JP7427058B2 - 負熱膨張材、その製造方法及び複合材料 - Google Patents

負熱膨張材、その製造方法及び複合材料 Download PDF

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Description

本発明は、温度上昇に対して収縮する負熱膨張材、その製造方法及び該負熱膨張材を含む複合材料に関するものである。
多くの物質は温度が上昇すると、熱膨張によって長さや体積が増大する。これに対して 、温めると逆に体積が小さくなる負の熱膨張を示す材料(以下「負熱膨張材」ということがある)も知られている。
負の熱膨張を示す材料は、他の材料とともに用いて、温度変化による材料の熱膨張の変化を抑制することができることが知られている。
負の熱膨張を示す材料としては、例えば、β-ユークリプタイト、タングステン酸ジルコニウム(ZrW)、リン酸タングステン酸ジルコニウム(ZrWO(PO)、ZnCd1-x(CN)、マンガン窒化物、ビスマス・ニッケル・鉄酸化物等が知られている。
リン酸タングステン酸ジルコニウムの線膨張係数は、0~400℃の温度範囲で-3.4~-3.0ppm/℃であり、負熱膨張性が大きいことが知られている。このリン酸タングステン酸ジルコニウムと、正の熱膨張を示す材料(以下「正熱膨張材」ということがある。)とを併用することで、低熱膨張の材料を製造することができる(特許文献1~2等参照)。また、正熱膨張材である樹脂等の高分子化合物と負熱膨張材とを併用することも提案されている(特許文献3等参照)。
また、下記非特許文献1には、α-Cuの銅バナジウム複合酸化物は、室温から200℃の温度域で-5~-6ppm/℃の線膨張係数を有することが開示されている。また、該銅バナジウム複合酸化物のCuの一部をZn、Ga、Feから選ばれる少なくとも1種の元素で置換したり、或いはVの一部をPで置換することにより、更に負熱膨張特性を向上させる方法も提案されている(特許文献4~5)。
特開2005-35840号公報 特開2015-10006号公報 特開2018-2577号公報 特開2019-210198号公報 中国特許CN112390642号公報
Ceramics International, Vol.42、p17004―17008(2016)
しかしながら、非特許文献1の銅バナジウム複合酸化物は、リン酸タングステン酸ジルコニウムに比べ、線膨張係数が小さくなるが、より安価な原料系で製造でき、工業的に有利に製造することができること及び耐水性に優れていることから、更に、負熱膨張特性を向上させることが要求されている。
従って、本発明は、優れた負熱膨張特性を有する負熱膨張材を提供することを目的とする。また、本発明は、工業的に有利な方法で該負熱膨張材を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。
すなわち、本発明(1)は、Li原子が固溶している下記一般式(1):
(Cu)(V)O (1)
(式中、MはCu及びV以外の原子番号11以上の金属元素を示す。xは1.60≦x≦2.40、yは0.00≦y≦0.40、aは1.60≦a≦2.40、bは0.00≦b≦0.40、tは6.20≦t≦7.80を示す。但し、1.60≦x+y≦2.40、1.60≦a+b≦2.40である。)
で表され、Li原子の含有量が100~9000質量ppmである銅バナジウム複合酸化物からなることを特徴とする負熱膨張材を提供するものである。
また、本発明(2)は、Li原子が固溶している下記一般式(1):
(Cu)(V)O (1)
(式中、MはCu及びV以外の原子番号11以上の金属元素を示す。xは1.60≦x≦2.40、yは0.00≦y≦0.40、aは1.60≦a≦2.40、bは0.00≦b≦0.40、tは6.20≦t≦7.80を示す。但し、1.60≦x+y≦2.40、1.60≦a+b≦2.40である。)
で表され、Li原子の含有量が100~9000質量ppmである銅バナジウム複合酸化物からなる負熱膨張材の製造方法であり、
Li源と、Cu源と、V源と、必要により混合されるM源及び/又はP源と、が水溶媒に溶解した原料混合液を調製する第A1工程と、
前記原料混合液から水溶媒を除去して、反応前駆体を調製する第A2工程と、
前記反応前駆体を焼成する第A3工程と、
を有することを特徴とする負熱膨張材の製造方法を提供するものである。
また、本発明(3)は、Li原子が固溶している下記一般式(1a):
(Cu)(V)O (1a)
(式中、MはCu及びV以外の原子番号11以上の金属元素を示す。xは1.60≦x≦2.40、yは0<y≦0.40、aは1.60≦a≦2.40、bは0.00≦b≦0.40、tは6.20≦t≦7.80を示す。但し、1.60x+y≦2.40、1.60≦a+b≦2.40である。)
で表され、Li原子の含有量が100~9000質量ppmである銅バナジウム複合酸化物からなる負熱膨張材であり、該負熱膨張材中のPに対するLiの比が原子換算のモル比(Li/P)で0.70~1.30である負熱膨張材の製造方法であり、
Li源と、Cu源と、V源と、P源と、必要により混合されるM源と、を混合して原料混合物を調製する第B1工程と、
前記原料混合物を焼成する第B2工程と、
を有し、
前記第B1工程のLi源及びP源としてメタリン酸リチウムを用いること、
を特徴とする負熱膨張材の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、優れた負熱膨張特性を有する負熱膨張材を提供することができる。
実施例1で得られた負熱膨張材試料のX線回折図。 実施例2で得られた負熱膨張材試料のX線回折図。 実施例3で得られる負熱膨張材試料のX線回折図。 比較例1で得られた負熱膨張材試料のX線回折図。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
本発明の負熱膨張材は、Li原子が固溶している下記一般式(1):
(Cu)(V)O(1)
(式中、MはCu及びV以外の原子番号11以上の金属元素を示す。xは1.60≦x≦2.40、yは0.00≦y≦0.40、aは1.60≦a≦2.40、bは0.00≦b≦0.40、tは5.00≦t≦9.00を示す。但し、1.60≦x+y≦2.40、1.60≦a+b≦2.40である。)
で表される銅バナジウム複合酸化物からなることを特徴とする。
Li原子を固溶させる銅バナジウム複合酸化物は、下記一般式(1):
(Cu)(V)O(1)
で表される銅バナジウム複合酸化物である。
一般式(1)中、Mは負熱膨張性の向上、負熱特性の調整、樹脂分散性の改良等を目的として必要により含有させる金属元素である。MはCu及びV以外の原子番号11以上の金属元素を示し、Zn、Ga、Fe、Mg、Co、Mn、Al、Ba及びCaから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、Zn、Ga、Fe、Mg、Co、Mn、Al、Ba及びCaから選ばれる1種が一層好ましく、Mg、Co、Mn、Al及びCaから選ばれる1種がより一層好ましい。
一般式(1)中、xは1.60≦x≦2.40、好ましくは1.70≦x≦2.30、より好ましくは1.80≦x≦2.20である。xが上記範囲にあることにより、負熱膨張特性がより高くなる。
一般式(1)中、yは0.00≦y≦0.40、好ましくは0.00≦y≦0.35、より好ましくは0.00≦y≦0.30である。yが上記範囲にあることにより、負熱膨張特性がより高くなる。
一般式(1)中、aは1.60≦a≦2.40、好ましくは1.50≦a≦2.30、より好ましくは1.20≦a≦2.20である。aが上記範囲にあることにより、負熱膨張特性がより高くなる。
一般式(1)中、bは、0.00≦b≦0.40である。そして、本発明において、Vの一部をPで置換したものが負熱膨張性に優れたものになる点で、yは、好ましくは0<b≦0.40、特に好ましくは0<b≦0.35、より好ましくは0.01≦b≦0.30である。
一般式(1)中、tは5.00≦t≦9.00、好ましくは6.00≦t≦8.00、より好ましくは6.20≦t≦7.80である。tが上記範囲にあることにより、負熱膨張特性がより高くなる。
一般式(1)中、x+yは1.60≦x+y≦2.40、好ましくは1.70≦x+y≦2.30、より好ましくは1.80≦x+y≦2.20である。x+yが上記範囲にあることにより、負熱膨張特性がより高くなる。
一般式(1)中、a+bは1.60≦a+b≦2.40、好ましくは1.70≦a+b≦2.30、より好ましくは1.80≦a+b≦2.20である。a+bが上記範囲にあることにより、負熱膨張特性がより高くなる。
本発明の負熱膨張材では、一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物に、Li原子が固溶している。つまり、本発明の負熱膨張材は、一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物からなり、且つ、該銅バナジウム複合酸化物にはLi原子が粒子内部に固溶して含有されている。通常の負熱膨張材とLi金属との複合体は、負熱膨張材粒子にLi金属が単に強固に付着して存在するものであり、本発明のように負熱膨張材粒子の粒子内部までLi原子が固溶して存在させるものではない。本発明の負熱膨張材が、Li原子が固溶している一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物であることにより、Li原子が固溶していない一般式(1)と同様の組成を有する銅バナジウム複合酸化物に比べて、負熱膨張特性が向上する。すなわち、本発明の負熱膨張材が、Li原子が固溶している一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物であることにより、Li原子が固溶していない一般式(1)と同様の組成を有する銅バナジウム複合酸化物に比べて、熱膨張係数が小さくなる。
本発明の負熱膨張材中、Li原子の含有量は、好ましくは100~9000質量ppm、より好ましくは200~8000質量ppm、特に好ましくは300~7000質量ppmである。負熱膨張材中のLi原子の含有量が上記範囲にあることにより、X線回折的に単相で負熱膨張特性が優れる点で好ましい。なお、本発明において、負熱膨張材中のLi原子の含有量は、負熱膨張材を酸分解した溶液をICP発光法で分析することにより求められる。
本発明の負熱膨張材のBET比表面積は、特に制限されないが、好ましくは0.05~50m/g、特に好ましくは0.1~10m/g、一層好ましくは0.1~5m/gである。負熱膨張材のBET比表面積が、上記範囲にあることにより、負熱膨張材を樹脂やガラス等のフィラーとして用いる際に、取扱いが容易になる。
本発明の負熱膨張材の平均粒子径は、特に制限されないが、走査型電子顕微鏡観察法により求められる平均粒子径で、好ましくは0.1~100μm、特に好ましくは0.3~80μmである。負熱膨張材の平均粒子径が上記範囲にあることにより、負熱膨張材を樹脂やガラス等のフィラーとして用いる際に、取扱いが容易になる。なお、本発明において、負熱膨張材の平均粒子径については、走査型電子顕微鏡観察において、倍率1000倍で任意に抽出した粒子50個の粒子径の算術平均値を、平均粒子径として求めた。このとき、各粒子の粒子径とは、粒子の二次元投影像を横断する線分のうち最も大きい長さ(最大長)をいう。
本発明の負熱膨張材の粒子形状は、特に制限されず、例えば、球状、粒状、板状、鱗片状、ウィスカー状、棒状、フィラメント状、破砕状であってもよい。
本発明の負熱膨張材の熱膨張係数は、Li原子が固溶していない一般式(1)と同様の組成を有する銅バナジウム複合酸化物に比べて、熱膨張係数が低くなる限りは、制限されるものではないが、本発明の負熱膨張材の熱膨張係数は、好ましくは-8.0×10-6/K以下、より好ましくは-10.0×10-6/K以下であり、下限値についても特に制限されるものではないが、概ね-30.0×10-6/K以上、好ましくは-28.0×10-6/K以上である。本発明の負熱膨張材において、正熱膨張材と複合させたときに熱膨張係数が正の膨張を相殺させ易くなる点で、本発明の負熱膨張材の熱膨張係数は、特に好ましくは-25.0×10-6~-8.0×10-6/Kである。
なお、本発明において、熱膨張係数は、以下の手順により求められる。先ず、負熱膨張材試料1.0gとバインダー樹脂0.05gとを混合し、φ6mmの金型に全量充填し、次いで、バンドプレスを用いて0.5tの圧力で成形して 成形体を作成する。この成形体を電気炉中700℃で4時間大気雰囲気で焼成して、セラミック成形体を得る。得られるセラミック成形体を、熱機械測定装置を用いて、窒素雰囲気で、荷重10g、温度50~425℃にて繰り返し2回測定し、繰り返し2回目の50~400℃間の測定値を熱膨張係数とする。熱機械測定装置としては、例えば、NETZSCH JAPAN製 TMA400SEを用いることができる。
本発明の負熱膨張材において、一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物には、基本的にはZiesite相(β相)とBlossite相(α相)が存在し、また、これらの混相のものも存在する。本発明の負熱膨張材は、Ziesite相(β相)、Blossite相(α相)、あるいは、Ziesite相(β相)とBlossite相(α相)の混相のものであってもよい。なお、本発明において一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物が単相であるとは、一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物のZiesite相(β相)が単独で存在すること、Blossite相(α相)が単独で存在すること、あるいは、Ziesite相(β相)とBlossite相(α相)の混相で存在していることを指し、X線回析的に、一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物以外の回析ピークが検出されないことを意味する。
本発明の負熱膨張材では、線源としてCuKα線を用いて、負熱膨張材をX線回折分析したときに、2θ=23.5~26.5°の25°付近の回折ピークは、Ziesite相(β相)に由来するものであり、2θ=26.8~27.8°の27°付近の回折ピークは、Blossite相(α相)に由来するものである。
本願明細書中の後述する実施例2及び実施例3は、Li原子の固溶量が1215ppmでありCu2.00(V1.940.06)O7.00でほぼ同一組成の銅バナジウム複合酸化物が記載されているが、線熱膨張係数が異なる。この理由は、定かではないが、実施例2では、Ziesite相及びBlossite相の2つの相を有する銅バナジウム複合酸化物であり、実施例3では、Ziesite相を有する単相の銅バナジウム複合酸化物であることから、結晶相やその結晶相の含有率の相違によるものと本発明者らは考えている。
本発明の負熱膨張材は、以下に述べる本発明の第一の形態の負熱膨張材の製造方法又は本発明の第二の形態の負熱膨張材の製造方法により、工業的に有利に製造される。
本発明の第一の形態の負熱膨張材の製造方法は、Li原子が固溶している下記一般式(1):
(Cu)(V)O(1)
(式中、MはCu及びV以外の原子番号11以上の金属元素を示す。xは1.60≦x≦2.40、yは0.00≦y≦0.40、aは1.60≦a≦2.40、bは0.00≦b≦0.40、tは5.00≦t≦9.00を示す。但し、1.60≦x+y≦2.40、1.60≦a+b≦2.40である。)で表される銅バナジウム複合酸化物からなる負熱膨張材の製造方法であり、
Li源と、Cu源と、V源と、必要により混合されるM源及び/又はP源と、が水溶媒に溶解した原料混合液を調製する第A1工程と、
前記原料混合液から水溶媒を除去して、反応前駆体を調製する第A2工程と、
前記反応前駆体を焼成する第A3工程と、
を有することを特徴とする。つまり、本発明の第一の形態の負熱膨張材の製造方法は、本発明の負熱膨張材を製造する方法であり、第A1工程、第A2工程及び第A3工程を有する。
本発明の第一の形態の負熱膨張材の製造方法に係る一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物は、本発明の負熱膨張材に係る一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物と同様である。
第A1工程は、Li源と、Cu源と、V源と、必要により混合されるM源及び/又はP源と、を水溶媒に溶解させて、Li源と、Cu源と、V源と、必要によりM源及び/又はP源が、水溶媒に溶解した原料混合液を調製する工程である。
第A1工程に係る水溶媒とは、水を50質量%を超えて含む溶媒を指し、水のみからなるものでもよく、水と親水性有機溶媒との混合溶媒であってもよい。親水性有機溶媒とは、任意の割合で水に溶解する有機溶媒のことであり、例えば、エタノール、メタノール等が挙げられる。
第A1工程に係るLi源としては、水溶媒に溶解できるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム等が挙げられる。
第A1工程に係るCu源としては、水溶媒に溶解できるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、グルコン酸銅、クエン酸銅、シュウ酸銅、酢酸銅、乳酸銅等の有機カルボン酸の銅塩、鉱酸の銅塩等が挙げられる。
第A1工程に係るV源としては、水溶媒に溶解できるものであれば特に制限されるものではないが、バナジン酸及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、カルボン酸のバナジウム塩等が挙げられる。
カルボン酸のバナジウム塩としては、ギ酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸等のモノカルボン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸等のジカルボン酸、カルボキシル基の数が3であるクエン酸等のカルボン酸が挙がられる。これらのうち、バナジン酸アンモニウム、グルコン酸バナジウムが不純物の少ない目的物を得るという観点から好ましい。
また、V源としてカルボン酸のバナジウム塩を用いる場合、水溶媒に五酸化バナジウム 、還元剤及びカルボン酸を添加し、60~100℃で加熱処理してカルボン酸のバナジウム塩を生成させ、この反応液をそのまま用いて、Cu源と、必要に応じて、M源及び/又はP源を混合して、原料混合液を得ることができる。
還元剤としては、還元糖が好ましく、還元糖としては、例えば、グルコース、フルクトース、ラクトース、マルトース、スクロース等が挙げられ、このうち、ラクトース、スクロースが、優れた反応性を有するという観点から特に好ましい。
還元糖の添加量は、五酸化バナジウム中のVに対する還元糖中のCのモル比(C/V)で、好ましくは0.7~3.0であり、効率的に還元反応を行うことができる点で、より好ましくは0.8~2.0である。カルボン酸の添加量は、五酸化バナジウムに対するモル比で、好ましくは0.1~4.0であり、効率的に透明なバナジウム溶解液を得ることができる点で、より好ましくは0.2~3.0である。
必要により混合されるM源としては、水溶媒に溶解できるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、M元素のカルボン酸塩、ハロゲン化物等が挙げられ、M元素のカルボン酸塩としては、例えば、グルコン酸塩、クエン酸塩、乳酸塩等が挙げられる。
また、M源が難溶性又は不溶性のものである場合には、水溶媒に、クエン酸、シュウ酸、乳酸等のM源とキレートを形成するカルボン酸を添加することによりM源を水溶媒に溶解させて用いることができる。
必要により混合されるP源としては、水溶媒に溶解できるものであれば特に制限されるものではないが、リン酸が好ましく用いられる。
第A1工程に係る原料混合液の調製において、Cu源、V源及び必要により混合されるM源及び/又はP源の水溶媒への混合量は、原料混合液中のCu、V、M及びPの各原子モル比が、前記一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物の組成となるように、適宜調節されることが好ましい。また、第A1工程に係る原料混合液の調製において、Li源の混合量は、得られる負熱膨張材に対して、好ましくは100~9000質量ppm、より好ましくは200~8000質量ppm、特に好ましくは300~7000質量ppmとなるように、適宜調節されることが好ましい。
原料混合液中のV源と必要により混合されるP源の濃度は、V源とP源の合計濃度(V源+P源)として、酸化物換算で好ましくは1~40質量%であり、均一溶液の作製がし易くなる点、また、次工程における水分蒸発の効率に優れる点で、より好ましくは2~30質量%である。
原料混合液中のCu源と必要により添加されるM源の濃度は、Cu源とM源の合計濃度(Cu源+M源)として、酸化物換算で好ましくは1~40質量%であり、均一溶液の作製がし易くなる点、また、次工程における水分蒸発の効率に優れる点で、より好ましくは2~30質量%である。
原料混合液中のLi源の濃度は、酸化物換算で好ましくは0.001~0.3質量%であり、均一溶液の作製がし易くなる点、また、次工程における水分蒸発の効率に優れる点で、より好ましくは0.003~0.2質量%である。
水溶媒へのLi源、Cu源、V源及び必要により混合されるM源及び/又はP源の混合順序は特に制限されるものではないが、V源を水溶媒に溶解した溶液(A液)と、Cu源と必要により混合されるM源とを水溶媒に溶解した溶液(B液)と、Li源を水溶媒に溶解した溶液(C液)と、必要により混合されるP源を水溶媒に溶解した溶液(D液)を個別にそれぞれ調製し、これらA液、B液、C液及び必要により混合されるD液を混合して原料混合液を得ることが均一溶液を作成する観点から好ましい。
A液、B液及びC液の混合方法は特に制限されるものではないが、B液、C液をこの順序でA液に順次混合することが、均一溶液が得易くなる点で好ましい。また、D液を混合する場合は、B液、D液、C液をこの順序でA液に順次混合することが、均一溶液を得易くなる点で好ましい。
A液中のV源の濃度は、酸化物換算で好ましくは1~40質量%であり、均一溶液の作製がし易くなる点、また、次工程における水分蒸発の効率に優れる点で、より好ましくは2~30質量%である。
また、A液には、V源の溶解性を高めるために、アルカリを添加したり、温度を上げたり、或いは両方の処置を行っても差し支えない。
B液には、Cu源及び必要により混合されるM源を、水溶媒に溶解させるために、カルボン酸を加えて、カルボン酸塩として、水溶媒にCu源及び/又はM源を溶解させてもよい。
必要によりM源を混合する場合は、原料混合液の調製方法としては、Cu源を水溶媒に溶解した溶液(B1液)と、M源を水溶媒に溶解した溶液(B2液)とを個別に調製し、
(1)B1液、B2液、C液をこの順序で順次A液に混合する方法、又は(2)B2液、B1液、C液をこの順序で順次A液に混合する方法が挙げられる。
必要によりD液を混合する場合は、原料混合液の調製方法としては、(1)B1液、B2液、D液、C液をこの順序で順次A液に混合する方法、又は(2)B2液、B3液、D液、C液をこの順序で順次A液に混合する方法が挙げられる。
B液中のCu源及び必要により混合するM源の合計濃度(Cu源+M源)は、酸化物換算で好ましくは1~40質量%であり、均一溶液の作製がし易くなる点、また、次工程における水分蒸発の効率に優れる点で、より好ましくは2~30質量%である。
C液におけるLi源の濃度は、酸化物換算で好ましくは0.001~0.3質量%であり、均一溶液の作製がし易くなる点、また、次工程における水分蒸発の効率に優れる点で、より好ましくは0.003~0.2質量%である。
必要により混合されるD液中のP源の濃度は、酸化物換算で好ましくは0.001~0.3質量%であり、均一溶液の作製がし易くなる点、また、次工程における水分蒸発の効率に優れる点で、より好ましくは0.003~0.2質量%である。
第A2工程は、第A1工程で調製した原料混合液を加熱することにより、水溶媒を除去して反応前駆体を調製する工程である。
第A2工程では、例えば、第A1工程で調製した原料混合液を攪拌しながら加熱することにより、ペースト状又は固体になるまで水溶媒を除去して反応前駆体を調製することができる。第A2工程においては、全ての水溶媒を除去して、反応前駆体を固体としてもよく、あるいは、反応前駆体が少量の水溶媒を含んだペースト状としてもよい。なお、ペースト状とは粘性をかなり有する状態を指す。
第A2工程において、水溶媒に各原料が溶解している原料混合液を加熱するときの加熱温度は、水溶媒が除去できる温度であれば特に制限はないが、沸騰状態を維持できる温度が好ましく、通常は90~120℃が好ましく、100~120℃がより好ましい。
そして、第A2工程を行うことにより、反応前駆体を得る。
第A3工程は、第A2工程を行い得られた反応前駆体を焼成して、本発明の負熱膨張材を得る工程である。
第A3工程における焼成温度は、好ましくは580~780℃、より好ましくは600~750℃である。焼成温度が、580℃より低いと、前記一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物の生成が不十分となる傾向があり、また、780℃を超えると、坩堝等への融着により生成物の回収が困難になる傾向がある。
第A3工程における焼成時間は、特に制限されず、本発明の負熱膨張材が生成するまで十分な時間反応を行う。本発明の負熱膨張材の生成については、例えば、X線回折分析で単相の一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物が得られているかどうかで、本発明の負熱膨張材の生成を確認することができる。第A3工程では、多くの場合、焼成時間が1時間以上、好ましくは2~20時間で、反応前駆体中の原料のほぼ全てが、Li原子が固溶している前記一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物からなる負熱膨張材となる。なお、本発明において一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物が単相で
あるとは、一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物のZiesite相(β相)が単独で存在すること、Blossite相(α相)が単独で存在すること、あるいは、Ziesite相(β相)とBlossite相(α相)の混相で存在していることを指し、X線回析的に、一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物以外の回析ピークが検出されないことを意味する。
また、第3A工程において、焼成雰囲気は、特に制限されず、不活性ガス雰囲気下、真空雰囲気下、酸化性ガス雰囲気下、大気中のいずれであってもよい。
第A3工程では、焼成を、1回行ってもよいし、所望により複数回行ってもよい。例えば、粉体特性を均一にする目的で、一度焼成したものを粉砕し、粉砕物について更に焼成を行ってもよい。
焼成後、適宜冷却し、必要に応じ粉砕、解砕、分級等を行い、本発明の負熱膨張材を得る。
本発明の第二の形態の負熱膨張材の製造方法は、Li原子が固溶している下記一般式(1a):
(Cu)(V)O(1a)
(式中、MはCu及びV以外の原子番号11以上の金属元素を示す。xは1.60≦x≦2.40、yは0<y≦0.40、aは1.60≦a≦2.40、bは0.00≦b≦0.40、tは5.00≦t≦9.00を示す。但し、1.60≦x+y≦2.40、1.60≦a+b≦2.40である。)
で表される銅バナジウム複合酸化物からなる負熱膨張材であり、該負熱膨張材中のPに対するLiの比が原子換算のモル比(Li/P)で0.70~1.30である負熱膨張材の製造方法であり、
Li源と、Cu源と、V源と、P源と、必要により混合されるM源と、を混合して原料混合物を調製する第B1工程と、
前記原料混合物を焼成する第B2工程と、
を有し、
前記第B1工程のLi源及びP源としてメタリン酸リチウムを用いること、
を特徴とする負熱膨張材の製造方法である。つまり、本発明の第二の形態の負熱膨張材の製造方法は、本発明の負熱膨張材のうち、一般式(1)中のbが0<b≦0.40、好ましくは0<b≦0.35、より好ましくは0.01≦b≦0.30であり、且つ、Pに対するLiの比が原子換算のモル比(Li/P)で、0.70~1.30、好ましくは0.80~1.20である負熱膨張材を製造する方法であり、第B1工程及び第B2工程を有し、第B1工程のLi源及びP源としてメタリン酸リチウムを用いる。
本発明の第二の形態の負熱膨張材の製造方法に係る一般式(1a)で表される銅バナジウム複合酸化物は、前記一般式(1)中のbが0<b≦0.40、好ましくは0<b≦0.35、より好ましくは0.01≦b≦0.30であること以外は、本発明の負熱膨張材に係る一般式(1)で表される銅バナジウム複合酸化物と同様である。つまり、一般式(1a)で表される銅バナジウム複合酸化物は、Pを含む。
本発明の第二の形態の負熱膨張材の製造方法に係る負熱膨張材、すなわち、本発明の第二の形態の負熱膨張材の製造方法を行い得られる負熱膨張材中のPに対するLiの比が原子換算のモル比(Li/P)で、0.70~1.30、好ましくは0.80~1.20である。
第B1工程は、Li源と、Cu源と、V源と、P源と、必要により混合されるM源と、を混合して原料混合物を得る工程であり、且つ、第B1工程ではLi源及びP源としてメタリン酸リチウムを用いる。つまり、第B1工程では、メタリン酸リチウムと、Cu源と、V源と、必要により混合されるM源と、を混合して原料混合物を得る。
メタリン酸リチウムはLiPOで表され、Pに対するLiの比が原子換算のモル比(Li/P)で1で含む化合物である。本発明の第二の形態の負熱膨張材の製造方法では、第B1工程において、Li源及びP源としてメタリン酸リチウムを用いるので、原料混合物としてCu源、V源及び必要により混合されるM源とメタリン酸リチウムとの均一混合物が得易くなる。
第B1工程においてLi源及びP源として用いるメタリン酸リチウムは、工業的に入手できるものであれば特に制限はないが、反応性に優れる点で、レーザー回折法により求められる平均粒子径が500μm以下、好ましくは1~400μmのものが好ましい。
第B1工程に係るCu源としては、後述する湿式で混合処理する場合は、湿式混合で用いる溶媒に対して不溶性又は難溶性のものが、原料混合物として均一に分散されたものが得られ易く、このためX線回折的に単相の一般式(1a)で表される銅バナジウム複合酸化物が得られ易い点で、好ましい。Cu源としては、例えば、銅の酸化物、銅の水酸化物等が挙げられる。これらのCu源は反応性が優れる点で、レーザー回折法により求められる平均粒子径(D50)が、20μm以下のものが好ましく、0.1~15μmのものがより好ましい。
第B1工程に係るV源としては、後述する湿式で混合処理する場合は、湿式混合で用いる溶媒に対して不溶性又は難溶性のものが、原料混合物として均一に分散されたものが得られ易く、このためX線回折的に単相の一般式(1a)で表される銅バナジウム複合酸化物が得られ易い点で、好ましい。V源としては、例えば、五酸化バナジウム等の酸化バナジウムが挙げられる。これらのV源は、反応性が優れる点で、レーザー回折法により求められる平均粒子径(D50)が、20μm以下のものが好ましく、0.1~15μmのものがより好ましい。
第B1工程に係るM源としては、後述する湿式で混合処理する場合は、湿式混合で用いる溶媒に対して不溶性又は難溶性のものが、原料混合物として均一に分散されたものが得られ易く、このためX線回折的に単相の一般式(1a)で表される銅バナジウム複合酸化物が得られ易い点で、好ましい。M源としては、例えば、Mを含む酸化物、水酸化物等が挙げられる。これらのM源は、反応性が優れる点で、レーザー回折法により求められる平均粒子径(D50)が、20μm以下のものが好ましく、0.1~15μmのものがより好ましい。
第B1工程に係る原料混合物の調製において、原料混合物中のCu、V、P及びMの各原子モル比が、前記一般式(1a)で表される銅バナジウム複合酸化物の組成となり、且つ、負熱膨張材中のPに対するLiの比が原子換算のモル比(Li/P)で、0.70~1.30、好ましくは0.80~1.20となるように、メタリン酸リチウム、Cu源、V源及び必要により混合されるM源の混合量を、適宜調節することが好ましい。
メタリン酸リチウム、Cu源、V源及び必要により混合されるM源の混合処理を、湿式又は乾式で行うことができるが、均一な原料混合物を容易に得ることができるという点で、湿式で混合処理を行うことが好ましい。湿式混合処理を行う方法としては、メタリン酸リチウム、Cu源、V源及び必要により混合されるM源が不溶性又は難溶性の溶媒を用いて行うことが、原料混合物として均一に分散させたものが得られ易く、このためX線回折的に単相の一般式(1a)で表される銅バナジウム複合酸化物が得られ易い点で、好ましい。湿式混合処理に用いられる溶媒としては、メタリン酸リチウム、Cu源、V源及び必要により混合されるM源の種類によっても異なるが、水、メタノール、エタノール等が挙げられる。
また、湿式混合処理を行う装置としては、特に制限されるものではないが、ビーズミル、ボールミル、ペイントシェーカー、アトライタ、サンドミル等のメディアミルが挙げられる。また、実験室レベルの少量の場合は、乳鉢等を用いて湿式混合処理を行ってもよい。
第B1工程において、乾式混合処理を行った場合は、メタリン酸リチウム、Cu源、V源及び必要により混合されるM源を乾式混合処理することにより、原料混合物を得、また、湿式混合処理を行った場合は、メタリン酸リチウム、Cu源、V源及び必要により混合されるM源を湿式混合処理し、次いで、乾燥することにより、原料混合物を得る。
第B2工程は、第B1工程で調製した原料混合物を焼成して、本発明の負熱膨張材を得る工程である。
第B2工程における焼成温度は、好ましくは580~780℃、より好ましくは600~750℃である。焼成温度が、580℃未満だと、前記一般式(1a)で表される銅バナジウム複合酸化物の生成が不十分となる傾向があり、また、780℃を超えると、坩堝等への融着により生成物の回収が困難になる傾向があるからである。
第B2工程における焼成時間は、特に制限されず、本発明の負熱膨張材が生成するまで十分な時間反応を行う。本発明の負熱膨張材の生成については、例えば、X線回折分析で単相の一般式(1a)で表される銅バナジウム複合酸化物が得られているかどうかで、本発明の負熱膨張材の生成を確認することができる。第B2工程では、多くの場合、焼成時間が1時間以上、好ましくは2~20時間で、原料混合物中の原料のほぼ全てが、Li原子が固溶している前記一般式(1a)で表される銅バナジウム複合酸化物からなる負熱膨張材となる。なお、本発明において一般式(1a)で表される銅バナジウム複合酸化物が単相であるとは、一般式(1a)で表される銅バナジウム複合酸化物のZiesite相(β相)が単独で存在すること、Blossite相(α相)が単独で存在すること、あるいは、Ziesite相(β相)とBlossite相(α相)の混相で存在していることを指し、X線回析的に、一般式(1a)で表される銅バナジウム複合酸化物以外の回析ピークが検出されないことを意味する。
また、第B2工程において、焼成雰囲気は、特に制限されず、不活性ガス雰囲気下、真空雰囲気下、酸化性ガス雰囲気下、大気中のいずれであってもよい。
第B2工程では、焼成を、1回行ってもよいし、所望により複数回行ってもよい。例えば、粉体特性を均一にする目的で、一度焼成したものを粉砕し、粉砕物について更に焼成を行ってもよい。
焼成後、適宜冷却し、必要に応じ粉砕、解砕、分級等を行い、本発明の負熱膨張材を得る。
なお、粒子形状が球状である負熱膨張材を製造する方法としては、例えば、前記第A2工程において原料混合液からの水溶媒の除去を、スプレードライヤーを用いて乾燥処理する噴霧乾燥法により行い、次いで、前記第A3工程を行うことにより製造することができる。
噴霧乾燥法において、霧化された液滴の大きさは特に限定されないが、1~40μmが好ましく、5~30μmが特に好ましい。スプレードライヤーへのスラリーの供給量は、この観点を考慮して決定することが好ましい。
なお、スプレードライヤーにおいて乾燥のために用いる熱風の温度は、100~270℃、好ましくは150~230℃であることが、粉体の吸湿を防ぎ粉体の回収が容易になることから好ましい。
本発明の第一の形態の負熱膨張材の製造方法及び本発明の第二の形態の負熱膨張材の製造方法により得られる負熱膨張材の走査型電子顕微鏡観察法により求められる平均粒子径は、好ましくは0.1~100μm、特に好ましくは0.3~80μmであり、また、BET比表面積は、0.05~50m/g、特に好ましくは0.1~10m/gである。負熱膨張材の平均粒子径、BET比表面積が、上記範囲にあることにより、負熱膨張材を樹脂やガラス等へのフィラー用として用いる際に、取扱いが容易になる点で好ましい。
また、本発明の負熱膨張材は、樹脂分散性や負熱膨張材の耐湿性を向上させることを目的として、必要により粒子表面が、表面処理が施されていてもよい。また、本発明の第一の形態の負熱膨張材の製造方法及び本発明の第二の形態の負熱膨張材の製造方法は、樹脂分散性や負熱膨張材の耐湿性を向上させることを目的として、必要により、焼成を行い得られた負熱膨張材に対し、表面処理を施してもよい。
表面処理としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、脂肪酸又はその誘導体、Zn、Si、Al、Ba、Ca、Mg、Ti、V、Sn、Co、Fe及びZrから選ばれる元素を1種又は2種以上含有する無機化合物等で粒子表面を被覆処理する方法等が挙げられる(例えば、WO2020/095837号パンフレット。WO2020/261976号パンフレット、WO2019/087722号パンフレット、特開2020―147486号公報参照)。また、これらを適宜組み合わせて表面処理を行ってもよい。
本発明の第一の形態の負熱膨張材の製造方法及び本発明の第二の形態の負熱膨張材の製造方法を行い得られる負熱膨張材の熱膨張係数は、-8.0×10-6/K以下、好ましくは-10.0×10-6/K以下であり、下限値については概ね-30.0×10-6/K以上、好ましくは-28.0×10-6/K以上である。本発明の負熱膨張材の製造方法を行い得られる負熱膨張材の熱膨張係数は、正熱膨張材と複合させたときに熱膨張係数が正の膨張を相殺させ易くなる点で、特に好ましくは-25.0×10-6~-8.0×10-6/Kである。
本発明の負熱膨張材は、粉体又はペーストとして用いられる。本発明の負熱膨張材をペーストとして用いる場合には、本発明の負熱膨張材を、溶媒及び/又は粘性の低い液状樹脂に混合及び分散させ、ペーストの状態で用いる。また、本発明の負熱膨張材を、溶媒及び/又は粘性の低い液状樹脂に分散させ、更に必要により、バインダー、フラックス材及び分散剤等を含有させて、ペーストの状態で用いてもよい。
本発明の負熱膨張材は、正熱膨張材として、各種有機化合物又は無機化合物と併用され、複合材料として用いられる。本発明の複合材料は、本発明の負熱膨張材と、正熱膨張材と、を含む。
正熱膨張材として用いられる有機化合物としては、特に限定されないが、ゴム、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィン、ポリスチレン、ABS、ポリアクリレート、ポリフェニレンスルファイド、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂(PET樹脂)及びポリ塩化ビニル樹脂などを挙げられる。また、正熱膨張材として用いられる無機化合物としては、二酸化ケイ素、珪酸塩、グラファイト、サファイア、各種のガラス材料、コンクリート材料、各種のセラミック材料などが挙げられる。
本発明の複合材料は、負熱膨張特性に優れる本発明の負熱膨張材を含んでいるため、他の化合物との配合比率によって、負熱膨張率、零熱膨張率又は低熱膨張率を実現することが可能である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
(実施例1)
(第A1工程)
バナジン酸アンモニウム(NHVO)3.00g、アンモニア水6ml、純水80mlをビーカーに入れ、攪拌しながら60℃に加熱してA液を得た。次にグルコン酸銅(扶桑化学工業製)11.64gを純水50mlに加えて攪拌し、B液を得た。次に水酸化リチウム1水和物0.032gを純水10mlに加えて攪拌し、C液を得た。次にA液に対してB液、C液の順に加えて均一溶液である原料混合液を得た。
(第A2工程)
得られた原料混合液を攪拌しながら沸騰状態を維持する温度に加熱して水を除去し、ペースト状の反応前駆体を得た。
(第A3工程)
得られたペースト状の反応前駆体を坩堝中、大気下で、650℃で4時間焼成して焼成品を得た。
得られた焼成品をX線回折分析したところ、2θ=27°付近にメインの回析ピークを持つBlossite相の単相のCu2.002.007.00が検出された。焼成品のX線回折図を図1に示す。また、得られた焼成品を酸分解した溶液をICP発光分析し、焼成品中のLi原子の含有量を求めたところ、Li原子の含有量は1215質量ppmであった。これらの結果、焼成品は、Li原子が1215質量ppm固溶しているBlossite相の単相のCu2.002.007.00の銅バナジウム複合酸化物であることがわかった。
次いで、焼成品を乳鉢で粉砕処理し、これを負熱膨張材試料とした。
(実施例2)
(第A1工程)
バナジン酸アンモニウム(NHVO)3.00g、アンモニア水6ml、純水80mlをビーカーに入れ、攪拌しながら60℃に加熱してA液を得た。次にグルコン酸銅(扶桑化学工業製)12.00gを純水50mlに加えて攪拌し、B液を得た。次に水酸化リチウム1水和物0.032gを純水10mlに加えて攪拌し、C液を得た。次にリン酸0.091gを純水10mlに加えて攪拌し、D液を得た。次にA液に対してB液、D液、C液の順に加えて均一溶液である原料混合液を得た。
(第A2工程)
前記原料混合液を攪拌しながら沸騰状態を維持する温度に加熱して水を除去し、ペースト状の反応前駆体を得た。
(第A3工程)
前記ペースト状の反応前駆体を坩堝中、大気下で、650℃で4時間焼成して焼成品を得た。
得られた焼成品をX線回折分析したところ、2θ=25°付近にメインの回析ピークを持つZiesite相及び2θ=27°付近にメインの回析ピークを持つBlossite相の単相のCu2.00(V1.940.06)O7.00が検出された。焼成品のX線回折図を図2に示す。また、得られた焼成品を酸分解した溶液をICP発光分析し、焼成品中のLi原子の含有量を求めたところ、Li原子の含有量は1215質量ppmであった。これらの結果、焼成品は、Li原子が1215質量ppm固溶しているZiesite相及びBlossite相の単相のCu2.00(V1.940.06)O7.00の銅バナジウム複合酸化物であることがわかった。また、Pに対するLiの原子換算のモル比(Li/P)は0.97であった。
次いで、焼成品を乳鉢で粉砕処理し、これを負熱膨張材試料とした。
(実施例3)
(第B1工程)
五酸化バナジウム(V:平均粒子径1.0μm)1.67g、酸化銅(CuO:平均粒子径1.5μm)1.50g、メタリン酸リチウム(LiPO:平均粒子径300μm)0.049gを計量し、エタノール30mlを分散媒として乳鉢で20分間粉砕混合した後に乾燥して原料混合物を得た。
(第B2工程)
得られた原料混合物を大気下で、650℃で4時間焼成して焼成品を得た。
得られた焼成品をX線回折分析したところ、2θ=25°付近にメインの回析ピークを持つZiesite相の単相のCu2.00(V1.940.06)O7.00が検出された。焼成品のX線回折図を図3に示す。また、得られた焼成品を酸分解した溶液をICP発光分析し、焼成品中のLi原子の含有量を求めたところ、Li原子の含有量は1215質量ppmであった。これらの結果、焼成品は、Li原子が1215質量ppm固溶しているZiesite相の単相のCu2.00(V1.940.06)O7.00の銅バナジウム複合酸化物であることがわかった。また、Pに対するLiの原子換算のモル比(Li/P)は1.00であった。
次いで、焼成品を乳鉢で粉砕処理し、これを負熱膨張材試料とした。
(比較例1)
五酸化バナジウム(V:平均粒子径1.0μm)1.71g、酸化銅(CuO:平均粒子径1.5μm)1.50g、エタノール30mlを分散媒として乳鉢で20分間粉砕混合した後に乾燥して原料混合物を得た。この粉末を大気下で、650℃で4時間焼成して焼成品を得た。
得られた焼成品をX線回折分析したところ、2θ=27°付近にメインの回析ピークを持つBlossite相の単相のCu2.002.007.00が検出された。焼成品のX線回折図を図4に示す。
つまり、比較例1では、Li源を用いておらず、得られるCuの銅バナジウム複合酸化物は、Li原子が固溶したものではない。
次いで、焼成品を乳鉢で粉砕処理し、これを負熱膨張材試料とした。
(物性評価)
実施例及び比較例で得られた負熱膨張材試料について、平均粒子径、BET比表面積及び熱膨張係数を測定した。なお、平均粒子径及び熱膨張係数は下記のようにして測定した。その結果を表1に示す。
(平均粒子径)
負熱膨張材試料を、走査型電子顕微鏡で倍率1000倍で観察し、観察視野から、任意に抽出した粒子50個の最長径を測定し、それらの算術平均値を、負熱膨張材試料の平均粒子径として求めた。
(熱膨張係数の測定)
<成型体の作製>
試料1.00gにプロピレンカーボネート0.05gを加えて乳鉢で3分間粉砕混合した後、0.15gを計量し、φ6mmの金型に全量充填した。次いで、ハンドプレスを用いて、0.5tの圧力で成型して粉末成型体を作製した。得られた粉末成型体を電気炉にて700℃まで3時間で昇温し4時間保持してセラミック成型体を作製した。
<熱膨張係数の測定>
作製したセラミック成形体について、熱機械測定装置(NETZSCH JAPAN製 TMA4000SE)を用いて熱膨張係数を測定した。測定条件を、窒素雰囲気、荷重10g、温度範囲50℃~425℃と、繰り返し2回測定した。繰り返し2回目の測定の50~400℃間での熱膨張係数を、負熱膨張材試料の熱膨張係数とした。
Figure 0007427058000001
なお、比較例1の負熱膨張材試料の50~300℃間での熱膨張係数は-4.4×10―6/Kであった。
また、実施例2及び実施例3は、Li原子の固溶量が1215ppmでありCu2.00(V1.940.06)Oでほぼ同一組成の銅バナジウム複合酸化物であるが、表1から分かるように熱熱膨張係数が異なる。この理由は、定かではないが、実施例2では、Ziesite相及びBlossite相の2つの相を有する銅バナジウム複合酸化物(図2も参照)であり、実施例3では、Ziesite相を有する単相の銅バナジウム複合酸化物(図3も参照)であることから、結晶相やその結晶相の含有率の相違によるものと本発明者らは考えている。
(実施例4)
(第A1工程)
バナジン酸アンモニウム(NHVO)3.00g、アンモニア水6ml、純水80mlをビーカーに入れ、攪拌しながら60℃に加熱してA液を得た。次にグルコン酸銅(扶桑化学工業製)11.55gを純水50mlに加えて攪拌し、B液を得た。次に水酸化リチウム1水和物0.032gを純水10mlに加えて攪拌し、C液を得た。次に水酸化マグネシウム0.090g、乳酸0.6gを純水10mlに加えて攪拌し、D液を得た。次にA液に対してB液、D液、C液の順に加えて均一溶液である原料混合液を得た。
(第A2工程)
前記原料混合液を攪拌しながら沸騰状態を維持する温度に加熱して水を除去し、ペースト状の反応前駆体を得た。
(第A3工程)
前記ペースト状の反応前駆体を坩堝中、大気下で、650℃で4時間焼成して焼成品を得た。
得られた焼成品をX線回折分析したところ、2θ=25°付近にメインの回析ピークを持つZiesite相の単相のCu1.99Mg0.122.007.00が検出された。また、得られた焼成品を酸分解した溶液をICP発光分析し、焼成品中のLi原子の含有量を求めたところ、Li原子の含有量は1215質量ppmであった。これらの結果、焼成品は、Li原子が1215質量ppm固溶しているZiesite相の単相のCu1.99Mg0.122.007.00の銅バナジウム複合酸化物であることがわかった。次いで、焼成品を乳鉢で粉砕処理し、これを負熱膨張材試料とした。
また、実施例1~3と同様にして、負熱膨張材試料の平均粒子径、BET比表面積及び熱膨張係数を測定し、その結果を表2に示す。
Figure 0007427058000002

Claims (10)

  1. Li原子が固溶している下記一般式(1):
    (Cu)(V)O (1)
    (式中、MはCu及びV以外の原子番号11以上の金属元素を示す。xは1.60≦x≦2.40、yは0.00≦y≦0.40、aは1.60≦a≦2.40、bは0.00≦b≦0.40、tは6.20≦t≦7.80を示す。但し、1.60≦x+y≦2.40、1.60≦a+b≦2.40である。)
    で表され、Li原子の含有量が100~9000質量ppmである銅バナジウム複合酸化物からなることを特徴とする負熱膨張材。
  2. 前記一般式(1)の式中のMが、Zn、Ga、Fe、Mg、Co、Mn、Al、Ba及びCaから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の負熱膨張材。
  3. 熱膨張係数が、-8.0×10-6/K以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の負熱膨張材。
  4. 平均粒子径が、0.1~100μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の負熱膨張材。
  5. BET比表面積が、0.05~50m/gであることを特徴とする請求項1又は2に記載の負熱膨張材。
  6. 前記一般式(1)の式中のaが、1.60≦a≦2.40、bが、0<b≦0.40、1.60<a+b≦2.40であることを特徴とする請求項1又は2に記載の負熱膨張材。
  7. Li原子が固溶している下記一般式(1):
    (Cu)(V)O (1)
    (式中、MはCu及びV以外の原子番号11以上の金属元素を示す。xは1.60≦x≦2.40、yは0.00≦y≦0.40、aは1.60≦a≦2.40、bは0.00≦b≦0.40、tは6.20≦t≦7.80を示す。但し、1.60≦x+y≦2.40、1.60≦a+b≦2.40である。)
    で表され、Li原子の含有量が100~9000質量ppmである銅バナジウム複合酸化物からなる負熱膨張材の製造方法であり、
    Li源と、Cu源と、V源と、必要により混合されるM源及び/又はP源と、が水溶媒に溶解した原料混合液を調製する第A1工程と、
    前記原料混合液から水溶媒を除去して、反応前駆体を調製する第A2工程と、
    前記反応前駆体を焼成する第A3工程と、
    を有することを特徴とする負熱膨張材の製造方法。
  8. Li原子が固溶している下記一般式(1a):
    (Cu)(V)O (1a)
    (式中、MはCu及びV以外の原子番号11以上の金属元素を示す。xは1.60≦x≦2.40、yは0<y≦0.40、aは1.60≦a≦2.40、bは0.00≦b≦0.40、tは6.20≦t≦7.80を示す。但し、1.60x+y≦2.40、1.60≦a+b≦2.40である。)
    で表され、Li原子の含有量が100~9000質量ppmである銅バナジウム複合酸化物からなる負熱膨張材であり、該負熱膨張材中のPに対するLiの比が原子換算のモル比(Li/P)で0.70~1.30である負熱膨張材の製造方法であり、
    Li源と、Cu源と、V源と、P源と、必要により混合されるM源と、を混合して原料混合物を調製する第B1工程と、
    前記原料混合物を焼成する第B2工程と、
    を有し、
    前記第B1工程のLi源及びP源としてメタリン酸リチウムを用いること、
    を特徴とする負熱膨張材の製造方法。
  9. 請求項1又は2に記載の負熱膨張材と正熱膨張材とを含むことを特徴とする複合材料。
  10. 前記正熱膨張材が、金属、合金、ガラス、セラミックス、ゴム及び樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項記載の複合材料。
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