JP7417617B2 - 光配向膜の形成方法および液晶層の形成方法 - Google Patents

光配向膜の形成方法および液晶層の形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7417617B2
JP7417617B2 JP2021549048A JP2021549048A JP7417617B2 JP 7417617 B2 JP7417617 B2 JP 7417617B2 JP 2021549048 A JP2021549048 A JP 2021549048A JP 2021549048 A JP2021549048 A JP 2021549048A JP 7417617 B2 JP7417617 B2 JP 7417617B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
photo
alignment film
forming
crystal layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021549048A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021060474A1 (ja
Inventor
史岳 三戸部
之人 齊藤
寛 佐藤
克己 篠田
亮子 渡野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Publication of JPWO2021060474A1 publication Critical patent/JPWO2021060474A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7417617B2 publication Critical patent/JP7417617B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/18Diffraction gratings
    • G02B5/1847Manufacturing methods
    • G02B5/1857Manufacturing methods using exposure or etching means, e.g. holography, photolithography, exposure to electron or ion beams
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3016Polarising elements involving passive liquid crystal elements
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1337Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Description

本発明は、光配向膜の形成方法および液晶素子の形成方法に関する。
液晶化合物を含む液晶組成物を用いて形成された液晶層を有する光学素子が、回折素子、光学異方性層等の各種の光学素子として利用されている。
例えば、特許文献1には、コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層を、複数層、積層してなる光学素子であって、選択反射中心波長が互いに異なるコレステリック液晶層を、複数、有し、コレステリック液晶層は、液晶化合物由来の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有し、さらに、コレステリック液晶層の液晶配向パターンの、液晶化合物由来の光学軸の向きが連続的に回転しながら変化する一方向における、液晶化合物由来の光学軸の向きが180°回転する長さを1周期とした際に、選択反射中心波長が互いに異なる複数のコレステリック液晶層は、選択反射中心波長の長さの順列と、1周期の長さの順列とが、一致している光学素子が記載されている。
特許文献1には、液晶化合物由来の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンに液晶化合物を配向させる光配向膜の形成方法として、光配向膜に干渉光を露光して、光配向膜に配向状態が周期的に変化する配向パターンを形成する方法が記載されている。
国際公開第2019/131966号
特許文献1に記載される光配向膜の形成方法では、干渉光が露光された領域に配向パターンが形成されるが、光配向膜上における干渉光の照射サイズは直径10cm程度が限界であり、大サイズの光配向膜を形成することができなかった。
ビームエキスパンダなどを用いて、照射サイズを拡大させる方法はあるが、照射サイズを拡大すると、単位面積当たりの照射エネルギーが小さくなる。そのため、大エネルギーのレーザーが必要になるが、現存するレーザーの最大出力に限界がある。また、光学系が大きくなるため、装置が大型化してしまうという問題もある。そのため、照射サイズを拡大する方法による光配向膜の大型化は、現実的には、数cmが限界である。
そこで、本発明者らは、支持体の位置を動かして、複数箇所に干渉露光を行う方法で光配向膜を形成する方法を検討した。しかしながら、露光が重なった部分で、光配向膜の上に形成した液晶層中の液晶化合物が適正に配向しない箇所が発生し、配向欠陥が生じることがわかった。
本発明の課題は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、大サイズで、液晶化合物を適正に配向できる光配向膜を形成できる光配向膜の形成方法、および、大サイズで、液晶層中の液晶化合物の配向欠陥を抑制できる液晶層の形成方法を提供することにある。
この課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 支持体上に形成された光配向材料を含む光配向膜の表面に、2本の光を交差させて形成される干渉光を照射して光配向膜の表面を露光して、光配向膜に、液晶化合物由来の光学軸の向きを、面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化させる配向パターンを形成する露光工程と、
支持体を、支持体の表面に平行な方向であって、2本の光の光軸が画成する直線に平行な方向に距離D移動させる移動工程と、を有し、
露光工程と、移動工程とを交互に繰り返して光配向膜を露光する光配向膜の形成方法。
ここで、2本の光の波長をλ、2本の光の交差角をαとし、Nを整数とすると、距離Dは下記式で表され、かつ、光配向膜上に照射される干渉光の照射サイズよりも小さい。
λ/{2×sin(α/2)}×N-λ/8<D<λ/{2×sin(α/2)}×N+λ/8
[2] 2本の光は1つの光源の出力光を分岐させたものであって、
移動工程において、出力光を遮蔽するシャッターによって出力光を遮蔽する[1]に記載の光配向膜の形成方法。
[3] 干渉光の照射形状をマスクによって形成する[1]または[2]に記載の光配向膜の形成方法。
[4] 1回の露光工程において、光配向膜への干渉光の照射を3分以上行う[1]~[3]のいずれかに記載の光配向膜の形成方法。
[5] 露光工程において、光配向膜上に照射される干渉光の照射サイズが、50mm以下である[1]~[4]のいずれかに記載の光配向膜の形成方法。
[6] 移動工程における距離Dが5mm~50mmである[1]~[5]のいずれかに記載の光配向膜の形成方法。
[7] 支持体を、支持体の表面に平行な方向であって、2本の光の光軸が画成する直線に直交する方向に移動させて露光を行う工程を有する[1]~[6]のいずれかに記載の光配向膜の形成方法。
[8] [1]~[7]のいずれかに記載の光配向膜の形成方法にて形成された光配向膜上に液晶化合物を含む液晶組成物を用いて液晶層を形成する液晶層の形成方法。
本発明の大サイズで、液晶化合物を適正に配向できる光配向膜を形成できる光配向膜の形成方法、および、大サイズで、液晶層中の液晶化合物の配向欠陥を抑制できる液晶層の形成方法を提供することができる。
本発明の光配向膜の形成方法を用いて作製される光学素子の一例を概念的に示す図である。 図1に示すコレステリック液晶層の平面図である。 図1にコレステリック液晶層の断面SEM画像を概念的に示す図である。 本発明の光配向膜の形成方法を実施する露光装置の一例の概念図である。 露光工程において露光された光配向膜の一例を概念的に示す平面図である。 本発明の光配向膜の形成方法における移動工程を説明するための模式図である。 本発明の光配向膜の形成方法で形成される光配向膜の他の一例を説明する模式図である。 本発明の光配向膜の形成方法で形成される光配向膜の他の一例を説明する模式図である。 本発明の光配向膜の形成方法を用いて作製される光学素子の他の一例を概念的に示す図である。 図9に示す光学素子の作用を説明するための概念図である。 図9に示す光学素子の作用を説明するための概念図である。
以下、本発明の光配向膜の形成方法、および、液晶層の形成方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
本発明において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本発明において、Re(λ)は、波長λにおける面内のレタデーションを表す。特に記載がないときは、波長λは、550nmとする。
本発明において、Re(λ)は、Axometrics社製の偏光位相差解析装置AxoScanにおいて、波長λで測定した値である。AxoScanに平均屈折率((nx+ny+nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
が算出される。
なお、R0(λ)は、AxoScanで算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
本発明において、屈折率nx、ny、および、nzは、アッベ屈折率(NAR-4T、アタゴ社製)を使用し、光源にナトリウムランプ(λ=589nm)を用いて測定する。また、波長依存性を測定する場合は、多波長アッベ屈折計DR-M2(アタゴ社製)にて、干渉フィルタとの組み合わせで測定できる。
また、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、および、各種光学フィルムのカタログの値を使用できる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、および、ポリスチレン(1.59)。
[光学素子]
まず、本発明の光配向膜の形成方法、および、液晶層の形成方法(以下、まとめて本発明の形成方法ともいう)によって作製される光学素子について図面を用いて説明する。
図1に、本発明の製造方法によって作製される光学素子の一例を概念的に示す。
図1に示す光学素子10は、支持体12と、光配向膜14と、コレステリック液晶層16とを有する。
コレステリック液晶層16は、コレステリック液晶相を固定してなるものである。本発明において、コレステリック液晶層16は、液晶化合物40に由来の光学軸40Aの向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有する(図2参照)。
また、コレステリック液晶層16は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察した断面において、コレステリック液晶相に由来する明部および暗部が、主面に対して傾斜している(図3参照)。なお、主面とは、シート状物(フィルム、板状物)の最大面である。
<支持体>
光学素子10において、支持体12は、光配向膜14およびコレステリック液晶層16を支持するものである。
支持体12は、光配向膜14およびコレステリック液晶層16を支持できるものであれば、各種のシート状物が利用可能である。
なお、支持体12は、対応する光に対する透過率が50%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましく、85%以上であるのがさらに好ましい。
支持体12の厚さには、制限はなく、光学素子10の用途、光学素子10に要求される可撓性または剛性、光学素子10に要求される厚差、および、支持体12の形成材料等に応じて、光配向膜14およびコレステリック液晶層16を保持できる厚さを、適宜、設定すればよい。
支持体12の厚さは、1~1000μmが好ましく、3~250μmがより好ましく、5~150μmがさらに好ましい。
支持体12は単層であっても、多層であってもよい。
単層である場合の支持体12としては、ガラス、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリル、および、ポリオレフィン等からなる支持体12が例示される。多層である場合の支持体12の例としては、前述の単層の支持体のいずれかなどを基板として含み、この基板の表面に他の層を設けたもの等が例示される。
<光配向膜>
光学素子10において、支持体12の表面には光配向膜14が形成される。
光配向膜14は、コレステリック液晶層16を形成する際に、液晶化合物40を所定の液晶配向パターンに配向するための光配向膜14である。
後述するが、コレステリック液晶層16は、液晶化合物40に由来する光学軸40A(図2参照)の向きが、面内の一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有する。従って、光配向膜14は、コレステリック液晶層16が、この液晶配向パターンを形成できるように、形成される。
以下の説明では、『光学軸40Aの向きが回転』を単に『光学軸40Aが回転』とも言う。
光配向膜14は、光配向性の素材に光を照射(露光)して光配向膜14とした、いわゆる光配向膜である。すなわち、光配向膜14は、支持体12上に光配向材料を塗布および露光して形成した光配向膜である。
本発明に利用可能な光配向膜に用いられる光配向材料としては、例えば、特開2006-285197号公報、特開2007-76839号公報、特開2007-138138号公報、特開2007-94071号公報、特開2007-121721号公報、特開2007-140465号公報、特開2007-156439号公報、特開2007-133184号公報、特開2009-109831号公報、特許第3883848号公報および特許第4151746号公報に記載のアゾ化合物、特開2002-229039号公報に記載の芳香族エステル化合物、特開2002-265541号公報および特開2002-317013号公報に記載の光配向性単位を有するマレイミドおよび/またはアルケニル置換ナジイミド化合物、特許第4205195号および特許第4205198号に記載の光架橋性シラン誘導体、特表2003-520878号公報、特表2004-529220号公報および特許第4162850号に記載の光架橋性ポリイミド、光架橋性ポリアミドおよび光架橋性ポリエステル、ならびに、特開平9-118717号公報、特表平10-506420号公報、特表2003-505561号公報、国際公開第2010/150748号、特開2013-177561号公報および特開2014-12823号公報に記載の光二量化可能な化合物、特にシンナメート化合物、カルコン化合物およびクマリン化合物等が、好ましい例として例示される。
中でも、アゾ化合物、光架橋性ポリイミド、光架橋性ポリアミド、光架橋性ポリエステル、シンナメート化合物、および、カルコン化合物は、好適に利用される。
光配向膜14の厚さには制限はなく、光配向膜14の形成材料に応じて、必要な配向機能を得られる厚さを、適宜、設定すればよい。
光配向膜14の厚さは、0.01~5μmが好ましく、0.05~2μmがより好ましい。
光配向膜14の形成方法については後に詳述する。
<コレステリック液晶層>
光学素子10において、光配向膜14の表面には、コレステリック液晶層16が形成される。
コレステリック液晶層16は、コレステリック液晶相を固定してなるものである。すなわち、コレステリック液晶層16は、コレステリック構造を有する液晶化合物40(液晶材料)からなる層である。
コレステリック液晶相は、液晶化合物40が螺旋状に旋回して積み重ねられた螺旋構造を有し、液晶化合物40が螺旋状に1回転(360°回転)して積み重ねられた構成を螺旋1ピッチとして、螺旋状に旋回する液晶化合物40が、複数ピッチ、積層された構造を有する。すなわち、螺旋1ピッチとは、図1に示すピッチPである。
螺旋1ピッチとは、言い換えれば、螺旋の巻き数1回分の長さであり、すなわち、コレステリック液晶相を構成する液晶化合物のダイレクター(棒状液晶であれば長軸方向)が360°回転する螺旋軸方向の長さである。
ここで、コレステリック液晶層は、SEMで観察した断面において、コレステリック液晶相に由来して、明部(明線)と暗部(暗線)との縞模様が観察される。すなわち、コレステリック液晶層の断面では、厚さ方向に明部と暗部とを交互に積層した層状構造が観察される。
コレステリック液晶相では、明部と暗部の繰り返し2回分が、螺旋1ピッチに相当する。明部と暗部の繰り返し2回分とは、暗部(明部)3つ、および、明部(暗部)2つ分である(図3参照)。このことから、コレステリック液晶層すなわち反射層の螺旋1ピッチ(ピッチP)は、SEM断面図から測定することができる。
<<コレステリック液晶相>>
コレステリック液晶相は、特定の波長において選択反射性を示すことが知られている。
一般的なコレステリック液晶相において、選択反射の中心波長(選択反射中心波長)λは、コレステリック液晶相における螺旋1ピッチの長さ(ピッチP、図1および図3参照)に依存し、コレステリック液晶相の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。そのため、螺旋ピッチを調節することによって、選択反射中心波長を調節することができる。
コレステリック液晶相の選択反射中心波長は、ピッチPが長いほど、長波長になる。
コレステリック液晶相の螺旋ピッチは、コレステリック液晶層を形成する際に、液晶化合物と共に用いるキラル剤の種類、および、キラル剤の添加濃度に依存する。従って、これらを調節することによって、所望の螺旋ピッチを得ることができる。
なお、ピッチの調節については富士フイルム研究報告No.50(2005年)p.60-63に詳細な記載がある。螺旋のセンスおよびピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および、「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載される方法を用いることができる。
コレステリック液晶相は、特定の波長において左右いずれかの円偏光に対して選択反射性を示す。反射光が右円偏光であるか左円偏光であるかは、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向(センス)による。コレステリック液晶相による円偏光の選択反射は、コレステリック液晶層の螺旋の捩れ方向が右の場合は右円偏光を反射し、螺旋の捩れ方向が左の場合は左円偏光を反射する。
図1に示すコレステリック液晶層16は、螺旋の捩れ方向が右であるので、選択的な波長帯域において、右円偏光を反射する。
なお、コレステリック液晶相の旋回の方向は、コレステリック液晶層を形成する液晶化合物の種類および/または添加されるキラル剤の種類によって調節できる。
また、選択反射を示す選択反射波長域(円偏光反射波長域)の半値幅Δλ(nm)は、コレステリック液晶相のΔnと螺旋のピッチPとに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射波長域(選択的な反射波長域)の幅の制御は、Δnを調節して行うことができる。Δnは、コレステリック液晶層を形成する液晶化合物の種類およびその混合比率、ならびに、配向固定時の温度により調節できる。
反射波長域の半値幅は、光学積層体の用途に応じて調節され、例えば10~500nmであればよく、好ましくは20~300nmであり、より好ましくは30~100nmである。
<<コレステリック液晶層の液晶配向パターン>>
コレステリック液晶層16は、コレステリック液晶相を形成する液晶化合物40に由来する光学軸40Aの向きが、コレステリック液晶層の面内において、一方向に連続的に回転しながら変化する液晶配向パターンを有する。
なお、液晶化合物40に由来する光学軸40Aとは、液晶化合物40において屈折率が最も高くなる軸、いわゆる遅相軸である。例えば、液晶化合物40が棒状液晶化合物である場合には、光学軸40Aは、棒形状の長軸方向に沿っている。以下の説明では、液晶化合物40に由来する光学軸40Aを、『液晶化合物40の光学軸40A』または『光学軸40A』ともいう。
図2に、コレステリック液晶層16の平面図を概念的に示す。
なお、平面図とは、図1において、コレステリック液晶層16(光学素子10)を上方から見た図であり、すなわち、光学素子10を厚さ方向(=各層(膜)の積層方向)から見た図である。
また、図2では、本発明のコレステリック液晶層16の構成を明確に示すために、液晶化合物40は光配向膜14の表面の液晶化合物40のみを示している。
図2に示すように、光配向膜14の表面において、コレステリック液晶層16を構成する液晶化合物40は、下層の光配向膜14に形成された配向パターンに応じて、矢印Xで示す所定の一方向、および、この一方向(矢印X方向)と直交する方向に、二次元的に配列された状態になっている。
以下の説明では、矢印X方向と直交する方向を、便宜的にY方向とする。すなわち、図1、図2および後述する図4では、Y方向は、紙面に直交する方向となる。
また、コレステリック液晶層16を形成する液晶化合物40は、コレステリック液晶層16の面内において、矢印X方向に沿って、光学軸40Aの向きが、連続的に回転しながら変化する、液晶配向パターンを有する。図示例においては、液晶化合物40の光学軸40Aが、矢印X方向に沿って、反時計回りで連続的に回転しながら変化する、液晶配向パターンを有する。
液晶化合物40の光学軸40Aの向きが矢印X方向(所定の一方向)に連続的に回転しながら変化しているとは、具体的には、矢印X方向に沿って配列されている液晶化合物40の光学軸40Aと、矢印X方向とが成す角度が、矢印X方向の位置によって異なっており、矢印X方向に沿って、光学軸40Aと矢印X方向とが成す角度がθからθ+180°あるいはθ-180°まで、順次、変化していることを意味する。
なお、矢印X方向に互いに隣接する液晶化合物40の光学軸40Aの角度の差は、45°以下であるのが好ましく、15°以下であるのがより好ましく、より小さい角度であるのがさらに好ましい。
一方、コレステリック液晶層16を形成する液晶化合物40は、矢印X方向と直交するY方向、すなわち、光学軸40Aが連続的に回転する一方向と直交するY方向では、光学軸40Aの向きが等しい。
言い換えれば、コレステリック液晶層16を形成する液晶化合物40は、Y方向では、液晶化合物40の光学軸40Aと矢印X方向とが成す角度が等しい。
光学素子10においては、このような液晶化合物40の液晶配向パターンにおいて、面内で光学軸40Aが連続的に回転して変化する矢印X方向において、液晶化合物40の光学軸40Aが180°回転する長さ(距離)を、液晶配向パターンにおける1周期の長さΛとする。すなわち、矢印X方向に対する角度が等しい2つの液晶化合物40の、矢印X方向の中心間の距離を、1周期の長さΛとする。
具体的には、図1および図2に示すように、矢印X方向と光学軸40Aの方向とが一致する2つの液晶化合物40の、矢印X方向の中心間の距離を、1周期の長さΛとする。以下の説明では、この1周期の長さΛを『1周期Λ』とも言う。
光学素子10において、コレステリック液晶層の液晶配向パターンは、この1周期Λを、矢印X方向すなわち光学軸40Aの向きが連続的に回転して変化する一方向に繰り返す。
コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層は、通常、入射した光(円偏光)を鏡面反射する。
これに対して、コレステリック液晶層16は、入射した光を、入射光に対して矢印X方向に角度を有した方向に反射する。コレステリック液晶層16は、面内において、矢印X方向(所定の一方向)に沿って光学軸40Aが連続的に回転しながら変化する、液晶配向パターンを有するものである。
上述のように、コレステリック液晶層16は、選択的な波長帯域において、右円偏光Rを反射する。
従って、コレステリック液晶層16に光が入射すると、コレステリック液晶層16は、選択的な波長帯域における右円偏光Rのみを反射し、それ以外の光を透過する。
面内に液晶配向パターンを有さない通常のコレステリック液晶層は、入射した円偏光を鏡面反射する。
これに対して、面内において、矢印X方向に沿って光学軸40Aが連続的に回転する液晶配向パターンを有するコレステリック液晶層16は、鏡面反射に対して、矢印X方向に傾いた方向に入射した円偏光を反射する。
以下、この点について説明する。
コレステリック液晶層16に入射した右円偏光Rは、コレステリック液晶層によって反射される際に、各液晶化合物40の光学軸40Aの向きに応じて絶対位相が変化する。
ここで、コレステリック液晶層16では、液晶化合物40の光学軸40Aが矢印X方向(一方向)に沿って回転しながら変化している。そのため、光学軸40Aの向きによって、入射した右円偏光Rの絶対位相の変化量が異なる。
さらに、コレステリック液晶層16に形成された液晶配向パターンは、矢印X方向に周期的なパターンである。そのため、コレステリック液晶層16に入射した右円偏光Rには、それぞれの光学軸40Aの向きに対応して、矢印X方向に周期的な絶対位相が与えられる。
また、液晶化合物40の光学軸40Aの矢印X方向に対する向きは、矢印X方向と直交するY方向の液晶化合物40の配列では、均一である。
これによりコレステリック液晶層16では、右円偏光Rに対して、XY面に対して矢印X方向に降下するように傾いた等位相面が形成される。等位相面は、螺旋状に旋回する液晶化合物40における光学軸40Aの向きが旋回方向で一致している液晶化合物40を接続するように形成される。
コレステリック液晶層16では、この等位相面が反射面のように作用する。
コレステリック液晶相では、SEMで観察する断面において、コレステリック液晶相に由来して、明部と暗部との縞模様が観察される。
周知のように、コレステリック液晶相の明部および暗部は、螺旋状に旋回する液晶化合物40における、光学軸40Aの向きが旋回方向で一致している液晶化合物40を接続するように形成される。すなわち、明部および暗部は、上述した等位相面と一致する。
ここで、通常のコレステリック液晶層の明部および暗部は、主面すなわち形成面である配向面と平行になる。
これに対して、コレステリック液晶層16は、面内において、矢印X方向に沿って光学軸40Aが連続的に回転する液晶配向パターンを有する。従って、コレステリック液晶層16の明部Bおよび暗部Dは、図3に概念的に示すように、螺旋状の旋回における光学軸40Aの向きが一致する液晶化合物40の配列に応じて、主面すなわち光配向膜14に対して矢印X方向に向かって降下するように傾斜する。
そのため、入射した右円偏光Rは、明部Bおよび暗部Dすなわち等位相面の法線方向に反射され、XY面(コレステリック液晶層の主面)に対して矢印X方向に傾いた方向に反射される。
矢印X方向に向かう液晶化合物40の光学軸40Aの回転方向を逆にすることで、右円偏光Rの反射方向を逆にできる。すなわち、図1および図2においては、矢印X方向に向かう光学軸40Aの回転方向は反時計回りで、右円偏光Rは矢印X方向に傾けて反射されるが、これを時計回りとすることで、明部Bおよび暗部Dの傾斜方向が逆になるので、右円偏光Rは矢印X方向と逆方向に傾けて反射される。この態様は、言い合えれば、光学軸40Aが反時計回りする矢印X方向を、逆方向にした場合と同様である。
さらに、上述したように、右円偏光を反射するコレステリック液晶層16と左円偏光を反射するコレステリック液晶層とでは、液晶化合物40の螺旋状の旋回方向が逆になる。従って、図示例のように、矢印X方向に向かって光学軸40Aが反時計回りに回転する液晶配向パターンを有する左円偏光を反射するコレステリック液晶層では、明部Bおよび暗部Dの傾斜方向が逆になるので、左円偏光は矢印X方向と逆方向に傾けて反射される。
コレステリック液晶層16においては、面内において、光学軸40Aが連続的に回転する液晶配向パターンの1周期Λが短いほど、上述した入射光に対する反射光の傾斜角度が大きくなる。すなわち、1周期Λが短いほど、反射光を、入射方向に対して大きく傾けて反射できる。
従って、コレステリック液晶層16では、1周期Λを調節することで、入射した光の反射光の反射角度を調節できる。
なお、液晶配向パターンの1周期Λには、制限はないが、反射光を、入射方向に対して大きく傾けて反射できる点で、液晶配向パターンの1周期Λは、1.6μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましく、0.6μm以下がさらに好ましい。
また、図2に示したコレステリック液晶層16は、液晶化合物40が主面に対して傾斜し、かつ、傾斜方向がコレステリック液晶相の明線および暗線に略一致して、反射面に相当する明部および暗部と、液晶化合物40とが一致している。そのため、コレステリック液晶層16では、光の反射(回折)に対する液晶化合物40の作用が大きくなり、回折効率を向上できる。その結果、例えば、入射光に対する反射光の光量を、従来より向上できる。
なお、図2に示す例では、液晶化合物40の傾斜と、コレステリック液晶相の明線および暗線の傾斜とが略一致する構成としたが、これに限定はされない。例えば、液晶化合物40が傾斜していない、すなわち、コレステリック液晶層の主面に対して平行な構成であってもよい。
ここで、図1に示す例では、光学素子が有する液晶層はコレステリック液晶層としたが、これに限定はされず、図9に示す光学素子のように、液晶層は、液晶化合物が螺旋状に旋回して積み重ねられた螺旋構造を有さない光学異方性層であってもよい。
図9に示す光学素子10bが有する光学異方性層18は、液晶化合物を含む組成物を用いて形成された層であり、光学異方性層の面内において、液晶化合物40に由来する光学軸40Aの向きが、矢印Xで示す一方向に連続的に回転しながら変化する液晶配向パターンを有する。すなわち、図9に示す光学異方性層18の平面図は、図2に示す構成と同様である。図9に示す光学異方性層18は、厚さ方向に、同じ向きの液晶化合物40が積層された構成である。
光学異方性層18において、Y方向に配列される液晶化合物は、光学軸40Aと矢印X方向(液晶化合物40の光軸の向きが回転する1方向)とが成す角度が等しい。この光学軸40Aと矢印X方向とが成す角度が等しい液晶化合物40が、Y方向に配置された領域を、領域Rとする。
この場合に、それぞれの領域Rにおける面内レタデーション(Re)の値は、半波長すなわちλ/2であるのが好ましい。これらの面内レターデーションは、領域Rの屈折率異方性に伴う屈折率差Δnと光学異方性層18の厚さとの積により算出される。ここで、光学異方性層18における領域Rの屈折率異方性に伴う屈折率差とは、領域Rの面内における遅相軸の方向の屈折率と、遅相軸の方向に直交する方向の屈折率との差により定義される屈折率差である。すなわち、領域Rの屈折率異方性に伴う屈折率差Δnは、光学軸40Aの方向の液晶化合物40の屈折率と、領域Rの面内において光学軸40Aに垂直な方向の液晶化合物40の屈折率との差に等しい。つまり、上記屈折率差Δnは、液晶化合物の屈折率差に等しい。
このような光学異方性層18に円偏光が入射すると、光は、屈折され、かつ、円偏光の方向が変換される。
この作用を、図10に光学異方性層18を例示して概念的に示す。なお、光学異方性層18は、液晶化合物40の屈折率差と光学異方性層18の厚さとの積の値がλ/2であるとする。
図10に示すように、光学異方性層18の液晶化合物40の屈折率差と光学異方性層18の厚さとの積の値がλ/2の場合に、光学異方性層18に左円偏光である入射光L1が入射すると、入射光L1は、光学異方性層18を通過することにより180°の位相差が与えられて、透過光L2は、右円偏光に変換される。
また、入射光L1は、光学異方性層18を通過する際に、それぞれの液晶化合物40の光学軸40Aの向きに応じて絶対位相が変化する。このとき、光学軸40Aの向きは、矢印X方向に沿って回転しながら変化しているため、光学軸40Aの向きに応じて、入射光L1の絶対位相の変化量が異なる。さらに、光学異方性層18に形成された液晶配向パターンは、矢印X方向に周期的なパターンであるため、光学異方性層18を通過した入射光L1には、図10に示すように、それぞれの光学軸40Aの向きに対応した矢印X方向に周期的な絶対位相Q1が与えられる。これにより、矢印X方向に対して逆の方向に傾いた等位相面E1が形成される。
そのため、透過光L2は、等位相面E1に対して垂直な方向に向かって傾くように屈折され、入射光L1の進行方向とは異なる方向に進行する。このように、左円偏光の入射光L1は、入射方向に対して矢印X方向に一定の角度だけ傾いた、右円偏光の透過光L2に変換される。
一方、図11に概念的に示すように、光学異方性層18の液晶化合物40の屈折率差と光学異方性層18の厚さとの積の値がλ/2のとき、光学異方性層18に右円偏光の入射光L4が入射すると、入射光L4は、光学異方性層18を通過することにより、180°の位相差が与えられて、左円偏光の透過光L5に変換される。
また、入射光L4は、光学異方性層18を通過する際に、それぞれの液晶化合物40の光学軸40Aの向きに応じて絶対位相が変化する。このとき、光学軸40Aの向きは、矢印X方向に沿って回転しながら変化しているため、光学軸40Aの向きに応じて、入射光L4の絶対位相の変化量が異なる。さらに、光学異方性層18に形成された液晶配向パターンは、矢印X方向に周期的なパターンであるため、光学異方性層18を通過した入射光L4は、図11に示すように、それぞれの光学軸40Aの向きに対応した矢印X方向に周期的な絶対位相Q2が与えられる。
ここで、入射光L4は、右円偏光であるので、光学軸40Aの向きに対応した矢印X方向に周期的な絶対位相Q2は、左円偏光である入射光L1とは逆になる。その結果、入射光L4では、入射光L1とは逆に矢印X方向に傾斜した等位相面E2が形成される。
そのため、入射光L4は、等位相面E2に対して垂直な方向に向かって傾くように屈折され、入射光L4の進行方向とは異なる方向に進行する。このように、入射光L4は、入射方向に対して矢印X方向とは逆の方向に一定の角度だけ傾いた左円偏光の透過光L5に変換される。
ここで、光学異方性層18に形成された液晶配向パターンの1周期Λを変化させることにより、透過光L2およびL5の屈折の角度を調節できる。具体的には、液晶配向パターンの1周期Λが短いほど、互いに隣接した液晶化合物40を通過した光同士が強く干渉するため、透過光L2およびL5を大きく屈折させることができる。
また、入射光L1およびL4に対する透過光L2およびL5の屈折の角度は、入射光L1およびL4(透過光L2およびL5)の波長によって異なる。具体的には、入射光の波長が長いほど、透過光は大きく屈折する。すなわち、入射光が赤色光、緑色光および青色光である場合には、赤色光が最も大きく屈折し、青色光の屈折が最も小さい。
さらに、矢印X方向に沿って回転する、液晶化合物40の光学軸40Aの回転方向を逆方向にすることにより、透過光の屈折の方向を、逆方向にできる。
光学異方性層18は、棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物を含む液晶組成物の硬化層からなり、棒状液晶化合物の光軸または円盤状液晶化合物の光軸が、上記のように配向された液晶配向パターンを有している。
支持体12上に光配向膜14を形成し、光配向膜14上に液晶組成物を塗布、硬化することにより、液晶組成物の硬化層からなる光学異方性層18を得ることができる。液晶組成物の塗布方法および硬化方法は前述のとおりである。
なお、いわゆるλ/2板として機能するのは光学異方性層18であるが、本発明は、支持体12および光配向膜14を一体的に備えた積層体がλ/2板として機能する態様を含む。
また、光学異方性層18を形成するための液晶組成物は、棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物を含有し、さらに、レベリング剤、配向制御剤、重合開始剤、架橋剤および配向助剤などのその他の成分を含有していてもよい。また、液晶組成物は、溶媒を含んでいてもよい。
光学異方性層18を形成するための液晶組成物が含有する、棒状液晶化合物、円盤状液晶化合物等は、前述のコレステリック液晶層16を形成するための液晶組成物が含有する棒状液晶化合物、円盤状液晶化合物等と同様のものを用いることができる。
すなわち、光学異方性層18を形成するための液晶組成物は、キラル剤を含有しない以外は、前述のコレステリック液晶層16を形成するための液晶組成物と同様である。
また、光学異方性層18は、入射光の波長に対して広帯域であることが望ましく、複屈折率が逆分散となる液晶材料を用いて構成されていることが好ましい。また、液晶組成物に捩れ成分を付与することにより、また、異なる位相差層を積層することにより、入射光の波長に対して光学異方性層18を実質的に広帯域にすることも好ましい。例えば、光学異方性層18において、捩れ方向が異なる2層の液晶を積層することによって広帯域のパターン化されたλ/2板を実現する方法が特開2014-089476号公報等に示されており、本発明において好ましく使用することができる。
[光配向膜の形成方法]
本発明の光配向膜の形成方法は、
支持体上に形成された光配向材料を含む光配向膜の表面に、2本の光を交差させて形成される干渉光を照射して光配向膜の表面を露光して、光配向膜に、液晶化合物由来の光学軸の向きを、面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化させる配向パターンを形成する露光工程と、
支持体を、支持体の表面に平行な方向であって、2本の光の光軸が画成する直線に平行な方向に距離D移動させる移動工程と、を有し、
露光工程と、移動工程とを交互に繰り返して光配向膜を露光する光配向膜の形成方法である。
ここで、2本の光の波長をλ、2本の光の交差角をαとし、Nを整数とすると、距離Dは下記式で表され、かつ、光配向膜上に照射される干渉光の照射サイズよりも小さい。
λ/{2×sin(α/2)}×N-λ/8<D<λ/{2×sin(α/2)}×N+λ/8
本発明の光配向膜の形成方法は、例えば、光配向膜を形成するための光配向膜形成用塗布液(以下、塗布液ともいう)を支持体12の表面に塗布する塗布工程、塗布した塗膜を乾燥させる乾燥工程、および、乾燥させた塗膜をレーザー光によって露光して、配向パターンを形成する露光工程を有する。
ここで、本発明の光配向膜の形成方法は、支持体12を移動して複数回露光を行うことで、露光される領域のサイズを大きくする。すなわち、光配向膜を大サイズ化するものであり、移動の際の移動距離Dを上記範囲とするものである。
(塗布工程)
光配向膜となる塗布液を塗布する方法としては限定はなく、バーコート、グラビアコート、および、スプレー塗布等の液体の塗布に用いられている公知の各種の方法が利用可能である。また、塗布液の塗布厚(塗膜厚)は、塗布液の組成等に応じて、目的とする厚さの光配向膜が得られる塗布厚を、適宜、設定すればよい。
(乾燥工程)
塗膜を乾燥する方法としては限定はなく、ヒータによる加熱乾燥、温風による加熱乾燥等の公知の乾燥方法が全て利用可能である。
(露光工程)
露光工程は、光配向材料を含む光配向膜の表面を干渉露光して、光配向膜に、液晶化合物由来の光学軸の向きを、面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化させる配向パターンを形成する工程である。
図4に、光配向膜14を露光して、配向パターンを形成する露光装置の一例を概念的に示す。
図4に示す露光装置60は、レーザー62を備えた光源64と、レーザー62が出射したレーザー光Mの偏光方向を変えるλ/2板65と、レーザー62が出射したレーザー光Mを光線MAおよびMBの2つに分離する偏光ビームスプリッター68と、分離された2つの光線MAおよびMBの光路上にそれぞれ配置されたミラー70Aおよび70Bと、λ/4板72Aおよび72Bと、可動ステージ75と、を備える。
なお、光源64は直線偏光P0を出射する。λ/4板72Aは、直線偏光P0(光線MA)を右円偏光PRに、λ/4板72Bは直線偏光P0(光線MB)を左円偏光PLに、それぞれ変換する。
また、可動ステージ75は、光配向膜14を有する支持体12が載置されるもので、面方向に移動可能ないわゆるX-Yステージである。
配向パターンを形成される前の光配向膜14、すなわち、乾燥後の塗膜を有する支持体12が露光部に配置され、2つの光線MAと光線MBとを光配向膜14上において交差させて干渉させ、その干渉光を光配向膜14に照射して露光する。
この際の干渉により、光配向膜14に照射される光の偏光状態が干渉縞状に周期的に変化するものとなる。これにより、光配向膜14において、配向状態が周期的に変化する配向パターンが得られる。以下、配向パターンを有する光配向膜をパターン光配向膜ともいう。
露光装置60においては、2つの光線MAおよびMBの交差角αを変化させることにより、配向パターンの周期を調節できる。すなわち、露光装置60においては、交差角αを調節することにより、液晶化合物40に由来する光学軸40Aが一方向に向かって連続的に回転する配向パターンにおいて、光学軸40Aが回転する1方向における、光学軸40Aが180°回転する1周期の長さを調節できる。
このような配向状態が周期的に変化した配向パターンを有する光配向膜14上に、コレステリック液晶層を形成することにより、後述するように、液晶化合物40に由来する光学軸40Aが一方向に向かって連続的に回転する液晶配向パターンを有する、コレステリック液晶層を形成できる。
また、λ/4板72Aおよび72Bの光学軸を、それぞれ、90°回転することにより、光学軸40Aの回転方向を逆にすることができる。
上述のとおり、パターン光配向膜は、パターン光配向膜の上に形成されるコレステリック液晶層中の液晶化合物の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンとなるように、液晶化合物を配向させる配向パターンを有する。パターン光配向膜が、液晶化合物を配向させる向きに沿った軸を配向軸とすると、パターン光配向膜は、配向軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している配向パターンを有するといえる。パターン光配向膜の配向軸は、吸収異方性を測定することで検出することができる。例えば、パターン光配向膜に直線偏光を回転させながら照射して、パターン光配向膜を透過する光の光量を測定した際に、光量が最大または最小となる向きが、面内の一方向に沿って漸次変化して観測される。
ここで、このような光配向膜の露光工程において、配向軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している配向パターンは、干渉光が照射された領域に形成される。
図5は、1回露光された光配向膜14をZ方向からみた平面図である。図5中、符号15で示す領域が干渉光によって露光された領域(以下、露光領域という)である。この露光領域15は、図4に示すような露光装置60で2本の光線MAおよびMBを交差させて形成した干渉光の照射サイズに略一致する。照射サイズとは、光配向膜上における干渉光のサイズである。
上述した露光工程では、通常、光配向膜と干渉光の照射位置との相対位置を固定して、数分~十数分間露光する。これによって、露光領域15内に、図5に模式的に示すように、配向軸19が、面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している配向パターンが形成される。
ここで、前述のとおり、このような干渉光の露光によって配向パターンを形成する場合、光配向膜上における干渉光の照射サイズは直径10cm程度が限界であり、大サイズの光配向膜を形成することができなかった。
ビームエキスパンダなどを用いて、照射サイズを拡大させる方法はあるが、単位面積当たりの照射エネルギーが小さくなる。そのため、大エネルギーのレーザーが必要になるが、現存するレーザーの最大出力に限界がある。また、光学系が大きくなるため、装置が大型化してしまうという問題もある。そのため、照射サイズを拡大する方法による光配向膜の大型化は、現実的には、数cmが限界である。
そこで、本発明者らは、1回目の露光後に、可動ステージを用いて支持体の位置を動かし2回目の露光を行って、図6に示すように、1回目の露光領域15aと2回目の露光領域15bとが一部重複するように複数回の露光を行って、露光領域を拡大する方法を検討した。しかしながら、露光が重なった部分(符号17で示す領域、以下、重複領域ともいう)で、光配向膜の上に形成した液晶層中の液晶化合物が適正に配向しない箇所が発生し、配向欠陥が生じることがわかった。すなわち、光配向膜14の重複領域17では、配向軸19の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している配向パターンが形成されないことがわかった。
この点について本発明者らは、重複領域17で、1回目の露光で形成される配向パターンの各位置における配向軸19の向きと、2回目の露光で形成される配向パターンの各位置における各配向軸19の向きが異なると、配向軸19が適正に形成されず、配向パターンが形成されないものと考えた。
これに対して、本発明は、1回目の露光後に、光配向膜14が形成された支持体12を、支持体12の表面に平行な方向であって、2本の光(光線MAおよびMB)の光軸が画成する直線に平行な方向に所定の距離D移動させる移動工程を行って、2回目の露光を行うことで、重複領域17でも、配向軸19の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している配向パターンを形成できることを見出した。
ここで、距離Dは、露光時に照射される2本の光の波長をλ、2本の光の交差角をαとし、Nを整数とすると、
λ/{2×sin(α/2)}×N-λ/8<D<λ/{2×sin(α/2)}×N+λ/8
で表される。
上記距離Dの式において、λ/{2×sin(α/2)}×Nをd1、λ/8をd2で表すと、上記式は、d1-d2<D<d1+d2で表される。
1に含まれるλ/{2×sin(α/2)}の成分は、露光領域15に形成される配向パターンの1周期Λに対応する。すなわち、d1は、1周期Λの整数倍の値である。従って、d1-d2<D<d1+d2で表される距離Dは、1周期Λの整数倍に近い値(±d2の誤差範囲)の距離を移動させることを意味している。
ここで、露光領域15において、配向軸19の向きが面内の一方向に沿って連続的に回転しながら変化している方向(X方向)は、図4に示す2本の光(光線MAおよびMB)の光軸が画成する直線に平行な方向に形成される。言い換えると、干渉光が照射される光配向膜14(支持体12)の表面に垂直な方向(Z方向)から見た際に、2本の光(光線MAおよびMB)の光軸と平行な方向に形成される。なお、2本の光線MAおよびMBは、Z方向から見た際に、その光軸が平行になるように照射される。
従って、1回目の露光の後、支持体12の表面に平行な方向であって、2本の光の光軸が画成する直線に平行な方向、すなわち、配向軸19の向きが面内で連続的に回転しながら変化している一方向(X方向)に距離D移動させて(図4参照)、2回目の露光を行うと、1周期Λの略整数倍の距離移動させているので、重複領域17で、1回目の露光で形成される配向パターンの各位置における配向軸19の向きと、2回目の露光で形成される配向パターンの各位置における各配向軸19の向きが略一致し、配向軸19が適正に形成される。そのため、重複領域17にも適正に配向パターンを形成することができる。従って、上述した露光工程と移動工程とを交互に繰り返して行うことで、大サイズで、液晶化合物を適正に配向できる光配向膜を形成できる。また、この形成方法で形成した大サイズの光配向膜上に液晶層を形成することで、大サイズで、配向欠陥の少ない液晶層を形成することができる。
なお、露光領域を拡大するためには、1回目の露光領域15aと2回目の露光領域15bとを一部重複させる必要がある。従って、距離Dは、露光時の干渉光の照射サイズ(図6中R1)よりも小さくする必要がある。
ここで、上記説明においては、2回の露光を行う場合について説明を行ったが、これに限定はされず、3回以上の露光を行ってもよい。
例えば、図7に示すように、4回の露光を行って、4つの露光領域をX方向に形成するのもであってもよい。この場合は、1回目の露光を行って露光領域15aを形成した後、支持体をX方向に距離D移動させて2回目の露光を行って露光領域15bを形成し、次に、支持体をX方向に距離D移動させて3回目の露光を行って露光領域15cを形成し、さらに、支持体をX方向に距離D移動させて4回目の露光を行って露光領域15dを形成すればよい。各露光の間で支持体を距離D移動させているので、露光領域15aと露光領域15bとが重複する重複領域17a、露光領域15bと露光領域15cとが重複する重複領域17b、および、露光領域15cと露光領域15dとが重複する重複領域17cのいずれでも適正に配向パターンを形成することができる。
また、図6に示す例では、X方向に支持体を移動させて複数回の露光を行って露光領域を拡大するものとしたが、さらに、X方向と直交する方向、すなわち、支持体の表面に平行な方向であって、2本の光の光軸が画成する直線に直交する方向に移動させて、複数回の露光を行ってもよい。支持体の表面に平行な方向であって、2本の光の光軸が画成する直線に直交する方向は、図2に示すY方向と一致する。
前述のとおり、Y方向において、配向軸19の向きは一定である。従って、Y方向における移動距離がいかなる値であっても2つの露光領域が重複する重複領域内において各位置における各配向軸19の向きは一致する。
例えば、図8に示す例は、1回目の露光で露光領域15aを形成し、X方向に支持体を距離D移動させて2回目の露光を行って露光領域15bを形成し、次に、Y方向に支持体を移動させて3回目の露光を行って露光領域15fを形成し、さらに、X方向に支持体を距離-D移動させて4回目の露光を行って露光領域15eを形成してもよい。
露光領域15aと露光領域15bとが重複する重複領域17a、および、露光領域15eと露光領域15fとが重複する重複領域17dはそれぞれ、各露光の間で支持体を距離D移動させているので、適正に配向パターンを形成することができる。また、露光領域15aと露光領域15eとが重複する重複領域17e、および、露光領域15bと露光領域15fとが重複する重複領域17dは、各露光の間の移動距離に関わらず、配向軸19の向きは一致するため適正に配向パターンを形成することができる。
図8に示すように、X方向に加えて、Y方向に支持体を移動させて複数回の露光を行って露光領域を拡大することで、任意の大きさ、形状の光配向膜を形成することができる。
なお、Y方向に支持体を移動させる場合にも、露光領域を一部重複させる必要があるため、距離は、露光時の干渉光の照射サイズよりも小さくする必要がある。
ここで、1回の露光工程における露光時間は、照射する光の出力、照射サイズ等にもよるが、3分以上であるのが好ましく、4分~10分であるのがより好ましく、5分~7分であるのがさらに好ましい。
また、1回の露光工程における干渉光の照射サイズは、照射する光の出力等にもよるが、50mm以下が好ましく、5mm~40mmがより好ましく、8mm~15mmがさらに好ましい。
また、移動工程における移動距離Dは、照射サイズ等にもよるが、3mm~50mmが好ましく、4mm~35mmがより好ましく、5mm~10mmがさらに好ましい。
また、前述のとおり、1回の露光工程における露光時間は数分以上必要である。そのため、移動工程における支持体の移動速度が極端に遅くない限り、支持体の移動を光配向膜に干渉光を照射したまま行っても、光配向膜に形成される配向パターンへの影響は小さい。
しかしながら、移動工程の際には、光配向膜への干渉光の照射をしない構成としてもよい。
例えば、図4に示すように、1つの光源64からの光を分岐させて2本の光を形成し、この2本の光を交差させて干渉光を形成する構成の場合には、光源64からの出力光(レーザー光M)を遮蔽可能なシャッターを設けて、露光工程が終わったあと、シャッターを閉じて出力光を遮蔽して移動工程を行い、移動工程終了後、シャッターを開いて、次の露光工程を行う構成としてもよい。なお、上記のように、光源64から出力された直後の出力光を遮蔽する構成に限定はされず、出力光が分岐された後の2本の光をそれぞれ遮蔽する構成であってもよい。
また、図6に示す例では、1つの露光領域の形状は円形状とした、すなわち、干渉光の照射形状は円形状としたが、これに限定はされない。
例えば、光源64から照射される光の光路上にマスクを配置して、光配向膜14に照射される干渉光の照射形状を四角形状等に形成して、露光領域の形状を四角形状等に形成してもよい。
<液晶層の形成方法>
本発明の液晶層の形成方法は、
上述した光配向膜の形成方法で形成した光配向膜上に、液晶化合物を含む液晶組成物を用いて液晶層を形成する液晶層の形成方法である。
以下の説明は、コレステリック液晶層を例にして行う。なお、図9に示すような光学異方性層の場合には、液晶組成物がキラル剤を含有しない以外は基本的に同様の方法で光学異方性層を形成することができる。
<<コレステリック液晶層の形成方法>>
コレステリック液晶層16は、コレステリック液晶相を層状に固定して形成できる。
コレステリック液晶相を固定した構造は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている構造であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、外場または外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した構造が好ましい。
なお、コレステリック液晶相を固定した構造においては、コレステリック液晶相の光学的性質が保持されていれば十分であり、コレステリック液晶層において、液晶化合物40は液晶性を示さなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、液晶性を失っていてもよい。
ここで、本発明の製造方法において、前述のとおり、大サイズで液晶化合物を適正に配向できる光配向膜を形成することができるので、この光配向膜の上に形成される液晶層中の液晶化合物を適正に配向させることができ、配向欠陥が少ない液晶層を形成することができる。
コレステリック液晶層16の形成方法には、制限はなく、公知の形成方法が、各種、利用可能である。
特に、以下に示すコレステリック液晶層の形成方法は、コレステリック液晶層16を、安定して、好適に形成できるため、好ましく例示される。
<<<液晶組成物>>>
コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層16の形成に用いる材料は、一例として、液晶化合物およびキラル剤を含む液晶組成物が挙げられる。液晶化合物は重合性液晶化合物であるのが好ましい。
また、コレステリック液晶層の形成に用いる液晶組成物は、さらに界面活性剤等を含んでいてもよい。
--重合性液晶化合物--
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよい。
コレステリック液晶相を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、および、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類等が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基がより好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1~6個、より好ましくは1~3個である。
重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、米国特許第5622648号明細書、米国特許第5770107号明細書、国際公開第95/22586号、国際公開第95/24455号、国際公開第97/00600号、国際公開第98/23580号、国際公開第98/52905号、特開平1-272551号公報、特開平6-16616号公報、特開平7-110469号公報、特開平11-80081号公報、および、特開2001-328973号公報等に記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、上記以外の重合性液晶化合物としては、特開昭57-165480号公報に開示されているようなコレステリック相を有する環式オルガノポリシロキサン化合物等を用いることができる。さらに、前述の高分子液晶化合物としては、液晶を呈するメソゲン基を主鎖、側鎖、あるいは主鎖および側鎖の両方の位置に導入した高分子、コレステリル基を側鎖に導入した高分子コレステリック液晶、特開平9-133810号公報に開示されているような液晶性高分子、および、特開平11-293252号公報に開示されているような液晶性高分子等を用いることができる。
--円盤状液晶化合物--
円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007-108732号公報や特開2010-244038号公報に記載のものを好ましく用いることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、75~99.9質量%であるのが好ましく、80~99質量%であるのがより好ましく、85~90質量%であるのがさらに好ましい。
--界面活性剤--
コレステリック液晶層を形成する際に用いる液晶組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤は、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶相とするために寄与する配向制御剤として機能できる化合物が好ましい。界面活性剤としては、例えば、シリコ-ン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤が挙げられ、フッ素系界面活性剤が好ましく例示される。
界面活性剤の具体例としては、特開2014-119605号公報の段落[0082]~[0090]に記載の化合物、特開2012-203237号公報の段落[0031]~[0034]に記載の化合物、特開2005-99248号公報の段落[0092]および[0093]中に例示されている化合物、特開2002-129162号公報の段落[0076]~[0078]および段落[0082]~[0085]中に例示されている化合物、ならびに、特開2007-272185号公報の段落[0018]~[0043]等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、などが挙げられる。
なお、界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤として、特開2014-119605号公報の段落[0082]~[0090]に記載の化合物が好ましい。
液晶組成物中における、界面活性剤の添加量は、液晶化合物の全質量に対して0.01~10質量%が好ましく、0.01~5質量%がより好ましく、0.02~1質量%がさらに好ましい。
(配向制御剤)
液晶組成物は、光配向膜上に塗布した際に、光配向膜側あるいは空気界面側の少なくとも一方の界面にプレチルト角を有する領域を発現させるための添加剤(配向制御剤)を少なくとも一種含有させることが好ましい。前述の添加剤を組成物に含有させることで、光学素子にプレチルト角を有する領域を設けることができる。
液晶組成物には、光配向膜上に塗布した際に、空気界面側にプレチルト角を持たせるために、液晶性化合物以外に、空気界面配向剤を含有することが好ましい。これにより、光学異方性層の上下界面の少なくとも1つの界面に対してプレチルト角を有する領域を形成することができる。空気界面配向剤は、後述する式(A)で表される構成単位を有するフッ素系ポリマー(X)と、後述する式(A)で表される構成単位を有さず、極性基を有するフッ素系ポリマー(Y)とを含む組成物である。
本発明においては、上述した通り、上記フッ素系ポリマー(X)および上記フッ素系ポリマー(Y)を空気界面配向剤として配合することにより、形成される液晶層の膜厚ムラを抑制し、プレチルト角を制御することができる。
これは、詳細には明らかではないが、一定の間隔で配列するフッ素系ポリマー(X)の間に棒状液晶性化合物が入り込むことにより、重合後の液晶層のプレチルト角を低チルト領域に制御することができたと考えられる。また、フッ素系ポリマー(Y)が、フッ素系ポリマー(X)の配列を保持することにより、形成される液晶層の膜厚ムラを抑制することができたと考えられる。
液晶組成物が含有する空気界面配向剤は、少なくとも、後述する式(A)で表される構成単位を有するフッ素系ポリマー(X)と、後述する式(A)で表される構成単位を有さず、極性基を有するフッ素系ポリマー(Y)とを含むことが好ましい。
(式(A)中、Mpはポリマー主鎖の一部を構成する3価の基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表し、Xは置換または無置換の縮合環官能基を表す。)
<フッ素系ポリマー(X)およびフッ素系ポリマー(Y)の質量比(A:B)>
98:2~2:98であるのが好ましく、98:2~55:45であるのがより好ましく、98:2~60:40であるのがより好ましい。
本発明においては、上述したフッ素系ポリマー(X)およびフッ素系ポリマー(Y)を含む空気界面配合剤の含有量は、液晶組成物の全固形分に対して0.2質量%~10質量%であるのが好ましく、0.2質量%~5質量%であるのがより好ましく、0.2質量%~3質量%であるのが更に好ましい。
〔その他の成分〕
液晶組成物には、上述した液晶性化合物および光配向化合物以外の成分が含まれていてもよい。
例えば、液晶組成物には、重合開始剤が含まれていてもよい。
使用される重合開始剤は、重合反応の形式に応じて、熱重合開始剤、光重合開始剤が挙げられる。例えば、光重合開始剤の例には、α-カルボニル化合物、アシロインエーテル、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物、多核キノン化合物、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ、アクリジンおよびフェナジン化合物およびオキサジアゾール化合物が含まれる。
重合開始剤の使用量は、組成物の全固形分に対して、0.01~20質量%であることが好ましく、0.5~5質量%であることが更に好ましい。
また、液晶組成物には、塗工膜の均一性、膜の強度の点から、重合性モノマーが含まれていてもよい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性またはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の円盤状液晶性化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002-296423号公報明細書中の段落番号[0018]~[0020]記載のものが挙げられる。
重合性モノマーの添加量は、液晶性化合物100質量部に対して、1~50質量部であることが好ましく、5~30質量部であることがより好ましい。
また、液晶組成物には、塗工膜の均一性、膜の強度の点から、界面活性剤が含まれていてもよい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001-330725号公報の段落番号[0028]~[0056]記載の化合物、特願2003-295212号明細書中の段落番号[0069]~[0126]記載の化合物が挙げられる。
また、液晶組成物には、溶媒が含まれていてもよく、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒の例には、アミド(例、N,N-ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
《オニウム塩》
液晶組成物は、光配向膜上に塗布した際に、光配向膜側でプレチルト角を有する領域を設けるため、オニウム塩の少なくとも一種を含有することが好ましい。オニウム塩は光配向膜界面側において棒状液晶化合物の分子に一定のプレチルト角を付与させるのに寄与する。オニウム塩の例には、アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩が含まれる。好ましくは、4級オニウム塩であり、特に好ましくは第4級アンモニウム塩である。
液晶組成物中のオニウム塩の含有量は、その種類によって好ましい含有量が変動するが、通常は、併用される棒状液晶性化合物の含有量に対して、0.01~10質量%であるのが好ましく、0.05~7質量%であるのがより好ましく、0.05~5質量%であるのがさらに好ましい。オニウム塩は二種類以上用いてもよいが、かかる場合は、使用する全種類のオニウム塩の含有量の合計が前述の範囲であるのが好ましい。
--キラル剤(光学活性化合物)--
キラル剤(カイラル剤)はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル剤は、化合物によって誘起する螺旋の捩れ方向または螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4-3項、TN(twisted nematic)、STN(Super Twisted Nematic)用キラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド(イソソルビド構造を有するキラル剤)、および、イソマンニド誘導体等を用いることができる。
また、キラル剤は、光の照射によって、戻り異性化、二量化、ならびに、異性化および二量化等を生じて、螺旋誘起力(HTP:Helical Twisting Power)が低下するキラル剤も、好適に利用可能である。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物または面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン、および、これらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であるのが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であるのが好ましく、不飽和重合性基であるのがより好ましく、エチレン性不飽和重合性基であるのがさらに好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロッミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ基、アゾキシ基、または、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002-80478号公報、特開2002-80851号公報、特開2002-179668号公報、特開2002-179669号公報、特開2002-179670号公報、特開2002-179681号公報、特開2002-179682号公報、特開2002-338575号公報、特開2002-338668号公報、特開2003-313189号公報、および、特開2003-313292号公報等に記載の化合物を用いることができる。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、液晶化合物の含有モル量に対して0.01~200モル%が好ましく、1~30モル%がより好ましい。
--重合開始剤--
液晶組成物が重合性化合物を含む場合は、重合開始剤を含有しているのが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。
光重合開始剤の例には、α-カルボニル化合物(米国特許第2367661号、米国特許第2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、米国特許第2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60-105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)、ならびに、オキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、液晶化合物の含有量に対して0.1~20質量%であるのが好ましく、0.5~12質量%であるのがさらに好ましい。
--架橋剤--
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、および、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレートおよびエチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2-ビスヒドロキシメチルブタノール-トリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート]および4,4-ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネートおよびビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ならびに、ビニルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、液晶組成物の固形分質量に対して、3~20質量%が好ましく、5~15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲内であれば、架橋密度向上の効果が得られやすく、コレステリック液晶相の安定性がより向上する。
--その他の添加剤--
液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、および、金属酸化物微粒子等を、光学的性能等を低下させない範囲で添加することができる。
液晶組成物は、コレステリック液晶層(コレステリック液晶層16)を形成する際には、液体として用いられるのが好ましい。
液晶組成物は溶媒を含んでいてもよい。溶媒には、制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましい。
有機溶媒には、制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、および、エーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が好ましい。
<<<コレステリック液晶層の形成>>>
コレステリック液晶層を形成する際には、コレステリック液晶層の形成面に液晶組成物を塗布して、液晶化合物をコレステリック液晶相の状態に配向した後、液晶化合物を硬化して、コレステリック液晶層とするのが好ましい。
すなわち、上述した液晶配向パターンに応じた、光学軸40Aの向きを、面内の少なくとも一方向に沿って回転させる配向パターンを有する光配向膜14に、上述した液所化合物およびキラル剤を含む液晶組成物を塗布する。
液晶組成物の塗布は、インクジェットおよびスクロール印刷等の印刷法、ならびに、スピンコート、バーコートおよびスプレー塗布等のシート状物に液体を一様に塗布できる公知の方法が全て利用可能である。
液晶組成物の塗膜厚には、制限はなく、形成するコレステリック液晶層16の膜厚に応じて、適宜、設定すればよい。
ここで、以下に示す方法では、1回の塗布によって、膜厚の厚いコレステリック液晶層を形成できる。この点を考慮すると、液晶組成物の塗膜厚dcは、液晶配向パターンにおける1周期Λの半分を超える厚さであるのが好ましい。すなわち、液晶組成物の塗膜厚dcは『dc>Λ/2』を満たすのが好ましい。
液晶組成物の塗膜を形成したら、次いで、液晶組成物を加熱処理する加熱工程を行う。加熱処理によって、液晶化合物40を上述した配向状態とする。
加熱処理は、液晶化合物40の、結晶相-ネマチック相転移温度(Cr-Ne相転移温度)~ネマチック相-等方相転移温度(Ne-Iso相転移温度)の温度範囲内の温度T1で行うのが好ましい。
加熱処理温度がCr-Ne相転移温度未満では、液晶化合物40を適正に配向できない等の不都合を生じるおそれがある。
加熱処理温度がNe-Iso相転移温度を超えると、配向欠陥の増加、回折効率の低下等の不都合を生じるおそれがある。
加熱処理時間には、制限はないが、10~600秒が好ましく、15~300秒がより好ましく、30~200秒がさらに好ましい。
加熱工程を終了したら、組成物層に対して硬化処理を実施することが好ましい。
硬化処理の方法は特に制限されず、光硬化処理および熱硬化処理が挙げられる。なかでも、光照射処理が好ましく、紫外線照射処理がより好ましい。円盤状液晶化合物が重合性基を有する場合には、硬化処理は、光照射(特に紫外線照射)による重合反応であるのが好ましく、光照射(特に紫外線照射)によるラジカル重合反応であるのがより好ましい。
紫外線照射には、紫外線ランプ等の光源が利用される。
紫外線の照射エネルギー量は特に制限されないが、一般的には、100~800mJ/cm2程度が好ましい。なお、紫外線を照射する時間は特に制限されないが、得られる層の充分な強度および生産性の双方の観点から適宜決定すればよい。
光照射による硬化は、露光を1回のみ行っても良いが、加熱処理後に第1露光工程を行い、その後、波長の異なる光を照射する第2露光工程を行うのが好ましい。
光の照射によってHTPが低下するキラル剤を用い、このような2段階の露光を行うことで、第1露光工程において螺旋1ピッチ(ピッチP)を伸長して、第2露光工程で液晶組成物を硬化することで、上述した『P/Λ≦1.5』を超える螺旋1ピッチを有するコレステリック液晶層16を形成でき、かつ、『P/Λ≦1.5』を超える螺旋1ピッチを有するコレステリック液晶層16でも、上部すなわち光配向膜14と離れた領域において、安定して液晶化合物40を主面に対して傾斜させることが可能である。
このような2回の露光工程を行うことにより、コレステリック液晶層16は、SEMで観察する断面において、明部と暗部との形成周期すなわちピッチPが、厚さ方向の位置によって異なる領域を有する構成となるように制御することが可能である。
また、このような2回の露光工程を行うことにより、コレステリック液晶層16は、傾斜角θ1が、厚さ方向の位置によって異なる領域を有する構成となるように制御することが可能である。なお、傾斜角θ1とは、図3に示すように、明部および暗部がコレステリック液晶層16の主面に対して成す角度である。
好ましくは、コレステリック液晶層16は、厚さ方向の一方向に向かって、傾斜角θ1が連続的に増大する領域を有する。図示例においては、コレステリック液晶層16は、光配向膜14側から、光配向膜14と離間する側(空気側界面A)に向かって、傾斜角θ1が連続的に増大する領域を有するのが好ましい。
より好ましくは、コレステリック液晶層16は、厚さ方向の一方向に向かって傾斜角θ1が連続的に増大する領域と、同方向に向かって傾斜角が連続的に減少する領域とを有する。図示例においては、コレステリック液晶層16は、光配向膜14側から、光配向膜14と離間する側に向かって、傾斜角θ1が連続的に増大する領域と、同方向に向かって、傾斜角θ1が連続的に減少する領域とを有するのがより好ましい。特に、コレステリック液晶層16は、厚さ方向において、最も光配向膜14側の、傾斜角θ1の増大が少ない領域と、中間の傾斜角θ1の増大が大きい中間領域と、最も光配向膜14と離間する、中間領域に対して傾斜角θ1が連続的に減少する領域と、を有するのが好ましい。
このような膜厚方向に連続的にピッチPおよび/または傾斜角θが変化する構造を有するコレステリック液晶層16は、透過率の入射角依存性の広い性能を得ることができる。透過率が低下する角度範囲は、入射光が回折する角度範囲に相当する。従って、透過率の入射角依存性が広い回折素子を、例えばARグラスの導光板の入射、および/または、出射用の素子として使用することで、視野角の広いARグラスを得ることができる。
露光に用いる光には、制限はないが、紫外線を用いるのが好ましい。照射する紫外線の波長は250~430nmが好ましい。
照射エネルギーは、合計で2mJ/cm2~50J/cm2が好ましく、5~1500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で露光を実施してもよい。
本発明の形成方法によって形成されるコレステリック液晶層16の膜厚には、制限はなく、コレステリック液晶層16の選択反射中心波長、コレステリック液晶層16に要求される反射率(回折効率)等に応じて、適宜、設定すればよい。
本発明の形成方法によって形成されるコレステリック液晶層16の膜厚は、1.0μm以上が好ましく、2.0μm以上がより好ましい。本発明の形成方法によって形成するコレステリック液晶層16の膜厚の上限は、6μm程度である。
なお、本発明の製造方法は、コレステリック液晶層の形成を、複数回、繰り返す、多重塗布によるコレステリック液晶層の形成にも、好適に利用可能である。
本発明の製造方法で作製される光学素子は、液晶層(コレステリック液晶層16、光学異方性層18)単体であってもよく、光配向膜および支持体を含むものであってもよい。
また、上述した、本発明の製造方法で作製される光学素子は、液晶層(コレステリック液晶層16、光学異方性層18)を1層のみ有するものであるが、本発明は、これに制限はされない。すなわち、光学素子は、2層以上の液晶層を有してもよい。
例えば、本発明の製造方法で作製される光学素子は、赤色光を選択的に反射するコレステリック液晶層および緑色光を選択的に反射するコレステリック液晶層を有する、2層のコレステリック液晶層を有するものでもよく、赤色光を選択的に反射するコレステリック液晶層、緑色光を選択的に反射するコレステリック液晶層、および、青色光を選択的に反射するコレステリック液晶層を有する、3層のコレステリック液晶層を有するものでもよい。
光学素子が、複数層のコレステリック液晶層を有する場合には、全てのコレステリック液晶層が本発明の製造方法で作製されたコレステリック液晶層16であるのが好ましいが、従来の方法で作製されたコレステリック液晶層を含むものでもよい。
本発明の製造方法で作製された光学素子は、光学装置における光路変更部材、光集光素子、所定方向への光拡散素子、および、回折素子等、鏡面反射ではない角度で光を反射する、各種の用途に利用可能である。
以上、本発明の光配向膜の形成方法、および、液晶層の形成方法について詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、使用量、物質量、割合、処理内容、および、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
(光配向膜の形成)
支持体としてガラス基材を用意した。
支持体上に、下記の光配向膜形成用塗布液を、スピンコータを用いて、2500rpmにて30秒間塗布した(塗布工程)。この光配向膜形成用塗布液の塗膜が形成された支持体を60℃のホットプレート上で60秒間乾燥し(乾燥工程)、光配向膜を形成した。
光配向膜形成用塗布液
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記光配向用素材 1.00質量部
水 16.00質量部
ブトキシエタノール 42.00質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 42.00質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
-光配向用素材-
(光配向膜の露光(露光工程))
図4に示す露光装置を用いて光配向膜を露光して、配向パターンを有する光配向膜P-1を形成した。
具体的には、露光装置に使用するサンプルステージ(可動ステージ)として、Aerotech社製のFA95e-50XY-50Z(高精度PLUS仕様)を用いた。レーザーとして波長(325nm)のレーザー光を出射するものを用いた。1回の干渉光による露光量を3000mJ/cm2とした。2つのレーザー光の干渉により形成される配向パターンの1周期Λ(光学軸が180°回転する長さ)が、0.477μmとなるように、2つの光の交差角(交差角α)を39.8°に調節した。この時、光配向膜上における干渉光の照射サイズ(直径)は10mmである。
光配向膜が形成された支持体をサンプルステージにセットし、上記記載の条件で1回目の露光を行った。次に、サンプルステージを、速度100mm/secで、支持体の表面(主面)に平行で、交差する2本のビームの光軸が画成する直線に平行な方向、すなわち、X方向に距離D=8,115,940nm移動させ、上記と同じ条件で2回目の露光を行った。
なお、距離Dについて、d1=λ/{2×sin(α/2)}×N+d2の形で表すと、λ=325nm、α=39.8°から、λ/{2×sin(α/2)}=約477.4nmであり、N=17000で、d1=8115940nmであり、d2=0nmである。従って、d2は±λ/8(=41nm)以内である。
(コレステリック液晶層の形成(液晶層形成工程))
コレステリック液晶層を形成する液晶組成物として、下記の液晶組成物LC-1を調製した。
液晶組成物LC-1
――――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶化合物L-1 100.00質量部
重合開始剤(BASF社製、Irgacure907)
3.00質量部
光増感剤(日本化薬社製、KAYACURE DETX-S)
1.00質量部
キラル剤Ch-1 6.20質量部
メチルエチルケトン 330.60質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶化合物L-1
Figure 0007417617000003
なお、液晶化合物L-1の相転移温度は、液晶化合物をホットステージ上で加熱し、偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって求めた。その結果、結晶相-ネマチック相転移温度は79℃、ネマチック相-等方相転移温度は144℃であった。
また、液晶化合物L-1のΔnは、液晶化合物を、くさび型セルに注入し、これに波長550nmのレーザー光を照射し、透過光の屈折角を測定することで測定した。測定温度は60℃とした。液晶化合物L-1のΔnは0.16であった。
キラル剤Ch-1
Figure 0007417617000004
なお、このキラル剤Ch-1は、液晶化合物を右捩じれの螺旋状に旋回させるキラル剤である。従って、コレステリック液晶層は、右円偏光を選択的に反射する。
光配向膜P-1上に、上記の液晶組成物LC-1を、スピンコータを用いて、800rpmで10秒間塗布した(塗布工程)。
液晶組成物LC-1の塗膜をホットプレート上で80℃にて3分間(180sec)加熱した(加熱工程)。
その後、80℃にて、窒素雰囲気下で高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を300mJ/cm2の照射量で塗膜に照射することにより、液晶組成物LC-1を硬化して液晶化合物の配向を固定化し、コレステリック液晶層を形成した。
これにより、支持体、光配向膜およびコレステリック液晶層を有する光学素子を作製した。
コレステリック液晶層は、図2に示すような周期的な配向表面になっていることを偏光顕微鏡で確認した。
光学素子を光学軸の回転方向に沿う方向切削し、断面をSEMで観察した。SEM画像を解析することで、液晶配向パターンにおける1周期Λ、および、螺旋1ピッチの長さPを測定した結果、周期Λは477nm、ピッチPは410nmであった。
[実施例2]
光配向膜への露光時において、1回目の照射後のサンプルステージの移動距離を8,115,975nmに変更した以外は、実施例1と同様にして光学素子を作製した。
なお、距離Dについて、d1=λ/{2×sin(α/2)}×N+d2の形で表すと、N=17000で、d1=8115940nmであり、d2=35nmである。従って、d2は±λ/8(=41nm)以内である。
[実施例3]
光配向膜への露光時において、1回目の照射後のサンプルステージの移動距離を8,115,905nmに変更した以外は、実施例1と同様にして光学素子を作製した。
なお、距離Dについて、d1=λ/{2×sin(α/2)}×N+d2の形で表すと、N=17000で、d1=8115940nmであり、d2=-35nmである。従って、d2は±λ/8(=41nm)以内である。
[比較例1]
光配向膜への露光時において、1回目の照射後のサンプルステージの移動距離を8,116,090nmに変更した以外は、実施例1と同様にして光学素子を作製した。
なお、距離Dについて、d1=λ/{2×sin(α/2)}×N+d2の形で表すと、N=17000で、d1=8115940nmであり、d2=150nmである。従って、d2は±λ/8(=41nm)の範囲外である。
[比較例2]
光配向膜への露光時において、1回目の照射後のサンプルステージの移動距離を8,115,790nmに変更した以外は、実施例1と同様にして光学素子を作製した。
なお、距離Dについて、d1=λ/{2×sin(α/2)}×N+d2の形で表すと、N=17000で、d1=8115940nmであり、d2=-150nmである。従って、d2は±λ/8(=41nm)の範囲外である。
[比較例3]
光配向膜への露光時において、1回目の照射後のサンプルステージの移動距離を11,935,206nmに変更した以外は、実施例1と同様にして光学素子を作製した。
なお、距離Dは、照射サイズ(10mm)よりも大きいため、1回目の照射領と2回目の照射領域とは重複せず離間している。
[評価]
サンプルの評価を下記の基準に従って、目視で大きいサンプルができたか評価を行った。
・A:1回目と2回目の露光が重なった領域の液晶層もきれいに配向しており、1つの大きい液晶層になっている。
・B:1回目と2回目の露光が重なった領域の液晶層が配向しておらず、1つの大きな回折格子になっていない。
・C:1回目と2回目の露光領域の間に隙間があり、1つの大きな回折格子になっていない。
結果を表1に示す。
表1から、本発明の実施例は、比較例に比べて露光が重なった領域の液晶層もきれいに配向しており、大サイズで、液晶化合物を適正に配向できることがわかる。また、大サイズで、配向欠陥の少ない液晶層を形成できることがわかる。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
ARグラスの導光板に光を入射および出射させる回折素子など、光学装置において光を回折する各種の用途に好適に利用可能である。
10、10b 光学素子
12 支持体
14 光配向膜
15、15a~15f 露光領域
16 コレステリック液晶層
17、17a~17d 重複領域
18 光学異方性層
19 配向軸
40 液晶化合物
40A 光学軸
60 露光装置
62 レーザー
64 光源
65 λ/2板
68 偏光ビームスプリッター
70A,70B ミラー
72A,72B λ/4板
75 可動ステージ
R 右円偏光
M レーザー光
MA,MB 光線
O 直線偏光
R 右円偏光
L 左円偏光
P 螺旋ピッチ
Λ 液晶配向パターンの1周期

Claims (7)

  1. 支持体上に形成された光配向材料を含む光配向膜の表面に、2本の光を交差させて形成される干渉光を照射して前記光配向膜の表面を露光して、前記光配向膜に、液晶化合物由来の光学軸の向きを、面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化させる配向パターンを形成する露光工程と、
    前記支持体を、前記支持体の表面に平行な方向であって、前記2本の光の光軸が画成する直線に平行な方向に距離D移動させる移動工程と、を有し、
    前記露光工程と、前記移動工程とを交互に繰り返して前記光配向膜を露光し、
    前記移動工程において、前記光配向膜に前記干渉光を照射したまま、前記支持体の移動を行う、光配向膜の形成方法。
    ここで、前記2本の光の波長をλ、前記2本の光の交差角をαとし、Nを整数とすると、前記距離Dは下記式で表され、かつ、前記光配向膜上に照射される干渉光の照射サイズよりも小さい。
    λ/{2×sin(α/2)}×N-λ/8<D<λ/{2×sin(α/2)}×N+λ/8
  2. 前記干渉光の照射形状をマスクによって形成する請求項1に記載の光配向膜の形成方法。
  3. 1回の前記露光工程において、前記光配向膜への前記干渉光の照射を3分以上行う請求項1または2に記載の光配向膜の形成方法。
  4. 前記露光工程において、前記光配向膜上に照射される干渉光の照射サイズが、50mm以下である請求項1~のいずれか一項に記載の光配向膜の形成方法。
  5. 前記移動工程における前記距離Dが5mm~50mmである請求項1~のいずれか一項に記載の光配向膜の形成方法。
  6. 前記支持体を、前記支持体の表面に平行な方向であって、前記2本の光の光軸が画成する直線に直交する方向に移動させて露光を行う工程を有する請求項1~のいずれか一項に記載の光配向膜の形成方法。
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載の光配向膜の形成方法にて形成された光配向膜上に液晶化合物を含む液晶組成物を用いて液晶層を形成する液晶層の形成方法。
JP2021549048A 2019-09-27 2020-09-25 光配向膜の形成方法および液晶層の形成方法 Active JP7417617B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019176947 2019-09-27
JP2019176947 2019-09-27
PCT/JP2020/036297 WO2021060474A1 (ja) 2019-09-27 2020-09-25 光配向膜の形成方法および液晶層の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2021060474A1 JPWO2021060474A1 (ja) 2021-04-01
JP7417617B2 true JP7417617B2 (ja) 2024-01-18

Family

ID=75165249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021549048A Active JP7417617B2 (ja) 2019-09-27 2020-09-25 光配向膜の形成方法および液晶層の形成方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20220221630A1 (ja)
JP (1) JP7417617B2 (ja)
WO (1) WO2021060474A1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998020391A1 (en) 1996-11-05 1998-05-14 Kent State University Reflective optically active diffractive device
JP2002198301A (ja) 2000-12-27 2002-07-12 Mitsutoyo Corp 露光装置
US20140092373A1 (en) 2010-04-21 2014-04-03 U.S. Government As Represented By The Secretary Of The Army Fabrication of high efficiency, high quality, large area diffractive waveplates and arrays
JP2017062348A (ja) 2015-09-24 2017-03-30 ウシオ電機株式会社 光照射方法、基板上構造体の製造方法および基板上構造体
JP2018159848A (ja) 2017-03-23 2018-10-11 ウシオ電機株式会社 光照射方法、基板上構造体の製造方法および露光装置
WO2019131918A1 (ja) 2017-12-28 2019-07-04 富士フイルム株式会社 光学素子および導光素子

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998020391A1 (en) 1996-11-05 1998-05-14 Kent State University Reflective optically active diffractive device
JP2002198301A (ja) 2000-12-27 2002-07-12 Mitsutoyo Corp 露光装置
US20140092373A1 (en) 2010-04-21 2014-04-03 U.S. Government As Represented By The Secretary Of The Army Fabrication of high efficiency, high quality, large area diffractive waveplates and arrays
JP2017062348A (ja) 2015-09-24 2017-03-30 ウシオ電機株式会社 光照射方法、基板上構造体の製造方法および基板上構造体
JP2018159848A (ja) 2017-03-23 2018-10-11 ウシオ電機株式会社 光照射方法、基板上構造体の製造方法および露光装置
WO2019131918A1 (ja) 2017-12-28 2019-07-04 富士フイルム株式会社 光学素子および導光素子

Also Published As

Publication number Publication date
US20220221630A1 (en) 2022-07-14
WO2021060474A1 (ja) 2021-04-01
JPWO2021060474A1 (ja) 2021-04-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7397954B2 (ja) 光学素子および光偏向装置
JP7232887B2 (ja) 光学素子、導光素子および画像表示装置
WO2020022513A1 (ja) 光学素子の製造方法および光学素子
JP7229274B2 (ja) 液晶回折素子および導光素子
WO2020075711A1 (ja) 光学積層体、導光素子およびar表示デバイス
JP7367010B2 (ja) 光学素子、波長選択フィルタおよびセンサー
JP7229275B2 (ja) コレステリック液晶層およびコレステリック液晶層の形成方法、ならびに、積層体、導光素子および画像表示装置
WO2020022504A1 (ja) 光学素子の製造方法および光学素子
JP7483111B2 (ja) 光学素子および画像表示装置
WO2020226078A1 (ja) 導光素子および画像表示装置
JP7398470B2 (ja) 光学素子の製造方法
JP7196290B2 (ja) 液晶回折素子および積層回折素子
WO2021182625A1 (ja) 液晶層の製造方法
CN115398283A (zh) 导光元件
JPWO2020075740A1 (ja) 光学積層体、導光素子およびar表示デバイス
JP7417617B2 (ja) 光配向膜の形成方法および液晶層の形成方法
JP7392160B2 (ja) 透過型液晶回折素子
WO2022239859A1 (ja) 光学素子、画像表示装置、ヘッドマウントディスプレイ、センシング装置、アイトラッキング装置
WO2022239835A1 (ja) 光学素子、画像表示装置、ヘッドマウントディスプレイ、センシング装置、アイトラッキング装置
JP7482991B2 (ja) 光学素子および画像表示装置
JP7360481B2 (ja) 光学素子および画像表示装置
JP7194821B2 (ja) コレステリック液晶層およびコレステリック液晶層の形成方法
JP7292414B2 (ja) 導光素子および画像表示装置
JP7470714B2 (ja) 導光素子および画像表示装置
WO2022070942A1 (ja) 光学素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7417617

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150