JP2021171887A - 砥粒突き出し量計測装置、研削盤及び砥粒突き出し量計測方法 - Google Patents

砥粒突き出し量計測装置、研削盤及び砥粒突き出し量計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】研削性能の安定させる砥粒の突き出し量の計測が可能な砥粒突き出し量計測装置、研削盤及び砥粒突き出し量計測方法を提供すること。【解決手段】砥粒突き出し量計測装置30は、制御装置33を備える。制御装置33は、研削盤に設けられた砥粒及び複数の砥粒を互いに結合するボンドを有する砥石車の表面形状を取得する表面形状取得部33aと、基準から砥石車の内方に向けて所定距離毎に分割する表面形状分割部33cと、分割された所定距離毎に、切れ刃領域を抽出して切れ刃領域の数を計数する領域計数部33dと、計数された切れ刃領域の数が増加から減少に転じる場合の、所定距離を砥粒の突き出し量として決定する突き出し量決定部33eと、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、砥粒突き出し量計測装置、研削盤及び砥粒突き出し量計測方法に関する。
研削加工において、砥石車の砥粒の突き出し量は、切れ味や研削量等の研削性能に影響を及ぼす。即ち、突き出し量が砥粒径に対して適切な突き出し量よりも大きい場合には、砥粒の脱落や破砕が生じることによって工具寿命が短くなる。一方、突き出し量が砥粒径に対して適切な突き出し量よりも小さい場合には、チップポケットとしてのクリアランスが不足することによって、切くずとの干渉が生じて研削焼け等の加工不良が発生しやすくなる。従って、安定した研削性能を維持するためには、突き出し量を適正に計測して管理する必要がある。このため、従来から、例えば、特許文献1に開示されているように、砥石成形中に砥粒の突き出し量を計測できる技術が提案されている。
特開2013−173198号公報
ところで、例えば、ビトリファイドボンド砥石のような有気孔組織によって結合された砥粒の突き出しは、砥石車の成形時に生じる自然気孔による突き出しと、研削加工の切くずによりボンドが削り取られることによる突き出しとが存在する。ここで、自然気孔による突き出しは、砥粒の周りに気孔が存在するために、砥粒のボンドに埋没した部分が相対的に少ない状態での突き出しになる。一方、ボンドが削り取られることによる突き出しは、砥粒の周りにボンドが存在するために、砥粒のボンドに埋没した部分が相対的に多い状態での突き出しになる
従って、砥粒の脱落や破砕を防止して研削性能に影響を与える突き出し量は、ボンドが削り取られることによる砥粒の突き出し量である。この点に関し、特許文献1に開示された技術では、自然気孔による砥粒の突き出し量と、ボンドが削り取られることによる砥粒の突き出し量とを区別して計測することが困難である。
本発明は、研削性能の安定させる砥粒の突き出し量の計測が可能な砥粒突き出し量計測装置、研削盤及び砥粒突き出し量計測方法を提供することを目的とする。
本発明に係る砥粒突き出し量計測装置は、砥粒及び複数の砥粒を互いに結合するボンドを有する砥石車の表面形状を取得する表面形状取得部と、砥石車の径方向において、表面形状のうち砥石車の外方に向けて最も突出した砥粒の先端を基準とし、基準から砥石車の内方に向けて所定距離毎に分割する表面形状分割部と、分割された所定距離毎に、砥石車の切れ刃である砥粒のみ、砥粒及び砥粒に結合したボンド部、又は、複数の砥粒及び複数の砥粒を結合するボンドを切れ刃領域として抽出することにより、切れ刃領域の数を計数する領域計数部と、計数された切れ刃領域の数が増加から減少に転じる場合の所定距離を砥粒の突き出し量として決定する突き出し量決定部と、を備える。
又、本発明に係る研削盤は、砥粒及び複数の砥粒を互いに結合するボンドを有する砥石車を備えて工作物に研削加工を行う研削盤であって、上記砥粒突き出し量計測装置を備える。
又、本発明に係る砥粒突き出し量計測方法は、砥粒及び複数の砥粒を互いに結合するボンドを有する砥石車の表面形状を取得する砥石表面形状取得工程と、砥石の径方向において、表面形状のうち砥石車の外方に向けて最も突出した砥粒の先端を基準とし、基準から砥石車の内方に向けて所定距離毎に分割する表面形状分割工程と、分割された所定距離毎に、砥石車の切れ刃である砥粒のみ、砥粒及び砥粒に結合したボンド部、又は、複数の砥粒及び複数の記砥粒を結合するボンドを切れ刃領域として抽出する領域抽出工程と、抽出された切れ刃領域の数を計数する領域計数工程と、計数された切れ刃領域の数が増加から減少に転じる場合の所定距離を砥粒の突き出し量として決定する突き出し量決定工程と、を備える。
これらによれば、切れ刃領域として、切れ刃である砥粒のみ、砥粒及び砥粒に結合したボンド部、又は、複数の砥粒及び複数の砥粒を結合するボンドを切れ刃領域として抽出し、切れ刃領域の数が増加から減少に転じる場合の所定距離を砥粒の突き出し量として決定することができる。これにより、自然気孔による砥粒の突き出し量と区別して、ボンドが削り取られることによる砥粒の突き出し量を計測することができる。従って、ボンドが削り取られることによる砥粒の突き出し量を計測して管理することができ、砥粒の脱落や破砕を防止して研削性能を安定させることが可能となる。
砥粒突き出し量計測装置を有する研削盤の構成を示す図である。 図1の砥石車における砥粒層の構成を示す断面である。 砥粒突き出し量計測装置の構成を示す図である。 図3の制御装置の構成を示すブロック図である。 砥粒の突き出し量の計測を説明するための図である。 砥粒突き出し量計測方法を示すフローチャートである。 所定距離にて抽出した切れ刃領域の計数を説明するための図である。 図7の所定距離よりも大きい所定距離にて抽出した切れ刃領域の計数を説明するための図である。 図8の所定距離よりも大きい所定距離にて抽出した切れ刃領域の計数を説明するための図である。 図9の所定距離よりも大きい所定距離にて抽出した切れ刃領域の計数を説明するための図である。 突き出し量の決定を説明するための図である。 研削量と接線研削抵抗との関係を示すグラフである。
(1.砥粒突き出し量計測装置の適用対象の研削盤)
砥粒突き出し量計測装置は、砥石車の表面における砥粒の突き出し量のうち、研削加工により発生した切くずによってボンドが削り取られることによる砥粒の突き出し量を計測する。砥粒突き出し量計測装置は、ビトリファイドボンド砥石等の有気孔組織のボンドによって砥粒を結合する砥石車を備えた研削盤に適用される。研削盤としては、円筒研削盤、カム研削盤、平面研削盤等、種々の構成の研削盤を例に挙げることができる。
(2.例示する研削盤の構成)
本例においては、研削盤として、図1に示すように、砥石台トラバース型の円筒研削盤10を例に挙げる。尚、円筒研削盤10は、テーブルトラバース型を用いることもできる。円筒研削盤10は、円柱状又は円筒状の工作物Wを研削するための機械である。円筒研削盤10は、主として、ベッド11、主軸台12、心押台13、トラバースベース14、砥石台15、砥石車16、定寸装置17、砥石車修正装置18、及び、クーラント装置19を備える。
ベッド11は、設置面上に固定されている。主軸台12は、ベッド11の上面において、X軸方向の手前側(図1の下側)且つZ軸方向の一端側(図1の左側)に設けられている。主軸台12は、工作物WをZ軸回りに回転可能に支持する。工作物Wは、主軸台12に設けられたモータ12aの駆動により回転される。心押台13は、ベッド11の上面において、主軸台12に対してZ軸方向に対向する位置、即ち、X軸方向の手前側(図1の下側)且つZ軸方向の他端側(図1の右側)に設けられている。これにより、工作物Wは、主軸台12及び心押台13によって回転可能に両端支持される。
トラバースベース14は、ベッド11の上面において、Z軸方向に移動可能に設けられている。トラバースベース14は、ベッド11に設けられたモータ14aの駆動により移動する。砥石台15は、トラバースベース14の上面において、X軸方向に移動可能に設けられている。砥石台15は、トラバースベース14に設けられたモータ15aの駆動により移動する。砥石車16は、モータを備えた駆動機構Mに連結されており、砥石台15に回転可能に支持されている。尚、砥石車16の構成については、後に詳述する。
定寸装置17は、工作物Wの寸法(径)を測定する。砥石車修正装置18は、砥石車16の形状を修正する。即ち、砥石車修正装置18は、砥石車16のツルーイングを行う装置である。砥石車修正装置18は、ツルーイングに加えて又は代えて、砥石車16のドレッシングを行う装置としても良い。クーラント装置19は、砥石車16による工作物Wの研削点にクーラントを供給する。クーラント装置19は、回収したクーラントを、所定温度に冷却して、再度研削点に供給する。
又、円筒研削盤10には、制御装置20が設けられる。制御装置20は、工作物Wの形状、加工条件、砥石車16の形状、クーラントの供給タイミング情報等の作動指令データに基づいて生成されたNCプログラムに基づいて、各駆動装置を制御する。即ち、制御装置20は、動作指令データを入力し、動作指令データに基づいてNCプログラムを生成する。そして、制御装置20は、NCプログラムに基づいて各モータ12a,14a,15a及びクーラント装置19等を制御することにより、工作物Wの研削加工を行う。
具体的に、制御装置20は、定寸装置17により測定される工作物Wの径に基づいて、工作物Wが仕上げ形状となるまで研削加工を行う。又、制御装置20は、砥石車16を修正するタイミングにおいて、各モータ12a,14a,15a、及び、砥石車修正装置18等を制御することにより、砥石車16のツルーイングを行う。
(2−1.砥石車16の構成の詳細)
上述したように、砥石車16は、砥粒をボンドによってブリッジ状に結合する有気孔組織を有し、本例ではビトリファイドボンド砥石を例示する。砥石車16は、図2に示すように、母材(図示省略)の表面に形成された砥粒層16aを有している。
砥粒層16aは、砥粒16b(ダイヤモンド、CBN(キュービックボロンナイトライド)等であって、図2にて太実線により示す)と、有気孔組織のビトリファイドボンド16c(図2にて梨地により示す)とを含む。砥粒16bは、ビトリファイドボンド16cから砥石車16の外方に向けて突出して工作物Wを研削することにより、切れ刃となる。ビトリファイドボンド16cは、例えば、長石、陶石、粘度、フリット等を主に含み、高温で焼成することにより形成される。
又、砥粒層16aには、ビトリファイドボンド16cに存在する自然気孔16dが含まれる。自然気孔16dは、砥石原料粉体を混合して発生する間隙にビトリファイドボンド砥石の内部に自然発生的に生じる。尚、自然気孔16dは、通常、砥粒16bの周囲に生じるため、自然気孔16dが存在する場合には砥粒16bに付着するビトリファイドボンド16cが少ない。
(3.砥粒突き出し量計測装置30の構成)
砥粒突き出し量計測装置30の構成について図3を参照しながら説明する。砥粒突き出し量計測装置30は、砥石車16の砥粒層16aを計測し、砥粒層16aにおいてビトリファイドボンド16cから突き出した砥粒16bの突き出し量を計測する装置である。このため、本例の砥粒突き出し量計測装置30は、図3に示すように、砥石台15に固定された支持部材31、支持部材31に支持されたセンサ32、及び、制御装置33を主に備える。
センサ32は、砥石車16の表面から径方向に離間して設けられ、センサ32の固定位置を基準として砥石車16の表面即ち砥粒層16aまでの距離を計測する。センサ32は、砥粒16b、ビトリファイドボンド16c及び自然気孔16dを区別することなく、砥粒層16aまでの距離を計測する。ここで、センサ32としては、光(例えば、レーザ光等)や電磁波、又は画像等を利用して非接触により距離の計測が可能なセンサが用いられる。
制御装置33は、CPU、ROM、RAM、インターフェース等を主要構成部品とするマイクロコンピュータであり、砥粒突き出し量計測装置30の作動を統括して制御するものである。制御装置33は、図4に示すように、表面形状取得部33a、頂点検出部33b、表面形状分割部33c、領域計数部33d、突き出し量決定部33e、及び、出力部33fを主に備える。
表面形状取得部33aは、砥石車16の表面形状として、センサ32から出力される砥石車16の表面までの距離を表す距離情報を取得する。ここで、表面形状取得部33aは、センサ32が砥石車16の周方向の一部領域について計測した距離の距離情報を砥石車16の表面形状として取得する。この場合、表面形状取得部33aは、距離情報を取得する際に、駆動機構Mに対して所定の回転角(回転量)だけ回転するように指示することができる。これにより、表面形状取得部33aが取得する距離情報については、センサ32が計測した距離に対する砥石車16の曲率の影響を排除することができる。
頂点検出部33bは、表面形状取得部33aが取得した距離情報に基づいて、砥石車16の外周側への距離が最も大きい、換言すれば、センサ32との距離が最も小さい砥粒16bの先端を頂点Pとして設定する。そして、頂点検出部33bは、図5に示すように、砥粒16bの頂点Pを通る仮想線Cを設定する。尚、以降の説明においては、砥粒16bの頂点P即ち仮想線Cを基準とし、仮想線C(頂点P)から砥石車16の中心に向かう径方向を「深さ方向」と称すると共に「深さ方向」にて仮想線C(頂点P)からの距離を「突き出し量」と称する。
表面形状分割部33cは、図5に示すように、表面形状取得部33aから取得した距離情報即ち砥石車16の表面形状を仮想線Cから深さ方向(径方向)にて砥石車16の内方に向けて所定の距離毎に分割する。本例においては、表面形状分割部33cは、仮想線Cを「0」とし、砥石車16の内方(中心)に向けた深さ方向にて、等間隔に距離L1,L2,L3,L4となるように距離情報(砥石車16の表面形状)を分割する。
領域計数部33dは、表面形状分割部33cが所定距離毎に分割した距離情報(砥石車16の表面形状)おいて、砥粒16bのみの数、及び、2つ以上の砥粒16bがビトリファイドボンド16cによって結合された部分(以下、この部分を「島」と称呼する。)の数を計数する。ここで、砥石車16が工作物Wを研削加工すると、工作物Wから生じた切くずが砥粒層16aを通過することにより、ビトリファイドボンド16cは削り取られる。これにより、ビトリファイドボンド16cは、砥石車16による研削量(加工数)が増加する程、削り取られるため、仮想線Cからの距離が深くなっていく。
ところで、ビトリファイドボンド16cが砥粒16bを結合している、換言すれば、砥粒16bの一部がビトリファイドボンド16cに埋没している場合において、切くずによって削り取られても、ビトリファイドボンド16cは、図5に示すように、砥粒16bに付着して砥粒16b同士を結合している。一方、ビトリファイドボンド16cに自然気孔16dが存在した場合、砥粒16bの周りに自然気孔16dが存在しているため、仮想線Cからの距離(深さ)はより大きくなる。
このため、深さ方向にて距離を分割して観察することにより、ビトリファイドボンド16cによって砥粒16b同士が結合されている場合には、仮想線Cからの距離が小さい場合には砥粒16bのみが観察され、その後、距離が大きくなると徐々に島を形成するようになる。一方、砥粒16bの周りに自然気孔16dが存在する場合には、仮想線Cからの距離が大きくなるため、深さ方向にて距離を分割して観察した場合には、砥粒16b同士及び島同士の間に自然気孔16dが存在する。従って、深さ方向において、砥粒16bの数、及び、島の数の変化を捉えることにより、自然気孔16dによる砥粒16bの突き出し量と、ビトリファイドボンド16cが削り取られることによる砥粒16bの突き出し量とを区別することが可能となる。ここで、砥粒16bのみ、及び、砥粒16bとビトリファイドボンド16cとからなる島を合わせて、「切れ刃領域」と称呼する。
突き出し量決定部33eは、領域計数部33dによって計数された砥粒16b及び島の数、即ち、切れ刃領域の数が増加から減少に転じるときの仮想線C(頂点P)からの距離を砥粒16bの突き出し量として決定する。深さ方向において、切れ刃領域の数が増加している状況は、個々の砥粒16bが、ビトリファイドボンド16cに結合されることなく、換言すれば、切くずの通過によってビトリファイドボンド16cが削り取られた場合である。一方、深さ方向において、切れ刃領域の数が減少している状況は、切くずの通過によってビトリファイドボンド16cが削り取られておらず、個々の砥粒16bがビトリファイドボンド16cによって結合されて島が形成される場合、及び、個々の島がビトリファイドボンド16cによって結合されてより大きな島が形成される場合である。
従って、切れ刃領域の数が増加から減少に転じる状況は、個々に存在した砥粒16b及び島が、通過する切くずによって削り取られたビトリファイドボンド16cによって結合されている、換言すれば、砥粒16bの一部がビトリファイドボンド16cに埋没している場合である。このため、切れ刃領域の数が増加から減少に転じるときの距離は、切れ刃である砥粒16bの先端からビトリファイドボンド16cが削り取られて砥粒16bの周りにビドリファイドボンド16cがほぼ存在しなくなるまで距離であり、砥粒16bの最大の突き出し量に相当する。
出力部33fは、突き出し量決定部33eによって決定された砥粒16bの突き出し量を外部、例えば、図示省略の表示装置等に出力する。これにより、作業者は、砥石車16の砥粒層16aの状態を把握することができる。従って、作業者は、例えば、加工条件や砥石車16の仕様を選定する場合、加工後の砥粒層16aの状態を勘案することにより、加工条件に対する適切な砥石車16の仕様を選定したり、砥石車16の仕様に対する最適な加工条件を選定したりすることができる。或いは、作業者は、加工後の砥粒層16aの状態を勘案することにより、例えば、最適なツルーイングのタイミングを判断することができる。
(3.砥粒突き出し量計測方法)
次に、砥粒突き出し量計測装置30による砥粒16bの突き出し量の計測方法について説明する。本例においては、砥石車16がツルーイングされた後における砥粒16bの突き出し量を計測する場合を例示する。センサ32は、支持部材31によって固定された部分を基準とし、この基準から、例えば、レーザ光を照射し、砥石車16の表面にて反射した反射光を受光する。そして、センサ32は、例えば、レーザ光の照射から反射光を受光するまでの時間に基づいて、砥石車16の砥粒層16aまでの距離を算出して計測する。
この場合、センサ32は、砥石車16の曲率の影響が出ない範囲、即ち、砥石車16の全周の面積うち、例えば、周方向にて15%程度の面積、好ましくは10%程度の面積、より好ましくは5%程度の面積について、砥石車16の表面までの距離を計測する。ここで、センサ32が距離を計測する際には、表面形状取得部33aが駆動機構Mに対して所定の回転量(回転角)だけ回転させるように指示する。尚、センサ32は、砥石車16の全周について、砥石車16の表面までの距離を計測しても良い。
制御装置33は、図6に示す砥粒突き出し量計測プログラムの実行をステップS10にて開始する。そして、制御装置33の表面形状取得部33aは、続くステップS11にて、砥石車16の表面形状を表すセンサ32から算出された距離情報を砥石車16の表面形状として取得する(砥石表面形状取得工程)。制御装置33は、砥石車16の表面形状を表す距離情報を取得すると、ステップS12のステップ処理を実行する。
ステップS12においては、制御装置33の頂点検出部33bは、砥粒16bの頂点を設定する(表面形状分割工程)。即ち、頂点検出部33bは、センサ32から取得した距離情報に基づいて、図5に示すように、センサ32との距離が最も小さい、換言すれば、砥石車16の外周側に最も突出した砥粒16bの先端を頂点Pとして設定する。そして、頂点検出部33bは、基準である頂点Pを通る仮想線Cを設定する。制御装置33は、基準である頂点Pを設定すると共に仮想線Cを設定すると、ステップS13のステップ処理を実行する。
ステップS13においては、制御装置33の表面形状分割部33cは、前記ステップS12にて設定した仮想線Cから深さ方向(径方向)に向けて、前記ステップS11にて取得した距離情報即ち砥石車16の表面形状を所定距離毎に分割する(表面形状分割工程)。即ち、表面形状分割部33cは、仮想線C(頂点P)を基準とする深さ方向(径方向)において、砥粒層16aの等高線が形成されるように、距離情報を所定距離毎に分割する。本例においては、図5に示すように、仮想線Cから深さ方向にて数マイクロメートルごとに距離L1〜L4に分割する。そして、制御装置33は、仮想線Cから深さ方向に向けて距離情報を距離L1〜L4に分割すると、ステップS14のステップ処理を実行する。
ステップS14においては、制御装置33の領域計数部33dは、砥粒層16a(表面形状)において砥粒16b及び島即ち切れ刃領域を抽出し(領域抽出工程)、抽出した切れ刃領域の数を計数する(領域計数工程)。以下、領域計数部33dによる切れ刃領域の抽出、及び、切れ刃領域の数の計数について具体的に説明する。
領域計数部33dは、図5に示した距離L1〜L4の各々について、砥粒16b又は島を切れ刃領域として抽出し、抽出した切れ刃領域の数を計数する。具体的に、距離L1における等高線は、図7に示すように、8個の砥粒16bを示す。従って、領域計数部33dは、距離L1における8個の砥粒16bの各々を切れ刃領域として抽出し、切れ刃領域の数を8個として計数する。又、距離L1よりも数マイクロメートルだけ大きい距離L2における等高線は、図8に示すように、15個の砥粒16bを示す。従って、領域計数部33dは、距離L2における15個の砥粒16bの各々を切れ刃領域として抽出し、切れ刃領域の数を15個として計数する。
又、距離L2よりも数マイクロメートルだけ大きい距離L3における等高線は、図9に示すように、複数個の砥粒16bがビトリファイドボンド16cによって結合された5個の島及び3個の砥粒16bの各々の周りに結合したビドリファイドボンド16cを示す。従って、領域計数部33dは、距離L3における5個の島と3個の砥粒16b及びビドリファイドボンド16cとを合計した8個を切れ刃領域として抽出し、切れ刃領域の数を8個として計数する。ここで、距離L3にて砥粒16bを結合するビトリファイドボンド16cは、研削加工によって生じた工作物Wの切くずが通過することにより削り取られている。尚、2つの切れ刃領域(島)の間には、図9にて破線により示すように、自然気孔16dが存在する。
更に、距離L3よりも数マイクロメートルだけ大きい距離L4における等高線は、図10に示すように、複数個の砥粒16bがビトリファイドボンド16cによって結合された4個の島及び2個の砥粒16bの各々の周りに結合したビドリファイドボンド16cを示す。従って、領域計数部33dは、距離L4における4個の島と2個の砥粒16b及びビドリファイドボンド16cとを合計した6個を切れ刃領域として抽出し、切れ刃領域の数を6個として計測する。
ところで、距離L1及び距離L2においては、図7及び図8に示すように、砥粒16bのみの等高線が得られる。これにより、距離L1及び距離L2では、研削加工において砥粒16bの間を通過する切くずによって削り取られたビトリファイドボンド16cに埋没することなく、ビトリファイドボンド16cから砥石車16の外方に向けて突出した砥粒16bの数が切れ刃領域の数として計数される。
一方、距離L3及び距離L4においては、図9及び図10に示すように、砥粒16bが研削加工において砥粒16bの間を通過する切くずによって削り取られたビトリファイドボンド16cによって結合された島及び砥粒16bの周りに結合したビドリファイドボンド16cの等高線が得られる。これにより、距離L3及び距離L4においては、砥粒16bの一部がビトリファイドボンド16cに埋没して形成される島の数が含まれて切れ刃領域の数として計数される。そして、制御装置33は、各々の距離L1〜L4について、切れ刃領域の数を計数すると、ステップS15のステップ処理を実行する。
ステップS15においては、制御装置33の突き出し量決定部33eは、前記ステップS14における領域計数部33dによる計数結果に基づき、砥粒16bの突き出し量を決定する(突き出し量決定工程)。即ち、突き出し量決定部33eは、図11に示すように、領域計数部33dによって計数された距離L1〜L4の各々に対応する切れ刃領域の数の関係に基づいて、砥粒16bの突き出し量を決定する。
ところで、上述したように、島は2つ以上の砥粒16bがビトリファイドボンド16cによって結合されて形成される。このため、領域計数部33dによる計数は、砥粒16bがビトリファイドボンド16cから突出している場合には増加し、砥粒16bがビトリファイドボンド16cによって結合されて島を形成する場合には減少する。即ち、島の数が計数される仮想線C(頂点P)からの距離は、砥粒16bの一部がビトリファイドボンド16cに埋没して結合されている距離を表す。換言すれば、島の数が切れ刃領域の数として計数される直前の距離は、砥粒16bの一部がビトリファイドボンド16cから突出した最大の距離、即ち、砥粒16bの突き出し量を表すことになる。
このことに基づき、突き出し量決定部33eは、図11に示す関係に基づき、島の数が切れ刃領域の数として計数される直前の距離である距離L2を砥粒16bの突き出し量として決定する。そして、制御装置33は、突き出し量を決定すると、ステップS16のステップ処理を実行する。
ステップS16においては、制御装置33の出力部33fは、突き出し量決定部33eによって決定された突き出し量を外部の表示装置等に出力する。そして、制御装置33は、突き出し量を出力すると、ステップS17にて砥粒突き出し量計測プログラムの実行を終了する。
以上の説明からも理解できるように、砥粒突き出し量計測装置30によれば、切れ刃領域として、切れ刃である砥粒16bのみ、又は、複数の砥粒16b及び砥粒16bを結合するビトリファイドボンド16cを抽出し、切れ刃領域の数が増加から減少に転じる場合の所定距離L2を砥粒16bの突き出し量として決定することができる。これにより、自然気孔16dによる砥粒16bの突き出し量と区別して、ビトリファイドボンド16cが削り取られることによる砥粒16bの突き出し量を計測することができる。従って、ビトリファイドボンド16cが削り取られることによる砥粒16bの突き出し量を計測して管理することができ、砥粒16bの脱落や破砕を防止して研削性能を安定させることが可能となる。
ところで、ツルーイング後の砥石車16においては、ビトリファイドボンド16cの自然気孔16dを除き、砥粒16bの突き出し量は小さい。そして、砥石車16による研削量が増大するにつれて、発生する切り屑が砥粒16bの間を通り抜け、その結果、ビトリファイドボンド16cが削り取られることによって砥粒16bの突き出し量が大きくなる。砥粒16bの突き出し量が大きくなる程、研削加工によって砥石車16に発生する接線研削抵抗が小さくなり、研削加工時の良好な切れ味が得られる。
即ち、図12に示すように、ツルーイング後の研削量が小さい場合、接線研削抵抗が大きい。このため、研削量が小さい場合において砥石車16に大きな負荷を急激に付与すると、砥粒16bが脱落したり破砕したりする可能性が大きくなる。従って、砥粒16bの突き出し量が正確に計測できない場合には、予め設定された所定の研削量となるまで、換言すれば、接線研削抵抗が小さくなったと推定される研削量となるまで、一様に負荷を抑えて研削加工する必要がある。このため、負荷を抑えて研削加工する研削量(加工数)が無駄に多くなる虞がある。
これに対し、砥粒突き出し量計測装置30は、砥粒16bの突き出し量を正確に計測することができる。従って、例えば、図12に示す接線研削抵抗が小さくなる研削量(加工数)を正確に判別することができ、その結果、早期に、負荷を大きくした通常の研削加工が可能となる。
(4.その他)
上述した本例においては、砥粒突き出し量計測装置30を円筒研削盤10等の研削盤に組み付けて配置するようにした。しかしながら、砥粒突き出し量計測装置30の配置については、研削盤に組み付けて配置することに限定されず、研削盤とは別体として砥粒突き出し量計測装置30を配置することも可能である。
これによれば、例えば、円筒研削盤10から砥石車16を取り外した状態で、砥粒16bの突き出し量を正確に計測することができる。このため、作業者は、例えば、研削加工前に加工条件や砥石車16の仕様を選定する場合、取り外された砥石車16の砥粒層16aの状態を確認することが可能になる。これにより、作業者は、例えば、加工条件に対する適切な砥石車16の仕様を選定したり、砥石車16の仕様に対する最適な加工条件を選定したりすることが容易にできる。
10…円筒研削盤、11…ベッド、12…主軸台、12a…モータ、13…心押台、14…トラバースベース、14a…モータ、15…砥石台、15a…モータ、16…砥石車、16a…砥粒層、16b…砥粒、16c…ビトリファイドボンド(ボンド)、16d…自然気孔、17…定寸装置、18…砥石車修正装置、19…クーラント装置、20…制御装置、30…砥粒突き出し量計測装置、31…支持部材、32…センサ、33…制御装置、33a…表面形状取得部、33b…頂点検出部、33c…表面形状分割部、33d…領域計数部、33e…突き出し量決定部、33f…出力部、C…仮想線(基準)、L1〜L4…距離(所定距離)、M…駆動機構、P…頂点(基準)、W…工作物

Claims (5)

  1. 砥粒及び複数の前記砥粒を互いに結合するボンドを有する砥石車の表面形状を取得する表面形状取得部と、
    前記砥石車の径方向において、前記表面形状のうち前記砥石車の外方に向けて最も突出した前記砥粒の先端を基準とし、前記基準から前記砥石車の内方に向けて所定距離毎に分割する表面形状分割部と、
    分割された前記所定距離毎に、前記砥石車の切れ刃である前記砥粒のみ、前記砥粒及び前記砥粒に結合した前記ボンド部、又は、複数の前記砥粒及び複数の前記砥粒を結合する前記ボンドを切れ刃領域として抽出することにより、前記切れ刃領域の数を計数する領域計数部と、
    計数された前記切れ刃領域の数が増加から減少に転じる場合の前記所定距離を前記砥粒の突き出し量として決定する突き出し量決定部と、
    を備える、砥粒突き出し量計測装置。
  2. 前記表面形状取得部は、
    前記砥石車の周方向における所定の範囲の前記表面形状を取得する、請求項1に記載の砥粒突き出し量計測装置。
  3. 前記ボンドは、有気孔組織を有する、請求項1又は2に記載の砥粒突き出し量計測装置。
  4. 砥粒及び複数の前記砥粒を互いに結合するボンドを有する砥石車を備えて工作物に研削加工を行う研削盤であって、
    請求項1−3のうちの何れか一項に記載の前記砥粒突き出し量計測装置を備えた、研削盤。
  5. 砥粒及び複数の前記砥粒を互いに結合するボンドを有する砥石車の表面形状を取得する砥石表面形状取得工程と、
    前記砥石車の径方向において、前記表面形状のうち前記砥石車の外方に向けて最も突出した前記砥粒の先端を基準とし、前記基準から前記砥石車の内方に向けて所定距離毎に分割する表面形状分割工程と、
    分割された前記所定距離毎に、前記砥石車の切れ刃である前記砥粒のみ、前記砥粒及び前記砥粒に結合した前記ボンド部、又は、複数の前記砥粒及び複数の前記砥粒を結合する前記ボンドを切れ刃領域として抽出する領域抽出工程と、
    抽出された前記切れ刃領域の数を計数する領域計数工程と、
    計数された前記切れ刃領域の数が増加から減少に転じる場合の前記所定距離を前記砥粒の突き出し量として決定する突き出し量決定工程と、
    を備える、砥粒突き出し量計測方法。
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