JP2018159848A - 光照射方法、基板上構造体の製造方法および露光装置 - Google Patents

光照射方法、基板上構造体の製造方法および露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】装置を大型化することなく、大面積の基板へ微細構造体を作成するための光照射を、干渉縞の適切な重ね合わせにより実現可能とする光照射方法、基板上構造体の製造方法および露光装置を提供する。【解決手段】露光装置(光照射装置)1は、基板の第1領域に干渉光を照射する。このとき、露光装置1は、1ショットで干渉光が照射される基板W上の領域である干渉光照射領域を所定形状に整形する。そして、露光装置1は、基板Wをステップ的に搬送しながら基板Wの光照射面に干渉光を照射するに際し、各ショットでの干渉光照射領域同士の重畳する部分において、前記干渉光の干渉縞の周期が一致するように重ね合わせる。また、露光装置1は、基板Wの第1領域の外周部である第2領域に光を照射する。この第2領域に光を照射する処理の単位面積あたりの処理時間は、第1領域に干渉光を照射する処理の単位面積あたりの処理時間よりも短い。【選択図】図1

Description

本発明は、微細パターンを基板上に実現するための光照射方法、それを用いた基板上構造体の製造方法および露光装置に関する。
従来、100nmオーダーの微細周期構造を作製する方法として、二光束干渉露光が知られている。この二光束干渉露光方法では、レーザーなどの干渉性の強い光源からの光を2つに分岐し、それぞれを干渉させることで、微細マスクを用意することなく、微細かつ周期的な露光照度分布を得ることができる。
例えば特許文献1には、コヒーレント光源の出力光を2以上に分岐した光を所定の干渉角度で交差させて干渉光を発生し、当該干渉光の基板への照射と基板の搬送とを繰り返して基板を露光する露光方法が開示されている。この技術は、1ショットで干渉光が照射される基板上の領域である干渉光照射領域を、矩形状又は略矩形状に整形し、基板をステップ的に搬送しながら露光するに際し、各ショットでの干渉光照射領域同士を、基板上で基板搬送方向に重畳させずに隣接させる方式を用いている。このように、基板をステップ的に搬送しながら小区画ずつ露光するので、装置を大型化することなく大面積への露光を迅速に行うことができる。
特開2015−170780号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、矩形状の開口を有するマスクを用いて干渉光照射領域を矩形状に整形するが、マスク端部にはマスクとワーク間のギャップに起因して非干渉領域が生じてしまい、この非干渉領域には微細パターンは生じない。したがって、例えばステップ&リピートによって露光ショットを並べていく方法を用いると、ショット間にパターンの存在しない繋ぎ目が生じることになる。繋ぎ目をダイシングラインとして利用し、ワークを小チップに分割する場合などの用途では、上記繋ぎ目を許容することができるが、大面積に連続したパターンが必要な場合、このような繋ぎ目はパターン欠損部となり得る。
そこで、本発明は、装置を大型化することなく、大面積の基板へ微細構造体を作成するための光照射を、干渉縞の適切な重ね合わせにより実現可能とする光照射方法、基板上構造体の製造方法および露光装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る光照射方法の一態様は、コヒーレント光源の出力光を2以上に分岐した光を所定の干渉角度で交差させて干渉光を発生させる干渉光発生工程と、光照射面を有する基板の第1領域に前記干渉光を照射する第1照射工程と、前記基板の前記第1領域の外周部である第2領域に光を照射する第2照射工程と、を含み、前記第1照射工程は、前記基板への前記干渉光の照射と前記基板の搬送とを繰り返す工程であって、1ショットで前記干渉光が照射される前記基板上の領域である干渉光照射領域を所定形状に整形し、前記基板をステップ的に搬送しながら前記第1領域に前記干渉光を照射するに際し、各ショットでの前記干渉光照射領域同士の重畳する部分において、前記干渉光の干渉縞の周期が一致するように重ね合わせ、前記第2照射工程は、単位面積あたりの処理時間が前記第1照射工程よりも短い工程である。
このように、基板をステップ的に搬送しながら小区画ずつ光照射するので、装置を大型化することなく大面積への光照射が可能となる。そのため、装置の大型化に伴うコストを削減することができる。また、二光束干渉露光において光照射領域を所定形状に整形するので、干渉縞が平行とならないビーム端部の干渉光を基板の光照射面に照射しないようにすることができる。したがって、各ショットの干渉光照射領域同士の一部を、適切に重ね合わせることができ、大面積の基板へ連続した基板上構造体を形成するための干渉光を照射することができる。
また、基板の第1領域の外周部である第2領域に対して、第1領域とは異なる方式で光を照射するので、基板上に上記の連続した基板上構造体とは異なる基板上構造体を形成するための光を照射することができる。さらに、第2領域に対して実施する第2照射工程は、第1領域に対して実施する第1照射工程よりも単位面積あたりの処理時間が短い工程であるので、スループットの低下を抑制することができる。
また、上記の光照射方法において、前記第2照射工程は、前記基板への前記光の照射と前記基板の搬送とを繰り返す工程であってよい。このように、第1領域の外周部である第2領域に対しても、基板をステップ的に搬送しながら小区画ずつ光照射する方式を用いることができる。したがって、第2領域が大面積である場合であっても、装置を大型化することなく光照射が可能となる。
さらに、上記の光照射方法において、前記第2照射工程は、前記光として前記干渉光を用い、前記基板への前記干渉光の照射と前記基板の搬送とを繰り返す工程であって、1ショットで前記干渉光が照射される前記基板上の領域である干渉光照射領域を所定形状に整形し、前記基板をステップ的に搬送しながら前記第2領域に前記干渉光を照射するに際し、各ショットでの前記干渉光照射領域同士を、前記基板上で基板搬送方向に重畳させずに隣接させてもよい。
このように、第2領域に対しても第1領域と同様に干渉光を照射するようにしてもよい。この場合、基板への照射光を発生する装置を共有することができ、ショット間での基板の搬送距離の設定を変更するだけで第1領域への干渉光照射方式と第2領域への干渉光照射方式との切り替えが可能となる。
また、上記の光照射装置において、前記第2照射工程は、パターンが形成されたマスクを介して前記基板へ前記光を照射する工程であってもよい。この場合、例えば、基板の第1領域の外周部にアライメントマークを形成するための光照射を行うことができる。
さらに、上記の光照射装置において、前記第2照射工程、前記第1照射工程、前記第2照射工程の順に実施してもよい。つまり、基板上の第2領域の一部、第1領域、第2領域の一部の順に光を照射してもよい。このように、光照射方式を切り替えながら基板全面に光を照射してもよい。
さらにまた、上記の光照射装置において、前記第1照射工程では、前記所定形状の光透過部を有する遮光部材を、前記基板の上に所定のギャップを設けて配置することで、前記干渉光照射領域を前記所定形状に整形すると共に、前記干渉光照射領域の前記干渉縞の延在する方向と略直交する第一方向に位置する端部に、前記2以上に分岐した光の一部である非干渉光が照射される非干渉光照射領域が形成され、前記第一方向において、前記干渉光照射領域同士の重畳する部分において、前記干渉縞の周期が一致するように重ね合わせてもよい。
このように、前記干渉縞の延在する方向と略直交する第一方向において干渉光照射領域の重ね合わせを行うので、非干渉光照射領域の影響を低減して、第一方向における積算された照度分布の変動を一様にすることができ、精度良く基板上構造体を形成するための干渉光を照射することができる。
さらに、上記の光照射方法において、前記干渉光発生工程では、コヒーレント光源の出力光を2つに分岐した光を前記干渉角度で交差させて前記干渉光を発生させ、前記第1照射工程では、前記干渉光照射領域を、前記第一方向に平行な2つの辺を有する形状に整形し、前記第一方向に直交し、前記干渉縞の延在する方向と略平行な方向である第二方向において、前記干渉光照射領域同士を重畳させずに隣接させてもよい。
このように、第二方向においては非干渉光照射領域が形成されないので、干渉光照射領域の重ね合わせを行わなくても、基板上構造体を隣接させて形成するための干渉光を照射することができる。この場合、ショット回数を削減し、スループットを向上させることができる。また、干渉光照射領域を第一方向に平行な2つの辺を有する形状に整形することで、第二方向においては、干渉光照射領域の重ね合わせを行わなくても基板上構造体を基板の光照射面に敷き詰めるよう干渉光を照射することができる。
さらに、上記の光照射方法において、前記第1照射工程では、前記干渉光照射領域を、矩形状に整形してもよい。この場合、干渉光照射領域を容易に整形し、ショット間の繋ぎ目のない高精度な光照射が可能である。
また、上記の光照射方法において、前記第1照射工程では、前記干渉光照射領域を、前記第1領域の全面に隙間無く重ね合わせて配置してもよい。これにより、大面積の基板の全面へ連続した基板上構造体を形成するための干渉光を照射することができる。
さらに、上記の光照射方法において、前記第1照射工程では、互いに重ね合わされた複数の前記干渉光照射領域からなる領域を、前記基板の光照射面に離散的に配置してもよい。これにより、大面積の基板内における多数領域へ干渉光を照射することができる。
また、本発明に係る基板上構造体の製造方法の一態様は、基板の表面若しくは当該基板上に設けられた機能材料層の表面に複数の凸部及び凹部の少なくとも一方が配列されてなる微細パターンを有する基板上構造体の製造方法であって、前記基板の表面若しくは前記機能材料層の表面に感光性材料層を形成する工程と、コヒーレント光源の出力光を2以上に分岐した光を所定の干渉角度で交差させて、干渉縞の長手方向が所定の角度で交差する干渉光を発生させる工程と、前記干渉光を用いて、前記感光性材料層の第1領域に対して干渉露光を行う工程と、前記感光性材料層の前記第1領域の外周部である第2領域に対して露光を行う工程と、前記干渉露光後の感光性材料層における前記干渉光の照射領域若しくは非照射領域を除去して、前記感光性材料層に微細パターンを形成する工程と、前記感光性材料層の微細パターンを用いて、前記基板若しくは前記機能材料層をエッチングして微細パターンを得る工程と、を含み、前記干渉露光を行う工程は、前記干渉光の基板への照射と前記基板の搬送とを繰り返して前記感光性材料層を露光する工程であって、1ショットで前記干渉光が照射される前記感光性材料層上の領域である干渉光照射領域を所定形状に整形し、前記基板をステップ的に搬送しながら前記感光性材料層を露光するに際し、各ショットでの前記干渉光照射領域同士の重畳する部分において、前記干渉光の干渉縞の周期が一致するように重ね合わせ、前記露光を行う工程は、単位面積あたりの処理時間が前記干渉露光を行う工程よりも短い工程である。
このように、基板の第1領域に、干渉露光により微細パターンを形成する。干渉露光は微細フォトマスクを用いずに微細パターンの露光が可能であり、基板に対して接触する要素がない。そのため、ナノインプリント法等と比較して、量産時の歩留まりを高めることができる。また、ナノインプリント法のように高価なマスターモールドを必要としないため、低コストで高精度なパターニングが可能となる。したがって、光学素子や半導体発光素子等の各種デバイスとして、基板表面若しくは基板上に形成された機能材料層の表面に二次元周期的な微細パターンが形成された基板上構造体を容易且つ精度良く製造することができる。
さらに、基板をステップ的に搬送しながら小区画ずつ露光するので、装置を大型化することなく大面積への露光が可能となる。そのため、装置の大型化に伴うコストを削減することができる。また、二光束干渉露光において露光領域を所定形状に整形するので、干渉縞が平行とならないビーム端部の干渉光を重ね合わせ露光に用いないようにすることができる。したがって、各ショットの干渉光照射領域同士の一部を、適切に重ね合わせることができ、大面積の基板への連続した微細パターンの形成が可能である。また、基板上に、上記の連続した微細パターンとは異なるパターンを混在させて形成することが可能である。
さらに、上記の基板上構造体の製造方法において、前記エッチングはドライエッチングであってもよい。
ドライエッチングを用いたエッチング工程では、パターニング領域の非パターニング領域との境界において、エッチング形状が過剰になるという問題がある。第1領域と該第1領域の外周部である第2領域とをパターニング領域とした場合、ドライエッチングによりパターニング領域の外縁部である第2領域において過剰エッチングが発生することになるが、第1領域においてはエッチング条件が適切に保たれる。したがって、第1領域を最終的に製品として必要な領域に設定すれば、最終的な製品の面内加工均一度を良好な状態に保つことができる。ここで、第2領域に対する単位面積あたりの露光処理時間は、第1領域に対する単位面積あたりの露光処理時間よりも短いため、スループットの低下を抑制しつつ、最終的な製品の加工品質を向上させることができる。
また、本発明に係る露光装置の一態様は、コヒーレント光を出力する光源と、前記光源の出力光を2以上に分岐した光を所定の干渉角度で交差させて、干渉縞の長手方向が所定の角度で交差する干渉光を発生させる光学系素子と、基板の上に配置され、前記光学系素子によって発生した干渉光が透過する所定形状の光透過部を有する遮光部材と、前記遮光部材の光透過部を透過した前記干渉光の基板の第1領域への照射と前記基板の搬送とを繰り返し、前記基板の前記第1領域を露光し、前記基板の前記第1領域の外周部である第2領域に光を照射して前記第2領域を露光する制御部と、を備え、前記制御部は、前記遮光部材の光透過部を介して所定形状に整形された前記干渉光が照射される基板上の各ショットでの干渉光照射領域同士の重畳する部分において、前記干渉光の干渉縞の周期が一致するように重ね合わせるべく、前記基板をステップ的に搬送し、前記第2領域の単位面積あたりの露光処理時間が、前記第1領域の単位面積あたりの露光処理時間よりも短くなるように制御する。
このように、基板をステップ的に搬送しながら小区画ずつ露光するので、装置を大型化することなく大面積への露光が可能となる。そのため、装置の大型化に伴うコストを削減することができる。また、二光束干渉露光において露光領域を所定形状に整形するので、干渉縞が平行とならないビーム端部の干渉光を重ね合わせ露光に用いないようにすることができる。したがって、各ショットの干渉光照射領域同士の一部を、適切に重ね合わせることができ、大面積の基板へ連続した微細パターンを露光することができる。
本発明によれば、基板をステップ的に搬送しながら小区画ずつ光照射するので、装置を大型化することなく、大面積の基板への微細パターンの光照射が可能である。また、1ショットの光照射領域を所定形状に整形するので、干渉縞が平行とならないビーム端部の干渉光を基板の光照射面に照射しないようにすることができる。したがって、各ショットの干渉光照射領域同士の一部を、適切に重ね合わせることができ、大面積の基板への微細パターンの光照射を適切に実現することができる。
第1の実施形態の露光装置を示す概略構成図である。 有効照射領域が形成される様子を示す図である。 有効照射領域における干渉光照射領域と非干渉光照射領域との分布の一例である。 重ね合わせ露光について説明する図である。 露光ショットレイアウトイメージの一例である。 本実施形態の露光方法を示す図である。 従来の露光方法を示す図である。 干渉縞に沿った重ね合わせにおける不具合を説明する図である。 ドライエッチング時の面内均一度の定性的概念図である。 ドライエッチング時の面内均一度の定性的概念図である。 パターニング領域とエッチング反応速度との関係を説明する図である。 パターニング領域とエッチング反応速度との関係を説明する図である。 アライメントマークを作製する場合のレイアウトイメージの一例である。 アライメントマークを作製する場合のレイアウトイメージの一例である。 角度可変ミラーを用いた露光装置を示す概略構成図である。 角度可変ミラーの機構の一例を示す図である。 多光束干渉露光方法の概略図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の露光装置1を示す概略構成図である。
露光装置1は、光源2と、ビームエキスパンダ3と、打ち下ろしミラー4と、シャッター5と、ビーム分岐素子6と、折り返しミラー7a,7bと、集光レンズ8a,8bと、ピンホール9a,9bと、コリメートレンズ10a,10bとを備える。また、露光装置1は、ステージ11と、吸着盤12と、マスク13と、ギャップセンサ14と、コントローラ20と、ステージ駆動回路21とを備える。
光源2は、コヒーレント光を出射するコヒーレント光源であり、例えば、波長λが266nmのレーザー光を出射する半導体励起固体レーザーである。光源2が出射したレーザー光B0は、ビームエキスパンダ3によってそのビーム径が拡大され、打ち下ろしミラー4によって反射される。シャッター5は、レーザー光出射のON/OFFを切り替えるためのものであり、ミラー4とビーム分岐素子6との間に配置される。このシャッター5の開閉は、コントローラ20が制御する。
ビーム分岐素子6は、1本のレーザー光を分岐して2本のレーザー光を生成する。このビーム分岐素子6は、例えば、石英等の表面に施した微細な凹凸形状による形状効果を用いてその機能を実現する凹凸型回折素子である。ビーム分岐素子6により生成された2本のレーザー光B1,B2は、それぞれ折り返しミラー7a,7bによって折り返され、集光レンズ8a,8bに入射する。集光レンズ8aによる集光後のレーザー光はピンホール9aに入射され、そのビーム径が拡大された後、コリメートレンズ10aでコリメートされる。このようにして、レーザー光B3を得る。同様に、集光レンズ8bによる集光後のレーザー光はピンホール9bに入射され、そのビーム径が拡大された後、コリメートレンズ10bでコリメートされる。このようにして、レーザー光B4を得る。ここで、ピンホール9a,9bは、空間フィルタとして機能し、集光レンズ8a,8bまでの光路で生じたビーム波面の乱れを取り除くために用いる。また、コリメートレンズ10a,10bは、レーザー光の波面を理想的な平面波とするために用いる。すなわち、レーザー光B3およびB4は、それぞれ平行光である。
2本のレーザー光B3,B4は、図2に示すように、所定の干渉角度2θで交差される。これにより、ワーク(基板)Wの上部で二つのレーザー光B3,B4の干渉による干渉縞が発生する。露光装置1は、この干渉光をワークWの光照射面に露光光として照射する。すなわち、露光装置1は、1回の露光でワークW上にストライプ状のラインアンドスペースの干渉縞を転写する。
このように、ビームエキスパンダ3、打ち下ろしミラー4、シャッター5、ビーム分岐素子6、折り返しミラー7a,7b、集光レンズ8a,8b、ピンホール9a,9b及びコリメートレンズ10a,10bから構成される光学系によって、光源2の出力光を2分岐した光を干渉角度2θで交差させ、干渉光を発生する。この光学系のうち、ビーム分岐素子6からワークWまでの間の素子一式は対になるように設けられており、ビーム分岐素子6で分岐した2本のレーザー光をそれぞれワークWまで誘導、整形し、ワークW上で干渉させることができる。
図1に戻って、ワークWは、ステージ11に設けられた吸着盤12上に固定可能である。ここで、ワークWは、例えば、表面に感光性材料層(例えば、フォトレジスト等)が形成された基板とすることができる。また、ワークWは、表面に機能材料層が設けられた基板上に感光性材料層を形成した基板であってもよい。さらに、ワークWは、ガラス基板や、表面に自己組織化単分子膜(SAM膜)等の有機単分子膜が形成された基板であってもよい。このようなワークWの光照射面に干渉光を照射することにより、基板の表面、若しくは基板上に設けられた機能材料層の表面に複数の凸部及び/又は凹部が配列されてなる微細パターンを形成したり、基板の表面改質を行ったりすることができる。
例えば、基板に塗布された感光性材料層(レジスト)が、光照射部分が現像液に溶解するポジ型である場合、干渉光によって露光し現像することにより、光照射されていない箇所が残存したレジストパターンを得ることができる。一方、レジストが、光照射部分が架橋して現像液に溶解しなくなるネガ型である場合には、干渉光によって露光し現像することにより、光照射された箇所が現像後に残存したレジストパターンを得ることができる。
ステージ11は、ワークW面に対してXY方向に移動する自由度を有しており、コントローラ20は、ステージ駆動回路21を駆動制御することで、ステージ11をXY方向に移動することが可能である。すなわち、ワークWは、ステージ11をXY方向に移動することでXY方向に移動する。ここで、X方向とは図1の左右方向であり、Y方向とは図1の紙面垂直方向である。
本実施形態では、レンズの収差を考慮し、コリメートレンズ10a,10bの中央付近から取り出される光のみを用いてワークWへの露光を行う。具体的には、ワークWの上面に開口部(光透過部)を有するマスク13を配置し、当該マスク13を介してコリメートレンズ10a,10bを通過した光の中央付近のみにより形成された干渉光を露光光としてワークWに照射する。
マスク13は、所定形状の光透過部を有する遮光部材によって構成する。ここで、マスク13としては、金属製基板の略中央に所定形状の開口部を形成したものを用いることができる。なお、マスク13として、ガラス等の透明基板上に、当該透明基板が露出する光透過部を形成した遮光膜を形成したものを用いてもよい。ここで、遮光膜としては、例えばクロムからなる膜を用いることができる。
光透過部の形状は、任意の形状でよく、例えば、矩形状とすることができる。ワークWの上部にこのようなマスク13を配置することで、マスク13に対して干渉角度2θで二光束を入射したとき、1ショットで干渉光が照射されるワークW上の領域をマスク13の開口部の形状に整形することができる。このマスク13の開口部により区切られてワークWに光照射される領域を、以下、有効照射領域という。
マスク13の開口部は、コリメートレンズ10a,10bを通過した光のワークW上の照射領域よりも小さく形成されている。なお、最適なマスクの開口部のサイズは、露光条件によって異なる。例えば、波長λ=266nm、干渉角度θ=47.6°(干渉縞L&Sピッチ180nm)、照射領域(ビームの1/e2直径)φ82mm、干渉縞のコントラスト70%、レーザー出力100mW、レジストの感光閾値を5mJ/cm2、ワークとして8インチウェハを使用し、面積の90%を露光領域とする。目標線幅をL=60±10nmとする場合には、マスクの開口部(例えば矩形開口)のサイズは8mm×5mmから36mm×24mmの範囲であることが好ましい。特に、目標線幅をL=60±5nm、タクトを10min/枚以下とする場合には、18mm×12mmから24mm×16mmの範囲とすることがより好ましい。
レーザー光B3,B4のビーム径(1/e2)は、ビームエキスパンダ3や集光レンズ8a,8b、コリメートレンズ10a,10bでの倍率によって任意に決めることができる。したがって、マスク13のサイズは、当該ビーム径の大きさをはじめ、用途に合わせて適宜交換する。
また、このマスク13は、図2に示すように、ワークWに対してギャップDを設けて配置する。図1に示すように、ステージ11及び吸着盤12には、ギャップセンサ14が埋め込まれており、このギャップセンサ14によって吸着盤12とマスク13との間の距離が測定可能となっている。
また、マスク13は、吸着盤12からの距離を調整可能なホルダに保持されており、ワークWへの露光に先立って、吸着盤12に固定するワークWの厚みに応じて任意のギャップDを設けるように、吸着盤12とマスク13との間の距離が調整される。
マスク13をワークWの上部にギャップDを設けて配置することで、図2に示すように、ワークW上にはレーザー光B3,B4の干渉光が照射される領域と、レーザー光B3,B4の何れか一方のみが照射される領域とが生じる。すなわち、有効照射領域は、干渉光が照射される干渉光照射領域E1(以下、単に「干渉領域」という)と、干渉領域E1のX方向両側に形成される、光線の幾何学的回り込みによる非干渉光照射領域E2(以下、単に「非干渉領域」という)とからなる。非干渉領域E2の幅は、ギャップDと干渉角度θとに依存し、2D・tanθである。
図3は、ワークW上の有効照射領域E0が矩形である場合の例を示す平面図である。ここで、図3の左右方向がX方向、図3の上下方向がY方向である。この図3に示すように、有効照射領域E0のX方向中央部に干渉領域E1が形成され、その両側に非干渉領域E2が形成される。干渉領域E1においては干渉縞が形成され、非干渉領域には干渉縞は形成されない。
例えば、光源2の波長λ=266nm、干渉角度15°≦θ≦60°とした場合、図3に示す干渉領域E1では、隣接するライン間のピッチが154nm〜514nmであるストライプ状の干渉縞が形成される。干渉縞のピッチは、干渉角度θ、光源2の波長λ及び露光環境の屈折率nに依存し、λ/(2n・sinθ)である。すなわち、干渉縞のピッチは、n=1(空気中での露光)とすると、光源2のレーザー光の波長λの半分近くまで短くすることができる。
本実施形態では、重ね合わせ露光を行う第1露光方式と、当該重ね合わせ露光を行わずに露光を行う第2露光方式とを用いて、ワークW全体を露光する。ここで、第1露光方式は、基板(ワークW)の所定の露光領域(第1領域)に、少なくとも一方向に互いに重ね合わせた複数の小区画を設定し、基板の搬送と露光とを繰り返して、設定された小区画ごとに順次露光する方式である。また、第2露光方式は、上記第1領域の外周部である第2領域を露光する方式である。第2露光方式は、例えば、第2領域に互いに重複しない複数の小区画を設定し、基板の搬送と露光とを繰り返して、設定された小区画ごとに順次露光するステップアンドリピート(S&R)方式とすることができる。
これらの露光方式では、コントローラ20は、ステージ11のステップ駆動と、シャッター5の開閉制御とを行う。すなわち、コントローラ20は、ワークWを搭載したステージ11を所定位置に移動し、シャッター5を開いてステップ露光した後、シャッター5を閉じてステップ露光を終了し、ステージ11を一定距離移動する。この動作を、予め設定した露光領域を露光するまで繰り返し実行する。
重ね合わせ露光では、ワークW上において、図4に示すように有効照射領域E0をX方向に所定距離Pずつ移動し、干渉領域E1同士の一部を重ねて合わせて配置する。ここで、所定距離Pは、各ショット間におけるステージ11の移動量であり、各ショットでの干渉縞のピッチ同士が重なるような値に設定される。1ショットでの干渉縞の照度分布は、干渉領域E1におけるX方向端部ほど照度が弱く、非干渉領域E2では干渉縞が生じない。これに対して、重ね合わせ露光により干渉領域E1をX方向に移動させながら複数回重ね合わせることにより、図4に示すように、X方向における干渉縞の照度分布を均一化する(包絡線を一定にする)ことができる。
具体的には、重ね合わせ露光では、所定形状に区切った各ショットの露光時間を、重ね合わせ露光を行わない一括露光の場合と比較して短縮し、その短縮した時間に応じた回数だけショットをずらして露光していく。この重ね合わせ露光により、一度非干渉光が照射された領域に干渉光を重ねて照射することができるので、当該領域の露光エネルギーを重ね合わせ回数に応じて減少させることができる。そして、重ね合わせ回数がある程度以上となると、非干渉光の照射の影響が殆ど無視できるようになる。例えば、干渉領域E1をn回重ね合わせることにより、非干渉領域E2の影響を1/nにすることができる。
重ね合わせ回数nは、例えば、干渉縞の周期が一致するように重ね合わせた結果、基板の光照射面において、積算された照度分布の変動が許容値以下となるように設定したり、干渉縞により生じ得る微細パターンの線幅の変動量が境地以下となるように設定したりすることができる。
一方、S&R露光では、ワークW上において、有効照射領域E0をX方向に所定距離ずつ移動し、干渉領域E1同士を重畳させることなく配置する。このとき、X方向において、隣接する有効照射領域E0の非干渉領域E2同士は、重畳させてもよいし重畳させなくてもよい。
図5は、ワークW上の露光領域の一例である。この図5に示すように、ワークWの略中央位置に重ね合わせ露光を行う第1領域W1を設定し、第1領域W1の外周部に第2領域W2を設定することができる。ここで、第1領域W1は、ワークW上において最終的に製品として必要な領域を含む領域とすることができる。
図4に示すように、重ね合わせ露光が行われる領域のX方向両端部は、重ね合わせ回数が非干渉光の照射の影響が無視できる回数nに達しないため、製品として有効な領域とはならない。したがって、上記のX方向両端部に形成される製品としての非有効領域を考慮し、製品としての有効領域(n回の重ね合わせがなされた領域)が、製品として必要な領域面積をカバーするように第1領域W1を設定することが好ましい。
露光装置1は、例えば図5に示すように、ワークWの左下の位置から露光を開始し、先ず−X方向(図5の左方向)にワークWを搬送して、有効照射領域E0をワークWに対して相対的に移動させながら一列目を露光する。すなわち、ワークWの左下の位置から+X方向(図5の右方向)に順次露光領域を移動し、ワークWの右下の位置まで露光する。ワークWの一列目を露光した後は、ワークWを−Y方向(図5の下方向)等に搬送し、有効照射領域E0が二列目の右端に位置するようにする。そして、+X方向(図5の右方向)にワークWを搬送して、有効照射領域E0をワークWに対して相対的に移動させながら二列目を露光する。すなわち、二列目については、右端の位置から−X方向(図5の左方向)に順次露光領域を移動しながら露光する。露光装置1は、以上の動作をワークWのY方向下端から上端まで繰り返し、ワークW全体を露光する。
つまり、図5に示すワークWの場合、露光装置1は、先ず第2露光方式により第2領域に対するS&R露光を行った後、第1露光方式に切り替えて第1領域に対する重ね合わせ露光を行い、さらに第2露光方式に切り替えて第2領域に対するS&R露光を行う。
このとき、第1領域W1については、X方向の各列の露光において、干渉領域E1同士を干渉縞の周期(ピッチ同士)が重なるように重ね合わせる。一方、第2領域W2については、X方向の各列の露光において、干渉領域E1同士を重ね合わせない。つまり、第2領域W2におけるショット間の基板搬送距離は、第1領域W1におけるショット間の基板搬送距離(上記の所定距離P)よりも長く、第2領域における単位面積あたりの露光処理時間は、第1領域における単位面積あたりの露光処理時間よりも短い。
また、Y方向においては、第1領域W1、第2領域W2共に、干渉領域E1同士を重畳させずに隣接させる。
以上のように、本実施形態では、二光束干渉露光において、干渉領域E1を所定形状に整形し、ステージ11上に載置した基板(ワークW)をステージ駆動により搬送しながら、基板の光照射面に対して干渉光を照射する。その際、基板上の第1領域W1については、干渉領域E1同士を、干渉縞の長手方向に対して直交する方向に干渉縞のピッチ同士が一致するように重ね合わせる。これにより、ショット間の繋ぎ目を生じさせることなく、第1領域W1の全面に隙間無く干渉領域E1を配置することができ、容易に大面積の基板への連続した干渉露光が可能となる。
図6は、本実施形態の第1露光方式による露光方法を示す図であり、(a)は装置構成、(b)は露光パターン、(c)はX方向の照度分布、(d)はY方向の照度分布を示す。図6(a)に示すように、ワークWの上部にマスク13を設け、パターン有効領域を矩形に整形し、図6(b)に示すように、パターン有効領域同士をX方向に重ね合わせて配置する。これにより、図6(c)に示すように、ワークWのX方向において積算された照度分布の変動を一様にすることができる。また、Y方向においては、パターン有効領域同士を重畳させずに隙間無く並べる。これにより、図6(d)に示すように、ワークWのY方向において積算された照度分布の変動を略一様にすることができる。
ところで、二光束干渉露光方法として、一括露光方式を採用した露光方法もある。この露光方法では、ガウシアンビームを分岐素子によって2本に分岐し、これらの光をそれぞれミラーによって反射し、集光レンズで集光したあと、ピンホールを通してそのビーム径を拡大し基板に照射する。しかしながら、この場合、基板に照射されるビームは球面波であるため、このとき形成される露光パターンは、ピッチの類型誤差が露光領域の縁に向かうほど増大する状態、つまり双曲線状となる。等間隔のラインパターンが必要とされる用途では、ピッチの累積誤差はピッチの1/10以下に抑えることが好ましいことから、この場合、パターン有効領域はビームの中央付近に限定される。
しかしながら、パターン有効領域がビーム中央付近に限定されると、照度有効領域がその分狭くなるため、大面積を露光するには空間フィルタ(ピンホール)から基板までの距離を大きくする必要があり、装置が大型化する。また、空間フィルタから基板までの距離が長くなると、環境変動の影響を受けやすくなるということも懸念される。
これに対して、本実施形態では、上述したように、基板をステージ駆動により搬送しながら小区画ずつ露光する。したがって、光学系素子から基板までの距離を短く設定することができ、装置を大型化することなく大面積の露光が可能となる。また、環境変動の影響も受けにくい。さらに、第1露光方式では、基板を干渉縞の長手方向に対して直交する方向に搬送しながら露光する際、干渉領域E1同士を、干渉縞のピッチ同士が一致するように重ね合わせる。したがって、ショット間の繋ぎ目を生じさせることなく、基板の最終的に製品として必要な領域(第1領域W1)に隙間無く干渉領域E1を配置することができる。また、基板の光照射面において積算された照度分布の変動を一様にすることができ、大面積の基板への均一な干渉露光が可能となる。
ところで、ステップアンドリピート方式を採用した二光束干渉露光方法としては、本実施形態のようにマスク13によって露光領域を整形しない方法もある。その場合の装置構成を図7(a)に示す。この露光方法を採用した場合、パターン有効領域の形状は、図7(b)に示すように楕円形となる。そのため、基板の全面において積算された照度分布の変動を一様にするためには、図7(b)に示すように、X方向およびY方向の双方においてパターン有効領域を互いに重畳させる必要がある。
このように、図7に示す露光方法の場合、露光領域を整形しないため、ビーム端部を重ね合わせ露光に用いることになる。ところが、レンズの持つ収差やアライメント誤差により、ビーム端部においては干渉縞が平行とならない場合があり、ビーム端部を重ね合わせ露光に用いると、基板上構造体の欠陥が生じるおそれがある。
これに対して、本実施形態では、露光領域を所定形状に変形するため、欠陥(ビームの強度不足、ピッチ累積誤差、アライメント誤差による露光不足など)が生じやすいビーム端部の領域をカットすることができる。したがって、第1露光方式において高精度の重ね合わせ露光が可能となる。
また、図7に示す露光方法の場合、パターン有効領域の形状が楕円形であるため、干渉縞に沿った方向(Y方向)にもパターン有効領域を重ね合わせる必要がある。ところが、この場合、図8(a)に示すように、ステージ搬送方向(Y方向)に対して干渉縞の角度がΔφずれていると、ステージの移動方向や移動量によっては、図8(b)に示すように、領域αにおいて干渉縞がうまく重ならず、ピッチ同士が打ち消し合うといった不具合が生じる。これを解消するためには、干渉縞がワークW面内においてどのような角度を持っているかを高精度に検出する機構や、干渉縞を補正(調整)するための機構などが必要となる。
これに対して、本実施形態では、Y方向において干渉領域E1同士を重ね合わせる必要がない。そのため、Y方向への重ね合わせによる基板上構造体の欠陥といった不具合が発生することを回避することができる。また、干渉縞の検出調整機構なども導入する必要もない。さらに、Y方向への重ね合わせが不要であるため、その分スループットの低下を抑制することができる。
以上のように、本実施形態では、二光束干渉露光において、基板をステージ駆動により搬送しながら小区画ずつ露光する方式を採用するので、装置を大型化することなく大面積への露光が可能となる。したがって、装置の大型化に伴うコストを削減することができる。また、二光束干渉露光において干渉光が照射される干渉領域を所定形状に整形し、当該干渉領域を干渉縞の周期が一致するように基板搬送方向に重ね合わせて露光する。したがって、大面積の基板へ連続した基板上構造体を形成することができる。
さらに、干渉領域を矩形状のような、X方向に平行な2つの辺を有する形状とすることで、Y方向への干渉領域の重ね合わせを不要とすることができる。つまり、干渉領域に対して非干渉領域が形成されている方向(X方向)に基板を搬送した場合にのみ干渉領域同士を重ね合わせ、非干渉領域が形成されていない方向(Y方向)に基板を搬送した場合には、干渉領域同士を重ね合わせる必要がない。すなわち、Y方向については、干渉領域を重畳させずに隣接させればよい。また、干渉領域を矩形状のような、X方向に平行な2つの辺を有する形状とすることで、Y方向への干渉領域の重ね合わせをしなくとも、干渉領域をY方向に隙間無く敷き詰めることができる。したがって、ワークWの第1領域W1において隙間無く連続した基板上構造体を形成することができる。
また、Y方向への干渉領域の重ね合わせが必要な場合と比較して、基板へのショット回数を削減することができ、スループットを向上させることができる。さらに、Y方向への干渉領域の重ね合わせが不要であるため、上述したような基板上構造体の欠陥が生じることを確実に回避することができる。
また、光透過部を有する遮光部材であるマスク13を基板上に配置するので、比較的容易に干渉領域を所定形状に整形することができる。さらに、このとき、基板とマスク13との間にギャップDを設けるため、両者が密着することに起因するパーティクル等の付着を防止することができる。
さらに、本実施形態では、重ね合わせ露光によるパターニングエリアとS&R露光によるパターニングエリアとを混在させる。その際、最終的にデバイスとなる領域を含む第1領域W1に対しては重ね合わせ露光を行い、その外周部となる第2領域W2に対してはS&R露光を行う。したがって、最終的なデバイス面の加工品質を保持しつつ、ワークW全面に対する露光処理時間を短縮することができる。また、後工程でのデバイスの面内加工均一度を改善させることができる。以下、この点について具体的に説明する。
一般に、ウェハに対しては、リソグラフィ工程の後、エッチング工程においてパターンが転写されることが多い。エッチング工程において行われるエッチングとしては、反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチングが挙げられる。RIEプロセスでは、チャンバー内でプラズマを発生させ、その内部で生成したイオンやラジカルを利用して処理物をエッチングする。
このようなドライエッチングを用いたエッチング工程では、パターニング領域(露光エリア)の非パターニング領域(非露光エリア)との境界において、エッチング形状が過剰になるという問題がある。例えば、図9に示すように、最終的に作製したいデバイスの面積を有する領域A1に対して必要最低限の大きさを有する領域A11にのみ、重ね合わせ露光を実施した場合、パターニング領域である領域A11の外縁部(領域A12の外周部)では、領域A11の中央部と比較して過剰エッチングが発生する。これは、非露光エリアでは、通常、レジストが一様に存在することによる。すなわち、非露光エリアでは、被エッチング材料がレジストで覆われているために、エッチャントが消費されない状態となる。このため、非露光エリアと露光エリアとの境界では、エッチャントが過剰に存在する雰囲気となり、過剰にエッチングされる傾向となる。
図9に示す例のように、最終的に作製したいデバイスの面積を有する領域A1に対して必要最低限の大きさを有する領域A11にしかパターニングを行っていないと、露光エリアの非露光エリアとの境界において過剰エッチングが発生した際に、領域A1の4隅に過剰エッチング領域A13が形成されてしまうおそれがある。この場合、デバイスの面内加工均一度が悪化し、所望の性能が得られなくなるおそれがある。つまり、パターニング領域を図9に示すように領域A11とした場合、エッチング工程まで含めたデバイス面としての有効領域は、過剰エッチングが発生していない領域A12に内接する領域A2となり、最終的に作製したいデバイスの面積が得られない。
これを回避するためには、図10に示すように、最終的にデバイスとして必要となる面積を有する領域A1よりも十分に広い面積を有する領域A21をパターニング領域とする必要がある。この場合、過剰エッチングされる領域A21の外縁部(領域A22の外周部)は、領域A1の外周部となり、エッチング工程まで含めたデバイス面としての有効領域は、領域A1を包含する領域A3となる。つまり、領域A1を最終的なデバイス領域とした場合であっても、デバイスの面内加工均一度は良好な状態に保たれる。
しかしながら、領域A1よりも十分に広い面積を有する領域A21の全面に対して重ね合わせ露光を実施すると、露光に非常に時間がかかり、量産性の悪化につながる。重ね合わせ露光は、例えばS&R露光と比べてステージの整定回数が増加するため、S&R露光のタクトと比べて10倍程度の総露光時間が必要となる場合もある。
そこで、本実施形態では、デバイスの面内加工均一度を低下させず、且つ量産性も改善するために、重ね合わせ露光によるパターニングとS&R露光によるパターニングとを混在させる。つまり、最終的にデバイスとなる領域について重ね合わせ露光によるパターニングを行い、その外周部についてはS&R露光によるパターニングを行う。このとき、S&R露光によるパターニング領域は過剰エッチングされやすいが、最終的にデバイスとなる領域(重ね合わせ露光でパターニングした領域)は適切なエッチング条件となり、最終的なデバイスの面内加工均一度は良好な状態に保たれる。
パターニング領域とエッチング反応速度との関係を説明する模式図を図11および図12に示す。図11は、ワークW上のレジストRのパターニング領域が狭い場合、図12は、ワークW上のレジストRのパターニング領域が広い場合を示している。
パターニング領域では基板が露出しており、エッチング反応が進む。このとき、上述したように、パターニング領域の端部は中央部と比較してエッチングされやすく、パターニング領域の端部と中央部とでエッチング反応速度には差が生じる。そして、パターニング領域が狭い場合、エッチング反応速度の分布は、図11に示すように急峻となり、パターニング領域が広い場合には、エッチング反応速度の分布は、図12に示すようになだらかとなる。
つまり、パターニング領域を広くとることで、パターニング領域の中央部付近の比較的広い範囲でエッチング反応速度の差を抑制することが可能となる。そのため、図11および図12に示すように、パターニング領域の中央部に同じ面積のデバイス領域とする場合、パターニング領域を広くとった方がデバイス領域におけるエッチング反応速度分布の均一性が高まる。
このように、図9に示すように最終的にデバイスとなる領域A1に対して必要最低限の大きさを有する領域A11をパターニング領域とするのではなく、図10に示すように、最終的にデバイスとなる領域A1とその外周部とを含む領域A21をパターニング領域とすることで、領域A1の面内加工均一度を良好な状態とすることができる。なお、S&R露光では、パターン領域内にショット間のつなぎ目が存在するが、つなぎ目の面積比は0.1%程度であるため、影響は小さい。
上記の露光方法は、例えばグリッド偏光素子の製造方法にも適用することができる。偏光光を得る偏光素子は、偏光サングラスのような身近な製品を始めとして偏光フィルタや偏光フィルム等の光学素子として各種のものが知られており、液晶ディスプレイ等のディスプレイデバイスでも使用されている。偏光素子には、偏光光を取り出す方式から幾つかのものに分類されるが、その一つにワイヤーグリッド偏光素子がある。
ワイヤーグリッド偏光素子は、透明基板上にアルミのような金属より成る微細な縞状の格子を設けた構造のものである。格子を成す各線状部の離間間隔(格子間隔)を偏光させる光の波長以下とすることで偏光素子として機能する。直線偏光光のうち、格子の長さ方向に電界成分を持つ偏光光にとってはフラットな金属と等価なので反射する一方、長さ方向に垂直な方向に電界成分を持つ偏光光にとっては透明基板のみがあるのと等価なので、透明基板を透過して出射する。このため、偏光素子からは格子の長さ方向に垂直な方向の直線偏光光が専ら出射する。偏光素子の姿勢を制御し、格子の長さ方向が所望の方向に向くようにすることで、偏光光の軸(電界成分の向き)が所望の方向に向いた偏光光が得られることになる。
以下、説明の都合上、格子の長さ方向に電界成分を持つ直線偏光光をs偏光光と呼び、格子の長さ方向に垂直な方向に電界成分を持つ直線偏光光をp偏光光と呼ぶ。通常、入射面(反射面に垂直で入射光線と反射光線を含む面)に対して電界が垂直なものをs波、平行なものをp波と呼ぶが、格子の長さ方向が入射面と平行であることを前提とし、このように区別する。
このような偏光素子の性能を示す基本的な指標は、消光比ERと透過率TRである。消光比ERは、偏光素子を透過した偏光光の強度のうち、s偏光光の強度(Is)に対するp偏光光の強度(Ip)の比である(Ip/Is)。また、透過率TRは、通常、入射するs偏光光とp偏光光の全エネルギーに対する出射p偏光光のエネルギーの比である(TR=Ip/(Is+Ip))。理想的な偏光素子は、消光比ER=∞、透過率TR=50%ということになる。なお、格子が金属製である偏光素子はワイヤーグリッド偏光素子と呼ばれるが、格子が金属製でないものを含めて、以下、単に「グリッド偏光素子」と呼ぶ。
グリッド偏光素子を製造する場合には、先ず、透明基板上に格子用薄膜を作成する。ここで、格子用薄膜の材質は、例えば無機誘電体である。次に、格子用薄膜の上にフォトレジストを塗布する。そして、この状態で上述した本実施形態の露光方法によりフォトレジストを露光し、現像する。これにより、レジストパターンを得る。
次に、レジストパターンの側からエッチャントを供給し、レジストパターンで覆われていない箇所の格子用薄膜をエッチングする。このエッチングは、格子用薄膜の厚さ方向に電界を印加しながら行う異方性エッチングである。これにより、格子用薄膜がパターン化される。そして、最後に、レジストパターンを除去することで、グリッド偏光素子が完成する。
なお、本実施形態では、第2露光方式として、所定形状に整形した干渉領域E1を重畳させずに配置するS&R方式による露光を用いる場合について説明したが、第2露光方式は上記に限定されるものではなく、第1露光方式よりも単位面積あたりの露光処理時間が短い方式であればよい。例えば、第2露光方式は、マスク13を用いずに(干渉領域E1を所定形状に整形せずに)干渉光を照射する方式であってもよい。
また、第2露光方式において用いる露光光は、干渉光に限定されるものではなく、非干渉光であってもよい。例えば、干渉光の重ね合わせ露光によるパターニング領域の外周部に、第2露光方式により、非干渉光を用いてアライメントマークを作製するようにしてもよい。アライメントマークの形状としては、矩形状や十字形状などが挙げられる。ここで、アライメントマークの露光方法は、任意の方法を用いることができる。例えば、マスクを用いた露光方法であってもよいし、レーザーによる直描露光方法であってもよい。
図13は、重ね合わせ露光によるパターニング領域の外周部に、アライメントマークを作製する場合のレイアウトイメージである。この図13に示すように、デバイス領域A1を含む領域A11に対して重ね合わせ露光を行い、その外周部の領域にアライメントマークAMを露光してもよい。なお、図13に示す重ね合わせ露光によるパターニング領域(領域A11)は、リソグラフィ工程の後工程として、ウェットエッチングによるエッチング工程を行う場合の例である。ウェットエッチングの場合、上述したドライエッチングの場合のようなパターニング領域の端部での過剰エッチングは発生しない。したがって、重ね合わせ露光によるパターニング領域は、デバイス領域A1を含む必要最低限の領域A11であってよい。
重ね合わせ露光によるパターニング領域の外周部に、アライメントマークを作製する場合で、リソグラフィ工程の後工程として、ドライエッチングによるエッチング工程を行う場合、露光レイアウトイメージは、例えば図14に示すようになる。すなわち、ドライエッチングの場合は、前述した通りパターニング領域の端部での過剰エッチングが発生することを考慮し、図14に示すように、所望のデバイス領域A1の外周部を含む領域A21にパターニングを施す必要がある。このとき、デバイス領域A1を含む必要最低限の領域には、干渉領域E1の重ね合わせを行う重ね合わせ露光によるパターニングを行い、領域A21のうち残りの領域には、干渉領域E1の重ね合わせを行わないS&R露光によるパターニングを行ってもよい。このように、エッチングの方法により必要なパターニング領域のサイズが異なる点に留意する。
(変形例)
上記各実施形態においては、干渉領域E1を矩形状に整形する場合について説明したが、上述したように、干渉領域E1の形状は任意の形状であってよい。ただし、矩形状のように、干渉領域E1に対して非干渉領域E2が形成されている方向(X方向)に平行な2辺を有する形状であれば、Y方向の干渉領域E1の重ね合わせが不要となるため、好ましい。このような形状としては、矩形状の他に、平行四辺形やひし形などがある。
上記各実施形態においては、非干渉領域E2が発生しないY方向には、干渉領域E1を重ね合わせない場合について説明した。しかしながら、上述した図8に示す基板上構造体の欠陥が生じないように、干渉縞の検出調整機構などを導入したうえで、干渉縞に沿った方向(Y方向)への重ね合わせ露光を行ってもよい。この場合、ワークWの面内の強度分布をX方向とY方向の双方において一様にすることができる。ただし、Y方向においては干渉領域E1を重畳させずに隣接させる方法を採用した場合でも、有効な大面積パターンが得られること、Y方向の重ね合わせ露光を行うと、スループットが低下しやすく、且つ干渉縞の面内角度とステージ搬送方向との差をなくすためのアライメントが必要になることなどから、Y方向においては干渉領域E1を重畳させずに隣接させる方法を採用することが好ましい。
上記各実施形態においては、干渉領域E1を、ワークWの光照射面の全面に隙間無く配置する場合について説明したが、干渉領域E1は、ワークWの光照射面に離散的に配置するようにしてもよい。すなわち、ワークWの光照射面において、互いに重ね合わされた複数の干渉領域E1からなる部分領域を、ワークW上に離散的に配置してもよい。この場合、部分領域間に形成された隙間をダイシングライン(スクライブライン)として利用し、1枚の大径ウェハから複数のチップを切り出すことができる。例えば、干渉領域E1同士が隣接された部分領域を、基板上においてマトリクス状に配置すれば、容易にダイシングすることができる。また、複数の干渉領域E1が敷き詰められた部分領域の大きさは、ショット数に応じて容易に調整可能であるため、様々なチップサイズに対応することができる。さらに、1枚の大径ウェハからサイズの異なるチップを作製することも可能である。
上記各実施形態においては、マスク13をワークW上にギャップDを設けて配置する場合について説明したが、ギャップDを設けずにマスク13をワークW上に直接配置してもよい。すなわち、マスク13をワークW上に接触させた状態で露光を行う。この場合、図2で説明したような光線の回り込みがなされないため、干渉領域E1の両エッジに非干渉領域E2は形成されない。したがって、有効照射領域E0と干渉領域E1とは同面積となる。この場合も、上述した重ね合わせ露光を実施することで、X方向における干渉縞の照度分布を均一化させながら、大面積の基板への干渉露光が可能となる。
上記各実施形態においては、図1に示す折り返しミラー7a,7bを固定ミラーとする場合について説明したが、角度可変ミラーであってもよい。例えば、図15に示すように、図1の露光装置1における折り返しミラー7a,7bを角度可変ミラー17a,17bとすることができる。ここで、角度可変ミラー17a,17bは、光入射面の角度を変更可能に構成されており、当該光入射面の角度を変更することで干渉角度θを所望の角度に変化させる。干渉角度θを変えることにより、基板に形成されるストライプ状の干渉縞のピッチを自在に変更することができる。
図16は、角度可変ミラー17a及び17bの機構を示す図である。角度可変ミラー17aと17bとは同一構成を有するため、ここでは角度可変見ミラー17aの機構についてのみ図示している。角度可変ミラー17a(以下、単に「ミラー」という)は、干渉角度θを任意の角度に調整するための素子で、ビーム分岐素子6で分岐されたビーム(分岐ビーム)B1がなす直線上を移動し、且つ紙面垂直軸周りに角度を変えることができる。当該ミラー17aで反射されたビーム(ミラー反射ビーム)B5は、ワークW上の所定の位置に向けられ、もう片方のミラーからのミラー反射ビームとワークW上で結合し、干渉縞を形成する。すなわち、ミラー17aの法線は、分岐ビームB1とミラー反射ビームB5とがなす角の二等分線となる。
ミラー17aの法線を所定の方向に保ったまま干渉角度θを調整する方法として、例えば、図16(a)及び図16(b)に示すようなT字型のフレームTを持つリンク機構を用いる方法がある。T字フレームTには3つのスライダSが設けられ、そのうちの2つは分岐ビームB1及びミラー反射ビームB5がなす直線上をそれぞれ移動し、残りの1つにはミラー17aが取り付けられ、T字フレームT上を移動する。
また、ミラー17aの回転軸は分岐ビームB1及びミラー反射ビームB5の交点位置で拘束されている。干渉角度θを調整する際には、図16(a)から図16(b)のように、ミラー17aの法線方向が、分岐ビームB1とミラー反射ビームB5とがなす角の二等分線を維持したまま、所定の方向へ変化する。この干渉角度θは、駆動部(アクチュエータ)22を用いて調整する。駆動部22は、ミラー反射ビームB5のなす直線上に配置されたフレームに作用し、干渉角度θを調整する。なお、駆動部22は、T字フレームTに作用して干渉角度θを調整する構成であってもよい。
このように、ビーム分岐素子6で2以上に分岐した光が所望の角度で交差するように、分岐したそれぞれの光を基板へ向けて反射する角度可変ミラー17a,17bを備えることで、基板に形成されるストライプ状の干渉縞のピッチを自在に変更することができる。すなわち、複数回露光によって得られるレジストパターンのピッチ(面内密度)を自在に変更することができる。
さらに、上記各実施形態においては、二光束干渉露光について説明したが、ビームを2以上に分岐させ、それらを一度に基板へと照射する、所謂多光束干渉露光を採用してもよい。ビームの分岐手段には、例えば、レーザーを複数のビームに分岐させる回折光学素子を用いてもよい。多光束干渉露光で、例えば、2つのビームの干渉縞を90°回転させて重畳させる方法と同様の結果を得るためには、図17に示すように、ビームを4分岐させて、分岐ビームと基板の法線がなす4つの面が90°ずつ配向し、かつ、基板に入射する際に向かい合う2つの分岐ビームがなす角度が所定の干渉角度となるように、光学部品を配置すればよい。
1…露光装置(光照射装置)、2…光源、3…ビームエキスパンダ、4…打ち下ろしミラー、5…シャッター、6…ビーム分岐素子、7a,7b…折り返しミラー、8a,8b…集光レンズ、9a,9b…ピンホール、10a,10b…コリメートレンズ、11…ステージ、12…吸着盤、20…コントローラ、21…ステージ駆動回路、W…ワーク(基板)

Claims (13)

  1. コヒーレント光源の出力光を2以上に分岐した光を所定の干渉角度で交差させて干渉光を発生させる干渉光発生工程と、
    光照射面を有する基板の第1領域に前記干渉光を照射する第1照射工程と、
    前記基板の前記第1領域の外周部である第2領域に光を照射する第2照射工程と、を含み、
    前記第1照射工程は、
    前記基板への前記干渉光の照射と前記基板の搬送とを繰り返す工程であって、
    1ショットで前記干渉光が照射される前記基板上の領域である干渉光照射領域を所定形状に整形し、
    前記基板をステップ的に搬送しながら前記第1領域に前記干渉光を照射するに際し、各ショットでの前記干渉光照射領域同士の重畳する部分において、前記干渉光の干渉縞の周期が一致するように重ね合わせ、
    前記第2照射工程は、
    単位面積あたりの処理時間が前記第1照射工程よりも短い工程であることを特徴とする光照射方法。
  2. 前記第2照射工程は、
    前記基板への前記光の照射と前記基板の搬送とを繰り返す工程であることを特徴とする請求項1に記載の光照射方法。
  3. 前記第2照射工程は、
    前記光として前記干渉光を用い、前記基板への前記干渉光の照射と前記基板の搬送とを繰り返す工程であって、
    1ショットで前記干渉光が照射される前記基板上の領域である干渉光照射領域を所定形状に整形し、
    前記基板をステップ的に搬送しながら前記第2領域に前記干渉光を照射するに際し、各ショットでの前記干渉光照射領域同士を、前記基板上で基板搬送方向に重畳させずに隣接させることを特徴とする請求項1または2に記載の光照射方法。
  4. 前記第2照射工程は、
    パターンが形成されたマスクを介して前記基板へ前記光を照射する工程であることを特徴とする請求項1または2に記載の光照射方法。
  5. 前記第2照射工程、前記第1照射工程、前記第2照射工程の順に実施することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光照射方法。
  6. 前記第1照射工程では、
    前記所定形状の光透過部を有する遮光部材を、前記基板の上に所定のギャップを設けて配置することで、前記干渉光照射領域を前記所定形状に整形すると共に、前記干渉光照射領域の前記干渉縞の延在する方向と略直交する第一方向に位置する端部に、前記2以上に分岐した光の一部である非干渉光が照射される非干渉光照射領域が形成され、
    前記第一方向において、前記干渉光照射領域同士の重畳する部分において、前記干渉縞の周期が一致するように重ね合わせることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光照射方法。
  7. 前記干渉光発生工程では、コヒーレント光源の出力光を2つに分岐した光を前記干渉角度で交差させて前記干渉光を発生させ、
    前記第1照射工程では、
    前記干渉光照射領域を、前記第一方向に平行な2つの辺を有する形状に整形し、
    前記第一方向に直交し、前記干渉縞の延在する方向と略平行な方向である第二方向において、前記干渉光照射領域同士を重畳させずに隣接させることを特徴とする請求項6に記載の光照射方法。
  8. 前記第1照射工程では、前記干渉光照射領域を、矩形状に整形することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の光照射方法。
  9. 前記第1照射工程では、前記干渉光照射領域を、前記第1領域の全面に隙間無く重ね合わせて配置することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光照射方法。
  10. 前記第1照射工程では、互いに重ね合わされた複数の前記干渉光照射領域からなる領域を、前記基板の光照射面に離散的に配置することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の光照射方法。
  11. 基板の表面若しくは当該基板上に設けられた機能材料層の表面に複数の凸部及び凹部の少なくとも一方が配列されてなる微細パターンを有する基板上構造体の製造方法であって、
    前記基板の表面若しくは前記機能材料層の表面に感光性材料層を形成する工程と、
    コヒーレント光源の出力光を2以上に分岐した光を所定の干渉角度で交差させて、干渉縞の長手方向が所定の角度で交差する干渉光を発生させる工程と、
    前記干渉光を用いて、前記感光性材料層の第1領域に対して干渉露光を行う工程と、
    前記感光性材料層の前記第1領域の外周部である第2領域に対して露光を行う工程と、
    前記干渉露光後の感光性材料層における前記干渉光の照射領域若しくは非照射領域を除去して、前記感光性材料層に微細パターンを形成する工程と、
    前記感光性材料層の微細パターンを用いて、前記基板若しくは前記機能材料層をエッチングして微細パターンを得る工程と、を含み、
    前記干渉露光を行う工程は、
    前記干渉光の基板への照射と前記基板の搬送とを繰り返して前記感光性材料層を露光する工程であって、
    1ショットで前記干渉光が照射される前記感光性材料層上の領域である干渉光照射領域を所定形状に整形し、
    前記基板をステップ的に搬送しながら前記感光性材料層を露光するに際し、各ショットでの前記干渉光照射領域同士の重畳する部分において、前記干渉光の干渉縞の周期が一致するように重ね合わせ、
    前記露光を行う工程は、
    単位面積あたりの処理時間が前記干渉露光を行う工程よりも短い工程であることを特徴とする基板上構造体の製造方法。
  12. 前記エッチングはドライエッチングであることを特徴とする請求項11に記載の基板上構造体の製造方法。
  13. コヒーレント光を出力する光源と、
    前記光源の出力光を2以上に分岐した光を所定の干渉角度で交差させて、干渉縞の長手方向が所定の角度で交差する干渉光を発生させる光学系素子と、
    基板の上に配置され、前記光学系素子によって発生した干渉光が透過する所定形状の光透過部を有する遮光部材と、
    前記遮光部材の光透過部を透過した前記干渉光の基板の第1領域への照射と前記基板の搬送とを繰り返し、前記基板の前記第1領域を露光し、前記基板の前記第1領域の外周部である第2領域に光を照射して前記第2領域を露光する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記遮光部材の光透過部を介して所定形状に整形された前記干渉光が照射される基板上の各ショットでの干渉光照射領域同士の重畳する部分において、前記干渉光の干渉縞の周期が一致するように重ね合わせるべく、前記基板をステップ的に搬送し、前記第2領域の単位面積あたりの露光処理時間が、前記第1領域の単位面積あたりの露光処理時間よりも短くなるように制御することを特徴とする露光装置。
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