JP7420530B2 - ドレッシング面評価装置、ドレッシング装置、および、研削加工装置 - Google Patents

ドレッシング面評価装置、ドレッシング装置、および、研削加工装置 Download PDF

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本発明は、研削砥石がドレッサにより整形されるドレッシング状態を評価するためのドレッシング面評価装置、およびそのドレッシング面評価を備えたドレッシング装置に関し、特にドレッシング面を正確に評価する技術に関するものである。
研削砥石を構成する砥粒などの破砕に関連して発生する破砕音を表すAE信号(acoustic emission signal:周波数がたとえば100kHz以上の超音波領域である振動波)を検出し、そのAE信号に基づいて研削焼け、目詰まり、砥石の切れ味、砥石周面状態などの研削砥石の研削面状態或いはドレッシング状態を判定し或いは監視する装置が提案されている。たとえば、特許文献1には、ビトリファイド研削砥石において発生する研削砥石側AE信号を検出するための研削砥石側AEセンサと、被削材において発生する被削材側AE信号を検出するための被削材側AEセンサと、前記研削砥石側AE信号および被削材側AE信号を周波数解析する周波数解析部と、その周波数解析部によりそれぞれ周波数解析された研削砥石側AE信号および被削材側AE信号に基づいて、前記ビトリファイド研削砥石の研削面状態を判定することで、研削砥石の研削面状態の判定或いは評価の精度が充分に得られるドレッシング面評価装置が提案されている。
上記従来のドレッシング面評価装置では、ビトリファイド研削砥石に関して、研削砥石側AEセンサから出力される研削砥石側AE信号は、砥粒と無機結合材との界面剥離(100kHzから2MHz)、砥粒自体のクラック(100kHzから2MHz)、無機結合材自体のクラック(100kHzから2MHz)を表し、被削材側AEセンサから出力される被削材側AE信号は、被削材の塑性変形(100kHzから800kHz)、被削材の脆性破壊(200kHzから700kH)を表すとされており、それら研削砥石側AE信号および被削材側AE信号から周波数解析により得られた本来のAE信号がニューラルネットワークに入力されることで、たとえば研削砥石の研削焼けや表面状態が判定されるとされている。
特開2000-233369号公報
しかしながら、上記従来のドレッシング面評価装置では、研削砥石のドレッシング中におけるドレッシング面に適用しようとすると、砥粒自体の破砕および無機結合材自体の破砕は、研削砥石側AE信号中の同じ周波数成分(100kHzから2MHz)として検出されるものであるため、上記砥粒自体の破砕および無機結合材自体の破砕を、それぞれ独立して検出することができず、研削砥石等の研削砥石の目つぶれや目こぼれを定量的に評価することができなかった。
ビトリファイド研削砥石等の研削砥石のドレッシング面において目つぶれや目こぼれを定量的に評価することができると、ドレッシング装置にフィードバックすることで、研削能率、ホイール周速、ワーク回転数、ワーク送り速度などを制御して適切なドレッシング条件を持続させ、ドレッシング品質を維持しつつ能率的なドレッシングを行なうことが期待できる。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、検索砥石のドレッシング面における目つぶれや目こぼれを定量的に評価できるドレッシング面評価装置、ドレッシング装置、および、研削加工装置を提供することにある。
本発明者は、以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、ドレッシング中にAEセンサから出力されるAE信号を比較的高速且つ高分解能のAD変換器を用いてデジタル化した後、周波数解析(FFT)すると、パワースペクトラムのうち100kHzよりも低い周波数帯において、相対的に低周波数の第1波長帯のピーク信号群と、第1波長帯よりも相対的に高周波の第2波長帯のピーク信号群とが、周波数軸上において明確に現れるという事実を見いだした。また、上記第1波長帯のピーク信号群は研削砥石の砥粒の破砕に由来するものであり、上記第2波長帯のピーク信号群は砥粒とドレッサとの接触(擦れ)により生じる摩擦振動や弾性振動に由来するものであるという事実を見いだした。本発明は、斯かる知見に基づいて為されたものである。
すなわち、第1発明の要旨とするところは、(a)ドレッサを用いてドレッシングされる研削砥石のドレッシング面の目つぶれ状態および目こぼれ状態を評価するためのドレッシング面評価装置であって、(b)前記研削砥石において発生する振動を検出し、AE信号を出力するAEセンサと、(c)前記AEセンサから出力されるAE信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、(d)前記A/D変換器によりデジタル信号に変換されたAE信号を周波数解析してパワースペクトラムを得る周波数解析部と、(e)前記周波数解析部により得られたパワースペクトラムのうち、前記研削砥石の砥粒の破砕に関連して大きい値となるほど前記砥粒の目こぼれの進行を反映し、小さい値となるほど前記砥粒の目つぶれの進行を反映する第1波長帯の第1信号強度および前記研削砥石の砥粒と前記ドレッサとの接触により発生する摩擦振動或いは弾性振動に関連して大きい値となるほど前記砥粒の目つぶれの進行を反映し、小さい値となるほど前記砥粒の目こぼれの進行を反映する第2波長帯の第2信号強度を算出し、前記第1波長帯の第1信号強度および第2波長帯の第2信号強度に基づいて前記研削砥石のドレッシング面の目つぶれ状態および目こぼれ状態に関連する評価値を出力するドレッシング面状態出力部とを含み、(f)前記第1波長帯の第1信号強度および前記第2波長帯の第2信号強度は、積分値または移動平均値であり、(g)前記ドレッシング面状態出力部は、前記第1波長帯の第1信号強度および前記第2波長帯の第2信号強度の信号強度比を算出し、前記信号強度比に基づいて前記研削砥石のドレッシング面の目つぶれ状態および目こぼれ状態に関連する前記評価値を出力することにある。
第1発明のドレッシング面評価装置によれば、前記研削砥石の砥粒の破砕に関連する第1波長帯の第1信号強度に基づいて算出された評価値は、研削砥石のドレッシング面の砥粒の破砕状態を示す値であって、小さい値となるほど、研削砥石のドレッシング面の目つぶれ状態の進行を反映する。前記研削砥石の砥粒と前記ドレッサとの接触により生じる摩擦振動或いは弾性振動に関連する第2波長帯の第2信号強度に基づいて算出された評価値は、砥粒の脱落状態を示す値であって、小さい値となるほど研削砥石のドレッシング面の目こぼれの進行を反映する。これにより、前記ドレッシング面状態出力部により算出された評価値に基づいて、研削砥石のドレッシング面の目つぶれ状態の進行、または前記研削砥石のドレッシング面における目こぼれ状態を、定量的に評価することができる。
また、前記ドレッシング面状態出力部は、前記第1波長帯の第1信号強度および前記第2波長帯の第2信号強度の積分値または移動平均値を算出し、前記第1波長帯の第1信号強度および前記第2波長帯の第2信号強度の積分値または移動平均値の信号強度比を算出し、前記信号強度比に基づいて前記研削砥石のドレッシング面の目つぶれ状態および目こぼれ状態に関連する前記評価値を出力する。これにより、大きい値となるほど前記砥粒の目こぼれの進行を反映し、小さい値となるほど研削砥石のドレッシング面の目つぶれ状態の進行を反映する第1波長帯の第1信号強度と、大きい値となるほど前記砥粒の目つぶれの進行を反映し、小さい値となるほど研削砥石のドレッシング面の目こぼれ状態の進行を反映する第2波長帯の第2信号強度との比によって、研削砥石のドレッシング面の目つぶれ状態の進行と目こぼれ状態の進行とが強調されるので、研削砥石の目つぶれ状態の進行、および前記研削砥石のドレッシング面の目こぼれ状態の進行を、正確に評価することができる。
また、好適には、前記ドレッシング面評価装置において、前記ドレッシング面状態出力部から出力された評価値を表示する表示装置が、含まれる。これにより、目視によって、研削砥石のドレッシング面の目つぶれ状態の進行、および/または前記研削砥石のドレッシング面の目こぼれ状態の進行を、正確に評価することができる。
また、好適には、前記ドレッシング面評価装置において、前記第1波長帯は、25から40kHzの波長帯の一部を含む波長帯であり、前記第2波長帯は、45から65kHzの波長帯の一部を含む波長帯であることにある。これにより、研削砥石のドレッシング面の目つぶれ状態の進行に対応する第1波長帯の第1信号強度、および/または前記研削砥石のドレッシング面の目こぼれ状態の進行に対応する第1波長帯の第1信号強度を用いて、前記研削砥石のドレッシング面状態を定量的に評価することができる。
また、好適には、前記ドレッシング面評価装置において、前記第1波長帯は、25から40kHzの波長帯であり、前記第2波長帯は、45から65kHzの波長帯であることにある。これにより、前記研削砥石のドレッシング面の目つぶれ状態の進行に対応する第1波長帯の第1信号強度、および/または前記研削砥石のドレッシング面の目こぼれ状態の進行に対応する第2波長帯の第2信号強度を用いて、前記研削砥石のドレッシング面状態を定量的に評価することができる。
また、好適には、前記ドレッシング面評価装置において、前記A/D変換器のサンプリング周期は、10μ秒以下である。これにより、研削砥石のドレッシング面の目つぶれ状態の進行を反映する第1波長帯の第1信号強度、および/または前記研削砥石の目こぼれ状態の進行を反映する第2波長帯の第2信号強度が得られる。
また、好適には、前記研削砥石の研削面をドレッサを用いてドレッシングするドレッシング装置であって、前記ドレッシング面状態出力部から出力された評価値が予め設定された目標評価値となるように、前記ドレッサの送り速度、前記研削砥石の周速度、および、前記ドレッサの周速度のうちの少なくとも一つを調節するドレッシング制御部を備える。これにより、ドレッシング条件が適切に自動制御されるので、ドレッシング面の品質のばらつきがない。
また、好適には、前記研削砥石を用いて被削材を研削加工するとともに、ドレッサを用いて前記研削砥石をドレッシングする研削加工装置であって、前記ドレッシング面状態出力部から出力された評価値が予め設定されたドレッシング開始条件となると、前記研削砥石を用いた前記被削材の研削加工を停止させ、ドレッシング制御部に前記ドレッサによる前記研削砥石のドレッシングを開始させる研削自動制御部を備える。これにより、研削砥石の目つぶれおよび目こぼれが所定の状態に到達した適切なタイミングでドレッシングが自動的に開始されるので、被削材の品質のばらつきが抑制される。
本発明の一実施例のドレッシング面評価装置を備える研削加工装置の構成を説明する図である。 図1の研削加工装置による研削面状態におけるビトリファイド砥石から得られるAE信号の発生メカニズムを説明する図である。 ダイヤモンド電着砥石を用いてセラミック板を研削したときに発生したAE信号波から得られたパワースペクトラムを示す図である。 CBN電着砥石を用いてセラミック板を研削したときに発生したAE信号波から得られたパワースペクトラムを示す図である。 CBNレジノイド砥石を用いてセラミック板を研削したときに発生したAE信号波から得られたパワースペクトラムを示す図である。 CBNレジノイド砥石がロータリドレッサによりドレッシングされたときに発生したAE信号波から得られたパワースペクトラムを示す図である。 本発明者が行なった周速度比が相違する3種類のドレッシング試験のうち、周速度比Vd/Vgが1.0でダウンカットである場合のドレッシング試験において得られたパワースペクトラムを示す図である。 本発明者が行なった周速度比が相違する3種類のドレッシング試験のうち、周速度比Vd/Vgが0.3でダウンカットである場合のドレッシング試験において得られたパワースペクトラムを示す図である。 本発明者が行なった周速度比が相違する3種類のドレッシング試験のうち、周速度比Vd/Vgが1.0でアップカットである場合のドレッシング試験において得られたパワースペクトラムを示す図である。 図7から図9に示す3種類のパワースペクトラムから充分な大きさのピーク波形の存在を示すために設定された閾値を設定し、ピーク波形のうちの前記閾値を超えものを発生と判定して黒色領域で示したピーク波形発生マップを示す図である。 ビトリファイド砥石を周速度比が異なる4種類のドレッシング条件を用いてそれぞれドレッシングしたときに得られた第1信号強度SP1、第2信号強度SP2、および信号強度比SRを示す図である。 CBNビトリファイド砥石を用いて鋼材を研削したときに発生したAE信号波から得られたパワースペクトラムを示す図である。 CBN電着砥石を用いて鋼材を研削したときに発生したAE信号波から得られたパワースペクトラムを示す図である。 CBNビトリファイド砥石を用いて繰り返し研削を行なったときに、第1波長帯B1から得られる第1信号強度SP1(振動強度積分値)、およびCBNビトリファイド砥石の単位面積当たりの累積破砕砥粒数(粒/mm)の変化を示す折線グラフである。 CBNビトリファイド砥石を用いて繰返し研削を行なったときに、第2波長帯B2から得られる第2信号強度SP2(振動強度積分値)、およびCBNビトリファイド砥石の砥粒の作用面積率(%)の変化を示すグラフである。 研削工具の周速、切込み速度、被削材の材質が異なる4種類の加工条件1~4でそれぞれ繰り返し研削を行なったときの11カットから14カットの平均値として得られた振動強度比(SP1/SP2)の大きさを対比可能に示す棒グラフである。 図15の条件1での加工後においてCBNビトリファイド砥石の研削面をレーザ顕微鏡によって計測した3Dマップである。 図15の条件2での加工後においてCBNビトリファイド砥石の研削面をレーザ顕微鏡によって計測した3Dマップである。 図15の条件3での加工後においてCBNビトリファイド砥石の研削面をレーザ顕微鏡によって計測した3Dマップである。 図15の条件4での加工後においてCBNビトリファイド砥石の研削面をレーザ顕微鏡によって計測した3Dマップである。 本発明者が行なった切込速度が相違する2種類の研削試験のうち、切込速度がR0.8(mm/分)である場合の研削試験において得られたパワースペクトラムを示す図である。 本発明者が行なった切込速度が相違する2種類の研削試験のうち、切込速度がR2.8(mm/分)である場合の研削試験において得られたパワースペクトラムを示す図である。 目つぶれ条件として切込速度がR0.8(mm/分)を、目こぼれ条件として切込速度がR2.8(mm/分)を採用した場合について、それぞれの条件での研削試験において得られたパワースペクトラムから算出した信号強度比SR(=SP1/SP2)を縦軸とし、研削ホイールの単位円周長さ当たりの研削代断面積(mm/mm)を横軸として示す図である。 図22における研削代断面積(mm/mm)が0から5の領域を拡大して示す図である。 図1のドレッシング面評価装置の研削面状態表示装置の表示例を示す図である。 図1のドレッシング面評価装置の研削面状態表示装置の他の表示例を示す図である。 図1の研削自動制御部による自動制御において、実際の信号強度比SRを目標信号強度比SRTに追従させるフィードバック制御を示す図である。 CBN電着砥石を用いて繰り返し研削を行ったときに研削加工回数すなわちカット数に対して、研削加工された被削材の表面粗さRaおよび第1波長帯B1の第1信号強度SP1(振動強度積分値)の値の推移を示す図である。 CBN電着砥石を用いて繰り返し研削を行ったときに研削加工毎すなわちカット毎に、研削ホイール14を駆動するモータの駆動電力波形と、第1波長帯B1の第1信号強度SP1(振動強度積分値、●印)と、表面粗さRa(△印)とを示す図である。 研削中における図1の演算制御装置および研削制御装置による制御作動の要部を説明するフローチャートである。 研削中における図1の演算制御装置および研削制御装置による制御作動の要部であって、他の例を説明するフローチャートである。 研削中における図1の演算制御装置および研削制御装置による制御作動の要部であって、他の例を説明するフローチャートである。 研削中における図1の演算制御装置および研削制御装置による制御作動の要部であって、他の例を説明するフローチャートである。 図33のドレッシング制御起動指令に従って図1のドレッシング制御部によるドレッシングが実行された場合の信号強度比SRの変化を示す図である。 研削中における図1の演算制御装置および研削制御装置による制御作動の要部であって、他の例を説明するフローチャートである。 第2信号強度SP2の累積値に閾値を設け、ドレッシング制御起動の指示を出し、ドレッシング制御部によるドレッシングが実行された場合の加工数と第2信号強度の累積値SP2Rを示す図である。 ドレッシング中における図1の演算制御装置および研削制御装置による制御作動の要部であって、他の例を説明するフローチャートである。 CBNビトリファイド砥石をロータリドレッサを用いてドレッシングを行なったときに、信号強度比SRを目標値0.55となるように自動制御したときの実際の信号強度比SRを、自動制御しないときの信号強度比SRと対比して示す折線グラフである。 ドレッシング中における図1の演算制御装置および研削制御装置による制御作動の要部であって、他の例を説明するフローチャートである。 ドレッシング中における図1の演算制御装置および研削制御装置による制御作動の要部であって、他の例を説明するフローチャートである。 研削ホイールの砥石部に対して、研削ホイールの回転中心線に平行な方向に、ドレッサを移動させて行なうドレッシングを説明する図である。 図41のドレッシングにおいてAEセンサから出力される出力信号を示す図であって、(a)は研削ホイールの振れが除去されないときの出力信号を示し(b)は研削ホイールの振れが除去された後の出力信号を示している。 図41のドレッシングにおいて、第1波長帯B1から抽出された第1信号強度SP1がドレッシング(ツルーイング)の切込量の増加にともなって増加するが、所定の切込量に到達した以後は一定値に飽和する性質を示す図である。 研削ホイールの砥石部に対して、総型ドレッサを用いてプランジドレッシングを説明する図である。 図41のプランジドレッシングにおいてAEセンサから出力される出力信号を示す図である。 図44のプランジドレッシングにおいて、第1波長帯B1から抽出された第1信号強度SP1がドレッシング(ツルーイング)の切込量の増加にともなって増加するが、所定の切込量に到達した以後は一定値に飽和する性質を示す図である。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例の研削面評価装置としても機能するドレッシング面評価装置10を備える、ドレッシング装置としても機能する研削加工装置12の構成を説明する図である。図1において、研削加工装置12には、溶融アルミナ系砥粒、炭化珪素系砥粒、セラミックス砥粒などの一般砥粒や、CBN砥粒、ダイヤモンド砥粒などの超砥粒などを含む、ビトリファイド砥石、レジノイド砥石、メタルボンド砥石、電着砥石等の研削砥石が用いられる。本実施例においては、研削砥石として、図1に示す研削ホイール14が用いられる。研削ホイール14は、砥石部16を、円筒状或いはドラム状の金属コアすなわち本体18の外周面に固設して主軸駆動モータ62により回転駆動される回転軸に装着される。研削ホイール14は、たとえば80m/秒程度以上の比較的高い周速度で駆動され、たとえば柱状の被削材44の表面を研削する。本実施例では、研削ホイール14がビトリファイド砥石に対応している。
ドレッシング面評価装置10は、本体18内に設けられ、砥石部16に含まれると砥粒の破砕時に発生し且つ砥石部16内を伝播する振動たとえば20kHz以上の超音波領域である極めて周波数の高い破砕音すなわちAE信号波(acoustic emission signal)を砥石部16の内周面から検出し、その破砕音を表すアナログ信号であるAE信号SAEを出力するAEセンサ22と、そのAEセンサ22から出力されたAE信号SAEを増幅するプリアンプ24と、そのプリアンプ24により増幅されたAE信号SAEを所定の搬送波を用いて送信する送信回路26と、この送信回路26から送信されたAE信号SAEを受信するためのアンテナ28を有する受信回路30と、受信回路30により受信された搬送波を通過させる所定の周波数帯を備えたバンドパスフィルタ32と、搬送波から復調されたAE信号SAEをデジタル信号に変換するA/D変換器34と、そのデジタル信号に変換されたAE信号SAEを処理する演算制御装置36とを、備えている。上記のAEセンサ22、プリアンプ24、および、送信回路26は、研削ホイール14の本体18内に設けられている。A/D変換器34は、高分解能を有し、10μ秒(マイクロ秒)以下のサンプリング周期、好適には5μ秒以下のサンプリング周期、さらに好適には1μ秒以下のサンプリング周期で、AE信号SAEをデジタル信号に変換する。A/D変換器34のサンプリング周期は、短くなるほど(高速となるほど)、たとえば後述の図5から図7に示す、目こぼれ(ボンド破砕)に関連する第1波長帯B1と目つぶれ(砥粒破砕)に関連する第2波長帯B2とが明確となる。なお、以下の実施例では、A/D変換器34のサンプリング周期として1μ秒が用いられている。
上記砥石部16は、たとえば図2に示すように、砥粒38と、それら砥粒38を結合する無機結合材(ビトリファイドボンド)40と、気孔42とから成るよく知られたビトリファイド砥石組織から構成されており、被削材(ワーク)44或いはドレッサ46との摺接によって、砥粒38自体のクラックAすなわち破砕の発生に由来する第1振動、砥粒38、および被削材44との接触すなわちこすれBによって発生する摩擦振動或いは弾性振動に由来する第2振動が発生し、それら第1振動および第2振動を含む研削音すなわちAE信号波が、AEセンサ22によって検出される。
図1の演算制御装置36は、CPU、ROM、RAM、インターフェースなどを含む所謂マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理することにより、ドレッシング面状態を判定するための、研削面状態を表す数値、グラフ、或いは図形などを算出し、研削面状態表示装置としても機能する面状態表示装置48から出力させるとともに、研削制御装置72へ送信する。
ドレッシング面評価装置10の演算制御装置36は、周波数解析部50、研削面状態出力部51、およびドレッシング面状態出力部52を機能的に備えている。周波数解析部50は、被削材44の研削加工中或いは研削ホイール14のドレッシング中において、A/D変換器34から入力されたAE信号SAEの周波数解析(FFT)を行なって、信号パワーを示す縦軸と周波数を示す横軸との二次元座標において、周波数成分の大きさを示す種々の信号パワーを周波数毎にピーク波形で周波数軸(横軸)上に示すパワースペクトラムを生成する。
研削面状態出力部51は、被削材44の研削加工中において、上記パワースペクトラムから、たとえば32.5kHzを中心部に含む予め設定された第1波長帯B1、たとえば25から40kHzの第1波長帯B1についての第1信号強度SP1、および、たとえば55kHzを中心部に含む予め設定された第2波長帯B2、たとえば45から65kHzの第2波長帯B2についての第2信号強度SP2を、それぞれ算出する。それらの第1信号強度SP1および第2信号強度SP2としては、瞬時値であってもよいが、目つぶれや目こぼれを安定的に把握するために、好適には、A/D変換器34のサンプリング周期よりも充分に長く設定された所定周期内の積分値或いは移動平均値が用いられる。
また、ドレッシング面状態出力部52は、ドレッサ46を用いた研削ホイール14のドレッシング中において、研削面状態出力部51と同様に、上記パワースペクトラムから、32.5kHzを中心部に含む予め設定された第1波長帯B1、たとえば25から40kHzの第1波長帯B1についての第1信号強度SP1、および、55kHzを中心部に含む予め設定された第2波長帯B2、たとえば45から65kHzの第2波長帯B2についての第2信号強度SP2を、それぞれ算出する。それらの第1信号強度SP1および第2信号強度SP2としては、瞬時値であってもよいが、目つぶれや目こぼれを安定的に把握するために、好適には、A/D変換器34のサンプリング周期よりも充分に長く設定された所定周期内の積分値或いは移動平均値が用いられる。
研削面状態出力部51は、被削材44の研削加工中において、或いは、ドレッシング面状態出力部52は研削ホイール14のドレッシング中において、それぞれ、第1信号強度SP1および第2信号強度SP2の少なくとも一方に基づいて、ドレッシング面状態評価値たとえば信号強度の所定周期の積分値或いは移動平均値に関連する関連値(たとえばレベル値)、或いは信号強度比SR(=SP1/SP2)或いはその関連値(たとえばレベル値)を算出し、面状態表示装置48へ出力する。これにより、図3から図5に示すように、第1信号強度SP1および第2信号強度SP2の少なくとも一方、信号強度比SR或いはそれらの関連値を、研削面状態評価値として、或いはドレッシング面状態評価値として面状態表示装置48に表示させる。なお、第1信号強度SP1および第2信号強度SP2の一方を用いる場合には、研削面状態評価値或いはドレッシング面評価値は、第1信号強度SP1および第2信号強度SP2の一方の信号強度値そのものであってもよいし、把握し易い指標値たとえばレベル値に変換した値であってもよい。
ここで、AEセンサ22によって検出されるAE信号波から高速で高分解能のA/D変換器34を用いてたデジタル信号に変換されたSAE信号の周波数解析により得られるパワースペクトラムにおいて、第1波長帯B1内のピーク波形信号群および第2波長帯B2内のピーク波形信号群の発生について、種々の研削砥石について本発明者が行なった研削試験を、以下に説明する。研削試験1は、2種類の電着砥石、レジノイド砥石の研削時にそれぞれ得られるパワースペクトラム、およびレジノイド砥石のドレッシング時に得られるパワースペクトラムにおいて、ピーク波形信号群で構成される第1波長帯B1および第2波長帯B2の発生状態の検証試験である。研削試験2は、ビトリファイド砥石の研削時およびドレッシング時にそれぞれ得られるパワースペクトラムにおいて、ピーク波形信号群で構成される第1波長帯B1および第2波長帯B2の発生状態の検証試験である。
(試験1)
第1波長帯B1および第2波長帯B2の発生を確認するために、以下の条件で、研削およびドレッシングをおこなった。以下の研削工具は、AEセンサ内蔵の研削ホイールに貼付けた砥石部の仕様を示している。
研削工具: CBN電着砥石 CB 80 P 400φ×30t
ダイヤモンド電着砥石 SD 80 P 400φ×30t
CBNレジノイド砥石 CB 170 P 75 B
被削材: セラミック板 1mmt
ドレッシング工具: ロータリドレッサ SD 40 Q M 100φ×1.5W
研削工具の周速: 1250m/min
ドレッサの周速: 864m/min
切込み量: 研削工具 200μm(1.2mm/min)
ドレッサ φ0.002mm/pass
ドレスリード: 0.15mm/r.o.w.
図3、図4および図5は、ダイヤモンド電着砥石、CBN電着砥石、およびCBNレジノイド砥石がセラミック板を研削したときに発生したAE信号波から得られたパワースペクトラムを示している。図6は、CBNレジノイド砥石がロータリドレッサによりドレッシングされたときに発生したAE信号波から得られたパワースペクトラムを示している。図3、図4および図5では、25~35Hz、25~40Hz、20~35Hzの第1波長帯B1と、45~65Hz、45~65Hz、40~60Hzの第2波長帯B2とが、存在している。また、図6では、図5と同様の、20~35Hzの第1波長帯B1と40~60Hzの第2波長帯B2とが、存在している。図6に示すレジノイド砥石のドレッシング時では、図5に示すレジノイド砥石の研削時に比較して、第1波長帯B1のピーク波形信号群の強度が大きい。このことから、ドレッシング時には、研削時と比較して、CBN砥粒の破砕が顕著であることが推定される。
(試験2)
図7、図8、図9は、本発明者が以下のドレッシング条件において、周速度比Vd/Vgが異なる3種類のビトリファイド砥石のドレッシング試験(Vd/Vg=1.0のダウンカット、Vd/Vg=0.3のダウンカット、Vd/Vg=1.0のアップカット)により得られたパワースペクトラムをそれぞれ示す図である。また、図10は、その3種類のパワースペクトラムの各ピーク波形に対して各ピーク波形の発生を判定するための所定の判定閾値を設け、発生したピーク波形のうちその判定閾値を超えるものを発生と判定した発生マップを示す図である。
(ドレッシング条件)
研削ホイール: AEセンサ内蔵の研削ホイール
研削ホイールの砥石部: CB 80 N 200 V(粒度80のCBN砥粒がビトリファイド結合材により結合され、結合度N、集中度200を有するもの)
研削盤: 汎用円筒研削盤
研削ホイールの周速度Vg: 45m/秒(時計回り)
ドレッサ: ロータリドレッサ
ドレッサの周速度
・Vd:45m/秒 (反時計回りダウンカット)
周速度比Vd/Vg=1.0
・Vd:13.5m/秒(反時計回りダウンカット)
周速度比Vd/Vg=0.3
・Vd:22.5m/秒(反時計回りダウンカット)
周速度比Vd/Vg=0.5
・Vd:45m/秒 (時計回りアップカット)
周速度比Vd/Vg=1.0
図7は、Vd/Vg=1.0のダウンカットでのドレッシング条件にて得られたパワースペクトラムを示している。この図7のドレッシング条件は、図1に示すように、時計回りの研削ホイールの周速度Vgと反時計回りのロータリドレッサの周速度Vdとが回転方向が逆方向で一致しており、接触点における研削ホイールとロータリドレッサの相対周速度がゼロとなる、専らビトリファイド砥石の無機結合材40の破砕が顕著となるドレッシング条件である。図7のパワースペクトラムでは、機械振動などの低域雑音を除いて、25から40kHzの第1波長帯B1および45から65kHzの第2波長帯B2においてそれぞれ複数のピーク波形が集中的に発生しており、第1波長帯B1におけるピーク波形の高さ(信号強度)が第2波長帯B2におけるピーク波形の高さ(信号強度)よりも大きいという現象が観察された。
図8は、Vd/Vg=0.3のダウンカットでのドレッシング条件、すなわち研削ホイールの周速度Vgがロータリドレッサの周速度Vdと逆の回転方向であるが3倍程度で、専らビトリファイド砥石の砥粒の破砕が顕著となるドレッシング条件において得られたパワースペクトラムを示している。このパワースペクトラムでも、機械振動などの低域雑音を除いて、25から40kHzの第1波長帯B1および45から65kHzの第2波長帯B2においてそれぞれ複数のピーク波形が集中的に発生しており、第2波長帯B2におけるピーク波形の高さ(信号強度)が第1波長帯B1におけるピーク波形の高さ(信号強度)よりも大きいという現象が観察された。
図9は、Vd/Vg=1.0のアップカットでのドレッシング条件、すなわち研削ホイールの周速度Vgがロータリドレッサの周速度Vdと同じであるが図7の場合と逆回転方向で、専らビトリファイド砥石の砥粒の破砕が顕著となるドレッシング条件において得られたパワースペクトラムを示している。このパワースペクトラムでも、機械振動などの低域雑音を除いて、25から40kHzの第1波長帯B1および45から65kHzの第2波長帯B2においてそれぞれ複数のピーク波形が集中的に発生しており、第2波長帯B2におけるピーク波形の高さ(信号強度)が第1波長帯B1におけるピーク波形の高さ(信号強度)よりも大きいという現象が観察された。
図10は、図7、図8、図9にそれぞれ示された周速度比Vd/Vgが異なる3種類のパワースペクトラムの各ピーク値に対して各ピーク値の発生を判定するための所定の判定閾値を設け、発生したピーク値のうちその判定閾値を超えるものを発生と判定して黒色領域で示したピーク波形発生マップを示す図である。この図10によれば、上記判定閾値を超える大きさのピーク値は、周速度比Vd/Vgが1.0のダウンカットでは、専ら25から40kHzの第1波長帯B1において発生し、周速度比Vd/Vgが0.3のダウンカット、および周速度比Vd/Vgが1.0のアップカットでは、45から65kHzの第2波長帯B2において発生している。これにより、AE信号SAEを周波数解析したパワースペクトラムにおいて、第1波長帯B1内における少なくとも一部の波長のピーク波形の高さ(信号強度)が、ビトリファイド砥石表面の砥粒38の破砕を反映し、第2波長帯B2内における少なくとも一部の波長のピーク波形の高さ(信号強度)が、ビトリファイド砥石表面の砥粒とロータリドレッサとの接触により発生する摩擦振動或いは弾性振動を反映していることが確認された。すなわち、第1波長帯B1はボンド破砕周波数帯に対応し、第2波長帯B2は砥粒破砕周波数帯に対応している。
図11は、上記の試験2のドレッシング試験において、ロータリドレッサの回転方向および周速度比が異なる4種類のドレッシング条件において得られた、第1波長帯B1についての第1信号強度SP1(振動強度積分値)、第2波長帯B2についての第2信号強度SP2(振動強度積分値)、および信号強度比SR(=SP1/SP2)を示している。一般に、周速度比Vd/Vgが1であるダウンカットでは、接線方向の相対速度が0で接触することから、砥粒38の破砕は摩滅よりは破砕が多くなり、この状態でドレッシングされた研削砥石を用いた研削加工では、切れ味がよくなることで消費電力が低くなり、仕上げ面粗さが悪化する(砥石が柔らかく作用する)ことが、経験則からわかっている。上記図11における第1信号強度SP1の推移を見ると、ダウンカット且つ周速度比Vd/Vgが1となると、急速に上昇しているとから、第1信号強度SP1或いは信号強度比SR(SP1/SP2)を用いることで、砥粒38の破砕の増加を検知できると考えられる。この第1信号強度SP1或いは信号強度比(SP1/SP2)を監視することで、ドレッシングの出来上がりを定量的に判定できる。
(試験3)
第1波長帯B1および第2波長帯B2の発生要因を確認するために、以下の条件で、研削およびドレッシングをおこなった。
研削工具: CBNビトリファイド砥石 CB 80N 200 V(400mmφ×30mmt)
CBN電着砥石 CB 80 P(400mmφ×30mmt)
研削方式: プランジ研削
研削工具の周速: 45m/sec.(2122rpm)
被削材: SCM435(焼入)(50mmφ×10mmt)
被削材の周速: 0.45m/sec.
切込み速度: R0.8mm/min
取り代: 切込量R1.04mm(加工前被削材径50mmφ)
研削代断面積で160mm相当
スパークアウト: 10rev.
研削油: SEC700(×50)
流量: 20L/min
ドレッシング工具: ロータリドレッサSD 40 Q 75 M(100mmφ×1U)
ドレス周速: Vw=45m/s,Vd=13.5m/s(Vd/Vw=0.3)
ドレスリード: 0.10m/r.o.w.
ドレス切込み量: R0.002mm/pass×10pass
※ドレッシング実施はcBNビトリファイド砥石のみ
図12および図13は、CBNビトリファイド砥石およびCBN電着砥石が被削材SCM435(焼入)を研削したときに発生したAE信号波から得られたパワースペクトラムをそれぞれ示している。図13に示すCBN電着砥石のパワースペクトラムでは、図12に示すCBNビトリファイド砥石のパワースペクトラムと同様に、30~40Hzの第1波長帯B1と45~65Hzの第2波長帯B2とが存在している。ロータリドレッサによりドレッシングされたときに発生したAE信号波から得られたパワースペクトラムを示している。第1波長帯B1のピーク波形信号群は、砥粒の破砕に由来するものと考えられる。しかし、第2波長帯B2のピーク波形信号群は、砥粒が金属(ニッケルめっき)で結合されているCBN電着砥石でも発生しているため、ボンドの破砕に由来するものではないと考えられる。
図14は、CBN電着砥石により研削試験2の条件で繰り返し研削を行なったカット数(研削回数)を横軸とし、第1波長帯B1についての第1信号強度SP1(振動強度積分値)および単位面積当たりの累積破砕砥粒数(粒/mm)を縦軸とした二次元座標において、CBN電着砥石の研削時に発生する第1波長帯B1から得られる第1信号強度SP1(振動強度積分値)、およびCBN電着砥石の単位面積当たりの累積破砕砥粒数(粒/mm)の変化を示すグラフである。単位面積当たりの累積破砕砥粒数(粒/mm)は、CBN電着砥石の研削面を撮像したSEM写真(10kv 0.5mm×50 2.4mm×1.8mm)から二段レプリカによる破砕砥粒定量化手法を用いて算出した。
図14において、CBN電着砥石の研削面の累積破砕砥粒数は、カット数の増加と共に増加し、カット数が所定値(150カット)に到達した以降は、収束している。しかし、第1信号強度SP1(振動強度積分値)は、カット数の増加に拘わらず比較的一定であるが、カット数が所定値(約150カット)に到達するまでは振動ピークが多発し、カット数が所定値(約150カット)に到達した以降は、振動ピークが収まり安定した。このことからも、第1波長帯B1のピーク波形信号群は、砥粒の破砕に由来するものと考えられる。
図15は、研削試験2の条件で繰り返し研削を行なったカット数(研削回数)を横軸とし、第2波長帯B2についての第2信号強度SP2(振動強度積分値)および砥粒の作用面積率(%)を縦軸とした二次元座標において、CBN電着砥石の研削時に発生する第2波長帯B2から得られる第2信号強度SP2(振動強度積分値)、およびCBN電着砥石の砥粒の作用面積率(%)の変化を示すグラフである。砥粒の作用面積率(%)は、CBN電着砥石の研削面を計測したレーザ顕微鏡の3D形状測定結果から最も突出し高さが高い砥粒を検索し、その砥粒の先端から10μmの範囲にある砥粒の分断面積を算出し、その分断面積からその割合を算出した。
図15において、CBN電着砥石の研削時に発生する第2波長帯B2から得られる第2信号強度SP2(振動強度積分値)、およびCBN電着砥石の砥粒の作用面積率(%)は、共に、カット数の増加に伴って増加し、カット数が所定値(約230カット)に到達した以降は、共に減少した後、その減少が停止する。このことから、第2波長帯B2のピーク波形信号群は、砥粒の被削材に対する作用面積に比例しており、砥粒と被削材との接触(摺接)によって発生する摩擦振動或いは弾性振動に由来するものと考えられる。
図16は、CBNビトリファイド砥石により研削工具の周速、切込み速度、被削材の材質が異なる他は研削試験2の条件を用いた4種類の加工条件1~4でそれぞれ繰り返し研削を行なったときの11カットから14カットの平均値として得られた振動強度比(SP1/SP2)の大きさを対比可能に示す棒グラフである。研削工具の周速が2700m/min、切込み速度がR0.8mm/min、被削材の材質がSCM435である加工条件1に比べて、研削工具の周速が1500m/min、切込み速度がR0.8mm/min、被削材の材質がSCM435である加工条件2、研削工具の周速が2700m/min、切込み速度がR2.8mm/min、被削材の材質がSCM435である加工条件3、研削工具の周速が2700m/min、切込み速度がR0.8mm/min、被削材の材質がSUS304である加工条件4となるほど、振動強度比(SP1/SP2)の大きさが増加している。条件2および条件3は砥粒に係る切込負荷は同じであるが、周速よりも切込速度の方の影響が大きいと考えられる。また、条件3に対して条件4の振動強度比(SP1/SP2)の増加割合が大きい。このことは、被削材が難削材であるため、切込速度を低くしても砥粒の脱落が大きいということが考えられる。
図17、図18、図19、および図20は、図16における条件1、条件2、条件3および条件4での切削加工後においてCBNビトリファイド砥石の研削面をレーザ顕微鏡によって計測した3Dマップであって、黒色部分が砥粒の脱落部位を示している。これらの3Dマップから明らかなように、振動強度比(SP1/SP2)は、それが大きくなるほど、砥粒の脱落が多い状態を示している。
(試験4)
次いで、本発明者は、以下の研削加工条件下で切込速度が異なる2種類の研削加工条件において行ない、その研削試験の結果を説明する。図21は、切込速度がR0.8mm/分とした低研削能率の場合のパワースペクトラムを示している。図22は、切込速度がR2.8mm/分とした高研削能率の場合のパワースペクトラムを示している。
(研削加工条件)
研削ホイールの砥石部: CB 80 N 200 V(粒度80のCBN砥粒がビトリファイド結合材により結合され、結合度N、集中度200を有するもの)
研削盤: 汎用円筒研削盤
研削方式: 湿式プランジ研削
研削ホイールの周速度Vg: 45m/秒
被削材: SCM435焼入(HRc48±2)
被削材の周速度: 0.45m/秒
取り代: 切込量R1.04mm(加工前被削材径50mmφ)研削代断面積で160mm相当
切込速度: R0.8mm/分、R2.8mm/分
スパークアウト: 10rev.
研削液: ノリタケクール SEC700(×50)
研削液流量: 20L/min
図21は、研削の加工能率(切込速度)がR0.8mm/分という低能率加工において、砥粒と被削材との接触により発生する摩擦振動或いは弾性振動に対応する第2波長帯B2の信号強度が砥粒の破砕に対応する第1波長帯B1の信号強度よりも大きく、目こぼれ(目替わり)が起こりにくく目つぶれ傾向の研削加工となっていることを示している。これに対して、図22は、研削の加工能率(切込速度)がR2.8mm/分という高能率加工では、第2波長帯B2の信号強度よりも第1波長帯B1の信号強度が大きく、砥粒の破砕による目つぶれが起こりにくく、ボンドブリッジの破砕による目こぼれ(目替わり)傾向の研削加工となっていることを示している。
図21の低能率加工(切込速度R0.8mm/分)でのパワースペクトラムでは、第2波長帯B2の信号強度に対して第1波長帯B1の信号強度が小さく、砥粒の破砕が少ないか或いは被削材に作用する砥粒が多く、一粒あたりの負荷が少ないことにより目替わりが生じ難く、目つぶれ傾向の研削加工となっている。これに対して、図22の高能率加工(切込速度R2.8mm/分)でのパワースペクトラムでは、第2波長帯B2の信号強度に対して第1波長帯B1の信号強度が大きく、砥粒の破砕が多いことにより目替わりが多く発生して目こぼれ傾向の研削加工となっている。
図23は、第1波長帯B1内の信号強度たとえばその積分値を第1信号強度SP1とし、第2波長帯B2内の信号強度たとえばその積分値を第2信号強度SP2とし、信号強度比SRをSP1/SP2とした場合、研削ホイールの単位円周長さ当たりの研削代断面積S(mm/mm)を横軸に取り、目つぶれ傾向の低能率加工(切込速度R0.8mm/分(●印で示す))および目こぼれ傾向の高能率加工(切込速度R2.8mm/分(○印で示す))を行なったときにそれぞれ得られたパワースペクトラムから得られた信号強度比SRを示している。この信号強度比SR(=SP1/SP2)は、目つぶれ状態と目こぼれ状態とのバランスを評価可能な好適な研削面状態評価値となっている。図23に示すように、0.6以下を目つぶれ状態とした場合、低能率加工(切込速度R0.8mm/分(●印で示す))は研削ホイールの単位円周長さ当たりの研削代断面積S(mm/mm)に対して全域において目つぶれ状態を示すが、高能率加工(切込速度R0.8mm/分(〇印で示す))では信号強度比SRが0.6を超え目こぼれ状態を示す。図24は、図23の横軸である研削ホイールの単位円周長さ当たりの研削代断面積S(mm/mm)が0から5の領域を拡大して示している。
図25は、図1の面状態表示装置48の一表示態様として、たとえば液晶画面に表示される棒グラフ型のレベル表示例を示し、図26は、図1の面状態表示装置48の一表示態様として、たとえば液晶画面或いは計器に表示されるレベルメータ型の表示例を示している。図25では、第1信号強度SP1および第2信号強度SP2の両方が表示されているが、それらのうちの一方が、ドレッシング面状態を示す評価値として表示されていてもよい。図26では、第1信号強度SP1、第2信号強度SP2、信号強度比SR(=SP1/SP2)が表示されているが、それらのうちの1つ、或いはそれに対応するレベル値が、研削面状態或いはドレッシング面状態を示す評価値として表示されていてもよい。これらの研削面状態或いはドレッシング面状態を示す評価値は、研削加工装置(ドレッシング装置)12における研削条件或いはドレッシング条件を手動で調節する手動制御において利用される。
図25では、砥粒38の破砕に関連する第1波長帯B1についての第1信号強度SP1を示す棒グラフ54が左側に、砥粒38とドレッサ46との摺接に関連する第2波長帯B2についての第2信号強度SP2を示す棒グラフ56が右側に、左右一対として示される。左側の棒グラフ54が示す第1波長帯B1の砥粒38の破砕状態に基づいて目つぶれ状態を評価することができるし、右側棒グラフ56が示す第2波長帯B2の砥粒38とドレッサ46との摺接状態に基づいて目こぼれ状態を評価することができる。また、図25の棒グラフ54および56は、第1波長帯B1および第2波長帯B2内でそれぞれ4区分された波長帯毎の信号強度が示されているので、左右の棒グラフ54および56の対比によって、図25(a)に示す、砥粒38の破砕強度が砥粒38とドレッサ46との接触に起因する摩擦振動或いは弾性振動の強度を上まわる目こぼれ状態であるか、図25(b)に示す、砥粒38の破砕強度が砥粒38とドレッサ46との接触に起因する摩擦振動或いは弾性振動の強度を下まわる目つぶれ状態であるかを判別できるのに加えて、第1波長帯B1および第2波長帯B2のそれぞれにおける破砕強度パターンに基づいて、砥粒38の破砕および砥粒38とドレッサ46との接触に起因する摩擦振動或いは弾性振動状態を正確に評価することができる。
図26の面状態表示装置48の表示例は、針を用いて目盛りを指示する複数のメータ型の表示器58、59、60により構成されている。表示器58は、砥粒38の破砕に関連する第1波長帯B1についての第1信号強度SP1を示し、表示器59は、砥粒38とドレッサ46との接触により発生する摩擦振動或いは弾性振動に関連する第2波長帯B2についての第2信号強度SP2を示す。表示器58の表示レベルが示す第1波長帯B1の砥粒38の破砕強度に基づいて目こぼれ状態を評価することができるし、表示器60の表示レベルが示す第2波長帯B2の砥粒38とドレッサ46との接触により発生する摩擦振動或いは弾性振動の強度に基づいて目つぶれ状態を評価することができる。また、表示器58および59の表示レベルがそれぞれ示す第1波長帯B1および第2波長帯B2のそれぞれにおける信号強度の比較に基づいて、目こぼれ状態或いは目つぶれ状態を一層正確に評価することができる。表示器60は、砥粒38の破砕に関連する第1波長帯B1についての第1信号強度SP1と砥粒38とドレッサ46との摩擦状態に関連する第2波長帯B2についての第2信号強度SP2との信号強度比SR(=SP1/SP2)を示す。
図1に戻って、研削加工装置12は、研削ホイール14が取り付けられた図示しない主軸を回転駆動する主軸駆動モータ62と、円柱状の被削材44を回転駆動する被削材回転駆動モータ64と、研削ホイール14を円柱状の被削材44の外周面に押し当てるために被削材44を径方向に移動させる被削材移動モータ66と、ドレッサ46を回転駆動するドレッサ駆動モータ68と、ドレッサ46をその回転中心線方向に送るドレッサ送りモータ70と、研削制御装置72とを備えている。
研削制御装置72は、演算制御装置36と同様のマイクロコンピュータから構成されており、研削自動制御部74およびドレッシング制御部76を機能的に備えている。研削自動制御部74は、研削開始指令信号を受けると、予め設定された動作で研削ホイール14および被削材44をそれぞれ回転駆動しつつ相対移動させることで被削材44を研削し、被削材44の研削が完了すると被削材44の回転を停止させるとともに原位置へ戻す。
研削自動制御部74は、被削材44の研削加工の過程において、ドレッシング面状態出力部52から出力された実際の第1信号強度SP1、第2信号強度SP2、或いは信号強度比SR(=SP1/SP2)に基づいて、被削材44に対する実際の評価値が示す研削面状態が予め設定された目標評価値が示す研削面状態となるように、主軸駆動モータ62、被削材回転駆動モータ64と、被削材移動モータ66を自動制御する。たとえば、研削自動制御部74は、目標信号強度比SRTを目つぶれおよび目こぼれのバランスのよい値に設定し、ドレッシング面状態出力部52からリアルタイムで逐次出力される実際の信号強度比SRがたとえば0.55程度に予め設定された目標信号強度比SRTと一致するように、研削条件を自動調節する。たとえば、実際の信号強度比SRが予め設定された目標信号強度比SRTを超える場合には目こぼれ傾向であるので、その目こぼれを抑制するために、加工能率(切込速度)の下降、研削ホイール14の周速度Vgの上昇(回転数の上昇)、被削材44の周速度の下降のうちの少なく1つを実行し、実際の信号強度比SRを目標信号強度比SRTへ向かって変化させる。反対に、実際の信号強度比SRが予め設定された目標信号強度比SRTを下まわる場合には目つぶれ傾向であるので、その目つぶれを抑制するために、加工能率(切込速度)の上昇、研削ホイール14の周速度Vgの下降(回転数の下降)、被削材44の周速度の上昇のうちの少なく1つを実行し、実際の信号強度比SRを目標信号強度比SRTへ向かって変化させる。
図27の●印は、目標信号強度比SRTを目つぶれおよび目こぼれのバランスのよい値として0.55に設定した場合に、実際の信号強度比SRが予め設定された目標信号強度比SRT(=0.55)と一致するように研削条件を調節する、研削自動制御部74による自動研削制御例を示している。この自動研削制御では、加工数の増加に伴って、実際の信号強度比SRは目標信号強度比SRTに沿って移行しているのに対して、図27の○印に示す、自動制御が行なわれない場合の実際の信号強度比SRは、加工数の変化に伴って目標信号強度比SRTから外れて行く。なお、研削自動制御部74による自動研削制御は、実際の第1信号強度SP1又は第2信号強度SP2を、目つぶれおよび目こぼれのバランスのよい値に設定された目標第1信号強度SP1Tまたは目標第2信号強度SP2Tと一致するように、研削条件を調節するものであってもよい。
ドレッシング面状態出力部52は、実際の第2信号強度SP2或いは信号強度比SRが予め設定されたドレッシング加工開始条件に到達すると、ドレッシング制御部76にドレッシング加工を開始させる指令を出力する。このドレッシング開始条件は、たとえば第2信号強度SP2の累積値である累積信号強度SP2Rが閾値、たとえば3×10を上回ったこと、第1波長帯B1の第1信号強度SP1(振動強度積分値)が閾値を上回ったこと(変動幅が閾値を超えたこと)、或いは信号強度比SRが閾値、たとえば0.4を上回ったことである。
図28は、研削加工回数すなわちカット数に対して、研削加工された被削材44の表面粗さRaおよび第1波長帯B1の第1信号強度SP1(振動強度積分値)の推移を示している。本発明者は、カット数が170付近において第1信号強度SP1が急激に増加してから、その直後に表面粗さRaが急増(悪化)するという、表面粗さ悪化の予知現象を見出した。このため、第1信号強度SP1またはそれを含む信号強度比SRを用いたドレッシング開加工条件を用いることにより、研削加工品質が好適に維持される。これに対して、図29は、カット毎に、研削ホイール14を駆動するモータの駆動電力波形と、第1波長帯B1の第1信号強度SP1(振動強度積分値、●印)と、表面粗さRa(△印)とを示したものであるが、表面粗さRaの悪化と駆動電力の低下とが同時に発生している。このため、駆動電流値が閾値を下回ることをドレッシング開始条件とすることもできるが、面粗さRaが大きくなってからしか、ドレッシングを開始できなかった。
ドレッシング制御部76は、ドレッシング面状態出力部52からのドレッシング開始指令信号を受けると、予め設定された動作で研削ホイール14およびドレッサ46をそれぞれ回転駆動しつつ相対移動させることで研削ホイール14の表面を削って目立てし、研削ホイール14のドレッシングが完了するとドレッサ46の回転を停止させるとともに原位置へ戻す。この予め設定された動作では、一定の切込量で研削ホイール14の研削面の切り込みを行なう1サイクルの動作を行なう。或いは、以下に説明する自動制御で切り込みを行なう。
ドレッシング制御部76は、研削ホイール14のドレッシング過程において、ドレッシング面状態出力部52から出力された実際の第1信号強度SP1、第2信号強度SP2、或いは信号強度比SR(=SP1/SP2)に基づいて、研削ホイール14の評価値が示す研削面状態が予め設定された目標評価値が示す研削面状態となるように、主軸駆動モータ62、ドレッサ駆動モータ68、ドレッサ送りモータ70を自動制御する。たとえば、ドレッシング制御部76は、目標信号強度比SRTを目つぶれおよび目こぼれのバランスのよい値に設定し、ドレッシング面状態出力部52からリアルタイムで逐次出力される実際の信号強度比SRがたとえば0.65程度に予め設定されたドレス目標信号強度比DSRTと一致するように、ドレッシング条件を自動調節する。
たとえば、実際の信号強度比SRが予め設定された目標信号強度比SRTを超える場合には目こぼれ傾向であるので、その目こぼれを抑制するために、ドレッサ46の送り速度の低下(ドレスリードを小さくする)、研削ホイール14とドレッサ46の回転方向がダウンカット方向の場合ドレッサ46と研削ホイール14の周速度比Vd/Vgを1から遠ざけるように、研削ホイール14の周速度Vgまたはドレッサ46の周速度Vgの調節の少なくとも1つを実行し、実際の信号強度比SRをドレス目標信号強度比DSRTへ向かって変化させる。反対に、実際の信号強度比SRが予め設定されたドレス目標信号強度比DSRTを下まわる場合には目つぶれ傾向であるので、その目つぶれを抑制するために、ドレッサ46の送り速度の上昇(ドレスリードを大きくする)、研削ホイール14とドレッサ46の回転方向がダウンカット方向の場合ドレッサ46と研削ホイール14の周速度比Vd/Vgを1に近づけるように、研削ホイール14の周速度Vgまたはドレッサ46の周速度Vdの調節の少なくとも1つを実行し、実際の信号強度比SRをドレス目標信号強度比DSRTへ向かって変化させる。
図30は、研削中における演算制御装置36および研削制御装置72の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、所定の制御周期で繰り返し実行される。図30において、ステップS1(以下、ステップを省略する)では、研削ホイール14による被削材44の研削中において、A/D変換器34から出力されたデジタル信号に変換されたAE信号SAEが逐次読み込まれる。次いで、周波数解析部50に対応するS2において、周波数解析(FFT解析)が行なわれ、AE信号SAEのパワースペクトラムが生成される。そして、研削面状態出力部51に対応するS3、S4、S5、S6が実行される。
S3では、AE信号SAEのうちの砥粒破砕周波数帯すなわち第1波長帯B1内の信号強度の積分値である第1信号強度SP1が算出される。S4では、AE信号SAEのうちの砥粒と被削材との接触破砕周波数帯すなわち第2波長帯B2内の信号強度の積分値である第2信号強度SP2が算出される。S5では、第1信号強度SP1と第2信号強度SP2との比である信号強度比SR(=SP1/SP2)がリアルタイムで算出される。そして、S6では、S5で算出された信号強度比SRが、研削面状態を表す評価値として、研削制御装置72の研削自動制御部74へ出力(送信)される。
研削自動制御部74に対応するS7では、研削面状態出力部51から出力された実際の評価値である信号強度比SR(=SP1/SP2)が、目つぶれおよび目こぼれのバランスのよい値に予め設定された目標評価値である目標信号強度比SRTと一致するように、研削能率(切込速度)Z、研削ホイール14の周速度、被削材44の周速度の上昇、被削材44の送り速度の少なくとも1つが変化させられることにより、研削条件が自動調節される。
図31は、研削中における演算制御装置36の他の制御作動の一例を説明するフローチャートである。図31に示すフローチャートは、図30のフローチャートのS6およびS7に替えて、面状態表示装置48に表示させるS8を備えている。本実施例では、実際の信号強度比SRが面状態表示装置48に逐次表示されるので、研削制御装置72における研削条件を手動にて制御できる。
図32は、研削中における演算制御装置36および研削制御装置72の制御作動の他の一例を説明するフローチャートである。図32に示すフローチャートは、図30のフローチャートのS4およびS5が削除されたものである。本実施例では、研削制御装置72の研削自動制御部74に対応するS7において、実際の第1信号強度SP1が予め設定された目標第1信号強度SP1Tと一致するように、研削条件が自動制御される。
図33は、演算制御装置36および研削制御装置72の制御作動の他の一例を説明するフローチャートである。図33に示すフローチャートは、図30のフローチャートのS6およびS7に替えて、S5で演算された信号強度比SRが、予め設定されたドレッシング開始閾値、好適には目つぶれが進行してドレッシングが必要とされる閾値たとえば0.4を下まわるか否かを判定するS9と、S9の判定が肯定されると、研削ホイール14のドレッシングを開始するドレッシング制御部76に対応するS10とを、備えている。図34は、このような図33の制御によって変化する信号強度比SRを示すグラフである。信号強度比SRが閾値、たとえば0.4を下まわる毎に行なわれるドレッシングによって、研削ホイール14の研削面が目つぶれ状態から目立てされることが示されている。
図35は、研削中における演算制御装置36および研削制御装置72の制御作動の他の一例を説明するフローチャートである。図35に示すフローチャートは、図30のフローチャートのS3およびS5からS7に替えて、S4で演算された第2信号強度SP2を累積した累積信号強度SP2Rを逐次算出するS11と、S11において算出された累積信号強度SP2Rが、予め設定されたドレッシング開始閾値、好適には目つぶれが進行してドレッシングが必要とされる閾値たとえば3×10を超えるか否かを判定するS12と、S12の判定が肯定されると、研削ホイール14のドレッシングを開始するドレッシング制御部76に対応するS10とを、備えている。図36は、このような第2信号強度SP2を累積した累積信号強度SP2Rに閾値を設け、閾値を超えると自動的にドレッシングを実施し、ドレッシング完了後に累積信号強度SP2Rを0にリセットする手法について、カット数の進行に伴うSP2Rの推移を示したグラフである。
図37は、ドレッシング中における演算制御装置36および研削制御装置72の制御作動の他の一例を説明するフローチャートである。図37に示すフローチャートは、図30のフローチャートのS1に替えて、ドレッサ46による研削ホイール14の研削面のドレッシング中において、A/D変換器34から出力されたデジタル信号に変換されたAE信号SAEを逐次読み込むS21を備え、図30のフローチャートのS7に替えて、ドレッシング制御部76に対応するS22を備える。S22では、たとえば図38に示されるように、実際の評価値である信号強度比SRが予め設定された目標評価値である目標信号強度比SRTとなるように、ドレスリード、周速度比等のドレッシング条件を調節する自動制御を逐次実行する。
図39は、ドレッシング中における演算制御装置36の制御作動の他の一例を説明するフローチャートである。図39に示すフローチャートは、図30のフローチャートのS1に替えて、ドレッサ46による研削ホイール14の研削面のドレッシング中において、A/D変換器34から出力されたデジタル信号に変換されたAE信号SAEを逐次読み込むS21を備え、図30のフローチャートのS6、S7に替えて、ドレッシング面状態出力部52に対応するS23を備える。S23では、実際の信号強度比SRと予め設定された目標信号強度比SRTの範囲たとえば0.5から0.6と比較し、実際の信号強度比SRが目標信号強度比SRTの範囲内であればドレッシングの合格判定を行ってドレッシングを終了させるが、実際の信号強度比SRが目標信号強度比SRTの範囲外であればドレッシングの不合格判定を行って、ドレッシング制御部76に再ドレッシングの開始を指令する。
図40は、ドレッシング中における演算制御装置36の制御作動の他の一例を説明するフローチャートである。図40に示すフローチャートは、図30のフローチャートのS1に替えて、ドレッサ46による研削ホイール14の研削面のドレッシング中において、A/D変換器34から出力されたデジタル信号に変換されたAE信号SAEを逐次読み込むS21を備え、図30のフローチャートのS6、S7に替えて、ドレッシング面状態出力部52に対応するS24を備える。S24では、ドレッシングされた研削ホイール14の研削面状態を示す評価値すなわち実際の信号強度比SRを面状態表示装置48に表示する。
図41、図42、図43は、ドレッシング(ツルーイング)の自動終了判定を説明する図である。たとえば、図41に示すように、研削ホイール14の外周振れ(回転中心と砥石中心のずれによる砥石外周の振れ)がある場合に、研削ホイール14の回転中心線C1に平行な方向に、単石ドレッサ或いはブレード型ドレッサ等のドレッサ80を移動させつつ研削ホイール14の砥石部16に対しドレッシングを行なう場合において、AEセンサ22の出力信号SAEは、図42の(a)に示される状態であり、研削ホイール14の振れが除去された後でも、図42(b)に示すように、図42の(a)と区別がつき難いものであり、ドレッシング(ツルーイング)の終了判定が困難であった。これに対して、第1信号強度(第1波長帯B1の積分強度)SP1は、図43に示すように、ドレッシング(ツルーイング)の切込量(mm)の増加にともなって増加するが、所定の切込量に到達した以後は一定値に飽和する性質があることから、その飽和値に到達する直前の値をドレッシング野終了判定閾値とすることで、たとえば図37のドレス条件自動制御において、自動終了判定を行なうことができる。
図44、図45、図46は、総型ドレッサ82を用いたドレッシングの自動終了判定を説明する図である。たとえば、図44に示すように、研削ホイール14の砥石部16に対して、研削ホイール14の回転中心線C1に直角な方向に、回転中心線C1と平行な回転中心線C2まわりに回転すう総型ドレッサ82を移動させつつプランジドレッシング(ツルーイング)を行なう場合において、研削ホイール14の表面にダメージがある場合、AEセンサ22の出力信号SAEは、図45に示されるように、ダメージ除去前とダメージ除去後では、相互に区別がつき難いものであり、ドレッシングの終了判定が困難であった。これに対して、第1信号強度(第1波長帯B1の積分強度)SP1は、図46に示すように、ドレッシング(ツルーイング)の切込量(mm)の増加にともなって増加するが、所定の切込量に到達した以後は一定値に飽和する性質があることから、その飽和値に到達する直前の値をドレッシングの終了判定閾値とすることで、たとえば図37のドレス条件自動制御において、自動終了判定を行なうことができる。
上述のように、本実施例のドレッシング面評価装置10によれば、ドレッサ46を用いてドレッシングされる研削ホイール14のドレッシング面状態を評価するためのドレッシング面評価装置10であって、研削ホイール14において発生する振動を検出し、AE信号を出力するAEセンサ22と、(c)AEセンサ22から出力されるAE信号をデジタル信号に変換するA/D変換器34と、A/D変換器34によりデジタル信号に変換されたAE信号を周波数解析してパワースペクトラムを得る周波数解析部50と、周波数解析部50により得られたパワースペクトラムのうち、研削ホイール14の砥粒38の破砕に関連する第1波長帯B1の第1信号強度SP1および研削ホイール14の砥粒38とドレッサ46との接触に関連する第2波長帯B2の第2信号強度SP2の少なくとも一方を算出し、前記第1波長帯B1の第1信号強度SP1および第2波長帯B2の第2信号強度SP2の少なくとも一方に基づいて研削ホイール14のドレッシング面状態に関連する評価値を出力するドレッシング面状態出力部52とを含む。
本実施例では、このように構成されているので、研削ホイール14の砥石部16の砥粒38の破砕に関連する第1波長帯B1の第1信号強度SP1に基づいて算出されたドレッシング面状態を表す評価値は、砥粒38の破砕の多い状態か少ない状態かを示す値であって、小さい値となるほど、研削ホイール14のドレッシング面の目つぶれ状態の進行を反映する。また、研削ホイール14の砥石部16の砥粒38とロータリドレッサとの接触に関連する第2波長帯B2の第2信号強度SP2に基づいて算出されたドレッシング面状態を表す評価値は、砥粒38とロータリドレッサとの接触により発生する摩擦振動或いは弾性振動を示す値であって、小さい値となるほど研削ホイール14のドレッシング面の目こぼれ状態の進行を反映する。これにより、ドレッシング面状態出力部52により算出された評価値である第1信号強度SP1、第2信号強度SP2、又は信号強度比SRに基づいて、研削ホイール(ビトリファイド砥石)14のドレッシング面の目こぼれ状態の進行または目つぶれ状態の進行を、定量的に評価することができる。
また、本実施例のドレッシング面評価装置10によれば、第1波長帯B1の第1信号強度SP1および第2波長帯B2の第2信号強度SP2の少なくとも一方は、積分値または移動平均値であり、ドレッシング面状態出力部52は、第1波長帯B1の第1信号強度SP1および第2波長帯B2の第2信号強度SP2の前記少なくとも一方に基づいて研削ホイール(研削砥石)14のドレッシング面状態に関連する前記評価値を出力する。このように、第1波長帯B1の第1信号強度SP1および第2波長帯B2の第2信号強度SP2の少なくとも一方の積分値または移動平均値に基づいて研削ホイール(研削砥石)14のドレッシング面状態に関連する評価値が出力されることから、異常値の影響が小さくなるので、研削ホイール14のドレッシング面の目つぶれ状態の進行、または研削ホイール14のドレッシング面の目こぼれ状態の進行を、正確に評価することができる。
また、本実施例のドレッシング面評価装置10によれば、第1波長帯B1の第1信号強度および第2波長帯B2の第2信号強度SP2は、積分値または移動平均値であり、ドレッシング面状態出力部52は、第1波長帯B1の第1信号強度SP1および第2波長帯B2の第2信号強度SP2の信号強度比SRを算出し、信号強度比SRに基づいて研削ホイール14のドレッシング面状態に関連する評価値を出力する。これにより、小さい値となるほど研削ホイール14の目つぶれ状態の進行を反映する第1波長帯B1の第1信号強度SP1と、大きい値となるほど研削ホイール14の目こぼれ状態の進行を反映する第2波長帯B2の第2信号強度SP2との信号強度比SR(=SP1/SP2)によって、研削ホイール14のドレッシング面の目つぶれ状態の進行と目こぼれ状態の進行とが強調されるので、研削ホイール14のドレッシング面の目つぶれ状態の進行、或いは目こぼれ状態の進行を、正確に評価することができる。
また、本実施例のドレッシング面評価装置10によれば、ドレッシング面状態出力部52から出力された評価値を表示する面状態表示装置48が、備えられる。これにより、目視によって、研削ホイール14の砥石部16の研削面或いはドレッシング面の目つぶれ状態の進行、および/または目こぼれ状態の進行を、正確に評価することができる。これにより、研削ホイール14のドレッシングに際して、ドレス条件の手動設定が適切に行なわれる。
また、本実施例のドレッシング面評価装置10によれば、第1波長帯B1は、25から40kHzの波長帯であり、第2波長帯B2は、45から65kHzの波長帯である。これにより、研削ホイール14の砥石部16の目つぶれ状態の進行に対応する第1波長帯B1の第1信号強度SP1、および/または研削ホイール14の砥石部16の目こぼれ状態の進行に対応する第2波長帯B2の第2信号強度SP2を用いて、研削ホイール14のドレッシング面状態を定量的に評価することができる。
また、本実施例のドレッシング面評価装置10によれば、A/D変換器34のサンプリング周期は、10μ秒以下、好適には1μ秒以下である。これにより、研削ホイール14の砥石部16の目つぶれ状態の進行を反映する第1波長帯B1の第1信号強度SP1、および/または研削ホイール14の砥石部16の目こぼれ状態の進行を反映する第2波長帯B2の第2信号強度SP2が、明確に得られる。
また、本実施例のドレッシング面評価装置10を備える研削加工装置12によれば、ドレッシング面状態出力部52から出力された実際の評価値が予め設定された目標評価値となるように、ドレッサ46の送り速度、研削ホイール14の周速度、および、ドレッサ46の周速度のうちの少なくとも一つを調節するドレッシング制御部76を含む。これにより、研削ホイール14に対するドレス条件が適切に自動制御されるので、ドレッシング品質のばらつきが抑制される。
本実施例のドレッシング面評価装置10を備える研削加工装置12は、研削ホイール14を用いて被削材44を研削加工するとともに、研削ホイール14をドレッサ46を用いてドレッシングするドレッシング制御部76を備え、ドレッシング面状態出力部52から出力された評価値が予め設定されたドレッシング開始条件となると、研削ホイール14を用いた被削材44の研削加工を停止させ、ドレッシング制御部76によるドレッシング作動を起動、すなわち、ドレッサ46による研削ホイール14のドレッシングを開始させる。これにより、研削ホイール14の目こぼれおよび目つぶれが所定の状態に到達した適切なタイミングでドレッシングが自動的に開始され、好適にはドレッシング条件が適切に自動制御されるので、被削材44の品質のばらつきが抑制される。
以上、本発明の一実施例を図面を用いて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例において、周波数解析部50によりAE信号SAEから生成されたパワースペクトラムから、第1波長帯B1の第1信号強度SP1と第2波長帯B2の第2信号強度SP2が用いられている。第1波長帯B1としては25から40kHzが用いられ、第2波長帯B2としては45から65kHzが用いられていた。しかし、パワースペクトラムのうちの目こぼれを専ら表す波長帯および目つぶれを専ら表す波長帯が用いられればよいので、第1波長帯B1としては、25から40kHzに含まれる波長或いは波長帯の一部を含む波長帯の信号強度が用いられ、第2波長帯B2としては45から65kHzに含まれる波長或いは波長帯の一部を含む波長帯の信号強度が用いられればよい。たとえば、第1波長帯B1としては、25から40kHzの波長帯の一部たとえば32.5kHzを中心部に含む相対的に狭い波長帯が、第2波長帯B2としては、45から65kHzの波長帯一部たとえば55kHzを中心部に含む相対的に狭い波長帯が用いられてもよい。このようにしても、研削ホイール14の目つぶれ状態の進行および/または目こぼれ状態の進行などのドレッシング面状態を定量的に評価することができる。
前述の実施例では、AEセンサ22は研削ホイール14に内蔵されていたが、たとえば直方体状であるために被削材が非回転状態で研削ホイール14によって研削される場合には、被削材を支持する支持台に設けられていてもよい。
また、前述の実施例では、研削ビトリファイド砥石として、本体18の外周面にビトリファイド砥石から成る砥石部16が固着された形式の研削ホイール14が用いされているが、AEセンサ22が内蔵されていれば、全体がビトリファイド砥石から構成されていてもよい。
また、前述の図1のドレッサ46は、ロータリドレッサが用いられていたが、ブレード型ドレッサなどであっても差し支えない。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が加えられ得るものである。
10:ドレッシング面評価装置
12:研削加工装置(ドレッシング装置)
14:研削ホイール(研削砥石)
22:AEセンサ
34:A/D変換器
40:無機結合材
44:被削材
46:ドレッサ
48:面状態表示装置(ドレッシング面状態表示装置)
50:周波数解析部
52:ドレッシング面状態出力部
74:研削自動制御部
76:ドレッシング制御部
80:ドレッサ
82:総型ドレッサ(ドレッサ)
SP1:第1信号強度(評価値)
SP2:第2信号強度(評価値)
SP2R:累積信号強度(評価値)
SR:信号強度比(評価値)
SRT:目標信号強度比(目標評価値)

Claims (7)

  1. ドレッサを用いてドレッシングされる研削砥石のドレッシング面の目つぶれ状態および目こぼれ状態を評価するためのドレッシング面評価装置であって、
    前記研削砥石において発生する振動を検出し、AE信号を出力するAEセンサと、
    前記AEセンサから出力されるAE信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
    前記A/D変換器によりデジタル信号に変換されたAE信号を周波数解析してパワースペクトラムを得る周波数解析部と、
    前記周波数解析部により得られたパワースペクトラムのうち、前記研削砥石の砥粒の破砕に関連して大きい値となるほど前記砥粒の目こぼれの進行を反映し、小さい値となるほど前記砥粒の目つぶれの進行を反映する第1波長帯の第1信号強度および前記研削砥石の砥粒と前記ドレッサとの接触により発生する摩擦振動或いは弾性振動に関連して大きい値となるほど前記砥粒の目つぶれの進行を反映し、小さい値となるほど前記砥粒の目こぼれの進行を反映する第2波長帯の第2信号強度を算出し、前記第1波長帯の第1信号強度および第2波長帯の第2信号強度に基づいて前記研削砥石のドレッシング面の目つぶれ状態および目こぼれ状態に関連する評価値を出力するドレッシング面状態出力部とを、
    み、
    前記第1波長帯の第1信号強度および前記第2波長帯の第2信号強度は、積分値または移動平均値であり、
    前記ドレッシング面状態出力部は、前記第1波長帯の第1信号強度および前記第2波長帯の第2信号強度の信号強度比を算出し、前記信号強度比に基づいて前記研削砥石のドレッシング面の目つぶれ状態および目こぼれ状態に関連する前記評価値を出力する
    ことを特徴とするドレッシング面評価装置。
  2. 前記ドレッシング面状態出力部から出力された前記評価値を表示するドレッシング面状態表示装置を、含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のドレッシング面評価装置。
  3. 前記第1波長帯は、25から40kHzの波長帯の一部を含む波長帯であり、前記第2波長帯は、45から65kHzの波長帯の一部を含む波長帯である
    ことを特徴とする請求項1に記載のドレッシング面評価装置。
  4. 前記第1波長帯は、25から40kHzの波長帯であり、前記第2波長帯は、45から65kHzの波長帯である
    ことを特徴とする請求項3に記載のドレッシング面評価装置。
  5. 前記A/D変換器のサンプリング周期は、10μ秒以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のドレッシング面評価装置。
  6. 前記研削砥石の研削面をドレッサを用いてドレッシングするドレッシング装置であって、
    請求項1から請求項のいずれか1に記載のドレッシング面状態出力部から出力された前記評価値が予め設定された目標評価値となるように、前記ドレッサの送り速度、前記研削砥石の周速度、および、前記ドレッサの周速度のうちの少なくとも一つを調節するドレッシング制御部を備える
    ことを特徴とするドレッシング装置。
  7. 前記研削砥石を用いて被削材を研削加工するとともに、ドレッサを用いて前記研削砥石をドレッシングする研削加工装置であって、
    請求項1から請求項のいずれか1に記載のドレッシング面状態出力部から出力された前記評価値が予め設定されたドレッシング開始条件となると、前記研削砥石を用いた前記被削材の研削加工を停止させ、ドレッシング制御部に前記ドレッサによる前記研削砥石のドレッシングを開始させる研削自動制御部を備える
    ことを特徴とする研削加工装置。
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