JP7424890B2 - フライ中華麺及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フライ中華麺及びその製造方法に関する。
従来、即席麺の製造方法としては、フライ(油揚げ)麺とノンフライ麺に大別することができる。フライ麺は、α化処理した麺を150℃前後の油で1~3分程度フライ処理して乾燥させた麺である。一方、ノンフライ麺とは、α化した麺を、油で揚げる以外の乾燥方法により乾燥させた麺であり、幾つか方法があるが、70~100℃程度で風速5m/s以下程度の熱風を当てて30分から90分程度乾燥させる熱風乾燥方法が一般的である。
この内、フライ麺は、短時間で乾燥できる反面、150℃という高温で処理するため、フライ中華麺では、中華麺独特の風味や食感を付与するために添加するかんすいを多く添加すると、麺が褐色に変色するいわゆる「かんすい焼け」が起きやすくなる。そのため、フライ中華麺においては、かんすいを添加する量に制限があり、中華麺独特の風味であるかんすい臭に優れたフライ中華麺が得られにくいといった課題があった。また、フライ麺は、長期保存すると油の酸化したような劣化臭が発生するといった課題があった。
即席麺の変色を抑える技術として、特許文献1には、かんすい臭が強く風味豊かで、且つ麺線の褐変が抑制された即席麺の提供として、1)穀粉、かんすい原料及びアルコールを用いて麺生地を得る工程と、2)該麺生地を製麺して生麺線を得、該生麺線をα化してα化麺を得る工程と、3)該α化麺を乾燥する工程とを有する即席麺の製造方法、並びに1)穀粉及びかんすい原料を用いて麺生地を得る工程と、2)該麺生地を製麺して生麺線を得、該生麺線にアルコールを付与する工程と、3)アルコールが付与された該生麺線をα化してα化麺を得る工程と、4)該α化麺を乾燥する工程とを有する即席麺の製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献1の技術は、ノンフライ麺の技術であってフライ麺に適応できる技術ではない。
また、即席麺にリン酸一水素カルシウムを使用する技術については、特許文献2~4が開示されている。特許文献2及び3の技術は、フライ麺のアクリルアミド生成を抑制する技術として多価の金属塩を添加する方法が開示されており、カルシウム塩の一例としてリン酸一水素カルシウムが記載されているに過ぎず、実際にリン酸一水素カルシウムの水和物を使用した実施例はなく、フライ麺の変色や保存中の劣化臭を抑えられる記載はない。
また、特許文献4は、即席麺等への食品へのミネラルの添加剤が記載されているが、カルシウム塩の一例としてリン酸一水素カルシウムが記載されているに過ぎず、実際にリン酸一水素カルシウムの水和物を使用した実施例はなく、フライ麺の変色や保存中の劣化臭を抑えられる記載はない。
特開2017-29056号公報 特開2005-278448号公報 特開2005-21152号公報 特開2002-369666号公報
本発明は、かんすいの添加量を増やすことで発生するかんすい焼けを抑制し、かんすい臭などの風味豊かで、保存中の劣化臭が抑えられたフライ中華麺を提供することを目的とする。
発明者は、フライ中華麺においてかんすいの添加量を増やしても、かんすい焼けと呼ばれる麺の褐色化を抑え、中華麺独特のかんすい臭に優れたフライ中華麺を得る方法について鋭意研究した結果、偶然にも本発明を見出し本発明に至った。
すなわち、麺原料に炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムと、リン酸一水素カルシウムの水和物と、を含むことを特徴とするフライ中華麺である。
また、本発明に係るフライ中華麺においては、炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムの添加量に対して、リン酸一水素カルシウムの水和物の添加量が1.5~5倍であることが好ましい。
また、本発明に係るフライ中華麺においては、炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムの添加量が主原料粉1kgに対して4~15gであることが好ましく、リン酸一水素カルシウムの添加量が主原料粉1kgに対して60g以下が好ましい。
また、本発明に係るフライ中華麺の製造方法としては、主原料粉に対してリン酸一水素カルシウムの水和物を加え粉体混合した粉体に、炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムを溶解した練り水を加えてミキサーで混捏し、麺生地を作製した後、製麺し、蒸煮し、フライ乾燥することを特徴とするフライ中華麺の製造方法が好ましい。
また、本発明に係るフライ中華麺の製造方法としては、炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムの添加量に対して、リン酸一水素カルシウムの水和物の添加量が1.5~5倍であることが好ましい。
また、本発明に係るノンフライ中華麺の製造方法としては、炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムの添加量が主原料粉1kgに対して4~15gであることが好ましく、リン酸一水素カルシウムの添加量が主原料粉1kgに対して60g以下が好ましい。
本発明により、かんすいの添加量を増やすことで発生するかんすい焼けを抑制し、かんすい臭などの風味豊かで、保存中の劣化臭が抑えられたフライ中華麺を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
1.麺原料配合
本発明に係るフライ中華麺には、通常の即席麺の原料が使用できる。すなわち、主原料粉としては、小麦粉、大麦粉及び米粉等の穀粉、並びに馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉及びコーンスターチ等の各種澱粉が挙げられ、単独で使用しても、または混合して使用してもよい。前記澱粉として、生澱粉、α化澱粉、並びにアセチル化澱粉、エーテル化澱粉、及び架橋澱粉等の加工澱粉を使用することもできる。
また、本発明では、これら主原料粉に対して即席麺の製造において一般に使用されている食塩、かんすいなどのアルカリ剤、各種増粘剤、グルテン、卵白、麺質改良剤、食用油脂、カロチン色素等の各種色素及び保存料等を添加することができる。これらは、主原料粉と一緒に粉体で添加しても、練り水に溶かすか懸濁させて添加してもよい。
このうち本発明においては、かんすいとして、炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムを使用する。これらの資材は、練り水に溶解して添加する。特に中華麺の場合には、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムと、小麦粉などの主原料粉とが混捏されることで中華麺独特の風味、いわゆるかんすい臭が発生する。炭酸ナトリウムと炭酸カリウムはかんすい臭の点ではほぼ同等の効果があり、麺の求める食感に合わせて単独、または混合して使用することができる。炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムの使用量としては、フライ中華麺の場合、主原料粉1kgに対して4~15gの範囲で使用することが好ましい。この範囲であれば、かんすい焼けが抑えられ、通常のフライ麺よりも風味豊かなフライ中華麺を得ることができる。4g未満であると通常のフライ麺とほとんど変わりなく、かんすい焼けがあまり起きず、風味が弱くなる。逆に15gよりも多くなると、かんすい焼けを抑えるために添加するリン酸一水素カルシウムの水和物の添加量が多くなり、麺の食感に影響が出てくる。求める商品設計に合わせて炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムの添加量を適宜設定すればよい。
また、本発明においては、リン酸一水素カルシウムの水和物を使用する。リン酸一水素カルシウムの水和物は、水にほとんど溶解しないため、主原料粉と一緒に粉体混合して麺に添加することが好ましい。リン酸一水素カルシウムは、無水物と水和物(二水和物)とが存在するが、原因は不明だが、無水物にはかんすい焼けや保存中の風味劣化に対して抑制効果はなく、水和物のみに抑制効果がある。また、様々なカルシウム塩を検討した結果、かんすい焼けを抑制する効果があるものは存在するものの、食感への影響やかんすい臭などの風味への影響があったり、経時的な風味の劣化を抑えられず、リン酸一水素カルシウムの水和物が、食感や風味への影響が少なく、かんすい焼けや経時的な風味劣化を抑える上で最も効果的であった。
リン酸一水素カルシウムの水和物の添加量としては、炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムの添加量に対して、1.5~5倍量添加することが好ましい。リン酸一水素カルシウムの水和物の添加量が1.5倍未満となると、かんすい焼けを抑える効果が弱くなる。逆にリン酸一水素カルシウムの水和物の添加量が5倍も大きくとなると、かんすい臭などの風味が弱くなる。
また、リン酸一水素カルシウムの水和物の添加量が主原料粉1Kgに対して60gよりも多くなると麺の食感に大きく影響が出始めるため、リン酸一水素カルシウムの添加量は主原料粉1Kgに対して60g以下が好ましい。より好ましくは、30g以下である。
2.混捏工程
本発明に係る麺生地(ドウ)の作製方法は、常法に従って行えばよい。すなわち、バッチミキサー、フロージェットミキサー、真空ミキサー等で、主原料粉とリン酸一水素カルシウムの水和物を含む粉体と炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムを溶解した練り水とが均一に混ざるように混捏すればよく、そぼろ状のドウを作製すればよい。
3.製麺工程
次いで作製したドウから麺線を作製する。作製方法としては、常法に従って行えばよく、エクストルーダ等を用いてドウを押し出して麺線を作製する方法や、ドウをロールにより粗麺帯とした後、複合等により麺帯化し、さらにロールにより複数回圧延し、所定の麺帯厚とした後、切刃と呼ばれる切出しロールにより麺帯を切出し、麺線を作製する方法が挙げられる。麺帯を作製してから麺線を作製する場合、エクストルーダを用いて麺帯を作製した後、圧延、切出しを行ってもよく、また、複数の麺帯を合わせて多層構造を持つ麺帯を作製した後、圧延、切出しを行ってもよい。
4.蒸煮工程
製麺工程で得られた麺線を、常法により蒸煮し麺線をα化する。蒸煮条件は、麺の種類、麺の太さにより好ましい条件が異なるため、目的とする食感に合わせて、好ましい条件を適宜設定すればよい。蒸煮の方法としては、ボイルや飽和水蒸気による加熱だけでなく、過熱水蒸気により加熱することもでき、シャワーや浸漬などの水分補給工程を組み合わせることもできる。調理された麺は必要により、調味液浸漬やほぐれ剤の添加を行うこともできる。
5.フライ乾燥工程
1食分に麺線をカット、計量し、乾燥用のリテーナと呼ばれる容器に充填し、フライ乾燥する。乾燥方法は、特に限定はなく、120~160℃の油中で1~5分程度、水分が1~5重量%となるように程度すればよい。
6.その他
乾燥したフライ中華麺は、冷却後、スープや具材と共に蓋とカップに入れ、即席カップめんとしてもよく、スープと共に袋に入れて即席袋めんとしてもよい。
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
<実験1>スクリーニングテスト
(試験例1-1~1-14)
中力粉1000gからなる主原料粉1Kgに、それぞれ試験例1-3~1-14のスクリーニング用のカルシウム塩14gを粉体混合し(試験例1-1は、比較のための試験であり通常のかんすい2gでカルシウム塩の添加なし、試験例1-2も比較のための試験で、かんすい量7gでカルシウム塩の添加なし、試験例1-3~1-14のカルシウム塩については表1参照)、食塩16g、かんすい製剤(炭酸ナトリウム6:炭酸カリウム4)を試験例1-1は2g、その他の試験区は7gを水345gに溶解した練り水を加え、常圧ミキサーにて15分間混捏し、ドウを作製した。また、各試験区のドウについては、10倍懸濁液のpHを測定した。
作製したドウを複合して麺帯を作製し、15分熟成した後、ロール圧延にて1.1mmまで麺帯を圧延し、22番丸のロール切刃にて麺帯を切断し、麺線とした。
次いで作製した麺線を飽和蒸気の流量が240kg/hとなるように調整した蒸気庫内で2分15秒蒸煮し、幅150mmとなるように蒸煮麺を2つ折りして、箱型の鉄製の乾燥用容器(リテーナ)に充填した。
リテーナに充填した麺を145℃のフライ油に浸漬し、1分30秒間乾燥した。
乾燥したフライ中華麺を冷却し、アルミ蒸着したポリプロピレン製の袋に入れ、密封し、試験サンプル(即席袋めん)とした。試験サンプルは、作製後すぐに4℃の冷蔵庫で保存したサンプル(強制劣化前)と、60℃で24日間保存し、劣化させたサンプル(強制劣化後)とに分けて、評価した。
強制劣化前のサンプルの評価については、色、食感、風味について評価を行った。強制劣化後のサンプル評価については、風味について評価を行った。評価については5人のベテランパネラーにより行った。
色については、試験例1-1を基準として、同等以上のものを◎、やや劣るが良好なものを○、劣るものを△、著しく劣るものを×とした。強制劣化前のサンプルの色の差を目視で確認し、変色抑制効果について評価を行うだけでなく、色彩色差計(コニカミノルタ製:型番CR-410)でa値を測定した。
試験サンプルの食感及び風味の評価については、強制劣化前のサンプルと強制劣化後のサンプルに沸騰水を480ml入れ、3分間調理し、醤油ラーメン用の液体スープを添加して喫食し、評価を行った。
食感、風味の評価については強制劣化前の試験サンプルについては、試験例1-1を基準として、各資材の影響を評価し、試験例1-1と同等なものを◎、試験例1-1と僅かに異なるが良好なものを○、試験例1-1と異なり劣るものを△、試験例1-1から異なり著しく劣るものを×とした。また、強制劣化後の試験サンプルの風味については、試験例1-1を基準として、試験例1-1よりも劣化しているものを×、試験例1-1と同程度に劣化しているものを△、試験例1-1より劣化が抑えられているものを○、試験例1-1よりも劣化が著しく抑えられているものを◎とした。
また、強制劣化前後の試験例1-1、1-2、1-3については、質量ガスクロマトグラフ(GC/MS)を固相マイクロ抽出(SPME)法による定量分析による臭気分析を行った。具体的には、試料1g、食塩3g及び水8mlを20mlのバイアルに添加し、標準物質として30ppmのOctanal-d16を10μl添加した後、80℃で30分浸透し、ヘッドスペースをSPMEファイバーに吸着させ、GC/MC(SIM)で測定し、各試験区の劣化臭であるアルデヒド量を測定した。
実験1の評価結果について、下記表1に示す。また、臭気分析結果を表2に示す。
Figure 0007424890000001
Figure 0007424890000002
表1の試験例1-1及び1-2で示すように添加するかんすい量を増やすことでかんすい焼けと言われる褐変が発生し、かんすい焼けによる変色でかんすいを添加したことによる中華麺独特の風味が弱く、焦げたような匂いが発生した。また、強制劣化後の風味については、かんすいの添加量に関わらず、等しく油が酸化したような臭いが発生した。
表1の試験例1-3~1-14で示すように、カルシウム塩をスクリーニングした結果、かんすい量を増量してもフライ乾燥によるかんすい焼けが抑えられ、食感、風味への影響が少なく、経時的な風味劣化が抑えられる物質として、リン酸一水素カルシウムの水和物が特に優れていることが判明した。原因はわからないが、このような効果はリン酸一水素カルシウムの水和物特有の効果であり、似たようなリン酸カルシウム類として、試験例1-9や試験例1-11で示すようにリン酸一水素カルシウム(無水物)やリン酸三カルシウムは、かんすい焼けを抑える効果が無く、また、試験例1-10で示すようにリン酸二水素カルシウムは、かんすい焼けを抑える効果があるものの、かんすいの添加量を増量した割にかんすい臭がほとんどなかった。
また、試験例1-4~1-8、1-12~1-14で示すように、他のカルシウム塩についても、かんすい焼けを抑える効果があるものもあるが、かんすいを多く添加した割に風味が弱く、劣化後の風味劣化を抑制できるものはなかった。
また、表2で示すように臭気分析を行った結果、リン酸一水素カルシウムの水和物を添加した試験例1-3は、劣化試験において、ヘキサナールなどのアルデヒド物質の発生が試験例1-1や試験例1-2のリン酸一水素カルシウムの水和物を添加していない試験区に比べ半分程度に抑えられていた。このことは、官能評価を裏付ける結果であると考える。
<実験2>リン酸一水素カルシウムの水和物とかんすい(炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム)との関係
(試験例2-1)
中力粉1000gからなる主原料粉1Kgに、グルテン5gを添加し、粉体混合した粉体に、食塩16g、かんすい製剤(炭酸ナトリウム6:炭酸カリウム4)2g、クチナシ色素0.2g、グルタミン酸ソーダ1g、醤油8mlを水345gに溶解した練り水を加え、常圧ミキサーにて15分間混捏し、ドウを作製した。
作製したドウを複合して麺帯を作製し、15分熟成した後、ロール圧延にて1.1mmまで麺帯を圧延し、22番丸のロール切刃にて麺帯を切断し、麺線とした。
次いで作製した麺線を飽和蒸気の流量が240kg/hとなるように調整した蒸気庫内で2分15秒蒸煮した後、蒸した麺を2つ折りにして1食当たり117gの麺を箱型の鉄製の乾燥用容器(リテーナ)に充填した。
リテーナに充填した麺を145℃のフライ油に浸漬し、1分30秒間乾燥した。
乾燥したフライ中華麺を冷却し、アルミ蒸着したポリプロピレン製の袋に入れ、密封し、試験サンプル(即席袋めん)とした。
(試験例2-2)
かんすい製剤の添加量を4gとする以外は、試験例2-1の方法に従って試験サンプルを作製した。
(試験例2-3)
主原料粉にリン酸一水素カルシウムの水和物を6g添加し粉体混合する以外は、試験例2-2の方法に従って試験サンプルを作製した。
(試験例2-4)
主原料粉にリン酸一水素カルシウムの水和物を12g添加し粉体混合する以外は、試験例2-2の方法に従って試験サンプルを作製した。
(試験例2-5)
かんすい製剤の添加量を6gとする以外は、試験例2-1の方法に従って試験サンプルを作製した。
(試験例2-6)
主原料粉にリン酸一水素カルシウムの水和物を6g添加し粉体混合する以外は、試験例2-5の方法に従って試験サンプルを作製した。
(試験例2-7)
主原料粉にリン酸一水素カルシウムの水和物を9g添加し粉体混合する以外は、試験例2-5の方法に従って試験サンプルを作製した。
(試験例2-8)
主原料粉にリン酸一水素カルシウムの水和物を12g添加し粉体混合する以外は、試験例2-5の方法に従って試験サンプルを作製した。
(試験例2-9)
主原料粉にリン酸一水素カルシウムの水和物を18g添加し粉体混合する以外は、試験例2-5の方法に従って試験サンプルを作製した。
(試験例2-10)
主原料粉にリン酸一水素カルシウムの水和物を30g添加し粉体混合する以外は、試験例2-5の方法に従って試験サンプルを作製した。
(試験例2-11)
主原料粉にリン酸一水素カルシウムの水和物を60g添加し粉体混合する以外は、試験例2-5の方法に従って試験サンプルを作製した。
実験2についても実験1と同様に、5人のベテランパネラーにより、各試験サンプルの官能評価を行った。官能評価は、色、食感、風味について行い、色については、試験例2-1を基準として、同等以上のものを◎、やや劣るが良好なものを○、劣るものを△、著しく劣るものを×とした。強制劣化前のサンプルの色の差を目視で確認し、変色抑制効果について評価を行うだけでなく、色彩色差計(コニカミノルタ製:型番CR-410)でa値を測定した。
試験サンプルの食感及び風味の評価については、強制劣化前後のサンプルを500mlの沸騰水中で3分間調理し、醤油ラーメン用の粉末スープを添加して喫食し、評価を行った。評価方法は、非常に良好を5、概ね良好を4、商品として可を3、喫食可能だが劣るを2、著しく劣り喫食不可を1とした。
評価結果を下記表3に示す。
Figure 0007424890000003
実験2で示すように、色に関しては、リン酸一水素カルシウムの水和物の添加量を増やせば増やすほど、かんすい焼けが抑えられる。良好にかんすい焼けを抑える上では、かんすいの添加量に対して1.5倍以上リン酸一水素カルシウムの水和物を添加することが好ましい。
また、実験2で示すように、風味に関しては、かんすいの添加量を増やすとかんすい焼けによる焦げたような風味が発生するが、リン酸一水素カルシウムの水和物の添加量が増加するにつれて焦げたような風味が抑えられ、かんすいの風味を感じるようになる。しかしながら、リン酸一水素カルシウムの水和物の添加量が増え過ぎると逆にかんすい臭が弱くなる傾向があり、かんすい臭を付与する目的としては、かんすいの添加量に対してリン酸一水素カルシウムの水和物の添加量を5倍以下とすることが好ましい。なお、試験例2-3及び試験例2-7の評価は3であるが、かんすい臭は試験例2-1よりも良好であるが、かんすい焼けによる焦げたような臭いが若干あるため評価としては3となった。また、試験例2-10については、焦げ臭が無いもののかんすい臭が試験例2-1と同等となった。
また、食感に関しては、ある程度の量までリン酸一水素カルシウムの添加量を増加しても、食感は若干硬くなるもののほとんど影響を及ぼさないが、添加量が主原料粉1Kgに対して60gとなると食感が脆くなる傾向が認められた。したがって、リン酸一水素カルシウムの水和物の添加量としては、主原料粉1Kgに対して60g以下が好ましく、より好ましくは30g以下である。
かんすいの添加量の適正範囲については、かんすいの添加量が増えたからと言って、かんすい臭が増すわけではなく、かんすい焼けを防止するために添加するリン酸一水素カルシウムの添加量が増えるため、風味としてはほとんど変わらなくなる。よって、良好な風味、食感を得る上で、リン酸一水素カルシウムの水和物の添加量を主原料粉1Kgに対して30gと設定した場合、かんすいの添加量としては主原料粉1Kgに対して15g以下が好ましいと考える。

Claims (6)

  1. 麺原料に炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムと、リン酸一水素カルシウムの水和物と、を含むことを特徴とするフライ中華麺であって、
    前記炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムの添加量に対して、前記リン酸一水素カルシウムの水和物の添加量が1.5~5倍であり、
    前記炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムの添加量が主原料粉1kgに対して4~15gであり、
    前記リン酸一水素カルシウムの添加量が主原料粉1kgに対して60g以下であることを特徴とするフライ中華麺。
  2. 前記炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムの添加量に対して、前記リン酸一水素カルシウムの水和物の添加量が2~3倍であることを特徴とする請求項1記載のフライ中華麺。
  3. 前記リン酸一水素カルシウムの添加量が主原料粉1kgに対して30g以下であることを特徴とする請求項1または2記載のフライ中華麺。
  4. 主原料粉に対してリン酸一水素カルシウムの水和物を加え粉体混合した粉体に、炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムを溶解した練り水を加えてミキサーで混捏し、麺生地を作製した後、製麺し、蒸煮し、フライ乾燥することを特徴とするフライ中華麺の製造方法であって、
    前記炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムの添加量に対して、前記リン酸一水素カルシウムの水和物の添加量が1.5~5倍であり、
    前記炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムの添加量が主原料粉1kgに対して4~15gであり、
    前記リン酸一水素カルシウムの添加量が主原料粉1kgに対して60g以下であることを特徴とするフライ中華麺の製造方法。
  5. 前記炭酸ナトリウム又は/及び炭酸カリウムの添加量に対して、前記リン酸一水素カルシウムの水和物の添加量が2~3倍であることを特徴とする請求項4記載のフライ中華麺の製造方法。
  6. 前記リン酸一水素カルシウムの添加量が主原料粉1kgに対して30g以下であることを特徴とする請求項4または5記載のフライ中華麺の製造方法。
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