JP7422819B1 - 補強用当板、管状部材補強構造及び補強用当板の施工方法 - Google Patents

補強用当板、管状部材補強構造及び補強用当板の施工方法 Download PDF

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【課題】金属筒体の損傷箇所を簡単に補修することが可能な補強用当板及びその施工方法を提供する。【解決手段】補強用当板1は、補強対象の管状部材の外形に合わせて湾曲した形状に形成された板状の本体2を備え、本体2の上端部及び下端部には、リベット4を挿通可能な複数の貫通孔がそれぞれ形成されている。本体2は、複数の補強用当板1が補強対象の管状部材に配置された場合に各本体2の互いに隣接する側面部の間に隙間ができるように形成されてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、補強用当板、管状部材補強構造及び補強用当板の施工方法に関する。
電線を架設するために複数の管状部材が互いに差し込まれた鋼板組立柱が広く用いられている。鋼板組立柱は、長期にわたって地中に埋設されると、その地際部が腐食により損傷し、建て替えや一部の管状部材の取り替えが必要となる。管状部材の取り替えでは、腐食していない鋼板組立柱の上部やこれに付帯する電力設備を吊り上げ、腐食した管状部材を切断して鋼板組立柱から取り外し、新たな管状部材に置き換える作業が行われる。この作業を支援するための手法として、例えば、特許文献1には、油圧シリンダにより動作し、鋼板組立柱の上部を吊り上げることが可能な撤去工具が開示されている。
特開2021-143487号公報
特許文献1の撤去工具を用いた方法は、クレーン車のような重機が不要であるため、鋼板組立柱の上部や電力設備を簡単に吊り上げることができ、有用である。とはいえ、撤去工具の準備や現場への運搬、現場での組み立てが必要となるため、鋼板組立柱の補修作業が完了するまでにある程度の時間や費用を要する。また、吊り上げ時には電線での停電が必要であり、1回線の片端電源線路が対象となる場合には需要家への電力供給を継続するために移動電源車の配備も必要である。このような問題は、鋼板組立柱の補修作業のみならず、他の金属筒体の補修作業においても存在している。
本発明は、このような背景に基づいてなされたものであり、金属筒体の損傷箇所を簡単に補修することが可能な補強用当板、管状部材補強構造及び補強用当板の施工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る補強用当板は、
一部が地面の下に埋設された補強対象の管状部材の外形に合わせて湾曲した形状に形成された板状の本体を備え、
前記本体の上端部及び下端部には、前記管状部材と前記本体とを接合する接合手段を挿通可能な複数の貫通孔がそれぞれ形成され
前記本体の表面には、前記管状部材に取り付ける際に前記地面の位置に合わせるマーキングが施されている。
本発明によれば、金属筒体の損傷箇所を簡単に補修することが可能な補強用当板、管状部材補強構造及び補強用当板の施工方法を提供できる。
本発明の実施の形態に係る補強用当板の構成を示す正面図である。 図1の補強用当板をA-A線で切断した断面図である。 本発明の実施の形態に係る補強用当板における貫通孔の配置を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る補強用当板を鋼板組立柱に対して仮止めする様子を示す図である。 本発明の実施の形態に係る牽引器具の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る施工方法の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る接合工程の流れを示すフローチャートである。 本発明の変形例に係る補強用当板の構成を示す平面図である。 実施例における補強用当板が取り付けられた鋼板組立柱の曲げ試験の概要を示す図である。 (a)は、実施例における鋼板組立柱の模擬損傷の外観を撮影した図であり、(b)は、(a)の鋼板組立柱にリベットを介して一対の補強用当板を接合した様子を撮影した図である。 実施例における圧縮応力と頂部変位量との関係を示すグラフである。 実施例における引張応力と頂部変位量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態に係る補強用当板及びその施工方法を、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面では、同一又は同等の部分に同一の符号を付す。
実施の形態に係る補強用当板は、金属筒体の損傷箇所の上下にある一対の健全箇所にそれぞれ接合され、金属筒体の損傷箇所を補強する器具である。金属筒体には、金属材料で形成されたあらゆる筒状の物体が含まれ、例えば、複数の管状部材で構成された鋼板組立柱、一体に成形された鋼管柱が含まれる。損傷箇所は、管状部材に損傷が発生した箇所であり、例えば、金属材料の腐食により孔食又は減肉が発生した箇所、器具の接触により変形や切断が発生した箇所が含まれる。他方、健全箇所は、管状部材に損傷が発生していない健全な状態の箇所である。
実施の形態に係る補強用当板は、地際部に発生した損傷箇所を補強するのに適しているが、他の箇所で発生した損傷箇所の補強にも用いることができる。以下、鋼板組立柱を補修対象とし、鋼板組立柱を構成する管状部材の地際部に腐食が発生した場合を例に説明する。鋼板組立柱は、下から上に向かって窄まる形状で、互いに径の異なる断面円形の複数の管状部材を順番に差し込んで組み立てられている。
図1及び図2に示すように、補強用当板1は、管状部材の形状に合わせて予め円弧状に形成され、管状部材の損傷箇所を覆った状態で損傷箇所の上下にある一対の健全箇所にリベット4を介して接合される。リベット4は、補強用当板1と管状部材とを接合する接合手段の一例である。補強用当板1では、一方の健全箇所からの荷重を補強用当板1の上下に接合されたリベット4を介して他方の健全部材に伝達させることで、管状部材の損傷箇所を補強している。なお、図1では、理解を容易にするため、リベット4の分布を簡略化して図示している。
補強用当板1及びリベット4は、損傷箇所を含む管状部材と組み合わされた際に健全な管状部材と同等程度の強度となるように構成されている。母材と接合品とを同等強度に接合する方法は「全強接合」と呼ばれ、建築構造一般や橋梁の接合箇所において広く採用されている。
補強用当板1は、管状部材の円周方向を半分に分割した領域を対象とし、その一部を覆う大きさで形成されている。一対の補強用当板1は、それぞれ管状部材に対して互いに対向するように取り付けられ、それぞれ管状部材の損傷箇所の異なる部位を補強する。補強用当板1は、管状部材の形状に合わせて円弧状に湾曲している板状の本体2と、本体2に設けられ、ユーザが把持可能な取っ手3と、を備える。
本体2は、矩形状の板材、例えば、一般構造用鋼板を左右対称に湾曲させて形成されている。本体2の湾曲は下から上に向かうほど大きくなり、正面から観察した本体2の上端部の幅(左右方向の長さ)は、本体2の下端部の幅よりも狭くなるように形成されている。本体2には、金属材料の腐食を防止するためのめっき、例えば、亜鉛めっきが施されることが好ましい。
本体2の表面には、補強用当板1を鋼板組立柱に取り付ける際に地面の位置に合わせる目印である直線状のマーキングGLが施されている。マーキングGLは、管状部材における損傷箇所の位置及びサイズを考慮して設定すればよいが、実機における腐食箇所の実績を考慮すると、例えば、本体2の上端部の端面から下側に140mmの位置に設けるとよい。
本体2の寸法は、補強用当板1に要求される強度、補強用当板1で用いられる材料、補強対象の管状部材の寸法に応じて設定される。具体的には、本体2の上下方向の長さは、本体2が損傷箇所を覆った際に本体2の両端部が少なくとも損傷箇所の上下にある一対の健全箇所にそれぞれ到達する程度に設定される。本体2の上下方向の長さは、実機の地際部における腐食箇所の実績を踏まえると、例えば、本体2の円周方向の長さに関わらず一定に設定すればよい。本体2の上下方向の長さは、例えば、600mm~800mmの範囲内であり、一例として680mmである。
本体2の円周方向の長さは、一対の補強用当板1が互いに対向するように配置されたとき、隣り合う本体2の側面部同士が重ならないように、言い換えると隣り合う本体2の側面部の間に隙間が形成されるように設定される。この隙間があるため、本体2が鋼板組立柱から径方向に延びる足場ボルトと干渉することを回避できる。また、下から上に向かって窄まる管状部材に対して隙間ができないように本体2の上端部を取り付けたとしても、隣り合う本体2の側面部同士が重なることを回避できる。
本体2の円周方向の板厚は、隣り合う本体2の各側面部の間に隙間が生じることによる補修後の鋼板組立柱における強度の低下を考慮して設定される。本体2の板厚は、本体2の円周方向の長さに関わらず一定に設定すればよい。本体2の板厚は、例えば、3mm~7mmの範囲内、好ましくは4mm~5mmの範囲内で選択すればよく、一例として4.5mmである。
図3に示すように、本体2の上端部及び下端部には、それぞれリベット4が貫通する複数の貫通孔5が形成されている。各貫通孔5の直径は、リベット4の軸径に合わせて一定に設定され、例えば、6.5mmである。貫通孔5は、管状部材に貫通孔を形成する際にドライバドリルのドリル刃をガイドするためのガイド孔としても機能する。各貫通孔5は、本体2の上端部及び下端部において円周方向に延びる平行な2つの列上に等間隔ピッチで配置されている。複数の貫通孔5が並べられた列は、本体2の上端部及び下端部の端面に平行な向きに延びている。一列あたりの貫通孔5の数は、例えば、15個~25個の範囲内である。
2つの列に配置された各貫通孔5は、互い違いとなるように配置されている。本体2における貫通孔5のピッチ及び配置は、貫通孔5に打ち込まれた隣り合うリベット4が互いに干渉せず、かつ補強用当板1及び管状部材の接合箇所の強度を確保できるように、例えば、送電用山形鋼鉄塔製作基準(日本鉄塔協会)に準拠して設定される。同一の列上に配置された貫通孔5のピッチは、例えば、18mm~22mmの範囲内で設定される。貫通孔5が並べられた2つの列の間隔は、異なる列に配置された隣り合うリベット4の間隔が、同一の列に並べられた貫通孔5のピッチと同一となるように設定され、例えば、15mm~20mmの範囲内である。
図1及び図2に戻り、リベット4は、例えば、ブラインドリベットである。ブラインドリベットは、専用工具の先端に差し込んだブラインドリベットを補強用当板1の貫通孔5及び管状部材の貫通孔に差し込み、専用工具のトリガーを引くことで取り付けられる。専用工具のトリガーを引くと、ブラインドリベットの芯棒が引っ張られることで、ブラインドリベットのうち管状部材の内側に配置された部材が径方向に広がると共に、当該芯棒が破断することで、専用工具がブラインドリベット本体から離間する。
リベット4としては、補強用当板1と管状部材との接合に用いるリベット4の数を減らすため、入手コストを考慮しつつ、できるだけ強度の高いものを選定すればよい。また、リベット4には、腐食を防止するためのめっき、例えば、亜鉛めっきが施されていることが好ましい。
取っ手3は、本体2に沿って円弧状に湾曲し、ユーザが把持可能な把持部3aと、把持部3aの両端で本体2に向かって折れ曲がり、本体2の異なる位置にそれぞれ接続される一対の接続部3bと、を備える。把持部3aは、例えば、貫通孔5が並べられた列に沿って延びている。接続部3bは、例えば、本体2の表面に垂直に延び、溶接により本体2に固定されている。取っ手3は、金属材料の棒材、例えば、丸鋼に曲げ加工を施して形成されている。取っ手3には、金属材料の腐食を防止するためのめっき、例えば、亜鉛めっきが施されることが好ましい。
取っ手3は、本体2の中間部及び下部に1つずつ設けられている。中間部の取っ手3は、本体2の上下方向の中心位置から離れた位置、例えば、本体2の上下方向の中心位置の上側に50mmの位置に設けられる。下部の取っ手3は、本体2の下端部の端面から離れた位置であって貫通孔5の列の上側、例えば、本体2の下端部の端面から上側に150mmの位置に設けられる。
補強用当板1は、一対の取っ手3を備えているため、管状部材に対する補強用当板1の位置決めが容易になり、補強作業における作業時間の短縮を実現できる。また、補強用当板1の運搬時にユーザが取っ手3を把持できるため、山間部のような道路が整備されていない場所における運搬にも好都合である。
加えて、図4に示すように、取っ手3は、牽引器具6により牽引された状態で補強用当板1を管状部材に対して仮止めするのに用いられる。牽引器具6は、管状部材に吸着可能な吸着手段6aと、取っ手3に対して着脱自在に取り付け可能な取り付け器具6bと、吸着手段6aと取り付け器具6bとを連結するロープ6cと、を備える。
図5に示すように、牽引器具6の吸着手段6aは、人手により管状部材に対して着脱可能な程度の磁力を有する磁石6dと、磁石6dに接続され、内部にロープ6cを挿通可能なリング6eと、を備える。磁石6dは、例えば、永久磁石、好ましくはネオジム磁石であり、取り付け器具6bは、例えば、開閉可能なゲートがついたカラビナである。なお、磁石6dの形状は、例えば、円盤状であるが、必ずしも円盤状である必要はなく、管状部材に吸着可能であれば、その他の形状であってもよい。
牽引器具6は、1つの取っ手3に少なくとも2つ以上取り付けられ、補強用当板1を異なる方向に牽引する。各牽引器具6の取り付け器具6bは、それぞれ取っ手3の両端部に位置するように離して配置され、各吸着手段6aは、取っ手3から延びるそれぞれのロープ6cが互いに離れる方向に延びるように管状部材に取り付けられる。このとき、例えば、上下方向を基準にしたロープ6cの傾き角度が45°程度となるようにロープ6cが延びる向きを上下方向に対して傾ける。ロープ6cが上下方向に延びている場合には、補強用当板1が左右方向に簡単にぐらついてしまうが、ロープ6cが斜め方向に延びている場合には、補強用当板1を左右方向にも牽引されるため、仮止め時における補強用当板1の左右方向の位置を安定させることができる。
なお、補強用当板1としては、直径が異なる複数種類の管状部材のそれぞれに対応するようにサイズの異なる複数種類を予め準備しておくことが好ましい。これは、損傷箇所が鋼板組立柱のどの管状部材に発生したとしても直ぐに補修作業に取りかかれるようにするためである。
以上が、補強用当板1の構成である。
次に、図6を参照して、作業員が実行する補強用当板1の施工方法の流れを説明する。以下の工程は、鋼板組立柱の地際部の腐食箇所を補強するために作業員1人で実施するものとする。また、事前に補強対象に管状部材に適合する2つの補強用当板1及び4本の牽引器具6が準備され、鋼板組立柱の地面に対応する位置に事前にチョークでマーキングが施されているものとする。
まず、鋼板組立柱周辺の土壌をスコップで掘削し、腐食箇所が存在する鋼板組立柱の地際部の一部を露出させる(ステップS1)。補強用当板1のGLマークが地面と一致する位置に配置できる程度、例えば、地面から45cm程度の深さで土壌を掘削する。
次に、一対の補強用当板1が同じ高さとなり、両者の間にある2つの隙間が均等になるように管状部材に対して各補強用当板1をそれぞれ仮止めする(ステップS2)。具体的には、補強用当板1の上側の取っ手3の両端部にそれぞれ牽引器具6の取り付け器具6bを取り付ける。次に、補強用当板1のマーキングGLが管状部材のマーキングと重なるように補強用当板1を配置する。
次に、各牽引器具6のロープ6cを補強用当板1から互いに離れるように斜め方向に牽引した状態で各吸着手段6aを管状部材に吸着させることで、管状部材に対して補強用当板1を仮止めする。このとき、それぞれのロープ6cの傾き角度が上下方向を基準にして45°となるように吸着手段6aを位置決めする。仮止め工程で牽引器具6を用いることにより、その後の工程で補強用当板1を押さえる作業員が不要となるため、1人作業を実現できる。
次に、各補強用当板1の上側の接合箇所におけるリベット4による一連の接合工程を実施する(ステップS3)。この一連の接合工程は、補強用当板1と管状部材との間で隙間が発生しないように補強用当板1の中央にある貫通孔5から外側の貫通孔5に向かって順に実施する。具体的に説明すると、仮止めされた補強用当板1のずれを防止するために、まず始めに補強用当板1の中央にある貫通孔5の1つにリベット4を打ち込む。その後、リベット4が打ち込まれた貫通孔5の左右の一方にある3~5箇所程度の貫通孔5に対してリベット4を打ち込み、次いで、リベット4が打ち込まれた貫通孔5の左右の一方にある3~5箇所程度の貫通孔5に対してリベット4を打ち込む。上記の作業を左右交互に繰り返すことで、補強用当板1の全ての貫通孔5にリベット4を打ち込む。
以下、図7を参照して、作業員が実行する補強用当板1の貫通孔5に対する接合工程の流れを説明する。まず、補強用当板1の対象とする貫通孔5に切削油を塗布する(ステップS11)。具体的には、補強用当板1の対象とする貫通孔5に切削油スプレーを吹き付けるとよい。
次に、補強用当板1の対象とする貫通孔5をガイドにして管状部材にドライバドリルのドリル刃を押し付け、管状部材に貫通孔を形成する(ステップS12)。管状部材の貫通孔は、補強用当板1の貫通孔5と対応する位置に形成される。
次に、管状部材に形成された貫通孔に錆止め剤、例えば、常温亜鉛めっきを塗布する(ステップS13)。具体的には、管状部材に形成された貫通孔に常温亜鉛めっきのスプレーを吹き付けるとよい。
次に、補強用当板1の貫通孔5及び管状部材の貫通孔にリベット4を打ち込む(ステップS14)。このとき、リベット頭を補強用当板1の本体2に密着させた状態でリベット4を打ち込み、補強用当板1及び管状部材を強固に接合する。
以上が、接合工程の流れである。
図6に戻り、鋼板組立柱の周辺の土壌をスコップで再び掘削する(ステップS4)。このときの掘削深さは25cm程度である。
次に、各補強用当板1の下側の接合箇所における接合工程を実施する(ステップS5)。具体的な工程は、ステップS3の工程と同一の流れである。
次に、各補強用当板1に打ち込まれた各リベット4の頭部に対して防錆処理を行う(ステップS6)。具体的には、外部に露出している各リベット4の頭部に常温亜鉛めっきを塗布する。
次に、各補強用当板1及び管状部材に取り付けられた牽引器具6を取り外し(ステップS7)、ステップS1及びステップS4の工程で掘削された土壌を、スコップを用いて元の状態に埋め戻す(ステップS8)。
以上が、補強用当板1の施工方法の流れである。
以上説明したように、実施の形態に係る補強用当板1は、補強対象の管状部材の外形に合わせて湾曲した形状に形成された板状の本体2を備え、本体2の上端部及び下端部には、リベット4を挿通可能な複数の貫通孔5がそれぞれ形成されている。このため、クレーンのような重機を使用せずに管状部材の損傷箇所を簡単かつ迅速に補強でき、その結果として補修作業に伴う費用や時間を低減できる。また、迅速な復旧が可能となるため、本復旧までの期間に仮補修を行う必要もなくなり、損傷の発見から補強の完了までに要する期間も短縮できる。
本発明は上記実施の形態に限られず、以下に述べる変形も可能である。
(変形例)
上記実施の形態では、各補強用当板1が管状部材の円周方向を半分に分割した領域の一部をそれぞれ覆うように構成されていたが、本発明はこれに限られない。例えば、管状部材の径が大きい場合には、図8に示すように各補強用当板1が管状部材の円周方向を3つに分割した領域の一部をそれぞれ覆うように構成してもよい。
上記実施の形態では、補強用当板1及び管状部材を接合手段の一例であるリベットで接合していたが、本発明はこれに限られない。例えば、補強用当板1及び管状部材を接合手段の他の一例であるボルト及びナットを用いて接合してもよい。また、補強用当板1及び管状部材のために異なる接合手段を混在させてもよい。
上記実施の形態では、取っ手3の把持部3aが円弧状に湾曲して本体2の円周方向に延びていたが、本発明はこれに限られない。例えば、把持部3aの形状は円弧状に限られず、直線状に形成してもよい。また、直線状の把持部3aが本体2の上下方向に延びるように構成されてもよい。このとき、本体2に対して少なくとも2つ以上の取っ手3を左右方向に離して配置するとよい。
上記実施の形態では、牽引器具6により補強用当板1を仮止めしていたが、本発明はこれに限られない。例えば、管状部材に対して補強用当板1をバンドで仮止めしてもよく、補強用当板1の裏面と管状部材の外面とを磁石を介して互いに吸着させてもよい。
上記実施の形態では、貫通孔5やリベット4の腐食を防止するために常温亜鉛めっきを用いていたが、本発明はこれに限られない。例えば、貫通孔5やリベット4にエポキシ樹脂系の錆止め剤を塗布してもよい。
上記実施の形態では、補強用当板1を鋼板組立柱の地際部にある腐食箇所に取り付けていたが、本発明はこれに限られない。鋼板組立柱の他の部分、例えば、農機具のような器具の接触により切断された箇所や局部座屈により変形した箇所に取り付けてもよい。
上記実施の形態では、鋼板組立柱を補強対象としていたが、本発明はこれに限られない。鋼板組立柱以外の金属筒体、例えば、鋼管柱を補強対象としてもよい。
上記実施の形態は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の趣旨を逸脱しない範囲でさまざまな実施の形態が可能である。実施の形態や変形例で記載した構成要素は自由に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した発明と均等な発明も本発明に含まれる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
実施例では、曲げ変形時の被覆材の追従状況を検証するため、一対の補強用当板を取り付けた鋼板組立柱に対して曲げ試験を行った。具体的には、図9に示すように鋼板組立柱の管状部材E8に対して人為的に損傷箇所を作成し、この損傷箇所の上下にある健全箇所に対してリベットを介して互いに対向する一対の補強用当板を接合した。試験品は型式番号R49のパンザーマスト(登録商標)であり、降伏荷重の理論値は11.90kNである。
管状部材E8に作成された人為的な損傷箇所は、図10(a)に示すように管状部材の全周を、管状部材の長軸方向(図10(a)の左右方向)に450mmの幅で切り取って作成したものである。図10(a)の損傷箇所の奥側に見えているのは、損傷箇所の背面側に既に接合されている補強用当板である。損傷箇所の表面側も覆うように補強用当板を取り付けることで、図10(b)に示すように一対の補強用当板で損傷箇所を概ね覆うことができる。
次に、一対の補強用当板が接合された試験品を図9に示す試験装置に設置し、各管状部材E4、E5、E6、E7、E8下部及び補強用当板の圧縮側及び引張側のそれぞれに歪みゲージを取り付けた。その後、末口側に引張荷重を加え、歪みゲージが取り付けられた各点における圧縮力及び引張力を測定した。末口側に引張荷重を加えた場合、鋼板組立柱の中心を中立軸として荷重付加側には圧縮荷重が、その反対側には引張荷重が加わる。比較のため、鋼板組立柱の健全品についても同様の曲げ試験を実施した。
その結果、比較例の健全品では、末口側に加えた引張荷重の増加に伴い各点で測定された引張応力及び圧縮応力のいずれも増加した。また、降伏荷重は11.84kNであるのに対し、破壊荷重は15.10kNであった。健全品の座屈箇所は、管状部材E7、E8の差し込み部であった。
他方、実施例の試験品では、図11及び図12に示すように、末口側に加えた引張荷重の増加に伴い、各点で測定された引張応力及び圧縮応力のいずれも増加した。また、降伏荷重は11.92kNであるのに対し、破壊荷重は14.00kNであった。試験品では、鋼板組立柱自体は座屈せず、補強用当板を接合したリベットが1本破断した。以上から、一対の補強用当板により補強された鋼板組立柱では、健全品と同様に末口側に加えた引張荷重が元口側の固定部まで伝達すること、健全品と同様に降伏荷重以上の耐力を有することが確認できた。
1 補強用当板
2 本体
3 取っ手
4 リベット
5 貫通孔

Claims (5)

  1. 一部が地面の下に埋設された補強対象の管状部材の外形に合わせて湾曲した形状に形成された板状の本体を備え、
    前記本体の上端部及び下端部には、前記管状部材と前記本体とを接合する接合手段を挿通可能な複数の貫通孔がそれぞれ形成され、
    前記本体の表面には、前記管状部材に取り付ける際に前記地面の位置に合わせるマーキングが施されている、
    補強用当板。
  2. 補強対象の管状部材の外形に合わせて湾曲した形状に形成された板状の本体を備え、
    前記本体の上端部及び下端部には、前記管状部材と前記本体とを接合する接合手段を挿通可能な複数の貫通孔がそれぞれ形成され、
    前記本体に設けられ、ユーザが把持可能な取っ手を備え、前記取っ手は、前記本体のうち前記管状部材と接触する面の反対側の面に設けられ、複数の貫通孔が並べられている列と平行な向きに延びている、
    補強用当板。
  3. 前記本体は、矩形状の板材を湾曲させて形成されている、
    請求項1又は2に記載の補強用当板。
  4. 請求項1又は2に記載の補強用当板と、
    前記補強用当板の各貫通孔に挿通され、前記管状部材と前記本体とを接合するリベットと、
    を備える管状部材補強構造。
  5. 補強対象の管状部材に対して接合手段を挿通可能な複数の貫通孔が形成されている補強用当板を仮止めする工程と、
    前記補強用当板の各貫通孔をガイドとして前記管状部材に複数の貫通孔を形成する工程と、
    前記補強用当板及び前記管状部材のそれぞれに形成され、互いに対応する各貫通孔に接合手段を挿入する工程と、
    を含む補強用当板の施工方法。
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