JP7421163B2 - 防水部材及び防水構造 - Google Patents

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Description

本発明は防水部材及び防水構造に関する。
携帯電話機、スマートフォン、携帯オーディオプレーヤー、デジタルビデオカメラ等の携帯電子機器は、日常生活やレジャーの場面で用いられるため水に濡れる場所で使用されることがある。したがって、携帯電子機器には機器内部への水滴及び塵埃の浸入を防止すべく防水機能が付加されている。例えば特開2014-084917号公報には、ゴム状弾性体からなる柔軟部材と、樹脂フィルムからなる補強部材とを備える防水部材を設けて、筐体内への水滴及び塵埃の浸入を防ぐ構成が記載されている。
特開2014-084917号公報
電子機器には、筐体の内側に、発音部としての例えばスピーカ、受音部としての例えばマイクロホン等の音響部品が装備されているものがある。その筐体には音響部品の位置に対応して開口が形成されている。音はこの開口を通して音響部品と外部との間を伝播している。したがって、この開口から筐体内への水及び塵埃の浸入を防ぐ必要がある。他方で、この開口における防水性を確保するために、防水部材に対する圧縮応力を大きくすると、防水部材の取付け対象物を破損するおそれがある。
そこで本発明は、防水部材の取付け対象物の破損を防止し、浸水を抑止しながら、防塵性を確保することができる防水部材及び防水構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の一態様は、以下に記載する防水部材及び防水構造として構成することができる。
すなわち、本発明の一態様は、第1部材と第2部材との間に挟んで前記第1部材と前記第2部材との間を防水する防水部材について、剛性基材と、前記剛性基材の第1の面に設けられ前記第1部材に圧接される柔軟当接部材と、前記第1の面とは反対側である前記剛性基材の第2の面に設けられる第1粘着層と、前記第2部材に粘着する第2粘着層と、前記第1粘着層と前記第2粘着層との間に設けられ防塵機能を有する防塵シートとを備えることを特徴とする。
防水部材は、柔軟当接部材を有しているので、防水部材の取付け対象物である第1部材の破損を防止することができる。また、防水部材は、第2粘着層を有しているので、浸水を抑止することができる。さらに、防水部材は、防塵シートを有しているので、防塵性を確保することができる。このように一態様による防水部材は、第1部材の破損防止、浸水抑止、防塵性の確保のすべてを改善することができる。
本発明の一態様は、前記剛性基材が、前記第1の面と前記第2の面との間を貫通する開口部を有し、前記柔軟当接部材、前記第1粘着層及び前記第2粘着層は、前記開口部を形成する開口縁を囲む環形状であるものとして構成できる。
剛性基材が、開口部を有しているので、開口部に防塵シートを重ね合わせるように配置する簡単な構成で防水性と防塵性とが両立した防水部材を構成することができる。また、柔軟当接部材、第1粘着層及び第2粘着層が環形状であることから、開口部の外周を複数の環状の層によって防水することができる。
本発明の一態様は、前記防塵シートが、合成樹脂繊維の伸長方向が縦方向と横方向とに交差した平織布であるものとして構成できる。
合成樹脂繊維の伸長方向が縦方向及び横方向であるので、開口部の形状に沿って、合成樹脂繊維の伸長方向を容易に合わせることができる。
本発明の一態様は、前記柔軟当接部材及び前記剛性基材の長辺の伸長方向と、前記防塵シートの前記合成樹脂繊維の伸長方向との交差角度が±3.0度以内であるものとして構成できる。
これによれば、合成樹脂繊維が剛性基材の長辺方向に伸びにくく、防塵シートの長辺方向への伸びを小さくすることができる。したがって、この一態様では、防塵シートの網目の面積(開口面積)が広がることによる防水性及び防塵性の低下を防ぐことができる。さらに、開口部に露出する合成樹脂繊維の長さが最短になるため、合成樹脂繊維の共振の発生を抑制することができる。そして、合成樹脂繊維の伸長方向が剛性基材(開口部)の長辺方向及び短辺方向に沿うため、製品や部品としての見栄えが良く、また製造時において、フィラメントの配置方向に基準が設けられることによって、製品間のばらつきが低減するため、音響品質を安定させることもできる。
本発明の一態様は、前記柔軟当接部材の損失係数tanδが0.2~1.9及び/又は第1粘着層及び/又は第2粘着層の損失係数tanδが0.5~1.9であるものとして構成できる。
損失係数tanδが異なると、減衰効果を発揮するターゲットとする周波数領域が異なる。このため、減衰効果の異なる柔軟当接部材、第1粘着層及び第2粘着層の積層構造に基づく振動減衰効果によって、取付け対象物が発する幅広い周波数の音に対して、防塵シートを構成する合成樹脂繊維の共振を低減させることができる。これによれば、柔軟当接部材、第1粘着層及び第2粘着層の各々が、防塵シートの合成樹脂繊維の振動を減衰、緩衝させる効果を有し、共鳴やビビリ音の対策になる。
本発明の一態様は、前記柔軟当接部材が、架橋シリコーンゲルによって構成されており、前記第1粘着層及び前記第2粘着層は、架橋アクリル系粘着剤によって構成されていても良い。
柔軟当接部材は、架橋シリコーンゲルによって構成されることで、充分に柔らかく、押圧すれば元に戻ろうとする弾性を有する性質を有することとなる。他方で、第1粘着層及び第2粘着層は、架橋アクリル系粘着剤によって構成されることで、耐候性、耐熱性に優れることとなる。
本発明の一態様は、前記柔軟当接部材が、圧接方向の20%圧縮応力が2~40kPaであるものとして構成できる。
柔軟当接部材の圧接方向の20%圧縮応力がこの範囲内とされることで、防水部材が、第1部材と第2部材との間に挟み込まれた際に、柔軟当接部材の形状保持性を確保した上で、第2粘着層を第2部材に対して充分に柔らかく密着させることができる。これによって、防水部材には、振動に対する減衰効果が得られ、防塵シートを構成する繊維の共振を低減させることができる。
本発明の一態様は、前記柔軟当接部材が、針入度60~190であるものとして構成できる。
針入度60を若干超える程度の材料を用いれば、柔軟当接部材の20%圧縮応力を40kPa以下に調整しやすく、針入度190以下の材料であれば、特に荷重が大きくなりやすい形状であっても、柔軟当接部材の20%圧縮応力を2kPa以上にできる。
本発明の一態様は、前記剛性基材、前記第1粘着層、前記防塵シート及び前記第2粘着層による積層の外周に、外方に向かって突出するタブを有するものとして構成できる。
防水部材では、タブをつまんで作業可能であり、第2粘着層のタブが形成されている領域の残部(本体部分)における粘着面に触れずにすむことから、第2粘着層の粘着力の低下を抑制することができる。また、タブによりハンドリング性が向上するため、防水部材の取付作業を効率的に行える。
本発明の一態様は、前記剛性基材の前記第1の面に前記柔軟当接部材を形成し、前記第2の面に前記第1粘着層を設けた第1の積層体と、前記防塵シートに前記第2粘着層を設けた第2の積層体とを有し、前記剛性基材の伸長方向と、前記防塵シートの前記合成樹脂繊維の前記伸長方向とを平行に、前記第1の積層体と前記第2の積層体とが貼り合わされてなる構成とすることができる。
防水部材は、剛性基材を有する側の第1の積層体と、防塵シートを有する側の第2の積層体とを貼り合わせることで形成することができる。このため、剛性基材の伸長方向と、防塵シートの合成樹脂繊維の伸長方向とが平行に近づくように、容易に合わせることができる。
本発明の一態様は、前記第1部材に対する前記柔軟当接部材及び前記第2部材に対する前記第2粘着層の少なくとも一方が着脱可能に取り付けられるものとして構成できる。
これによって、修理、部品交換等で第1部材と第2部材とを分離する際に、第1部材及び第2部材並びに防水部材をいずれも破壊することなく分解することができる。
さらに、本発明の一態様は、前記第1部材が音響機器筐体の内面として、前記第2部材が音響部品の上面として、上述のいずれかの防水部材が配置される防水構造として構成できる。
この一態様によれば、防水部材を音響部品に対して直接取り付ける構成であるため、防水部材を例えば電子機器の筐体に取り付ける場合と比べて、容易に小型化、薄型化を図ることができる。
本発明の一態様は、前記第1部材が、ガラスであり、上述のいずれかの防水部材の前記柔軟当接部材を圧接する防水構造として構成できる。
第1部材には、多くの場合にガラスが使われる。これによって、第1部材は、強度を有しながら内部の液晶を表示することができる。他方で、ガラスは、過度な荷重がかかると割れてしまう。しかしながら、防水部材では、柔軟当接部材が第1部材に対して充分に柔らかく接触するように構成されている。このため、防水部材では、第1部材が破損してしまうことを防ぎながら、防水及び防塵機能を発揮することができる。
本発明の一態様の防水部材によれば、取付け対象物の破損を防ぎながら、防水性及び防塵性を保つことができる。
第1実施形態による防水部材の構成要素を示した分解斜視図である。 図1の防水部材を示し、分図2Aは模式平面図を、分図2Bは、分図2AのIIB-IIB線断面図をそれぞれ示す。 図1の防塵シートのフィラメントを示し、分図3Aは、フィラメントが開口部の長辺方向及び短辺方向に沿って配置される状態を示す説明図である。分図3Bは、フィラメントが開口部の長辺方向及び短辺方向に対して斜めに配置される状態を示す説明図であり、分図3Cは、分図3Bから力を受けて開口部が変形した状態を示す説明図である。 図1の防水部材において、防塵シートのフィラメントと柔軟当接部材との平面視による位置関係を示す説明図である。 図1の防水部材の製造方法を示す説明図である。 第2実施形態による防水部材が音響機器筐体に取り付けられた防水構造を示す模式断面図である。 図1の防水部材の変形例の分図2B相当断面図である。
以下、本出願にて開示する実施形態の例について図面を参照しつつ説明する。以下の各実施形態で共通する構成については、同一の符号を付して明細書での重複説明を省略する。さらに、各実施形態で共通する材料、組成、製造方法、使用方法及び作用効果についても重複説明を省略する。ここで、本明細書及び特許請求の範囲において、「第1」及び「第2」と記載する場合、それらは、異なる構成要素を区別するために用いるものであり、特定の順序や優劣等を示すために用いるものではない。
第1実施形態[図1~図5]
本実施形態の防水部材10は、電子機器、例えば音響機器の「第1部材」としての前面側筐体17と「第2部材」としての背面側筐体18との間に挟まれて前面側筐体17と背面側筐体18との間を防水可能に連結するために用いられる。前面側筐体17には、例えばガラス製筐体、プラスチック製筐体が用いられ、背面側筐体18には、例えばアルミニウム合金等の金属製筐体、ポリカーボネート等のプラスチック製筐体が用いられる。防水部材10は、図1、図2A及び図2Bで示すように、剛性基材12と、柔軟当接部材13と、第1粘着層14と、防塵シート15と、第2粘着層16とを備えている。
剛性基材12は、防水部材10を一定の形に維持する部位である。剛性基材12は、形状を一定に維持することで、防水部材10の各部位を支持する。剛性基材12は、「第1の面」としての表側面12aと、「第2の面」としての裏側面12bとを有している。そして、剛性基材12は、表側面12a及び裏側面12bが長方形状の底面である平板形状とされている。表側面12a及び裏側面12bは、一組の長辺と一組の短辺とを有する長方形状とされているものの、正方形状であっても、その他の多角形でもよい。表側面12a及び裏側面12bの双方の四隅(4つの角部)は、いずれも円弧形状とされているものの、とがった角を有する形状であっても良い。
剛性基材12は、表側面12aと裏側面12bとの間を貫通する開口部Oを有している。開口部Oを形成する剛性基材12の開口縁(内周縁)は、長方形状の底面(表側面12a及び裏側面12b)における4つの辺に沿っている。すなわち、開口部Oは、表側面12a及び裏側面12bが有する一組の長辺と一組の短辺に沿った一組の長辺と一組の短辺を有する長方形状とされている。したがって、剛性基材12は、その底面(表側面12a及び裏側面12b)が環形状の平板形状となっている。
柔軟当接部材13は、その高さ方向で着脱可能に前面側筐体17に圧接されて防水機能を奏する部位である。柔軟当接部材13は、剛性基材12の表側面12aに設けられている。柔軟当接部材13は、開口部Oの開口縁と比べて一回り大きな寸法を有している。そして、柔軟当接部材13は、開口部Oの開口縁をその外方において囲んで表側面12aの4つの辺に沿った一組の長辺と一組の短辺を有して伸長する四角環形状とされている。柔軟当接部材13は、表側面12aの面方向に対する交差方向を高さ方向として突出する形状を有して表側面12aに積層されている。柔軟当接部材13は、四角環形状に伸長する方向に対する交差方向である高さ方向と幅方向との断面が例えば台形状、三角形状、半円形状とされている。柔軟当接部材13は、その断面がアンダーカット形状であってもかまわない。
表側面12aは、柔軟当接部材13よりも開口部Oの開口縁寄りである内周領域と、柔軟当接部材13よりも表側面12aにおける4つの辺寄りである外周領域とにおいては剛性面として露出している(図2A参照)。このように、柔軟当接部材13は、表側面12aと比べて細幅であっても、前面側筐体17に圧接されて潰れるように変形し、前面側筐体17に密着して防水機能を発揮するのに充分な柔軟性を有している。
第1粘着層14は、剛性基材12に対して防塵シート15を取り付ける部位である。第1粘着層14は、剛性基材12の裏側面12bに設けられる。ここでの第1粘着層14は、長方形状の底面に開口部Oが形成されることで環形状の底面を有する剛性基材12と同じ底面形状を有して構成されている。このため、第1粘着層14は、裏側面12bの全面において積層されている。剛性基材12の裏側面12bに設けられた第1粘着層14は、後述のように防塵シート15に対して粘着するまでは、その粘着面14aが剥離基材としての剥離フィルム、剥離紙等で覆われて粘着力の低下及び異物の付着から保護されることが好ましい。
防塵シート15は、筐体内と外部との間で、空気及び音を通しながらも、塵、埃等の異物の侵入を抑制する防塵機能を有する部位である。防塵シート15は、第1粘着層14が剛性基材12に取り付けられている面に対して裏面である粘着面14aに設けられている。防塵シート15は、剛性基材12と同じ長方形状の底面形状を有して構成されている。このような防塵シート15が前面側筐体17の開口を覆うので、防塵作用を奏することができる。防塵シート15は、柔軟当接部材13の形状保持性及び他の部材との密着性を確保するために、剛性基材12の裏側面12bよりも下側に設けられることが好ましい。
第2粘着層16は、防水部材10が電子機器に取り付けられる際に、電子機器の筐体の背面側筐体18に対して着脱可能に粘着する部位である。第2粘着層16は、防塵シート15の裏面に設けられる。ここでの第2粘着層16は、長方形状の底面に開口部Oが形成されることで環形状の底面を有する剛性基材12と同じ底面形状を有して構成されている。このため、第2粘着層16は、防塵シート15の外周側において環形状に積層されている。防塵シート15の裏面に設けられた第2粘着層16は、後述のように背面側筐体18に対して粘着するまでは、その粘着面16aが剥離基材としての剥離フィルム、剥離紙等で覆われて粘着力の低下及び異物の付着から保護されることが好ましい。
防水部材10は、剛性基材12と、第1粘着層14と、防塵シート15と、第2粘着層16とによる積層の長方形状の外周に、外方に向かって突出するタブ10a(つまみ部)を有することが好ましい。タブ10aは、剛性基材12だけでなく防塵シート15を内在して構成されているため、剛性基材12が単体の構成と比べると腰があって撓みにくくなっている。防水部材10では、タブ10aをつまんで作業可能であり、第2粘着層16のタブ10aが形成されている領域の残部(本体部分)における粘着面16aに触れずにすむことから、第2粘着層16の粘着力の低下を抑制することができる。
タブ10aは、1つの短辺を基点として、短辺の1辺の長さと比べて短い狭幅で突出して形成されている。このように、タブ10aが狭幅であることによって、タブ10aから剥離フィルムを浮かせて剥がしやすくなっている。さらに、狭幅のタブ10aが伸長していることで、タブ10aの先端をつまんだ状態で剥離フィルムを剥がして、タブ10aが形成されている領域の残部の第2粘着層16を露出させることができ、防水部材10の背面側筐体18への取付作業を効率的に行える。
次に、防水部材10を構成する各部位の材料及び物理的性質を説明する。
剛性基材12には、伸縮性を有さない材料を用いることが好ましい。他方で、剛性基材12は、可撓性を有していても良い。材料が、剛性基材12の面内方向では伸び縮みしないことで、剛性基材12の形状保持性が高まる。変形しやすい柔軟当接部材13を支持する剛性基材12を設けて、これらを一体化することによって、防水部材10の取扱い性を高めることができる。
剛性基材12には、例えば合成樹脂の高分子成分を薄い膜状に成型した樹脂フィルムが用いられる。樹脂フィルムの材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリイミド(PI)、シクロオレフィンポリマー(COP)が用いられる。そして、樹脂フィルムの厚さは、例えば50~300μmとすることができる。剛性基材12の材料は、合成樹脂に限らず、例えば金属、セラミックであっても良い。
柔軟当接部材13の材料には、充分に柔らかく、押圧すれば元に戻ろうとする弾性を有する種々の高分子物質を用いることができる。これは、ゲル状であるものの他、スポンジ状のような独立気泡の多孔質材であっても良い。ゲル状であるものとしては、「架橋シリコーンゲル」としての2液付加反応硬化型のオルガノポリシロキサンを用いることができる。2液付加反応硬化型のオルガノポリシロキサンは、A材としてビニル基を有するオルガノポリシロキサンを用い、B材としてSi-H基を有するオルガノポリシロキサンを用いることができる。これら2液を混合したオルガノポリシロキサンを金型内に充填してから加熱及び硬化すればゲル状で、定形性のある柔軟当接部材13が形成される。柔軟当接部材13の材料には、シリコーンゲルの他に、アクリル系ゲル、ポリオレフィン系ゲル、ポリウレタン系ゲルなども利用可能である。
柔軟当接部材13の圧接方向の20%圧縮応力は、2~40kPaであることが好ましい。20%圧縮応力が2~40kPaである柔軟当接部材13は、その形状に依存するものの、JIS K6253に規定するタイプA硬度ではおおむね1以下の材料によって形成される。柔軟当接部材13が、圧接方向の20%圧縮応力が2~40kPaであると、防水部材10が、前面側筐体17と背面側筐体18との間に挟み込まれた際にも、柔軟当接部材13の形状保持性を確保することができる。
なお、この圧縮応力は、試験片の初期厚みに対して20%圧縮(初期高さの80%の高さまで圧縮)し、その圧縮状態を維持したまま30秒後の荷重(N)を測定することで算出できる。より具体的には、20%圧縮したときの柔軟当接部材13と圧接治具とが密着する面積(mm)を測定し、荷重/面積(N/mm)を計算して圧縮応力(kPa=10N/mm)を算出すれば良い。
ここで、防水部材10においては、柔軟当接部材13、第1粘着層14及び第2粘着層16の少なくともいずれかの軟質材料により、防塵シート15のフィラメントの共振が低減、減衰されることが好ましい。
例えば柔軟当接部材13の圧接方向の20%圧縮応力が2~40kPaの範囲内とされることで、防水部材10が、前面側筐体17と背面側筐体18との間に挟み込まれた際に、第2粘着層16を背面側筐体18に対して充分に柔らかく密着させることができる。これによって、防水部材10には、振動に対する減衰効果が得られ、防塵シート15を構成するフィラメントの共振を低減させることができる。さらに、柔軟当接部材13の圧接方向の20%圧縮応力が2~40kPaとされているので、第2粘着層16と背面側筐体18との間の残存気泡による防水性の低下を抑制できる。
柔軟当接部材13は、例えば針入度で示される材料の硬さが柔軟すぎると、その取扱いが困難になりやすい。他方で、柔軟当接部材13は、硬すぎると、防水構造20が形成されるのに必要な圧縮率(例えば30%)を得るための圧縮荷重が増大して、前面側筐体17や背面側筐体18に変形や破損が生じやすくなってしまう。
このため、柔軟当接部材13は、針入度60~190であることが好ましい。針入度60を若干超える程度の材料を用いれば、柔軟当接部材13の20%圧縮応力を40kPa以下に調整しやすく、針入度190以下の材料であれば、特に荷重が大きくなりやすい形状であっても、柔軟当接部材13の20%圧縮応力を2kPa以上にできる。そして、柔軟当接部材13は、針入度60~190の範囲内であることで非常に軟らかいため、前面側筐体17と背面側筐体18に柔軟当接部材13を密着させやすく、前面側筐体17や背面側筐体18に変形や破損が生じる可能性を極めて低くすることができる。そして、柔軟当接部材13の針入度がこの範囲内の充分に小さな硬度であることによって、防水部材10には、振動に対する減衰効果が得られ、防塵シート15を構成するフィラメントの共振を低減させることができる。また、防水部材10には、衝撃に対する緩衝効果も得ることができる。
さらに、柔軟当接部材13は、針入度60~130であることがより好ましい。柔軟当接部材13は、針入度60~130の範囲内であることで、材料が柔軟すぎてその強度が不足することがない。
なお、針入度は、JIS K2220(ISO2137)記載の装置を用い、以下の試験条件で試験片の表面に対して測定した値である。すなわち、針入度は、1/4円すいの代わりにJIS K2207に規定される形状の針を用い、針と針固定具全体の重さを50g(すなわち試験片にかかる重さは、50gのおもりを加えた100g)として25℃条件下で測定した値である。針入度が大きい程、柔軟当接部材13が軟らかいことを示す。軟らかさ(硬さ)の指標として、上記以外にJIS K6253(ISO7619)で規定されるタイプAやタイプEによる指標があるが、柔軟当接部材13は、タイプE硬度ではほぼ0の値を示す。
柔軟当接部材13の損失係数tanδは、0.2~1.9であることが好ましい。第1粘着層14の損失係数tanδは、0.5~1.9であることが好ましい。第2粘着層16の損失係数tanδ0.5~1.9であることが好ましい。柔軟当接部材13、第1粘着層14及び第2粘着層16の少なくとも1つの損失係数tanδが上述の範囲内であると、振動減衰効果によって防塵シート15を構成するフィラメントの共振を低減させることができる。ここでの損失係数tanδは、引張モードの動的粘弾性評価であって、周波数が1Hz、温度が25℃の条件下で測定されたものである。
柔軟当接部材13は、日本工業規格であるJIS K6262(ISO815)に準じて測定される圧縮永久歪、すなわち、50%~80%の範囲の圧縮率で70℃、22時間放置の条件下で測定された圧縮永久歪が5%以下であることが好ましい。この圧縮永久歪が5%以下であれば、前面側筐体17と背面側筐体18の間に防水部材10が圧縮された状態で、圧縮方向とは逆方向の元の形状に復帰しようとする強い弾性力を生じさせる。寸法安定性に優れ、成形不良等の問題が生じにくい。
柔軟当接部材13は、JIS K6251(ISO37)で規定される引張破壊強度が0.05MPa~0.15MPa、同じくJIS K6251(ISO37)で規定される引張破壊伸びが230~400%の範囲内にあることが好ましい。こうした物性を有することから、柔軟当接部材13は、形状保持性を有し、三次元形状に成形することができる。
柔軟当接部材13には自己粘着性を有するものを用いることができる。柔軟当接部材13が自己粘着性を有すると、前面側筐体17及び背面側筐体18に対して容易に貼り付けることができるため好ましい。そうした一方で、柔軟当接部材13に対して非粘着処理を施せば、自己粘着性を有しない防水部材10を得ることもできる。非粘着処理には、薄膜フィルムでの被覆、又は塗膜による被覆、粉体による被覆等が挙げられる。
柔軟当接部材13の防水性能は、電子機器の防水性に関する規格の一つであるJIS C0920(国際規格IEC/EN60529)に定められた保護等級(IPコード)におけるIPX8を満たしていることが好ましい。これは、電子機器がIPX7よりも厳しい条件であるIPX8を満たしている場合、電子機器が長時間水没したとしても、電子機器内部への浸水が避けられるからである。
柔軟当接部材13は、針入度の異なる少なくとも2種以上のものを積層して構成しても良い。例えば針入度が130のゲル状物に、針入度が60の薄いゲル状物を積層すれば、針入度130の高い柔軟性をもって前面側筐体17及び背面側筐体18への追従性を維持しつつ、表面の強度を高めることができ、破損しにくい柔軟当接部材13とすることができる。
防塵シート15は、繊維状に伸長する材料が互い違いに組み合わされた網形状物である。防塵シート15は、図3A及び図4で示すように、例えば「合成樹脂繊維」としてのフィラメントの伸長方向が縦方向である縦糸15aと横方向である横糸15bとが交差した「平織布」としてのメッシュシートである。フィラメントの伸長方向が縦方向及び横方向であるので、例えば開口部Oの形状に沿って、フィラメントの伸長方向を容易に合わせることができる。フィラメントとしては、マルチフィラメントを用いることができるものの、伸びにくい性質を有するモノフィラメントを用いることが好ましい。防塵シート15の材料である合成樹脂としては、例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリウレタンを用いることができる。ただし、防塵シート15には、合成樹脂に限らず、種々の金属及び合金の他、綿、絹、麻、羊毛等の天然繊維を用いることもできる。
メッシュシートは、隣り合うフィラメントの間に網目15cを有している。メッシュシートの網目15cが大きすぎると、塵、埃等の異物が防塵シート15を通り抜けてしまう。他方で、メッシュシートの網目15cが小さすぎると、例えば音響機器の筐体内部と外部との間で音が伝播しにくくなってしまう。このため、メッシュシートの網目15cの寸法は、10~500μmであると、防塵シート15が音は通しつつ、塵や埃が通りにくいため好ましい。別の観点において、メッシュシートの目数は、1~500メッシュ/2.54cmであることが好ましく、10~200メッシュ/2.54cmであるとより好ましい。
メッシュシートには、フィラメントの太さが10μm~300μmのものを用いることができる。これは、フィラメントの太さが10μmよりも細いと取扱いが難しくなり、300μmよりも太いと薄型の装置への適用が難しくなるからである。さらに、防塵シート15と柔軟当接部材13との積層状態において、柔軟当接部材13の形成領域と非形成領域とをフィラメントが可能な限りまたがらなくするため、フィラメントの太さは、柔軟当接部材13の幅より細いことが好ましい(図4参照)。そして、防塵性及び防水性を高めるために、防塵シート15には、導電処理、帯電防止処理、撥水処理等が施されていることが好ましい。
防塵シート15は、図3Aで示すように、格子を形成するフィラメントのそれぞれ(縦糸15a及び横糸15b)が開口部O(剛性基材12)及び柔軟当接部材13の長辺方向及び短辺方向に沿って配置されることが好ましい。その理由は、フィラメントが剛性基材12の長辺方向及び短辺方向に外力Pを受けても、どちらの方向にも伸びにくく、特に防塵シート15の長辺方向への伸びを小さくできるからである。したがって、防塵シート15の網目15cの面積(開口面積)が広がることによる防水性及び防塵性の低下を防ぐことができる。
それ以外にも、開口部Oに露出するフィラメントの長さが縦糸15a及び横糸15bともにそれぞれ最短になるため、フィラメントの共振及びビビリ音の発生を抑制することができる。さらに、フィラメントの伸長方向が開口部Oの長辺方向及び短辺方向に沿っていて見栄えが良く、製造時において、フィラメントの配置方向に基準が設けられることによって、製品間のばらつきが低減するため、音響品質を安定させることもできて好ましい。そして、フィラメントの端部(切断部)における繊維のたわみ、ほつれが防止される。
これに対して、図3Bで示すように、格子を形成するフィラメントのそれぞれが開口部O(剛性基材12)及び柔軟当接部材13の長辺方向に対して斜めになるように防塵シート15を配置する場合には、剛性基材12の長辺方向にフィラメントが変形しやすい。すなわち、図3Bで示すように、フィラメントの伸長方向が開口部Oの長辺方向に対して斜めであると、防塵シート15の積層時に外力Pを受けて、開口部Oの長辺方向及び短辺方向に引っ張られる。そして、防塵シート15は、図3Cで示すように、網目15cが伸び変形して広がった状態で防水部材10の中で第1粘着層14及び第2粘着層16によって固定され、防塵性、防水性及び音響特性が低下してしまう。このため、柔軟当接部材13の長辺の伸長する方向と防塵シート15のフィラメントの伸長方向との交差角度は、±3.0度以内とすることが好ましく、±1.5度以内がより好ましい。
フィラメントは、図4で示すように、柔軟当接部材13の形成されている下面幅内を伸長し、柔軟当接部材13の形成されていない領域に向かって柔軟当接部材13の幅方向にはみ出さないように防塵シート15が配置されることが好ましい。これは、柔軟当接部材13の曲線部においても同様である。さらに、柔軟当接部材13の曲線部では、フィラメントは、柔軟当接部材13の幅方向、すなわち斜め方向には伸長しないように防塵シート15が配置されることが好ましい。これによって、柔軟当接部材13が長辺方向に均一に加圧され、前面側筐体17及び背面側筐体18への密着性、防水性が高まる。
防塵シート15の網目15cの寸法は、開口部O(剛性基材12)の長辺方向と短辺方向とにおいて異なっていても良い。防塵シート15の網目15cの寸法は、例えば剛性基材12の短辺方向と比べて剛性基材12の長辺方向により長くすることができる。この場合においては、フィラメントの密度が短辺方向よりも長辺方向で低くなり(言い換えれば長辺方向に延在する防塵シート15の構成部材が短辺方向よりも多くなり)、長辺方向に伸びにくい防塵シート15とすることができる。
フィラメントが網形状に交差する箇所(交点)は、結び目が設けてあったり、潰され平坦化していたり、熱融着されていたりして固着した形態であることが好ましい。こうすることで網目15cがずれずに、その形状及び寸法が維持しやすくなり、より伸長しにくい防塵シート15とすることができる。
防塵シート15は、第1粘着層14と、第2粘着層16とに表裏両面から挟まれ、それぞれが防塵シート15を構成する各フィラメントの隙間に入り込む。そして、剛性基材12によって、防塵シート15のフィラメントの伸長方向及び網目15cの形状が支持される。
第1粘着層14及び第2粘着層16には、種々の粘着材を用いることができる。例えばアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、天然ゴム系粘着材、合成ゴム系粘着材、その他の粘着性樹脂及び粘着性ゴム並びにこれらの2種以上の混合物でなる粘着材が挙げられる。その中でも、修理、部品交換等で前面側筐体17と背面側筐体18とを分離する場合もあることから、前面側筐体17、背面側筐体18に対して固着しない材料が好ましい。第1粘着層14及び第2粘着層16には、例えばPEフォームを基材とし、その両面に、耐候性、熱性に優れる性質を有する架橋アクリル系粘着剤が積層された両面粘着テープが用いられる。第1粘着層14及び第2粘着層16は、粘着材を表面に有する両面粘着テープであることが好ましいものの、粘着性物質のみからなる構成であっても良い。
防水部材10は、取付け対象物である電子機器等の前面側筐体17及び背面側筐体18の形状及び大きさに応じた寸法とされる。一例として、柔軟当接部材13の高さ(厚み)を0.2~5.0mm、その幅を0.2~2.0mm、剛性基材12の厚みを0.05~3.0mm、第1粘着層14及び第2粘着層16の厚みを0.01~0.50mmとすることができる。第1粘着層14及び第2粘着層16は、厚みが薄いものの、粘性体であることによって振動減衰性を有している。
防水部材10の製造方法[図5]
防水部材10の製造方法の一例を説明する。まず剛性基材12としての樹脂フィルム及び柔軟当接部材13としてのゲル状高分子材料が用意される。樹脂フィルムには、例えば厚みが125μmのPETフィルムが用いられ、ゲル状高分子材料には、例えばシリコーンゲルが用いられる。
剛性基材12は、金型内に配置され、その表側面12aに柔軟当接部材13が一体(フィルムインサート)成形される。剛性基材12と柔軟当接部材13との組合せは、複数個まとめて形成されても良い。柔軟当接部材13は、金型によるインサート成形に限らず、ディスペンス塗布による硬化成形によって設けられても良い。柔軟当接部材13は、剛性基材12とは別体で形成された後に、剛性基材12と一体化されても良い。柔軟当接部材13を剛性基材12と一体化する際には、柔軟当接部材13が有する自己粘着性が利用されても良く、接着剤、プライマー等が用いられても良い。柔軟当接部材13は、環形状に伸長するように形成されており、表側面12aに積層される。そして、柔軟当接部材13は、例えば幅が500μm、高さが600μmに形成される。
次に、第1粘着層14として、例えば剥離フィルム付きの両面粘着テープが用意される。そして、第1粘着層14は、剛性基材12の裏側面12bに貼りつけられる。第1粘着層14は、粘着剤の塗布によって設けられても良い。第1粘着層14として粘着剤が塗布された場合には、粘着力の低下を抑制するために、その粘着面14aを剥離フィルムで覆うことが好ましい。
剛性基材12の表側面12aに柔軟当接部材13を形成し、裏側面12bに第1粘着層14を設けることによって、第1の積層体Aが構成される。すなわち、第1の積層体Aは、柔軟当接部材13と、剛性基材12と、第1粘着層14とによる積層構造である。
第1の積層体Aにおいて、環形状に伸長する柔軟当接部材13よりも内周側の領域が切断刃によって切断除去され、剛性基材12と第1粘着層14とを貫通する開口部Oが形成される。剛性基材12及び第1粘着層14は、あらかじめ開口部Oが形成された状態で積層されても良い。
他方で、防塵シート15として、例えば織布が用意されるとともに、第2粘着層16として、例えば剥離フィルム付きの両面粘着テープが用意される。織布には、例えばポリエステル系モノフィラメントからなる平織りのメッシュシートが用いられる。メッシュシートは、例えばモノフィラメントの線径が75μm、網目15cの開口径(目開き)が125μm、すなわちメッシュのピッチが200μmであって、その厚さが100μmとされている。第2粘着層16は、粘着剤の塗布によって設けられても良い。第2粘着層16として粘着剤が防塵シート15に塗布された場合には、粘着力の低下を抑制するために、防塵シート15に塗布された面とは反対側となる粘着面16aを剥離フィルムで覆うことが好ましい。
第2粘着層16が両面粘着テープである場合には、あらかじめ開口部Oが形成された状態で用意される。そして、第2粘着層16は、防塵シート15の片側の底面に貼りつけられる。防塵シート15は、原反で用意され、原反から引き出されて第2粘着層16に重ね合わされる。第2粘着層16に対して防塵シート15を重ね合わせる際には、貼り合わせ位置決め用の治具が用いられ、防塵シート15のフィラメントの伸長方向が第2粘着層16の開口部Oの開口縁と平行となるように調整される。
こうして、防塵シート15に第2粘着層16を設けることによって、第2の積層体Bが構成される。すなわち、第2の積層体Bは、防塵シート15と、第2粘着層16とによる積層構造である。
第1の積層体Aから剥離フィルムが除去され、第1粘着層14が露出されるようにする。その第1粘着層14の粘着面14aと、第2の積層体Bの防塵シート15とが対向するように重ね合わされる。第1粘着層14に対して防塵シート15を重ね合わせる際には、貼り合わせ位置決め用の治具が用いられ、防塵シート15のフィラメントの伸長方向が剛性基材12の開口部Oの開口縁と平行となるように調整される。
このように、防水部材10は、剛性基材12を有する側の第1の積層体Aと、防塵シート15を有する側の第2の積層体Bとを貼り合わせることで形成することができる。このため、剛性基材12の伸長方向と、防塵シート15のフィラメントの伸長方向とが平行に近づくように、容易に合わせることができる。
防水部材10の各部位における外形が未形成、すなわち1枚の積層シート上に防水部材10が複数形成されている場合には、最後に製品形状に外形を打ち抜くことで防水部材10を得ることができる。剛性基材12が、開口部Oを有しているので、開口部Oに防塵シート15を重ね合わせるように配置する簡単な構成で防水性と防塵性とが両立した防水部材10を構成することができる。そして、柔軟当接部材13、第1粘着層14及び第2粘着層16が環形状であることから、開口部Oの外周を複数の環状の層によって防水することができる。
こうして形成された防水部材10は、電子機器の筐体等の前面側筐体17に設けられている開口を覆うようにして取り付けられる。これによって、柔軟当接部材13と前面側筐体17との間で防水機能が発揮されるとともに、防塵シート15が開口を覆うことによって、防塵機能が発揮される。その際に、第2粘着層16と背面側筐体18との間でも防水機能が発揮される。
前面側筐体17には、多くの場合にガラスが使われる。これによって、前面側筐体17は、強度を有しながら内部の液晶等を表示することができる。他方で、ガラスは、過度な荷重がかかると割れてしまう。しかしながら、防水部材10では、柔軟当接部材13が前面側筐体17に対して充分に柔らかく接触するように構成されている。このため、防水部材10では、前面側筐体17が破損してしまうことを防ぎながら、防水及び防塵機能を発揮することができる。
防水部材10は、前面側筐体17に対する柔軟当接部材13及び背面側筐体18に対する第2粘着層16の少なくとも一方が着脱可能に取り付けられるものとして構成されている。これによって、修理、部品交換等で前面側筐体17と背面側筐体18とを分離する際に、前面側筐体17及び背面側筐体18並びに防水部材10をいずれも破壊することなく分解することができる。
第2実施形態[図6]
第1実施形態では、前面側筐体17と背面側筐体18とを組み合わせることで構成される電子機器の筐体に対して防水部材10が取り付けられる例を示した。しかしながら、例えば音響部品に対して防水部材10が直接取り付けられる防水構造20として防水部材10を用いることもできる。防水部材10を音響部品に対して直接取り付ける構成であるため、防水部材10を例えば電子機器の筐体に取り付ける場合と比べて、容易に小型化、薄型化を図ることができる。
本実施形態の防水構造20では、「第1部材」が音響機器筐体21の内面として、「第2部材」が「音響部品」としてのスピーカユニット22の上面として、防水部材10が配置されている。すなわち、音響機器筐体21の内面と、スピーカユニット22の上面との間に防水部材10が装着されている。スピーカユニット22の上面に対して第2粘着層16が粘着されている。その上で、音響機器筐体21の内面によって柔軟当接部材13が加圧圧縮されることで、音響機器筐体21の内部への防水が実現される。他方で、防塵シート15がスピーカユニット22を覆っているため、防塵シート15の網目15cから音声は通しつつ、防水及び防塵が図られている。
防塵シート15は、音響機器筐体21の開口21aを通して視認可能な場合がある。ここで、音響機器筐体21の開口21aに、長辺と短辺とがある場合には、開口21aの長辺と、防塵シート15のフィラメントの伸長方向とが平行であると、見栄えが良く、製品間のばらつきをなくせて好ましい。
「音響部品」としては、例えばスピーカ、マイクロホン、ブザーが挙げられる。そして、本実施形態では、樹脂パーツ等で囲まれたスピーカユニット22に対して防水部材10が取り付けられているものの、単体のスピーカの表面に直接取り付けられても良い。さらに、ここでは、「第1部材」を音響機器筐体21、「第2部材」をスピーカユニット22として防水部材10が取り付けられる例を示した。しかしながら、これとは逆に、音響機器筐体21の内面に対して第2粘着層16が粘着され、スピーカユニット22の上面によって柔軟当接部材13が加圧圧縮されていても良い。
変形例
柔軟当接部材13の損失係数tanδは、0.2~1.9であって、第1粘着層14及び第2粘着層16の損失係数tanδは、0.5~1.9であっても良い。その中で、柔軟当接部材13、第1粘着層14及び第2粘着層16の全てで損失係数tanδが異なっていても良い。損失係数tanδが異なると、減衰性の高い周波数領域が異なる。このため、減衰効果の異なる柔軟当接部材13、第1粘着層14及び第2粘着層16の積層構造に基づく振動減衰効果によって、「音響部品」が発する幅広い周波数の音に対して、防塵シート15を構成するフィラメントの共振を低減させることができる。このように、防水部材10の変形例による構成によれば、柔軟当接部材13、第1粘着層14及び第2粘着層16の各々が、防塵シート15のフィラメントの振動を減衰、緩衝させる効果を有し、共鳴やビビリ音の対策になる。
上述の防水部材10では、柔軟当接部材13が表側面12aと比べて細幅で形成されている例を示した。すなわち、表側面12aは、柔軟当接部材13よりも開口部Oの開口縁寄りである内周領域と、柔軟当接部材13よりも表側面12aにおける4つの辺寄りである外周領域とにおいては剛性面として露出している(図2A参照)。しかしながら、柔軟当接部材13は、表側面12aの全面に亘って形成されていても良い。
図7で示すように、例えば柔軟当接部材13と隣り合う内周領域及び外周領域の少なくとも一方には、柔軟当接部材13と同じ材料によって形成された薄膜層13aが剛性基材12の表側面12aを覆っていても良い。薄膜層13aは、積極的に形成したものだけでなく、柔軟当接部材13の形成の際に「ばり」として意図せずに形成されたものも含む。薄膜層13aが内周領域や外周領域に形成されることによって、柔軟当接部材13が剛性基材12から剥がれるきっかけとなる箇所、例えば段差部や角部を減らして、剛性基材12に対する柔軟当接部材13の安定した固着状態の維持に寄与することができる。さらに、前面側筐体17と背面側筐体18とによる押圧力を柔軟当接部材13だけでなく薄膜層13aに分散させることができるため、柔軟当接部材13への過度な押圧が避けられて、柔軟当接部材13が圧縮に耐えやすくなる。
以下に、実施例を示して、本実施形態の防水部材10等をより詳細、かつ具体的に説明する。しかしながら、本実施形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
実施例1では、柔軟当接部材13を試料とした。柔軟当接部材13には、針入度が130のシリコーンゲルを用いた。柔軟当接部材13は、110℃、30分間の条件で硬化させることで、シリコーンゲル成形体として作製した。
実施例2
実施例2では、衝撃吸収ゲル材(株式会社タイカ製、ゲルシート θ-7)を試料とした。衝撃吸収ゲル材は、針入度100のシリコーン系ゲルシートである。
比較例1
比較例1として柔軟当接部材13に相当する試料を作製した。試料には、JIS K 6253に準拠したデュロメータ タイプAの計測器で測った硬度がA10のシリコーンゴム(モメンティブ社製、LSR2010)を用いた。
比較例2
比較例2では、制振グレード材料(信越化学工業株式会社製、KE-5550)を試料とした。制振グレード材料は、硬度がA50の防振用シリコーンゴムである。
損失係数tanδ測定
損失係数tanδは、動的粘弾性測定器(セイコーインスツル株式会社製、DMS6100)を用いて温度が25℃、周波数が1Hz及び30Hzのときの値を引張正弦波モードで測定した。試験片は1mm厚みのシートを、10mm×40mm×1mmに打ち抜いたものを使用した。
Figure 0007421163000001
表1で示すように、柔軟当接部材13に相当する構成について、実施例1では、各比較例と比べると、損失係数tanδが大きな値(1.2倍~2.6倍程度)となった。特に1Hzにおける損失係数tanδの値が顕著に大きいことがわかった。実施例2では、30Hzにおける損失係数tanδの値が顕著に大きいことがわかった。したがって、本実施形態の柔軟当接部材13が高い振動減衰効果を奏する構成であることが示された。
以上の実施例の結果から本実施形態の柔軟当接部材13は、振動減衰性が充分に大きく、これによって、内部減衰が大きくなって防塵シート15のモノフィラメントの共振を効果的に防止できることが示された。
上記実施形態及び実施例は本発明の例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、実施形態の変更又は公知技術の付加、又はこれらの組合せ等を行い得るものであって、それらの技術も本発明の範囲に含まれるものである。
10 防水部材
10a タブ
12 剛性基材
12a 表側面(剛性基材)
12b 裏側面(剛性基材)
13 柔軟当接部材
13a 薄膜層
14 第1粘着層
14a 粘着面
15 防塵シート
15a 縦糸
15b 横糸
15c 網目
16 第2粘着層
16a 粘着面
17 前面側筐体(第1部材)
18 背面側筐体(第2部材)
20 防水構造
21 音響機器筐体(第1部材)
21a 開口
22 スピーカユニット(第2部材)(音響部品)
A 第1の積層体
B 第2の積層体
O 開口部
P 外力

Claims (12)

  1. 第1部材と第2部材との間に挟んで前記第1部材と前記第2部材との間を防水する防水部材において、
    剛性基材と、
    前記剛性基材の第1の面に設けられ前記第1部材に圧接される柔軟当接部材と、
    前記第1の面とは反対側である前記剛性基材の第2の面に設けられる第1粘着層と、
    前記第2部材に粘着する第2粘着層と、
    前記第1粘着層と前記第2粘着層との間に設けられ防塵機能を有する防塵シートとを備え、
    前記剛性基材、前記第1粘着層、前記防塵シート及び前記第2粘着層による積層の外周に、外方に向かって突出するタブを有することを特徴とする
    防水部材。
  2. 前記剛性基材は、前記第1の面と前記第2の面との間を貫通する開口部を有し、
    前記柔軟当接部材、前記第1粘着層及び前記第2粘着層は、前記開口部を形成する開口縁を囲む環形状である
    請求項1記載の防水部材。
  3. 前記防塵シートは、合成樹脂繊維の伸長方向が縦方向と横方向とに交差した平織布である
    請求項1又は請求項2記載の防水部材。
  4. 前記柔軟当接部材及び前記剛性基材の長辺の伸長方向と、前記防塵シートの前記合成樹脂繊維の伸長方向との交差角度が±3.0度以内である
    請求項3記載の防水部材。
  5. 前記柔軟当接部材の損失係数tanδが0.2~1.9及び/又は
    前記第1粘着層及び/又は前記第2粘着層の損失係数tanδが0.5~1.9である
    請求項1~請求項4いずれか1項記載の防水部材。
  6. 前記柔軟当接部材は、架橋シリコーンゲルによって構成されており、
    前記第1粘着層及び前記第2粘着層は、架橋アクリル系粘着剤によって構成されている
    請求項1~請求項5いずれか1項記載の防水部材。
  7. 前記柔軟当接部材は、圧接方向の20%圧縮応力が2~40kPaである
    請求項1~請求項6いずれか1項記載の防水部材。
  8. 前記柔軟当接部材は、針入度60~190である
    請求項1~請求項7いずれか1項記載の防水部材。
  9. 前記剛性基材の前記第1の面に前記柔軟当接部材形成され、前記第2の面に前記第1粘着層設けられた第1の積層体と、
    前記防塵シートに前記第2粘着層設けられており、前記剛性基材の伸長方向と、前記防塵シートの合成樹脂繊維の伸長方向と平行に、前記第1の積層体に貼り合わせられた第2の積層体とを有す
    請求項1~請求項いずれか1項記載の防水部材。
  10. 前記第1部材に対する前記柔軟当接部材及び前記第2部材に対する前記第2粘着層の少なくとも一方が着脱可能に取り付けられる
    請求項1~請求項いずれか1項記載の防水部材。
  11. 前記第1部材が音響機器筐体の内面として、前記第2部材が音響部品の上面として、
    請求項1~請求項1いずれか1項記載の防水部材が配置される
    防水構造。
  12. 前記第1部材は、ガラスであり、
    請求項1~請求項1いずれか1項記載の防水部材の前記柔軟当接部材を圧接する
    防水構造。
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