JP5106121B2 - 加工システム、接触検出方法及びae接触検出装置 - Google Patents
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Description
以下、研削盤において、砥石でワークを研削する場合を例として説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、ツールをワークに接触させて加工を行う加工装置であればどのようなものにも適用可能である。また、ここでは、砥石がワーク又はドレッサに接触したことを検出する場合を例として説明するが、本発明はこれに限らず、砥石をワーク又はドレッサに接触させて加工またはドレッシングを行っている場合にも効果がある。
AEセンサについては、NDISのNo.2106−79、2106−91などに、AEセンサを使用した研削盤については、特許文献1などに記載されているように、広く知られているので、ここではAEセンサ及び研削盤の詳しい説明は省略し、本発明に直接関係する部分についてのみ説明する。
一般に、研削盤が配置されるのは周囲にも研削盤などの他の加工機が配置される場所であり、それらの他の加工機からの雑音の影響が避けられない。また、研削盤では、砥石がワーク又はドレッサに接触していない状態でもワークや砥石が回転しており、AEセンサは砥石とワーク又はドレッサが非接触の状態でも大きな信号を検出しており、このような状況下で砥石とワーク又はドレッサとの接触を検出する必要がある。そのため、AEセンサの出力のうち、特に砥石のワーク又はドレッサとの接触により変化する周波数範囲の成分を対象とし、それ以外の周波数範囲の成分を除去した上で、接触を検出することが行われている。そのために、研削盤におけるAEセンサを利用した従来のAE波測定では、主にアナログフィルタを利用してAE信号と対象外の周波数成分を分離している。そして、対象周波数範囲内のAE信号の強度を判定して接触を検出していた。
また、対象周波数成分が広い範囲に亘ったり、複数の部分に分かれている場合などは、それに対応する特性を有するアナログフィルタを実現するのは難しかった。
本発明は、上記のような問題を解決するもので、AEセンサの出力における雑音の影響を低減することを目的とする。
図1A及び図1Bは、本発明の原理を説明する図である。AE信号の周波数解析を行うと、その周波数特性は比較的安定している。図1Aに示すように、ツールが被加工物又はツールドレッサに接触した時のAE信号の周波数特性には、接触により発生する信号成分と、接触以外の原因で発生する雑音成分が含まれており、雑音成分は接触の前後でも変化しないと考えられる。そこで、図1Bに示すように、雑音が混入したAE信号から、接触前に記憶しておいた雑音成分を減ずれば、接触により発生する信号成分のみを抽出することができる。AE信号の周波数特性を算出するには、AE信号をデジタル信号に変換して周波数解析処理を行う必要がある。
すなわち、本発明の加工システムは、ツールを被加工物に接触させることにより加工を行う加工装置と、前記加工装置に設けられたAEセンサと、前記AEセンサの出力するAE信号を処理するAE信号処理部と、を備える加工システムにおいて、前記AE信号処理部は、前記AE信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、デジタルAE信号の周波数特性を算出する周波数解析部と、前記加工装置において前記ツールが前記被加工物又はツールドレッサに接触していない時の前記周波数特性を非接触周波数特性として記憶する記憶部と、検出した前記デジタルAE信号の周波数特性と前記非接触周波数特性の差を算出する差演算部と、を備えることを特徴とする。
本発明の加工システムによれば、AE信号をデジタル信号に変換した上でデジタル信号処理により周波数解析が行われて周波数特性が算出されるので、周波数特性を記憶することが可能になる。ツールが被加工物又はツールドレッサに接触していない時の非接触周波数特性を記憶しておき、検出したAE信号の周波数特性から非接触周波数特性を減じた差を算出すれば、この差はツールが被加工物又はツールドレッサに接触したことなどにより生じる変化分を正確に示す。
AE信号処理部は、差演算部が算出した差から、ツールが被加工物又はツールドレッサに接触したことを判定して接触信号を出力する判定部をさらに備えることが望ましい。
上記の差に基づいてツールの被加工物又はツールドレッサとの接触を判定すれば、より正確に判定することが可能になる。
非接触周波数特性の記憶は、ツールが被加工物又はツールドレッサに接触していない時に行う必要があると共に、正確な判定を行う上ではワーク及びツール(砥石)が回転している状態で行うことが望ましい。そこで、非接触周波数特性の記憶は、ツールが被加工物又はツールドレッサに接触する直前で且つ確実に非接触であることが保証される時に行われるようにする。具体的には、加工装置の加工制御部は、ツールをワーク又はツールドレッサに接触させる時に、ツールがワーク又はツールドレッサに接触しないことが確実な第1位置まで第1速度でツールをワーク又はツールドレッサに対して相対的に移動させ、その後第1速度より低速の第2速度で移動させて接触させるように制御するので、ツールが第1位置を通過する時に非接触周波数特性の記憶を行うようにする。
ツールが被加工物又はツールドレッサに接触したことを判定するには各種の方法があり得る。例えば、対応する周波数で、検出したデジタルAE信号の周波数特性から非接触周波数特性を減算して差信号を算出し、算出した差信号のパワーが所定値より大きい時に、接触信号を出力する。
本発明では、広い周波数範囲に亘って差を演算することが望ましいが、広い周波数範囲に亘って周波数特性を算出するのは演算時間が長くなるという問題を生じる。そこで、あらかじめツールが被加工物又はツールドレッサに接触することによりAE信号が大きく変化する周波数範囲を算出しておき、それに対応した所定の周波数範囲で差を算出するようにしたり、1つ以上の所定の周波数で差を算出するようにしてもよい。
近年、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)の性能が向上しており、上記のような周波数解析が安価なDSPを利用して短時間に行える。なお、AE信号の周波数特性から非接触周波数特性を減算する処理をDSPのデジタルフィルタで行う場合には、デジタルフィルタが非接触周波数特性を記憶することになる。
以上の本発明の特徴は、加工装置においてツールが被加工物又はツールドレッサに接触したことを検出する接触検出方法やAE接触検出装置でも同様である。
本発明によれば、ツールが被加工物又はツールドレッサに接触する前後のAE信号の周波数特性の変化が検出されるので、接触をより正確に検出できるようになる。
また、接触を検出する場合だけでなく、ツールを被加工物又はツールドレッサに接触させて加工などを行っている間の変化を検出する場合でも、雑音成分を除くことができるので、より正確に変化を検出できるようになる。
図2は、本発明の実施例の加工システムの全体構成を示す図である。
図3は、AE信号処理装置の構成を示す図である。
図4は、接触時の移動動作を説明する図である。
図5は、AE制御部の処理を示すフローチャートである。
図6Aから図6Cは、周波数特性に基づく演算・判定方法の例を説明する図である。
砥石回転機構13の筐体にはAE(Acoustic Emission)センサ21が取り付けられ、砥石14で発生するAE波が砥石回転機構13の筐体を通してAEセンサ21に伝達され、AEセンサ21はAE信号を発生する。AE信号処理装置22は、AE信号を処理して砥石14がワークWに接触したことを検出して加工機制御装置15に通知する。
図3は、AE信号処理装置22の構成を示す図である。図示のように、AE信号処理装置22は、AEセンサ21の出力するアナログAE信号から、AE波の対象とする周波数範囲、例えば20kHz〜500kHzの範囲の信号を通過させ、それ以外の周波数の信号を遮断するバンドパスフィルタ31と、バンドパスフィルタ31を通過した信号を所定の強度に増幅する可変ゲインアンプ32と、可変ゲインアンプ32から出力されたアナログ信号をデジタルAE信号に変換するA/D変換器33と、A/D変換器33から出力されたデジタルAE信号に対して周波数解析を行うFFT(高速フーリエ変換器)34と、FFT34の出力するAE信号の周波数特性に対して所定の処理(ここでは減算処理と積分処理)を行うスペクトラムサブストラクションメソッド(SSM)35と、SSM35の出力が所定値以上であるかを判定し、所定値以上の時に接触検出信号を出力する判定部36と、FFT34とSSM35と判定部36とを制御するAE処理制御部37と、メモリ38とを有する。FFT34、SSM35、判定部36及びAE処理制御部37は、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)39で構成され、メモリ38はDSPが動作するための動作メモリである。DSP39は、加工機制御装置15に接触検出信号を出力すると共に、加工機制御装置15から記憶位置信号を受ける。なお、FFT34、SSM35及び判定部36をDSPで実現し、AE処理制御部37はマイクロコンピュータなどで実現することも可能である。DSPを使用した周波数解析処理については広く知られているので、これ以上の説明は省略する。
図4は、図2に示した加工システムで、加工のために、回転するワークWに回転する砥石14を接触させる時の移動動作を説明する図である。加工を行う場合、移動ベース12上で砥石回転機構13を移動させる。なお、ワークWを砥石14に対して移動させる場合もある。この場合、砥石14のワークWに対する相対移動速度は、小さいほどワークWの表面を滑らかに正確に研削することができ、相対移動速度が大きいとワークWの表面は粗い表面となる。
砥石回転機構13を退避位置に移動させた上で、ワークWを回転機構に取り付けて回転させ、砥石回転機構13を退避位置からワークWに向けて移動させ、回転する砥石14の表面をワークWの表面に接触させる。この時、砥石14(砥石回転機構13)をワークWに対して、加工時に要求されるような非常な低速で移動させると、退避位置から砥石14がワークWに接触するまでに非常に長時間を要することになり、加工のスループットが低いという問題を生じる。
そこで、図4に示すように、砥石14がワークWに接触しないことが確実な位置を変速位置(第1位置)として、砥石14を、退避位置から変速位置までは第1速度で高速に移動させ、変速位置から砥石14がワークWに接触するまでは第1速度より遅い第2速度で低速で移動させ、砥石14がワークWに接触した後は加工時に必要な非常な低速で移動させることが行われている。加工機制御装置15は、AE信号処理装置22が接触検出信号を出力すると、この第2速度から加工時に必要な非常な低速へ砥石回転機構13の移動速度を変化させる。
変速位置は、ワークの初期形状と砥石の直径などから、バラツキを考慮して砥石14がワークWに確実に接触しないように決定される。もし、変速位置が不正確であると、砥石14が高速でワークWに接触してワークWに回復不能な傷を生じたり、砥石14が破損するといった事故が発生したり、変速位置を通過してから接触するまで長時間を要するためスループットが非常に低下するといった問題が発生する。
本実施例では、加工機制御装置15が、砥石回転機構13の移動速度を変速位置で変化させる時に、AE信号処理装置22のAE処理制御部37に記憶位置信号を出力するようにし、AE処理制御部37は、記憶位置信号を受信すると、SSM35においてその時点のFFT34の出力する非接触周波数特性を減算するように設定を行う。これにより、SSM35には記憶位置信号を受信した時の非接触周波数特性が記憶され、それ以後FFT34の出力する周波数特性から非接触周波数特性を減算した値がSSM35から出力される。
図5は、AE処理制御部37の処理を示すフローチャートである。ステップ101で、加工機制御装置15から変速位置信号を受信すると、ステップ102でその時点の周波数特性(非接触周波数特性)を読み取り、ステップ103でSSM35において非接触周波数特性を減算し、対象範囲のパワーの合計を算出するように、減算フィルタ係数を演算する。そして、ステップ104で、演算した係数をSSM35に設定する。
次に、図6Aから図6Cを参照して、周波数特性の処理範囲について説明する。
前述のように、AEセンサ21からのAE信号は、バンドパスフィルタ31により、対象とする周波数範囲の成分のみを残し、それ以外の周波数範囲の成分は除去される。従って、処理の対象になるのはこの周波数成分である。図示のように、実線で示すようなAE信号に対して、破線で示すような雑音成分が混入しているとする。図6Aに示すように、バンドパスフィルタ31を通過したAE信号の全周波数範囲について所定のサンプリング周波数ピッチで周波数特性を演算すれば、AE波の対象とする全範囲についてAE信号から雑音を減算した周波数特性が得られる。そして、全範囲についてパワーを積分して得られた合計値が、所定値より大きい場合に、接触が発生したと判定する。
上記のように、全範囲について周波数特性を演算すればいろいろな周波数で発生する接触による変化が捕らえられるという利点があるが、全範囲について周波数特性を演算する場合演算量が多くなり、演算時間が長くなったり、高性能のDSPを使用する必要があるためコストが増加するという問題を生じる。そこで、図6Bに示すように、周波数特性を演算する範囲を狭い範囲に限ってもよい。この場合、対象範囲は、接触による変化の大きな周波数範囲をあらかじめ実験などにより決定する。
また、図6Cに示すように、1つ又は複数の周波数について周波数特性を演算するようにしてもよい。例えば、砥石14がワークWに接触することによるAE信号の変化は、所定の周波数とその整数倍の周波数で特に大きいので、そのような周波数をあらかじめ実験などにより決定する。
以上、本発明の実施例を説明したが、各種の変形例が可能である。例えば、実施例では、砥石とワークの接触の場合を説明したが、砥石とドレッサの接触の場合も同様に適用可能であり、砥石を有する研削盤でなく、旋盤やフライス盤などの場合も同様に適用可能である。
さらに、実施例では、DSPでSSMを実現して、AE信号からの非接触周波数特性の減算と対象範囲内でのパワーの積分処理を行っているが、DSPでは周波数解析(FFT)処理のみを行い、AE処理制御部をマイクロコンピュータで実現し、非接触周波数特性の記憶、減算及びパワーの積分処理は、AE処理制御部が行うようにすることも可能である。
さらに、AEセンサを設ける位置は対象とするAE波が検出できればどのような位置でもよく、特許文献1に記載されたような構成の場合にも適用可能である。
また、本発明によれば、周囲環境による雑音の影響が除去されるので、AEセンサの設置場所の選定をより適確に行えるようになる。接触検出のためのAEセンサは、砥石がワーク又はドレッサに接触する時にAEセンサの出力が大きく変化することが要求される。言い換えれば、AEセンサの出力が大きく変化しない場所は、設置場所としては不適当である。そこで、従来は、AEセンサの設置場所の選定は、オペレータがAEセンサを設置し、実際に砥石をワーク又はドレッサに接触させて接触前後のAEセンサの出力の変化の大きさを確認しながら、変化の大きな設置場所を選定していた。しかし、従来の構成では、周囲環境による雑音が大きく、接触前後のAEセンサの出力変化を十分に確認するのが難しいという問題があった。これに対して、実施例の構成であれば、周囲環境による雑音が除去されるので、接触前後のAEセンサの出力変化をより確実に確認できるようになる。
具体的には、実施例の構成において、ある設置場所にAEセンサを設置し、砥石がワーク又はドレッサに接触する前のAEセンサの出力の周波数特性を算出して減算されるようにAE信号処理装置の設定を行う。その後、砥石をワーク又はドレッサに接触させ、AE信号処理装置の出力変化を確認する。砥石がワーク又はドレッサに接触することは、オペレータが目視で確認するか、砥石又はワークなどを回転するモータのトルク変化を検出するなどの各種方法により確認する。そして、出力変化が十分に大きい場合には、その場所にAEセンサを設置し、出力変化が小さい場合には、AEセンサの設置場所を変えて、出力変化が十分に大きい場所を探す。
以上のようにして、AEセンサを適切な場所に設置することが可能になる。
本発明は、加工機にAEセンサを設ける構成であれば、どのようなものにも適用可能であり、周囲環境による雑音の影響を除去して検出精度を向上させることが可能である。
Claims (21)
- ツールを被加工物に接触させることにより加工を行う加工装置と、
前記加工装置に設けられたAEセンサと、
前記AEセンサの出力するAE信号を処理するAE信号処理部と、を備える加工システムにおいて、
前記AE信号処理部は、
前記AE信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
デジタルAE信号の周波数特性を算出する周波数解析部と、
前記加工装置において前記ツールが前記被加工物又はツールドレッサに接触していない時の前記周波数特性を非接触周波数特性として記憶する記憶部と、
検出した前記デジタルAE信号の周波数特性と前記非接触周波数特性の差を算出する差演算部と、を備えることを特徴とする加工システム。 - 前記AE信号処理部は、前記差演算部が算出した前記差から、前記ツールが前記被加工物又は前記ツールドレッサに接触したことを判定して接触信号を出力する判定部を備える請求項1に記載の加工システム。
- 前記加工装置は、加工制御部を備え、
前記加工制御部は、前記ツールを前記ワーク又はツールドレッサに接触させる時に、前記ツールが前記ワーク又はツールドレッサに接触しないことが確実な第1位置まで第1速度で前記ツールを前記ワーク又はツールドレッサに対して相対的に移動させ、その後前記第1速度より低速の第2速度で移動させて接触させるように制御し、前記ツールが前記第1位置を通過する時に記憶位置信号を発生し、
前記AE信号処理部の前記記憶部は、前記記憶位置信号に応じて前記非接触周波数特性を記憶する請求項1又は2に記載の加工システム。 - 前記判定部は、対応する周波数で、検出した前記デジタルAE信号の周波数特性から前記非接触周波数特性を減算して差信号を算出し、算出した差信号のパワーが所定値より大きい時に、接触信号を出力する請求項2に記載の加工システム。
- 前記判定部は、所定の周波数範囲で、検出した前記デジタルAE信号の周波数特性から前記非接触周波数特性を減算して差信号を算出し、算出した差信号のパワーが所定値より大きい時に、接触信号を出力する請求項2に記載の加工システム。
- 前記判定部は、所定の周波数で、検出した前記デジタルAE信号の周波数特性から前記非接触周波数特性を減算して差信号を算出し、算出した差信号のパワーが所定値より大きい時に、接触信号を出力する請求項2に記載の加工システム。
- 前記AE信号処理部の前記周波数解析部、前記記憶部及び前記判定部は、デジタル・シグナル・プロセッサで構成される請求項2に記載の加工システム。
- ツールを被加工物に接触させることにより加工を行う加工装置において前記ツールが前記被加工物又はツールドレッサに接触したことを検出する接触検出方法であって、
前記加工装置に設けられたAEセンサの出力するAE信号をデジタル信号に変換し、
デジタルAE信号の周波数特性を算出し、
前記ツールが前記被加工物又はツールドレッサに接触していない時の前記周波数特性を非接触周波数特性として記憶し、
検出した前記デジタルAE信号の周波数特性と前記非接触周波数特性の差を算出することを特徴とする方法。 - 算出した前記差から、前記ツールが前記被加工物又は前記ツールドレッサに接触したことを検出する請求項8に記載の方法。
- 前記ツールを前記ワーク又はツールドレッサに接触させる時に、前記ツールが前記ワーク又はツールドレッサに接触しないことが確実な第1位置まで第1速度で前記ツールを前記ワーク又はツールドレッサに対して相対的に移動させ、その後前記第1速度より低速の第2速度で移動させて接触させるように制御され、
前記ツールが前記第1位置を通過する時の前記デジタルAE信号の周波数特性を前記非接触周波数特性として記憶する請求項8又は9に記載の方法。 - 検出した前記デジタルAE信号の周波数特性と前記非接触周波数特性の前記差は、対応する周波数で、検出した前記デジタルAE信号の周波数特性から前記非接触周波数特性を減算することにより算出され、
算出した差のパワーが所定値より大きい時に、接触したと判定する請求項9に記載の方法。 - 検出した前記デジタルAE信号の周波数特性と前記非接触周波数特性の前記差は、所定の周波数範囲で、検出した前記デジタルAE信号の周波数特性から前記非接触周波数特性を減算することにより算出され、
算出した差のパワーが所定値より大きい時に、接触したと判定する請求項9に記載の方法。 - 検出した前記デジタルAE信号の周波数特性と前記非接触周波数特性の前記差は、所定の周波数で、検出した前記デジタルAE信号の周波数特性から前記非接触周波数特性を減算することにより算出され、
算出した差のパワーが所定値より大きい時に、接触したと判定する請求項9に記載の方法。 - 前記周波数特性の算出、前記非接触周波数特性の記憶及び前記接触したことの検出は、デジタル・シグナル・プロセッサにより行われる請求項9に記載の方法。
- ツールを被加工物に接触させることにより加工を行う加工装置に取り付けられるAE接触検出装置であって、
前記加工装置に設けられるAEセンサと、
前記AEセンサの出力するAE信号を処理するAE信号処理部と、を備え、
前記AE信号処理部は、
前記AE信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
デジタルAE信号の周波数特性を算出する周波数解析部と、
前記加工装置において前記ツールが前記被加工物又はツールドレッサに接触していない時の前記周波数特性を非接触周波数特性として記憶する記憶部と、
検出した前記デジタルAE信号の周波数特性と前記非接触周波数特性の差を算出する差演算部と、を備えることを特徴とするAE接触検出装置。 - 前記AE信号処理部は、前記差から、前記ツールが前記被加工物又は前記ツールドレッサに接触したことを判定して接触信号を出力する判定部、を備える請求項15に記載のAE接触検出装置。
- 前記記憶部は、前記加工装置からの信号に応じて前記非接触周波数特性を記憶する請求項15又は16に記載のAE接触検出装置。
- 前記判定部は、対応する周波数で、検出した前記デジタルAE信号の周波数特性から前記非接触周波数特性を減算して差信号を算出し、算出した差信号のパワーが所定値より大きい時に、接触信号を出力する請求項16に記載のAE接触検出装置。
- 前記判定部は、所定の周波数範囲で、検出した前記デジタルAE信号の周波数特性から前記非接触周波数特性を減算して差信号を算出し、算出した差信号のパワーが所定値より大きい時に、接触信号を出力する請求項16に記載のAE接触検出装置。
- 前記判定部は、所定の周波数で、検出した前記デジタルAE信号の周波数特性から前記非接触周波数特性を減算して差信号を算出し、算出した差信号のパワーが所定値より大きい時に、接触信号を出力する請求項16に記載のAE接触検出装置。
- 前記AE信号処理部の前記周波数解析部、前記記憶部及び前記判定部は、デジタル・シグナル・プロセッサで構成される請求項16に記載のAE接触検出装置。
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