JP7424268B2 - トランジスタ - Google Patents

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Description

本開示は、トランジスタに関するものである。
グラフェンは、炭素原子がsp混成軌道を形成して平面的に結合した物質である。このような炭素原子の結合状態に起因して、グラフェンにおけるキャリア(電子および正孔)の移動度は、極めて高い。グラフェンをトランジスタのチャネルとして有効に利用することができれば、高周波での利用等、トランジスタの性能の向上を図ることができる。グラフェンを含むトランジスタに関する技術が、たとえば非特許文献1および非特許文献2に開示されている。非特許文献1および非特許文献2に開示されたトランジスタにおいては、グラフェン上にゲート絶縁膜が形成され、その上にゲート電極が形成されている。非特許文献1では、ゲート長方向において、ソース電極とドレイン電極との間に配置されるグラフェン膜が全てゲート絶縁膜と同じ絶縁膜で覆われている。非特許文献2では、ゲート長方向において、ゲート絶縁膜とソース電極との間の領域に配置されるグラフェン膜およびゲート絶縁膜とドレイン電極との間の領域に配置されるグラフェン膜が全て露出している。
Omid Habibpour et al.、"Mobility Improvement and Microwave Characterization of a Graphene Field Effect Transistor With Silicon Nitride Gate Dielectrics"、IEEE ELECTRON DEVICE LETTERS,VOL.32,NO.7,JULY 2011 Jing Tian et al.、"Graphene Field-Effect Transistor Model With Improved Carrier Mobility Analysis"、IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES,VOL.62,NO.10,OCTOBER 2015
グラフェンをチャネルとして利用したトランジスタにおいては、安定した動作を確保することができると共に、高周波特性の向上が望まれる。
そこで、安定した動作を確保することができると共に、高周波特性の向上を図ることができるトランジスタを提供することを本開示の目的の1つとする。
本開示に従ったトランジスタは、ゲート電極と、ソース電極と、ソース電極と離れて配置されるドレイン電極と、を備え、ソース電極からドレイン電極へ向かう方向をゲート長方向とする。トランジスタは、第1面を有する絶縁性のベース部と、第1面上に配置されるグラフェン膜と、ゲート長方向と垂直なゲート幅方向に延びる帯状の形状を有し、第1面と対向する面と反対側の面であるグラフェン膜の第2面上に配置されるゲート絶縁膜と、を備える。ソース電極は、ベース部に搭載され、ゲート絶縁膜と間隔をあけて、グラフェン膜と接触するように配置される。ドレイン電極は、ベース部に搭載され、ゲート絶縁膜と間隔をあけて、グラフェン膜と接触し、ゲート長方向においてゲート絶縁膜を挟んでソース電極と反対側に配置される。ゲート電極は、ゲート幅方向に延びる帯状の形状を有し、第2面と対向する面と反対側の面であるゲート絶縁膜の第3面上に配置される。トランジスタは、ゲート絶縁膜と同じ材質であって、ゲート絶縁膜とソース電極との間に位置する第1領域およびゲート絶縁膜とドレイン電極との間に位置する第2領域において、第2面の一部を露出するよう第2面上に配置される絶縁層を備える。
上記トランジスタによれば、安定した動作を確保することができると共に、高周波特性の向上を図ることができる。
図1は、実施の形態1におけるトランジスタの構造を示す概略断面図である。 図2は、実施の形態1におけるトランジスタの製造方法の代表的な工程を示すフローチャートである。 図3は、グラフェン膜が形成されたベース部(基板)の概略断面図である。 図4は、グラフェン膜がパターニングされた状態を示す概略断面図である。 図5は、ソース電極およびドレイン電極を形成した状態を示す概略断面図である。 図6は、絶縁膜を形成した状態を示す概略断面図である。 図7は、ゲート電極を形成した状態を示す概略断面図である。 図8は、本発明の範囲外であるトランジスタにおいて、ゲート電圧を変化させた場合のドレイン電圧(Vd)とドレイン電流(Id)との関係を示すグラフである。 図9は、実施の形態1におけるトランジスタにおいて、ゲート電圧を変化させた場合のドレイン電圧(Vd)とドレイン電流(Id)との関係を示すグラフである。 図10は、本発明の範囲外であるトランジスタにおいて、ゲート電圧(Vg)とドレイン電流(Id)との関係を示すグラフである。 図11は、本発明の範囲外であるトランジスタにおいて、ゲート電圧(Vg)とドレイン電流(Id)との関係を示すグラフである。 図12は、実施の形態1におけるトランジスタにおいて、ゲート電圧(Vg)とドレイン電流(Id)との関係を示すグラフである。 図13は、実施の形態1におけるトランジスタにおいて、ゲート電圧(Vg)とドレイン電流(Id)との関係を示すグラフである。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。本開示に係るトランジスタは、ゲート電極と、ソース電極と、ソース電極と離れて配置されるドレイン電極と、を備え、ソース電極からドレイン電極へ向かう方向をゲート長方向とする。トランジスタは、第1面を有する絶縁性のベース部と、第1面上に配置されるグラフェン膜と、ゲート長方向と垂直なゲート幅方向に延びる帯状の形状を有し、第1面と対向する面と反対側の面であるグラフェン膜の第2面上に配置されるゲート絶縁膜と、を備える。ソース電極は、ベース部に搭載され、ゲート絶縁膜と間隔をあけて、グラフェン膜と接触するように配置される。ドレイン電極は、ベース部に搭載され、ゲート絶縁膜と間隔をあけて、グラフェン膜と接触し、ゲート長方向においてゲート絶縁膜を挟んでソース電極と反対側に配置される。ゲート電極は、ゲート幅方向に延びる帯状の形状を有し、第2面と対向する面と反対側の面であるゲート絶縁膜の第3面上に配置される。トランジスタは、ゲート絶縁膜と同じ材質であって、ゲート絶縁膜とソース電極との間に位置する第1領域およびゲート絶縁膜とドレイン電極との間に位置する第2領域において、第2面の一部を露出するよう第2面上に配置される絶縁層を備える。
本開示のトランジスタは、絶縁性のベース部上に配置されるグラフェン膜を含む。グラフェン膜におけるキャリア(電子および正孔)の移動度は、極めて高い。したがって、トランジスタのチャネルとしてグラフェン膜を利用することにより、高周波での動作が可能となる。
本発明者らは、グラフェン膜をチャネルとして利用するトランジスタにおいて、安定した動作を確保することができると共に、高周波特性を向上させる方策について検討を行った。ここで、本発明者らは、ゲート長方向において、ソース電極とドレイン電極との間に配置されるグラフェン膜が全てゲート絶縁膜と同じ絶縁膜で覆われている構成について、以下の点に着目した。ゲート絶縁膜は、高い印加電圧に耐えることができるよう緻密な構造を有する絶縁膜が採用される場合が多い。このような絶縁膜は、グラフェン膜との間で強い共有結合を有することになる。そうすると、電荷輸送を担うπ軌道が、絶縁膜とグラフェン膜との間の共有結合で捉えられてしまい、グラフェン膜の電荷輸送能力を低減させることとなる。その結果、電極間のアクセス抵抗を増大させることとなり、流れる電流量を増加させることができず、トランジスタの高周波特性の向上を図ることができないと考えた。
また、本発明者らは、ゲート長方向において、ゲート絶縁膜とソース電極との間の領域に配置されるグラフェン膜およびゲート絶縁膜とドレイン電極との間の領域に配置されるグラフェン膜が全て露出している構成について、以下の点に着目した。ゲート絶縁膜とソース電極との間の領域およびゲート絶縁膜とドレイン電極との間の領域におけるグラフェン膜が全て露出すれば、グラフェン膜が外部の雰囲気の影響を多大に受けることとなる。その結果、トランジスタのフェルミ準位が変化してトランジスタの特性が変化してしまい、安定した動作を確保するのが困難となると考えた。
そして、本発明者らは、アクセス抵抗の増大を抑制しながらフェルミ準位が変化するおそれを低減すべく鋭意検討し、ゲート長方向において、ゲート電極とソース電極との間の領域およびゲート電極とドレイン電極との間の領域におけるグラフェン膜上に、部分的にゲート絶縁膜と同じ材質の絶縁膜を配置すれば良いことを見出した。
本開示のトランジスタは、ゲート絶縁膜と同じ材質であって、ゲート絶縁膜とソース電極との間に位置する第1領域およびゲート絶縁膜とドレイン電極との間に位置する第2領域において、第2面の一部を露出するよう第2面上に配置される絶縁層を備える。第1領域および第2領域において、絶縁層が配置されず、グラフェン膜の露出した領域は、電荷輸送能力が高い。よって、電極間におけるアクセス抵抗の低減を図ることができ、流れる電流量を増加させることができる。また、第1領域および第2領域において、グラフェン膜の一部は、絶縁層によって覆われているため、トランジスタのフェルミ準位が変化してトランジスタの特性が変化するおそれを低減することができる。よって、トランジスタの安定した動作を確保することができる。なお、絶縁層は、ゲート絶縁膜と同じ材質である。よって、たとえばソース電極とドレイン電極との間の領域の全面にわたって絶縁膜を形成した後、ゲート絶縁膜に相当する領域の絶縁膜を残すと共に、第1領域および第2領域の一部の絶縁膜を残し、他の部分を除去してグラフェン膜の一部を露出させることにより、絶縁層を形成することができる。したがって、絶縁層を比較的容易に形成することができる。
以上より、このようなトランジスタによると、安定した動作を確保することができると共に、高周波特性の向上を図ることができる。
上記トランジスタにおいて、絶縁層は、第2面から突出するよう、それぞれ間隔をあけて配置される複数の突出部を含んでもよい。このような複数の突出部を含む絶縁層は、第1領域および第2領域に絶縁膜を形成し、エッチングして一部を残し、他の部分を除去してグラフェン膜の第2面の一部を露出させることにより形成することができる。したがって、比較的容易に形成することができる。したがって、生産性の向上を図ることができる。
上記トランジスタにおいて、突出部の形状は、半球状であってもよい。このような形状の突出部は、ウェットエッチングにより容易に形成することができる。したがって、生産性の向上を図ることができる。
上記トランジスタにおいて、突出部の直径は、1nm以上10nm以下であってもよい。突出部の直径として上記した範囲のものを採用することにより、より確実に安定した動作を確保しながら、高周波特性の向上を図ることができる。
上記トランジスタにおいて、第1領域および第2領域のうちの少なくともいずれか一方の領域において、絶縁層によって覆われる第2面の領域の全体に占める割合は、30%以上80%以下であってもよい。絶縁層によってグラフェン膜を覆う領域が多くなると、電荷輸送能力が低下することとなる。一方、絶縁層によってグラフェン膜を覆う領域が少なくなると、トランジスタのフェルミ準位が変化してトランジスタの特性が変化しやすくなる。このように絶縁層によってグラフェン膜を覆う領域の全体に対する比率を上記範囲内とすることにより、より確実に安定した動作を確保しながら、高周波特性の向上を図ることができる。
上記トランジスタにおいて、ゲート絶縁膜の長さに対する第1領域の長さおよび第2領域の長さの比率はそれぞれ、1/3以上であってもよい。このようにすることにより、第1領域および第2領域を広く確保して、絶縁層を容易に形成することができる。したがって、より確実に安定した動作を確保しながら、高周波特性の向上を図ることができる。
上記トランジスタにおいて、ゲート長方向において、第1領域の長さおよび第2領域の長さのうちの少なくともいずれか一方は、1μm以上であってもよい。このようにすることにより、絶縁層を形成する際の十分な大きさを確保することができる。したがって、より確実に安定した動作を確保しながら、高周波特性の向上を図ることができる。
上記トランジスタにおいて、グラフェン膜の原子層の数は、1以上5以下であってもよい。このようにすることにより、キャリアの高い移動度を安定して確保することができるグラフェン膜を備えるトランジスタとすることができる。
[本開示の実施形態の詳細]
次に、本開示のトランジスタの一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1に係るトランジスタについて説明する。図1は、実施の形態1におけるトランジスタの構造を示す概略断面図である。図1において、ベース部およびグラフェン膜の厚さ方向は、矢印Tで示す向きまたはその逆の向きで示される。トランジスタのゲート長方向は、後述するソース電極16からドレイン電極17へ向かう方向としている。ゲート長方向は、矢印Wで示す向きまたはその逆の向きで示される。図1は、ゲート幅方向に垂直な平面で切断した場合の断面図である。図1は、ゲート長方向に垂直な方向であるゲート幅方向に垂直であってゲート電極を含む断面である。
図1を参照して、実施の形態1におけるトランジスタ11は、MOSFET(Metal-oxide-semiconductor Field Effect Transistor)である。トランジスタ11は、絶縁性のベース部12と、グラフェン膜13と、ゲート絶縁膜14と、ゲート電極15と、ソース電極16と、ドレイン電極17と、を含む。
ベース部12は、炭化珪素(SiC)から構成されている。炭化珪素は、六方晶SiCであって、たとえば6H構造を有する。なお、ベース部12は、六方晶であって4H構造を有してもよい。ベース部12は、ベース部12の厚さ方向の一方に位置する第1面12aを有する。
グラフェン膜13は、ベース部12の第1面12a上に配置される。グラフェン膜13は、ベース部12上の所定の箇所に配置されている。グラフェン膜13は、厚さ方向における一方の主面13bが第1面12aと対向して配置される。グラフェン膜13は、厚さ方向において主面13bと反対側に位置する他方の主面である第2面13aを有する。グラフェン膜13の原子層の数は、1以上5以下である。このようにすることにより、キャリアの高い移動度を安定して確保することができるグラフェン膜13を備えるトランジスタ11とすることができる。
ゲート絶縁膜14は、グラフェン膜13の第2面13a上に配置される。ゲート絶縁膜14は、一方の主面14bが第2面13aと対向して配置される。ゲート絶縁膜14は、ベース部12の厚さ方向において主面14bと反対側に位置する他方の主面である第3面14aを有する。ゲート絶縁膜14は、ゲート幅方向に延びる帯状の形状を有する。ゲート絶縁膜14は、たとえばアルミナ(Al)から構成されている。ゲート絶縁膜14は、たとえばALD(Atomic Layer Deposition)により成膜されている。ゲート絶縁膜14の厚さDとしては、たとえば30nmが選択される。ゲート絶縁膜14のゲート長方向の長さLは、ゲート電極15のゲート長方向の長さと同じである。
ゲート電極15は、ゲート絶縁膜14の第3面14a上に配置される。ゲート電極15は、一方の主面15bが第3面14aと対向して配置される。ゲート電極15は、ゲート幅方向に延びる帯状の形状を有する。ゲート電極15は、ソース電極16およびドレイン電極17のそれぞれと間隔をあけて配置される。ゲート電極15は、たとえばニッケル(Ni)/金(Au)から構成されている。
ソース電極16は、ベース部12に搭載されている。具体的には、ソース電極16は、第1面12aおよび第2面13a上に配置されている。ソース電極16は、グラフェン膜13と接触するように配置されている。ソース電極16は、ゲート長方向において、ゲート絶縁膜14と間隔をあけて配置されている。すなわち、ゲート長方向において、ソース電極16とゲート絶縁膜14との間に、空隙18aを有する。ソース電極16は、グラフェン膜13とオーミック接触が可能な導電体、たとえばニッケル(Ni)/金(Au)から構成されている。ソース電極16は、蒸着法により形成されている。具体的には、ニッケルの厚さが25nmとなり、金の厚さが100nmとなるように各元素が蒸着され、成膜されている。
ドレイン電極17は、ベース部12に搭載されている。具体的には、ドレイン電極17は、第1面12aおよび第2面13a上に配置されている。ドレイン電極17は、グラフェン膜13と接触するように配置されている。ドレイン電極17は、ゲート長方向において、ゲート絶縁膜14と間隔をあけて配置されている。すなわち、ゲート長方向において、ドレイン電極17とゲート絶縁膜14との間に、空隙18bを有する。ドレイン電極17は、ソース電極16と離れて配置されている。具体的には、図1に示す断面において、ドレイン電極17は、ゲート絶縁膜14を挟んでソース電極16と反対側に配置される。ドレイン電極17は、グラフェン膜13とオーミック接触が可能な導電体、たとえばニッケル(Ni)/金(Au)から構成されている。ソース電極16は、蒸着法により形成されている。具体的には、ニッケルの厚さが25nmとなり、金の厚さが100nmとなるように各元素が蒸着され、成膜されている。
なお、グラフェン膜13は、ゲート絶縁膜14とソース電極16との間に位置する第1領域23aを有する。ソース電極16とゲート絶縁膜14のゲート長方向の間隔、すなわちゲート長方向における第1領域23aの長さLは、1μm以上である。また、ゲート長方向において、ゲート絶縁膜14の長さLに対する第1領域23aの長さLの比率は、1/3以上である。グラフェン膜13は、ゲート絶縁膜14とドレイン電極17との間に位置する第2領域23bを有する。ドレイン電極17とゲート絶縁膜14のゲート長方向の間隔、すなわちゲート長方向における第2領域23bの長さLは、1μm以上である。また、ゲート長方向において、ゲート絶縁膜14の長さLに対する第2領域23bの長さLの比率は、1/3以上である。
ここで、トランジスタ11は、絶縁層21を備える。絶縁層21は、ゲート絶縁膜14と同じ材質である。すなわち、絶縁層21の材質は、アルミナである。絶縁層21は、第1領域23aおよび第2領域23bにおいて、第2面13aの一部を露出するよう第2面13a上に配置される。絶縁層21は、グラフェン膜13の第1領域23a上および第2領域23bのそれぞれに点在するように配置される。
絶縁層21は、第2面13aから突出するよう、それぞれ間隔をあけて配置される複数の突出部22a,22b,22c,22dを含む。本実施形態においては、絶縁層21は、突出部22a,22b,22c,22dから構成されている。絶縁層21の形状、すなわち、突出部22a,22b,22c,22dの形状はそれぞれ、半球状である。突出部22a,22b,22c,22dの直径は、1nm以上10nm以下である。なお、突出部22aの直径は、図1における長さLで示される。
第1領域23aおよび第2領域23bのうちの少なくともいずれか一方の領域において、絶縁層21によって覆われる第2面13aの領域の全体に占める割合は、30%以上80%以下である。本実施形態においては、第1領域23aおよび第2領域23bの双方の領域において、絶縁層21によって覆われる第2面13aの領域の全体に占める割合は、30%以上80%以下である。
上記トランジスタ11において、ゲート電極15に印加される電圧が閾値電圧未満の状態、すなわち、トランジスタ11がオフの状態では、ソース電極16とドレイン電極17との間(チャネル領域)に位置するグラフェン膜13にはキャリアとなる電子が十分に存在しない。よって、ソース電極16とドレイン電極17との間に電圧が印加されても、非導通の状態が維持される。一方、ゲート電極15に印加される電圧が閾値電圧以上の状態、すなわち、トランジスタ11がオンの状態となると、チャネル領域にキャリアとなる電子が生成する。よって、キャリアとなる電子が生成したチャネル領域によってソース電極16とドレイン電極17とが電気的に接続された状態となる。このような状態でソース電極16とドレイン電極17との間に電圧が印加されると、ソース電極16とドレイン電極17との間に電流が流れる。
次に、実施の形態1におけるトランジスタ11の製造方法について、簡単に説明する。図2は、実施の形態1におけるトランジスタ11の製造方法の代表的な工程を示すフローチャートである。
図2を参照して、実施の形態におけるトランジスタ11の製造方法では、まず工程(S10)として、ベース部12を準備する基板準備工程が実施される。ベース部12として、たとえば基板が用いられる。この工程(S10)では、たとえば直径2インチ(50.8mm)の6H-SiCから構成される基板が準備される。具体的には、たとえばSiCから構成されるインゴットをスライスすることにより、SiCから構成される基板が得られる。基板の表面が研磨された後、洗浄等のプロセスを経て、主面の平坦性および清浄性が確保される。
次に、工程(S20)としてグラフェン膜形成工程が実施される。図3は、グラフェン膜が形成されたベース部12(基板)の概略断面図である。この工程(S20)は、たとえばチャンバーを含む加熱装置(図示せず)を用いて実施することができる。加熱装置に含まれるチャンバー内にベース部12を配置し、チャンバー内の雰囲気を不活性ガスに置換した後、チャンバー内を減圧下で昇温する。そして、チャンバー内のベース部12をたとえば1700℃程度に加熱して10分間維持する。そうすると、ベース部12の第1面12a側から珪素原子が離脱し、第1面12aを含むベース部12の表層部がグラフェン膜13に変換される。このようにして、第2面13aを有するグラフェン膜13が形成される。
次に、工程(S30)としてグラフェン膜パターニング工程が実施される。図4は、グラフェン膜13がパターニングされた状態を示す概略断面図である。図4を参照して、この工程(S30)は、たとえばグラフェン膜13を所定の構造にパターニングすることにより実施することができる。具体的には、たとえば残すべきグラフェン膜13上にマスクを形成し、露出したグラフェン膜13をドライエッチングにより除去した後、マスクを除去することにより実施することができる。第1面12a上に残ったグラフェン膜13が、後にトランジスタ11のチャネル領域を構成する。
次に、工程(S40)としてオーミック電極形成工程が実施される。図5は、ソース電極16およびドレイン電極17を形成した状態を示す概略断面図である。図5を参照して、この工程(S40)では、オーミック電極、本実施形態においては、ソース電極16およびドレイン電極17が形成される。ソース電極16およびドレイン電極17は、グラフェン膜パターニング工程において露出させたベース部12の第1面12aおよびこの露出させたベース部12の第1面12aに隣り合う領域に配置されるグラフェン膜13の一部を覆うように形成される。この場合、具体的には、たとえば厚さが25nmとなるようにニッケルを蒸着させ、その後、たとえば厚さが100nmとなるように金を蒸着させる。
次に、工程(S50)として絶縁膜形成工程が実施される。図6は、絶縁膜を形成した状態を示す概略断面図である。図6を参照して、この工程(S50)は、形成されたソース電極16およびドレイン電極17を含む第1面12a側のベース部12の全面を覆うように絶縁膜19を成膜することにより実施される。具体的には、パターニングされたグラフェン膜13の第2面13aと、ソース電極16の上面16aと、ドレイン電極17の上面17aと、を全て覆うように絶縁膜19を成膜する。成膜方法は、たとえばALDを用いることができる。絶縁膜19としては、たとえばアルミナ(Al)が用いられる。この場合、具体的には、たとえば第2面13aから絶縁膜19の上面19aにまでの厚さが30nmとなるように成膜する。
次に、工程(S60)としてゲート電極形成工程が実施される。図7は、ゲート電極15を形成した状態を示す概略断面図である。図7を参照して、この工程(S60)は、ゲート電極15は、ゲート電極15を配置する領域以外の領域にマスクを形成し、ゲート電極15を構成する各元素を蒸着させて導電膜を形成する。この場合、具体的には、たとえば厚さが25nmとなるようにニッケルを蒸着させ、その後、たとえば厚さが100nmとなるように金を蒸着させる。その後、マスクを除去することにより実施することができる。
次に、工程(S70)として絶縁膜除去工程が実施される。この工程は、形成したゲート電極15をマスクとしたウェットエッチングにより実施することができる。アルカリ性の溶液を用いてウェットエッチングを実施すると、マスク(ゲート電極15)によって覆われていない部分の絶縁膜19が除去される。ここで、絶縁膜19の除去に際し、ウェットエッチングにより、まずソース電極16の上面16aおよびドレイン電極17の上面17aが露出するまで、厚さ方向に絶縁膜19が除去される。その後、ウェットエッチングを続けると、ゲート長方向において、ゲート電極15とソース電極16との間に位置する第1領域23a上の絶縁膜19およびゲート電極とドレイン電極17との間に位置する第2領域23b上の絶縁膜19が除去される。
ここで、第1領域23a上および第2領域23b上に絶縁膜19が一部残るように時間を調整してウェットエッチングを実施する。すなわち、グラフェン膜13の第2面13aの一部を露出するようウェットエッチングを実施する。残った絶縁膜19が、絶縁層21となる。このようにして、図1に示す実施の形態1におけるトランジスタ11が製造される。
上記トランジスタ11によると、絶縁性のベース部12上に配置されるグラフェン膜13を含む。グラフェン膜13におけるキャリア(電子および正孔)の移動度は、極めて高い。したがって、トランジスタ11のチャネル領域としてグラフェン膜13を利用することにより、高周波での動作が可能となる。また、上記トランジスタ11によれば、ゲート絶縁膜14と同じ材質であって、ゲート絶縁膜14とソース電極16との間に位置する第1領域23aおよびゲート絶縁膜14とドレイン電極17との間に位置する第2領域23bにおいて、第2面13aの一部を露出するよう第2面13a上に配置される絶縁層21を備える。第1領域23aおよび第2領域23bにおいて、絶縁層21が配置されず、グラフェン膜13の露出した領域は、電荷輸送能力が高い。よって、電極間におけるアクセス抵抗の低減を図ることができ、流れる電流量を増加させることができる。また、第1領域23aおよび第2領域23bにおいて、グラフェン膜13の一部は、絶縁層21によって覆われているため、トランジスタ11のフェルミ準位が変化してトランジスタ11の特性が変化するおそれを低減することができる。よって、トランジスタ11の安定した動作を確保することができる。なお、絶縁層21は、ゲート絶縁膜14と同じ材質である。よって、たとえばソース電極16とドレイン電極17との間の領域の全面にわたって絶縁膜19を形成した後、ゲート絶縁膜14に相当する領域の絶縁膜19を残すと共に、第1領域23aおよび第2領域23bの一部の絶縁膜19を残し、他の部分を除去してグラフェン膜13の一部を露出させることにより、絶縁層21を形成することができる。したがって、絶縁層21を比較的容易に形成することができる。
以上より、このようなトランジスタ11によると、安定した動作を確保することができると共に、高周波特性の向上を図ることができる。
本実施形態においては、第1領域23aおよび第2領域23bの双方の領域において、絶縁層21によって覆われる第2面13aの領域の全体に占める割合は、30%以上80%以下である。絶縁層21によってグラフェン膜13を覆う領域が多くなると、電荷輸送能力が低下することとなる。一方、絶縁層21によってグラフェン膜13を覆う領域が少なくなると、トランジスタ11のフェルミ準位が変化してトランジスタ11の特性が変化しやすくなる。このように絶縁層21によってグラフェン膜13を覆う領域の全体に対する比率を上記範囲内とすることにより、上記したトランジスタ11は、より確実に安定した動作を確保しながら、高周波特性の向上を図ることができるトランジスタとなっている。なお、絶縁層21によって覆われる第2面13aの領域の全体に占める割合は、45%以上65%以下とするのが、より好ましい。
本実施形態においては、絶縁層21は、第2面13aから突出するよう、それぞれ間隔をあけて配置される複数の突出部22a,22b,22c,22dを含む。このような複数の突出部22a,22b,22c,22dを含む絶縁層21は、第1領域23aおよび第2領域23bに絶縁膜19を形成し、エッチングして一部を残し、他の部分を除去してグラフェン膜13の第2面13aの一部を露出させることにより形成することができる。したがって、比較的容易に形成することができる。したがって、上記トランジスタ11は、生産性の向上を図ることができるトランジスタとなっている。
本実施形態においては、突出部22a,22b,22c,22dの直径は、1nm以上10nm以下である。突出部の直径として上記した範囲のものを採用することにより、より確実に安定した動作を確保しながら、高周波特性の向上を図ることができる。さらに好ましくは、突出部22a,22b,22c,22dの直径は、1nm以上5nm以下とするのがよい。
本実施形態においては、ゲート絶縁膜14の長さに対する第1領域23aの長さおよび第2領域23bの長さの比率はそれぞれ、1/3以上である。このようにすることにより、第1領域23aおよび第2領域23bを広く確保して、絶縁層21を容易に形成することができる。したがって、上記トランジスタ11は、より確実に安定した動作を確保しながら、高周波特性の向上を図ることができるトランジスタとなっている。さらに好ましくは、ゲート絶縁膜14の長さに対する第1領域23aの長さおよび第2領域23bの長さの比率はそれぞれ、1以上とするのがよい。
本実施形態においては、ゲート長方向において、第1領域23aの長さおよび第2領域23bの長さはそれぞれ、1μm以上である。このようにすることにより、絶縁層21を形成する際の十分な大きさを確保することができる。したがって、上記トランジスタ11は、より確実に安定した動作を確保しながら、高周波特性の向上を図ることができるトランジスタとなっている。さらに好ましくは、第1領域23aの長さおよび第2領域23bの長さはそれぞれ、2μm以上とするのがよい。
図8は、本発明の範囲外であるトランジスタにおいて、ゲート電圧を変化させた場合のドレイン電圧(Vd)とドレイン電流(Id)との関係を示すグラフである。図8において、縦軸は、ドレイン電流(A)を示し、横軸は、ドレイン電圧(V)を示す。以下、図9に示すグラフにおける縦軸および横軸についても、同様である。図8は、上記第1領域23aおよび上記第2領域23bが同一の材質の絶縁膜で覆われた場合のトランジスタにおけるVdとIdとの関係を示すグラフである。図8において、線51aで、ゲート電圧が5Vの場合を示し、線52aで、ゲート電圧が2.5Vの場合を示し、線53aで、ゲート電圧が0Vの場合を示し、線54aで、ゲート電圧が-2.5Vの場合を示し、線55aで、ゲート電圧が-5Vの場合を示す。
図8を参照して、ゲート電圧が5Vから-5Vまで変化させた場合においても、印加するドレイン電圧の大きさに応じて流れるドレイン電流の値の変化が小さい。図8に示すグラフにおいては、線55aで示すゲート電圧が-5Vの場合について、ドレイン電圧が5Vのときに最大でも35mA程度であり、40mAには至らない。
図9は、実施の形態1におけるトランジスタ11において、ゲート電圧を変化させた場合のドレイン電圧(Vd)とドレイン電流(Id)との関係を示すグラフである。図9は、上記第1領域23aおよび上記第2領域23bにおいて、グラフェン膜13の一部が、絶縁層21によって覆われた場合のトランジスタにおけるVdとIdとの関係を示すグラフである。図9において、線51bで、ゲート電圧が5Vの場合を示し、線52bで、ゲート電圧が2.5Vの場合を示し、線53bで、ゲート電圧が0Vの場合を示し、線54bで、ゲート電圧が-2.5Vの場合を示し、線55bで、ゲート電圧が-5Vの場合を示す。
図9を参照して、ゲート電圧が5Vから-5Vまで変化させた場合においても、印加するドレイン電圧の大きさに応じて流れるドレイン電流の値の変化が大きい。図9に示すグラフにおいては、線55bで示すゲート電圧が-5Vの場合について、ドレイン電圧が5Vのときに最大で45mAを超えている。すなわち、実施の形態1におけるトランジスタ11においては、電極間のアクセス抵抗が低減し、大きな電流が流れていることが把握できる。
図10および図11は、本発明の範囲外であるトランジスタにおいて、ゲート電圧(Vg)とドレイン電流(Id)との関係を示すグラフである。図10は、エッチング前において上記第1領域23aおよび上記第2領域23bが絶縁膜により覆われた場合のトランジスタにおけるVdとIdとの関係を示すグラフである。図11は、エッチング後において上記第1領域23aおよび上記第2領域23bのグラフェン膜13の第2面13aを完全に露出させた場合のトランジスタにおけるVdとIdとの関係を示すグラフである。図10および図11において、縦軸は、ドレイン電流(A)を示し、横軸は、ゲート電圧(V)を示す。以下、図12および図13に示すグラフにおける縦軸および横軸についても、同様である。図10において、線51cで、ゲート電圧を低い値から高い値へ変化させた場合を示し、線52cで、ゲート電圧を高い値から低い値へ変化させた場合を示す。図11において、線51dで、ゲート電圧を低い値から高い値へ変化させた場合を示し、線52dで、ゲート電圧を高い値から低い値へ変化させた場合を示す。
図10を参照して、エッチング前においては、線51cに示すように、ゲート電圧を下げていった場合にゲート電圧が0Vの時に流れるドレイン電流が最も低く、線52cに示すようにゲート電圧を上げていった場合にゲート電圧が-2Vの時に流れるドレイン電流が最も低い傾向がある。一方、図11を参照して、エッチング後においては、線51d,52dに示すように、ゲート電圧を下げていった場合でも上げていった場合でも、印加するゲート電圧が大きければ流れるドレイン電流が小さくなるといった傾向は同じである。このようにエッチング前後において、Id-Vgによって表れるトランジスタの特性が大きく変化している。
図12および図13は、実施の形態1におけるトランジスタ11において、ゲート電圧(Vg)とドレイン電流(Id)との関係を示すグラフである。図12は、エッチング前において上記第1領域23aおよび上記第2領域23bが絶縁膜により覆われた場合のトランジスタにおけるVdとIdとの関係を示すグラフである。図13は、エッチング後において上記第1領域23aおよび上記第2領域23bのグラフェン膜13の第2面13aを完全に露出させた場合のトランジスタにおけるVdとIdとの関係を示すグラフである。図12において、線51eで、ゲート電圧を低い値から高い値へ変化させた場合を示し、線52eで、ゲート電圧を高い値から低い値へ変化させた場合を示す。図13において、線51fで、ゲート電圧を低い値から高い値へ変化させた場合を示し、線52fで、ゲート電圧を高い値から低い値へ変化させた場合を示す。
図12および図13を参照して、エッチング前の状態とエッチング後の状態において、Id-Vgによって表れるトランジスタの特性はほとんど変化していない。具体的には、図12において、エッチング前においては、線51e,52fに示すように、ゲート電圧を下げていった場合でも上げていった場合でも、印加するゲート電圧が大きければ流れるドレイン電流が小さくなるといった傾向がある。そして、図13において、エッチング後においても、線51f,52fに示すように、ゲート電圧を下げていった場合でも上げていった場合でも、印加するゲート電圧が大きければ流れるドレイン電流が小さくなるといった傾向は同じである。よって、実施の形態1におけるトランジスタ11においては、安定した動作を確保することができる。
(他の実施の形態)
なお、上記の実施の形態においては、絶縁層21を構成する突出部22a,22b,22c,22dは、半球状であることとしたが、これに限らず、他の形状、たとえば、直方体形状や立方体形状であってもよい。さらには、帯状に連なっていてもよい。また、ウェットエッチングを途中で止めて形成した絶縁膜19を一部グラフェン膜13の第2面13aに残すことにより絶縁層21を形成することとしたが、これに限らず、一旦第1領域23aおよび第2領域23b上に形成した絶縁膜19を全て除去した後、改めて第1領域23aの一部の上および第2領域23bの一部の上に上記構成の絶縁層21を形成することにしてもよい。
また、上記の実施の形態においては、ゲート絶縁膜14および絶縁層21としてアルミナを用いることとしたが、これに限らず、他の材質の絶縁膜を用いてもよい。ゲート電極15等、電極を構成する材質についても、他の材料を用いることにしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、トランジスタは、MOSFETである場合について説明したが、これに限らず、本開示のトランジスタは、たとえばMESFET(Metal-semiconductor Field Effect Transistor)であってもよいし、MISFET(Mrtal-insulator-semiconductor Field Effect Transistor)であってもよい。
また、上記の実施の形態においては、ベース部としての基板の材質として炭化珪素を用いることとしたが、これに限らず、基板の材質は、たとえばサファイアであってもよいし、シリコン単体であってもよい。すなわち、基板としてサファイア基板やシリコン基板を用いることにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本開示のトランジスタは、安定した動作の確保および高周波特性の向上が求められる場合に特に有利に適用され得る。
11 トランジスタ
12 ベース部
12a 第1面
13b,14b,15b 主面
13 グラフェン膜
13a 第2面
14 ゲート絶縁膜
14a 第3面
15 ゲート電極
16 ソース電極
16a,17a,19a 上面
17 ドレイン電極
18a,18b 空隙
19 絶縁膜
21 絶縁層
22a,22b,22c,22d 突出部
23a 第1領域
23b 第2領域
51a,51b,51c,51d,51e,51f,52a,52b,52c,52d,52e,52f,53a,53b,54a,54b,55a,55b 線
T,W 矢印
,L,L,L 長さ
厚さ

Claims (7)

  1. ゲート電極と、ソース電極と、前記ソース電極と離れて配置されるドレイン電極と、を備え、前記ソース電極から前記ドレイン電極へ向かう方向をゲート長方向とするトランジスタであって、
    第1面を有する絶縁性のベース部と、
    前記第1面上に配置されるグラフェン膜と、
    ゲート長方向と垂直なゲート幅方向に延びる帯状の形状を有し、前記第1面と対向する面と反対側の面である前記グラフェン膜の第2面上に配置されるゲート絶縁膜と、を備え、
    前記ソース電極は、前記ベース部に搭載され、前記ゲート絶縁膜と間隔をあけて、前記グラフェン膜と接触するように配置され、
    前記ドレイン電極は、前記ベース部に搭載され、前記ゲート絶縁膜と間隔をあけて、前記グラフェン膜と接触し、ゲート長方向において前記ゲート絶縁膜を挟んで前記ソース電極と反対側に配置され、
    前記ゲート電極は、ゲート幅方向に延びる帯状の形状を有し、第2面と対向する面と反対側の面である前記ゲート絶縁膜の第3面上に配置され、
    前記トランジスタは、前記ゲート絶縁膜と同じ材質であって、前記ゲート絶縁膜と前記ソース電極との間に位置する第1領域および前記ゲート絶縁膜と前記ドレイン電極との間に位置する第2領域において、前記第2面の一部を露出するよう前記第2面上に配置される絶縁層と、を備え
    前記絶縁層は、前記第2面から突出するよう、それぞれ間隔をあけて配置される複数の突出部を含む、トランジスタ。
  2. 前記突出部の形状は、半球状である、請求項1に記載のトランジスタ。
  3. 前記突出部の直径は、1nm以上10nm以下である、請求項2に記載のトランジスタ。
  4. 前記第1領域および前記第2領域のうちの少なくともいずれか一方の領域において、前記絶縁層によって覆われる前記第2面の領域の全体に占める割合は、30%以上80%以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のトランジスタ。
  5. ゲート長方向において、前記ゲート絶縁膜の長さに対する前記第1領域の長さおよび前記第2領域の長さの比率はそれぞれ、1/3以上である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のトランジスタ。
  6. ゲート長方向において、前記第1領域の長さおよび前記第2領域の長さのうちの少なくともいずれか一方は、1μm以上である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のトランジスタ。
  7. 前記グラフェン膜の原子層の数は、1以上5以下である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のトランジスタ。
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