JP7421528B2 - テープ材貼付け機およびコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
また、前述した従来の技術では、テープ材の貼付け経路に、バキュームチャックの径よりも小径の凹部が形成されている場合に、バキュームチャックの外周面が凹部の壁面から浮いてしまうため、テープ材を凹部に押圧して貼付けることができない。
さらに、前述した従来の技術では、テープ材の貼付け経路の横に凸部などの障害物が存在する場合に、バキュームチャックの外周縁が障害物と干渉し、テープ材を貼付けることが困難な場合がある。
つまり、前述した従来の技術は、相対的に短いテープ材を貼付けることが困難であり、かつ、テープ材を貼付けることが困難な場合が相対的に多いという問題がある。
前述した目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明では、
裏面に接着層(302:図7(B))を有するテープ材(300)を、ワーク(40:図14)に設定されている貼付け経路(R:図14(B))に沿ってロボット(10:図9)により貼付けるテープ材貼付け機(1:図1)であって、
テープ材(300)は、当該テープ材(300)を供給する供給部(34:図1)に剥離可能に接着されており、
ロボットの先端に取付けられており、テープ材(300)をワーク(40)に貼付けるための貼付け機構(60:図1)と、
制御部(500:図9)と、を備えており、
貼付け機構(60)は、
テープ材(300)の一端(304:図1)を挾持するための挾持部材(201:図1)と、
挾持部材(201)を駆動する駆動装置(203:図3)と、を備えた挾持装置(200:図1)と、
テープ材(300)の他端を(305:図1)保持可能な保持部材(100:図1)と、
テープ材(300)をワーク(40)に押圧しながら貼付けるローラ(90:図1)と、
挾持部材(201)が回動中心から半径方向に設けられた第1の回動部材(50:図1)と、
第1の回動部材(50)を回動可能に軸支する第1の回動軸(64:図3)と、
挾持部材(201)がテープ材(300)を挾持した状態で第1の回動軸(64)を回動中心として回動した第1の回動部材(50)が回動前の姿勢に戻るように付勢する第1の付勢部材(65:図1)と、
保持部材(100)およびローラ(90)が一端に設けられた第2の回動部材(88:図1)と、
第2の回動部材(88)の他端を回動可能に軸支する第2の回動軸(86:図1)と、
ローラ(90)がテープ材(300)をワーク(40)に押圧したときに第2の回動軸(86)を回動中心として回動した第2の回動部材(88)が回動前の姿勢に戻るように付勢する第2の付勢部材(66:図1)と、を備えており、
制御部(500)は、
ロボット(10)および駆動装置(203)を制御することにより、
挾持部材(201)がテープ材(300)の一端(304)を挾持しており、かつ、保持部材(100)がテープ材(300)の一端(304)以外の部分を保持した状態で貼付け機構(60)を変位させることにより、テープ材(300)を保持している保持部材(100)が、テープ材(300)を保持した状態で挾持部材(201)によるテープ材(300)の挾持位置に接近するように、第1の回動部材(50)を第1の付勢部材(65)による付勢力に抗しながら第1の回動軸(64)を回動中心として回動させ(図11)、
第1の回動部材(50)が第1の付勢部材(65)の付勢力を利用して回動前の姿勢に回動することにより、供給部(34)に接着されているテープ材(300)が、挾持部材(201)により挾持されている一端(304)から剥がされながら、保持部材(100)によるテープ材(300)の保持位置がテープ材(300)を保持した状態でテープ材(300)の他端(305)へ移動するように貼付け機構(60)を変位させ(図12,図13)、
さらに、挾持部材(201)がテープ材(300)の一端(304)を挾持しており、かつ、保持部材(100)がテープ材(300)の他端(305)を保持した状態で、テープ材(300)をワーク(40)に貼付ける位置まで貼付け機構(60)を移動させ(図14)、
さらに、保持部材(100)により保持されているテープ材(300)の他端(305)をローラ(90)によってワーク(40)に押圧して貼付け、さらに、テープ材(300)のうち、ワーク(40)に貼付けられた部分以外の部分がワーク(40)から浮いた状態を維持しながら、貼付け経路(R)に沿ってテープ材(300)の他端(305)から一端(304)までをローラ(90)によって押圧しながら貼付けることを特徴とする。
従って、請求項1に係る発明によれば、相対的に短いテープ材を貼付けることができる。
また、テープ材の一端を挾持する挾持部材は、テープ材の一端を挾持することができる大きさで良く、テープ材の他端を保持する保持部材は、テープ材の他端を保持することができる大きさで良く、さらに、テープ材をワークに押圧するローラは、テープ材をワークに押圧することができる大きさで良いため、テープ材の貼付け経路の横に凸部などの障害物が存在するような場合であっても、挾持部材、保持部材およびローラが障害物と干渉する可能性が相対的に少なくなる。
従って、請求項1に係る発明によれば、テープ材を貼付けることが困難な場合を相対的に減らすことができる
従って、請求項1に係る発明によれば、テープ材を、挾持部材が挾持している一端から剥がすときに、保持部材が挾持部材に近い位置を保持しているため、剥がしたテープ材が保持部材を離脱するおそれがない。
従って、請求項1に係る発明によれば、剥がされたテープ材の一端を挾持部材が挾持しており、テープ材の他端を保持部材が保持している状態を作ることができる。
つまり、請求項1に係る発明によれば、テープ材をワークに貼り付けていない部分はワークから浮いた状態で、テープ材の他端から一端まで貼付け経路に沿ってローラによって押圧しながらワークに貼付けることができるため、テープ材の接着力による影響を少なくすることができるので、貼付け方向を容易に変えることができる。
従って、請求項1に係る発明によれば、テープ材を貼付け経路に沿って精度良く貼付けることができる。
従って、請求項1に係る発明によれば、テープ材を貼付け経路に沿って常に均一の押圧力で貼付けることができるため、押圧力が過剰となってテープ材が潰れるおそれもないし、テープ材の接着不足が発生するおそれもない。
請求項2に係る発明では、請求項1に記載のテープ材貼付け機(1)において、
第1の回動軸(64)および第2の回動軸(86)は、相互に平行であり、
挾持部材(201)、保持部材(100)およびローラ(90)は、それぞれ第1の回動部材(50)の回動中心から半径方向に配置されており、かつ、保持部材(100)はローラ(90)と挾持部材(201)の間に配置されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、請求項1または請求項2に記載のテープ材貼付け機(1)において、
テープ材(300)は、
ウレタン樹脂により形成されたウレタン樹脂層(301:図7(B))と、
ウレタン樹脂層(301)の裏面に形成された接着層(302)と、を備えており、
接着層(302)はウレタン樹脂層(301)よりも弾性率が大きいことを特徴とする。
しかし、本願発明では、挾持部材によってテープ材の一端を挾持し、テープ材のうち、ワークに貼付けられた部分以外の部分がワークから浮いた状態を維持しながら、貼付け経路に沿ってテープ材の他端から一端までをローラによって押圧しながら貼付けることができる。
つまり、ローラによる押圧が行われていない部分がワークに接着していない状態にすることができるため、貼付け機構の位置および姿勢を制御することにより、未接着部分の方向転換を容易に行うことができるので、前述した症状が出ないようにしてテープ材を曲線の貼付け経路に沿って精度良く貼付けることができる。
前述した目的を達成するため、本願の請求項4に係る発明では、
ロボット(10)の先端に取付けられており、裏面に接着層(302)を有するテープ材(300)をワーク(40)に設定されている貼付け経路(R)に沿って貼付けるための貼付け機構(60)と、
制御部(500)と、を備えたテープ材貼付け機の制御部が実行するコンピュータプログラムであって、
テープ材(300)は、当該テープ材(300)を供給する供給部(34)に剥離可能に接着されており、
貼付け機構(60)は、
テープ材(300)の一端(304)を挾持するための挾持部材(201)と、
挾持部材(201)を駆動する駆動装置(203)と、を備えた挾持装置(200)と、
テープ材(300)の他端(305)を保持可能な保持部材(100)と、
テープ材(300)をワーク(40)に押圧しながら貼付けるローラ(90)と、
挾持部材(201)が回動中心から半径方向に設けられた第1の回動部材(50)と、
第1の回動部材(50)を回動可能に軸支する第1の回動軸(64)と、
挾持部材(201)がテープ材(300)を挾持した状態で第1の回動軸(64)を回動中心として回動した第1の回動部材(50)が回動前の姿勢に戻るように付勢する第1の付勢部材(65)と、
保持部材(100)およびローラ(90)が一端に設けられた第2の回動部材(88)と、
第2の回動部材(88)の他端を回動可能に軸支する第2の回動軸(86)と、
ローラ(90)がテープ材(300)をワーク(40)に押圧したときに第2の回動軸(86)を回動中心として回動した第2の回動部材(88)が回動前の姿勢に戻るように付勢する第2の付勢部材(66)と、を備えており、
当該コンピュータプログラムは、
制御部(500)に、
ロボット(10)および駆動装置(203)を制御することにより、
挾持部材(201)がテープ材(300)の一端(304)を挾持しており、かつ、保持部材(100)がテープ材(300)の一端(304)以外の部分を保持した状態で貼付け機構(60)を変位させることにより、テープ材(300)を保持している保持部材(100)が、テープ材(300)を保持した状態で挾持部材(201)によるテープ材(300)の挾持位置に接近するように、第1の回動部材(50)を第1の付勢部材(65)による付勢力に抗しながら第1の回動軸(64)を回動中心として回動させ(図11)、
第1の回動部材(50)が第1の付勢部材(65)の付勢力を利用して回動前の姿勢に回動することにより、供給部(34)に接着されているテープ材(300)が、挾持部材(201)により挾持されている一端(304)から剥がされながら、保持部材(100)によるテープ材(300)の保持位置がテープ材(300)を保持した状態でテープ材(300)の他端(305)へ移動するように貼付け機構(60)を変位させ(図12,図13)、
さらに、挾持部材(201)がテープ材(300)の一端(304)を挾持しており、かつ、保持部材(100)がテープ材(300)の他端(305)を保持した状態で、テープ材(300)をワーク(40)に貼付ける位置まで貼付け機構(60)を移動させ(図14)、
さらに、保持部材(100)により保持されているテープ材(300)の他端(305)をローラ(90)によってワーク(40)に押圧して貼付け、さらに、テープ材(300)のうち、ワーク(40)に貼付けられた部分以外の部分がワーク(40)から浮いた状態を維持しながら、ワーク(40)に対する貼付け機構(60)の位置および姿勢を制御し、貼付け経路(R)に沿ってテープ材(300)の他端(305)から一端(304)までをローラ(90)によって押圧しながら貼付けさせることを特徴とする。
従って、請求項4に係る発明によれば、相対的に短いテープ材を貼付けることができる。
また、テープ材の一端を挾持する挾持部材は、テープ材の一端を挾持することができる大きさで良く、テープ材の他端を保持する保持部材は、テープ材の他端を保持することができる大きさで良く、さらに、テープ材をワークに押圧するローラは、テープ材をワークに押圧することができる大きさで良いため、テープ材の貼付け経路の横に凸部などの障害物が存在するような場合であっても、挾持部材、保持部材およびローラが障害物と干渉する可能性が相対的に少なくなる。
従って、請求項4に係る発明によれば、テープ材を貼付けることが困難な場合を相対的に減らすことができる
さらに、請求項4に係る発明によれば、挾持部材がテープ材の一端を挾持しており、かつ、保持部材がテープ材の一端以外の部分を保持した状態で貼付け機構を変位させることにより、テープ材を保持している保持部材が、テープ材を保持した状態で挾持部材によるテープ材の挾持位置に接近するように、第1の回動部材を第1の付勢部材による付勢力に抗しながら第1の回動軸を回動中心として回動させることができる。
従って、請求項4に係る発明によれば、テープ材を、挾持部材が挾持している一端から剥がすときに、保持部材が挾持部材に近い位置を保持しているため、剥がしたテープ材が保持部材を離脱するおそれがない。
さらに、請求項4に係る発明によれば、第1の回動部材が第1の付勢部材の付勢力を利用して回動前の姿勢に回動することにより、供給部に接着されているテープ材が、挾持部材により挾持されている一端から剥がされながら、保持部材によるテープ材の保持位置がテープ材を保持した状態でテープ材の他端へ移動するように貼付け機構を変位させることができる。
従って、請求項4に係る発明によれば、剥がされたテープ材の一端を挾持部材が挾持しており、テープ材の他端を保持部材が保持している状態を作ることができる。
さらに、請求項4に係る発明によれば、挾持部材がテープ材の一端を挾持しており、かつ、保持部材がテープ材の他端を保持した状態で、テープ材をワークに貼付ける位置まで貼付け機構を移動させることができる。
さらに、請求項4に係る発明によれば、保持部材により保持されているテープ材の他端をローラによってワークに押圧して貼付け、さらに、テープ材のうち、ワークに貼付けられた部分以外の部分がワークから浮いた状態を維持しながら、貼付け経路に沿ってテープ材の他端から一端までをローラによって押圧しながら貼付けることができる。
つまり、請求項4に係る発明によれば、テープ材をワークに貼り付けていない部分はワークから浮いた状態で、テープ材の他端から一端まで貼付け経路に沿ってローラによって押圧しながらワークに貼付けることができるため、テープ材の接着力による影響を少なくすることができるので、貼付け方向を容易に変えることができる。
従って、請求項4に係る発明によれば、テープ材を貼付け経路に沿って精度良く貼付けることができる。
さらに、請求項4に係る発明によれば、テープ材をローラによってワークに押圧するときに、その押圧力が所定の大きさを超えると、第2の回動部材が第2の付勢部材の付勢力に抗して第2の回動軸を回動中心として回動し、押圧力が吸収されるため、ローラが一定の押圧力でテープ材を押圧するように調節することができる。
従って、請求項4に係る発明によれば、テープ材を貼付け経路に沿って常に均一の押圧力で貼付けることができるため、押圧力が過剰となってテープ材が潰れるおそれもないし、テープ材の接着不足が発生するおそれもない。
さらに、請求項4に係る発明によれば、供給部に剥離可能に接着されているテープ材を剥がすときは、第1の回動部材が第1の付勢部材の付勢力によって回動前の姿勢に戻る力を利用するため、第1の回動部材を回動させるためのモータなどのアクチュエータが不要なので、その分、テープ材貼付け機の製造コストを低減することができ、かつ、故障率を低減することができる。
[主要構成]
最初に、本実施形態のテープ材貼付け機の主要構成について図を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態のテープ材貼付け機1は、テープ材貼付けユニット60と、ロボット10(図9)とを備えている。ロボット10は、垂直多関節6軸ロボットであり、テープ材貼付けユニット60は、ロボット10の第6軸に着脱可能に装着されている。つまり、通常の垂直多関節6軸ロボットでは、手首部には、ロボットハンド(図示せず)が装着されるが、本実施形態のテープ材貼付け機1では、ロボットハンドに代えてテープ材貼付けユニット60が装着されている。
次に、テープ材貼付けユニット60の構成について図を参照しつつ説明する。
図14ないし図16に示すように、テープ材貼付けユニット60は、テープ材300をローラ90によってワーク40に押圧しながら、ワーク40に設定された貼付け経路R(図14(B))に沿って貼付けるための装置である。図1に示すように、テープ材貼付けユニット60は、テープ材貼付けユニット60をロボット10の第6軸に取り付けるためのロボット取付部61を備えている。ロボット取付部61は、左右方向に長い長方形の板状に形成されている。ロボット取付部61の背面(後ろ側)には、板状の背面部62が取り付けられており、背面部62の右側には板状の側部68が、左側には板状の側部69がそれぞれ取り付けられている。ロボット取付部61、背面部62、側部68および側部69は、テープ材貼付けユニット60の外枠を構成している。
図3および図4に示すように、テープ材クランプ装置200は、テープ材300をクランプ(挾持)するための相対向する一対のクランプ金具201,201と、各クランプ金具201をクランプ動作(挾持動作)およびアンクランプ動作(非挾持動作)させるための一対のカムフォロワ216,216と、各カムフォロワ216を動作させるためのカム215(図5,図6)と、カム215を回動させるためのエアシリンダ203と、相対向するフレーム211,212(図3)とを備えている。
また、図5(B)に示すように、ピストンロッド204が伸長すると、カム215は、右回り(時計回り)に回動し、各カムフォロワ216がそれぞれ凹部215bから離脱し、回転しながら平坦部215aに転動するため、各カムフォロワ216が、それぞれ、ねじりコイルバネ218の付勢力に抗して回動し、起立姿勢に変化する。これにより、各クランプ金具201の各先端は、相互に接近し、テープ材300をクランプする状態になる(図1)。テープ材クランプ装置200は、本発明の挾持装置の一例であり、一対のクランプ金具201,201は、本発明の挾持部材の一例である。また、エアシリンダ203は、本発明の駆動装置の一例である。
図1および図2に示すように、テープ材貼付けユニット60は、ローラ90およびガイド100をスイングさせるためのローラスイング機構80を備えている。ローラスイング機構80は、腕部88と、第2の回動軸86と、軸受け83と、ローラ90と、ガイド100と、軸受け89(図7(A))とを備えている。側部69の外面には、軸受け83が固定されている。軸受け83は、板状に形成されており、右側面が側部69に固定されている。軸受け83には、第2の回動軸86が挿通されており、その第2の回動軸86に腕部88が回動可能(スイング可能)に軸支されている。図2に示すように、腕部88の上端には、バネ係止部82が挿通固定されており、バネ係止部82は、側部69に貫通形成された貫通孔69aに移動可能に挿通されている。腕部88は、本発明の第2の回動部材の一例である。
また、円板状部材50を回動させるための第1の回動軸64と、腕部88を回動させるための第2の回動軸86とは、相互に平行であり、各クランプ金具201、ガイド100およびローラ90は、それぞれ円板状部材50の回動中心51から半径方向に配置されており、かつ、ガイド100はローラ90と各クランプ金具201の間に配置されている
ローラ90は、テープ材300をワーク40に押圧しながら転動してテープ材300をワーク40に貼付けるための部材である。図7(A)および図8に示すように、ローラ90は、円柱形状の胴体91と、胴体91の両端の各周縁からそれぞれ外方に張り出した一対のフランジ92,92とを備えている。本実施形態では、JIS規格でA7075と称されるアルミニウム合金(超々ジュラルミン)により形成されており、高い強度を有する。また、各フランジ92は、それぞれJIS規格でSUS304と称されるステンレス鋼により形成されており、高い耐腐食性を有する。
本実施形態では、接着層302はアクリル系接着剤により形成されており、接着層302はウレタン樹脂層301よりも弾性率が大きい。また、テープ材300の全長は、例えば、50~300mmである。また、テープ材300の幅は、例えば、5~15mmであり、剥離紙303を除いた高さは、5~10mmである。つまり、本実施形態で扱うテープ材300は、相対的に短いテープ材である。
ガイド100は、ローラ90が押圧する直前のテープ材300を保持することにより、ローラ90がテープ材300を貼付け経路Rに沿って精度良く押圧できるように案内するための部材である。図8に示すように、ガイド100は、テープ材300の表面に接触する上部101と、この上部の両側縁からそれぞれ下方に形成された一対の側部102,102と、上部101の先端からテープ材300の一端304(図1)の方向に突出形成された先端部103と、筒状の回動部107と、平板形状の接続部104とを有する。回動部107は、軸受け89に回動可能に装着されており、その回動部107は、接続部104によって上部101と接続されている。上部101の裏面は、テープ材300の表面の形状に対応した平面形状に形成されており、各側部102は、それぞれ平板形状に形成されている。図7(A)に示すように、各側部102は相対向しており、テープ材300の両側面301a,301a(図7(B))を挟むように設けられている。
先端部103は、テープ材300を他端305からワークに貼付けるときに、テープ材300が安定した状態で保持されるように一対の側部102,102間に案内する役割をする。図1に示すように、先端部103は、緩やかに上方に沿った形状、換言すると、下方にやや膨らんだ曲面に形成されており、先端部103の先端とテープ材300の表面との摩擦が大きくならないようになっている。つまり、テープ材300を一対の側部102,102間に滑らかに案内できるようになっている。
次に、テープ材貼付け機1の主な電気的構成について、それをブロックで示す図9を参照しつつ説明する。
テープ材貼付け機1は、制御ユニット500を備えており、その制御ユニット500には、ロボット10が電気的に接続されている。ロボット10にはテープ材貼付けユニット60が電気的に接続されており、テープ材貼付けユニット60は制御ユニット500と電気的に接続されている。制御ユニット500は、ロボット10の動作を制御し、かつ、ロボット10を介してテープ材貼付けユニット60の動作を制御する。ロボット10およびテープ材貼付けユニット60の制御状態は、制御ユニット500にフィードバックされる。
また、制御ユニット500には、エリアセンサ403、ドアスイッチ404、操作盤405、モニタ408、ティーチングペンダント409などが電気的に接続されている。エリアセンサ403は、テープ材貼付け機1の作業エリア内に人や物が存在するか否かを検知するセンサである。ドアスイッチ404は、テープ材貼付け機1が設置されている作業部屋に設けられたドアの開閉を検知するスイッチである。操作盤405には、テープ材貼付け機1を起動させるためのスタートボタン(起動スイッチ)、非常停止ボタン、自動制御から手動に切替えるための手動切替えボタンなどの操作スイッチ類が設けられている。モニタ408は、制御ユニット500の処理内容、制御プログラム名、テープ材貼付け機1の現在位置、速度、各センサからの情報など、テープ材貼付け機1の状態などを表示する。制御ユニット500は、本発明の制御部の一例である。
さらに、ティーチングデータには、テープ材クランプ装置200がテープ材300の一端304をクランプし、かつ、ガイド100がテープ材300の他端305を保持したときに円板状部材50を右回りに回動させ、ガイド100がテープ材300を保持した状態で、テープ材クランプ装置200によるテープ材300のクランプ位置へ近づくように(図11)ロボット10を制御するためのデータが含まれている。
さらに、ティーチングデータには、各クランプ金具201がテープ材300の一端304を挾持し、かつ、ガイド100がテープ材300の他端305を保持した状態を維持しながら、テープ材300をワーク40に貼付ける位置までテープ材貼付けユニット60が移動するようにロボット10を制御するためのデータが含まれている。
さらに、ティーチングデータには、テープ材300のうち、ワーク40に貼付けられた部分以外の部分がワーク40から浮いた状態(ワーク40に貼り付けられていない状態)を維持しながら、貼付け経路R(図14(B))に沿ってテープ材300の他端305から一端304までをローラ90によって押圧しながら貼付けるように(図15,図16)ロボット10を制御するためのデータが含まれている。
次に、制御ユニット500のCPU501(図9)が実行するテープ材貼付け処理の流れについて図10を参照しつつ説明する。以下の説明では、CPU501が実行する処理ステップをSと略す。
図1に示すように、テープ材300を供給するための供給部34の上面にテープ材300が配置されている。
つまり、CPU501は、ロボット10を制御することにより、各クランプ金具201がテープ材300の一端304を挾持しており、かつ、ガイド100がテープ材300の一端304以外の部分を保持した状態でテープ材貼付けユニット60を変位させることにより、テープ材300を保持しているガイド100が、テープ材300を保持した状態で各クランプ金具201によるテープ材300の挾持位置に接近するように、円板状部材50を第1のバネ65による付勢力に抗しながら第1の回動軸64(図3)を回動中心として回動させる。
つまり、CPU501は、ロボット10を制御することにより、円板状部材50が第1のバネ65の付勢力を利用して回動前の姿勢に回動することにより、供給部34に接着されているテープ材300が、各クランプ金具201により挾持されている一端304から剥がされながら、ガイド100によるテープ材300の保持位置がテープ材300を保持した状態でテープ材300の他端305へ移動するようにテープ材貼付けユニット60を変位させる。
続いて、CPU501は、ロボット10を制御することにより、図15および図16に示すように、テープ材300のうち、ワーク40に貼付けられた部分以外の部分がワーク40から浮いた状態(ワーク40に貼り付けられていない状態)を維持しながら、貼付け経路R(図14(B))に沿ってテープ材300の他端305から一端304までをローラ90によって押圧しながら貼付ける。また、図14(B)に示すように、貼付け経路Rの中に曲線の貼付け経路R1が存在する場合は、ロボット10を制御し、テープ材貼付けユニット60の姿勢を曲線の貼付け経路R1に沿うように変化させ、ワーク40から上方に離れた箇所で、テープ材300を曲線の貼付け経路R1に沿って捻り、その捻られたテープ材300をローラ90が押圧することにより、テープ材300を曲線の貼付け経路R1に沿って貼付ける(図15)。
そして、図16に示すように、ローラ90の押圧位置がテープ材300の一端304に近くなり、貼り付けていない部分が残り少なくなったときに、CPU501は、テープ材貼付けユニット60のエアシリンダ203を駆動し、各クランプ金具201をアンクランプ状態に戻し、貼り付けていない残りの部分をローラ90によって押圧しながら貼付ける。そして、CPU501は、ロボット10を制御し、テープ材貼付けユニット60を供給部34へ移動させる。
(1)上述した実施形態に係るテープ材貼付け機1およびコンピュータプログラム503によれば、ガイド100により保持されているテープ材300の他端305をローラ90によってワーク40に押圧して貼付け、テープ材300のうち、ワーク40に貼付けられた部分以外の部分がワーク40から浮いた状態を維持しながら、ワーク40に対するテープ材貼付けユニット60の位置および姿勢を制御し、貼付け経路Rに沿ってテープ材300の他端305から一端304までをローラ90によって押圧しながら貼付けることができる。
従って、上述した実施形態に係るテープ材貼付け機1によれば、相対的に短いテープ材を貼付けることができる。
従って、上述した実施形態に係るテープ材貼付け機1によれば、テープ材を貼付けることが困難な場合を相対的に減らすことができる。
従って、テープ材300を、各クランプ金具201が挾持している一端304から剥がすときに、ガイド100が各クランプ金具201に近い位置を保持しているため、剥がしたテープ材300がガイド100から離脱するおそれがない。
従って、剥がされたテープ材300の一端304を各クランプ金具201がクランプしており、テープ材300の他端305をガイド100が保持している状態を作ることができる。
つまり、前述した実施形態に係るテープ材貼付け機1によれば、テープ材300をワーク40に貼り付けていない部分はワーク40から浮いた状態で、テープ材300の他端305から一端304まで貼付け経路Rに沿ってローラ90によって押圧しながらワーク40に貼付けることができるため、テープ材300の接着力による影響を少なくすることができるので、貼付け方向を容易に変えることができる。
従って、前述した実施形態に係るテープ材貼付け機1によれば、テープ材300を貼付け経路Rに沿って精度良く貼付けることができる。
従って、テープ材300をワーク40の貼付け経路Rに沿って常に均一な押圧力で貼付けることができるため、押圧力が過剰となってテープ材300が潰れるおそれもないし、押圧力が不足してテープ材300の接着不足が発生するおそれもない。
しかし、前述した実施形態に係るテープ材貼付け機1によれば、各クランプ金具201によってテープ材300の一端304をクランプし、テープ材300のうち、ワーク40に貼付けられた部分以外の部分がワーク40から浮いた状態を維持しながら、貼付け経路Rに沿ってテープ材の他端305から一端304までをローラ90によって押圧しながら貼付けることができる。
つまり、ローラ90による押圧が行われていない部分がワーク40に接着していない状態にすることができるため、テープ材貼付けユニット60の位置および姿勢を制御することにより、未接着部分の方向転換を容易に行うことができるので、前述した症状が出ないようにしてテープ材300を曲線の貼付け経路R1に沿って精度良く貼付けることができる。
(1)ワーク40の種類によっては、ロボット10として、垂直多関節ロボットに代えて水平多関節ロボットを用いることもできる。
(2)エアシリンダに代えてソレノイドやピエゾアクチュエータを用いることもできる。
(3)貼付けたテープ材300が貼付け経路Rから逸脱していることを検出するセンサ(例えば、画像センサなど)をテープ材貼付け機1に設け、そのセンサの検出結果を報知する報知装置(例えば、ランプ、警報音出力装置など)を設けることもできる。
10・・・ロボット
34・・・供給部
40・・・ワーク
50・・・円板状部材
60・・・テープ材貼付けユニット
64・・・第1の回動軸
65・・・第1のバネ
66・・・第2のバネ
80・・・ローラスイング機構
86・・・第2の回動軸
88・・・腕部
90・・・ローラ
100・・・ガイド
200・・・テープ材クランプ装置
201・・・クランプ金具
203・・・エアシリンダ
215・・・カム
216・・・カムフォロワ
300・・・テープ材
301・・・ウレタン樹脂層
302・・・接着層
303・・・剥離紙
304・・・一端
305・・・他端
500・・・制御ユニット
501・・・CPU
502・・・記憶部
503・・・コンピュータプログラム
R・・・貼付け経路
R1・・・曲線の貼付け経路
Claims (4)
- 裏面に接着層を有するテープ材を、ワークに設定されている貼付け経路に沿ってロボットにより貼付けるテープ材貼付け機であって、
前記テープ材は、当該テープ材を供給する供給部に剥離可能に接着されており、
前記ロボットの先端に取付けられており、前記テープ材を前記ワークに貼付けるための貼付け機構と、
制御部と、を備えており、
前記貼付け機構は、
前記テープ材の一端を挾持するための挾持部材と、
前記挾持部材を駆動する駆動装置と、を備えた挾持装置と、
前記テープ材の他端を保持可能な保持部材と、
前記テープ材を前記ワークに押圧しながら貼付けるローラと、
前記挾持部材が回動中心から半径方向に設けられた第1の回動部材と、
前記第1の回動部材を回動可能に軸支する第1の回動軸と、
前記挾持部材が前記テープ材を挾持した状態で前記第1の回動軸を回動中心として回動した前記第1の回動部材が回動前の姿勢に戻るように付勢する第1の付勢部材と、
前記保持部材および前記ローラが一端に設けられた第2の回動部材と、
前記第2の回動部材の他端を回動可能に軸支する第2の回動軸と、
前記ローラが前記テープ材を前記ワークに押圧したときに前記第2の回動軸を回動中心として回動した前記第2の回動部材が回動前の姿勢に戻るように付勢する第2の付勢部材と、を備えており、
前記制御部は、
前記ロボットおよび前記駆動装置を制御することにより、
前記挾持部材が前記テープ材の一端を挾持しており、かつ、前記保持部材が前記テープ材の一端以外の部分を保持した状態で前記貼付け機構を変位させることにより、前記テープ材を保持している前記保持部材が、前記テープ材を保持した状態で前記挾持部材による前記テープ材の挾持位置に接近するように、前記第1の回動部材を前記第1の付勢部材による付勢力に抗しながら前記第1の回動軸を回動中心として回動させ、
さらに、前記第1の回動部材が前記第1の付勢部材の付勢力を利用して回動前の姿勢に回動することにより、前記供給部に接着されている前記テープ材が、前記挾持部材により挾持されている前記一端から剥がされながら、前記保持部材による前記テープ材の保持位置が前記テープ材を保持した状態で前記テープ材の他端へ移動するように前記貼付け機構を変位させ、
さらに、前記挾持部材が前記テープ材の一端を挾持しており、かつ、前記保持部材が前記テープ材の他端を保持した状態で、前記テープ材を前記ワークに貼付ける位置まで前記貼付け機構を移動させ、
さらに、前記保持部材により保持されている前記テープ材の他端を前記ローラによって前記ワークに押圧して貼付け、さらに、前記テープ材のうち、前記ワークに貼付けられた部分以外の部分が前記ワークから浮いた状態を維持しながら、前記貼付け経路に沿って前記テープ材の他端から一端までを前記ローラによって押圧しながら貼付けることを特徴とするテープ材貼付け機。 - 前記第1の回動軸および前記第2の回動軸は、相互に平行であり、
前記挾持部材、前記保持部材および前記ローラは、それぞれ前記第1の回動部材の回動中心から半径方向に配置されており、かつ、前記保持部材は前記ローラと前記挾持部材の間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のテープ材貼付け機。 - 前記テープ材は、
ウレタン樹脂により形成されたウレタン樹脂層と、
前記ウレタン樹脂層の裏面に形成された接着層と、を備えており、
前記接着層は前記ウレタン樹脂層よりも弾性率が大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテープ材貼付け機。 - ロボットの先端に取付けられており、裏面に接着層を有するテープ材をワークに設定されている貼付け経路に沿って貼付けるための貼付け機構と、
制御部と、を備えたテープ材貼付け機の前記制御部が実行するコンピュータプログラムであって、
前記テープ材は、当該テープ材を供給する供給部に剥離可能に接着されており、
前記貼付け機構は、
前記テープ材の一端を挾持するための挾持部材と、
前記挾持部材を駆動する駆動装置と、を備えた挾持装置と、
前記テープ材の他端を保持可能な保持部材と、
前記テープ材を前記ワークに押圧しながら貼付けるローラと、
前記挾持部材が回動中心から半径方向に設けられた第1の回動部材と、
前記第1の回動部材を回動可能に軸支する第1の回動軸と、
前記挾持部材が前記テープ材を挾持した状態で前記第1の回動軸を回動中心として回動した前記第1の回動部材が回動前の姿勢に戻るように付勢する第1の付勢部材と、
前記保持部材および前記ローラが一端に設けられた第2の回動部材と、
前記第2の回動部材の他端を回動可能に軸支する第2の回動軸と、
前記ローラが前記テープ材を前記ワークに押圧したときに前記第2の回動軸を回動中心として回動した前記第2の回動部材が回動前の姿勢に戻るように付勢する第2の付勢部材と、を備えており、
当該コンピュータプログラムは、
前記制御部に、
前記ロボットおよび前記駆動装置を制御することにより、
前記挾持部材が前記テープ材の一端を挾持しており、かつ、前記保持部材が前記テープ材の一端以外の部分を保持した状態で前記貼付け機構を変位させることにより、前記テープ材を保持している前記保持部材が、前記テープ材を保持した状態で前記挾持部材による前記テープ材の挾持位置に接近するように、前記第1の回動部材を前記第1の付勢部材による付勢力に抗しながら前記第1の回動軸を回動中心として回動させ、
さらに、前記第1の回動部材が前記第1の付勢部材の付勢力を利用して回動前の姿勢に回動することにより、前記供給部に接着されている前記テープ材が、前記挾持部材により挾持されている前記一端から剥がされながら、前記保持部材による前記テープ材の保持位置が前記テープ材を保持した状態で前記テープ材の他端へ移動するように前記貼付け機構を変位させ、
さらに、前記挾持部材が前記テープ材の一端を挾持しており、かつ、前記保持部材が前記テープ材の他端を保持した状態で、前記テープ材を前記ワークに貼付ける位置まで前記貼付け機構を移動させ、
さらに、前記保持部材により保持されている前記テープ材の他端を前記ローラによって前記ワークに押圧して貼付け、さらに、前記テープ材のうち、前記ワークに貼付けられた部分以外の部分が前記ワークから浮いた状態を維持しながら、前記貼付け経路に沿って前記テープ材の他端から一端までを前記ローラによって押圧しながら貼付けさせることを特徴とするコンピュータプログラム。
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