JP7428515B2 - 永久電流スイッチ、超電導電磁石装置、および超電導電磁石装置の永久電流運転方法 - Google Patents

永久電流スイッチ、超電導電磁石装置、および超電導電磁石装置の永久電流運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、高速で通電電流を変化させる超電導磁石の永久電流スイッチと、超電導磁石装置、それらを用いた永久電流運転方法に関する。
従来の超電導電磁石装置の基本的な回路は、超電導コイルと、超電導コイルに電流を供給する励磁電源と、永久電流運転するための閉回路を形成する永久電流スイッチと、超電導コイルに対して並列に設置された保護抵抗とを有して構成されている。
そして、前記の永久電流スイッチを開にした状態で励磁電源から超電導コイルに電流供給し、その後、永久電流スイッチを閉にした状態で励磁電源からの供給電流を無くすることで、超電導コイルおよび永久電流スイッチからなる超電導状態の閉回路に電流が流れ続ける永久電流運転となる。
この構成と手順によって、超電導電磁石は、長期に渡って磁場を保持することが可能である。
また、永久電流運転を解除するには、永久電流スイッチが閉状態のまま励磁電源から再び電流供給し、その後、永久電流スイッチを開にすることで励磁電源と超電導コイルが直結され永久電流モードが解除される(例えば、特許文献1)。
永久電流スイッチの方式には、主に機械式と熱式の2種類がある。機械式は、機械的な接点を設けて回路を開閉する方式である。一方、熱式は超電導体を使用したもので、冷却し超電導状態を保つことで閉状態とし、ヒータ等で臨界温度以上に加熱して常伝導転移させることで開状態とする方式である。
これらのうち機械式は、粒子加速器用磁石に代表される高速で電流変化させるものに利用される。
電流変化させる際、超電導コイルには誘導電圧が生じるが、その電圧は並列に設けられた永久電流スイッチにも印加されるため、有限の抵抗を持つ熱式の永久電流スイッチには超電導コイルに供給されるべき電流の一部が分流する。さらに、磁場変化が高速であればあるほど誘導電圧が大きくなり、永久電流スイッチに分流する電流が大きくなるため、機械式の永久電流スイッチが適用される。
ただし、機械式の課題として、永久電流運転を解除する際に、永久電流スイッチに電流が流れたまま開状態にすると、大電圧とともにアークが発生して接点が損傷するといった問題が発生する。
そこで、熱式の永久電流スイッチを直列に追加して、まず最初に熱式の永久電流スイッチを開状態にし、その抵抗にて永久電流スイッチに流れる電流を充分に減衰させ、その後、機械式の永久電流スイッチを開状態にする例がある。(例えば、特許文献2)
なお、特許文献1の[要約]には、「[目的]常電導転移時に超電導巻線の保護とともに、永久電流スイッチの保護を図る。[構成]保護回路は超電導磁石の超電導コイル1にスイッチ2を介して励磁電流を供給するための励磁電源3を接続し、コイル1と並列に熱式スイッチである永久電流スイッチ4を接続している。この永久電流スイッチ4は超電導導線5にヒータ6を巻き付け、このヒータ6用の電源7を備えて、ヒータ6のオン・オフによりスイッチ動作をさせる。そして、超電導コイル1は複数に分割され、各分割部分に並列に高い抵抗値R1の保護抵抗9をそれぞれ接続するとともに、コイル1全体に並列に低い抵抗値R2の保護抵抗10を接続している。」と記載され、超電導磁石の保護回路の技術が開示されている。
また、特許文献2の[要約]には、「[目的]簡単な構成および操作により大電流超電導電磁石の高速励磁、消磁を可能とした超電導磁石装置を提供する。[構成]冷却液を収納したクライオスタット11と、このクライオスタット11の冷却液内に収容された超電導コイル12と、この超電導コイル12の両端に接続されクライオスタット11の外部に導出された電流リード線13と、この電流リード線13にクライオスタット11の外部において接続され、超電導コイル12に電流を供給する電源14と、冷却液内に収容された超電導コイル12に並列に接続された機械式永久電流スイッチ15および熱式永久電流スイッチ16の直列回路とを備え、熱式永久電流スイッチ16を開いた後、機械式永久電流スイッチ15を開くことにより、機械式永久電流スイッチ15の接点の損傷を防止したもの。」と記載され、超電導磁石装置の技術が開示されている。
特開平5-190325号公報 特開平4-273108号公報
高速に通電電流を変化させて運転する超電導磁石(超電導電磁石)において永久電流運転をするには、電流変化中に永久電流スイッチへ電流が分流することを防ぐため、機械構造的に回路を切断する機械式の永久電流スイッチが適用されることがある。
しかしながら、機械式の永久電流スイッチの場合、閉状態での抵抗を完全にゼロにはできないため永久電流運転中に電流が減衰することになり、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置やNMR(Nuclear Magnetic Resonance)装置のように、数[μT]オーダーの精度で時間的に安定な磁場を生成し続けることが必須の製品には適用できないという課題(問題)があった。
また、特許文献1に開示された熱式の永久電流スイッチを採用した場合においても、機械式と同様に永久電流運転を解除する際に永久電流スイッチに電流が流れたまま開状態にすると高い電圧が発生するという課題(問題)があった。
また、特許文献2に開示された熱式の永久電流スイッチと機械式の永久電流スイッチを併用する場合においても、磁場の発生を停止する緊急遮断動作を実施する際に高い電圧が発生して、永久電流スイッチが損傷するという課題(問題)があった。
本発明は、高速で電流変化させる超電導電磁石においても、従来の熱式の永久電流スイッチを適用した超電導電磁石と同等の時間安定度を有する永久電流運転が可能であり、かつ、永久電流運転中の緊急遮断動作が可能な永久電流スイッチを提供することを課題(目的)とする。
前記の課題を解決するために、本発明を以下のように構成した。
すなわち、本発明の永久電流スイッチは、超電導電磁石装置に備えられて超電導コイルに並列に接続される永久電流スイッチであって、連続する超電導線と、導電体とが並列に構成された第1抵抗部と、連続する超電導線で構成された第2抵抗部と、前記第1抵抗部を加熱する第1ヒータと、前記第2抵抗部を加熱する第2ヒータと、
を備え、前記第1抵抗部と前記第2抵抗部はクライオスタットに収納され、前記第1抵抗部と前記第2抵抗部とは直列に接続され、前記第2抵抗部の常伝導状態における抵抗値は、前記第1抵抗部の常伝導状態における抵抗値よりも大きく前記第1抵抗部の超電導線と前記第2抵抗部の超電導線は、1本の連続する超電導線であり、当該1本の連続する超電導線は2本に束ねられ、前記第1の抵抗部の超電導線は、2本に束ねられた超電導線の折り返し部に形成され、前記第2抵抗部の超電導線は、2本に束ねられてボビンに巻回されることで無誘導の巻線として形成され、束ねられた2本の超電導線のそれぞれの巻線部において第2抵抗部が分割して形成されることを特徴とする。
また、その他の手段は、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、高速で電流変化させる超電導電磁石においても、従来の熱式の永久電流スイッチを適用した超電導電磁石と同等の時間安定度を有する永久電流運転が可能であり、かつ、永久電流運転中の緊急遮断動作が可能な永久電流スイッチを提供できる。
本発明の第1実施形態に係る永久電流スイッチと、当該永久電流スイッチを備える超電導電磁石装置の回路構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る永久電流スイッチの構造の一例を俯瞰して示す図である。 本発明の第1実施形態に係る永久電流スイッチの図2に示すIII-III間の断面構造の一例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る永久電流スイッチを用いて、超電導電磁石装置の永久電流運転を開始する手順であるフローチャート例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る永久電流スイッチを用いて、超電導電磁石装置の永久電流運転を解除する手順であるフローチャート例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る永久電流スイッチを用いて、超電導電磁石装置の永久電流運転中に消磁する緊急遮断の手順であるフローチャート例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る永久電流スイッチを用いて、超電導電磁石装置の励磁または消磁の途中で励磁電源が停止し、電流遮断器が開となった場合の緊急遮断の手順であるフローチャート例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る永久電流スイッチと、当該永久電流スイッチを備える超電導電磁石装置の回路構成例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る永久電流スイッチにおける複数の第1抵抗部のそれぞれの断面構造の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る永久電流スイッチを用いて、超電導電磁石装置の永久電流運転を解除する場合の手順であるフローチャート例を特徴あるステップについて示す図である。 本発明の第3実施形態に係る永久電流スイッチと、当該永久電流スイッチを備える超電導電磁石装置の回路構成例を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る永久電流スイッチと、当該永久電流スイッチを備える超電導電磁石装置の回路構成例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下においては「実施形態」と表記する)を、適宜、図面を参照して説明する。
≪第1実施形態:永久電流スイッチ≫
本発明の第1実施形態に係る永久電流スイッチ41と、当該永久電流スイッチ41を備える超電導電磁石装置101の回路構成と構造について図1~図3を参照して説明する。
なお、以下の説明は、永久電流スイッチ41に関連する超電導電磁石装置101、およびその永久電流運転方法と緊急遮断方法についての説明を兼ねる。
<永久電流スイッチ41と超電導電磁石装置101の回路構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る永久電流スイッチ41と、当該永久電流スイッチ41と超電導コイル3を備える超電導電磁石装置101の回路構成例を示す図である。
図1において、永久電流スイッチ41は、第1抵抗部4c、第2抵抗部4a、第2抵抗部4b、第1ヒータ6c、第2ヒータ6abを備えて構成されている。第2抵抗部4aと第1抵抗部4cと第2抵抗部4bとは、電気的に直列に接続されている。
第1抵抗部4c、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bには、詳細を後記するように、超電導線(20:図2、図3)を有して構成される。超電導線(20)は、例えば、MgB(二ホウ化マグネシウム)を用いて形成される。
第1抵抗部4cは、第1ヒータ6cによって加熱される。また、第2抵抗部4aと第2抵抗部4bは、第2ヒータ6abによって加熱される。
超電導(超伝導)状態の第1抵抗部4c、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bが、ヒータ(6c,6ab)の加熱によって臨界温度を越すと、常伝導状態に転移する。
なお、第1抵抗部4cと第2抵抗部4aと第2抵抗部4bを備える永久電流スイッチ41の詳細な構成と動作については、後記する。
また、超電導電磁石装置101は、クライオスタット2の中に、超電導コイル(超電導電磁石)3、永久電流スイッチ41、配線21a,21b,22a,22b,23a,23bを備えている。
超電導コイル3、および配線(超電導配線)21a,21b,22a,22b,23a,23bは、超電導線を備えて構成されている。
永久電流スイッチ41は、配線21a,21b,22a,22b,23a,23bによって、超電導コイル3に並列に接続されている。なお、永久電流スイッチ41の第1端子は配線21aに接続され、第2端子は配線21bに接続されている。
永久電流スイッチ41、超電導コイル3、配線21a,21b,22a,22b,23a,23bは、前記したように、クライオスタット2の内部に収納されている。配線22a,22bは、クライオスタット2の外部の配線52a,52bとそれぞれ接続されている。
第1ヒータ6cと第2ヒータ6abは、クライオスタット2の外部の電源(不図示)によって、それぞれ独立に加熱制御される。
クライオスタット2は、断熱支持構造を有し、密閉構造によって、収納物である永久電流スイッチ41と超電導コイル3の低温を保持する。そして、永久電流スイッチ41の第1抵抗部4c、第2抵抗部4a,4bと、超電導コイル3、および超電導線で構成された配線21a,21b,22a,22b,23a,23bは、図示していない冷却手段(冷却装置)によって、臨界温度以下に保たれる場合には、超電導(超伝導)状態となる。超電導状態においては、超電導線および超電導体で構成されるものの抵抗値は0(0[Ω])となる。
図1において、超電導電磁石装置101は、クライオスタット2の外部に設けられた励磁電源10、電流遮断器11、ダイオード8、保護抵抗7、配線51a,51b,52a,52b,53と、クライオスタット2の内部に設けられた永久電流スイッチ41(第1抵抗部4c、第2抵抗部4a、第2抵抗部4b、第1ヒータ6c、第2ヒータ6ab)、超電導コイル3、配線21a,21b,22a,22b,23a,23bを備えて構成される。
励磁電源10は、配線51a,51b,52a,52bと電流遮断器11を介して、超電導コイル3に接続され、超電導コイル3に電流を供給する。
ダイオード8と保護抵抗7は、配線53を介して直列に接続され、当該の直列体(8,7)は、配線52a,52bおよび配線22a,22b,23a,23bによって、超電導コイル3に並列に接続されている。
なお、クライオスタット2の外部に設けられた配線(常伝導配線)51a,51b,52a,52b,53は、超電導線ではなく、低温となっても超電導状態とならない一般的な導線(電導線、常伝導線)で構成される。
また、配線52a,52bは、前記したように、配線22a,22bと、クライオスタット2に設けられた中継点であるパワーリード(不図示)を介して、それぞれ接続されている。
また、励磁電源10は、直流の電流源である。
また、超電導電磁石装置101における励磁電源10の電流量制御、電流遮断器11の開閉、第1ヒータ6c、第2ヒータ6abの加熱操作、クライオスタット2の冷却操作などは、図示していない制御部(制御系)の指令によって行われる。
<永久電流スイッチ41の詳細な構成>
永久電流スイッチ41の構成を、図1を参照して詳細に説明する。
永久電流スイッチ41は、第1抵抗部4cと第2抵抗部4a、第2抵抗部4bと第1ヒータ6c、第2ヒータ6abを備えて構成される。
第1抵抗部4cは、所定の第1の長さの超電導線(20c,20:図2)と、導電性素材からなる導電体(32:図2)を有しており、超電導線(20,20c)の一部に導電体(32)を付加し、半田などの接合手段で電気的に結合した構成である。
第2抵抗部4aおよび第2抵抗部4bは、所定の第2の長さの超電導線(20a,20b,20)によって構成されており、導電体(32)は付加されていない。
なお、第2抵抗部4aおよび第2抵抗部4bは、機能としては同じものであるので、一つの第2抵抗部として集約する方法もあるが、詳細は後記するように、電導線(超電導線)として、無誘導性を確保するために、2本に束ねる構造としている。そして、それら2本の電導線(超電導線)を用いて、2箇所に第2抵抗部の機能を有する第2抵抗部4aおよび第2抵抗部4bを設けているので、図1に示す永久電流スイッチ41の構成となっている。
なお、超電導線(20)は、詳細は図2、図3を参照して後記するように、1本の超電導線(20a,20c,20b)で構成されている。1本の超電導線(20)を所定の折り返し部(31)で折り曲げて重ねる。重ねられて束ねられた部分が超電導線(20a,20b)となり、折り返し部(31)の部分が超電導線(20c)となる。
超電導(超伝導)と常伝導の境である臨界温度以下においては、第1抵抗部4cと第2抵抗部4a,4bは、共に超電導線(20)を有しているので、超電導線(20)が超電導状態となって、共に抵抗値は0(0[Ω])となる。
しかし、臨界温度を越した場合には、第1抵抗部4cと第2抵抗部4a,4bとは、異なる特性を示す。
臨界温度を越した温度になると、超電導線(20)は超電導状態ではなくなる。そのため、超電導線(20)は大きな抵抗値(高抵抗)となる。
例えば、第1抵抗部4cの超電導線(20c)は、抵抗値RLCとなる。第2抵抗部4aの超電導線(20a)は、抵抗値RLAとなる。第2抵抗部4bの超電導線(20b)は、抵抗値RLBとなる。
ただし、第1抵抗部4cは、前記したように、超電導線(20c)と導電体(32)とが並列に接続された構成である。導電体(32)の所定の抵抗値を、例えば、低抵抗である抵抗値Rcとする。なお、抵抗値Rc<抵抗値RLCである。
そのため、第1抵抗部4cの抵抗値は、臨界温度以下の超低温では、抵抗値は0(0[Ω])となり、臨界温度を越した温度では、概ね抵抗値Rcとなる。
なお、導電体(32)の抵抗値Rc、あるいは抵抗値RLA、抵抗値RLB、抵抗値RLCも実際には、絶対温度T[K]によって変化するが、超電導線(20,20a,20b,20c)の臨界温度を跨ぐ抵抗値の変化に比較すれば、充分に抵抗値の変化が小さいので、前記の抵抗値(Rc、RLA、RLB、RLC)として、簡易的な説明に留める。
また、第2抵抗部4aと第2抵抗部4bは、超電導線(20a,20b)の構成であって、導電体(32)を備えていないので、臨界温度を越した温度になると、抵抗値は、それぞれ抵抗値RLAと、抵抗値RLBとになる。
なお、第1抵抗部4cと第2抵抗部4aと第2抵抗部4bにおける超電導線の長さは、臨界温度を越した温度において、超電導線の抵抗値としては、それぞれ抵抗値RLC、抵抗値RLA、抵抗値RLBとなるように、設定される。
永久電流スイッチ41は、第2抵抗部4aと第1抵抗部4cと第2抵抗部4bの直列回路で構成されている。
そのため、第1抵抗部4c、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bがすべて、臨界温度以下の超電導状態であれば、永久電流スイッチ41の抵抗値は0(0[Ω])である。
次に、第1抵抗部4cを、臨界温度を越した状態にすると、永久電流スイッチ41の抵抗値は抵抗値Rcとなる。ただし、Rc≪RLCとする。
次に、第1抵抗部4c、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bをすべて、臨界温度を越した状態にすると、永久電流スイッチ41の抵抗値は、抵抗値(Rc+RLA+RLB)なる。なお、この抵抗値は、概ね、抵抗値(RLA+RLB)と近似できる。
また、第1抵抗部4cを臨界温度以下の超低温にするには、クライオスタット2の内部に収納された永久電流スイッチ4を冷却手段(不図示)で冷却する。
また、第1抵抗部4cを、臨界温度を越した温度にするためには、第1ヒータ6cで加熱する。
また、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bを、臨界温度を越した温度にするためには、第2ヒータ6abで加熱する。
なお、第1ヒータ6cと第2ヒータ6abは、それぞれ独立に加熱制御できる。
<永久電流スイッチ41の構造例>
図1に示した回路構成を実現する永久電流スイッチ41の具体的な構造例を、図2および図3を参照して説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る永久電流スイッチ41の構造の一例を俯瞰して示す図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係る永久電流スイッチ41の図2に示すIII-III間の断面構造の一例を示す図である。
図2および図3に示すように、永久電流スイッチ41の第1抵抗部4c、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bは、超電導線20とボビン25と導電体32との構造体によって形成されている。
ボビン25は、中心軸Zを有する円柱または円筒である。また、ボビン25の円柱または円筒の周辺部には、超電導線20(20a,20b)を収納する溝26が形成されている。
また、ボビン25の円柱または円筒の上部の周囲には、導電素材からなる導電体32が一部を除いて環状(輪状)に配置されている。
導電体32は、前記したように、円柱または円筒の上部の周囲に配置されているが、一周はせずに、両端は離れて構成されている。なお、導電体32は、例えばステンレスや銅(安定化銅)が用いられる。
図2と図3において、超電導線20(20a,20c,20b)は、連続した1本の超電導線で構成されている。この1本の超電導線20で、第2抵抗部4a、第2抵抗部4b、第1抵抗部4cにおける超電導線20a,20b,20cを構成している。
図2に示すように、配線21aと配線21bに対して、2本に束ねられた超電導線20(20a,20b)のそれぞれの一端がそれぞれ接続されている。すなわち、超電導線20aは配線21aに接続され、超電導線20bは配線21bに接続されている。
また、配線21aと配線21bは、図1で説明したように、永久電流スイッチ41の第1端子と第2端子とにそれぞれ接続される。
なお、超電導線20a,20bは、絶縁物で周囲を被覆されている。
2本に束ねられた超電導線20(20a,20b)は、図3および図2に示すように、ボビン25の周辺に設けられた溝26を複数回、周回して配置される。また、溝26を複数回、周回している超電導線20(20a,20b)の部分を超電導線の巻線部とも表記する。
なお、溝26に収納された2本に束ねられた超電導線20の1本は、第2抵抗部4aの超電導線20aを構成し、他の1本は、第2抵抗部4bの超電導線20bを構成する。
また、2本に束ねられた超電導線20の折り返し部31における超電導線20cは、図3に示すように導電素材による導電体32の周囲を一周する。この超電導線20cは、第1抵抗部4cの一部を構成する。
超電導線20cは、超電導線20cの周囲を被覆する絶縁物の一部、または全部は除去され、超電導線20cと導電体32とが、半田などの接合手段で電気的に並列に接続される。
前記したように、導電体32は、円柱または円筒の上部の周囲に配置されているが、一周はせずに、両端は離れて構成されている。この導電体32が離れている部分においては、図2に示すように、超電導線20cは、円周を回る分離された構成となっている。
両端が離れて構成された導電体32(抵抗値Rc)と、折り返し部31を一周する超電導線20cとの並列回路が図1における第1抵抗部4cを構成する。
なお、図3および図2に示すように、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bにおける超電導線20a、超電導線20bに対して、第1抵抗部4cの超電導線20cを比較すると、円周を周回する巻線の回数が大きく異なるので、それぞれの超電導線の長さが異なる。
そのため、超電導線20が常伝導となった場合の抵抗は、超電導線20のみの抵抗としては、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bの抵抗値(RLA,RLB)は、第1抵抗部4cの超電導線20(20c)のみの抵抗値(RLC)よりも充分に大きい。
さらに、第1抵抗部4cには、抵抗値Rcの導電体32が超電導線20cに並列に設けられているので、常伝導状態における第2抵抗部4a、第2抵抗部4bの抵抗値(RLA,RLB)は、第1抵抗部4cの抵抗値Rcよりも充分に大きい。
以上の構成によって、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bは、臨界温度以下で超電導状態の場合には、ともに抵抗値は0(0[Ω])となる。また、臨界温度を越して常伝導状態となった場合には、高抵抗(RLA,RLB)となる。
また、第1抵抗部4cは、臨界温度以下で超電導状態の場合には、抵抗値は0(0[Ω])となる。ただし、臨界温度を越して常伝導状態となった場合には、超電導線20cは高抵抗(RLC)となるが、前記したように、並列に接続されている導電体32の作用により、所定の抵抗値(Rc)となる。
また、前記したように、第2抵抗部4a、第2抵抗部4b、第1抵抗部4cにおける超電導線20は、連続した1本の超電導線で構成され、この超電導線20が2本に束ねられ巻回された構造となっている。2本に束ねられた超電導線20(20a,20b)に、それぞれ流れる電流は、絶対値が等しく、互いに空間的に逆方向である。そのため、二つの超電導線20(20a,20b)に流れる電流が発生する磁場は、互いに相殺する。すなわち、2本に束ねられた超電導線20(20a,20b)を有する永久電流スイッチ41は、それ自身が磁場を発生して超電導コイル3が発生する磁場を乱すことが無いように、または、自身が発生する磁場でその臨界電流値が低下しないように無誘導の作用となる構成となっている。
なお、第1抵抗部4cにおける超電導線20cは、図2、図3に示すように、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bにおける超電導線20a,20bに比較すると、常伝導時の抵抗に比例して非常に短い構成である。すなわち、超電導線20cは、配線長が非常に短く、発生する磁場も小さいことから、図3においても、無誘導性について、配慮した構成とはなっていない。
また、図1に示す回路図においては、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bとは別の位置に配置されているように記載されているが、実際には、図3に示すように、2本を束ねて構成されているので、ボビン25の溝26へ一緒に巻線として配置されている。そのため、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bの常伝導状態における抵抗値RLA、抵抗値RLBは概ね等しい。
また、前記した構成によって、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bは、図1に示すように、一つの第2ヒータ6abによって、加熱制御される。
また、図3に示すように、第1抵抗部4cは、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bと別の位置に配置されているので、第1ヒータ6c(図1)によって、独立に加熱制御がしやすい構造となっている。
<永久電流スイッチ41と超電導電磁石装置101の動作・作用>
次に、永久電流スイッチ41と、超電導電磁石装置101の動作・作用について説明する。
<永久電流スイッチ41の動作・作用>
永久電流スイッチ41は、前記のように、第1抵抗部4cと第2抵抗部4aと第2抵抗部4bが直列に接続されて構成されている。
したがって、永久電流スイッチ41は、臨界温度以下の低温にすれば、第1抵抗部4c、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bの抵抗値は、すべて0(0[Ω])となるので、永久電流スイッチ41の抵抗値は0(0[Ω])となる。この状態の永久電流スイッチ41をスイッチの状態としての「閉」と称するものとする。
また、永久電流スイッチ41を、臨界温度を越した温度に設定すれば、第1抵抗部4c、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bのそれぞれの抵抗値は、順に、抵抗値Rc、抵抗値RLA、抵抗値RLBとなるため、永久電流スイッチ41の抵抗値は、合計された抵抗の抵抗値(Rc+RLA+RLB)となって非常に大きい値となる。この状態の永久電流スイッチ41を「開」と称するものとする。
また、永久電流スイッチ41を、はじめ臨界温度以下の低温にする。その後、第1抵抗部4cを第1ヒータ6cで加熱して、第1抵抗部4cのみを臨界温度を越した温度に設定すれば、第1抵抗部4c、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bのそれぞれの抵抗値は、順に、抵抗値Rc、抵抗値0、抵抗値0となるため、永久電流スイッチ41の抵抗値は、合計された抵抗の抵抗値Rc(抵抗値(Rc+0+0))となる。
すなわち、永久電流スイッチ41を抵抗値0の「閉」の状態と、抵抗値(Rc+RLA+RLB)の「開」の状態との間に、抵抗値Rcの状態、つまり中間の抵抗値の状態を設けている。
この中間の抵抗値を設けることによって、後記するように、永久電流スイッチ41に流れる電流の急激な変化や、過電圧の印加を抑制する。
<超電導電磁石装置101の動作・作用>
図1で示した永久電流スイッチ41や超電導電磁石装置101の動作・作用については、様々な場合の動作がある。以下においては、「超電導電磁石装置の永久電流運転を開始する場合」、「超電導電磁石装置の永久電流運転を解除する場合」、「永久電流運転中に消磁する緊急遮断の場合」、「励磁または消磁の途中で励磁電源が停止し、電流遮断器が開となった場合」のそれぞれについて、永久電流スイッチ41や超電導電磁石装置101の動作・作用について順に説明する。
[超電導電磁石装置101の永久電流運転を開始する場合のフローチャート]
超電導電磁石装置101における超電導コイル3を超電導状態にしてから、励磁電源10から電流を供給し、永久電流スイッチ41を「閉」にして、超電導コイル3と永久電流スイッチ41とからなる超電導状態の閉回路に電流がほとんど減衰することなく流れ続ける永久電流運転(永久電流運転モード)を開始する手順について、図4のフローチャートを参照して詳しく説明する。
図4は、本発明の第1実施形態に係る永久電流スイッチ41を用いて、超電導電磁石装置101の永久電流運転を開始する手順であるフローチャートを示す図である。
図4におけるステップS400~ステップS407について、図1を参照しつつ、順に説明する。
<ステップS400>
ステップS400においては、超電導電磁石装置101が図示していない制御部(制御系)から永久電流運転指令を受ける。
<ステップS401>
ステップS401においては、クライオスタット2内部を臨界温度以下に冷却して、超電導コイル3と永久電流スイッチ41を超電導状態とする。また、クライオスタット2内部の配線(超電導配線)21a,21b,22a,22b,23a,23bも超電導状態とする。
なお、このとき、電流遮断器11は「開」、つまり遮断されている状態である。
<ステップS402>
ステップS402においては、永久電流スイッチ41の第2抵抗部4aと第2抵抗部4bを第2ヒータで加熱して、常伝導状態とし、永久電流スイッチ41を高抵抗とする。すなわち、永久電流スイッチ41を「開」とする。
なお、第2ヒータの加熱は、第2抵抗部4a,4bが臨界温度を少し越す程度とし、クライオスタット2内部の全体の温度や、超電導コイル3の超電導状態(臨界温度以下の状態)が影響を受けない程度に行う。
<ステップS403>
ステップS403においては、電流遮断器11を「閉」として導通状態とする。そして、励磁電源10から超電導コイル3に電流を、測定しながら、徐々に増加するように供給し、所定の電流値とする。
なお、励磁電源10から超電導コイル3に電流を徐々に供給するのは、電流量の変化が大きすぎると超電導コイル3の発生する逆起電力によって、電気的に関連する箇所が破壊される可能性があるからである。具体的な数値例は後記する。
なお、永久電流スイッチ41は、高抵抗の「開」の状態であるので、永久電流スイッチ41には電流は流れない。
また、ダイオード8の作用により、保護抵抗7には電流が流れない。
<ステップS404>
ステップS404においては、永久電流スイッチ41の第2ヒータの加熱を停止し、クライオスタット2内部における冷却手段によって、永久電流スイッチ41を冷却する。そして、永久電流スイッチ41を臨界温度以下にして、超電導状態とし、永久電流スイッチ41を抵抗値0の「閉」として、永久電流スイッチ41に電流が流れる状態にする。
<ステップS405>
ステップS405においては、励磁電源10から超電導コイル3への電流供給を徐々に低減し、最終的に励磁電源10からの電流供給を0にする(停止する)。この際、励磁電源10からの供給電流は減少するが、超電導コイル3は、そのインダクタンスの作用で電流を維持しようとするため、永久電流スイッチ41側に電流を迂回させて、超電導コイル3に戻すことで電流を維持しようとする。
なお、励磁電源10から供給される電流が減った分だけ、永久電流スイッチ41側へ電流が迂回することから、励磁電源10からの電流供給が0になった段階では、超電導コイル3と永久電流スイッチ41に流れる電流値は一致することになる。
<ステップS406>
ステップS406においては、電流遮断器11を「開」として遮断する。
<ステップS407>
ステップS407においては、共に超電導状態にある超電導コイル3と永久電流スイッチ41との閉回路による永久電流運転(永久電流運転モード)となる。
以上の手順によって、超電導電磁石装置101は、長期に渡って超電導コイル3の生成する磁場を保持することが可能である。
となる。
《超電導電磁石装置101の動作・作用の数値例の前提》
本発明の第1実施形態に係る超電導電磁石装置101の数値で示す動作・作用例を以下に説明する。
一例として、超電導コイル3のインダクタンスがMRI(Magnetic Resonance Imaging)等に適用される大型電磁石に相当する20[H](ヘンリー)で、永久電流スイッチの低抵抗部位である第1抵抗部4cの「開」時の抵抗が1[Ω]、永久電流スイッチの高抵抗部位である第2抵抗部4aおよび第2抵抗部4bの「開」時の抵抗値(RLA+RLB)が合計で500[Ω]、保護抵抗7が1[Ω]の場合について説明する。
なお、第1抵抗部4cが「閉」時の抵抗は0[Ω]、第2抵抗部4aおよび第2抵抗部4bが「閉」時の抵抗は0[Ω]である。
また、永久電流スイッチの低抵抗部位である第1抵抗部4cの「開」時の抵抗、すなわち第1抵抗部4cが常伝導転移(常伝導状態)した際の抵抗値は、保護抵抗7の抵抗値以上に設定する。
《超電導電磁石装置101を高速で電流変化させた際の動作の数値例》
超電導電磁石装置101を高速で電流変化させた際の動作について、数値例を示して説明する。
前記の[超電導電磁石装置の永久電流運転を開始する場合のフローチャート]におけるステップS403においては、永久電流スイッチ41を「開」状態において、励磁電源10から超電導コイル3に電流を供給している。
前記のステップS403においては、「励磁電源10から超電導コイル3に電流を徐々に増加するように供給し」と表記している。そして、「なお、励磁電源10から超電導コイル3に電流を徐々に供給するのは、電流量の変化が大きすぎると超電導コイル3の発生する逆起電力によって、電気的に関連する箇所が破壊されることや焼損する可能性があるからである。具体的な数値例は後記する。」と記載した。以下に、「超電導電磁石装置101を高速で電流変化させた際の動作」の数値例を示す。
前記した数値例の場合には、超電導電磁石装置101を20[A/s]の速度で通電電流を変化させると、超電導コイル3の両端には400[V](=20[H]×20[A/s])の誘導電圧が生じる。この電圧が永久電流スイッチ41の両端に印加される。
また、「開」状態の永久電流スイッチ41には、約500[Ω](厳密には501[Ω])の抵抗が発生している。そのため、永久電流スイッチ41に分流して流れる電流値は、約0.8[A](=400[V]/500[Ω])と充分に小さい値に制限される。
このように、永久電流スイッチ41が「開」状態において、超電導電磁石装置101は、高速(例えば前記の20[A/s]の速度)での電流変化が可能である。
[超電導電磁石装置101の永久電流運転を解除する場合のフローチャート]
次に、超電導電磁石装置101の永久電流運転を解除する場合について説明する。
永久電流運転を解除するには、永久電流スイッチ41が「閉」状態のまま、電流遮断器11を「閉」にして、励磁電源10から再び電流を供給する。その後、永久電流スイッチ41を「開」にする。
以上の手順を実施することで、励磁電源10と超電導コイル3が直結され、永久電流運転モードが解除される。
以上の「超電導電磁石装置の永久電流運転を解除する場合」の詳細を、図5のフローチャートとして説明する。
図5は、本発明の第1実施形態に係る永久電流スイッチ41を用いて、超電導電磁石装置の永久電流運転を解除する手順であるフローチャート例を示す図である。
図5におけるステップS500~ステップS507について、図1を参照しつつ、順に説明する。
<ステップS500>
ステップS500においては、共に超電導状態にある超電導コイル3と永久電流スイッチ41との閉回路で、永久電流運転の状態にある。
なお、電流遮断器11は、「開」の状態である。
<ステップS501>
ステップS501においては、超電導電磁石装置101が図示していない制御部(制御系)から永久電流運転を解除する指令を受ける。
<ステップS502>
ステップS502において、永久電流運転の解除を開始する。
永久電流スイッチ41が「閉」状態のまま、電流遮断器11を「閉」にする。
<ステップS503>
励磁電源10から永久電流スイッチ41へと電流供給する。この際、永久電流運転中に永久電流スイッチ41に流れていた電流とは反対方向に電流供給することとなり、永久電流スイッチ41に流れる電流を相殺して小さくすることが可能である。
<ステップS504>
励磁電源10から永久電流スイッチ41への電流供給が所定の電流値に達し、永久電流スイッチ41に流れる電流が小さくなったのを検知する。
<ステップS505>
ステップS505においては、まず、永久電流スイッチ41の第1抵抗部4cを第1ヒータ6cで加熱して、第1抵抗部4cを常伝導状態として、抵抗値Rcとする。
なお、この段階では、第2抵抗部4a,4bは、超電導状態にあって、第2抵抗部4aと第2抵抗部4bは、共に抵抗値0である。
すなわち、永久電流スイッチ41は、小さな抵抗値である抵抗値Rcとなる。抵抗値(Rc)が小さければ、永久電流スイッチ41が発生するジュール熱は小さいので、永久電流スイッチ41が焼損することはない。
この小さい抵抗値Rcで永久電流スイッチ41に流れる電流が、さらに減衰するのを待つ。
<ステップS506>
ステップS506において、永久電流スイッチ41に流れる電流が、充分に減衰したことを確認後に、永久電流スイッチ41の第2抵抗部4aと第2抵抗部4bを第2ヒータ6abで加熱する。
加熱された第2抵抗部4aと第2抵抗部4bがそれぞれ抵抗値RLA、抵抗値RLBの大きな抵抗値となると、永久電流スイッチ41は「開」となる。
なお、永久電流スイッチ41の抵抗値は、概ね(RLA+RLB)となって、大きな抵抗値となるが、永久電流スイッチ41に流れる電流値は、ほぼ0となっているので、永久電流スイッチ41が発生するジュール熱は非常に小さく、永久電流スイッチ41が焼損することはない。
<ステップS507>
ステップS507においては、電流遮断器11は、「閉」であり、永久電流スイッチ41は、「開」の状態であるので、超電導コイル3には励磁電源10から供給される電流のみが流れる状態となる。すなわち、超電導コイル3は、永久運転状態が解除される。また、励磁電源10による超電導コイル3の電流制御が可能となる。
《永久電流運転を解除して励磁電源の電流供給に移行する際の動作の数値例》
超電導コイル3の永久電流運転を解除して励磁電源10の電流供給に移行する際の動作について、前記のように、図5で示したフローチャートのステップS500~S507で手順を説明したが、移行する際の動作を、以下に数値例を示して、さらに説明する。
図1および図5において、超電導コイル3の永久電流運転を解除する際、最初に電流遮断器11を閉じて(ステップS502)、励磁電源10から超電導コイル3と永久電流スイッチ41に電流を供給する(ステップS503、S504)。その後、永久電流スイッチ41を「開」にして(ステップS505,S506)、励磁電源10から超電導コイル3に電流を供給する。
ただし、永久電流スイッチ41を「開」にする前の段階において、超電導コイル3と永久電流スイッチ41からなる閉回路に流れる電流と、励磁電源10から永久電流スイッチ41に流す電流とに差がある場合、永久電流スイッチ41には、相殺されない電流が残ってしまう。
例えば、その差分の電流が1Aだった場合、そのまま永久電流スイッチ41を0[Ω]の「閉」から500[Ω]の「開」にすると500[V](=1[A]×500[Ω])もの大電圧が発生し、励磁電源10の制御回路(不図示)や永久電流スイッチ41が故障するといった不具合が発生することがある。
そこで、永久電流スイッチ41(第1抵抗部4c、第2抵抗部4a,4b)を超電導状態の0[Ω]の状態(閉)から、永久電流スイッチ41の第1抵抗部4cを第1ヒータにて加熱して常伝導転移させる。この第1抵抗部4cが常伝導状態のとき、第1抵抗部4cは1[Ω]であり、第2抵抗部4a,4bは超電導状態のままであるので、第2抵抗部4a,4bは0[Ω]であって、永久電流スイッチ41としては合計の1[Ω]である。
したがって、第1抵抗部4cのみを、まず常伝導転移させると、発生電圧は1[V](=1[A]×1[Ω])程度で済む。
その後、この状態(永久電流スイッチ41が1[Ω])を保持する。そして、永久電流スイッチ41に流れる電流が充分に小さくなるまで減衰させる。
永久電流スイッチ41に流れる電流が充分に小さくなった後に、永久電流スイッチ41の第2抵抗部4a,4bを第2ヒータ6abによって加熱して常伝導転移させる。常伝導転移後において、永久電流スイッチ41は概ね500[Ω]となり「開」の状態となる。
以上の手順を行うことによって、大電圧を発生せずに超電導コイル3の永久電流運転を解除することが可能となる。
ちなみに、本(第1)実施形態の永久電流運転を解除する際の動作例では、超電導コイル3のインダクタンスが20[H]としたので、永久電流スイッチ41に流れる電流は、20[秒](=20[H]/1[Ω])の時定数で減衰することになる。
例えば、この時定数の6倍となる120[秒]程度の時間だけ待てば、永久電流スイッチ41に流れる電流は、最初の1/72となる約0.014[A]まで減衰する。
この減衰した状態で永久電流スイッチ41を「開」にした場合の発生電圧は、約7[V]程度(=500[V]/72)で済むことになる。
すなわち、約7[V]程度の低い電圧であれば、励磁電源10の制御回路(不図示)が故障するといった不具合が発生することはない。
なお、以上において、120[秒]程度の時間を待って、永久電流スイッチ41を「開」にする場合を例として説明したが、従来の超電導電磁石(超電導磁石)が1時間程度をかけて開閉することもある場合に比較すると、非常に高速である。
[永久電流運転中に消磁する緊急遮断の場合のフローチャート]
次に、超電導電磁石装置101において、超電導コイル3を、励磁電源10と切り離して、永久電流運転中に消磁する緊急遮断の場合について説明する。
永久電流運転中に消磁する緊急遮断については、永久電流スイッチ41の体積が超電導コイル3と比較して小さく、ヒータ加熱等で素子全体を加熱可能な永久電流スイッチ41を常伝導転移させる方法が有効となる。
以上の「永久電流運転中に消磁する緊急遮断の場合」の詳細を、図6のフローチャートとして説明する。
図6は、本発明の第1実施形態に係る永久電流スイッチ41を用いて、超電導電磁石装置101の永久電流運転中に消磁する緊急遮断手順であるフローチャート例を示す図である。
図6におけるステップS600~ステップS604について、図1を参照しつつ、順に説明する。
<ステップS600>
ステップS600においては、共に超電導状態にある超電導コイル3と永久電流スイッチ41との閉回路で、永久電流運転の状態にある。
なお、電流遮断器11は、「開」の状態である。
<ステップS601>
ステップS601においては、永久電流運転の緊急遮断の必要な状況が発生し、そして指令を受ける。
<ステップS602>
ステップS602において、永久電流運転中の超電導コイル3の緊急遮断を開始するにあたって、永久電流スイッチ41の第1抵抗部4cを第1ヒータ6cで加熱して、第1抵抗部4cを常伝導転移させる。
この第1抵抗部4cが常伝導転移したとき、第1抵抗部4cおよび永久電流スイッチ41は、1[Ω]となる。なお、第2抵抗部4a,4bは、超電導状態のままである。
<ステップS603>
ステップS603においては、ステップS602で永久電流スイッチ41が1[Ω]となったので、永久電流スイッチ41が0[Ω]ではなくなっている。
そのため、超電導コイル3と永久電流スイッチ41とから構成される閉回路に流れていた電流は、クライオスタット2の外部に接続されていた保護抵抗7にも分流して流れ始める。
なお、永久電流スイッチ41の第1抵抗部4cが1[Ω]として電流が流れても、前記したように、永久電流スイッチ41の第2抵抗部4a,4bについては、常伝導転移していないため0[Ω]であって、第2抵抗部4a,4bでジュール発熱が発生することはなく、第2抵抗部4a,4b、および永久電流スイッチ41が損傷することはない。
また、第1抵抗部4cが1[Ω]であって、この抵抗値によるジュール発熱は小さい値であるので、第1抵抗部4c、および永久電流スイッチ41が損傷することはない。
<ステップS604>
ステップS604においては、保護抵抗7と永久電流スイッチ41の第1抵抗部4cでジュール発熱することで、超電導コイル3に流れていた電流が減衰する。
このように、超電導コイル3に流れていた電流が減衰することにより、超電導コイル3が消磁され、超電導コイル3を緊急遮断することができる。
《永久電流運転中の超電導コイルの緊急遮断における動作の数値例》
以上のステップS600~ステップS604で示したように、永久電流スイッチ41の第1抵抗部4cを第1ヒータ6cで加熱して常伝導転移させることにより、超電導コイル3や永久電流スイッチ41や励磁電源10を損傷することなく、永久電流運転中に超電導コイル3を緊急遮断することができる。
前記の緊急遮断の例の場合には、永久電流スイッチ41(第1抵抗部4c)が1[Ω]であり、保護抵抗7も1[Ω]であるので、並列の関係となる保護抵抗7と永久電流スイッチ41(第1抵抗部4c)との合成抵抗は0.5[Ω]となる。
したがって、超電導コイル3が消磁されるときの時定数は、40[秒](=20[H]/0.5[Ω])となる。
例えば、時定数の4倍となる160[秒]の時間が経過すれば、超電導コイル3の発生する磁場は、運転中の1/16程度まで減衰させることが可能となる。
すなわち、超電導コイル3を、永久電流運転中に消磁する緊急遮断については、概ね160[秒]で可能となる。さらに最適な定数を選択して構成すれば、1[分](60[秒])以内の緊急遮断が可能となる。
なお、緊急遮断に要する時間を短縮するには、保護抵抗7および永久電流スイッチ41の第1抵抗部4cの常伝導における抵抗値を大きくする必要がある
しかしながら、保護抵抗7や第1抵抗部4cの常伝導における抵抗値を大きくすると、永久電流運転を解除する際に発生する電圧が高くなる。そのため、励磁電源10の耐電圧性能を高くするといったことが必要となる。
また、緊急遮断操作では、永久電流スイッチ41および保護抵抗7でのジュール発熱で電流を減衰させるが、低温となるクライオスタット2の内部にある永久電流スイッチ41の発熱量が大きいと、永久電流スイッチ41を再冷却して励磁再開するための所要時間が長くなる。
そこで、保護抵抗7の抵抗値を下げて緊急遮断時に保護抵抗7に流れる電流値を大きくし、クライオスタット2の外部で大きくジュール発熱させる方法が考えらえるが、緊急遮断に要する時間が長くなる点に注意する必要がある。
すなわち、永久電流スイッチ41を再冷却して励磁再開するための所要時間と、緊急遮断に要する時間とを考慮して、超電導電磁石装置101の用途、仕様に最適な永久電流スイッチ41や保護抵抗7を設定する必要がある。
「励磁または消磁の途中で励磁電源が停止し、電流遮断器が開となった場合のフローチャート」
次に、超電導電磁石装置101の励磁または消磁の途中で励磁電源10が停止し、電流遮断器11が開となった場合について図1、図7を参照して説明する。
図7は、本発明の第1実施形態に係る超電導電磁石装置101の励磁または消磁の途中で励磁電源10が停止し、電流遮断器11が開となった場合の動作のフローチャート例を示す図である。
なお、超電導電磁石装置101の励磁または消磁の途中では、永久電流スイッチ41は「開」の状態である。
<ステップS700>
ステップS700においては、超電導コイル3の励磁または消磁の状態であった。
<ステップS701>
ステップS701においては、励磁および消磁の途中に、何らかの理由で励磁電源10が停止し、電流遮断器11が緊急遮断した。
<ステップS702>
ステップS702においては、超電導電磁石装置101の保護抵抗7に電流が流れ、ジュール熱が発生し、電流が減衰する。これに伴って、超電導コイル3に流れる電流は減少し、超電導コイル3は消磁される。
なお、前記したように、永久電流スイッチ41は「開」の状態であって、高抵抗を示し電流が殆ど流れない状態である。
《励磁電源が停止した場合の動作の数値例》
励磁および消磁の途中に、何らかの理由で励磁電源10が停止し、電流遮断器11が開となった場合の動作について、数値例でさらに説明する。
励磁および消磁の途中に、何らかの理由で励磁電源10が停止した場合には、超電導コイル3、保護抵抗7(ダイオード8を含む)、永久電流スイッチ41から構成される閉回路を電流が流れるようになる。
その際、保護抵抗7と永久電流スイッチ41に流れる電流は、それぞれの抵抗値の逆数に比例して流れる。前記のように永久電流スイッチ41が合計500[Ω]、保護抵抗7が1[Ω]とする。
例えば、電流遮断器11が「開」になる直前に励磁電源10から供給されていた電流が500[A]だった場合、永久電流スイッチ41に約1[A]、保護抵抗7に約499[A]の電流が流れることになり、保護抵抗7を主としたジュール発熱で電流が減衰して消磁される。
したがって、超電導コイル3の励磁中に、何らかの理由で励磁電源10が停止し、電流遮断器11が開となっても、永久電流スイッチ41に流れる電流は充分に小さいため、永久電流スイッチ41が損傷するようなことはない。
<第1実施形態の総括>
前記したように、第1実施形態の永久電流スイッチ41、および関連して説明した超電導電磁石装置101、およびその永久電流運転方法は、永久電流運転を解除する際に、永久電流スイッチ41内部の第1抵抗部4cを第1ヒータ6cで加熱し、第1抵抗部4cを常伝導転移させる。そして、その発生抵抗にて永久電流スイッチ41に流れる電流を減衰させた後、永久電流スイッチ41内部の第2抵抗部4a,4bを第2ヒータ6abで加熱して永久電流スイッチ41を開状態にすることで、大電圧が発生することを防ぐことが可能となる。
また、永久電流運転中に緊急遮断する際には、永久電流スイッチ内部の第1抵抗部4cを第1ヒータ6cで加熱し常伝導転移させ、第1抵抗部4cの抵抗や、クライオスタット2の外部に並列に設けた保護抵抗7にて電流を減衰させることで、永久電流スイッチ4を損傷することなく超電導コイル3の磁場の発生を停止する緊急遮断動作を実施することが可能となる。
<第1実施形態の効果>
本発明の第1実施形態によれば、高速で電流変化させる超電導磁石装置においても従来の熱式の永久電流スイッチを適用した超電導磁石と同等の時間安定度を有する永久電流運転が可能で、かつ、永久電流運転中の緊急遮断動作が可能な永久電流スイッチを提供することができる。
≪第2実施形態:永久電流スイッチ≫
本発明の第2実施形態に係る永久電流スイッチ42と、当該永久電流スイッチ42を備える超電導電磁石装置102の回路構成について図8と図9を参照して説明する。
なお、以下の説明は、永久電流スイッチ42に関連する超電導電磁石装置102、およびその永久電流運転方法についての説明を兼ねる。
図8は、本発明の第2実施形態に係る永久電流スイッチ42と、当該永久電流スイッチ42を備える超電導電磁石装置102の回路構成例を示す図である。
図8において、図1と異なる構成は、永久電流スイッチ42の構成である。他の構成要素は同じであるので、重複する説明は、適宜、省略する。
<永久電流スイッチ42の詳細な構成>
図8を参照して、永久電流スイッチ42の構成を詳細に説明する。
永久電流スイッチ42は、第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eと、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bと、第1ヒータ6c、第1ヒータ6d、第1ヒータ6e、第2ヒータ6abを備えて構成される。
第2抵抗部4aと第1抵抗部4cと第1抵抗部4dと第1抵抗部4eと第2抵抗部4bとは、直列に接続されている。
第1抵抗部4cは、第1ヒータ6cによって加熱される。第1抵抗部4dは、第1ヒータ6dによって加熱される。第1抵抗部4eは、第1ヒータ6eによって加熱される。
また、第2抵抗部4aと第2抵抗部4bは、第2ヒータ6abによって、加熱される。
なお、第1ヒータ6c、第1ヒータ6d、第1ヒータ6e、第2ヒータ6abは、それぞれ独立して加熱制御される。
第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eは、それぞれ超電導線(20)の一部に導電素材の導電体(32)を付加し、半田などの接合手段で電気的に結合した構成である。
ただし、第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eのそれぞれの導電体(32)の形状が異なり、それぞれの抵抗値が異なる。
また、第2抵抗部4aおよび第2抵抗部4bは、超電導線(20)によって構成されており、導電体(32)は付加されていない。
第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eと第2抵抗部4a、第2抵抗部4bは、超電導(超伝導)と常伝導の境である臨界温度以下においては超電導状態となって抵抗値は0(0[Ω])となる。
しかし、第2ヒータ6abの加熱によって、臨界温度を越した場合には、第2抵抗部4aと第2抵抗部4bは超電導状態ではなくなり、常伝導となるので、高抵抗となる。
それに対して、第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eは、それぞれ第1ヒータ6c、第1ヒータ6d、第1ヒータ6eの加熱によって、超電導状態ではなくなり、常伝導となるが、並列に付加された導電体(32)の作用によって、0(0[Ω])ではないがそれぞれ異なる所定の抵抗値の低抵抗となる。
<永久電流スイッチ42の第1抵抗部の断面構造>
図9は、本発明の第2実施形態に係る永久電流スイッチ42における第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eのそれぞれの断面構造の一例を示す図である。
図9において、左端の図が第1抵抗部4cの断面を示し、中央の図が第1抵抗部4dの断面を示し、右端の図が第1抵抗部4eの断面を示している。
図9において、第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eは、それぞれ超電導線20を導電体32が囲んで配置されている。超電導線20については、第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eにおいて概ね同じ構造であるが、導電体32の断面積は、第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eにおいて異なっている。
第1抵抗部4cにおける導電体32の断面積が最も広いので抵抗値は最小となる。次に、第1抵抗部4dにおける導電体32の断面積が広いので抵抗値は中程度となる。第1抵抗部4eにおける導電体32の断面積が最も狭いので抵抗値は最大となる。
なお、図9に示す第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eにおける、それぞれの導電体32c、導電体32d、導電体32eは、図3における導電体32に相当する構造物を中心軸Zの円周の回りにおいて、導電体(32c,32d,32e)の体積を変える構造によって、具現化できる。
また、図8における第2抵抗部4aと第2抵抗部4bの構造は、図3における第2抵抗部4aと第2抵抗部4bの構造と同一である。
[永久電流運転を解除する際の動作]
永久電流運転状態から永久電流運転を解除する動作について説明する。
図8において、永久電流運転状態では、永久電流スイッチ42が「閉」の状態である。すなわち、第1抵抗部4c,4d,4eおよび第2抵抗部4a,4b、は、すべて臨界温度以下に冷却され、超電導の状態で抵抗値はすべて0[Ω]である。
次に、この永久電流スイッチ42が「閉」の状態から、「開」の状態にして、永久電流運転を解除する際の動作について説明する。
図8において、永久電流スイッチ42を「開」にして、超電導電磁石装置102における超電導コイル3の永久電流モードを解除する際には、第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eの順に、それぞれ第1ヒータ6c、第1ヒータ6d、第1ヒータ6eで加熱して、それぞれの超電導線20を常伝導転移させる。
常伝導転移した超電導線20は高抵抗となるので、第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eにおける抵抗値は、それぞれ導電体32c、導電体32d、導電体32eによる抵抗値となる。
この複数ある第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eでは常伝導における抵抗値の小さい第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eの順番にヒータ加熱することによって、永久電流スイッチ42の抵抗値を徐々に高くする。
この方法により、常伝導における抵抗値の一番小さい第1抵抗部4cで、最初に電流を減衰させる。そして次に、第1抵抗部4dを常伝導にして、常伝導における抵抗値の比較的にやや大きい第1抵抗部4dで電流をさらに減衰させ、さらに次に第1抵抗部4eを常伝導にして、常伝導における抵抗値の大きい第1抵抗部4eで電流をさらに減衰させる。
最後に、第2抵抗部4aと第2抵抗部4bを第2ヒータ6abで加熱して超電導線20を常伝導転移させ、永久電流スイッチ42を「開」にする。
以上のように、永久電流スイッチ42の第1抵抗部(4c、4d、4e)を複数にして、抵抗値を低い物から順番にヒータ加熱で常伝導転移させることで、第1抵抗部(4c、4d、4e)そして永久電流スイッチ42の全体での抵抗値を徐々に高くする。
このように、比較的小さい抵抗値を持つ第1抵抗部(4c)で電流を減衰させた後に、比較的大きな抵抗値を持つ第1抵抗部(4d)、そしてさらに大きい抵抗値の第1抵抗部(4e)へと順に常伝導転移させることが可能となり、常伝導転移した際に発生する電圧も抑えることが可能となる。
[緊急遮断の際の動作]
また、永久電流運転中に緊急遮断する際にも、永久電流運転を解除する場合と同様に、永久電流スイッチ42の複数ある第1抵抗部(4c,4d,4e)のうち抵抗値が低い第1抵抗部4cから順番に、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eへと第1ヒータ6c、第1ヒータ6d、第1ヒータ6eによるヒータ加熱で常伝導転移させることで、第1抵抗部(4c,4d,4e)で発生する電圧を抑えることが可能になる。
また、保護抵抗7と第1抵抗部(4c,4d,4e)に流れる電流は、それぞれ抵抗値の逆数に比例することから、第1抵抗部(4c,4d,4e)全体の抵抗値を高めることで、保護抵抗7に流れる電流を大きくすることができる。そのため、クライオスタット2の外部に備えられた保護抵抗7で大きくジュール発熱させ、クライオスタット2内部の構造物の温度上昇を抑制することが可能となる。
[第2実施形態における永久電流運転を解除する場合のフローチャート]
以上の「永久電流運転を解除する場合」を、あらためてフローチャート例と特徴あるステップを説明する。
図10は、本発明の第2実施形態に係る永久電流スイッチ42を用いて、超電導電磁石装置102の永久電流運転を解除する場合の手順であるフローチャート例を特徴あるステップについて示す図である。
本発明の第2実施形態に係る永久電流スイッチ42の超電導電磁石装置102の永久電流運転を解除する場合の手順であるフローチャートが、本発明の第1実施形態に係る永久電流スイッチ41の超電導電磁石装置101の永久電流運転を解除する場合の手順であるフローチャート(図5)と異なるのは、図5におけるステップS505~S506が、図10においては、ステップS515~S518に変わったことである。
この変化は、第1実施形態の図1において、第1抵抗部4c、および第1ヒータ6cが一つずつであったのに対して、第2実施形態の図8では、第1抵抗部4c,4d,4e、および第1ヒータ6c,6d,6eとそれぞれ三つずつに置き換わっていることに起因する。その他の構成は、図8と図1は同一であり、フローチャートも同一であるので、図10において、図5におけるステップと重複するものについては、記載を省略している。また、説明も省略する。
図10におけるステップS515~ステップS518について、図8を参照しつつ、順に説明する。
ステップS515の前では、図5のステップS504に示す「励磁電源(10)から超電導コイル(3)への電流供給が所定の値に達し、永久電流スイッチ(42)に流れる電流が小さくなったことを検知する」に相当する段階である。
<ステップS515>
図10のステップS515において、永久電流運転中の超電導コイル3を、緊急遮断を開始するにあたって、永久電流スイッチ42の第1抵抗部4cを第1ヒータ6cで加熱して、第1抵抗部4cを常伝導転移させる。
<ステップS516>
ステップS516においては、ステップS515で第1抵抗部4cを常伝導転移した後に、永久電流スイッチ42の第1抵抗部4dを第1ヒータ6dで加熱して、第1抵抗部4dを常伝導転移させる。
<ステップS517>
ステップS517においては、ステップS516で第1抵抗部4dを常伝導転移した後に、永久電流スイッチ42の第1抵抗部4eを第1ヒータ6eで加熱して、第1抵抗部4eを常伝導転移させる。
<ステップS518>
ステップS518においては、ステップS517で第1抵抗部4eを常伝導転移した後に、永久電流スイッチ42の第2抵抗部4a,4bを第2ヒータ6abで加熱して、第2抵抗部4a,4bを常伝導転移させ、永久電流スイッチ42を「開」とする。
以降は、図5のステップと同じで、永久電流スイッチ42が「開」となったので、超電導コイル3の永久電流運転状態が解除される。その他の重複する説明は省略する。
<第2実施形態の総括>
永久電流スイッチ42の第1抵抗部を複数の第1抵抗部(4c、4d、4e)で構成し、抵抗値が低い物から順番にヒータ加熱で常伝導転移させることで第1抵抗部(4c、4d、4e)の全体での抵抗値を徐々に高くする。そのため、永久電流運転を解除する際には、比較的小さい抵抗値を持つ第1抵抗部(4c)で電流を減衰させた後に、比較的大きな抵抗値を持つ第1抵抗部(4d)、そして第1抵抗部(4e)へと順に常伝導転移させることが可能となり、常伝導転移した際に発生する電圧も抑えることが可能となる。
また、緊急遮断の際においても同様に、複数の第1抵抗部(4c、4d、4e)の抵抗値が低い物から順番にヒータ加熱で常伝導転移させることで第1抵抗部(4c、4d、4e)の全体での抵抗値を徐々に高くする。
<第2実施形態の効果>
本発明の第2実施形態によれば、以上の構成によって、永久電流運転を解除する際に、第2実施形態の永久電流スイッチ42は、第1実施形態の永久電流スイッチ41と同様の効果が得られるだけでなく、永久電流モードを解除する際、第1抵抗部(4c、4d、4e)を常伝導転移させた後に永久電流スイッチを流れる電流が充分に減衰するまでの時間を短縮可能となる。
また、常伝導転移した際に発生する電圧も低く抑えることが可能となる。
また、緊急遮断の際においても第1抵抗部(4c,4d,4e)全体の抵抗値を高めることで、保護抵抗7に流れる電流を大きくすることができるので、クライオスタット2の外部で大きくジュール発熱させ、クライオスタット2内部の構造物の温度上昇を抑制することが可能となる。
≪第3実施形態:永久電流スイッチ≫
本発明の第3実施形態に係る永久電流スイッチ43と、当該永久電流スイッチ43を備える超電導電磁石装置103の回路構成について図11を参照して説明する。
なお、以下の説明は、永久電流スイッチ43に関連する超電導電磁石装置103、およびその永久電流運転方法についての説明を兼ねる。
図11は、本発明の第3実施形態に係る永久電流スイッチ43と、当該永久電流スイッチ43を備える超電導電磁石装置103の回路構成例を示す図である。
図11において、図1と異なる構成は、永久電流スイッチ43の構成である。他の構成要素は同じであるので、重複する説明は省略する。
<永久電流スイッチ43の詳細な構成>
図11における永久電流スイッチ43の構成を詳細に説明する。
永久電流スイッチ43は、第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eと、第2抵抗部4a、第2抵抗部4bと、第1ヒータ6c、第1ヒータ6d、第1ヒータ6e、第2ヒータ6ab、ダイオード14d、ダイオード14eを備えて構成される。
第2抵抗部4aと第1抵抗部4cと第1抵抗部4dと第1抵抗部4eと第2抵抗部4bとは、直列に接続されている。
第1抵抗部4cは、第1ヒータ6cによって加熱される。第1抵抗部4dは、第1ヒータ6dによって加熱される。第1抵抗部4eは、第1ヒータ6eによって加熱される。
また、第2抵抗部4aと第2抵抗部4bは、第2ヒータ6abによって、加熱される。
なお、第1ヒータ6cと第2ヒータ6abは、クライオスタット2の外部から、それぞれ独立して加熱制御される。
第1ヒータ6dは、一端を第1抵抗部4cと第1抵抗部4dとの接続点に接続され、他端はダイオード14dのアノードに接続され、ダイオード14dのカソードは第1抵抗部4cと第2抵抗部4aとの接続点に接続されている。
すなわち第1ヒータ6dは、第1抵抗部4cと第1抵抗部4dとの接続点の電位が、第1抵抗部4cと第2抵抗部4aの接続点の電位よりも高い場合に、第1抵抗部4cの両端に発生する電圧で加熱する。
また、第1ヒータ6eは、一端を第1抵抗部4dと第1抵抗部4eとの接続点に接続され、他端はダイオード14eのアノードに接続され、ダイオード14eのカソードは第1抵抗部4dと第1抵抗部4cとの接続点に接続されている。すなわち第1ヒータ6eは、第1抵抗部4dと第1抵抗部4eとの接続点の電位が、第1抵抗部4dと第1抵抗部4cの接続点の電位よりも高い場合に、第1抵抗部4dの両端に発生する電圧で加熱する。
以上のように、第3実施形態の永久電流スイッチ43においては、第1ヒータ6cはクライオスタット2の外部から電源供給されているが、第1ヒータ6dと第1ヒータ6eは、第1抵抗部4cと第1抵抗部4dのそれぞれの両端にダイオード14d、ダイオード14eとともに接続されている構成が異なっている。
<超電導電磁石装置103(超電導コイル3)の永久電流モードを解除する動作>
以上、図11に示す永久電流スイッチ43の構成において、超電導電磁石装置103(超電導コイル3)の永久電流モードを解除する際の動作について説明する。
永久電流モードにおいては、第2抵抗部4a、第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4e、第2抵抗部4bは、すべて超電導状態にあって抵抗値は0である。
永久電流モードを解除する際に、まず、第1ヒータ6cにクライオスタット2の外部からの電源から電圧を供給して加熱する。
すると、第1抵抗部4cは、常伝導となって、抵抗値Rcとなる。そして、第1抵抗部4cに流れる電流I(t)によって、第1抵抗部4cの両端には、電圧(I(t)・Rc)が発生する。なお、電流I(t)は、時間tによって変化する。
また、永久電流スイッチ43の抵抗値は、抵抗値Rcである。
そして、第1抵抗部4cの両端に発生した電圧(I(t)・Rc)によって、第1ヒータ6dが加熱される。
すると、加熱された第1抵抗部4dは、常伝導となって、抵抗値Rdとなる。
そして、第1抵抗部4dに流れる電流I(t)によって、第1抵抗部4dの両端には、電圧(I(t)・Rd)が発生する。
また、永久電流スイッチ43の抵抗値は、抵抗値(Rc+Rd)となる。
そして、第1抵抗部4dの両端に発生した電圧(I(t)・Rd)によって、第1ヒータ6eが加熱される。
すると、加熱された第1抵抗部4eは、常伝導となって、抵抗値Reとなる。
このとき、また、永久電流スイッチ43の抵抗値は、抵抗値(Rc+Rd+Re)となる。
以上のように、1つのヒータ(第1ヒータ6c)に外部から電源を供給すれば、先に常伝導転移した第1抵抗部の両端電圧を利用して、残りのヒータ(第1ヒータ6d、第1ヒータ6e)に通電することが可能となる。
そして、最後に、第2ヒータ6abをクライオスタット2の外部の電源によって、第2抵抗部4aと第2抵抗部4bを加熱することによって、第2抵抗部4aと第2抵抗部4bは常伝導となって、それぞれ抵抗値は、抵抗値Ra、抵抗値Rbとなる。
また、永久電流スイッチ43の抵抗値は、抵抗値(Ra+Rc+Rd+Re+Rb)となる。
以上、図11のように永久電流スイッチ43を構成し、第1抵抗部4cの第1ヒータ6cを外部から電源を供給すれば、その後は、常伝導状態の際に抵抗値が小さい順に、第1抵抗部4c、第1抵抗部4d、第1抵抗部4eが順に常伝導となる。
すなわち、永久電流スイッチ43の抵抗値は、抵抗値Rc、抵抗値(Rc+Rd)、抵抗値(Rc+Rd+Re)に順番に変化していく。そして、最後に第2抵抗部4aと第2抵抗部4bを第2ヒータ6abによって加熱し常伝導にすれば、永久電流スイッチ43の抵抗値は、抵抗値(Ra+Rc+Rd+Re+Rb)となる。
なお、前記の抵抗値の関係は、
Rc<Rd<Re≪(Ra+Rb)
である。
また、永久電流運転中に緊急遮断する際にも、第1抵抗部4cの第1ヒータ6cに外部から電源を供給すれば、先に常伝導転移した第1抵抗部(4c,4d)の両端電圧を利用して残りのヒータ(第1ヒータ6d、第1ヒータ6e)に通電することが可能となる。
<第3実施形態の効果>
本発明の第3実施形態の永久電流スイッチ43によれば、第2実施形態と同様の効果が得られるだけでなく、先に常伝導転移した第1抵抗部の両端電圧を利用して残りのヒータに通電することが可能となるので、ヒータをクライオスタットの外部に引き出す配線数が軽減されるという効果がある。
≪第4実施形態:永久電流スイッチ≫
本発明の第4実施形態に係る永久電流スイッチ44と、当該永久電流スイッチ44を備える超電導電磁石装置104の回路構成について図12を参照して説明する。
なお、以下の説明は、永久電流スイッチ44に関連する超電導電磁石装置104、およびその永久電流運転方法についての説明を兼ねる。
<永久電流スイッチ44の回路構成>
図12は、本発明の第4実施形態に係る永久電流スイッチ44と、当該永久電流スイッチ44を備える超電導電磁石装置104の回路構成例を示す図である。
図12において、図1と異なる構成は、永久電流スイッチ44の構成である。他の構成要素は同じであるので、重複する説明は省略する。
図12における第4実施形態に係る永久電流スイッチ44が、図1における永久電流スイッチ41と異なるのは、ダイオード(ダイオード回路)16を備えていることである。
ダイオード16は、クライオスタット2の外部に備えられている。
ダイオード16のカソードは、第1抵抗部4cと第2抵抗部4aとの接続点に接続されている。ダイオード16のアノードは、第1抵抗部4cと第2抵抗部4bとの接続点に接続されている。
このように、第1抵抗部4cに並列に接続されたダイオード16によって、第1抵抗部4cに印加される電圧は、クライオスタット2の外部のダイオード16で、ジュール発熱するので、クライオスタット2の内部の構造物の温度上昇を抑制する。
<第4実施形態の効果>
本発明の第4実施形態の永久電流スイッチ44によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるだけでなく、ダイオード16によって第1抵抗部4cに印加される電圧が、クライオスタット2の外部でジュール発熱するので、クライオスタット2の内部の構造物の温度上昇を抑制する効果がある。
≪その他の実施形態≫
なお、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものでなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために、詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成の一部で置き換えることが可能であり、さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成の一部または全部を追加・削除・置換をすることも可能である。
以下に、その他の実施形態や変形例について、さらに説明する。
《超電導コイル》
図1において、超電導コイル3は一つとして図示しているが、必ずしも一つで構成されているとは限らない。
単一のコイルは、漏れ磁束を形成することがある。この漏れ磁束を打ち消すために、例えば、メインコイルやシールドコイルの複数の超電導コイルを設け、直列に接続して、それぞれの役割を作用させる。
このように、複数の超電導コイル(3)を設けて、均一な、理想的な磁場を形成することが有効である。
《超電導線》
第1実施形態において、超電導線がMgBを用いている場合を例にあげたが、超電導体(超伝導体)の材料は、MgBに限定されない。他の高温超電導体でもよいし、低温超電導体を用いる場合もある。
また、図1においては、超電導線は、1本の線として記載しているが、実際には、超電導線を常伝導金属と合わせて形成する極細多芯線や、この極細多芯線に類する構造をとることも有効である。
《第1抵抗部の個数と配列の順番》
第2実施形態において、複数の第1抵抗部4c,4d,4eは、3個の例を示したが4個以上でも2個でもよい。
また、3個の場合においても、複数の抵抗値の組み合わせの仕方は、抵抗値の上昇の仕方と関連するので、実際に使用する超電導電磁石装置の仕様、特性に合わせて、様々に設定することが可能である。
《第1抵抗部の導電性素材》
第2実施形態の永久電流スイッチ42において、複数の第1抵抗部(4c,4d,4e)は、異なる抵抗値の導電性素材(32c,32d,32e)を、導電性素材の異なる断面積によって具現化していた。
しかし、異なる抵抗値の異なる抵抗値の導電性素材を断面積の違いによって、形成することに限定されない。例えば、同一の断面積で長さを変えてもよい。また、断面積と長さを併せて変えてもよい。
また、固有抵抗値(比抵抗)の異なる導電性素材の材質を互いに変えてもよい。例えば、相対的に小さい抵抗値となる第1抵抗部の導電性素材(例えば32c)には、安定化銅やステンレスやアルミニュームなどの金属、または合金を用いてもよい。また、それ以外の材質の導電性素材を用いてもよい。
《第2抵抗部の個数》
前記したように、図1において、第2抵抗部4aおよび第2抵抗部4bは、無誘導性を確保するための構成として別々に設けたものである。
したがって、無誘導性を確保する必要のない場合には、機能としては同じものであるので、第2抵抗部4aと第2抵抗部4bとを、一つの第2抵抗部として集約することもできる。
また、第2抵抗部4a,4bを加熱するヒータは、1個でなくとも別々で加熱してもよい。加熱制御は別々でもよい。
《第2抵抗部を収容する溝》
図3において、第2抵抗部4aおよび第2抵抗部4bを収容する溝26は、1箇所として示したが、収容する超電導線20a,20bの長さ、あるいは本数が多い場合には、複数の溝26を設けて収納してもよい。
《ヒータ》
第3実施形態の永久電流スイッチ43においては、第1ヒータ6dと第1ヒータ6eは、それぞれ第1抵抗部4cと第1抵抗部4dのそれぞれの両端の電位差を電圧源として用いていたが、これに限定されない。ヒータの個数を増加し、そのヒータの電圧源を他の第1抵抗部の両端の電位差を用いてもよい。
《冷却手段》
図1においては、クライオスタット2には図示されていない冷却手段が備えられていると説明した。この冷却手段は、冷却装置として能動的にクライオスタット2内を冷却する方式とともに、またクライオスタット2の内部に容器を備え、クライオスタット2の外部から冷却用の液体を受けて冷却手段とする場合もある。
《第1抵抗部、第2抵抗部の熱接触型の構成》
第2実施形態の永久電流スイッチにおいては、複数の第1抵抗部において、導電材料が最小の抵抗値の第1抵抗部の両端に発生する電圧で、第1ヒータを加熱し、次の導電材料の抵抗値が大きい第1抵抗部を加熱して、常伝導とする。この方法を順に行っていく構成と方法について説明した。
しかし、複数の第1抵抗部において、導電材料が最小の抵抗値の第1抵抗部が常伝導状態となって所定の抵抗値を有すると、ジュール熱が発生する。この発生する熱をヒータを介さずに、導電材料が最小の抵抗値の第1抵抗部と導電材料が次の抵抗値の第1抵抗部とを隣合わせることによって、次の抵抗値の第1抵抗部を常伝導とする。このように、異なる抵抗値の導電材料を有する第1抵抗部を隣り合わせて、抵抗値がひとつ前の第1抵抗部の発熱を利用することによって、ヒータを用いることなく、導電材料の抵抗値が小さいものから、順に、次々と常伝導化する方法もある。
さらに、第1抵抗部で最も導電材料の抵抗値が大きい第1抵抗部と第2抵抗部を隣り合わせることにより、第2抵抗部まで、順に抵抗値を大きくしていくこともできる。
《外付けダイオード》
図11においては、クライオスタット2の外部でジュール発熱をする役目としての回路を、単にダイオード16として示した。しかし、単なるダイオードには限定されない。例えば、ダイオード16を複数のダイオードの並列回路で構成し、ダイオード16のジュール発熱の発生量を第1ヒータ6cの加熱制御の状況に応じて変化させてもよい。すなわち、ダイオード16をダイオード回路(16)として、制御系を含める回路として構成することも可能である。
また、図11で示したダイオード16を第2、第3実施形態と組み合わせてもよい。
《高温超電導MRIマグネット》
第1実施形態として永久電流スイッチ、およびそれを用いた超電導電磁石装置を示したが、超電導電磁石装置の一例として、高温超電導MRIマグネットがある。なお、MRIは、磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging)を適用するもので、エックス線は使用せずに、強い磁石と電磁波を使って体内の状態を断面像として描写する検査であって、病変に関して優れた検出能力を有している。
また、超電導電磁石装置の適用例は様々にある。
10 励磁電源
11 電流遮断器
101,102,103,104 超電導電磁石装置
2 クライオスタット
20,20a,20b,20c,20d,20e 超電導線
21a,21b,22a,22b,23a,23b 配線(超電導配線)
25 ボビン
26 溝
3 超電導コイル(超電導電磁石)
31 折り返し部
32,32c,32d,32e 導電体
41,42,43,44 永久電流スイッチ
4a,4b 第2抵抗部
4c,4d,4e 第1抵抗部
51a,51b,52a,52b,53 配線(常伝導配線)
6c,6d,6e 第1ヒータ
6ab 第2ヒータ
7 保護抵抗
8,14d,14e,16 ダイオード

Claims (12)

  1. 超電導電磁石装置に備えられて超電導コイルに並列に接続される永久電流スイッチであって、
    連続する超電導線と、導電体とが並列に構成された第1抵抗部と、
    連続する超電導線で構成された第2抵抗部と、
    前記第1抵抗部を加熱する第1ヒータと、
    前記第2抵抗部を加熱する第2ヒータと、
    を備え、
    前記第1抵抗部と前記第2抵抗部はクライオスタットに収納され、
    前記第1抵抗部と前記第2抵抗部とは直列に接続され、
    前記第2抵抗部の常伝導状態における抵抗値は、前記第1抵抗部の常伝導状態における抵抗値よりも大き
    前記第1抵抗部の超電導線と前記第2抵抗部の超電導線は、1本の連続する超電導線であり、
    当該1本の連続する超電導線は2本に束ねられ、
    前記第1の抵抗部の超電導線は、2本に束ねられた超電導線の折り返し部に形成され、
    前記第2抵抗部の超電導線は、2本に束ねられてボビンに巻回されることで無誘導の巻線として形成され、束ねられた2本の超電導線のそれぞれの巻線部において第2抵抗部が分割して形成される、
    ことを特徴とする永久電流スイッチ。
  2. 超電導電磁石装置に備えられて超電導コイルに並列に接続される永久電流スイッチであって、
    連続する超電導線と、導電体とが並列に構成された第1抵抗部と、
    連続する超電導線で構成された第2抵抗部と、
    前記第1抵抗部を加熱する第1ヒータと、
    前記第2抵抗部を加熱する第2ヒータと、
    を備え、
    前記第1抵抗部と前記第2抵抗部はクライオスタットに収納され、
    前記第1抵抗部と前記第2抵抗部とは直列に接続され、
    前記第2抵抗部の常伝導状態における抵抗値は、前記第1抵抗部の常伝導状態における抵抗値よりも大きく、
    前記第1抵抗部の2本に束ねられた超電導線の折り返し部で、前記導電体が前記第1抵抗部の超電導線に並列に付加される、
    ことを特徴とする永久電流スイッチ。
  3. 請求項1において、
    前記第1ヒータと前記第2ヒータは、前記クライオスタットの外部から独立に電流を供給され、それぞれ独立に加熱制御される、
    ことを特徴とする永久電流スイッチ。
  4. 超電導電磁石装置に備えられて超電導コイルに並列に接続される永久電流スイッチであって、
    連続する超電導線と、導電体とが並列に構成された第1抵抗部と、
    連続する超電導線で構成された第2抵抗部と、
    前記第1抵抗部を加熱する第1ヒータと、
    前記第2抵抗部を加熱する第2ヒータと、
    を備え、
    前記第1抵抗部と前記第2抵抗部はクライオスタットに収納され、
    前記第1抵抗部と前記第2抵抗部とは直列に接続され、
    前記第2抵抗部の常伝導状態における抵抗値は、前記第1抵抗部の常伝導状態における抵抗値よりも大きく、
    前記第1抵抗部は、常伝導時の抵抗値が互いに異なる複数の第1抵抗部が直列に接続されて構成され、
    前記第1ヒータは、常伝導時の抵抗値が互いに異なる複数の第1抵抗部に対して、それぞれを加熱する複数の第1ヒータで構成され、
    常伝導時における抵抗値が互いに異なる複数の第1抵抗部は、それぞれが常伝導状態に転移する際に、常伝導時における抵抗値が小さい順に前記複数の第1ヒータによってそれぞれ順に加熱される、
    ことを特徴とする永久電流スイッチ。
  5. 請求項において、
    常伝導時の抵抗値が互いに異なる複数の第1抵抗部は、それぞれの第1抵抗部の導電体が形成される断面積または長さが互いに異なる、
    ことを特徴とする永久電流スイッチ。
  6. 請求項において、
    常伝導時の抵抗値が互いに異なる複数の第1抵抗部は、それぞれの第1抵抗部の導電体の材質が互いに異なる、
    ことを特徴とする永久電流スイッチ。
  7. 超電導電磁石装置に備えられて超電導コイルに並列に接続される永久電流スイッチであって、
    連続する超電導線と、導電体とが並列に構成された第1抵抗部と、
    連続する超電導線で構成された第2抵抗部と、
    前記第1抵抗部を加熱する第1ヒータと、
    前記第2抵抗部を加熱する第2ヒータと、
    を備え、
    前記第1抵抗部と前記第2抵抗部はクライオスタットに収納され、
    前記第1抵抗部と前記第2抵抗部とは直列に接続され、
    前記第2抵抗部の常伝導状態における抵抗値は、前記第1抵抗部の常伝導状態における抵抗値よりも大きく、
    前記第1抵抗部と前記第1ヒータは、それぞれ複数からなり、
    前記第2ヒータは、前記クライオスタットの外部から電流が供給され、
    複数からなる第1ヒータの一つは、前記クライオスタットの外部から電流が供給され、
    複数からなる第1ヒータの残りは、複数の第1抵抗部のいずれかの両端に接続され、
    複数の第1抵抗部のいずれかが常伝導転移した際に、常伝導転移した第1抵抗部の両端に発生する電圧によって、残りの第1ヒータのいずれかに電流が供給される、
    ことを特徴とする永久電流スイッチ。
  8. 請求項1において、
    前記第1抵抗部の両端子間に接続され、前記クライオスタットの外部に配置されるダイオードを備える、
    ことを特徴とする永久電流スイッチ。
  9. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の永久電流スイッチと、
    前記クライオスタットの内部に収納される前記超電導コイルと、
    前記クライオスタットの外部に、
    前記超電導コイルに電流を供給する励磁電源と、
    前記励磁電源と前記超電導コイルとの間に設けられる電流遮断器と、
    前記永久電流スイッチに並列に接続される保護抵抗と、
    を備える、
    ことを特徴とする超電導電磁石装置。
  10. 請求項において、
    前記保護抵抗に直列に接続されたダイオードを備える、
    ことを特徴とする超電導電磁石装置。
  11. 超電導電磁石装置に備えられて超電導コイルに並列に接続される永久電流スイッチであって、連続する超電導線と、導電体とが並列に構成された第1抵抗部と、連続する超電導線で構成された第2抵抗部と、前記第1抵抗部を加熱する第1ヒータと、前記第2抵抗部を加熱する第2ヒータと、を備え、前記第1抵抗部と前記第2抵抗部はクライオスタットに収納され、前記第1抵抗部と前記第2抵抗部とは直列に接続され、前記第2抵抗部の常伝導状態における抵抗値は、前記第1抵抗部の常伝導状態における抵抗値よりも大きい、永久電流スイッチと、
    前記クライオスタットの内部に収納される前記超電導コイルと、
    前記クライオスタットの外部に、
    前記超電導コイルに電流を供給する励磁電源と、
    前記励磁電源と前記超電導コイルとの間に設けられる電流遮断器と、
    前記永久電流スイッチに並列に接続される保護抵抗と、
    を備え、
    前記第2抵抗部が常伝導転移した際の抵抗値は、前記第1抵抗部が常伝導転移した際の抵抗値より大きく、
    前記第1抵抗部が常伝導転移した際の抵抗値は、前記保護抵抗の抵抗値以上である、
    ことを特徴とする超電導電磁石装置。
  12. 請求項から請求項11のいずれか一項に記載の超電導電磁石装置の永久電流運転方法であって、
    前記超電導電磁石装置の永久電流運転を開始する場合において、
    前記超電導コイルを臨界温度以下に保って前記超電導コイルを超電導状態とし、
    前記第2ヒータの加熱によって前記永久電流スイッチを開の状態にし、
    前記電流遮断器を閉の状態にして、前記励磁電源から前記超電導コイルに電流を徐々に増加するように供給して所定の電流値とし、
    前記第2ヒータの加熱を停止し、前記永久電流スイッチを臨界温度以下にして超電導状態として前記永久電流スイッチを閉の状態にし、
    前記励磁電源からの電流供給を徐々に低減して、前記超電導コイルの電流を前記永久電流スイッチに流れるように移行し、
    前記励磁電源からの電流供給を停止し、前記電流遮断器を開状態にして、超電導状態の前記超電導コイルと前記永久電流スイッチとの閉回路による永久電流運転モードとする、
    ことを特徴とする超電導電磁石装置の永久電流運転方法。
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