JP7426287B2 - 基礎構造体 - Google Patents
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Description
また、押圧部が、杭部に取り付けられる第1押圧部と、第1押圧部を介して伝達される杭部の軸力を用いて、直接基礎部を押圧する第2押圧部と、を備えるので、また、押圧部を簡易且つ安価な構造で構成でき、押圧部の製造性を高めることができる。
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、構造物を支持する基礎構造体に関する。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
最初に、実施の形態に係る基礎構造体10の構成と、この基礎構造体10が適用される構造物1の構成とについて説明する。
まず、構造物1の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る基礎構造体10及び構造物1を概念的に示す斜視図である。以下の説明では、図1のX方向を基礎構造体10の左右方向(-X方向を基礎構造体10の左方向、+X方向を基礎構造体10の右方向)、図1のY方向を基礎構造体10の前後方向(+Y方向を基礎構造体10の前方向、-Y方向を基礎構造体10の後方向)、図1のZ方向を基礎構造体10の上下方向(+Z方向を基礎構造体10の上方向、-Z方向を基礎構造体10の下方向)と称する。
次に、基礎構造体10の構成について説明する。図2は、図1の側面図である(一部図示省略)。図3は、図1の平面図である(一部図示省略)。
図1に戻り、杭部20は、基礎構造体10の基本構造体の一部である。この杭部20は、例えば公知の長尺な杭材(一例として、鋼製の摩擦杭)を用いて構成されており、図1に示すように、杭部20の長手方向が上下方向に略沿うように、杭部20の少なくとも一部が地盤4(具体的には、支持層4bよりも上方に位置する軟弱層4a)に埋設されている。具体的には、杭部20における少なくとも上端部及びその近傍部分以外の部分が埋設されており、構造物1の躯体2(実施の形態では、柱材)に対して固定具等によって着脱自在に接続されている。
図1に戻り、直接基礎部30は、基礎構造体10の基本構造体の他の一部である。この直接基礎部30は、少なくとも1つ以上の層を積層して形成されており、地盤4に設けられている。具体的には、図1、図2に示すように、設置面3上に載置され、且つ直接基礎部30に杭部20が挿通されるように配置されており、直接基礎部30に対して接続されている。
図1に戻り、押圧部40は、基礎構造体10によって構造物1が支持されている際の杭部20の軸力を用いて直接基礎部30を押圧することにより、直接基礎部30における所望量の支圧面30aを確保することが可能なものである。この押圧部40は、杭部20における直接基礎部30の近傍に少なくとも1つ以上設けられており、具体的には、図1、図2に示すように、直接基礎部30よりも上方において、杭部20よりも左側の位置及び右側の位置に設けられている。なお、押圧部40の構成の詳細については、後述する。
不陸整正部50は、直接基礎部30の不陸を整正するためのものである。この不陸整正部50は、例えば公知の緩衝材(一例として、ゴム製の敷板、グラウト材)を用いて構成されており、図1、図2に示すように、押圧部40と直接基礎部30との相互間に設けられている。
次に、直接基礎部30の構成の詳細について説明する。図4は、杭部20の周面支持力と直接基礎部30の支圧面30aとの関係を示す正面図である(一部図示省略)。ただし、直接基礎部30は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
まず、直接基礎部30の構成における第1の特徴については、図2に示すように、下部層31、中間層32、及び上部層33を備えている。
下部層31は、直接基礎部30の基本構造体の一部であって、砕石からなる層である。この下部層31は、公知の砕石等を用いて構成されており、図2に示すように、設置面3上に敷設されている。
中間層32は、直接基礎部30の基本構造体の他の一部であって、コンクリートからなる層である。この中間層32は、例えばコンクリート材を用いて構成されており、図2に示すように、下部層31上に敷設されている。
上部層33は、直接基礎部30の基本構造体の他の一部であって、中間層32よりも耐圧性を有し、且つコンクリートからなる層である。この上部層33は、例えば高い耐圧性を有するコンクリート材(一例として、耐圧又は土間スラブ材等)を用いて構成されており、図2に示すように、中間層32上に敷設されている。
次に、直接基礎部30の構成における第2の特徴については、直接基礎部30の支圧面30aの大きさ(具体的には、当該支圧面30aの面積)は、杭部20の支持力の一部を除いた上記杭部20の軸力の大きさに基づいて設定されている。
次に、直接基礎部30の構成における第3の特徴については、直接基礎部30の強度は、杭部20の周面支持力の一部を除いた上記杭部20の軸力の大きさに基づいて設定されている。
図1に戻り、次に、押圧部40の構成の詳細について説明する。ただし、押圧部40は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
第1押圧部41は、押圧部40の基本構造体の一部である。この第1押圧部41は、例えば公知の押圧部材(一例として、鋼製の山留用フラットピース等)を用いて構成されており、図2に示すように、直接基礎部30よりも上方に設けられており、杭部20に取り付けられている。
第2押圧部42は、押圧部40の基本構造体の他の一部であって、第1押圧部41を介して伝達される杭部20の軸力を用いて、直接基礎部30を押圧するものである。この第2押圧部42は、例えば公知の押圧部材(一例として、鋼製の山留主材等)を用いて構成されており、図2に示すように、直接基礎部30と第1押圧部41との間に設けられている。
続いて、基本構造体を用いた構造物1の支持方法について説明する。
最初に、設置工程について説明する。設置工程は、基本構造体を地盤4に設置する工程である。
次に、支持工程について説明する。支持工程は、設置工程の後に、構造物1を基本構造体で支持する工程である。
次に、第1撤去工程について説明する。第1撤去工程は、支持工程の後に、構造物1を撤去する工程である。
続いて、第2撤去工程について説明する。第2撤去工程は、第1撤去工程の後に、基本構造体を撤去する工程である。
このように実施の形態によれば、少なくとも一部が地盤4に埋設されている杭部20であって、構造物1の躯体2に接続されている杭部20と、地盤4に設けられた直接基礎部30であって、杭部20と接続されている直接基礎部30と、当該基礎構造体10によって構造物1が支持されている際の杭部20の軸力を用いて直接基礎部30を押圧することにより、直接基礎部30における所望量の支圧面30aを確保することが可能な押圧部40と、を備えるので、押圧部40を設けない場合に比べて、直接基礎部30における所望量の支圧面30aが確保しやすくなる。よって、直接基礎部30を効果的に機能させることができ、構造物1を効果的に支持できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
上記実施の形態では、構造物1が、仮設用桟橋の如き仮設構造物であると説明したが、これに限らず、例えば、建築構造物又は土木構造物の如き本設構造物であってもよい。この場合には、支持方法において、第1撤去工程及び第2撤去工程を省略してもよい。
上記実施の形態では、基礎構造体10が、不陸整正部50を備えると説明したが、これに限らず、例えば、不陸整正部50を省略してもよい。
上記実施の形態では、杭部20の上下方向の長さを地盤4の軟弱層4aの上下方向の長さよりも短く設定していると説明したが、これに限らない。例えば、杭部20の設置数を低減するために、軟弱層4aの上下方向の長さ以上に設定してもよい。
上記実施の形態では、直接基礎部30が、下部層31、中間層32、及び上部層33を備えると説明したが、これに限らない。例えば、押圧部40によって押圧された際の直接基礎部30における所望の支圧面30aが確保できる場合には、下部層31、中間層32、又は上部層33のいずれか1つ、又はいずれか2つを省略してもよい。
上記実施の形態では、押圧部40が、第1押圧部41を備えると説明したが、これに限らず、例えば、第2押圧部42が杭部20に取り付けられる場合には、第1押圧部41を省略してもよい。
上記実施の形態では、支持方法の第2撤去工程において、直接基礎部30の上部層33を撤去すると説明したが、これに限らない。例えば、直接基礎部30の上部層33を撤去することなく地盤4に埋設してもよい。
付記1の基礎構造体は、構造物を支持する基礎構造体であって、少なくとも一部が地盤に埋設されている杭部であって、前記構造物の躯体に接続されている杭部と、前記地盤に設けられた直接基礎部であって、前記杭部と接続されている直接基礎部と、当該基礎構造体によって前記構造物が支持されている際の前記杭部の軸力を用いて前記直接基礎部を押圧することにより、前記直接基礎部における所望量の支圧面を確保することが可能な押圧部と、を備える。
付記1に記載の基礎構造体によれば、少なくとも一部が地盤に埋設されている杭部であって、構造物の躯体に接続されている杭部と、地盤に設けられた直接基礎部であって、杭部と接続されている直接基礎部と、当該基礎構造体によって構造物が支持されている際の杭部の軸力を用いて直接基礎部を押圧することにより、直接基礎部における所望量の支圧面を確保することが可能な押圧部と、を備えるので、押圧部を設けない場合に比べて、直接基礎部における所望量の支圧面が確保しやすくなる。よって、直接基礎部を効果的に機能させることができ、構造物を効果的に支持できる。
2 躯体
3 設置面
4 地盤
4a 軟弱層
4b 支持層
5 掘削穴
6 硬化剤
10 基礎構造体
20 杭部
30 直接基礎部
30a 支圧面
31 下部層
32 中間層
33 上部層
40 押圧部
41 第1押圧部
42 第2押圧部
50 不陸整正部
F1 周面支持力
F2 周面支持力
R 直接基礎部の支圧による影響が及ぶ範囲
Claims (5)
- 構造物を支持する基礎構造体であって、
少なくとも一部が地盤に埋設されている杭部であって、前記構造物の躯体に接続されている杭部と、
前記地盤に設けられた直接基礎部であって、前記杭部と接続されている直接基礎部と、
当該基礎構造体によって前記構造物が支持されている際の前記杭部の軸力を用いて前記直接基礎部を押圧することにより、前記直接基礎部における所望量の支圧面を確保することが可能な押圧部と、を備え、
前記押圧部は、
前記杭部に着脱自在にそれぞれ取り付けられる一対の第1押圧部と、
前記一対の第1押圧部の各々と前記直接基礎部との間において、当該第1押圧部、前記杭部、及び前記直接基礎部に対して固定されることなく設けられる第2押圧部であって、当該第1押圧部を介して伝達される前記杭部の軸力を用いて、前記直接基礎部を押圧する第2押圧部と、を備える、
基礎構造体。 - 前記第1押圧部は、山留用フラットピース又は鋼材であり、
前記第2押圧部は、山留主材又はH鋼である、
請求項1に記載の基礎構造体。 - 前記押圧部と前記直接基礎部との相互間に設けられた不陸整正部であって、前記直接基礎部の不陸を整正するための不陸整正部を備える、
請求項1又は2に記載の基礎構造体。 - 前記直接基礎部は、
砕石からなる下部層と、
コンクリートからなる中間層と、
前記中間層よりも耐圧性を有し、且つコンクリートからなる上部層と、を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の基礎構造体。 - 前記直接基礎部の支圧面の大きさを、前記杭部の支持力の一部を除いた前記杭部の軸力の大きさに基づいて設定した、
請求項1から4のいずれか一項に記載の基礎構造体。
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