動力を低減することができ、低動力でEV機器を冷却することができる。
熱交換器14では、冷媒を湿り蒸気の状態にまで冷却すればよく、気液混合状態の冷媒は気液分離器40により分離され、飽和液状態の冷媒液のみが冷却部30へ供給される。EV機器から蒸発潜熱を受け取り一部気化した湿り蒸気の状態の冷媒は、熱交換器15で再度冷却される。湿り蒸気状態の冷媒を凝縮させ完全に飽和液にするまで、冷媒は一定の温度で状態変化する。熱交換器15はさらに、車両の室内の冷房のために必要な程度の過冷却度にまで、液相冷媒を過冷却する。冷媒の過冷却度を過度に大きくする必要がないので、熱交換器14,15の容量を低減することができる。したがって、車室用の冷房能力を確保でき、かつ、熱交換器14,15のサイズを低減することができるので小型化され車載用に有利な、冷却装置1を得ることができる。
冷却装置1の設計段階で熱交換器14,15の仕様を決定する際には、EV機器の最大発熱量を設計値として用いる。EV機器が最大発熱量未満の熱量を発生する通常発熱時には、熱交換器14,15の能力に余裕ができる。そのため、最大発熱量のEV機器を冷却しない状態になると、熱交換器14,15において、冷媒がより多くの空気と熱交換できるようになる。これは、熱交換器14,15が見かけ上大きくなり、熱交換器14,15の温度効率φcが高くなったと考えることができる。
熱交換器14,15における空気側の放熱能力Qcaは、熱交換器の温度効率φc、空気比熱Ca、空気重量風量Gea、および、冷媒温度Terから吸入空気温度Teaを減じた差(Ter−Tea)に比例する。必要な放熱能力Qcaは変わらず、また空気比熱Ca、空気重量風量Geaおよび吸入空気温度Teaは外気温度および車速に従って決まるので、温度効率φcが高くなった分、冷媒温度Terが低くなることになる。モリエル線図を参照すると、冷媒が気液二相状態のとき冷媒の温度と圧力とは線形の関係にあり、冷媒の圧力変化に従って冷媒の温度が変化する。つまり、熱交換器14,15での冷媒温度Terが低くなるとは、熱交換器14,15を流れる冷媒の圧力が低くなることを意味する。
熱交換器14,15での冷媒の圧力が下がり、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の高圧が降下する結果、圧縮機12の出口での冷媒の圧力が相対的に低くてもよいことになる。そのため、圧縮機12で冷媒を断熱圧縮するための動力を低減することができ、さらなる省動力化を達成することができる。したがって、車両の燃費を向上することができる。特に電気自動車においては、省動力化により、直接電費を向上することができる。
気液分離器40から熱交換器15へ向かう冷媒が流通する経路として、冷却部30を通過しない経路である冷媒通路23,24と、冷却部30を経由してEV機器を冷却する冷媒の経路である冷媒通路34〜36および冷却器と、が並列に設けられる。冷媒通路34〜36を含むEV機器の冷却系は、冷媒通路23,24に対し並列に接続されている。そのため、熱交換器14から流出した冷媒の一部のみが、冷却部30へ流れる。流量調整弁38の開度調整によって、気液分離器40から冷媒通路23へ流れる冷媒と、冷却部30を流れる冷媒と、の流量が適切に調整される。この流量調整により、EV機器の冷却のために必要な量の冷媒が冷却部30へ流れ、EV機器は適切に冷却される。
熱交換器14から冷却部30を経由せず直接熱交換器15へ流れる冷媒の経路と、熱交換器14から冷却部30を経由して熱交換器15へ流れる冷媒の経路と、を並列に設け、一部の冷媒のみを冷媒通路34,36へ流通させることで、EV機器31の冷却系に冷媒が流れる際の圧力損失を低減することができる。全ての冷媒が冷却部30に流れないので、冷却部30を経由する冷媒の流通に係る圧力損失を低減することができ、それに伴い、冷媒を循環させるための圧縮機12の運転に必要な消費電力を低減することができる。
膨張弁16を通過した後の低温低圧の冷媒をEV機器の冷却に使用すると、熱交換器18における車室内の空気の冷却能力が減少して、車室用の冷房能力が低下する。これに対し、本実施の形態の冷却装置1では、蒸気圧縮式冷凍サイクル10において、圧縮機12から吐出された高圧の冷媒は、第一の凝縮器としての熱交換器14と、第二の凝縮器としての熱交換器15と、の両方によって凝縮される。圧縮機12と膨張弁16との間に二段の熱交換器14,15を配置し、EV機器を冷却する冷却部30は、熱交換器14と熱交換器15との間に設けられている。熱交換器15は、冷却部30から膨張弁16に向けて流れる冷媒の経路上に設けられている。
EV機器から蒸発潜熱を受けて加熱された冷媒を熱交換器15において十分に冷却することにより、膨張弁16の出口において、冷媒は、車両の室内の冷房のために本来必要とされる温度および圧力を有する。そのため、熱交換器18において冷媒が蒸発するときに外部から受け取る熱量を十分に大きくすることができるので、熱交換器18を通過する空調用空気を十分に冷却できる。このように、冷媒を十分に冷却できる熱交換器15の放熱能力を定めることにより、車室内の空気を冷却する冷房の能力に影響を与えることなく、EV機器を冷却することができる。したがって、EV機器の冷却能力と、車室用の冷房能力との両方を、確実に確保することができる。
熱交換器14から冷却部30へ流れる冷媒は、EV機器を冷却するときに、EV機器から熱を受け取り加熱される。冷却部30において冷媒が飽和蒸気温度以上に加熱され冷媒の全量が気化すると、冷媒とEV機器との熱交換量が減少してEV機器を効率よく冷却できなくなり、また冷媒が配管内を流れる際の圧力損失が増大する。そのため、EV機器を冷却した後に冷媒の全量が気化しない程度に、熱交換器14において十分に冷媒を冷却するのが望ましい。
具体的には、熱交換器14の出口における冷媒の状態を飽和液に近づけ、典型的には熱交換器14の出口において冷媒が飽和液線上にある状態にする。このように冷媒を十分に冷却できる能力を熱交換器14が有する結果、熱交換器14の冷媒から熱を放出させる放熱能力は、熱交換器15の放熱能力よりも高くなる。放熱能力が相対的に大きい熱交換器14において冷媒を十分に冷却することにより、EV機器から熱を受け取った冷媒を湿り蒸気の状態に留めることができ、冷媒とEV機器との熱交換量の減少を回避できるので、EV機器を十分に効率よく冷却することができる。EV機器を冷却した後の湿り蒸気の状態の冷媒は、熱交換器15において効率よく再度冷却され、飽和温度を下回る過冷却液の状態にまで冷却される。したがって、車室用の冷房能力とEV機器の冷却能力との両方を確保した、冷却装置1を提供することができる。
熱交換器14の出口において気液二相状態にある冷媒は、気液分離器40内において、気相と液相とに分離される。気液分離器40で分離された気相冷媒は、冷媒通路23,24を経由して流れ直接熱交換器15に供給される。気液分離器40で分離された液相冷媒は、冷媒通路34,35を経由して流れ、冷却部30に供給されてEV機器を冷却する。この液相冷媒は、過不足の全くない真に飽和液状態の冷媒である。気液分離器40から液相の冷媒のみを取り出し冷却部30へ流すことにより、熱交換器14の能力を最大限に活用してEV機器を冷却することができるので、EV機器の冷却能力を向上させた冷却装置1を提供することができる。
気液分離器40の出口で飽和液の状態にある冷媒を冷却部30に導入することにより、冷媒通路34〜36および冷却器を含むEV機器の冷却系を流れる冷媒のうち、気相状態の冷媒を最小限に抑えることができる。そのため、EV機器の冷却系を流れる冷媒蒸気の流速が早くなり圧力損失が増大することを抑制でき、冷媒を流通させるための圧縮機12の消費電力を低減できるので、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の性能の悪化を回避することができる。
[四方弁50を用いた経路切替]
図2に戻って、冷却装置1はさらに、四方弁50を備える。四方弁50は、熱交換器14から気液分離器40を経由して冷却部30へ向かう冷媒の流れと、熱交換器14から気液分離器40を経由して膨張弁16へ向かう冷媒の流れと、を切り替え可能に配置されている。
四方弁50には冷媒通路34が接続され、気液分離器40で気液分離された冷媒液が冷媒通路34を経由して四方弁50へ流入する。冷媒通路34は、気液分離器40と四方弁50とを連通する。四方弁50は、冷媒通路22、気液分離器40および冷媒通路34を介して、熱交換器14の出口側と接続されており、熱交換器14で凝縮した冷媒が四方弁50へ流入する。冷媒通路34が接続される四方弁50の接続口を、図2に示すように、接続口Aと称する。
四方弁50には冷媒通路35が接続され、四方弁50は冷媒通路35を介して冷却部30の入口側と接続されている。冷媒通路35は、四方弁50と冷却部30とを連通する。冷却部30へ供給される冷媒は、四方弁50から流出し冷媒通路35を経由して冷却部30へ至る。冷媒通路35が接続される四方弁50の接続口を、図2に示すように、接続口Bと称する。
四方弁50には冷媒通路26が接続され、レシーバ46に貯留された冷媒液が冷媒通路26を経由して四方弁50へ流入する。冷媒通路26は、レシーバ46と四方弁50とを連通する。四方弁50は、冷媒通路25、レシーバ46および冷媒通路26を介して、熱交換器15の出口側と接続されており、熱交換器15で凝縮した冷媒が四方弁50へ流入する。冷媒通路26が接続される四方弁50の接続口を、図2に示すように、接続口Cと称する。
四方弁50には冷媒通路27が接続され、四方弁50は冷媒通路27を介して膨張弁16の入口側と接続されている。冷媒通路27は、四方弁50と膨張弁16とを連通する。膨張弁16へ供給される冷媒は、四方弁50から流出し冷媒通路27を経由して膨張弁16へ至る。冷媒通路27が接続される四方弁50の接続口を、図2に示すように、接続口Dと称する。
四方弁50は、熱交換器14の出口側と冷却部30の入口側とが四方弁50を介して連通し、かつ、熱交換器15の出口側と膨張弁16の入口側とが四方弁50を介して連通するように、開閉を切り替えることが可能である。図2に示すこのような四方弁50の開閉設定を、本明細書では第一状態と称する。四方弁50を第一状態に設定し、冷却部30を流れる冷媒が必要な冷却能力を得られるだけの流量となるように流量調整弁38の弁開度を調整することにより、気液分離器40から十分な量の冷媒を冷却部30に供給することができ、かつ、EV機器を冷却した冷媒を熱交換器15で凝縮した後膨張弁16へ流通させることができる。
四方弁50はまた、熱交換器14の出口側と膨張弁16の入口側とが四方弁50を介して連通し、かつ、熱交換器15の出口側と冷却部30の入口側とが四方弁50を介して連通するように、開閉を切り替えることが可能である。図4は、四方弁50を切り替えた状態の冷却装置を示す模式図である。図4に示す上述した四方弁50の開閉設定を、本明細書では第二状態と称する。四方弁50は、第一状態と第二状態とを切替可能に設けられている。四方弁50を第二状態に切り替えるとともに流量調整弁38を全閉にすることにより、EV機器を冷却した後の冷媒を熱交換器15へ流通させ、圧縮機12を経由せずに熱交換器15と冷却部30との間に冷媒を循環させる閉ループ状の経路を形成することができる。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10の通常運転中には、四方弁50を第一状態に設定し、流量調整弁38の開度を適宜調整することにより、必要な量の冷媒を冷却部30に供給してEV機器の冷却能力を確保し、かつ、熱交換器18で空調用空気を冷却することにより車両の車内の冷房能力を確保できる。
一方、外気温が非常に高く車両を走行させていない状態において、蒸気圧縮式冷凍サイクル10を起動し圧縮機12を運転すると、圧縮機12出口における冷媒の圧力が高くなり、冷媒の飽和温度が高くなり、そのため冷却部30を通過する冷媒の温度も高くなり、EV機器の冷却能力が不足する虞がある。この場合、四方弁50を第二状態に切り替えるとともに流量調整弁を全閉にすれば、熱交換器15の出口側から四方弁50を経由して冷却部30へつながる経路が形成され、四方弁50を経由して冷却部30と熱交換器15との間に冷媒を循環させる冷媒の経路を形成することができる。このときの冷媒が流れる経路、すなわち冷媒通路25、冷媒通路26、冷媒通路35、冷媒通路36および冷媒通路24は、第二通路を形成する。
この環状の経路を経由して、圧縮機12を経由することなく、熱交換器15と冷却部30との間に冷媒を循環させることができる。冷媒は、EV機器を冷却するとき、EV機器から蒸発潜熱を受けて蒸発する。EV機器との熱交換により気化された冷媒蒸気は、冷媒通路36および冷媒通路24を順に経由して、熱交換器15へ流れる。熱交換器15において、車両の走行風、または、外気供給用ファンからの通風により、冷媒蒸気は冷却されて凝縮する。熱交換器15で液化した冷媒液は、レシーバ46に貯められ、冷媒通路26、四方弁50および冷媒通路35を経由して、冷却部30へ戻る。冷却部30と熱交換器15とを経由する環状の経路によって、EV機器を加熱部とし熱交換器15を冷却部とする、ヒートパイプが形成される。
図5は、四方弁50を切り替えた状態の冷媒の状態を示すモリエル線図である。図5中の横軸は、冷媒の比エンタルピーを示し、縦軸は、冷媒の絶対圧力を示す。比エンタルピーの単位はkJ/kgであり、絶対圧力の単位はMPaである。図中の曲線は、冷媒の飽和蒸気線および飽和液線である。図5中には、熱交換器14の出口の冷媒通路22から気液分離器40を経由して冷媒通路34へ流れ、四方弁50を経由して膨張弁16へ直接流れる、蒸気圧縮式冷凍サイクル10中の各点における冷媒の熱力学状態が示される。図5中にはまた、熱交換器15、レシーバ46および冷却部30を接続する冷媒の経路によって形成される閉ループ内を循環する冷媒の熱力学状態が示される。
図5に示すように、冷媒は、圧縮機12において断熱圧縮され、高温高圧の過熱蒸気になる。過熱蒸気状態の冷媒は、熱交換器14へと流れ、熱交換器14において過冷却液まで冷却され、冷媒通路22を経由して気液分離器40へ流入し、気液分離器40の内部に過冷却液状態の冷媒が蓄積される。気液分離器40が液だめ機能を有し液冷媒のバッファとなるので、冷房性能低下を防止でき冷房能力が安定する。冷媒液は、膨張弁16において絞り膨張され、低温低圧の気液混合状態の湿り蒸気となる。その後冷媒は、熱交換器18において高温の空調用空気と熱交換することにより加熱され、再び圧縮機12に吸入される。冷媒はこのサイクルに従って、圧縮、凝縮、絞り膨張、蒸発の状態変化を連続的に繰り返す。
冷媒はまた、熱交換器15において、車両の走行風または冷却ファンからの通風により、熱交換器15のチューブ内を流通する際に周囲に放熱し冷却されることによって、凝縮(液化)する。熱交換器15における外気との熱交換によって、冷媒の温度は低下し冷媒は液化する。冷媒は、熱交換器15において凝縮潜熱を放出し等圧のまま徐々に液化して気液混合状態の湿り蒸気になる。気液二相状態の冷媒は、冷媒通路25を経由してレシーバ46へ流れ、レシーバ46において、飽和蒸気状態の冷媒蒸気と飽和液状態の冷媒液とに気液分離される。レシーバ46が液だめ機能を有し液冷媒のバッファとなるので、EV機器の冷却性能低下を防止でき冷却能力が安定する。
レシーバ46から流出する飽和液状態の冷媒が、冷媒通路26、四方弁50および冷媒通路35を経由して冷却部30へ流れ、EV機器を冷却する。冷却部30において、液冷媒に熱を放出することで、EV機器が冷却される。EV機器との熱交換により、冷媒が加熱され、等圧のまま徐々に蒸発して、冷媒の乾き度が増大する。典型的には、冷却部30において、全ての冷媒が乾き飽和蒸気になるまで冷媒とEV機器との熱交換が行なわれる。EV機器との熱交換により一部または全部が気化された冷媒は、冷却部30から流出して冷媒通路36,24を順に経由して、熱交換器15へ戻る。
このように、酷暑時のアイドル状態においては、圧縮機12、熱交換器14、膨張弁16および熱交換器18を経由するエアコンサイクルと、冷却部30、熱交換器15およびレシーバ46を経由するEV機器冷却サイクルとを分離する。膨張弁16において冷媒を絞り膨張し冷媒の温度を下げることにより、熱交換器18に低温低圧の冷媒を供給できるので、熱交換器18において空調用空気を十分に冷却できる。熱交換器15を凝縮器、冷却部30を蒸発器とするループ式のヒートパイプが作動することによって、EV機器を冷却する冷媒の温度を低く保つことができるので、冷却能力の不足を回避でき、EV機器を確実に冷却できる。したがって、必要な冷房能力とEV機器の必要な冷却能力とを確保することができる。EV機器の冷却のために圧縮機12の動力は必要なく、無動力でEV機器を冷却可能であるので、圧縮機12の消費動力を低減でき、省電費化を達成することができる。
図6は、冷却装置1を構成する各機器の垂直方向の位置を示す模式図である。図6には、四方弁50が第二状態に設定されているときの、EV機器を冷却する冷媒の流れが図示されている。図6には、地面60が図示されている。地面60に対して垂直な鉛直方向において、冷却部30は、熱交換器15よりも下方に配置されている。熱交換器15と冷却部30との間に冷媒を循環させる環状の経路において、冷却部30が下方に配置され、熱交換器15が上方に配置される。冷却部30は、熱交換器15よりも低い位置に配置される。
この場合、冷却部30で加熱され気化した冷媒蒸気は、環状の経路内を上昇して熱交換器15へ到達し、熱交換器15において冷却され凝縮された液冷媒がレシーバ46内に溜められる。さらに液冷媒は、レシーバ46から冷却部30までの液冷媒の位置ヘッドを駆動力として、重力の作用によりレシーバ46から環状の経路内を下降して冷却部30へ戻る。つまり、冷却部30と、レシーバ46と、熱交換器15と、これらを連結する冷媒の経路(すなわち第二通路)とによって、サーモサイフォン式のヒートパイプが形成される。ヒートパイプを形成することでEV機器から熱交換器15への熱伝達効率を向上することができるので、EV機器をより効率よく冷却することができる。
車両内での機器の配置上、冷却部30と気液分離器40との高低差を十分確保できず、その結果冷媒の駆動力が不十分となる場合には、レシーバ46から冷却部30に冷媒を移送するポンプ48を設け、ポンプ48によって駆動力を補助させてもよい。ポンプ48を設けることにより、確実にレシーバ46から冷却部30に冷媒を連続的に供給することが可能になるので、冷却装置1を構成する機器の配置によらずEV機器の冷却能力を確実に確保することができる。
ポンプ48により移送される冷媒は液冷媒であるため、ポンプ48の消費動力は圧縮機12と比較して小さい。そのため、液冷媒の循環のためにポンプ48を使用する場合においても、ヒートパイプの場合と同様に省電費化を達成することができる。
[エアコンOFF時の運転モード]
図7は、冷却装置1の運転モード毎の四方弁50および流量調整弁38の設定を示す図である。図7に示す運転モードのうち、「エアコンON時/通常」のモードでは、図2に示すように、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の全体に冷媒が流通する。「エアコンON時/高外気温・車両停止時」のモードでは、図4に示すように、空調用の経路とEV機器冷却用の経路とが別々に設けられる。「エアコンOFF時」のモードでは、後述するように、蒸気圧縮式冷凍サイクル10が停止する。
「エアコンON時/通常」のモードのとき、第一状態の四方弁50は、その内部において、接続口Aと接続口Bとを連通させ、これにより気液分離器40から冷却部30への冷媒の流れを形成し、かつ、接続口Cと接続口Dとを連通させ、これにより熱交換器15からレシーバ46を経由し膨張弁16へ向かう冷媒の流れを形成する。すなわち、四方弁50を第一状態に設定することで、冷媒が冷却装置1の全体を流れるように冷媒の経路が選択される。流量調整弁38は、冷却部30に十分な冷媒が流れるように、弁開度を調整される。そのため、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の冷却能力を確保できるとともに、EV機器を効率よく冷却することができる。
「エアコンON時/高外気温・車両停止時」のモードのとき、第二状態の四方弁50は、その内部において、接続口Aと接続口Dとを連通させ、これにより熱交換器14から気液分離器40を経て膨張弁16に流れる冷媒の流れを形成する。かつ、接続口Bと接続口Cとを連通させ、これにより四方弁50を経由して冷却部30と熱交換器15との間を循環する冷媒の流れを形成する。熱交換器18において空調用空気を冷却し、また、熱交換器15を凝縮器、冷却部30を蒸発器とするヒートパイプによって、EV機器を確実に冷却できるので、冷房能力とEV機器の冷却能力とを確保することができる。EV機器の冷却のために圧縮機12の動力は必要ないため、省電費化を達成することができる。
図8は、エアコンOFF時のモードの冷却装置1を示す模式図である。「エアコンOFF時」のモードのとき、圧縮機12は停止し、冷却部30と熱交換器15とを結ぶ環状の経路により冷媒を循環させてEV機器を冷却する。図7および図8に示すように、圧縮機12を停止させ蒸気圧縮式冷凍サイクル10が停止している「エアコンOFF時」のモードのときには、四方弁50は第二状態とされる。すなわち、四方弁50は、その内部において、接続口Aと接続口Dとを連通させ、かつ、接続口Bと接続口Cとを連通させる。さらに流量調整弁38を全閉にする。
これにより、熱交換器15から、冷媒通路25、レシーバ46、冷媒通路26、四方弁50および冷媒通路35とを順に経由して冷却部30へ至り、さらに冷媒通路36,24を順に経由して熱交換器15へ戻る、閉じられた環状の経路が形成される。したがって、蒸気圧縮式冷凍サイクル10が停止しているとき、すなわち車両用の冷房が停止しているときにも、圧縮機12を起動する必要なく、無動力でEV機器を確実に冷却することができる。EV機器の冷却のために圧縮機12を常時運転する必要がないので、圧縮機12の消費動力を低減して一層の省電費化および快適性向上を達成することができ、加えて、圧縮機12を長寿命化できるので圧縮機12の信頼性を向上することができる。
図9は、エアコンOFF時のモードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。図9中の横軸は、冷媒の比エンタルピーを示し、縦軸は、冷媒の絶対圧力を示す。比エンタルピーの単位はkJ/kgであり、絶対圧力の単位はMPaである。図中の曲線は、冷媒の飽和蒸気線および飽和液線である。図9中には、熱交換器15、レシーバ46および冷却部30を接続する冷媒の経路によって形成される閉ループ内を循環する冷媒の熱力学状態が示される。
「エアコンOFF時」モードの場合、冷媒は、熱交換器15における外気との熱交換によって液化して、気液混合状態の湿り蒸気になる。気液二相状態の冷媒は、冷媒通路25を経由してレシーバ46へ流れ、レシーバ46において、飽和蒸気状態の冷媒蒸気と飽和液状態の冷媒液とに気液分離される。レシーバ46から飽和液状態の冷媒が流出し、冷媒通路26、四方弁50および冷媒通路35を経由して冷却部30へ流れ、EV機器を冷却する。EV機器との熱交換により一部または全部が気化された冷媒は、冷却部30から流出して冷媒通路36,24を順に経由して、熱交換器15へ戻る。
熱交換器15を凝縮器、冷却部30を蒸発器とするループ式のヒートパイプが作動することによって、EV機器は確実に冷却される。四方弁50を経由して冷却部30と熱交換器15との間を循環する冷媒の流れを形成することで、圧縮機12が停止した状態でも冷媒が自然循環して、冷却装置1によるEV機器の冷却能力が維持される。EV機器の冷却のために圧縮機12の動力は必要なく、無動力で冷却部30においてEV機器を冷却できる。したがって、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の運転時および停止時の両方においてEV機器を適切に冷却できる冷却装置1を、簡単な構成で実現することができる。
電気自動車の乗員は、車内前方の計器盤に設けられた空調用のコントロールパネルを操作することによって、車室内の冷房をONからOFFへ切り替える。この操作に伴い、EV機器を冷却するための冷却装置1の運転モードが、「エアコンON時/通常」モードから「エアコンOFF時」モードへ切り替えられる。つまり、圧縮機12が停止されるとともに、四方弁50の開閉が切り替えられ、流量調整弁38が全閉とされる。これにより、圧縮機12から吐出された冷媒を冷却部30へ流してEV機器を冷却するための第一通路が遮断されるとともに、熱交換器15と冷却部30との間に自然循環により冷媒を循環させるための第二通路が連通される。このようにして、圧縮機12を経由せずに冷却部30に冷媒を供給できるようになる。
[四方弁50の開閉制御]
図7、または図2,4および8に示す3つの運転モードは、熱交換器14と四方弁50との間の冷媒の圧力(以下、Pと称する)と、熱交換器18と圧縮機12との間の冷媒の圧力(以下、Pと称する)と、の差圧ΔP(すなわちP−P)に従って、場合分けできる。つまり、差圧ΔPの上限閾値と下限閾値とを定め、差圧ΔPが下限閾値以下の場合「エアコンOFF時」モード、差圧ΔPが下限閾値〜上限閾値の場合「エアコンON時/通常」モード、差圧ΔPが上限閾値以上の場合「エアコンON時/高外気温・車両停止時」モードの運転条件とすればよい。
より具体的な例を挙げると、熱交換器14と四方弁50との間の冷媒の温度を65℃以下にしたい場合、差圧ΔPの下限閾値は0.1MPa、上限閾値は1.4MPaに設定される。すなわち、ΔP≦0.1MPaの場合「エアコンOFF時」モード、0.1MPa<ΔP<1.4MPaの場合「エアコンON時/通常」モード、1.4MPa≦ΔPの場合「エアコンON時/高外気温・車両停止時」モードとすればよい。
四方弁50は、熱交換器14の出口側の冷媒の圧力Pと、圧縮機12へ吸入される冷媒の圧力Pと、の差圧ΔPを検出し、差圧ΔPの変化に従って、機械的または電気的に開閉設定を切り替える。これにより四方弁50は、冷却装置1を流れる冷媒の流れを切り替える。
図10は、冷媒の圧力に従った四方弁50の開閉設定の切替方法を示すフローチャートである。四方弁50は、図10に示すフローチャートに従って差圧ΔPを判断することにより、その開閉を設定される。具体的には、図10に示すステップ(S10)において、冷却部30におけるEV機器の冷却が必要であるか否かを判断し、冷却が必要であると判断されれば、ステップ(S20)に進み、差圧ΔP(=P−P)が所定範囲内、すなわち下限閾値と上限閾値との間の範囲にあるか否かを判断する。
差圧ΔPが下限閾値と上限閾値との間の範囲にあると判断されれば、運転モードは「エアコンON時/通常」モードとされるので、ステップ(S30)に進み、四方弁50はその内部で接続口Aと接続口Bとを連通するとともに接続口Cと接続口Dとを連通するように設定される。差圧ΔPが下限閾値以下または上限閾値以上であると判断されれば、運転モードは「エアコンOFF時」モードまたは「エアコンON時/高外気温・車両停止時」モードとされるので、ステップ(S40)に進み、四方弁50はその内部で接続口Aと接続口Dとを連通するとともに接続口Bと接続口Cとを連通するように設定される。
ステップ(S30)またはステップ(S40)で四方弁50を設定した後、ステップ(S10)に戻る。ステップ(S10)においてEV機器の冷却が必要でないと判断されれば、図10に示す四方弁50の設定に係る制御は終了する。
図10に示すフローチャートに従って、冷却装置1を流れる冷媒の圧力をパラメータとする四方弁50の制御が行なわれる。圧縮機12の吐出圧または吸入圧などの冷媒の圧力や冷媒の温度では、四方弁50の作動を切り替える閾値を設定することができない。上述した通り、冷媒の差圧ΔPを検出し、差圧ΔPに従って四方弁50を設定するようにすれば、簡素な方法で四方弁50を制御することができる。
差圧ΔPは、たとえば、熱交換器14と四方弁50との間の冷媒の圧力Pと、熱交換器18と圧縮機12との間の冷媒の圧力Pと、をそれぞれセンサを用いて電気的に検出し、当該圧力値をECUで処理して差圧ΔPに変換してもよい。または、歪ゲージ付のダイヤフラムに圧力P,Pをそれぞれ引き込んで、ダイヤフラムの変形から差圧ΔPを検出してもよい。電気的に開閉設定を切り替える四方弁50の場合、このようにして検出された差圧ΔPの値に従って、四方弁50の開閉設定が行なわれる。一方、機械的に作動する四方弁50を採用することにより、四方弁50の構成をより簡素化できるので、低コスト化できる。
[四方弁50の具体例]
以下、機械的に作動する四方弁50の一例の詳細について説明する。図11は、冷媒の差圧により駆動する四方弁50の第一の状態を示す模式図である。四方弁50は、図11に示すように、二つのスプール弁により構成される。第一のスプール弁は、バルブハウジング70と、圧縮ばね72と、弁体74とを備える。バルブハウジング70には、複数のポートが形成されている。冷媒通路34が接続する接続口Aは、バルブハウジング70の入力側のポートに連通する。冷媒通路26が接続する接続口Cは、バルブハウジング70の入力側のポートに連通する。冷媒通路35が接続する接続口Bは、バルブハウジング70の出力側のポートに連通する。冷媒通路27が接続する接続口Dは、バルブハウジング70の出力側のポートに連通する。
バルブハウジング70は、中空円筒形状に形成されており、バルブハウジング70の内部空間に圧縮ばね72と弁体74とが配置されている。弁体74は、バルブハウジング70の内部空間内で軸方向に移動可能に設けられている。弁体74は、その移動方向の延在する軸部と、軸部に対し大径に形成され、弁作用を営む複数のランド部76a〜76eとを有する、串型の形状に形成されている。弁体74が内部空間を移動することにより、バルブハウジング70に形成された複数のポートがランド部76a〜76eによって開閉される。圧縮ばね72は、弁体74の一方の端部とバルブハウジング70との間に設けられ、弁体74を他方の端部側に付勢する。
複数のランド部76a〜76eとによってバルブハウジング70の内部空間が区画され、空間78a〜78fが形成される。空間78aは、内部空間の一端とランド部76aとの間に形成され、圧縮ばね72は空間78a内に配置されてバルブハウジング70およびランド部76aに付勢力を作用する。空間78bは、ランド部76a,76bの間に形成される。空間78cは、ランド部76b,76cの間に形成される。空間78dは、ランド部76c,76dの間に形成される。空間78eは、ランド部76d,76eの間に形成される。空間78fは、ランド部76eと内部空間の他端との間に形成される。
第二のスプール弁は、バルブハウジング80と、圧縮ばね82と、弁体84とを備える。バルブハウジング80には、複数のポートが形成されている。バルブハウジング80は、中空円筒形状に形成されている。バルブハウジング70の内部空間とバルブハウジング80の内部空間とを連通する連通路98a,98cが形成されており、当該連通路98a,98cはバルブハウジング70の出力側のポートとバルブハウジング80の入力側のポートとに連通する。冷媒通路35が接続する接続口Bは、バルブハウジング80出力側のポートに連通する。冷媒通路27が接続する接続口Dは、バルブハウジング80出力側のポートに連通する。
圧縮ばね82と弁体84とは、バルブハウジング80の内部空間に配置されている。弁体84は、バルブハウジング80の内部空間内で軸方向に移動可能に設けられている。弁体84は、その移動方向の延在する軸部と、軸部に対し大径に形成され、弁作用を営む複数のランド部86a〜86dとを有する、串型の形状に形成されている。弁体84が内部空間を移動することにより、バルブハウジング80に形成された複数のポートがランド部86a〜86dによって開閉される。圧縮ばね82は、弁体84の一方の端部とバルブハウジング80との間に設けられ、弁体84を他方の端部側に付勢する。
複数のランド部86a〜86dとによってバルブハウジング80の内部空間が区画され、空間88a〜88eが形成される。空間88aは、内部空間の一端とランド部86aとの間に形成され、圧縮ばね82は空間88a内に配置されてバルブハウジング80およびランド部86aに付勢力を作用する。空間88bは、ランド部86a,86bの間に形成される。空間88cは、ランド部86b,86cの間に形成される。空間88dは、ランド部86c,86dの間に形成される。空間88eは、ランド部86dと内部空間の他端との間に形成される。
空間78f,88eには接続口Aから冷媒が導入され、空間78f,88e内の圧力は熱交換器14と四方弁50との間の冷媒の圧力(すなわち、圧力P)と等しくなる。空間78a,88aには圧縮機12の吸入側(図2,4,8に示すE点)から冷媒が導入され、空間78a,88a内の圧力は熱交換器18と圧縮機12との間の冷媒の圧力(すなわち、P)と等しくなる。
弁体74は、空間78fの内圧と空間78aの内圧との差(すなわち、差圧ΔP=P−P)の変動に従って、軸方向に移動する。差圧ΔPが大きくなると、弁体74は図中左方向に移動する。差圧ΔPが小さくなり圧縮ばね72の付勢力を下回ると、弁体74は圧縮ばね72により押圧されて図中右方向に移動する。弁体74は、空間78a,78fの内圧を増減することで、軸方向に変位する。
弁体84は、空間88eの内圧と空間88aの内圧との差(すなわち、差圧ΔP=P−P)の変動に従って、軸方向に移動する。差圧ΔPが大きくなると、弁体84は図中左方向に移動する。差圧ΔPが小さくなり圧縮ばね82の付勢力を下回ると、弁体84は圧縮ばね82により押圧されて図中右方向に移動する。弁体84は、空間88a,88eの内圧を増減することで、軸方向に変位する。
四方弁50は、熱交換器14と四方弁50との間の冷媒の圧力と、熱交換器18と圧縮機12との間の冷媒の圧力と、の差圧の変化に従って移動する弁体74,84を備える。弁体74が移動すると、空間78a〜78fはその位置を変化させ、加えて、空間78a,78fはその容積を変化させる。弁体84が移動すると、空間88a〜88eはその位置を変化させ、加えて、空間88a,88eはその容積を変化させる。空間78a,78f,88a,88eは、外部と連通して当該外部の冷媒の圧力に従って容積を変動する、容積変動室として機能する。
図11には、「エアコンOFF時」モードのときの四方弁50が示される。この場合、上述した通り、差圧ΔPは下限閾値以下であるので、圧縮ばね72の付勢力により弁体74は図中右方向に移動し、圧縮ばね82の付勢力により弁体84は図中右方向に移動する。
その結果、接続口Aに連通するバルブハウジング70の入口ポートが、空間78dを介して、接続口Dに連通するバルブハウジング70の出口ポートと連通する。また、接続口Cに連通するバルブハウジング70の入口ポートが、空間78bを介して、接続口Bに連通するバルブハウジング70の出口ポートと連通する。このようにして、接続口Aと接続口Dとが連通し、かつ、接続口Bと接続口Cとが連通して、図7に示す「エアコンOFF時」モードに四方弁50が設定される。
図12は、冷媒の差圧により駆動する四方弁50の第二の状態を示す模式図である。図12には、「エアコンON時/通常」モードのときの四方弁50が示される。この場合、上述した通り、差圧ΔPは下限閾値と上限閾値との間の範囲にあるので、冷媒の圧力と圧縮ばね72の付勢力との釣り合いにより弁体74の軸方向の位置が決められ、同様に冷媒の圧力と圧縮ばね82の付勢力との釣り合いにより弁体84の軸方向の位置が決められる。
その結果、接続口Aに連通するバルブハウジング70の入口ポートが、空間78e、連通路98aおよび空間88cを介して、接続口Bに連通するバルブハウジング80の出口ポートと連通する。また、接続口Cに連通するバルブハウジング70の入口ポートが、空間78c、連通路98cおよび空間88bを介して、接続口Dに連通するバルブハウジング80の出口ポートと連通する。このようにして、接続口Aと接続口Bとが連通し、かつ、接続口Cと接続口Dとが連通して、図7に示す「エアコンON時/通常」モードに四方弁50が設定される。
圧縮ばね72と、圧縮ばね82とは、異なるばね定数を有する。空間78a,88aの内圧は等しく、空間78f,88eの内圧は等しいものの、2つの圧縮ばね72,82のばね定数を異ならせることにより、弁体74,84を異なる位置に配置できる。図12に示す例では、圧縮ばね72のばね定数が圧縮ばね82のばね定数よりも小さく、そのため、弁体84は図11と同じ位置にあるのに対して、弁体74は図11に示す位置よりも図中左側に変位している。差圧ΔPが下限閾値と上限閾値との間の範囲にあるとき、図12に示す経路により接続口A,Bが連通し接続口C,Dが連通する状態を維持できるように、最適なばね定数を有する圧縮ばね72,82が選定される。
図13は、冷媒の差圧により駆動する四方弁50の第三の状態を示す模式図である。図13には、「エアコンON時/高外気温・車両停止時」モードのときの四方弁50が示される。この場合、上述した通り、差圧ΔPは上限閾値以上であるので、空間78f内の冷媒の内圧により弁体74は図中左方向に移動し、空間88e内の冷媒の内圧により弁体84は図中左方向に移動する。
その結果、接続口Aに連通するバルブハウジング70の入口ポートが、空間78e、連通路98aおよび空間88dを介して、接続口Dに連通するバルブハウジング80の出口ポートと連通する。また、接続口Cに連通するバルブハウジング70の入口ポートが、空間78c、連通路98cおよび空間88cを介して、接続口Bに連通するバルブハウジング80の出口ポートと連通する。このようにして、接続口Aと接続口Dとが連通し、かつ、接続口Bと接続口Cとが連通して、図7に示す「エアコンON時/高外気温・車両停止時」モードに四方弁50が設定される。
以上の通り、差圧ΔPの変化に従ってスプール弁の弁体74,84の位置が3通りに変動するので、バルブハウジング70,80に形成されるポートに連通する配管を適宜取り付けることにより、差圧ΔPで機械的に作動して冷媒の流れを切り替える四方弁50を形成することができる。四方弁50は、上述したスプール弁を備える構成に限られるものではなく、たとえばロータリ型の四方弁であってもよい。
なお、これまでの実施の形態においては、EV機器を例として車両に搭載された電気機器を冷却する冷却装置1について説明した。電気機器としては、少なくとも作動によって熱を発生させる電気機器であれば、インバータ、モータジェネレータなどの例示された電気機器に限定されるものではなく、任意の電気機器であってもよい。冷却の対象となる電気機器が複数個ある場合においては、複数の電気機器は、冷却の目標となる温度範囲が共通していることが望ましい。冷却の目標となる温度範囲は、電気機器を作動させる温度環境として適切な温度範囲である。
さらに、本発明の冷却装置1により冷却される発熱源は、車両に搭載された電気機器に限られず、熱を発生する任意の機器、または任意の機器の発熱する一部分であってもよい。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の冷却装置は、モータジェネレータおよびインバータなどの電気機器を搭載するハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車などの車両における、車内の冷房を行なうための蒸気圧縮式冷凍サイクルを使用した電気機器の冷却に、特に有利に適用され得る。
1 冷却装置、10 蒸気圧縮式冷凍サイクル、12 圧縮機、14,15,18 熱交換器、16 膨張弁、21〜29,34〜36 冷媒通路、30 冷却部、31 EV機器、38 流量調整弁、40 気液分離器、46 レシーバ、48 ポンプ、50 四方弁、60 地面、70,80 バルブハウジング、72,82 圧縮ばね、74,84 弁体、76a〜76e,86a〜86d ランド部、78a〜78f,88a〜88e 空間、98a,98c 連通路、1000 車両。

Claims (10)

  1. 発熱源を冷却する冷却装置であって、
    冷媒を循環させるための圧縮機と、
    前記冷媒と外気との間で熱交換し前記冷媒を凝縮する、直列に接続された第一熱交換器および第二熱交換器と、
    前記冷媒を減圧する減圧器と、
    前記冷媒と空調用空気との間で熱交換し前記冷媒を蒸発する第三熱交換器と、
    前記第一熱交換器と前記第二熱交換器との間に並列に接続された二つの前記冷媒の経路のうちの一方に設けられ、前記冷媒を用いて前記発熱源を冷却する冷却部と、
    前記第一熱交換器から前記冷却部へ向かう前記冷媒の流れと、前記第一熱交換器から前記減圧器へ向かう前記冷媒の流れと、を切り替える四方弁と、を備える、冷却装置。
  2. 前記四方弁は、前記第一熱交換器の出口側、前記冷却部の入口側、前記第二熱交換器の出口側、および前記減圧器の入口側に接続される、請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記四方弁は、前記第一熱交換器の出口側と前記冷却部の入口側とを連通するとともに前記第二熱交換器の出口側と前記減圧器の入口側とを連通する第一状態と、前記第一熱交換器の出口側と前記減圧器の入口側とを連通するとともに前記第二熱交換器の出口側と前記冷却部の入口側とを連通する第二状態と、を切り替える、請求項2に記載の冷却装置。
  4. 前記四方弁を前記第二状態に切り替えることにより、前記第二熱交換器と前記冷却部との間に前記冷媒を循環させる閉ループ状の回路を形成する、請求項3に記載の冷却装置。
  5. 前記冷却部は、前記第二熱交換器よりも下方に配置されている、請求項4に記載の冷却装置。
  6. 前記第二熱交換器によって凝縮された液状の前記冷媒を貯留する蓄液器を備える、請求項1から請求項5のいずれかに記載の冷却装置。
  7. 前記蓄液器に貯留された液状の前記冷媒を移送するポンプを備える、請求項6に記載の冷却装置。
  8. 前記第一熱交換器によって凝縮された前記冷媒を気相と液相とに分離する気液分離器を備える、請求項6または請求項7に記載の冷却装置。
  9. 前記四方弁は、前記第一熱交換器と前記四方弁との間の前記冷媒の圧力と、前記第三熱交換器と前記圧縮機との間の前記冷媒の圧力と、の差圧の変化に従って、前記冷媒の流れを切り替える、請求項1から請求項8のいずれかに記載の冷却装置。
  10. 前記四方弁は、前記第一熱交換器と前記四方弁との間の前記冷媒の圧力と、前記第三熱交換器と前記圧縮機との間の前記冷媒の圧力と、の差圧の変化に従って移動する弁体を備える、請求項1から請求項9のいずれかに記載の冷却装置。
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