JP5655954B2 - 冷却装置および冷却装置の制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、冷却装置および冷却装置の制御方法に関し、特に、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用して発熱源を冷却する冷却装置、および、その冷却装置の制御方法に関する。
近年、環境問題対策の一つとして、モータの駆動力により走行するハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車などが注目されている。このような車両において、モータ、ジェネレータ、インバータ、コンバータおよびバッテリなどの電気機器は、電力の授受によって発熱する。そこで、車両用空調装置として使用される蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用して、発熱体を冷却する技術が提案されている。
たとえば特開2007−69733号公報(特許文献1)には、膨張弁から圧縮機へ至る冷媒通路に、空調用の空気と熱交換する熱交換器と、発熱体と熱交換する熱交換器と、を並列に配置し、空調装置用の冷媒を利用して発熱体を冷却するシステムが開示されている。特開2005−90862号公報(特許文献2)には、空調用の冷凍サイクルの減圧器、蒸発器および圧縮機をバイパスするバイパス通路に、発熱体を冷却するための発熱体冷却手段を設けた、冷却システムが開示されている。特開2001−309506号公報(特許文献3)には、車両走行モータを駆動制御するインバータ回路部の冷却部材に車両空調用冷凍サイクル装置の冷媒を還流させ、空調空気流の冷却が不要な場合に車両空調用冷凍サイクル装置のエバポレータによる空調空気流の冷却を抑止する、冷却システムが開示されている。
一方、車両用空調装置に関し、特開2011−1048号公報(特許文献4)には、車内用蓄熱ユニットの蓄熱材が熱量を蓄熱し、車内用蓄熱ユニットはその熱量を熱交換媒体に熱交換する、車両用空調システムが開示されている。
通常の走行モードと加速性を重視したスポーツ走行モードとのいずれかの運転状態を選択可能であるハイブリッド車両の実用化が進められている。スポーツ走行モードは、ハイブリッド機器を高負荷状態で運転することにより、通常の走行モードよりも駆動力を増大させ、車両の走行性能を向上させる運転モードである。スポーツ走行モードでの運転中、高負荷状態で運転されるハイブリッド機器から発生する熱量が上昇する。そのため、ハイブリッド機器の過熱を防止するために、ハイブリッド機器の冷却性能を一時的に向上させる技術が求められている。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、発熱源からの発熱量に適した冷却性能を得られる、冷却装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、発熱源からの発熱量に適した冷却性能を得るための冷却装置の制御方法を提供することである。
本発明に係る冷却装置は、発熱源を冷却する冷却装置であって、冷媒を循環させるための圧縮機と、冷媒と外気との間で熱交換する第一熱交換器と、冷媒を減圧する減圧器と、冷媒と空調用空気との間で熱交換する第二熱交換器と、第一熱交換器と減圧器との間を流れる冷媒の経路上に設けられ、冷媒を用いて発熱源を冷却する冷却部と、減圧器および第二熱交換器をバイパスするバイパス経路と、冷却部から減圧器へ向かう冷媒の流れとバイパス経路を経由する冷媒の流れとを選択的に切り替える経路選択部と、を備える。
上記冷却装置において好ましくは、冷媒の温度を低下させる減温器を備え、減温器は、経路選択部がバイパス経路を経由する冷媒の流れを選択するとき、冷却部を流れる冷媒の温度を低下させる。冷却装置は、第一熱交換器と冷却部との間を流れる冷媒の経路上に設けられた電子膨張弁を備えてもよい。
上記冷却装置において好ましくは、第二熱交換器と圧縮機との間を流れる冷媒の経路上に設けられた気液分離器を備え、冷却部からバイパス経路を経由して流れる冷媒は、気液分離器へ流入する。
上記冷却装置において好ましくは、経路選択部は、発熱源による発熱量の増大時に、バイパス経路を経由する冷媒の流れを選択する。
上記冷却装置において好ましくは、圧縮機と第一熱交換器との間を流れる冷媒の経路と、冷却部と減圧器との間を流れる冷媒の経路と、を連通する連通路を備える。
上記冷却装置において好ましくは、経路選択部は、冷却部から連通路へ向かう冷媒の流れを形成可能である。
本発明に係る冷却装置の制御方法は、発熱源を冷却する冷却装置の制御方法である。冷却装置は、冷媒を循環させるための圧縮機と、冷媒と外気との間で熱交換する第一熱交換器と、冷媒を減圧する減圧器と、冷媒と空調用空気との間で熱交換する第二熱交換器と、第一熱交換器と減圧器との間を流れる冷媒の経路上に設けられ、冷媒を用いて発熱源を冷却する冷却部と、減圧器および第二熱交換器をバイパスするバイパス経路と、冷却部から減圧器へ向かう冷媒の流れとバイパス経路を経由する冷媒の流れとを選択的に切り替える経路選択部と、を備える。上記制御方法は、発熱源による発熱量を判断するステップと、発熱量を判断するステップにおいて発熱量がしきい値以上と判断された場合に、バイパス経路を経由する冷媒の流れを形成して発熱源を冷却するステップと、を備える。
好ましくは、冷却装置は、第一熱交換器と冷却部との間を流れる冷媒の経路上に設けられた電子膨張弁を備える。冷却するステップにおいて、電子膨張弁の開度を小さくして発熱源を冷却する。
好ましくは、発熱量を判断するステップにおいて発熱量がしきい値以上と判断された場合に圧縮機の運転状態を判断するステップと、運転状態を判断するステップにおいて圧縮機が停止中と判断された場合に、圧縮機を起動するステップと、を備える。
本発明の冷却装置によると、発熱源からの発熱量に適した冷却性能を得ることができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の冷却装置1の構成を示す模式図である。図1に示すように、冷却装置1は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10を備える。蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、たとえば、車両の車内の冷房を行なうために、車両に搭載される。蒸気圧縮式冷凍サイクル10を用いた冷房は、たとえば、冷房を行なうためのスイッチがオンされた場合、または、自動的に車両の室内の温度を設定温度になるように調整する自動制御モードが選択されており、かつ、車室内の温度が設定温度よりも高い場合に行なわれる。
図1は、実施の形態1の冷却装置1の構成を示す模式図である。図1に示すように、冷却装置1は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10を備える。蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、たとえば、車両の車内の冷房を行なうために、車両に搭載される。蒸気圧縮式冷凍サイクル10を用いた冷房は、たとえば、冷房を行なうためのスイッチがオンされた場合、または、自動的に車両の室内の温度を設定温度になるように調整する自動制御モードが選択されており、かつ、車室内の温度が設定温度よりも高い場合に行なわれる。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、圧縮機12と、第一熱交換器としての熱交換器14と、熱交換器15と、減圧器の一例としての膨張弁16と、第二熱交換器としての熱交換器18と、を含む。蒸気圧縮式冷凍サイクル10はまた、熱交換器18と圧縮機12との間の冷媒の経路上に配置された気液分離器40を含む。
圧縮機12は、車両に搭載されたモータまたはエンジンを動力源として作動し、冷媒ガスを断熱的に圧縮して過熱状態冷媒ガスとする。圧縮機12は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の作動時に熱交換器18から流通する冷媒を吸入圧縮して、冷媒通路21に高温高圧の気相冷媒を吐出する。圧縮機12は、冷媒通路21に冷媒を吐出することで、蒸気圧縮式冷凍サイクル10に冷媒を循環させる。
熱交換器14,15は、圧縮機12において圧縮された過熱状態冷媒ガスを、外部媒体へ等圧的に放熱させて冷媒液とする。圧縮機12から吐出された高圧の気相冷媒は、熱交換器14,15において周囲に放熱し冷却されることによって、凝縮(液化)する。熱交換器14,15は、冷媒を流通するチューブと、チューブ内を流通する冷媒と熱交換器14,15の周囲の空気との間で熱交換するためのフィンと、を含む。
熱交換器14,15は、冷却風と冷媒との間で、熱交換を行なう。冷却風は、車両の走行によって発生する自然の通風によって熱交換器14,15に供給されてもよい。または冷却風は、コンデンサファン42もしくはエンジン冷却用のラジエータファンなどの冷却ファンからの強制通風によって熱交換器14,15に供給されてもよい。コンデンサファン42は、モータ44からの駆動力を受けて回転し空気の流れを発生させて、熱交換器14,15に冷却風を供給する。熱交換器14,15における熱交換によって、冷媒の温度は低下し冷媒は液化する。
膨張弁16は、冷媒通路25を流通する高圧の液相冷媒を小さな孔から噴射させることにより膨張させて、低温・低圧の霧状冷媒に変化させる。膨張弁16は、熱交換器14,15によって凝縮された冷媒液を減圧して、気液混合状態の湿り蒸気とする。なお、冷媒液を減圧するための減圧器は、絞り膨張する膨張弁16に限られず、毛細管であってもよい。
熱交換器18は、その内部を流通する霧状冷媒が気化することによって、熱交換器18に接触するように導入された周囲の空気の熱を吸収する。熱交換器18は、膨張弁16によって減圧された冷媒を用いて、冷媒の湿り蒸気が蒸発して冷媒ガスとなる際の気化熱を、車両の室内へ流通する空調用空気から吸収して、車両の室内の冷房を行なう。熱が熱交換器18に吸収されることによって温度が低下した空調用空気が車両の室内に再び戻されることによって、車両の室内の冷房が行なわれる。冷媒は、熱交換器18において周囲から吸熱し加熱される。
熱交換器18は、冷媒を流通するチューブと、チューブ内を流通する冷媒と熱交換器18の周囲の空気との間で熱交換するためのフィンと、を含む。チューブ内には、湿り蒸気状態の冷媒が流通する。冷媒は、チューブ内を流通する際に、フィンを経由して空調用空気の熱を蒸発潜熱として吸収することによって蒸発し、さらに顕熱によって過熱蒸気になる。気化した冷媒は、冷媒通路27を経由して圧縮機12へ流通する。圧縮機12は、熱交換器18から流通する冷媒を圧縮する。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10はまた、圧縮機12と熱交換器14とを連通する冷媒通路21と、熱交換器14と熱交換器15とを連通する冷媒通路22,23と、熱交換器15と膨張弁16とを連通する冷媒通路24と、膨張弁16と熱交換器18とを連通する冷媒通路25と、熱交換器18と気液分離器40とを連通する冷媒通路26と、気液分離器40と圧縮機12とを連通する冷媒通路27と、を含む。
冷媒通路21は、冷媒を圧縮機12から熱交換器14に流通させるための通路である。冷媒は、冷媒通路21を経由して、圧縮機12と熱交換器14との間を、圧縮機12の出口から熱交換器14の入口へ向かって流れる。冷媒通路22〜24は、冷媒を熱交換器14から膨張弁16に流通させるための通路である。冷媒は、冷媒通路22〜24を経由して、熱交換器14と膨張弁16との間を、熱交換器14の出口から膨張弁16の入口へ向かって流れる。
冷媒通路25は、冷媒を膨張弁16から熱交換器18に流通させるための通路である。冷媒は、冷媒通路25を経由して、膨張弁16と熱交換器18との間を、膨張弁16の出口から熱交換器18の入口へ向かって流れる。冷媒通路26,27は、冷媒を熱交換器18から圧縮機12に流通させるための通路である。冷媒は、冷媒通路26,27を経由して、熱交換器18と圧縮機12との間を、熱交換器18の出口から圧縮機12の入口へ向かって流れる。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、圧縮機12、熱交換器14,15、膨張弁16および熱交換器18が、冷媒通路21〜27によって連結されて構成される。なお、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の冷媒としては、たとえば二酸化炭素、プロパンやイソブタンなどの炭化水素、アンモニア、フロン類または水などを用いることができる。
熱交換器14の出口から膨張弁16の入口へ向かって流れる冷媒が流通する経路は、熱交換器14の出口側から後述する流量調整弁28へ至る冷媒通路22と、熱交換器15の入口側へ連結される冷媒通路23と、熱交換器15の出口側から冷媒を膨張弁16へ流通させる冷媒通路24と、を含む。
熱交換器14と熱交換器15との間を流通する冷媒の経路はまた、冷媒通路22から分岐して後述する電子膨張弁38へ至る冷媒通路33と、電子膨張弁38と冷却部30とを連通する冷媒通路34と、冷却部30と後述する切替弁52とを連通する冷媒通路35と、切替弁52と冷媒通路23とを連通する冷媒通路36と、を含む。冷媒通路33,34を経由して、熱交換器14から冷却部30へ冷媒液が流れる。冷却部30を通過した冷媒は、冷媒通路35,36を経由して、冷媒通路23へ戻る。冷却部30は、熱交換器14から熱交換器15へ向けて流れる冷媒の経路上に設けられている。
冷却装置1は、熱交換器14,15の間に、冷媒通路22,23に対して並列に配置された冷媒の経路を備え、冷却部30は、当該冷媒の経路上に設けられている。冷却部30は、熱交換器14と熱交換器15との間を流れる冷媒の経路において並列に接続された複数の通路のうちの、一方に設けられている。冷却部30は、車両に搭載される電気機器であるHV(Hybrid Vehicle)機器31と、冷媒が流通する配管である冷却通路32とを含む。HV機器31は、発熱源の一例である。冷却通路32の一方の端部は、冷媒通路34に接続される。冷却通路32の他方の端部は、冷媒通路35に接続される。
冷媒通路22,23に対して並列に接続された冷媒の経路は、冷却部30よりも上流側(熱交換器14に近接する側)の冷媒通路33,34と、冷却部30に含まれる冷却通路32と、冷却部30よりも下流側(熱交換器15に近接する側)の冷媒通路35,36と、を含む。冷媒通路33,34は、冷媒通路22が分岐した、熱交換器14から冷却部30に液相の冷媒を流通させるための通路である。冷媒通路35,36は、冷却部30から冷媒通路23に冷媒を戻し、熱交換器15へ冷媒を流通させるための通路である。
熱交換器14から流出した冷媒液は、冷媒通路22,33,34を経由して、冷却部30へ向かって流通する。冷却部30へ流通し、冷却通路32を経由して流れる冷媒は、発熱源としてのHV機器31から熱を奪って、HV機器31を冷却させる。冷却部30は、熱交換器14において凝縮され冷却通路32へ流れる液相の冷媒を用いて、HV機器31を冷却する。冷却部30において、冷却通路32内を流通する冷媒と、HV機器31と、が熱交換することにより、HV機器31は冷却され、冷媒は加熱される。冷媒はさらに冷却部30から冷媒通路35,36を経由して流れ、冷媒通路23を経由して熱交換器15へ至る。
冷却部30は、冷却通路32においてHV機器31と冷媒との間で熱交換が可能な構造を有するように設けられる。本実施の形態においては、冷却部30は、たとえば、HV機器31の筐体に冷却通路32の外周面が直接接触するように形成された冷却通路32を有する。冷却通路32は、HV機器31の筐体と隣接する部分を有する。当該部分において、冷却通路32を流通する冷媒と、HV機器31との間で、熱交換が可能となる。
HV機器31は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の熱交換器14から熱交換器15に至る冷媒の経路の一部を形成する冷却通路32の外周面に直接接続されて、冷却される。冷却通路32の外部にHV機器31が配置されるので、冷却通路32の内部を流通する冷媒の流れにHV機器31が干渉することはない。そのため、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の圧力損失は増大しないので、圧縮機12の動力を増大させることなく、HV機器31を冷却することができる。
代替的には、冷却部30は、HV機器31と冷却通路32との間に介在して配置された任意の公知のヒートパイプを備えてもよい。この場合HV機器31は、冷却通路32の外周面にヒートパイプを介して接続され、HV機器31から冷却通路32へヒートパイプを経由して熱伝達することにより、冷却される。HV機器31をヒートパイプの加熱部とし冷却通路32をヒートパイプの冷却部とすることで、冷却通路32とHV機器31との間の熱伝達効率が高められるので、HV機器31の冷却効率を向上できる。たとえばウィック式のヒートパイプを使用することができる。
ヒートパイプによってHV機器31から冷却通路32へ確実に熱伝達することができるので、HV機器31と冷却通路32との間に距離があってもよく、HV機器31に冷却通路32を接触させるために冷却通路32を複雑に配置する必要がない。その結果、HV機器31の配置の自由度を向上することができる。
HV機器31は、電力の授受によって発熱する電気機器を含む。電気機器は、たとえば、直流電力を交流電力に変換するためのインバータ、回転電機であるモータジェネレータ、蓄電装置であるバッテリ、バッテリの電圧を昇圧させるための昇圧コンバータ、バッテリの電圧を降圧するためのDC/DCコンバータなどの、少なくともいずれか一つを含む。バッテリは、リチウムイオン電池あるいはニッケル水素電池等の二次電池である。バッテリに代えてキャパシタが用いられてもよい。
冷媒は、圧縮機12と熱交換器14,15と膨張弁16と熱交換器18とが冷媒通路21〜27によって順次接続された冷媒循環流路を通って、蒸気圧縮式冷凍サイクル10内を循環する。蒸気圧縮式冷凍サイクル10内を、図1に示すA点、B点、C点、D点、E点およびF点を順に通過するように冷媒が流れ、圧縮機12と熱交換器14,15と膨張弁16と熱交換器18とに冷媒が循環する。
図2は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の冷媒の状態を示すモリエル線図である。図2中の横軸は、冷媒の比エンタルピーを示し、縦軸は、冷媒の絶対圧力を示す。比エンタルピーの単位はkJ/kgであり、絶対圧力の単位はMPaである。図中の曲線は、冷媒の飽和蒸気線および飽和液線である。
図2中には、熱交換器14の出口の冷媒通路22から冷媒通路33,34を経由して冷却部30へ流入し、HV機器31を冷却し、冷却部30から冷媒通路35,36を経由して熱交換器15の入口の冷媒通路23へ戻る、蒸気圧縮式冷凍サイクル10中の各点(すなわちA,B,C,D,EおよびF点)における冷媒の熱力学状態が示される。
図2に示すように、圧縮機12に吸入された過熱蒸気状態の冷媒(A点)は、圧縮機12において等比エントロピー線に沿って断熱圧縮される。圧縮するに従って冷媒の圧力と温度とが上昇し、高温高圧の過熱度の大きい過熱蒸気になる(B点)。図2中に二点鎖線の網掛けによって示された領域の面積は、A点からB点まで冷媒を断熱圧縮するために必要な圧縮機12の動力を示す。
圧縮機12において断熱圧縮された高温高圧の過熱蒸気状態の冷媒は、熱交換器14へと流れ、熱交換器14において冷却される。圧縮機12から吐出された気相冷媒は、熱交換器14において周囲に放熱し冷却されることによって、凝縮(液化)する。熱交換器14における外気との熱交換によって、冷媒の温度は低下し冷媒は液化する。熱交換器14へ入った高圧の冷媒蒸気は、熱交換器14において等圧のまま過熱蒸気から乾き飽和蒸気になり、凝縮潜熱を放出し徐々に液化して気液混合状態の湿り蒸気になり、冷媒の全部が凝縮して飽和液になる(C点)。
熱交換器14から流出した飽和液状態の冷媒は、冷媒通路22,33,34を経由して冷却部30の冷却通路32へ流れ、HV機器31を冷却する。冷却部30において、熱交換器14を通過して凝縮された飽和液状態の液冷媒に熱を放出することで、HV機器31が冷却される。HV機器31との熱交換により、冷媒が加熱され、冷媒の乾き度が増大する。冷媒は、HV機器31から潜熱を受け取って一部気化することにより、飽和液と飽和蒸気とが混合した気液二相状態の湿り蒸気となる(D点)。
その後冷媒は、冷媒通路35,36,23を経由して、熱交換器15に流入する。冷媒の湿り蒸気は、熱交換器15において外気と熱交換して冷却されることにより再度凝縮され、冷媒の全部が凝縮すると飽和液になり、さらに顕熱を放出して過冷却された過冷却液になる(E点)。その後冷媒は、冷媒通路24を経由して膨張弁16に流入する。膨張弁16において、過冷却液状態の冷媒は絞り膨張され、比エンタルピーは変化せず温度と圧力とが低下して、低温低圧の気液混合状態の湿り蒸気となる(F点)。
膨張弁16から出た湿り蒸気状態の冷媒は、冷媒通路25を経由して熱交換器18へ流入する。熱交換器18のチューブ内には、湿り蒸気状態の冷媒が流入する。冷媒は、熱交換器18のチューブ内を流通する際に、フィンを経由して空調用空気の熱を蒸発潜熱として吸収することによって、等圧のまま蒸発する。熱交換器18は、空調用空気が流通するダクトの内部に配置され、冷媒と空調用空気との間で熱交換して、空調用空気の温度を調節する。空調用空気は、外気であってもよく、車両の室内の空気であってもよい。冷房運転時には、熱交換器18において空調用空気が冷却され、冷媒は空調用空気からの熱伝達を受けて加熱される。
全ての冷媒が乾き飽和蒸気になると、さらに顕熱によって冷媒蒸気は温度上昇して、過熱蒸気となる(A点)。その後冷媒は、冷媒通路26,27を経由して圧縮機12に吸入される。圧縮機12は、熱交換器18から流通する冷媒を圧縮する。
冷媒はこのようなサイクルに従って、圧縮、凝縮、絞り膨張、蒸発の状態変化を連続的に繰り返す。なお、上述した蒸気圧縮式冷凍サイクルの説明では、理論冷凍サイクルについて説明しているが、実際の蒸気圧縮式冷凍サイクル10では、圧縮機12における損失、冷媒の圧力損失および熱損失を考慮する必要があるのは勿論である。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10の運転中に、冷媒は、蒸発器として作用する熱交換器18において蒸発する際に気化熱を車両の室内の空気から吸収して、車室内の冷房を行なう。加えて、熱交換器14から流出した高圧の液冷媒が冷却部30へ流通し、HV機器31と熱交換することでHV機器31を冷却する。冷却装置1は、車両に搭載された発熱源であるHV機器31を、車両の室内の空調用の蒸気圧縮式冷凍サイクル10を利用して、冷却する。なお、HV機器31を冷却するために必要とされる温度は、少なくともHV機器31の温度範囲として目標となる温度範囲の上限値よりも低い温度であることが望ましい。
熱交換器18において被冷却部を冷却するために設けられた蒸気圧縮式冷凍サイクル10を利用して、HV機器31の冷却が行なわれるので、HV機器31の冷却のために、専用の水循環ポンプまたは冷却ファンなどの機器を設ける必要はない。そのため、HV機器31の冷却装置1のために必要な構成を低減でき、装置構成を単純にできるので、冷却装置1の製造コストを低減することができる。加えて、HV機器31の冷却のためにポンプや冷却ファンなどの動力源を運転する必要がなく、動力源を運転するための消費動力を必要としない。したがって、HV機器31の冷却のための消費動力を低減することができる。
熱交換器14では、冷媒を飽和液の状態にまで冷却すればよく、飽和液状態の冷媒液が冷却部30へ供給される。HV機器31から蒸発潜熱を受け取り一部気化した湿り蒸気の状態の冷媒は、熱交換器15で再度冷却される。湿り蒸気状態の冷媒を凝縮させ完全に飽和液にするまで、冷媒は一定の温度で状態変化する。熱交換器15はさらに、車両の室内の冷房のために必要な程度の過冷却度にまで、液相冷媒を過冷却する。冷媒の過冷却度を過度に大きくする必要がないので、熱交換器14,15の容量を低減することができる。したがって、車室用の冷房能力を確保でき、かつ、熱交換器14,15のサイズを低減することができるので小型化され車載用に有利な、冷却装置1を得ることができる。
熱交換器14から膨張弁16へ向かう冷媒が流通する経路として、冷却部30を通過しない経路である冷媒通路22,23と、冷却部30を経由してHV機器31を冷却する冷媒の経路である冷媒通路33,34,35,36および冷却通路32と、が並列に設けられる。冷媒通路33〜36を含むHV機器31の冷却系は、冷媒通路22,23に対し並列に接続されている。そのため、熱交換器14から流出した冷媒の一部のみが、冷却部30へ流れる。HV機器31の冷却のために必要な量の冷媒を冷却部30へ流通させ、HV機器31は適切に冷却される。したがって、HV機器31が過冷却されることを防止できる。
熱交換器14から冷却部30を経由せず熱交換器15へ流れる冷媒の経路と、熱交換器14から冷却部30を経由して熱交換器15へ流れる冷媒の経路と、を並列に設け、一部の冷媒のみを冷媒通路33〜36へ流通させることで、HV機器31の冷却系に冷媒が流れる際の圧力損失を低減することができる。全ての冷媒が冷却部30に流れないので、冷却部30を経由する冷媒の流通に係る圧力損失を低減することができ、それに伴い、冷媒を循環させるための圧縮機12の運転に必要な消費電力を低減することができる。
膨張弁16を通過した後の低温低圧の冷媒をHV機器31の冷却に使用すると、熱交換器18における車室内の空気の冷却能力が減少して、車室用の冷房能力が低下する。これに対し、本実施の形態の冷却装置1では、蒸気圧縮式冷凍サイクル10において、圧縮機12から吐出された高圧の冷媒は、第一の凝縮器としての熱交換器14と、第二の凝縮器としての熱交換器15と、の両方によって凝縮される。圧縮機12と膨張弁16との間に二段の熱交換器14,15を配置し、HV機器31を冷却する冷却部30は、熱交換器14と熱交換器15との間に設けられている。熱交換器15は、冷却部30から膨張弁16に向けて流れる冷媒の経路上に設けられている。
HV機器31から蒸発潜熱を受けて加熱された冷媒を熱交換器15において十分に冷却することにより、膨張弁16の出口において、冷媒は、車両の室内の冷房のために本来必要とされる温度および圧力を有する。そのため、熱交換器18において冷媒が蒸発するときに外部から受け取る熱量を十分に大きくできるので、熱交換器18を通過する空調用空気を十分に冷却できる。このように、冷媒を十分に冷却できる熱交換器15の放熱能力を定めることにより、車室内の空気を冷却する冷房の能力に影響を与えることなく、HV機器31を冷却することができる。したがって、HV機器31の冷却能力と、車室用の冷房能力との両方を、確実に確保することができる。
熱交換器14から冷却部30へ流れる冷媒は、HV機器31を冷却するときに、HV機器31から熱を受け取り加熱される。冷却部30において冷媒が飽和蒸気温度以上に加熱され冷媒の全量が気化すると、冷媒とHV機器31との熱交換量が減少してHV機器31を効率よく冷却できなくなり、また冷媒が配管内を流れる際の圧力損失が増大する。そのため、HV機器31を冷却した後に冷媒の全量が気化しない程度に、熱交換器14において十分に冷媒を冷却するのが望ましい。
具体的には、熱交換器14の出口における冷媒の状態を飽和液に近づけ、典型的には熱交換器14の出口において冷媒が飽和液線上にある状態にする。このように冷媒を十分に冷却できる能力を熱交換器14が有する結果、熱交換器14の冷媒から熱を放出させる放熱能力は、熱交換器15の放熱能力よりも高くなる。放熱能力が相対的に大きい熱交換器14において冷媒を十分に冷却することにより、HV機器31から熱を受け取った冷媒を湿り蒸気の状態に留めることができ、冷媒とHV機器31との熱交換量の減少を回避できるので、HV機器31を十分に効率よく冷却することができる。HV機器31を冷却した後の湿り蒸気の状態の冷媒は、熱交換器15において効率よく再度冷却され、飽和温度を下回る過冷却液の状態にまで冷却される。したがって、車室用の冷房能力とHV機器31の冷却能力との両方を確保した、冷却装置1を提供することができる。
図1に戻って、冷却装置1は、流量調整弁28を備える。流量調整弁28は、熱交換器14から膨張弁16へ向かう並列に接続された冷媒の経路のうち、冷却部30を経由しない方の一方の経路を形成する、冷媒通路22,23に接続されている。流量調整弁28は、その弁開度を変動させ、冷媒通路22から流量調整弁28を経由して冷媒通路23へ流れる冷媒の圧力損失を増減させる。これにより、流量調整弁28は、冷媒通路22から冷媒通路23へ直接流れる冷媒の流量と、冷却通路32を含むHV機器31の冷却系を経由して流れる冷媒の流量と、を任意に調節する。
たとえば、流量調整弁28を全閉にして弁開度を0%にすると、熱交換器14を出た冷媒の全量が冷媒通路33,34を経由して冷却部30へ流入する。流量調整弁28の弁開度を大きくすれば、熱交換器14から冷媒通路22へ流れる冷媒のうち、冷媒通路22,23を経由して熱交換器15へ直接流れる流量が大きくなり、冷媒通路33,34を経由して冷却通路32へ流れHV機器31を冷却する冷媒の流量が小さくなる。流量調整弁28の弁開度を小さくすれば、熱交換器14から冷媒通路22へ流れる冷媒のうち、冷媒通路22,23を経由して熱交換器15へ直接流れる流量が小さくなり、冷媒通路33,34を経由して流れHV機器31を冷却する冷媒の流量が大きくなる。
流量調整弁28の弁開度を大きくするとHV機器31を冷却する冷媒の流量が小さくなり、HV機器31の冷却能力が低下する。流量調整弁28の弁開度を小さくするとHV機器31を冷却する冷媒の流量が大きくなり、HV機器31の冷却能力が向上する。流量調整弁28を使用して、HV機器31に流れる冷媒の量を最適に調節できるので、HV機器31の過冷却を確実に防止することができ、加えて、HV機器31の冷却系の冷媒の流通に係る圧力損失および冷媒を循環させるための圧縮機12の消費電力を、確実に低減することができる。
冷却装置1はまた、冷却部30に対し上流側の冷媒通路33,34に接続された電子膨張弁38を備える。電子膨張弁38は、熱交換器14と冷却部30との間の冷媒の経路に設けられている。電子膨張弁38は、電動により開度を調整可能に設けられている。電子膨張弁38は、たとえば弁の開度指令に対応して弁内部に配置されたロータが回転し、ロータの回転量に応じて弁開度を変える弁であってもよい。電子膨張弁38は、全開(開度100%)の際には電子膨張弁38を経由して流れる冷媒の圧損を最小にし、開度を小さくすることにより冷媒を絞り膨張して冷媒の温度および圧力を低下させるように、構成されている。
電子膨張弁38が全開であるとき、冷媒通路33を流れる冷媒と、冷媒通路34を流れる冷媒との温度および圧力は略同一である。一方、電子膨張弁38の開度を小さくすることにより、電子膨張弁38において冷媒が絞り膨張され、冷媒の比エンタルピーは変化せず温度と圧力とが低下する。これにより、冷媒通路33を流れる冷媒に対し、冷媒通路34を流れる冷媒が低温低圧になる。電子膨張弁38の開度を任意に調整すれば、冷媒通路34を経由して冷却部30へ供給される冷媒の温度および圧力を調整でき、HV機器31の冷却のために最適な条件の冷媒を冷却部30に供給可能である。
冷却装置1はさらに、冷媒通路35,36の連通状態を切り替える切替弁52を備える。切替弁52は、三箇所の配管接続口を有する三方弁として設けられている。冷媒通路35は、切替弁52の第一の配管接続口に接続されている。冷媒通路36は、切替弁52の第二の配管接続口に接続されている。切替弁52の第三の配管接続口には、バイパス経路41が接続されている。バイパス経路41は、切替弁52と、熱交換器18と圧縮機12との間の冷媒の経路と、を接続する。典型的には、バイパス経路41の一端は切替弁52に接続され、バイパス経路41の他端は熱交換器18と圧縮機12との間に配置された気液分離器40に接続されている。
切替弁52は、その開閉を切り替えることにより、冷媒通路35から冷媒通路36へ向かう冷媒の流れと、冷媒通路35からバイパス経路41へ向かう冷媒の流れと、を切り替える。切替弁52は、冷却部30から熱交換器15を経由して膨張弁16へ向かう冷媒の流れと、冷却部30から出てバイパス経路41を経由して気液分離器40へ流れる冷媒の流れと、を選択的に切り替える、経路選択部としての機能を有する。切替弁52を使用して冷媒の経路を切り換えることにより、HV機器31を冷却した後の冷媒を、冷媒通路36,23を経由させて熱交換器15へ、または、バイパス経路41を経由して圧縮機12の上流側の気液分離器40へ、のいずれかの経路を任意に選択して、流通させることができる。
図1には、車両の車内の冷房用のエアコンが運転中であり、かつHV機器31の通常の冷却が求められる場合を示す。このとき、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の全体に冷媒を流通させるために、圧縮機12は運転状態である。流量調整弁28は、HV機器31の冷却のために十分な冷媒が冷却部30へ流れるように、弁開度を調整されている。電子膨張弁38は、全開である。切替弁52は、冷媒通路35と冷媒通路36とを連通させ、冷媒通路35,36の両方に対しバイパス経路41が非連通とされるように、開閉を切り替えられている。切替弁52は、冷媒を冷却部30から熱交換器15を経由して膨張弁16へ流通させるように操作され、冷媒が冷却装置1の全体を流れるように冷媒の経路が選択される。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10に冷媒を循環させ、膨張弁16で低温低圧の霧状にされた冷媒を熱交換器18に供給して空調用空気を冷却できるので、車室の冷房能力を確保することができる。加えて、熱交換器14から冷却部30へ流れる冷媒の蒸発潜熱によりHV機器31から熱が奪われるので、HV機器31を効率よく冷却することができる。
図3は、HV機器31の冷却要求性能を高める場合の冷却装置1を示す模式図である。図3には、車両の車内の冷房用のエアコンが運転中であり、かつ、たとえば車両を操作する運転者がスポーツ走行モードを選択しHV機器31が高負荷状態で運転される場合などの、HV機器31から発生する熱量が増大し、そのためHV機器31の冷却性能の向上が求められる場合を示す。このとき、図1に示す状態と同様に、圧縮機12は運転状態であり、流量調整弁28はその開度を調整されている。一方、電子膨張弁38は、開度が小さくされ絞られた状態である。切替弁52は、冷媒通路35とバイパス経路41とを連通させ、冷媒通路35およびバイパス経路41の両方に対し冷媒通路36が非連通とされるように、開閉を切り替えられている。
この場合、冷却部30を流れHV機器31の冷却に用いられる冷媒は、切替弁52を経由してバイパス経路41へ流れ、圧縮機12の上流側の気液分離器40へ流れる。バイパス経路41は、切替弁52と気液分離器40とに直接接続されている。HV機器31を冷却するための冷媒は、冷却部30から気液分離器40を経由して圧縮機12へ流れる経路を流れ、熱交換器15、膨張弁16および熱交換器18へは流れない。バイパス経路41は、熱交換器15、膨張弁16および熱交換器18をバイパスする冷媒の経路として設けられている。
ここで、スポーツ走行モードとは、車両の走行性能を一時的に向上することを目的とする車両の走行モードである。ハイブリッド車両の場合、駆動モータに大電流を供給するよう制御し、駆動モータに供給される電圧を一時的に昇圧させることで、駆動モータの出力を向上できる。たとえば、定格500Vのモータに一時的に650Vの高電圧を印加することにより、車両の走行性能を向上できる。
スポーツ走行モードを設定することにより、HV機器31の仕様を変更せず追加コストを発生させることなく、車両の走行性を向上できる。また車両を操作するユーザは、同一の車両で、走行モードの切り替えという簡易操作により、走り優先モードでの運転を体感できる。一方、定格以上の高電圧をモータに印加するために、HV機器31は過負荷状態で運転することになり、通常の走行モードと比較してHV機器31の発熱量が増大する。そのため、スポーツ走行モードでは、HV機器31の温度を許容できる範囲に維持し、HV機器31の過熱を回避する必要がある。したがって、HV機器31の冷却能力を向上させる必要がある。
図4は、エアコン停止中にHV機器31の冷却要求性能を高める場合の冷却装置1を示す模式図である。図4には、エアコンが停止中であり、かつ、HV機器31から発生する熱量が増大し、そのためHV機器31の冷却性能の向上が求められる場合を示す。このとき、流量調整弁28は全閉(開度0%)である。電子膨張弁38は、開度が小さくされた絞られた状態である。切替弁52は、冷媒通路35とバイパス経路41とを連通させ、冷媒通路35およびバイパス経路41の両方に対し冷媒通路36が非連通とされるように、開閉を切り替えられている。
圧縮機12は、バイパス経路41を経由して流れる冷媒が冷凍サイクルを循環する駆動力を与えるために、運転状態とされる。エアコン停止中に強制的に圧縮機12を起動することで、冷却部30を含む循環経路を流通しHV機器31を冷却する冷媒の流れが発生する。冷却部30を流れる冷媒は、切替弁52を経由してバイパス経路41へ流れ、気液分離器40へ流れる。
図5は、HV機器31の冷却要求性能を高める場合の冷媒の状態を示すモリエル線図である。図5中の横軸は、冷媒の比エンタルピーを示し、縦軸は、冷媒の絶対圧力を示す。比エンタルピーの単位はkJ/kgであり、絶対圧力の単位はMPaである。図中の曲線は、冷媒の飽和蒸気線および飽和液線である。
図3および図4に示す、HV機器31の冷却要求性能を高める場合には、圧縮機12、熱交換器14、電子膨張弁38および冷却部30を順に経由する冷媒循環経路が形成される。HV機器31の冷却に用いられる冷媒は、当該冷媒循環経路を経由して循環する。蒸気圧縮式冷凍サイクル10内の、図3に示すA点、B点、C点およびG点を順に通過するように冷媒が流れ、圧縮機12と熱交換器14と電子膨張弁38と冷却部30とに冷媒が循環する。図5中には、熱交換器14の出口の冷媒通路22から冷媒通路33,34を経由して冷却部30へ流入し、HV機器31を冷却し、冷却部30から冷媒通路35およびバイパス経路41を経由して圧縮機12の上流側へ戻る、蒸気圧縮式冷凍サイクル10中の各点(すなわちA,B,CおよびG点)における冷媒の熱力学状態が示される。
図5に示すように、圧縮機12に吸入された過熱蒸気状態の冷媒(A点)は、圧縮機12において等比エントロピー線に沿って断熱圧縮される。圧縮するに従って冷媒の圧力と温度とが上昇し、高温高圧の過熱度の大きい過熱蒸気になる(B点)。図5中に二点鎖線の網掛けによって示された領域の面積は、A点からB点まで冷媒を断熱圧縮するために必要な圧縮機12の動力を示す。
圧縮機12において断熱圧縮された高温高圧の過熱蒸気状態の冷媒は、熱交換器14へと流れ、熱交換器14において冷却される。圧縮機12から吐出された気相冷媒は、熱交換器14において周囲に放熱し冷却されることによって、凝縮(液化)する。熱交換器14における外気との熱交換によって、冷媒の温度は低下し冷媒は液化する。熱交換器14へ入った高圧の冷媒蒸気は、熱交換器14において等圧のまま過熱蒸気から乾き飽和蒸気になり、凝縮潜熱を放出し徐々に液化して気液混合状態の湿り蒸気になり、冷媒の全部が凝縮して飽和液になる(C点)。
熱交換器14から流出した飽和液状態の冷媒は、冷媒通路22,33を経由して電子膨張弁38に流入する。電子膨張弁38において、冷媒は絞り膨張され、比エンタルピーは変化せず温度と圧力とが低下して、気液混合状態の湿り蒸気となる(G点)。電子膨張弁38は、冷却部30の上流側において冷媒の温度を低下させ、冷却部30に供給される冷媒の温度を低下させる、減温器としての機能を有する。
電子膨張弁38で絞り膨張された湿り蒸気状態の冷媒は、冷媒通路34を経由して冷却部30の冷却通路32へ流れ、HV機器31を冷却する。冷却部30において、電子膨張弁38を通過して減温減圧された冷媒に熱を放出することで、HV機器31が冷却される。HV機器31との熱交換により、冷媒が加熱され、冷媒の乾き度が増大する。冷媒は、HV機器31の熱を蒸発潜熱として吸収することによって、等圧のまま蒸発する。全ての冷媒が乾き飽和蒸気になると、さらに顕熱によって冷媒蒸気は温度上昇して、過熱蒸気となる(A点)。
その後冷媒は、バイパス経路41、気液分離器40および冷媒通路27を経由して圧縮機12に吸入される。圧縮機12は、冷媒通路27から流通する冷媒を圧縮する。冷媒はこのようなサイクルに従って、圧縮、凝縮、絞り膨張、蒸発の状態変化を連続的に繰り返す。
以上のように、本実施の形態の冷却装置1は、熱交換器15、膨張弁16および熱交換器18をバイパスするバイパス経路41と、冷媒の流れを選択的に切り替える切替弁52とを備える。HV機器31の通常の冷却が求められる場合には、切替弁52は、冷媒通路36を経由する冷媒の流れを選択し、冷却部30から熱交換器15へ流れる冷媒の流れを形成する。HV機器31による発熱量の増大時には、切替弁52は、冷媒の流れを切り替えてバイパス経路41を経由する冷媒の流れを選択し、冷却部30からバイパス経路41を経由して気液分離器40へ流れる冷媒の流れを形成する。
これにより、熱交換器14で凝縮液化された冷媒が過熱蒸気になるまで、HV機器31から冷媒へ熱伝達して、HV機器31を冷却できる。冷却部30における冷媒とHV機器31との熱交換量を増大できるので、HV機器31の冷却能力が高められる。HV機器31から発生する熱量が増大する場合に合わせて、HV機器31の冷却能力を高めることができるので、HV機器31からの発熱量に適した冷却性能を得ることができる。
また、冷却部30の上流側に電子膨張弁38を設け、HV機器31による発熱量の増大時に、電子膨張弁38の開度を調整することにより冷媒を絞り膨張させて低温低圧の霧状冷媒に変化させ、冷却部30を流れる冷媒の温度を低下させる。冷却部30に低温の冷媒を供給することで、HV機器31から冷媒への熱伝達効率を向上でき、冷媒が蒸発潜熱としてHV機器31から奪う熱量を増大できる。HV機器31の熱によって低温冷媒が気化することにより、冷媒とHV機器31との熱交換量を増大できるので、HV機器31の冷却能力をより向上することができる。
HV機器31に要求される冷却性能に合わせて、HV機器31の冷却能力向上が必要とされるときに圧縮機12と電子膨張弁38とを制御して冷却部30を流れる冷媒の温度を低下させることで、冷却部30に供給される冷媒の温度を最適に設定することができる。冷媒の温度を低下させるための機器は任意の機器であってもよく、たとえば冷却部30の上流側に他の熱交換器またはペルチェ素子などを配置してもよい。但し、冷媒を電子膨張弁38で絞り膨張させることにより冷媒の温度を低下させる、上述の説明の通りの構成とすれば、装置構成を簡素化でき、かつ、追加の動力を使用せずに冷媒の温度を低下させることができる。
図2および図5中に二点鎖線の網掛けによって示された圧縮機12の動力を比較すると、図5に示す圧縮機12の動力の方が小さくなっている。たとえば、熱交換器14の出口において約60℃の冷媒を外気温マイナス5℃(たとえば外気温が30℃のとき、25℃)程度の温度にまで冷却するように電子膨張弁38の開度を設定する場合、図1に示すエアコン運転時と比較して圧縮機12の動力は約半分程度になる。HV機器31の要求冷却性能に適した冷媒温度に設定するため、冷媒の一部または全部をバイパス経路41を経由させて流通させることにより、圧縮機12の動力を低減する制御が可能になる。
バイパス経路41は気液分離器40に連結されており、冷却部30からバイパス経路41を経由して流れる冷媒は、気液分離器40へ流入する。気液分離器40は、冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する。気液分離器40の内部には、液相冷媒である冷媒液と、気相冷媒である冷媒蒸気と、が蓄蔵されている。気液分離器40の内部には、飽和液状態の冷媒液が貯留されている。気液分離器40で気液分離された冷媒液は、気液分離器40の内部に蓄えられる。気液分離器40は、その内部に液状の冷媒である冷媒液を一時的に貯留する蓄液器として機能する。
冷媒が熱交換器15,18を経由せず熱交換器14のみを経由する経路を循環して流れるとき、熱交換器14のみを使用した冷凍サイクルとなるので、HV機器31の冷却のために必要な冷媒の量は小さくなる。気液分離器40を設け、一部の冷媒を気液分離器40内に貯留することにより、サイクル内の冷媒量を調整できる。そのため、冷凍サイクル内を循環する冷媒の量を最適化でき、冷凍サイクル内の冷媒量が過剰となり圧力が上昇する不具合の発生を抑制することができる。
気液分離器40内に所定量の冷媒液が溜められることにより、負荷変動時にも冷却部30へ供給される冷媒の流量を維持できる。気液分離器40が液だめ機能を有し、負荷変動に対するバッファとなり負荷変動を吸収できるので、HV機器31の冷却性能を安定させることができる。
冷却部30における冷媒とHV機器31との熱交換量が小さく、冷媒がHV機器31から受ける熱量が小さいと、冷却部30における冷媒の加熱が抑制される。そのため、冷却部30でHV機器31と熱交換した後の、バイパス経路41を経由して気液分離器40へ流入する冷媒が、飽和液と飽和蒸気とが混合した気液二相状態の湿り蒸気の状態にある場合がある。この場合、気液分離器40の内部において冷媒は気相と液相とに分離される。気液分離器40へ流入する気液二相状態の冷媒は、気液分離器40内で液体状の冷媒液とガス状の冷媒蒸気とに分離される。
気液分離器40の内部では、冷媒液が下側、冷媒蒸気が上側に溜まる。気液分離器40から冷媒蒸気を導出する冷媒通路27の端部は、気液分離器40の天井部に連結されている。冷媒通路27を経由して、気液分離器40の天井側から冷媒蒸気のみが気液分離器40の外部へ送り出される。これにより、気液分離器40によって確実に気液分離された気相冷媒のみを、圧縮機12へ供給することができる。その結果、圧縮機12に冷媒液が流れ込むことを防止でき、液体成分が混入することによる圧縮機12の不具合の発生を防止することができる。
冷媒通路35,36とバイパス経路41との連通状態を切り換える切替弁52は、上述した通り、冷媒通路35,36とバイパス経路41との分岐に三方弁を配置してもよい。または、冷媒通路35,36およびバイパス経路41の各々に冷媒の経路を開閉可能な弁を設け、これら複数の開閉弁により切替弁52を構成してもよい。いずれの場合でも、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の運転時および停止時の両方において、HV機器31を効率よく冷却することができる。複数の開閉弁を配置するよりも三方弁の配置に要する空間はより小さくてよいと考えられ、三方弁を使用することにより、より小型化され車両搭載性に優れた冷却装置1を提供することができる。一方、開閉弁は、冷媒通路の開閉ができる単純な構造であればよいので安価であり、複数の開閉弁を使用することにより、より低コストな冷却装置1を提供することができる。
図1に示す設定では冷媒の全部が熱交換器18へ流れるのに対し、図3および図4に示す設定では、冷媒の一部は熱交換器18をバイパスして流れるので、熱交換器18へ流れる冷媒の流量が低下する。つまり、たとえばスポーツ走行モードが選択される場合など、HV機器31の冷却能力を向上させる必要があるとき、車室内の冷房能力が低下する可能性がある。この場合、HV機器31の冷却能力と冷房能力とが両立するように流量調整弁28の開度を制御して冷媒の流量を調整することにより、冷房能力への影響を緩和することが可能である。運転者は、車両の走行性能を優先し冷房能力への影響を認識した上で、スポーツ走行モードを選択することになる。
なお、上述した実施の形態では、発熱源であるHV機器31を冷却装置1により冷却する例について説明した。冷却装置1により冷却される対象の装置が、たとえば電池である場合、温度が低すぎると電池内部での化学変化が抑制されて出力密度が低下する虞があるため、適度な加温が必要とされる。本実施の形態の冷却装置1では、コンデンサファン42の風量を低下させることにより熱交換器14での冷媒と外気の熱交換を抑制すれば、熱交換器14での冷媒の冷却を抑制し、冷却部30へ流れる冷媒を高温に維持することができる。この場合、熱交換器14および冷却部30において冷媒が凝縮されるように制御でき、冷却部30において冷媒から熱を受けることにより電池を加温することができる。一方、電池を急速に冷却したい場合には、電子膨張弁38を絞ることで冷却部30へ供給される冷媒の温度を低下させ、電池の冷却能力を向上することができる。
たとえば、冷却装置1により冷却される対象の機器がキャパシタである場合が想定される。キャパシタの温度が低いときには、熱交換器14での冷媒の凝縮を抑制することで冷却部30へ流れる冷媒の比エンタルピーを相対的に高くし、キャパシタを加温することができる。キャパシタは瞬間的に充放電を繰り返すが、電子膨張弁38における絞り膨張によって霧状にされた低温冷媒でキャパシタを冷却できるので、キャパシタの冷却性能が高められる。よって、キャパシタのセル数を低減できるので、装置の大幅なコスト低減が可能になる。
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2の冷却装置1の構成を示す模式図である。実施の形態1の切替弁52は三方弁として設けられたのに対し、実施の形態2の切替弁52は四方弁である。切替弁52は、四箇所の配管接続口を有する四方弁として設けられている。冷媒通路35は、切替弁52の第一の配管接続口に接続されている。冷媒通路36は、切替弁52の第二の配管接続口に接続されている。バイパス経路41は、切替弁52の第三の配管接続口に接続されている。切替弁52の第四の配管接続口には、連通路51が接続されている。
図6は、実施の形態2の冷却装置1の構成を示す模式図である。実施の形態1の切替弁52は三方弁として設けられたのに対し、実施の形態2の切替弁52は四方弁である。切替弁52は、四箇所の配管接続口を有する四方弁として設けられている。冷媒通路35は、切替弁52の第一の配管接続口に接続されている。冷媒通路36は、切替弁52の第二の配管接続口に接続されている。バイパス経路41は、切替弁52の第三の配管接続口に接続されている。切替弁52の第四の配管接続口には、連通路51が接続されている。
連通路51は、圧縮機12と熱交換器14との間を冷媒が流れる冷媒通路21と、冷却部30から膨張弁16へ向かう冷媒の経路を構成する冷媒通路35と、を連通する。切替弁52は、その開閉を切り替えることにより、冷媒通路35から冷媒通路36へ向かう冷媒の流れと、冷媒通路35からバイパス経路41へ向かう冷媒の流れと、冷媒通路35から連通路51へ向かう冷媒の流れと、を切り替える。切替弁52は、冷却部30から連通路51へ向かう冷媒の流れを形成可能に設けられている。切替弁52は、その開閉を切り換えることにより、連通路51を経由する冷媒の流通を可能または不可能にする。
切替弁52を使用して冷媒の経路を切り換えることにより、HV機器31を冷却した後の冷媒を、冷媒通路36,23を経由させて熱交換器15へ、バイパス経路41を経由して圧縮機12の上流側の気液分離器40へ、または、連通路51および冷媒通路21を経由させて熱交換器14へ、のいずれかの経路を任意に選択して、流通させることができる。切替弁52を四方弁とし、切替弁52の開閉設定の変更によって連通路51へ冷媒を流通できる構成にする。これにより、装置構成を簡素化できるので、機器の追加を抑制でき、コストの増大を回避できる。
図7は、冷却装置1の運転モード毎の圧縮機12および弁の設定を示す図である。図7には、冷却装置1が異なる四つの運転モードのいずれかで運転される場合の、各運転モードにおける圧縮機12の運転状況、ならびに、流量調整弁28、電子膨張弁38および切替弁52の開度の設定が示されている。
図7中に示す運転モードのうち「エアコン運転モード」とは、図6に示す、車両の車内の冷房用のエアコンが運転中であり、かつHV機器31の通常の冷却が求められる運転モードである。このとき、車室内の冷房のために、膨張弁16および熱交換器18を含む蒸気圧縮式冷凍サイクル10の全体に冷媒を流通させる必要があるので、圧縮機12は運転状態である。流量調整弁28は、HV機器31の冷却のために十分な冷媒が冷却部30へ流れるように、弁開度を調整されている。電子膨張弁38は、全開である。
切替弁52は、冷媒通路35と冷媒通路36とを連通させ、冷媒通路35,36の両方に対しバイパス経路41および連通路51が非連通とされるように、開閉を切り替えられている。切替弁52は、冷媒を冷却部30から熱交換器15を経由して膨張弁16へ流通させるように操作され、冷媒が冷却装置1の全体を流れるように冷媒の経路が選択される。そのため、蒸気圧縮式冷凍サイクル10を用いた車室内の冷房能力を確保できるとともに、HV機器31を効率よく冷却することができる。
なお、実施の形態1において図1を参照して説明した冷却装置1の運転状態は、この「エアコン運転モード」に相当する。
図8は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10を停止する場合の冷却装置1を示す模式図である。図9は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の停止中の、HV機器31を冷却する冷媒の流れを示す模式図である。図7に示す運転モードのうち「ヒートパイプ運転モード」とは、図8および図9に示す、車両の車内の冷房用のエアコンが停止中であり、かつHV機器31の通常の冷却が求められる運転モードである。
このとき、蒸気圧縮式冷凍サイクル10は停止しており、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の全体に冷媒を流通させる必要はないため、圧縮機12は停止状態である。流量調整弁28は全閉である。電子膨張弁38は全開である。切替弁52は、冷媒通路35と連通路51とを連通させ、冷媒通路35と連通路51との両方に対し冷媒通路36およびバイパス経路41が非連通とされるように、開閉を切り替えられている。切替弁52は、冷媒を冷却部30から熱交換器14へ循環させるように操作される。冷媒は、冷媒通路35から冷媒通路36およびバイパス経路41へは流れず、連通路51を経由して流通する。
これにより、熱交換器14から、冷媒通路22,33、電子膨張弁38および冷媒通路34を順に経由して冷却部30へ至り、さらに冷媒通路35、切替弁52、連通路51および冷媒通路21を順に経由して熱交換器14へ戻る、閉じられた環状の経路が形成される。HV機器31を冷却した後の冷媒通路35を流通する冷媒を、連通路51を経由させて熱交換器14へ流通させ、圧縮機12を経由せずに冷却部30と熱交換器14との間に冷媒を循環させる環状の経路を形成する。冷却部30と熱交換器14とを結ぶ環状の経路を経由させて冷媒を循環させるように、冷媒の経路が選択される。
この環状の経路を経由して、圧縮機12を動作することなく、熱交換器14と冷却部30との間に冷媒を循環させることができる。冷媒は、HV機器31を冷却するとき、HV機器31から蒸発潜熱を受けて蒸発する。HV機器31との熱交換により気化された冷媒蒸気は、冷媒通路35、連通路51および冷媒通路21を順に経由して、熱交換器14へ流れる。熱交換器14において、車両の走行風、または、コンデンサファン42もしくはエンジン冷却用のラジエータファンからの通風により、冷媒蒸気は冷却されて凝縮する。熱交換器14で液化した冷媒液は、冷媒通路22,33、電子膨張弁38および冷媒通路34を順に経由して、冷却部30へ戻る。
このように、冷却部30と熱交換器14とを経由する環状の経路によって、HV機器31を加熱部とし熱交換器14を冷却部とする、ヒートパイプが形成される。したがって、蒸気圧縮式冷凍サイクル10が停止しているとき、すなわち車両用の冷房が停止しているときにも、圧縮機12を起動する必要なく、HV機器31を確実に冷却することができる。圧縮機12の動力を使わずにHV機器31を冷却でき、HV機器31の冷却のために圧縮機12を常時運転する必要がない。そのため、圧縮機12の消費動力を低減して車両の燃費を向上することができ、加えて、圧縮機12を長寿命化できるので圧縮機12の信頼性を向上することができる。
図9には、地面60が図示されている。地面60に対して垂直な鉛直方向において、冷却部30は、熱交換器14よりも下方に配置されている。熱交換器14と冷却部30との間に冷媒を循環させる環状の経路において、冷却部30が下方に配置され、熱交換器14が上方に配置される。熱交換器14は、冷却部30よりも高い位置に配置される。
この場合、冷却部30で加熱され気化した冷媒蒸気は、環状の経路内を上昇して熱交換器14へ到達し、熱交換器14において冷却され、凝縮されて液冷媒となり、重力の作用により環状の経路内を下降して冷却部30へ戻る。つまり、冷却部30と、熱交換器14と、これらを連結する冷媒の経路とによって、サーモサイフォン式のヒートパイプが形成される。ヒートパイプを形成することでHV機器31から熱交換器14への熱伝達効率を向上することができるので、蒸気圧縮式冷凍サイクル10が停止しているときにも、動力を加えることなく、HV機器31をより効率よく冷却することができる。
実施の形態2の冷却装置1はさらに、逆止弁54を備える。逆止弁54は、圧縮機12と熱交換器14との間の冷媒通路21の、冷媒通路21と連通路51との接続箇所よりも圧縮機12に近接する側に、配置されている。逆止弁54は、圧縮機12から熱交換器14へ向かう冷媒の流れを許容するとともに、その逆向きの冷媒の流れを禁止する。このようにすれば、図8および図9に示すヒートパイプ運転モードのとき、熱交換器14と冷却部30との間に冷媒を循環させる閉ループ状の冷媒の経路を、確実に形成することができる。
逆止弁54がない場合、冷媒が連通路51から圧縮機12側の冷媒通路21へ流れる虞がある。逆止弁54を備えることによって、連通路51から圧縮機12側へ向かう冷媒の流れを確実に禁止できるので、環状の冷媒経路で形成するヒートパイプを使用した、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の停止時のHV機器31の冷却能力の低下を防止できる。したがって、車両の車室用の冷房が停止しているときにも、HV機器31を効率よく冷却することができる。
また、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の停止中に、閉ループ状の冷媒の経路内の冷媒の量が不足する場合には、圧縮機12を短時間のみ運転することで、逆止弁54を経由して閉ループ経路に冷媒を供給できる。これにより、閉ループ内の冷媒量を増加させ、ヒートパイプの熱交換処理量を増大させることができる。したがって、ヒートパイプの冷媒量を確保することができるので、冷媒量の不足のためにHV機器31の冷却が不十分となることを回避することができる。
図10は、エアコン運転中にHV機器31の冷却要求性能を高める場合の冷却装置1を示す模式図である。図10には、車両の車内の冷房用のエアコンが運転中であり、かつ、たとえば車両を操作する運転者がスポーツ走行モードを選択しHV機器31が高負荷状態で運転される場合などの、HV機器31から発生する熱量が増大し、そのためHV機器31の冷却性能の向上が求められる場合を示す。
図7中に示す運転モードのうち「エアコンON/低温冷媒冷却運転モード」とは、図10に示す、車両の車内の冷房用のエアコンが運転中であり、かつHV機器31の冷却能力向上が求められる運転モードである。このとき、図6に示す状態と同様に、圧縮機12は運転状態であり、流量調整弁28はその開度を調整されている。一方、電子膨張弁38は、開度が小さくされた絞られた状態である。切替弁52は、冷媒通路35とバイパス経路41とを連通させ、冷媒通路35およびバイパス経路41の両方に対し冷媒通路36および連通路51が非連通とされるように、開閉を切り替えられている。
この場合、冷却部30を流れHV機器31の冷却に用いられる冷媒は、切替弁52を経由してバイパス経路41へ流れ、圧縮機12の上流側の気液分離器40へ流れる。HV機器31を冷却するための冷媒は、冷却部30から気液分離器40を経由して圧縮機12へ流れ、熱交換器15、膨張弁16および熱交換器18へは流れない。バイパス経路41は、切替弁52と気液分離器40とに直接接続されており、熱交換器15、膨張弁16および熱交換器18をバイパスする冷媒の経路として設けられている。
流量調整弁28の開度調整によって膨張弁16および熱交換器18を含む経路へ冷媒が流れるため、膨張弁16で絞り膨張された低温低圧の冷媒が熱交換器18に供給される。これにより、熱交換器18において車室内の冷房のための空調用空気と冷媒とを熱交換させて、空調用空気を冷却できるので、冷房能力を確保できる。HV機器31を冷却するための冷媒が冷却部30からバイパス経路41を経由して圧縮機12の入口側へ流れることにより、HV機器31の冷却能力を高め、HV機器31を効率よく冷却できるので、HV機器31からの発熱量に適した冷却性能を得ることができる。
なお、実施の形態1において図3を参照して説明した冷却装置1の運転状態は、この「エアコンON/低温冷媒冷却運転モード」に相当する。
図11は、エアコン停止中にHV機器31の冷却要求性能を高める場合の冷却装置1を示す模式図である。図11には、エアコンが停止中であり、かつ、HV機器31から発生する熱量が増大し、そのためHV機器31の冷却性能の向上が求められる場合を示す。
図7中に示す運転モードのうち「エアコンOFF/低温冷媒冷却運転モード」とは、図11に示す、車両の車内の冷房用のエアコンが停止中であり、かつHV機器31の冷却能力向上が求められる運転モードである。このとき、流量調整弁28は全閉(開度0%)である。電子膨張弁38は、開度が小さくされた絞られた状態である。切替弁52は、冷媒通路35とバイパス経路41とを連通させ、冷媒通路35およびバイパス経路41の両方に対し冷媒通路36および連通路51が非連通とされるように、開閉を切り替えられている。冷媒がバイパス経路41を経由して冷凍サイクルを循環する駆動力を与えるために、圧縮機12は運転状態とされる。冷却部30を流れる冷媒は、切替弁52を経由してバイパス経路41へ流れ、気液分離器40へ流れる。
HV機器31を冷却するための冷媒が冷却部30からバイパス経路41を経由して圧縮機12の入口側へ流れることにより、HV機器31の冷却能力を高め、HV機器31を効率よく冷却できるので、HV機器31からの発熱量に適した冷却性能を得ることができる。なお、実施の形態1において図4を参照して説明した冷却装置1の運転状態は、この「エアコンOFF/低温冷媒冷却運転モード」に相当する。
実施の形態2の冷却装置1は、実施の形態1と同様に、HV機器31による発熱量の増大時にバイパス経路41を経由する冷媒の流れを選択し、冷却部30からバイパス経路41を経由して気液分離器40へ流れる冷媒の流れを形成できる。HV機器31から発生する熱量が増大する場合に合わせて、HV機器31の冷却能力を高めることができ、HV機器31からの発熱量に適した冷却性能を得ることができる。HV機器31による発熱量の増大時に、電子膨張弁38で冷媒を絞り膨張させて霧状となった低温冷媒を冷却部30に供給することで、冷媒とHV機器31との熱交換量をより増大できるので、HV機器31の冷却能力をより向上することができる。
また、連通路51を備えることにより、連通路51を経由させて圧縮機12を経由せずに冷却部30と熱交換器14との間に冷媒を循環させる環状の経路を形成できる。この環状の経路を経由して、圧縮機12を動作することなく、熱交換器14と冷却部30との間に冷媒を循環させることができる。冷媒の流通のための動力が圧縮機12から与えられない状態でも、HV機器31を確実に冷却できるので、HV機器31の冷却のために必要な動力を低減することができる。
また、連通路51を備えることにより、連通路51を経由させて圧縮機12を経由せずに冷却部30と熱交換器14との間に冷媒を循環させる環状の経路を形成できる。この環状の経路を経由して、圧縮機12を動作することなく、熱交換器14と冷却部30との間に冷媒を循環させることができる。冷媒の流通のための動力が圧縮機12から与えられない状態でも、HV機器31を確実に冷却できるので、HV機器31の冷却のために必要な動力を低減することができる。
次に、実施の形態2の冷却装置1の制御について説明する。図12は、制御部80の構成の詳細を示すブロック図である。図12に示す制御部80は、冷却装置1の制御を実行するECU(Electric Control Unit)81を備える。ECU81は、エアコンスイッチ82から、エアコンのONまたはOFFを示す信号を受ける。エアコンスイッチ82は、たとえば車室内の前方側の計器盤に設けられている。車両の乗員がエアコンスイッチ82を操作することにより、エアコンのONとOFFとが切り替えられ、車室内の冷房が開始または停止される。
ECU81は、スポーツ走行モード選択スイッチ83から、車両が通常の走行モードとスポーツ走行モードとのいずれに設定されているかを示す信号を受ける。スポーツ走行モード選択スイッチ83は、たとえば車室内の前方側の計器盤に設けられている。車両の乗員がスポーツ走行モード選択スイッチ83を操作することにより、通常の走行モードとスポーツ走行モードとのいずれかが選択される。
ECU81は、温度入力部84から、温度を示す信号を受ける。温度入力部84には、冷却部30に流入する冷媒および冷却部30から流出する冷媒の温度を検出するセンサから、冷却部30の出入口での冷媒の温度が入力される。温度入力部84にはまた、冷却装置1の近傍の外気の温度、および熱交換器18における熱交換によって温度が調節された空調用空気の温度が入力されてもよい。
制御部80はまた、圧縮機12の起動および停止を制御する圧縮機制御部85と、モータ44の回転数を制御するモータ制御部86と、流量調整弁28、電子膨張弁38および切替弁52の開閉を制御するバルブ制御部87と、を備える。制御部80はまた、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリ89を有する。メモリ89に記憶された制御プログラムに従ってECU81が各種の処理を実行することにより、冷却装置1が制御される。
圧縮機制御部85は、ECU81から伝送された制御命令を受け取り、圧縮機12の起動または停止を指令する信号C1を圧縮機12へ伝送する。バルブ制御部87は、ECU81から伝送された制御命令を受け取り、流量調整弁28の開度を指令する信号V1を流量調整弁28へ伝送し、電子膨張弁38の開度を指令する信号V2を電子膨張弁38へ伝送し、切替弁52の開閉設定を指令する信号V3を切替弁52へ伝送する。モータ制御部86は、ECU81から伝送された制御命令を受け取り、モータ44の回転数を指令する信号M1をモータ44へ伝送する。
ECU81は、エアコンのONまたはOFF、スポーツ走行モードの選択または非選択、および温度入力部84に入力された各種の温度に基づいて、圧縮機12の運転および停止、モータ44の回転数、流量調整弁28および電子膨張弁38の開度、ならびに切替弁52の開閉設定を制御する。ECU81は、冷却装置1の運転モードを切り替える運転モード切替手段としての機能を有する。
モータ44の回転数を変更すると、熱交換器14における冷媒と外気との間の熱交換量が制御される。モータ44の回転数を増加しコンデンサファン42の回転速度を大きくすると、熱交換器14へ供給される空気の流量が増加し、熱交換器14における冷媒と外気との熱交換量が増加するので、熱交換器14の冷媒冷却能力が向上する。モータ44の回転数を減少しコンデンサファン42の回転速度を小さくすると、熱交換器14へ供給される空気の流量が減少し、熱交換器14における冷媒と外気との熱交換量が減少するので、熱交換器14の冷媒冷却能力が減少する。
図13は、冷却装置1の制御方法の一例を示すフローチャートである。図13に示すように、冷却装置1を使用して発熱源であるHV機器31の冷却が開始されると、まずステップ(S10)において、発熱源の冷却を終了するかどうか判断される。冷却を終了しないと判断されれば、次にステップ(S20)において、スポーツ走行モード選択スイッチ83の操作によってスポーツ走行モードが選択されているかどうかが判断される。
上述した通り、スポーツ走行モードでは、通常の走行モードに比較してHV機器31の発熱量が増大する。ステップ(S20)では、スポーツ走行モードの選択または非選択を判断することにより、HV機器31による発熱量の多少が判断される。通常の走行モードの際のHV機器31の発熱量と、スポーツ走行モードの際のHV機器31の発熱量と、の間の値を発熱量のしきい値として設定すれば、スポーツ走行モードが選択されたときのHV機器31の発熱量は当該しきい値以上になり、通常の走行モードが選択されたときのHV機器31の発熱量は当該しきい値以下になる。
ステップ(S20)でスポーツ走行モードがONである、すなわち、スポーツ走行モード選択スイッチ83の操作によってスポーツ走行モードが選択され、HV機器31の発熱量が大きいと判断された場合、次にステップ(S30)において、エアコンがONであるかどうかが判断される。エアコンがONであれば圧縮機12の運転中であり、エアコンがOFFであれば圧縮機12の停止中である。ステップ(S30)でエアコンがONであると判断された場合には、ステップ(S40)に進み、冷却装置1はエアコンON/低温冷媒冷却運転モードにてHV機器31を冷却する。
このとき、エアコンがONであり、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の全体に冷媒を循環させるために圧縮機12が起動している状態である。そのため、圧縮機制御部85は、圧縮機12の運転を維持する信号C1を圧縮機12へ伝送する。バルブ制御部87は、冷却部30に十分な冷媒が流れるように流量調整弁28の開度を調整する信号V1を流量調整弁28へ伝送し、電子膨張弁38の開度を小さくする信号V2を電子膨張弁38へ伝送し、冷媒通路35をバイパス経路41へ連通させるよう切替弁52の開閉を切り替える信号V3を切替弁52へ伝送する。
流量調整弁28の開度調整によって膨張弁16および熱交換器18を含む経路へ冷媒が流れるため、膨張弁16で絞り膨張された低温低圧の冷媒が熱交換器18に供給される。これにより、熱交換器18において車室内の冷房のための空調用空気と冷媒とを熱交換させて、空調用空気を冷却できるので、車室内の冷房能力を確保できる。電子膨張弁38の開度を調整することにより電子膨張弁38で絞り膨張して温度が低下した冷媒を冷却部30に流通させ、冷却通路32を流れる冷媒とHV機器31との間で熱交換することにより、HV機器31を冷却する。HV機器31を冷却した冷媒は、冷却部30からバイパス経路41を経由して圧縮機12の入口側へ流れる。これにより、HV機器31の冷却能力を高め、HV機器31を効率よく冷却できるので、HV機器31からの発熱量に適した冷却性能を得ることができる。
その後制御フローはリターンされ、ステップ(S10)の発熱源の冷却を終了するかどうかの判断に戻る。
ステップ(S30)でエアコンがOFFであると判断された場合には、ステップ(S50)に進み、圧縮機12を起動する。エアコンがOFFであり圧縮機12が停止している状態であるので、このとき圧縮機制御部85は、圧縮機12を起動する信号C1を圧縮機12へ伝送する。
続いてステップ(S60)において、冷却装置1は、エアコンOFF/低温冷媒冷却運転モードにてHV機器31を冷却する。バルブ制御部87は、流量調整弁28を全閉にする信号V1を流量調整弁28へ伝送し、電子膨張弁38の開度を小さくする信号V2を電子膨張弁38へ伝送し、冷媒通路35をバイパス経路41へ連通させるよう切替弁52の開閉を切り替える信号V3を切替弁52へ伝送する。
エアコンがOFFであるので、熱交換器18へ冷媒を流す必要はない。そのため、流量調整弁28を全閉にして、膨張弁16および熱交換器18を含む経路への冷媒の流れを停止する。電子膨張弁38の開度を調整することにより電子膨張弁38で絞り膨張して温度が低下した冷媒を冷却部30に流通させ、冷却通路32を流れる冷媒とHV機器31との間で熱交換することにより、HV機器31を冷却する。HV機器31を冷却した冷媒は、冷却部30からバイパス経路41を経由して圧縮機12の入口側へ流れる。これにより、HV機器31の冷却能力を高め、HV機器31を効率よく冷却できるので、HV機器31からの発熱量に適した冷却性能を得ることができる。
その後制御フローはリターンされ、ステップ(S10)の発熱源の冷却を終了するかどうかの判断に戻る。
ステップ(S20)でスポーツ走行モードがOFFである、すなわち、スポーツ走行モード選択スイッチ83の操作によって通常の走行モードが選択されていると判断された場合、次にステップ(S70)において、エアコンがONであるかどうかが判断される。ステップ(S70)でエアコンがONであると判断された場合には、ステップ(S90)に進み、冷却装置1はエアコン運転モードにてHV機器31を冷却する。
ステップ(S70)でエアコンがOFFであると判断された場合、次にステップ(S80)において、エアコン運転モードでの発熱源の冷却が必要であるかが判断される。たとえば、温度入力部84に入力された温度の検出値に基づいて、エアコン運転モードでの冷却が必要であるかを判断できる。具体的には、冷却部30の出口温度が入口温度を上回る場合、外気温度が所定の温度(たとえば25℃)よりも高い場合、または、空調用空気が所定の温度(たとえば20℃)よりも高い場合などに、冷却部30における冷却能力が低下している状態であると判断して、圧縮機12を起動する制御命令を圧縮機制御部85に伝送することができる。
または、たとえば登坂走行時などのHV機器31の発熱量が大きくなるような状況で車両が走行する場合にも、エアコン運転モードにてHV機器31を冷却してもよい。冷却装置1がHV機器31を冷却する冷却能力は、圧縮機12を運転させるエアコン運転モードの方が、ヒートパイプ運転モードに比較して相対的に大きい。そのため、エアコン運転モードで冷却装置1を運転してHV機器31を冷却することにより、HV機器31の過熱を確実に防止することができる。エアコン運転モードでの発熱源の冷却が必要であると判断されると、続いてステップ(S90)に進み、冷却装置1はエアコン運転モードにてHV機器31を冷却する。
このとき、圧縮機制御部85は、圧縮機12の起動を指令する信号C1を圧縮機12へ伝送する。バルブ制御部87は、冷却部30に十分な冷媒が流れるように流量調整弁28の開度を調整する信号V1を流量調整弁28へ伝送し、電子膨張弁38を全開にする信号V2を電子膨張弁38へ伝送し、冷媒通路35を冷媒通路36へ連通させるよう切替弁52の開閉を切り替える信号V3を切替弁52へ伝送する。
流量調整弁28の開度調整によって膨張弁16および熱交換器18を含む経路へ冷媒が流れるため、膨張弁16で絞り膨張された低温低圧の冷媒が熱交換器18に供給される。これにより、熱交換器18において車室内の冷房のための空調用空気と冷媒とを熱交換させて、空調用空気を冷却できるので、車室内の冷房能力を確保できる。また流量調整弁28の開度調整によって、HV機器31の冷却のために十分な量の冷媒を冷却部30へ流通させる。これにより、熱交換器14で外気と熱交換し冷却された後の冷媒を冷却部30に流通させ、冷却通路32を流れる冷媒とHV機器31との間で熱交換することにより、HV機器31を冷却することができる。
その後制御フローはリターンされ、ステップ(S10)の発熱源の冷却を終了するかどうかの判断に戻る。
ステップ(S80)でエアコン運転モードでの発熱源の冷却が必要でないと判断された場合、次にステップ(S100)において、冷却装置1はヒートパイプ運転モードにて発熱源を冷却する。このとき、エアコンがOFFであるので、圧縮機12は停止している状態である。そのため、圧縮機制御部85は、圧縮機12の停止を維持する信号C1を圧縮機12へ伝送する。バルブ制御部87は、流量調整弁28を全閉にする信号V1を流量調整弁28へ伝送し、電子膨張弁38を全開にする信号V2を電子膨張弁38へ伝送し、冷媒通路35を連通路51へ連通させるよう切替弁52の開閉を切り替える信号V3を切替弁52へ伝送する。
これにより、冷却部30と熱交換器14との間に冷媒を循環させる環状の経路を形成し、サーモサイフォン式のヒートパイプを形成する。熱交換器14において冷却された液相の冷媒を重力の作用により冷却部30へ流通させ、冷却通路32を流れる冷媒とHV機器31との間で熱交換することにより、HV機器31を冷却する。冷却部30で加熱され気化した冷媒蒸気は、環状の経路内を上昇して再度熱交換器14へ到達する。
その後制御フローはリターンされ、ステップ(S10)の発熱源の冷却を終了するかどうかの判断に戻る。
ステップ(S10)で発熱源の冷却を終了すると判断されれば、冷却部30への冷媒の供給が停止され、HV機器31の冷却が停止される。
以上説明したように、実施の形態2の冷却装置1によれば、スポーツ走行モードの非選択時に、エアコンの運転状況に基づいて、「エアコン運転モード」と「ヒートパイプ運転モード」との両方の運転モードで、発熱源であるHV機器31を冷却できる。ヒートパイプ運転モードでは、圧縮機12を起動する必要なくHV機器31を確実に冷却できるので、HV機器31の冷却のために圧縮機12を常時運転する必要はない。そのため、圧縮機12の消費動力を低減して車両の燃費を向上することができ、加えて、圧縮機12を長寿命化できるので圧縮機12の信頼性を向上することができる。
冷却装置1の運転モードの切り換えのための圧縮機12の起動または停止に合わせて、切替弁52の開閉状態を制御する。これにより、エアコン運転モードとヒートパイプ運転モードとの切り換えをさらに確実に行なうことができ、各運転モード毎の適切な経路に冷媒を流通させることができる。
冷却装置1の運転モードの切り換えは、電気自動車の乗員が手動でコントロールパネルを操作してエアコンのON/OFFを切り替えることにより、行なうことができる。車室内の空調が必要ない場合に、乗員がエアコンをOFFにすれば、ヒートパイプ運転モードでHV機器31を冷却するように、冷却装置1の運転モードが切り替えられる。ヒートパイプ運転モードを選択すると圧縮機12は停止するので、圧縮機12の運転時間をより短縮することができる。その結果、圧縮機12の消費動力低減と、圧縮機12の信頼性向上との効果を、より顕著に得ることができる。
または、スポーツ走行モードを選択した場合に、「エアコンON/低温冷媒冷却運転モード」または「エアコンOFF/低温冷媒冷却運転モード」のいずれかの運転モードで、発熱源であるHV機器31を冷却できる。スポーツ走行モードが選択されHV機器31の発熱量が増大するとき、切替弁52によってバイパス経路41を経由する冷媒の流れを選択し、冷却部30からバイパス経路41を経由して気液分離器40へ流れる冷媒の流れを形成する。これにより、HV機器31の冷却能力を高めることができ、HV機器31からの発熱量に適した冷却性能を得ることができる。冷却部30の上流側の電子膨張弁38で冷媒を絞り膨張させ、冷却部30を流れる冷媒の温度を低下させることにより、HV機器31の冷却能力を一層向上することができる。
なお、これまでの実施の形態においては、HV機器31を例として車両に搭載された電気機器を冷却する冷却装置1について説明した。電気機器としては、少なくとも作動によって熱を発生させる電気機器であれば、インバータ、モータジェネレータなどの例示された電気機器に限定されるものではなく、任意の電気機器であってもよい。冷却の対象となる電気機器が複数個ある場合においては、複数の電気機器は、冷却の目標となる温度範囲が共通していることが望ましい。冷却の目標となる温度範囲は、電気機器を作動させる温度環境として適切な温度範囲である。
また、本発明の冷却装置1により冷却される発熱源は、車両に搭載された電気機器に限られず、熱を発生する任意の機器、または任意の機器の発熱する一部分であってもよい。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の冷却装置は、モータジェネレータ、インバータおよび電池などの電気機器を搭載する電気自動車などの車両における、車内の冷房を行なうための蒸気圧縮式冷凍サイクルを使用した電気機器の冷却に、特に有利に適用され得る。
1 冷却装置、10 蒸気圧縮式冷凍サイクル、12 圧縮機、14,15,18 熱交換器、16 膨張弁、21,22,23,24,25,26,27,33,34,35,36 冷媒通路、28 流量調整弁、30 冷却部、31 HV機器、32 冷却通路、38 電子膨張弁、40 気液分離器、41 バイパス経路、42 コンデンサファン、51 連通路、52 切替弁、80 制御部、81 ECU、82 エアコンスイッチ、83 スポーツ走行モード選択スイッチ、84 温度入力部、85 圧縮機制御部、87 バルブ制御部。
Claims (9)
- 発熱源を冷却する冷却装置であって、
冷媒を循環させるための圧縮機と、
前記冷媒と外気との間で熱交換する第一熱交換器と、
前記冷媒を減圧する減圧器と、
前記冷媒と空調用空気との間で熱交換する第二熱交換器と、
前記第一熱交換器と前記減圧器との間を流れる前記冷媒の経路上に設けられ、前記冷媒を用いて前記発熱源を冷却する冷却部と、
前記減圧器および前記第二熱交換器をバイパスするバイパス経路と、
前記冷却部から前記減圧器へ向かう前記冷媒の流れと前記バイパス経路を経由する前記冷媒の流れとを選択的に切り替える経路選択部と、を備え、
前記経路選択部は、前記発熱源による発熱量の増大時に、前記バイパス経路を経由する前記冷媒の流れを選択する、冷却装置。 - 前記冷媒の温度を低下させる減温器を備え、
前記減温器は、前記経路選択部が前記バイパス経路を経由する前記冷媒の流れを選択するとき、前記冷却部を流れる前記冷媒の温度を低下させる、請求項1に記載の冷却装置。 - 前記第一熱交換器と前記冷却部との間を流れる前記冷媒の経路上に設けられた電子膨張弁を備える、請求項2に記載の冷却装置。
- 前記第二熱交換器と前記圧縮機との間を流れる前記冷媒の経路上に設けられた気液分離器を備え、
前記冷却部から前記バイパス経路を経由して流れる前記冷媒は、前記気液分離器へ流入する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の冷却装置。 - 前記圧縮機と前記第一熱交換器との間を流れる前記冷媒の経路と、前記冷却部と前記減圧器との間を流れる前記冷媒の経路と、を連通する連通路を備える、請求項1から請求項4のいずれかに記載の冷却装置。
- 前記経路選択部は、前記冷却部から前記連通路へ向かう前記冷媒の流れを形成可能である、請求項5に記載の冷却装置。
- 発熱源を冷却する冷却装置の制御方法であって、
前記冷却装置は、
冷媒を循環させるための圧縮機と、
前記冷媒と外気との間で熱交換する第一熱交換器と、
前記冷媒を減圧する減圧器と、
前記冷媒と空調用空気との間で熱交換する第二熱交換器と、
前記第一熱交換器と前記減圧器との間を流れる前記冷媒の経路上に設けられ、前記冷媒を用いて前記発熱源を冷却する冷却部と、
前記減圧器および前記第二熱交換器をバイパスするバイパス経路と、
前記冷却部から前記減圧器へ向かう前記冷媒の流れと前記バイパス経路を経由する前記冷媒の流れとを選択的に切り替える経路選択部と、を備え、
前記発熱源による発熱量を判断するステップと、
前記発熱量を判断するステップにおいて発熱量がしきい値以上と判断された場合に、前記バイパス経路を経由する前記冷媒の流れを形成して前記発熱源を冷却するステップと、を備える、冷却装置の制御方法。 - 前記冷却装置は、前記第一熱交換器と前記冷却部との間を流れる前記冷媒の経路上に設けられた電子膨張弁を備え、
前記冷却するステップにおいて、前記電子膨張弁の開度を小さくして前記発熱源を冷却する、請求項7に記載の冷却装置の制御方法。 - 前記発熱量を判断するステップにおいて発熱量がしきい値以上と判断された場合に前記圧縮機の運転状態を判断するステップと、
前記運転状態を判断するステップにおいて前記圧縮機が停止中と判断された場合に、前記圧縮機を起動するステップと、を備える、請求項7または請求項8に記載の冷却装置の制御方法。
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