JP7428248B2 - 遺伝子解析装置 - Google Patents

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Description

本開示は、遺伝子解析装置に関し、より特定的には、検体用容器内の検体をチップを利用して試料用容器に注入することによって生成された試料を解析する遺伝子解析装置に関する。
従来、遺伝子解析に利用される装置について種々の技術が提案されている。たとえば、特許第5504797号公報(特許文献1)は、蛍光物質の蛍光を利用して被検出物を検出する検出機を利用した核酸増幅機において、被検出物を正確に検出するための光センサの配置を開示している。
特許第5504797号公報
特許文献1に記載されるように、遺伝子解析装置において、検体用容器内の検体は、分注用のチップを装着された分注器を利用して試料用容器へと注入される。このような遺伝子解析装置において、ユーザは、装置内に個々のチップをセットしたり、分注器の移動経路を検討するなどの煩雑な作業を必要とされていた。また、この作業性を高めるために、装置内の空間の広さに余裕を持たせるよう装置が大型化してしまう傾向もあった。
本開示は、上記のような背景に鑑みてなされたものであって、一つの局面では、遺伝子解析装置において、ユーザの負荷を軽減するための技術を提供することを目的とする。また、他の局面では、ユーザの負担を軽減しながら装置の小型化も可能にし得る技術を提供することを目的とする。
本開示のある局面に従うと、2以上のチップを保持可能なチップカセットを1以上保持する、カセット収容部と、検体を収容する検体用容器を1以上保持するラックを含む、1以上のラックとを備え、1以上のラックは、カセット収容部に保持された2以上のチップのそれぞれが利用されることによって、1以上の検体用容器のそれぞれに収容された検体を注入される、試料用容器を1以上保持する、遺伝子解析装置が提供される。
カセット収容部は、2以上のチップカセットを保持可能に構成されていてもよい。
1以上のラックは、1以上の検体用容器および1以上の試料用容器を所与の基準線に対して一方側に保持し、カセット収容部は、所与の基準線の他方側に位置していてもよい。
1以上のラックは、1以上の検体用容器を保持する第1のラックと、1以上の試料用容器を保持する第2のラックとを含んでいてもよい。
遺伝子解析装置は、チップを装着されて、検体を試料用容器に注入するための分注器と、分注器を、カセット収容部に保持された2以上のチップのそれぞれについて、カセット収容部に保持されたチップを分注器へ装着し、チップを介して1以上の検体用容器のいずれかに収容された検体を吸引し、吸引された検体を1以上の試料用容器のいずれかへと注入し、チップを分注器から取り外す、ように動作させる、コントローラとをさらに備えていてもよい。
カセット収容部は、2以上のチップカセットを保持可能に構成されていてもよい。2以上のチップカセットは、第1のチップカセットと第2のチップカセットとを含んでいてもよい。2以上のチップは、第1のチップカセットに保持された第1のチップと、第2のチップカセットに保持された第2のチップとを含んでいてもよい。コントローラは、分注器に、第1のチップを分注器へ装着させ、第1のチップを分注器から取り外された後、第2のチップを分注器へ装着させてもよい。
コントローラは、分注器を、検体に接触したチップがカセット収容部を含むクリーンエリア以外の場所を通過するように移動させてもよい。
本開示の他の局面に従うと、チップを装着されて、検体用容器内の検体を試料用容器に注入するための分注器と、分注器の動作を制御するコントローラとを備え、コントローラは、分注器に第1のチップを装着して第1の検体を第1の試料用容器に注入させた後、分注器に第2のチップを装着して第2の検体を第2の試料用容器に注入させ、分注器に第1のチップが装着されている場合に、第2の検体に関連する部材が保持される領域を含むクリーンエリア以外の場所を通過するように移動させる、遺伝子解析装置が提供される。
クリーンエリアは、1以上の検体用容器のうち、分注器に装着されているチップによる検体の注入より後で注入される検体を収容する検体用容器が保持される領域を含んでいてもよい。
クリーンエリアは、1以上の試料用容器のそれぞれに注入される試薬を収容する1以上の試薬用容器のうち、分注器に装着されているチップによる試薬の注入より後で注入される試薬を収容する試薬用容器が保持される領域を含んでいてもよい。
遺伝子解析装置は、1以上の試薬用容器のそれぞれに分注される試薬を収容するボトルを保持するボトル保持部をさらに備えていてもよい。クリーンエリアは、ボトル保持部を含んでいてもよい。
本開示のある局面によれば、遺伝子解析装置は、検体の注入に利用されるチップを2以上保持可能なチップカセットをカセット収容部において保持できるように構成される。これにより、装置内に個々のチップをセットするというユーザの煩雑な作業が省略され得る。
本開示の他の局面によれば、コントローラは、試料調製前の検体に他の検体が混入することを回避するように、分注器の移動経路を制御する。これにより、ユーザにおける分注器の移動経路の検討という負担が軽減され得る。
本開示の更なる局面によれば、上記の各構成を組み合わせることにより、ユーザの負担を軽減しながらも装置内に余分な空間を設ける必要がなくなるため、装置を小型化することも可能となり得る。
遺伝子解析装置の一例の外観を示す図である。 遺伝子解析装置1の横断面を概略的に示す図である。 遺伝子解析装置1の縦断面を概略的に示す図である。 核酸増幅機6および検出機7の縦断面を概略的に示す図である。 照射部71および光センサ72の近傍の拡大図である。 検出機7における、励起光と検出される蛍光の向きとを模式的に示す図である。 図1の試料調製領域2近傍の拡大図である。 分注チップの縦断面を示す図である。 分注チップカセットにおける分注チップの配列を示す図である。 反応容器11の縦断面を模式的に示す図である。 分注チップ8および反応容器11の縦断面を模式的に示す図である。 分注器3の正面図である。 分注器3に分注チップ8が装着された状態を示す図である。 遺伝子解析装置1のハードウェア構成を示す図である。 試薬管理情報のデータ構成の一例を示す図である。 試料調製情報のデータ構成の一例を示す図である。 遺伝子解析装置1における標的核酸の検出のために実行される処理のフローチャートである。 図17の試薬分注(ステップS30)のサブルーチンのフローチャートである。 試薬管理情報の第1の変形例の構造を示す図である。 試薬管理情報の第2の変形例の構造を示す図である。 試薬管理情報の第3の変形例の構造を示す図である。 図17の試料調製(ステップS40)のサブルーチンのフローチャートである。 試験番号1の試料の調製の際のクリーンエリアの一例を示す図である。 試験番号1の試料の調製における分注器3の移動経路の一例を説明するための図である。 試験番号1の試料の調製における分注器3の移動経路の一例を説明するための図である。 試験番号1の試料の調製における分注器3の移動経路の一例を説明するための図である。 試験番号1の試料の調製における分注器3の移動経路の一例を説明するための図である。 試験番号8の試料の調製の際のクリーンエリアの一例を示す図である。 試料調製情報の変形例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る技術思想の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[遺伝子解析装置の外観]
図1は、遺伝子解析装置の一例の外観を示す図である。遺伝子解析装置1は、その本体1Aの内部に、遺伝子解析装置1内の各要素の動作を制御するコントローラ10、試料、および、試料を解析するための機器を収容する。本体1Aには、本体1Aを開閉するためのドア15が設けられている。
[遺伝子解析装置の構成]
図2は、遺伝子解析装置1の横断面を概略的に示す図である。遺伝子解析装置1には、試料調製領域2が設けられている。試料調製領域2には、検体および/または試薬から試料を調製するための要素が配置されている。試料調製領域2内の要素の詳細については、図7等を参照して後述する。
遺伝子解析装置1は、分注器3、移動ユニット4、遠心機5、および廃棄ボックス12を含む。分注器3は、検体および試薬を吸引および吐出する。移動ユニット4は、分注器3を移動させる。遠心機5は、試料に遠心力を加える。廃棄ボックス12は、使用済みの分注チップ等を収容する。
遺伝子解析装置1は、核酸増幅機6および検出機7をさらに含む。核酸増幅機6は、試料における核酸増幅反応を生じさせる。検出機7は、試料中の核酸を検出する。
図3は、遺伝子解析装置1の縦断面を概略的に示す図である。核酸増幅機6は、ケーシング61、熱風発生器64、および、ファン65を含む。
ケーシング61は、開口を有するチャンバ611と、チャンバ611の開口を覆うように配置されたターンテーブル612とを含む。チャンバー611は有底円筒状に形成されており、上記開口はチャンバー611の上端に位置する。
ターンテーブル612は、中心軸周りに回転可能であり、図5などを参照して後述する反応容器11を保持するための第2の保持孔62が同一円周上に複数形成されている。反応容器11が第2の保持孔62にセットされると、反応容器11の貯留部112はチャンバ611内に配置される。
ターンテーブル612の中央部には、チャンバ611内の空気を排出するための円形の排出口63が形成されている。一実現例では、チャンバ611の寸法は、直径68~106mm、高さ45~70mmであることが好ましく、この場合、ターンテーブル612の排出口63は直径50~65mmであることが好ましい。
熱風発生器64は、円筒状に形成され、内側にヒーター641を有している。熱風発生器64は、その上端部がターンテーブル612の上方に突出するように、排出口63の内側に設置されている。熱風発生器64の下端部は、チャンバ611内に開口している。
ファン65は、チャンバ611内において熱風発生器64の下方に設置され、チャンバ611内の空気を排出口63から吹き出すことができるよう構成されている。
図4は、核酸増幅機6および検出機7の縦断面を概略的に示す図である。検出機7は、核酸増幅機6の右側に配置された照射部71と、核酸増幅機6の奥側に配置された光センサ72とを含む。図5は、照射部71および光センサ72の近傍の拡大図である。図6は、検出機7における、励起光と検出される蛍光の向きとを模式的に示す図である。
照射部71は、反応容器11の貯留部112に励起光を照射するための複数の光源711を有している。光源711は、反応容器11の軸方向と平行に並ぶよう配置されており、反応容器11の四角柱状の貯留部112の第1の側面114に向かって励起光を照射する。さらには複数の光源光束を反応容器11の軸方向の直線に集光するために、シリンドリカルレンズなどが使用されることが好ましい。
光センサ72は、第1の側面114に隣接する第2の側面115に対向するよう配置されており、反応容器11内で発生し第2の側面115を透過した蛍光を検出する。一実現例では、光源711としてLED(Light Emitting Diode)等が使用され、光センサ72としてはフォトダイオード等が使用される。
図7は、図1の試料調製領域2近傍の拡大図である。試料調製領域2は、カセット設置領域20を含む。カセット設置領域20には、2以上の分注チップがユニット化された分注チップカセットをセットされる2つの枠20A,20Bが形成されている。図7では、枠20A,20Bのそれぞれに、分注チップカセット200A,200Bが装着されている。分注チップカセット200A,200Bのそれぞれは、横4本および縦12本のマトリクス状に配列された合計48本の分注チップを含む。なお、試料調製領域2は、3つ以上の分注チップカセットを装着できるように、3つ以上の枠を備える構成としてもよい。また、分注チップカセットが含む分注チップの本数は限定されず、例えば、96本~384本の分注チップを含む分注チップカセットを使用することもできる。
図8は、分注チップの縦断面を示す図である。分注チップ8は、略円錐筒状に形成されており、後述する分注器3の先端部に装着可能なよう上端が開口している。分注チップ8は、検体や試薬を吸引および吐出可能なよう下端に吐出孔81を有しており、吸引した検体や試薬を内部に保持することができるよう構成されている。分注チップ8は、保持した検体および試薬の飛散を防止するために上部が通気性のフィルタで覆われていることが好ましい。
図9は、分注チップカセットにおける分注チップの配列を示す図である。分注チップカセット200A,200Bのそれぞれは、フレーム201を含む。48本の分注チップ8は、フレーム201にはめ込まれている。フレーム201は、ほぼ直方体の形状を有しており、2つの角CN1,CN2は面取りされている。試料調製領域2の枠20A,20Bにおいても同様の面取りがされている。分注チップカセット200A,200Bのそれぞれは、当該分注チップカセット200A,200Bにおいて面取りされている部分が枠20A,20Bにおいて面取りされている部分に合わせられることにより、枠20A,20Bに容易にセットされ得る。なお、フレームの形状は直方体ではなくほぼ立方体の形状であってもよいし、1つ又は3つの角が面取りされている形状であってもよい。
図7に戻って、試料調製領域2には、カセット設置領域20の外に、検体ラック21が設置されている。図7に示す例では、検体ラック21は、横一列に並んだ12個の検体孔211を含む。各検体孔211には、検体を収容した容器がセットされる。なお、検体ラック21における検体孔の数は限定されず、例えば、16~48個の検体孔が形成されるように構成されていてもよい。
試料調製領域2には、カセット設置領域20の外に、試薬ラック22が設置されている。試薬ラック22には、ボトル領域221と試料領域222とが設けられている。図7に示す例では、ボトル領域221には、それぞれにボトルをセットされる8個の試薬ボトル孔221A,221B,221C,221D,221E,221F,221G,221Hが形成されている。試薬ボトル孔221A,221B,221C,221D,221E,221F,221G,221Hのそれぞれには、文字列「KOD1」「KOD2」「P1」「P2」「P3」「P4」「S1」「S2」のそれぞれが付されている。これらの文字列のそれぞれは標識の一例である。なお、ボトル領域における試薬ボトル孔の数は限定されず、例えば、6個~12個の試薬ボトル孔としてもよい。
図7の例では、ボトル領域221には、2種類の酵素(一例として、「KOD01」「KOD02」と表記する)のそれぞれのボトルと、4種類のプライマ・プローブ試薬(一例として、「プライマA」「プライマB」「プライマC」「プライマD」と表記する)のボトルとがセットされる。より具体的には、試薬ボトル孔221AにはKOD01のボトルがセットされ、試薬ボトル孔221BにはKOD02のボトルがセットされ、試薬ボトル孔221CにはプライマAのボトルがセットされ、試薬ボトル孔221DにはプライマBのボトルがセットされ、試薬ボトル孔221EにはプライマCのボトルがセットされ、試薬ボトル孔221FにはプライマDのボトルがセットされる。なお、「プライマ・プローブ試薬」とは、プライマ用の試薬とプローブ用の試薬とを含む試薬を意味する。
遺伝子解析装置1における試料の解析に利用される酵素の種類は1種類以上であれば、図7に示された2種類に限定されない。また、遺伝子解析装置1における試料の解析に利用されるプライマ・プローブ試薬の種類は、1種類以上であれば、図7に示された4種類に限定されない。
ボトル領域221は、試薬ボトル孔221G,221Hに、他の試薬ボトル孔にセットされるボトルが収容するのと同じ種類の試薬を収容するボトルがセットされように構成され得る。たとえば、試薬ボトル孔221Gには、KOD01のボトルがセットされ得る。試薬ボトル孔221Hには、KOD02のボトルがセットされ得る。このように利用されるために、試薬ボトル孔221Gには試薬ボトル孔221Aに付されたのと同じ文字を含む文字列が付されても良く、試薬ボトル孔221Hには試薬ボトル孔221Bに付されたのと同じ文字を含む文字列が付されても良い。図7の例では、試薬ボトル孔221Aに付された文字列「KOD1」と試薬ボトル孔221Gに付された文字列「S1」は、共通する文字「1」を含み、試薬ボトル孔221Bに付された文字列「KOD2」と試薬ボトル孔221Hに付された文字列「S2」は、共通する文字「2」を含む。ここで、共通する文字は、「共通の情報」の一例である。
試料領域222には、図7に示す例では、横6列に12個ずつ、合計72個の孔が形成されている。横6列の孔は、下から、第1試薬孔222A、第2試薬孔222B、キャピラリ孔222C、第1試薬孔222D、第2試薬孔222E、キャピラリ孔222Fとして識別される。なお、試料領域222に形成される孔数は図7に示された数に限定されない。横6列に10~20個ずつ孔が形成されていてもよいし、列の数を更に増加させるように(例えば、9列、12列)孔が形成されていてもよい。
12個の第1試薬孔222Aと12個の第2試薬孔222Bのそれぞれには、試薬を分注されるチューブがセットされる。12個のキャピラリ孔222Cのそれぞれには、反応容器11がセットされる。試料調製には、縦に並んだ、1個の第1試薬孔222Aにセットされたチューブと、1個の第2試薬孔222Bにセットされたチューブと、1個のキャピラリ孔222Cにセットされた反応容器11とが関与する。たとえば、最も左のキャピラリ孔222Cにセットされた反応容器11には、最も左の第1試薬孔222Aにセットされたチューブに収容された試薬と、最も左の第2試薬孔222B内のチューブに収容された試薬とが、注入される。
12個の第1試薬孔222Dと12個の第2試薬孔222Eのそれぞれには、試薬を分注されるチューブがセットされる。12個のキャピラリ孔222Fのそれぞれには、反応容器11がセットされる。試料調製には、縦に並んだ、1個の第1試薬孔222Dにセットされたチューブと、1個の第2試薬孔222Eにセットされたチューブと、1個のキャピラリ孔222Fにセットされた反応容器11とが関与する。たとえば、最も左のキャピラリ孔222Fにセットされた反応容器11には、最も左の第1試薬孔222Dにセットされたチューブに収容された試薬と、最も左の第2試薬孔222E内のチューブに収容された試薬とが、注入される。
すなわち、図7に示す例において、試料領域222では、横6列の孔のうち、下方の3列の孔に、12個の試料を調製するための、チューブおよび反応容器11がセットされる。上方の3列の孔に、12個の試料を調製するための、チューブおよび反応容器11がセットされる。したがって、試料領域222には24個の試料を調製するためのチューブおよび反応容器11がセットされ得る。また変形例として、1列の試薬孔及びキャピラリ孔の数を増やしたり、各列の数を増やすことで、調製する試料の数を増加させることもできる。
遺伝子解析装置1では、検体容器、試薬を収容するチューブ、および試料を収容する反応容器11は、1つのラックにおいて保持されてもよい。なお、図7等に示された例では、検体容器は検体ラック21に保持され、試薬を収容するチューブおよび試料を収容する反応容器11は試薬ラック22に保持される。すなわち、検体容器は、チューブおよび反応容器11が保持されるラックとは異なるラックに保持される。これにより、検体ラック21における検体孔211の横方向の間隔を検体容器のサイズに適合したものとしつつ、試薬ラック22における第1試薬孔222A,222D、第2試薬孔222B,222E、および、キャピラリ孔222C,222Fの横方向の間隔をチューブおよび反応容器11のサイズに適合したものとされ得る。図7の例では、試薬ラック22における第1試薬孔222A,222D、第2試薬孔222B,222E、および、キャピラリ孔222C,222Fの横方向の間隔は、検体ラック21における検体孔211の横方向の間隔よりも狭い。すなわち、図7の例では、試薬ラック22における孔の間隔が最小限に抑えられ、これにより、遺伝子解析装置1の内部の空間が有効に利用されている。
図7には、参考線L1が示されている。遺伝子解析装置1では、検体ラック21および試薬ラック22は参考線L1の一方側に位置し、カセット設置領域20は参考線L1の他方側に位置している。これにより、未使用の分注チップ8が保持されるカセット設置領域20がより確実に検体や試薬が設置される領域から離され、分注チップ8の汚染がより確実に回避され得る。
次に、反応容器11について説明する。図10は、反応容器11の縦断面を模式的に示す図である。
図10に示されるように、反応容器11は、下端が閉じ、分注チップ8を内部に挿入可能なよう上端に開口111が形成されている。反応容器11は、下部に試料および試薬を貯留するための細長い貯留部112が形成され、上部には分注チップ8を収容するための収容部113が形成されている。
図11は、分注チップ8および反応容器11の縦断面を模式的に示す図である。反応容器11は、分注チップ8が挿入された場合に分注チップ8によって開口111が封鎖され、かつ分注チップ8と互いに嵌合するよう構成されている。反応容器11の材料としては、熱可塑性樹脂又はガラスが好ましいが特に限定されず、熱可塑性樹脂の場合は、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、メタクリル樹脂、ABS樹脂およびポリ塩化ビニルのいずれか、又はこれらのうち2種以上から成るポリマーアロイ若しくはポリマーブレンドであることが好ましい。
次に、分注器3について説明する。図12は、分注器3の正面図である。図13は、分注器3に分注チップ8が装着された状態を示す図である。
図12に示されるように、分注器3は、例えばシリンジやピペットといった一般的な分注機構31を有しており、この分注機構31により先端部に分注チップ8が装着された状態で試料や試薬を吸引および吐出する。
また、分注器3は、上下に移動可能な円筒部32を先端部に有しており、この円筒部32が下方に移動して先端部に装着された分注チップ8を押し下げることで分注チップ8を取り外すことができるよう構成されている。
次に、移動ユニット4について説明する。移動ユニット4は、主に図2および図3に示されるように、奥行き方向に延びるY軸アーム4Y、幅方向に延びY軸アーム4Yの表面を奥行き方向に摺動するX軸アーム4X、高さ方向に延びX軸アーム4Xの表面を幅方向に摺動するZ軸アーム4Z、および、これらのアームの摺動させるための駆動部(たとえば、モータなど)を含む。Z軸アーム4Zには、分注器3が取り付けられている。このような構成により、移動ユニット4は、分注器3を奥行き方向、幅方向、および高さ方向に自在に移動させることができる。
次に、遠心機5について説明する。遠心機5は、遠心力によって反応容器11内の試料を下端へと移動させる。主に図2に示されるように、遠心機5は、試料調製領域2の奥側に設置されている。一実現例では、遠心機5は、主に図3に示されるように、反応容器11を保持するための第1の保持孔531が複数形成された回転部53を含む。回転部53は、駆動部52により回転する回転軸51に取り付けられていてもよい。
[遺伝子解析装置における試料の解析のための動作]
次に、遺伝子解析装置1における試料の解析のための動作について説明する。
(1)試薬の分注
まず、ボトル領域221内のボトルから、第1試薬孔222A,222Dおよび第2試薬孔222B,222Eのそれぞれにセットされたチューブへ、必要な試薬が分注される。
(2)試料の調製
検体ラック21にセットされた検体容器内の検体と第1試薬孔222A,222Dおよび第2試薬孔222B,222E2セットされたチューブ内の試薬とが、キャピラリ孔222C,222Fにセットされた反応容器11へ注入される。
詳述すると、移動ユニット4は、X軸アーム4XをY軸アーム4Yに沿って遺伝子解析装置1の奥行き方向に移動させ、Z軸アーム4ZをX軸アーム4Xに沿って遺伝子解析装置1の幅方向に移動させる。これにより、カセット設置領域20に保持された分注チップ8の上方へと分注器3が移動する。
次に、移動ユニット4は、分注器3をZ軸アーム4Zに沿って下降させて、分注器3の先端を分注チップ8内に挿入させる。これにより、分注器3の先端部に分注チップ8が装着される。
次に、移動ユニット4は、分注チップ8が装着された分注器3を、検体ラック21の検体容器(図7に示す例では、12個の検体孔211のそれぞれにセットされた12個の検体容器のいずれか)まで移動させ、コントローラ10は、分注器3の分注機構31により、吐出孔81から分注チップ8内に検体容器内の検体を一定量吸引させる。
次に、移動ユニット4は、分注器3を、試薬ラック22の第1試薬孔222Aにセットされたチューブ(図7に示す例では、12個の第1試薬孔222Aのそれぞれにセットされた12個のチューブのいずれか)まで移動させ、コントローラ10は、分注器3を、当該チューブ内の試薬を一定量吸引させる。
次に、移動ユニット4は、分注器3を、試薬ラック22の第2試薬孔222Bにセットされたチューブ(図7に示す例では、12個の第2試薬孔222Bのそれぞれにセットされた12個のチューブのいずれか)まで移動させ、コントローラ10は、分注器3に、当該チューブ内の試薬を一定量吸引させる。
次に、移動ユニット4は、分注器3を、試薬ラック22のキャピラリ孔222Cにセットされた反応容器11(図7に示す例では、12個のキャピラリ孔222Cのそれぞれにセットされた反応容器11のいずれか)まで移動させ、分注器3先端部の分注チップ8を反応容器11に挿入させる。これにより、分注チップ8と反応容器11とが互いに嵌合する。
次に、コントローラ10は、分注器3に、検体および試薬を反応容器11へと吐出させる。
なお、キャピラリ孔222Fにセットされた反応容器11において試料を調製する場合、第1試薬孔222A、第2試薬孔222B、およびキャピラリ孔222Cが、第1試薬孔222D、第2試薬孔222E、およびキャピラリ孔222Fへと変更される。
すなわち、移動ユニット4は、分注器3を、第1試薬孔222Dにセットされたチューブ(図7に示す例では、12個の第1試薬孔222Dのそれぞれにセットされた12個のチューブのいずれか)まで移動させ、コントローラ10は、当該チューブ内の試薬を吸引させ、移動ユニット4は、第2試薬孔222Eにセットされたチューブ(図7に示す例では、12個の第2試薬孔222Eのそれぞれにセットされた12個のチューブのいずれか)まで移動させ、コントローラ10は、当該チューブ内の試薬を吸引させ、そして、移動ユニット4は、キャピラリ孔222Fにセットされた反応容器11(図7に示す例では、12個のキャピラリ孔222Fのそれぞれにセットされた反応容器11のいずれか)まで移動させ、コントローラ10は、検体および試薬を反応容器11へと吐出させる。
次に、移動ユニット4は、反応容器11および分注チップ8が装着された分注器3を、遠心機5まで移動させ、開口5Aを介して第1の保持孔531に反応容器11を挿入し、分注器3から分注チップ8を取り外して分注器3のみを上昇させる。
次に、コントローラ10は遠心機5の駆動部52を駆動する。これにより、回転部53が回転し、反応容器11内の検体および試薬は、遠心力を加えられ、反応容器11の下端側へと移動し、貯留部112に充填される。このように検体および試薬を貯留部112に充填する工程は、図17では、ステップS50における遠心機5を利用した処理として後述される。
遠心機5による作業が完了すると、移動ユニット4は、分注器3を下降させて、分注器3の先端部に、第1の保持孔531に装着されている分注チップ8を再度装着させる。
次に、移動ユニット4は、反応容器11および分注チップ8が装着された分注器3を核酸増幅機6まで移動させ、第2の保持孔62に反応容器11を挿入し、分注器3から分注チップ8および反応容器11を取り外して分注器3のみを上昇させる。
移動ユニット4は、上記の工程を繰り返すことにより、核酸増幅機6に、検体および試薬を充填された反応容器11を必要な数だけセットする。
複数の試料調製において、移動ユニット4は、カセット設置領域20に設置された分注チップカセット200Aまたは分注チップカセット200Bの1つから分注チップ8を分注器3に装着する。一実現例では、移動ユニット4は、まず分注チップカセット200Aにセットされた分注チップ8を利用し、分注チップカセット200Aにセットされる分注チップ8が無くなったら、分注チップカセット200Bにセットされた分注チップ8を利用する。
遺伝子解析装置1は、試料調製の際に分注チップカセット200Aまたは分注チップカセット200Bから分注チップ8を調達する。これにより、遺伝子解析装置1では、ユーザが手指又はピンセット等を使って分注チップ8を1本ずつラックにセットする必要がない。
また、遺伝子解析装置1には、分注チップカセットが複数セットされ得る。これにより、ユーザは、ある回の検査(標的核酸の検出)の途中で分注チップカセット200Aが空になっても、その回の検査を中断する必要は無い。ユーザは、その回の検査では、移動ユニット4に分注チップカセット200Bにセットされた分注チップ8を利用させ、その回の検査の終了後に、空の分注チップカセット200Aを新たな分注チップカセットに入れ替えことができる。
(3)標的核酸の検出
上記のように核酸増幅機6に必要な数の反応容器11がセットされた後、遺伝子解析装置1は、試料の核酸増幅反応のための制御を実行する。そして、遺伝子解析装置1は、蛍光物質によって標識された標識プローブを用いて標的核酸の検出を行う。蛍光物質としては、例えば、標的核酸とのハイブリダイゼーション時に消光するものを用いることができ、フルオロセイン又はその誘導体や、BODIPY(登録商標)シリーズ、ローダミン又はその誘導体といった標識プローブ末端においてグアニンとシトシンとの塩基対形成時に消光するものが好ましい。
上記制御は、変性工程、アニーリング工程、および伸長工程から成る。以下、各工程について説明する。
(3-1)変性工程
変性工程では、コントローラ10は、熱風発生器64のヒーター641をONにし、ファン65を駆動することでチャンバ611内の空気をターンテーブル612の排出口63より排出する。これにより、チャンバ611内の気圧が低くなるため、チャンバ611の外の空気がヒーター641により加熱されながら熱風発生器64の内側を通ってチャンバ611内へと導入される。このようにして、チャンバ611内の温度を所定の温度(例えば、90~105℃)まで上昇させ、第2の保持孔62に保持されている反応容器11内の試料を加熱することにより、反応容器11内の試料に含まれる二重鎖核酸が一重鎖に解離する。
(3-2)アニーリング工程
アニーリング工程では、コントローラ10は、ヒーター641をOFFにし、ファン65を駆動することでチャンバ611内の高温の空気を排出口63より排出する。これにより、チャンバ611の外の常温の空気が熱風発生器64を介してチャンバ611内へと導入される。このようにして、チャンバ611内の温度を所定の温度(例えば、35~65℃)まで低下させ、反応容器11内の試料を冷却することにより、反応容器11内における試料中の各一重鎖核酸の5’末端にプライマがアニーリングする。このとき、試料中に標的核酸が存在する場合は、標識プローブが標的核酸にハイブリダイゼーションする。チャンバ611内の温度を上述した所定の温度(例えば、35~65℃)に保った状態で一定時間(例えば、0.01~5分)が経過した後、照射部71の光源711により反応容器11の第1の側面114に励起光を照射する。標識プローブは標的核酸とのハイブリダイゼーション時に消光する性質を有するため、反応容器11内においては標的核酸とハイブリダイゼーションしていない標識プローブのみが励起されて蛍光を発生させる。この蛍光のうち、反応容器11の第2の側面115を透過したものが光センサ72により検出される。その後、ターンテーブル612を回転させ、別の第2の保持孔62に保持された反応容器11に対しても光の照射および蛍光の検出を行う。
(3-3)伸長工程
伸長工程では、コントローラ10は、変性工程と同様に、チャンバ611内の温度を所定の温度(例えば40~80℃、好ましくは45℃~75℃)まで上昇させて反応容器11内の試料を加熱する。これにより、反応容器11内において一重鎖核酸の5’末端にアニーリングしているプライマが伸長して二重鎖核酸の複製物が生成される。このとき、標的核酸にハイブリダイゼーションしていた標識プローブは標的核酸から解離する。
以上のような変性工程、アニーリング工程、および伸長工程が繰り返されることにより、反応容器11の試料中の核酸は増幅される。試料中に標的核酸が含まれている場合は標的核酸も増加するため、アニーリング工程において標的核酸にハイブリダイゼーションする標識プローブの数が増加し、光センサ72によって検出される蛍光量が減少する。この蛍光量の減少により、反応容器11内の試料に含まれる標的核酸の有無が判断される。
このように標的核酸の有無を判断する工程は、図17では、ステップS60における核酸増幅機6を利用した核酸検出として後述される。
核酸の検出終了後、移動ユニット4は、分注器3に、核酸増幅機6の第2の保持孔62内の反応容器11および分注チップ8を装着させる。そして、移動ユニット4は、分注器3を、廃棄ボックス12まで移動させ、分注チップ8および反応容器11を分注器3から取り外すように動作させる。これにより、分注チップ8および反応容器11は廃棄ボックス12へと廃棄される。
[ハードウェア構成]
図14は、遺伝子解析装置1のハードウェア構成を示す図である。
図14に示されるように、遺伝子解析装置1では、コントローラ10は、ディスプレイ17、分注器3、移動ユニット4、遠心機5、核酸増幅機6、および検出機7と接続され、これらの動作を制御する。
遺伝子解析装置1は、さらに、入力装置14および通信インターフェース(I/F)16を含む。入力装置14は、操作ボタン、および/または、ディスプレイ17に表示されるソフトウェアボタンによって実現される。コントローラ10は、入力装置14を介して情報の入力を受け付ける。通信I/F16は、たとえばネットワークカードによって実現される。コントローラ10は、通信I/Fを介して、外部の機器と通信する。
図14の例では、コントローラ10は、プロセッサ101とメモリ102とを含む。メモリ102は、プロセッサ101によって実行されるプログラムおよび遺伝子解析装置1の動作に利用される種々のデータが格納され得る。
[試薬管理情報のデータ構成]
図15は、試薬管理情報のデータ構成の一例を示す図である。試薬管理情報は、ボトル領域221にセットされた8本のボトルの残量を管理するための情報である。試薬管理情報は、たとえばメモリ102に格納される。
図15に示されるように、試薬管理情報は、位置と、試薬種類と、試薬残量とを関連付ける。位置は、ボトル領域221における8本のボトルのそれぞれがセットされる試薬ボトル孔を表す。たとえば、位置「221A」は、試薬ボトル孔221Aを表す。
試薬種類は、各孔にセットされるボトル内の試薬の種類を表す。図15の例において、「KOD01」および「KOD02」のそれぞれは、酵素の種類を表す。「プライマA」「プライマB」「プライマC」および「プライマD」のそれぞれは、プライマの種類(プローブ試薬が含まれる場合は、プライマ試薬とプローブ試薬の組合せの種類)を表す。
試薬残量は、各孔にセットされたボトル内の試薬があと何回の試料調製に利用できるかを表す。たとえば、「10」は、あと10回の試料調製に利用できる残量を表す。一実現例では、1回の試料調製に4μLの試薬が利用される場合、残量「10」は、試薬の残量が40μLであることを意味する。
[試料調製情報のデータ構成]
図16は、試料調製情報のデータ構成の一例を示す図である。試料調製情報は、24個の試料のそれぞれの内容を表す。24個の試料は、12個のキャピラリ孔222Cのそれぞれにセットされた12個の反応容器11内の試料と、12個のキャピラリ孔222Fのそれぞれにセットされた12個の反応容器11内の試料とから構成される。試料調製情報は、たとえばメモリ102に格納される。
図16に示されるように、試料調製情報は、試験番号と、検体番号と、第1試薬と、第2試薬とを関連付ける。試験番号は、12個のキャピラリ孔222Cおよび12個のキャピラリ孔222Fのそれぞれを規定する。たとえば、12個のキャピラリ孔222Cのそれぞれには1~12の試験番号のいずれかが割り当てられ、12個のキャピラリ孔222Fのそれぞれには13~24の試験番号のいずれかが割り当てられる。
検体番号は、12個の検体孔211のそれぞれを規定する。検体番号は、たとえば図7において12個の検体孔211のそれぞれに付されている番号に従って付されても良い。
第1試薬および第2試薬のそれぞれは、試料調製の際に各試料の調製に利用される酵素およびプライマの種類(又は、プライマ試薬がプローブも含む場合は、プライマとプローブの組合せの種類)を規定する。
一実現例では、試験番号1~12のそれぞれの第1試薬は、12個の第1試薬孔222Aのそれぞれにセットされたチューブに分注される。試験番号1~12のそれぞれの第2試薬は、12個の第2試薬孔222Bのそれぞれにセットされたチューブに分注される。試験番号13~24のそれぞれの第1試薬は、12個の第1試薬孔222Dのそれぞれにセットされたチューブに分注される。試験番号13~24のそれぞれの第2試薬は、12個の第2試薬孔222Eのそれぞれにセットされたチューブに分注される。
図16の例では、たとえば、試験番号「1」と、検体番号「1」と、第1試薬「KOD01」と、第2試薬「プライマA」とが関連付けられている。このことは、試験番号「1」で特定される試薬は、検体番号「1」で特定される検体(12個の検体孔211の最も左の孔にセットされた検体)と、「KOD01」で特定される酵素と、「プライマA」で特定されるプライマとを含むことを意味する。
試料調製情報は、たとえばユーザによって生成される。すなわち、ユーザは、調製する各試料の情報を試料調製情報として遺伝子解析装置1に入力する。
図16の例では、試験番号「23」および「24」には、検体番号、第1試薬、および第2試薬が関連付けられていない。このことは、試験番号「23」および「24」については試料の調製が予定されていないことを意味する。すなわち、図16の例では、ユーザは、遺伝子解析装置1では最大24個の試料の調製が可能なところ、この時点では22個の試料の調製のみを予定していることを意味する。
試料調製情報の変形例を図29に示す。図29では、同一検体を複数回測定する場合に、試験番号を連番にしている。すなわち、たとえば、検体番号「1」の検体は、試験番号「1」と試験番号「2」に利用される。このように、同一検体が連続した試験番号に利用されるように試料調製情報を生成することにより、後述する試料未調製の検体を収容する検体用容器が保持される領域を含むクリーンエリアが他の検体によって汚染される事態をより一層確実に回避できる利点がある。
[処理の流れ]
(1)メイン
図17は、遺伝子解析装置1における標的核酸の検出のために実行される処理のフローチャートである。遺伝子解析装置1は、たとえばプロセッサ101に所与のプログラムを実行させることによって、図17の処理を実現してもよい。なお、上記処理は、Field-Programmable Gate Array(FPGA)またはApplication Specific Integrated Circuit(ASIC)等の専用の回路によって実行されてもよい。
図17を参照して、ステップS10にて、遺伝子解析装置1は、入力装置14および/または通信I/F16を介して、試料調製情報などの情報の入力を受け付ける。
ステップS20にて、遺伝子解析装置1は、スタートボタンの操作などによる検出の開始の指示を受け付けたか否かを判断する。遺伝子解析装置1は、当該指示を受け付けるまでステップS20にて制御を留め(ステップS20にてNO)、当該指示を受け付けるとステップS30へ制御を進める(ステップS20にてYES)。
ステップS30にて、遺伝子解析装置1は、試薬ボトル孔221A~221Fにセットされたボトルから、第1試薬孔222A,222Dおよび第2試薬孔222B,222Eのそれぞれにセットされたチューブへ、試薬を分注する。各チューブに分注される試薬の種類は、試料調製情報(図16参照)に基づいて特定される。ステップS30における試薬の分注の内容は、図18を参照して後述される。
ステップS40にて、遺伝子解析装置1は、キャピラリ孔222C,222Fのそれぞれにセットされた反応容器11において試料を調製する。ステップS40における試料の調製の内容は、図19を参照して後述される。
ステップS50にて、遺伝子解析装置1は、調製された試料(反応容器11)を遠心機5で処理する。
ステップS60にて、遺伝子解析装置1は、調製された試料について、核酸増幅機6を利用した核酸検出を実行する。
ステップS70にて、遺伝子解析装置1は、分注チップ8および反応容器11の廃棄などの後処理を実行し、図17の処理を終了させる。
(2)試薬分注
図18は、図17の試薬分注(ステップS30)のサブルーチンのフローチャートである。
図18を参照して、ステップS300にて、遺伝子解析装置1は、変数Mの値を1にセットする。変数Mは、第1試薬孔222A,222Dおよび第2試薬孔222B,222Eにセットされたチューブに分注される各試薬を特定する。図16の例によれば、第1試薬孔222A,222Dおよび第2試薬孔222B,222Eに分注される試薬は、「KOD01」「KOD02」「プライマA」「プライマB」「プライマC」および「プライマD」の6種類である。変数Mは、これら6種類の試薬のそれぞれに対応する。
ステップS302にて、遺伝子解析装置1は、M番目の試薬について、試料調製情報(図16)を参照して、第1試薬孔222A,222Dおよび第2試薬孔222B,222Eの分注に必要な各試薬の量を特定する。たとえば、M番目の試薬が「KOD01」である場合、16個の試料(試験番号1~16)に必要とされるため、必要な量は「16」と特定される。M番目の試薬が「プライマA」である場合、12個の試料(試験番号1~12)に必要とされるため、必要な量は「12」と特定される。
ステップS304にて、遺伝子解析装置1は、試薬管理情報(図15)を参照して、M番目の試薬について、1本目のボトルの残量がステップS300において特定された必要量以上である否かを判断する。M番目の試薬が「プライマA」である場合、必要量は「12」であり、試薬残量は「12」であるため、1本目のボトルの残量は必要量以上である。一方、M番目の試薬が「KOD01」である場合、必要量は「16」であるが1本目のボトル(たとえば、図15の番号1と番号7のうち番号1)の残量は「10」であるため、1本目のボトルの残量は必要量以上ではない。
遺伝子解析装置1は、1本目のボトルの残量が必要量以上であると判断すると(ステップS304にてYES)、ステップS306へ制御を進め、そうでなければ(ステップS304にてNO)、ステップS308へ制御を進める。
ステップS306にて、遺伝子解析装置1は、変数Mの値が第1試薬孔222A,222Dおよび第2試薬孔222B,222Eに分注される試薬の種類の数P(図16の例では「6」)に到達しているか否かを判断する。遺伝子解析装置1は、変数Mの値が当該試薬の種類の数Pに到達していると判断すると(ステップS306にてYES)、ステップS314へ制御を進め、そうでなければ(ステップS306にてNO)、ステップS312へ制御を進める。
ステップS312にて、遺伝子解析装置1は、変数Mの値を1加算更新して、ステップS302へ制御を戻す。
ステップS308にて、遺伝子解析装置1は、M番目の試薬について、1本目のボトルと2本目のボトルの残量の合計がステップS302において特定された必要量以上であるか否かを判断する。たとえば、M番目の試薬が「KOD01」である場合、1本目のボトル(たとえば、図15の番号1)の残量は「10」であり、2本目のボトル(たとえば、図15の番号7)の残量は「50」であり、必要量は「16」であるため、上記合計は上記必要量以上である。
遺伝子解析装置1は、上記合計が上記必要量以上であると判断すると(ステップS308にてYES)、ステップS306へ制御を進め、そうでなければ(ステップS308にてNO)、ステップS310へ制御を進める。
ステップS310にて、遺伝子解析装置1は、エラーを報知して、図18(図17)の処理を終了させる。エラーの報知は、音声であってもよいし、表示(たとえば、ディスプレイ17における表示)であってもよい。
ステップS314にて、遺伝子解析装置1は、試料調製情報(図16)に従って、分注器3に、第1試薬孔222A,222Dおよび第2試薬孔222B,222Eのそれぞれにセットされたチューブへ試薬を分注させる。その後、遺伝子解析装置1は、制御を図17へリターンさせる。
遺伝子解析装置1は、ステップS314において、ある種類の試薬について、試料調製情報に登録された試験番号1~24の試料調製に必要な量が1つのボトルに収容されている場合、分注器3に、当該ボトル内の試薬を利用させる。図15および図16に示された例では、遺伝子解析装置1は、試薬「プライマA」を要する試験番号1~12について、分注器3に、番号3のボトルに収容されている試薬を各チューブへ分注させる。
一方、遺伝子解析装置1は、ある種類の試薬について、試料調製情報に登録された試験番号1~24の試料調製に必要な量が1つのボトルに収容されていない場合であって、複数のボトルに収容されている場合には、分注器3に、当該複数のボトルに収容されている試薬を利用させる。図15および図16に示された例では、遺伝子解析装置1は、試薬「KOD01」を要する試験番号1~16について、分注器3に、試験番号1~10については番号1のボトルに収容されている試薬を各チューブへ分注させ、試験番号11~16については番号7のボトルに収容されている試薬を各チューブへ分注させる。これにより、1回の検査(標的核酸の検出)において試験番号1~24(図16の例では試験番号1~22)の試料が調製される際、ボトル領域221内の1本のボトルに必要な量の試薬が収容されていなくても、ボトル領域221内の複数のボトルに必要な量の試薬が収容されていれば、検査が中断される必要は無い。ユーザは、その回の検査の終了後にボトルを入れ替えればよい。また、その検査の終了後に空になった試薬ボトルがあれば、空の試薬ボトルがあること及び/又は次回の検査までに試薬ボトルを入れ替える必要があることを、音声、表示(たとえば、ディスプレイ17における表示)等で報知する構成を採用してもよい。
ボトル領域221に同一の種類の試薬を含有する複数のボトルが保持されている場合、コントローラ10は、当該複数のボトルの中のどれを1本目のボトル(ステップS304)とするかを、種々の方法で決定し得る。一実現例では、8個の試薬ボトル孔221A,221B,221C,221D,221E,221F,221G,221Hの中で予め優先順位が定められており、複数のボトルのうち優先順位の高い方に保持されているボトルを「1本目のボトル」と決定してもよい。
一実現例では、コントローラ10は、試薬管理情報内のデータに基づいて「1本目のボトル」を決定してもよい。図19は、試薬管理情報の第1の変形例の構造を示す図である。図19の例では、試薬管理情報は各ボトル内の試薬の使用期限をさらに含む。使用期限は、ユーザによって入力されてもよいし、遺伝子解析装置1に搭載されたリーダ(図示略)によってボトルに印刷された情報から読み取られて試薬管理情報に登録されても良い。
コントローラ10は、同一の種類の試薬を収容する複数のボトルのうち、最も早く使用期限が到来するものを「1本目のボトル」として決定する。図19の例では、試薬「KOD01」について、番号1のボトル(使用期限:2020年4月16日)を「1本目のボトル」と決定し、番号7のボトル(使用期限:2020年4月20日)を「2本目のボトル」と決定する。
図20は、試薬管理情報の第2の変形例の構造を示す図である。図20の例では、試薬管理情報は各ボトルがボトル領域221の各孔への設置を開始された日(設置開始日)をさらに含む。設置開始日は、ユーザによって入力されてもよいし、ボトル領域221の各孔に設けられたセンサ(図示略)がボトルの装着を検出し始めた日付としてコントローラ10によって登録されてもよい。
コントローラ10は、同一の種類の試薬を収容する複数のボトルのうち、設置開始日が最も早いものを「1本目のボトル」として決定する。図20の例では、試薬「KOD01」について、番号1のボトル(設置開始日:2020年4月16日)を「1本目のボトル」と決定し、番号7のボトル(設置開始日:2020年4月20日)を「2本目のボトル」と決定する。
図21は、試薬管理情報の第3の変形例の構造を示す図である。図21の例では、試薬管理情報は、ボトル領域221の各孔に設置されたボトルの優先順位をさらに含む。一実現例では、各ボトルの優先順位は、デフォルトで「1」と設定され、同一の試薬について複数のボトルがボトル領域221に保持される場合には、ユーザによって各ボトルの優先順位の値が設定され得る。
コントローラ10は、同一の種類の試薬を収容する複数のボトルのうち、優先順位の値「1」を有するものを「1本目のボトル」として決定する。図21の例では、試薬「KOD01」について、番号1のボトル(優先順位:1)を「1本目のボトル」と決定し、番号7のボトル(優先順位:2)を「2本目のボトル」と決定する。
(3)試料調製
図22は、図17の試料調製(ステップS40)のサブルーチンのフローチャートである。
図22を参照して、ステップS400にて、遺伝子解析装置1は、変数Nの値を1に設定する。変数Nは、試料調製情報(図16)の試験番号に対応する変数である。
ステップS402にて、遺伝子解析装置1は、分注器3を分注チップカセット200Aまたは分注チップカセット200Bまで移動させる。
ステップS404にて、遺伝子解析装置1は、分注器3の先端を分注チップ8にはめ込ませることにより、分注器3に分注チップ8をセットする。
ステップS406にて、遺伝子解析装置1は、分注器3を、試験番号Nに対応する検体まで移動させる。たとえば、Nが1の場合、分注器3は、試験番号1に対応する検体番号1の検体(たとえば、検体ラック21の最も左の検体孔211に保持された検体容器)まで移動する。Nが2の場合、分注器3は、試験番号2に対応する検体番号2の検体(たとえば、検体ラック21の左から2番目の検体孔211に保持された検体容器)まで移動する。なお、図16に示す試料調製情報に基づく例では、Nが13の場合も、分注器3は、試験番号13に対応する検体番号1の検体まで移動する。
ステップS408にて、遺伝子解析装置1は、分注器3に検体を吸引させる。
ステップS410にて、遺伝子解析装置1は、試験番号Nに対応する第1試薬のチューブ(図7に示す例では、12個の第1試薬孔222Aおよび12個の第1試薬孔222Dのいずれかにセットされたチューブ)まで移動させる。
ステップS412にて、遺伝子解析装置1は、分注器3に第1試薬を吸引させる。
ステップS414にて、遺伝子解析装置1は、分注器3を、試験番号Nに対応する第2試薬のチューブ(図7に示す例では、12個の第2試薬孔222Bおよび12個の第2試薬孔222Eのいずれかにセットされたチューブ)まで移動させる。
ステップS416にて、遺伝子解析装置1は、分注器3に第2試薬を吸引させる。
ステップS418にて、遺伝子解析装置1は、分注器3を、試験番号Nに対応する反応容器11(図7に示す例では、12個のキャピラリ孔222Cおよび12個のキャピラリ孔222Fのいずれかにセットされた反応容器)まで移動させ、分注器3の先端の分注チップ8を反応容器11に挿入する。これにより、分注器3(の先端の分注チップ8)が反応容器11と嵌合する。
ステップS420にて、遺伝子解析装置1は、分注器3を、遠心機5の開口5Aまで移動させる。
ステップS422にて、遺伝子解析装置1は、第1の保持孔531に反応容器11を挿入して分注器3から分注チップ8を取り外し、分注器3のみを上昇させる。
ステップS424にて、変数Nの値が、試験番号の最大数Q(図16の例では「22」)に到達しているか否かを判断する。遺伝子解析装置1は、変数Nが最大数Qに到達していると判断すると(ステップS424にてYES)、ステップS428へ制御を進め、そうでなければ(ステップS424にてNO)、ステップS426へ制御を進める。
ステップS426にて、遺伝子解析装置1は、変数Nの値を1加算更新して、ステップS402へ制御を戻す。これにより、試験番号1から順に、試料が調製され、調製された試料を収容する反応容器11が遠心機5にセットされる。
ステップS428にて、遺伝子解析装置1は、分注器3を予め定められた初期位置に移動させる。その後、遺伝子解析装置1は、制御を図17へリターンさせる。
(4)分注器の移動経路
次に、分注器3の移動経路について説明する。
図21を参照して説明された処理では、分注器3は、各試験番号について、カセット設置領域20において分注チップ8に嵌合され、検体と試薬(第1試薬と第2試薬)を吸引し、反応容器11に検体と試薬を吐出し、反応容器11に嵌合され、分注チップ8と反応容器11を遠心機5の第1の保持孔531に挿入させた後、分注チップ8と反応容器11から取り外される。
遺伝子解析装置1において、各試料の調製における分注器3の移動経路は、利用される分注チップ8の分注チップカセット200Aまたは分注チップカセット200Bにおける配置、利用される検体容器の配置、利用される第1試薬および第2試薬のチューブの配置、および、利用される反応容器11の配置に基づいて適宜設定され得る。一実現例では、これらの要素の配置のすべての組合せについて予め経路が設定されていてもよい。
分注器3の、分注チップ8に嵌合されてから遠心機5の第1の保持孔531で分注チップ8(と反応容器11)から取り外されるまでの移動経路は、その回の検査で未調製の試料の調製に関連する、分注チップ8、検体、およびチューブを回避するように設定され得る。回避される領域は、「クリーンエリア」として定義されていてもよい。
図23は、試験番号1の試料の調製の際のクリーンエリアの一例を示す図である。図23では、クリーンエリアは、領域901,902,903を含む。試験番号1の試料の調製の際のクリーンエリアは、試験番号2以降の試料の調製に関与する要素を含む。なお、クリーンエリアは、領域901~903のいずれかのみを含むエリアであってもよいし、領域901~903のうちの任意の2つのエリア(例えば、901及び903のエリア)のみを含むエリアであってもよい。
より具体的には、領域901は、カセット設置領域20およびボトル領域221、ならびにその近傍を含む。領域902は、検体ラック21における、試験番号1の試料に対応する検体以外の検体を保持する検体孔211およびその近傍を含む。領域903は、試薬ラック22における、試験番号1の試料に関連する要素(チューブおよび反応容器11)以外のチューブおよび反応容器11、ならびにその近傍を含む。一実現例では、近傍とは、移動中の分注チップ8の吐出孔81から僅かな液滴が零れた場合に、各領域、検体孔、チューブ又は反応容器が汚染され得る、各領域、検体孔、チューブ又は反応容器の周辺領域を意味する。近傍は、各領域、検体孔、チューブ又は反応容器に対して十分な広がりを与えるために、例えば、前記各領域、検体孔、チューブ又は反応容器の外周から約5mm程度の幅をもって規定される領域であり得るが、これに限定されるものではない。
図24~図27は、試験番号1の試料の調製における分注器3の移動経路の一例を説明するための図である。
図24には、カセット設置領域20から検体ラック21までの経路が、経路A1として示されている。経路A1によれば、カセット設置領域20において1の分注チップ8に嵌合された後、分注器3は、クリーンエリアの中でも、カセット設置領域20における残りの分注チップ8の上を通過しないように移動する。
図25には、検体ラック21から第1試薬孔222Aまでの経路が、経路A2として示されている。図25には、参考として、検体ラック21から第1試薬孔222Aまでの最短経路が、経路B2として示されている。経路B2は領域901を通過するのに対し、経路A2は領域901を回避している。
図26には、第1試薬孔222Aから第2試薬孔222Bまでの経路が経路A3として示され、第2試薬孔222Bからキャピラリ孔222Cまでの経路が経路A4として示されている。
図27には、キャピラリ孔222Cから開口5Aまでの経路が、経路A5として示されている。図27には、参考として、キャピラリ孔222Cから開口5Aまでの最短経路が、経路B5として示されている。経路B5は領域901を通過するのに対し、経路A5は領域901を回避している。
図28は、試験番号8の試料の調製の際のクリーンエリアの一例を示す図である。図28では、クリーンエリアは、領域901,904,905を含む。領域904は、検体ラック21において、試験番号9~24(実質的には試験番号9~22)の試料調製に利用される検体を収容する検体孔211およびその近傍を含む。領域905は、第1試薬孔222A、第2試薬孔222B、キャピラリ孔222C、第1試薬孔222D、第2試薬孔222E、および、キャピラリ孔222Fのうち、試験番号9以降の試料の調製に利用されるチューブおよび反応容器11が保持される孔を含む。
図28には、試験番号8の試料について、キャピラリ孔222Cから開口5Aまでの経路が、経路A6として示される。図28には、参考として、キャピラリ孔222Cから開口5Aまでの最短経路が、経路B6として示される。経路B6は領域901および領域905を通過するのに対し、経路A6は領域901および領域905を回避している。
上述のように、遺伝子解析装置1では、各試料の調製における分注器3の移動経路はコントローラ10によって制御され得る。これにより、ユーザは、移動経路設定という煩わしい作業を省略し得る。さらに、移動経路は、上記のようにクリーンエリアを回避するように設定される。これにより、1の検体が他の検体によって汚染されるという事態がより確実に回避され得る。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。
1 遺伝子解析装置、1A 本体、2 試料調製領域、3 分注器、4 移動ユニット、4X,4Y,4Z 軸アーム、5 遠心機、5A,111 開口、6 核酸増幅機、7 検出機、8 分注チップ、10 コントローラ、11 反応容器、12 廃棄ボックス、14 入力装置、15 ドア、16 通信I/F、17 ディスプレイ、20 カセット設置領域、20A,20B 枠、21 検体ラック、22 試薬ラック、31 分注機構、32 円筒部、51 回転軸、52 駆動部、53 回転部、61 ケーシング、62 第2の保持孔、63 排出口、64 熱風発生器、65 ファン、71 照射部、72 光センサ、81 吐出孔、101 プロセッサ、102 メモリ、112 貯留部、113 収容部、114 第1の側面、115 第2の側面、200A,200B チップカセット、201 フレーム、211 検体孔、221 ボトル領域、221A,221B,221C,221D,221E,221F,221G,221H 試薬ボトル孔、222 試料領域、222A,222D 第1試薬孔、222B,222E 第2試薬孔、222C,222F キャピラリ孔。

Claims (9)

  1. 2以上のチップを保持可能なチップカセットを1以上保持する、カセット収容部と、
    検体を収容する検体用容器を1以上保持するラックを含む、1以上のラックとを備え、
    前記1以上のラックは、前記カセット収容部に保持された前記2以上のチップのそれぞれが利用されることによって、1以上の前記検体用容器のそれぞれに収容された検体を注入される、試料用容器を1以上保持し、
    チップを装着されて、検体を試料用容器に注入するための分注器と、
    前記分注器を、前記カセット収容部に保持された2以上のチップのそれぞれについて、前記カセット収容部に保持されたチップを前記分注器へ装着し、前記チップを介して1以上の前記検体用容器のいずれかに収容された検体を吸引し、吸引された検体を1以上の前記試料用容器のいずれかへと注入し、前記チップを前記分注器から取り外す、ように動作させる、コントローラとをさらに備え、
    前記コントローラは、前記チップが装着された前記分注器を、当該チップより後のチップを装着されて試料用容器に注入される検体に関連する部材が保持される領域以外の場所を通過するように移動させ、
    前記部材が保持される領域以外の場所は、既に検体を分注された試料用容器がセットされていた領域を含む、遺伝子解析装置。
  2. 前記カセット収容部は、2以上の前記チップカセットを保持可能に構成されている、請求項1に記載の遺伝子解析装置。
  3. 前記1以上のラックは、1以上の前記検体用容器および1以上の前記試料用容器を所与の基準線に対して一方側に保持し、
    前記カセット収容部は、前記所与の基準線の他方側に位置する、請求項1または請求項2に記載の遺伝子解析装置。
  4. 前記1以上のラックは、1以上の前記検体用容器を保持する第1のラックと、1以上の前記試料用容器を保持する第2のラックとを含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の遺伝子解析装置。
  5. 前記カセット収容部は、2以上の前記チップカセットを保持可能に構成されており、
    前記2以上の前記チップカセットは、第1のチップカセットと第2のチップカセットとを含み、
    前記2以上のチップは、前記第1のチップカセットに保持された第1のチップと、前記第2のチップカセットに保持された第2のチップとを含み、
    前記コントローラは、前記分注器に、前記第1のチップを前記分注器へ装着させ、前記第1のチップを前記分注器から取り外された後、前記第2のチップを前記分注器へ装着させる、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の遺伝子解析装置。
  6. チップを装着されて、検体用容器内の検体を試料用容器に注入するための分注器と、
    前記分注器の動作を制御するコントローラとを備え、
    前記コントローラは、
    前記分注器に第1のチップを装着して第1の検体を第1の試料用容器に注入させた後、前記分注器に第2のチップを装着して第2の検体を第2の試料用容器に注入させ、
    前記分注器に前記第1のチップが装着されている場合に、前記第2の検体に関連する部材が保持される領域以外の場所を通過するように前記分注器を移動させ、
    前記第2の検体に関連する部材が保持される領域以外の場所は、前記第1の検体を注入される前に検体を分注された試料用容器がセットされていた領域を含む、遺伝子解析装置。
  7. 前記第2の検体に関連する部材が保持される領域は、1以上の前記検体用容器のうち、前記分注器に装着されているチップによる検体の注入より後で注入される検体を収容する検体用容器が保持される領域を含む、請求項に記載の遺伝子解析装置。
  8. 前記第2の検体に関連する部材が保持される領域は、1以上の試料用容器のそれぞれに注入される試薬を収容する1以上の試薬用容器のうち、前記分注器に装着されているチップによる試薬の注入より後で注入される試薬を収容する試薬用容器が保持される領域を含む、請求項6または請求項に記載の遺伝子解析装置。
  9. 前記1以上の試薬用容器のそれぞれに分注される試薬を収容するボトルを保持するボトル保持部をさらに備え、
    前記第2の検体に関連する部材が保持される領域は、前記ボトル保持部を含む、請求項に記載の遺伝子解析装置。
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