JP2005278448A - 加工食品のアクリルアミド生成抑制方法、アクリルアミド生成抑制剤、および、加工食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加工食品の製造において、高温での加熱処理中に食品中に生成されるアクリルアミドの生成を抑制する方法、およびアクリルアミド生成抑制剤を提供する。
【解決手段】 アクリルアミド生成抑制剤として、カルシウム塩、塩基性アミノ酸またはその塩、及び/又は、ローズマリー抽出物が有効である。特に塩化カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、ヒスチジン又はその塩、リジン又はその塩の効力が強く有効である。そして、該アクリルアミド生成抑制剤を、炭水化物を主体とする加工食品において、加熱処理より前の工程で加工食品に含有させる。
【選択図】 なし
【解決手段】 アクリルアミド生成抑制剤として、カルシウム塩、塩基性アミノ酸またはその塩、及び/又は、ローズマリー抽出物が有効である。特に塩化カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、ヒスチジン又はその塩、リジン又はその塩の効力が強く有効である。そして、該アクリルアミド生成抑制剤を、炭水化物を主体とする加工食品において、加熱処理より前の工程で加工食品に含有させる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、炭水化物主体の加工食品において、加熱処理時に生成されるアクリルアミドの生成抑制方法、並びに、アクリルアミド生成抑制剤およびその使用に関する。また、本発明はアクリルアミド生成量が低減化される加工食品の製造方法に関する。
アクリルアミドは、その重合体が凝固剤や接着剤として工業的に使用される低分子化合物である。2002年4月、スウェーデンの科学者Tarakeらが炭水化物を多く含む食材を高温で加熱処理することで大量のアクリルアミドが生成されることを報告した(非特許文献1)。なお、アクリルアミドは、国際がん研究機関IARCが「発がん性のおそれのある化合物」として分類している。
アクリルアミドの生成機構については、食品または食品原料中に含まれるアスパラギンが、同じく食品または食品原料中の還元糖とメイラード反応を起こすことによって生成されるという報告が、2002年9月に相次いでなされている(非特許文献2、3)。また、アクリルアミドが生成される条件としては、120℃以上の加熱下において生じ(非特許文献2)、従って、焼く、炒める、油揚げするなどの調理または加熱処理によって生成し易い。さらにジャガイモ類にはアスパラギンが多く含まれているために、ジャガイモ類を原料として、前記のような加熱処理を行う加工食品、特に、ポテトチップスやフライドポテト、スナック菓子において多量に含まれ、市販のポテトチップスでは、測定の結果約4000ppbになるものもあった。この他、ジャガイモ類を主原料とするものほどではないが、小麦粉や、コーン、米、豆等を主原料とする炭水化物主体の食品において、上記のような加熱処理を行う加工食品、例えば、パン、シリアル、ビスケット、クラッカー、煎餅、かりん糖、即席油揚げ麺等でもアクリルアミドが生成されていることが知られている。
このような状況において、多くの研究施設や食品会社において、アクリルアミドの生成抑制、低減化の試みが行われている。そして、既に、アクリルアミドの生成抑制方法として、システインの添加がアクリルアミドの生成を抑制する報告が(非特許文献4)に、トレハロースの添加がアクリルアミドの生成を抑制する報告が(非特許文献5)に発表されている。
E.Tareke, P.Rydberg, P.Karlsson, S.Eriksson and M.Tornquist, J. Agric. Food Chem., 2002, 50, 4998-5006 D.S.Motram, B.L.Wedzicha and A.T.Dodson,Nature, 2002, 419, 448-449 R.H.Stadler, I.Blank, N.Varga, F.Robert, J.Hau, P.Guy, M-C.Robert and S.Riediker, Nature, 2002, 419, 449-450 第50回日本食品科学工学会講演要旨集(2003) 第7回トレハロースシンポジウム講演要旨集(2003)
E.Tareke, P.Rydberg, P.Karlsson, S.Eriksson and M.Tornquist, J. Agric. Food Chem., 2002, 50, 4998-5006 D.S.Motram, B.L.Wedzicha and A.T.Dodson,Nature, 2002, 419, 448-449 R.H.Stadler, I.Blank, N.Varga, F.Robert, J.Hau, P.Guy, M-C.Robert and S.Riediker, Nature, 2002, 419, 449-450 第50回日本食品科学工学会講演要旨集(2003) 第7回トレハロースシンポジウム講演要旨集(2003)
本発明は、上記背景技術の項で列記したような炭水化物主体の加工食品において、概ね120℃以上での加熱処理時に生成されるアクリルアミドの生成抑制方法と、アクリルアミドの生成を抑制するためのアクリルアミド生成抑制剤を提供することを課題とする。さらに、本発明は、アクリルアミド生成量が低減化される加工食品の製造方法を提供する。
本発明は、上記課題を解決するものであり、以下の方法によって炭水化物を主体とする加工食品の加熱処理時にアクリルアミドの生成を抑制し、該加工食品中のアクリルアミドの生成量を低減化するものである。
すなわち、本発明は、120℃以上で加熱処理する加熱処理工程を含む、炭水化物を主原料とする加工食品において、該加熱処理工程より前の工程で、カルシウム塩、塩基性アミノ酸またはその塩、並びに、ローズマリー抽出物の内の少なくとも一つを含有させることを特徴とする、加工食品のアクリルアミド生成抑制方法である。
そして、前記加熱処理工程より前の工程としては、前記加工食品の原料粉に前記カルシウム塩、塩基性アミノ酸またはその塩、並びに、ローズマリー抽出物の内の少なくとも一つを添加して含有する方法が、容易に、かつ均一に含有させることができ好ましい。ここで、本明細書中では、「原料粉」とは、粉末状又はフレーク状に乾燥されたもののことをいう。しかしながら、原料をすりつぶす等によって、乾燥させずに水分を含んだものをそのまま用いてもよく、その場合には、水分を除外したものを原料粉と呼ぶこととする。すなわち、水分を含んだものは、水と原料粉とが混合されたものとする。
原料粉に添加する以外の方法としては、120℃以上での加熱処理工程より前の工程で、例えば原料粉を水等と混練した後の生地等に、カルシウム塩、塩基性アミノ酸またはその塩、並びに、ローズマリー抽出物の内の少なくとも一つを溶液に溶かして塗布する方法や、これらの溶液に生地等を浸漬して吸収させる方法等が可能である。また、すなわち、本明細書中では、「含有させる」とは、表面に付着させることも含んでいる。
また、前記加工食品としては、具体的には、油揚げ麺、成型ポテトチップス、スナック菓子、シリアル、ビスケット、クラッカー、煎餅、かりん糖のいずれかの食品が例示できる。なお、加工食品の加熱処理温度を120℃以上に限定するのは、炭水化物を主体とする加工食品において、概ね120℃以上の加熱条件でアクリルアミドの生成が起こることが前記非特許文献2等によって知られているためである。加工食品における120℃以上の加熱処理としては、油揚げ処理の他、焼く、炒める等の方法がある。
また、前記カルシウム塩としては、例えば、塩化カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クエン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化カルシウム、ステアロイル乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、プロピオン酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸三カルシウム等が挙げられる。特に好ましいカルシウム塩としては、アクリルアミドの生成抑制効果の高さから、塩化カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸二水素カルシウムが挙げられる。
また、前記塩基性アミノ酸またはその塩としては、例えば、リジンまたはその塩、ヒスチジンまたはその塩、アルギニンまたはその塩等が挙げられる。特に好ましい塩基性アミノ酸またはその塩としては、リジン、ヒスチジンであり、フリー体でも塩の形態でも効果が得られる。なお、塩としては、塩酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等いずれも大差なく効果を有する。
また、ローズマリー抽出物とは、ローズマリーからエタノールなどによって抽出したものであり、市販されているものとしては、商品名ジェミニ・エキストラクト(ジボダン・ジャパン製)等が使用できる。
また、本発明は、加工食品に使用することでアクリルアミドの生成量の低減化が図れるアクリルアミド生成抑制剤であって、カルシウム塩、塩基性アミノ酸またはその塩、並びに、ローズマリー抽出物の内の少なくとも一つを含むアクリルアミド生成抑制剤である。
アクリルアミド生成抑制剤としては、前記物質のいずれかを単独で構成する物でも、また複数混合した物でも、さらにこれらの物質に、増量剤や、味をマスキングするために糖類等のマスキング剤を加えたものでもよい。
アクリルアミド生成抑制剤としては、前記の内、塩化カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リジンまたはその塩、及び/又は、ヒスチジンまたはその塩が含まれるものが、アクリルアミドの生成抑制効果が高いので、特に好ましい。
これらアクリルアミド生成抑制剤は、120℃以上での加熱処理工程を含む、炭水化物を主体とする加工食品に使用することで、生成されるアクリルアミドの量を減少させることができ、該120℃以上での加熱処理工程よりも前のいずれかの工程で、食品中に含有させることが好ましい。
また、油揚げ麺等の小麦粉を主原料とする加工食品において、特に好ましい製造方法としては、小麦粉等の原料粉に塩化カルシウム及び/又はピロリン酸二水素カルシウムを、原料粉100重量部に対して0.5重量部以上で添加する方法が挙げられる。例えば、原料粉100重量部に対して約0.5重量部の添加で、アクリルアミド生成抑制剤を添加しない場合と比較して、アクリルアミドの生成量を約半分以下にすることができる。
また、小麦粉等の原料粉に塩化カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、並びに、ヒスチジンまたはその塩の内の少なくとも一つを、原料粉100重量部に対して1.0重量部以上で添加することでも、アクリルアミド生成抑制剤を添加しない場合と比較して、アクリルアミドの生成量を約半分以下にすることができ好ましい。
なお、これらのアクリルアミド生成抑制剤は添加量が多いと食味や製麺性等に影響を与えるので、原料粉100重量部に対して5.0重量部以下程度に留めておくことが望ましい。
また、成型ポテトチップス等の馬鈴薯由来粉を主原料とする加工食品において、特に好ましい製造方法としては、ポテトフレーク等の馬鈴薯由来粉を主体とする原料粉に塩化カルシウムを原料粉100重量部に対して0.5重量部以上で添加する方法が挙げられる。例えば、原料粉100重量部に対して約0.5重量部の添加で、アクリルアミド生成抑制剤を添加しない場合と比較して、アクリルアミドの生成量を約半分以下にすることができる。
また、ポテトフレーク等の馬鈴薯由来粉を主体とする原料粉に塩化カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、並びに、リジンまたはその塩の内の少なくとも一つを、原料粉100重量部に対して1.0重量部以上添加することが好ましく、アクリルアミド生成抑制剤を添加しない場合と比較して、アクリルアミドの生成量を約20%以上削減することができる。なお、添加量の上限については、油揚げ麺の場合と同じ理由で、原料粉100重量部に対して5.0重量部以下程度に留めておくことが好ましい。
本発明によれば、120℃以上で加熱処理する加熱処理工程を含む炭水化物を主原料とする加工食品において、該加熱処理によって生じるアクリルアミドの生成量を減らすことができる。特に、本発明のアクリルアミド生成抑制剤を原料粉に添加することによって、該アクリルアミド生成抑制剤の食品中における含有量を一定にしかも均一に添加することができる。
特に、加工食品が油揚げ麺等の小麦粉を主原料とする加工食品の場合、アクリルアミド生成抑制剤として塩化カルシウム及び/又はピロリン酸二水素カルシウムを選択することにより、原料粉100重量部に対して0.5重量部という少量の添加でアクリルアミドの生成量を約半分以下に、さらに、硫酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、ヒスチジンまたはその塩の場合でも1.0重量部添加すればアクリルアミドの生成量を約半分以下に低減できる。
また、特に、加工食品が成型ポテトチップス等の馬鈴薯由来粉を主原料とする加工食品の場合、アクリルアミド生成抑制剤として塩化カルシウムを選択することにより、原料粉100重量部に対して0.5重量部という少量の添加でアクリルアミドの生成量を約半分以下に、さらに、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、リジンまたはその塩の場合でも1.0重量部添加すればアクリルアミドの生成量を約20%以上削減することができる。
以下、具体的に油揚げ麺の製造例等を上げて説明する。
油揚げ麺は、まず、小麦粉、澱粉等の麺原料粉に練り水を加えて混練し、麺生地を作製する。この際、必要に応じてかんすい、食塩等の副原料を添加するが、副原料は、練り水に加えて添加しても、原料粉に粉体で混合して添加しても良い。本発明においては、前記副原料と同様にしてアクリルアミド生成抑制剤、すなわち、カルシウム塩、塩基性アミノ酸又はその塩、並びに、ローズマリー抽出物の内の少なくとも一つを原料粉と共に、あるいは練り水に溶かすか懸濁させて原料粉に添加することができる。原料粉に添加する方法を採用することで、均一にムラ無く、一定の量を麺生地中に含有させることができる。
油揚げ麺は、まず、小麦粉、澱粉等の麺原料粉に練り水を加えて混練し、麺生地を作製する。この際、必要に応じてかんすい、食塩等の副原料を添加するが、副原料は、練り水に加えて添加しても、原料粉に粉体で混合して添加しても良い。本発明においては、前記副原料と同様にしてアクリルアミド生成抑制剤、すなわち、カルシウム塩、塩基性アミノ酸又はその塩、並びに、ローズマリー抽出物の内の少なくとも一つを原料粉と共に、あるいは練り水に溶かすか懸濁させて原料粉に添加することができる。原料粉に添加する方法を採用することで、均一にムラ無く、一定の量を麺生地中に含有させることができる。
好ましいカルシウム塩としては、前述した各カルシウム塩が使用できるが、前述したいずれのカルシウム塩においても、本発明者らの実験結果では、油揚げ麺においては、原料粉100重量部に対して1.0重量部の添加で、添加しない場合と比べてアクリルアミドの生成量を20%以上減らすことができる。そして、これらのうち、特に塩化カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸二水素カルシウムは効果が高く、本発明者らの実験結果によれば、塩化カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウムの場合、原料粉100重量部に対して0.5重量部以上添加することで、また、硫酸カルシウム、リン酸二水素カルシウムの場合、原料粉100重量部に対して1.0重量部以上添加することで、油揚げ麺中に生成されるアクリルアミドの量を約半分以下に抑えることができる。従って、これらのカルシウム塩を、前記した量添加することが特に好ましい。しかし、カルシウム塩を大量に添加すると、製麺性が悪くなる場合や、えぐ味や苦味が生じる等の問題があるので原料粉100重量部に対して5.0重量部を上限にすべきである。また、食味の点から、比較的影響を与えず、かつ効果も高い点からすれば硫酸カルシウムの使用が推奨される。なお、食味の点からすれば、それぞれのカルシウム塩の味が強くならないように、異なるカルシウム塩を少しづつ複数併用したり、カルシウム塩以外のアクリルアミド生成抑制剤である塩基性アミノ酸またはその塩やローズマリー抽出物と併用したりする等の方法も推奨できる。
好ましい塩基性アミノ酸またはその塩としては、前述した通り、リジンまたはその塩、ヒスチジンまたはその塩、及び/又は、アルギニンまたはその塩が使用できるが、本発明者らの実験結果から、リジン塩酸塩の場合は原料粉100重量部に対して2.0重量部以上の添加で、ヒスチジン塩酸塩の場合は原料粉100重量部に対して1.0重量部以上の添加で、油揚げ麺中に生成されるアクリルアミドの量を半分以下に減らせるので、このような量を添加することが特に好ましい。これら塩基性アミノ酸を添加する場合、フリー体であっても、塩であっても構わない。
このように小麦粉等の麺原料粉に、上記アクリルアミド生成抑制剤、練り水、必要に応じて副原料等を混合した後(ただし、原料粉に添加せずに後工程で含有させる方法も可能)、混練して生地を作製し、圧延して麺帯とした後、切り出して麺線とする。なお麺線化する方法は、切り出す方法以外にエクストルーダー等を用いて押出して麺線としても良い。麺線とした後、蒸し又は茹でによって麺線をα化し、α化した麺線を必要に応じて食塩水やスープを含む着味液で着味して、次いでリテーナ等に投入して油揚げ処理する。蒸し又は茹で処理は通常約100℃以下で行われるために、この時点でのアクリルアミドの生成はなく、一方油揚げ処理は120℃以上、通常は140℃以上180℃以下で行われるため、この工程でアクリルアミドが生成する。従って、油揚げ処理より前の工程で、カルシウム塩、塩基性アミノ酸またはその塩、並びに、ローズマリー抽出物の内の少なくとも一つを含むアクリルアミド生成抑制剤を麺線に含有できればよく、必ずしも原料粉混練時に添加する必要はない。原料粉混練時に添加する以外の方法としては、前記茹で処理の茹で液に前記アクリルアミド生成抑制剤を添加して麺線を茹でる方法や、着味液に添加して麺線に吸着させる方法、又は別工程で前記アクリルアミド生成抑制剤を含む液に麺線を浸漬する方法等が可能である。しかしこれらの方法は、麺線中のアクリルアミド生成抑制剤の含有量を正確な量とすることが困難であり、またムラが生じやすいことから、原料粉に添加する方法が最も好ましい。
油揚げ処理した麺線は、油揚げによって麺線中に含まれる水分が急速に失われて乾燥した多孔質の麺塊となり、長期保存が可能で、熱湯を注加するだけ、または1〜3分程度炊くだけで喫食できる即席麺となる。形態としては、袋入りの形態としても、カップ入りの形態としても可能で、スープを別添としたタイプでも、別添スープを必要としない味付け麺としてもよい。また、お湯で復元させないスナック菓子タイプの麺や、皿うどんのような形態も可能である。
以上、油揚げ麺を例に説明したが、油揚げ麺以外の加工食品の場合でも、本質的には同じである。例えば成型ポテトチップスの場合の製造方法は、原料粉として乾燥ポテトフレークや乾燥マッシュポテト、ポテトフラワー等の馬鈴薯由来粉を主原料とし、これに必要に応じて澱粉、乳化剤等を添加して水を加えて生地を作製し、圧延して薄くシート状としたものを型抜きし、160℃以上200℃以下(180℃程度)で油揚げ処理する。あるいは、前記主原料にさらに油脂を添加しておいて、油揚げ処理する代わりに200℃以上の高温で焼成して製造される。そして、いずれの場合でも油揚げ麺の場合と同様に、原料粉混練時に、前述したカルシウム塩、塩基性アミノ酸またはその塩、並びに、ローズマリー抽出物の内の少なくとも一つを含むアクリルアミド生成抑制剤を添加する。あるいは、型抜きした未加熱の生地にこれらアクリルアミド生成抑制剤を吸着させる。このような方法によって、成型ポテトチップスにおいてもアクリルアミドの生成を抑制することができる。また、生成されるアクリルアミドの生成抑制率は、油揚げ麺とは原料の由来が異なるために(油揚げ麺は小麦であるが、ポテトチップスは馬鈴薯であるとともに、加熱温度も異なるため、アクリルアミドの生成量は格段に多い)油揚げ麺の場合とは異なるが、塩化カルシウムが特に有効で、原料粉100重量部に対して0.5重量部の添加で成型ポテトチップス中に生成されるアクリルアミドの生成量を半分以下に低減することができる。また、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、及び/又は、リジン又はその塩も有効であり、この場合、原料粉100重量部に対して1.0重量部の添加で成型ポテトチップス中に生成されるアクリルアミドの生成量を約20%以上削減することができる。なお、成型ポテトチップスの場合で20%の削減率を特に良好としたのは、油揚げ麺の場合と違ってポテトチップスでのアクリルアミド生成量が極めて大きく(油揚げ麺の約30倍)、20%の削減率でも約600ppbの削減量となるため、20%の削減率を特に有効な効果の目安とした。
以下実施例をあげて詳述するが、本発明はこれらの実施例によって限定的に解釈されるべきものではない。
以下実施例1〜3において、アクリルアミドの分析方法については、(財)食品総合研究所の方法(Food Additives and Contaminants, 2003, 20, 215-220)に基づきGC/MSで測定した。
具体的には、まず、30mL遠沈管にミキサー(岩谷産業(株)製,商品名:IMF-180G)で粉砕した試料2.5gを秤量し、精製水15mL及び内部標準として、アクリルアミド2,3,3-d3 (10ppm,25μL)を添加した。次に、10分間振盪(大洋科学工業(株)製, 商品名:SR-1,200回/分)した後、10分間遠心分離(日立工機(株)製,商品名:CR2OB,18,000rpm)した。そして遠心上清約1.5mLをエッペンチューブに採取し、冷凍庫で凍らせて澱粉をβ化(老化)した後解凍した。再度10分間遠心分離((株)佐久間製作所製,商品名:M-150T,16,000rpm)し、あらかじめコンディショニングした(メタノール1mLで洗浄,精製水2mLで平衡化)固相抽出管(C18,陽・陰イオン交換混合相500mg,アイソルート・マルチモード,インターナショナル ソルベント テクノロジー製)に上清約1.2mLを負荷した。最初の画分1mLを捨てて3mLの精製水を流し、溶出した3mLに臭素化試薬(6M硫酸約0.2mL,臭化カリウム1.2g及び0.1M臭素酸カリウム水溶液0.3mL)を加えて4℃の冷蔵庫に1時間放置して、アクリルアミドを臭素化した。次に1Mチオ硫酸ナトリウム水溶液を約0.3mL添加し、過剰の試薬を還元した。ここに酢酸エチル3mLを添加して10分間振盪し、3分間遠心分離(日立工機(株)製,商品名:CT5DL,3,000rpm)した。酢酸エチル層を採取して無水硫酸ナトリウムで脱水した後、窒素気流を吹きつけて乾固しないよう約100μLに濃縮し、試料溶液とした。
GC/MS測定条件については以下の通り。GC(ヒューレッド・パッカード製,商品名:HP-6890)、MS(日本電子(株)製,商品名:JMS-AMSUN200)、キャピラリーカラム(DB-17ms)、キャリアガス(ヘリウム,1mL/分)、注入量(1μL,スプリットレス)注入口温度(120℃)、昇温条件(85℃(1分)→25℃/分→175℃(6分)→40℃/分→250℃(7分),イオン化法(EI,70eV,300μL)、検出法(SIM,m/z150,152,内部標準m/z153,155)、インターフェース温度(280℃)、イオン源温度(200℃)。
[実施例1] 油揚げ麺におけるカルシウム塩の効果
水17mlにかんすい270mg、食塩330mgを加え、各種カルシウム塩を100mg、200mgまたは400mg加えて(原料粉100重量部に対してそれぞれ0.25重量部、0.5重量部、1.0重量部)混合して懸濁させ、1食用の練り水を作製した。この練り水を小麦粉38gに澱粉2gを加えた原料粉1食分に添加して撹拌し、よく練って麺生地を作製した。これを圧延ロールで約2mm程度に薄く圧延して麺帯状とし、生パスタ用パスタマシンで約1.5mm幅の麺線とし、10分間蒸してα化した。α化した麺線を約20%の醤油、約10%の食塩、少量の肉エキスなどを添加した着味液に浸漬し、よく水切りした後、フライリテーナに概ね均一になるように入れ、160℃のパーム油で2分間油揚げした。このようにして製造した即席油揚げ麺をサンプルとし、前記GC/MSによる分析によって、麺線中のアクリルアミドの生成量を測定した。
水17mlにかんすい270mg、食塩330mgを加え、各種カルシウム塩を100mg、200mgまたは400mg加えて(原料粉100重量部に対してそれぞれ0.25重量部、0.5重量部、1.0重量部)混合して懸濁させ、1食用の練り水を作製した。この練り水を小麦粉38gに澱粉2gを加えた原料粉1食分に添加して撹拌し、よく練って麺生地を作製した。これを圧延ロールで約2mm程度に薄く圧延して麺帯状とし、生パスタ用パスタマシンで約1.5mm幅の麺線とし、10分間蒸してα化した。α化した麺線を約20%の醤油、約10%の食塩、少量の肉エキスなどを添加した着味液に浸漬し、よく水切りした後、フライリテーナに概ね均一になるように入れ、160℃のパーム油で2分間油揚げした。このようにして製造した即席油揚げ麺をサンプルとし、前記GC/MSによる分析によって、麺線中のアクリルアミドの生成量を測定した。
なお、比較のためカルシウム塩を加えないカルシウム無添加のもの(基準とする)、比較例としてカルシウム塩に替えて、pHの低いかんすいとして使用されることのあるリン酸三カリウムを添加したものを作製して測定した。サンプルは全てについて3検体作製して行い、その平均値を求めた。また、アクリルアミド削減率として、カルシウム無添加のサンプルに含まれるアクリルアミド生成量を基準にし、アクリルアミドの生成量が何%削減されたかを算出した。結果を表1に示す。
表1の通り、各種カルシウム塩の添加によって、加熱処理によって生成されるアクリルアミドの量が低減された。上記いずれのカルシウム塩でも、原料粉100重量部に対して1.0重量部の添加で、無添加のものと比べてアクリルアミドの生成量を20%以上削減でき、そのうち、塩化カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸二水素カルシウムの場合に至っては1.0重量部の添加で半分以下に低減できた。特に、塩化カルシウムとピロリン酸二水素カルシウムは、0.5重量部という少量の添加でもアクリルアミドの生成量が半分以下に低減されている。これに対して、リン酸三カリウムを添加した比較例は、1.0重量部の添加で逆にアクリルアミドの生成量が40%増加した。
[実施例2] 油揚げ麺における塩基性アミノ酸、ローズマリー抽出物の効果
実施例1に用いたカルシウム塩に替えて、塩基性アミノ酸の塩酸塩、ローズマリー抽出物、比較例として、アクリルアミド生成抑制効果が発表されているトレハロース、または、ローズマリー抽出物と同様に抗酸化作用の知られるルチンを、160mg、400mgまたは800mg練り水17mLに添加し(原料粉100重量部に対してそれぞれ0.4重量部、1.0重量部、2.0重量部)、以下、実施例1と同様にしてサンプルを作製し、油揚げ麺線中のアクリルアミドの生成量を測定した。なお、サンプルは全てについて3検体作製して行い、その平均値を求めた。さらに、アクリルアミド削減率として、無添加のサンプルを基準にしてアクリルアミド生成量が何%削減されたかを算出した。表2に塩基性アミノ酸の塩酸塩の結果を、また表3にローズマリー抽出物等の結果を(実験系を異にしたため対照の無添加のサンプルのアクリルアミド生成量が若干異なる)示す。なお、アルギニン塩酸塩の場合、原料粉100重量部に対して0.4重量部及び1.0重量部の添加では効果が見られなかったので、1600mg(原料粉100重量部に対して4.0重量部)の添加で効果を確認した。
実施例1に用いたカルシウム塩に替えて、塩基性アミノ酸の塩酸塩、ローズマリー抽出物、比較例として、アクリルアミド生成抑制効果が発表されているトレハロース、または、ローズマリー抽出物と同様に抗酸化作用の知られるルチンを、160mg、400mgまたは800mg練り水17mLに添加し(原料粉100重量部に対してそれぞれ0.4重量部、1.0重量部、2.0重量部)、以下、実施例1と同様にしてサンプルを作製し、油揚げ麺線中のアクリルアミドの生成量を測定した。なお、サンプルは全てについて3検体作製して行い、その平均値を求めた。さらに、アクリルアミド削減率として、無添加のサンプルを基準にしてアクリルアミド生成量が何%削減されたかを算出した。表2に塩基性アミノ酸の塩酸塩の結果を、また表3にローズマリー抽出物等の結果を(実験系を異にしたため対照の無添加のサンプルのアクリルアミド生成量が若干異なる)示す。なお、アルギニン塩酸塩の場合、原料粉100重量部に対して0.4重量部及び1.0重量部の添加では効果が見られなかったので、1600mg(原料粉100重量部に対して4.0重量部)の添加で効果を確認した。
表2、3の通り、塩基性アミノ酸、ローズマリー抽出物において、アクリルアミド生成抑制効果が見られたが、比較例であるトレハロース、ルチンにはその効果がほとんど見られなかった。また効果としては、ヒスチジン塩酸塩については原料粉100重量部に対して1.0重量部の添加でアクリルアミド生成量を半分以下に、リジン塩酸塩の場合は原料粉100重量部に対して2.0重量部の添加でアクリルアミド生成量を半分以下に低減することができた。
[実施例3] 油揚げ麺におけるリジンの各塩の効果
実施例2で効果のあったリジンについて、添加量を原料粉100重量部に対して1.1mmol、2.2mmolまたは5.5mmolとなるように、フリー体(それぞれ原料粉100重量部に対して0.4重量部、0.8重量部、2.0重量部)、塩酸塩(それぞれ原料粉100重量部に対して0.5重量部、1.0重量部、2.5重量部)、グルタミン酸塩(それぞれ原料粉100重量部に対して0.8重量部、1.6重量部、4.0重量部)、または、アスパラギン酸塩(それぞれ原料粉100重量部に対して0.78重量部、1.55重量部、3.88重量部)として、実施例2と同様にしてサンプルを作製し、油揚げ麺線中のアクリルアミドの生成量を測定した。なお、サンプルは全てについて3検体作製して行い、その平均値を求めた。さらに、アクリルアミド削減率として、無添加のサンプルを基準にしてアクリルアミド生成量が何%削減されたかを算出した。結果を表4に示す。
実施例2で効果のあったリジンについて、添加量を原料粉100重量部に対して1.1mmol、2.2mmolまたは5.5mmolとなるように、フリー体(それぞれ原料粉100重量部に対して0.4重量部、0.8重量部、2.0重量部)、塩酸塩(それぞれ原料粉100重量部に対して0.5重量部、1.0重量部、2.5重量部)、グルタミン酸塩(それぞれ原料粉100重量部に対して0.8重量部、1.6重量部、4.0重量部)、または、アスパラギン酸塩(それぞれ原料粉100重量部に対して0.78重量部、1.55重量部、3.88重量部)として、実施例2と同様にしてサンプルを作製し、油揚げ麺線中のアクリルアミドの生成量を測定した。なお、サンプルは全てについて3検体作製して行い、その平均値を求めた。さらに、アクリルアミド削減率として、無添加のサンプルを基準にしてアクリルアミド生成量が何%削減されたかを算出した。結果を表4に示す。
表4の通り、いずれの塩およびフリー体でアクリルアミドの生成抑制効果が見られた。また、同一molの比較では、いずれの塩およびフリー体でアクリルアミドの生成抑制効果に大きな差が認められなかった。
[実施例4] 成型ポテトチップスにおけるアクリルアミドの生成抑制効果
馬鈴薯澱粉1gに各種カルシウム塩、リジン塩酸塩、ローズマリー抽出物、比較例としてアクリルアミド生成抑制効果が発表されているトレハロースのいずれかを30mg、60mgまたは120mg(原料粉100重量部に対してそれぞれ0.5重量部、1.0重量部、2.0重量部)と70℃の熱水6mLを加えて良く混練した後、乾燥マッシュポテト5gを加えてさらに良く混練して生地を作製した。この生地を圧延ロールに掛けて厚さ1mmのシートとし、直径5cmの金属製型抜きで円形に型抜きして、2枚のメッシュ状の金網に挟んで175℃のパーム油で40秒間油揚げ処理した。
馬鈴薯澱粉1gに各種カルシウム塩、リジン塩酸塩、ローズマリー抽出物、比較例としてアクリルアミド生成抑制効果が発表されているトレハロースのいずれかを30mg、60mgまたは120mg(原料粉100重量部に対してそれぞれ0.5重量部、1.0重量部、2.0重量部)と70℃の熱水6mLを加えて良く混練した後、乾燥マッシュポテト5gを加えてさらに良く混練して生地を作製した。この生地を圧延ロールに掛けて厚さ1mmのシートとし、直径5cmの金属製型抜きで円形に型抜きして、2枚のメッシュ状の金網に挟んで175℃のパーム油で40秒間油揚げ処理した。
このようにして製造した成型ポテトチップスをサンプルとし、GC/MSによる分析によって、成型ポテトチップス中のアクリルアミドの生成量を測定した。前記油揚げ麺の場合におけるGC/MSによる分析方法との違いは、試料の量を1.0gとして、加える精製水を10mLとし、10ppm内部標準(アクリルアミド2,3,3-d3)の添加量を100μLとした点であり、その他は油揚げ麺の場合と同様に測定した。また、サンプルは全てについて3検体作製して行い、その平均値を求めた。さらに、アクリルアミド削減率として、カルシウム無添加のサンプルに含まれるアクリルアミド生成量を基準にし、アクリルアミドの生成量が何%削減されたかを算出した。結果を表5に示す。
表5の通り、カルシウム塩、塩基性アミノ酸塩の添加によって、加熱処理によって生成されるアクリルアミドの生成量が低減された。上記いずれのカルシウム塩でも、原料粉100重量部に対して2.0重量部の添加で、無添加のものに比べてアクリルアミドの生成量を30%以上削減でき、そのうち、塩化カルシウムは0.5重量部の添加で半分以下に低減できた。また、ローズマリー抽出物では0.5重量部、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、リジン塩酸塩については1.0重量部の添加で20%以上削減できた。なお、20%削減することによって、アクリルアミドの生成量は600ppb以上削減されている。一方、比較例となるトレハロースのアクリルアミド生成抑制効果はこれら本発明のアクリルアミド生成抑制剤に比べて低いものであった。
Claims (14)
- 120℃以上で加熱処理する加熱処理工程を含む、炭水化物を主原料とする加工食品において、
該加熱処理工程より前の工程で、カルシウム塩、塩基性アミノ酸またはその塩、並びに、ローズマリー抽出物の内の少なくとも一つを含有させることを特徴とする、加工食品のアクリルアミド生成抑制方法。 - 前記加熱処理工程より前の工程で、カルシウム塩、塩基性アミノ酸またはその塩、並びに、ローズマリー抽出物の内の少なくとも一つを含有させる方法が、原料粉にカルシウム塩、塩基性アミノ酸またはその塩、並びに、ローズマリー抽出物の内の少なくとも一つを添加して含有させる請求項1に記載の加工食品のアクリルアミド生成抑制方法。
- 前記加工食品が、油揚げ麺、成型ポテトチップス、スナック菓子、シリアル、ビスケット、クラッカー、煎餅、かりん糖のいずれかの食品である請求項1または2に記載の加工食品のアクリルアミド生成抑制方法。
- 前記カルシウム塩は、塩化カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クエン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化カルシウム、ステアロイル乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、プロピオン酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、及び/又は、リン酸三カルシウムであり、
前記塩基性アミノ酸またはその塩は、リジンまたはその塩、ヒスチジンまたはその塩、及び/又は、アルギニンまたはその塩である請求項1から3のいずれかに記載の加工食品のアクリルアミド生成抑制方法。 - カルシウム塩を含むことを特徴とするアクリルアミド生成抑制剤。
- 塩基性アミノ酸またはその塩を含むことを特徴とするアクリルアミド生成抑制剤。
- ローズマリー抽出物を含むことを特徴とするアクリルアミド生成抑制剤。
- 120℃以上で加熱処理する加熱処理工程を含む、炭水化物を主原料とする加工食品における、アクリルアミドの生成を抑制するための、カルシウム塩、塩基性アミノ酸またはその塩、並びに、ローズマリー抽出物の内の少なくとも一つの使用。
- 120℃以上で加熱処理する加熱処理工程を含む、小麦粉を主原料とする加工食品の製造方法であって、
小麦粉を主体とする原料粉に塩化カルシウム及び/又はピロリン酸二水素カルシウムを、原料粉100重量部に対して、0.5重量部以上5.0重量部以下で添加することを特徴とする加工食品の製造方法。 - 120℃以上で加熱処理する加熱処理工程を含む、小麦粉を主原料とする加工食品の製造方法であって、
小麦粉を主体とする原料粉に塩化カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、並びに、ヒスチジンまたはその塩の内の少なくとも一つを、原料粉100重量部に対して、1.0重量部以上5.0重量部以下で添加することを特徴とする加工食品の製造方法。 - 前記小麦粉を主原料とする加工食品が油揚げ麺である請求項9または10に記載の加工食品の製造方法。
- 120℃以上で加熱処理する加熱処理工程を含む、馬鈴薯由来粉を主原料とする加工食品の製造方法であって、
馬鈴薯由来粉を主体とする原料粉に塩化カルシウムを、原料粉100重量部に対して、0.5重量部以上5.0重量部以下で添加することを特徴とする加工食品の製造方法。 - 120℃以上で加熱処理する加熱処理工程を含む、馬鈴薯由来粉を主原料とする加工食品の製造方法であって、
馬鈴薯由来粉を主体とする原料粉に塩化カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、並びに、リジンまたはその塩の内の少なくとも一つを、原料粉100重量部に対して、1.0重量部以上5.0重量部以下で添加することを特徴とする加工食品の製造方法。 - 前記馬鈴薯由来粉を主原料とする加工食品が、成型ポテトチップスである請求項12または13に記載の加工食品の製造方法。
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