JP2017054006A - 光照射方法、基板上構造体の製造方法および基板上構造体 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本発明は、装置を大型化することなく、大面積の基板への微細パターンの光照射を実現可能な光照射方法、基板上構造体の製造方法および基板上構造体を提供することを課題としている。
さらに、上記の光照射方法において、前記干渉光照射工程では、前記干渉光照射領域を、前記基板の光照射面の全面に実質的に隙間無く配置してもよい。これにより、大面積の基板の全面に連続したパターンの干渉光を照射することができる。
さらに、本発明に係る光照射方法の一態様は、コヒーレント光源の出力光を2以上に分岐した光を所定の干渉角度で交差させて干渉光を発生させる干渉光発生工程と、光照射面を有する基板に前記干渉光を照射する干渉光照射工程と、を含み、前記干渉光照射工程は、前記基板への前記干渉光の照射と前記基板の搬送とを繰り返す工程であって、1ショットで前記干渉光が照射される前記基板上の領域である干渉光照射領域を、所定の形状に整形し、前記基板をステップ的に搬送しながら前記基板の光照射面に前記干渉光を照射するに際し、各ショットでの前記干渉光照射領域同士を、前記基板の搬送方向に隙間を設けて配置する。
このように、基板をステップ的に搬送しながら小区画ずつ光照射するので、装置を大型化することなく大面積への光照射が可能となる。そのため、装置の大型化に伴うコストを削減することができる。また、光照射領域を所定の形状に整形し、各ショットでの干渉光照射領域同士を、基板の搬送方向に隙間を設けて配置するので、大面積の基板内における多数領域へ干渉光を照射することができる。
さらに、上記の光照射方法において、前記干渉光照射工程では、前記第1回目の前記干渉光の照射を行った後に、前記基板を前記所定角度回転させ、前記第2回目以降の前記干渉光の照射を行ってもよい。このように、基板を回転させることで、容易に複数回の光照射を実現することができる。
また、上記の基板上構造体の製造方法において、前記干渉露光を行う工程では、各ショットでの前記干渉光照射領域同士を、前記基板の搬送方向に重畳させずに隣接させてもよい。このように、各ショットの干渉光照射領域同士を重畳させずに隣接させれば、干渉光照射領域をオーバーラップさせる露光方法と比較してショット数を減少させることができ、基板を搬送するステージの整定回数を減らすことができる。その結果、基板全体への露光時間を短縮し、スループットを向上することができる。
さらに、上記の基板上構造体の製造方法において、前記干渉露光を行う工程では、前記感光性材料層に形成される微細パターンが三方配列となるよう干渉露光を行ってもよい。すなわち、干渉縞の長手方向が60°交差するように干渉露光すれば、三方配列のモスアイ構造を得ることができる。この場合、正方配列のモスアイ構造と比較して細密構造とすることができる。
また、上記の基板上構造体の製造方法において、前記干渉露光を行う工程では、前記第1回目の干渉露光を行った後に、前記基板を前記所定角度回転させ、前記第2回目以降の干渉露光を行ってもよい。このように、基板を回転させることで、容易に複数回露光を実現することができる。
このように、干渉露光により微細パターンを形成するので、ナノインプリント法等と比較して、量産時の歩留まりを高めることができると共に、低コストで高精度なパターニングが可能となる。したがって、基板表面若しくは基板上に形成された機能材料層の表面に二次元周期的な微細パターンが形成された基板上構造体を容易且つ精度良く製造することができる。
また、本発明に係る基板上構造体の一態様は、上記のいずれかの基板上構造体の製造方法により製造する。これにより、高精度な微細パターンを有する基板上構造体とすることができる。
このように、基板をステップ的に搬送しながら小区画ずつ露光するので、装置を大型化することなく大面積への露光が可能となる。そのため、装置の大型化に伴うコストを削減することができる。また、二光束干渉露光において露光領域を周期的に平面充填可能な形状に整形するので、各ショットの干渉光照射領域同士を基板の光照射面に隙間無く敷き詰めることができる。したがって、大面積の基板へ連続した微細パターンを露光することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の露光装置1を示す概略構成図である。
露光装置1は、光源2と、ビームエキスパンダ3と、打ち下ろしミラー4と、シャッター5と、ビーム分岐素子6と、折り返しミラー7a,7bと、集光レンズ8a,8bと、ピンホール9a,9bと、コリメートレンズ10a,10bとを備える。また、露光装置1は、ステージ11と、吸着盤12と、マスク13と、ギャップセンサ14と、コントローラ20と、ステージ駆動回路21とを備える。
光源2は、コヒーレント光を出射するコヒーレント光源であり、例えば、波長λが266nmのレーザー光を出射する半導体励起固体レーザーである。光源2が出射したレーザー光B0は、ビームエキスパンダ3によってそのビーム径が拡大され、打ち下ろしミラー4によってその光路が偏向される。シャッター5は、レーザー光出射のON/OFFを切り替えるためのものであり、ミラー4とビーム分岐素子6との間に配置される。このシャッター5の開閉は、コントローラ20が制御する。
このように、ビームエキスパンダ3、打ち下ろしミラー4、シャッター5、ビーム分岐素子6、折り返しミラー7a,7b、集光レンズ8a,8b、ピンホール9a,9b及びコリメートレンズ10a,10bから構成される光学系によって、光源2の出力光を2分岐した光を干渉角度2θで交差させ、干渉光を発生する。この光学系のうち、ビーム分岐素子6からワークWまでの間の素子一式は対になるように設けられており、ビーム分岐素子6で分岐した2本のレーザー光をそれぞれワークWまで誘導、整形し、ワークW上で干渉させることができる。
ステージ11は、ワークW面に対してXY方向に移動する自由度を有しており、コントローラ20は、ステージ駆動回路21を駆動制御することで、ステージ11をXY方向に移動することが可能である。すなわち、ワークWは、ステージ11をXY方向に移動することでXY方向に移動する。ここで、X方向とは図1の左右方向であり、Y方向とは図1の紙面垂直方向である。
マスク13は、所定形状の光透過部を有する遮光部材によって構成する。ここで、マスク13としては、金属製基板の略中央に所定形状の開口部を形成したものを用いることができる。なお、マスク13として、ガラス等の透明基板上に、当該透明基板が露出する光透過部を形成した遮光膜を形成したものを用いてもよい。ここで、遮光膜としては、例えばクロムからなる膜を用いることができる。
ワークWの上部にこのようなマスク13を配置することで、マスク13に対して干渉角度2θで二光束を入射したとき、1ショットで干渉光が照射されるワークW上の領域をマスク13の開口部の形状に整形することができる。このマスク13の開口部により区切られてワークWに光照射される領域を、以下、有効照射領域という。
レーザー光B3,B4のビーム径(1/e2)は、ビームエキスパンダ3や集光レンズ8a,8b、コリメートレンズ10a,10bでの倍率によって任意に決めることができる。したがって、マスク13のサイズは、当該ビーム径の大きさをはじめ、用途に合わせて適宜交換する。
また、マスク13は、吸着盤12からの距離を調整可能なホルダに保持されており、ワークWへの露光に先立って、吸着盤12に固定するワークWの厚みに応じて任意のギャップDを設けるように、吸着盤12とマスク13との間の距離が調整される。
マスク13をワークWの上部にギャップDを設けて配置することで、図2に示すように、ワークW上にはレーザー光B3,B4の干渉光が照射される領域と、レーザー光B3,B4の何れか一方のみが照射される領域とが生じる。すなわち、有効照射領域は、干渉光が照射される干渉光照射領域E1(以下、単に「干渉領域」という)と、干渉領域E1のX方向両側に形成される、光線の幾何学的回り込みによる非干渉光照射領域E2(以下、単に「非干渉領域」という)とからなる。非干渉領域E2の幅は、ギャップDと干渉角度θとに依存し、2D・tanθである。
ステップアンドリピート方式を採用した露光工程では、コントローラ20は、ステージ11のステップ駆動と、シャッター5の開閉制御とを行う。すなわち、コントローラ20は、ワークWを搭載したステージ11を所定位置に移動し、シャッター5を開いてステップ露光した後、シャッター5を閉じてステップ露光を終了し、ステージ11を一定距離移動する。この動作を、予め設定した露光領域を露光するまで繰り返し実行する。このコントローラ20は、基板搬送制御部として動作する。
以上の動作をワークWのY方向下端から上端まで繰り返し、ワークW全体を露光する。これにより、ワークWの全面に実質的に隙間無く干渉領域E1を配置して、ワークW全体を露光することができる。なお、有効照射領域E0が、図7に示すような六角形である場合や、図8に示すような十字形である場合にも同様である。
この場合、図9(a)に示すように、ガウシアンビームを分岐素子によって2本に分岐し、これらの光をそれぞれミラーで偏向し、集光レンズで集光したあと、ピンホールを通してそのビーム径を拡大し基板に照射する。しかしながら、この場合、基板に照射されるビームは球面波であるため、このとき形成される露光パターンは、ピッチの類型誤差が露光領域の縁に向かうほど増大する状態となり、図9(b)に示すように双曲線状となる。等間隔のラインパターンが必要とされる用途では、ピッチの累積誤差はピッチの1/10以下に抑えることが好ましいことから、図9(b)の点線に示すように、パターン有効領域はビームの中央付近に限定することが好ましい。
また、本実施形態では、干渉領域を互いに重畳させないため、干渉パターンの形状にそれほど高い精度が必要とされない。なぜなら、理想平面波が得られず、ピッチ誤差が干渉ピッチの寸法以上であっても、干渉領域同士を重畳させる必要がないため、原理的な制限がないためである。したがって、ピッチ誤差をある程度許容できる用途に対しては、露光有効領域を大きくしてもよく、ショット数を減少させ、スループットを向上させることができる。もちろん、ピッチ誤差が許容できない用途に対しては、理想平面波が得られる光学系を採用してもよい。
以上のように、本実施形態では、二光束干渉露光においてステップアンドリピート方式を採用するので、装置を大型化することなく大面積への露光が可能となる。したがって、装置の大型化に伴うコストを削減することができる。
また、光透過部を有する遮光部材であるマスク13を基板上に配置するので、比較的容易に干渉領域を所定形状に整形することができる。さらに、このとき、基板とマスク13との間にギャップDを設けるため、両者が密着することに起因するパーティクル等の付着を防止することができる。
FBGのような屈折率の周期構造を製造するには、感光性のある材料に、強度が周期的に分布している光を照射すればよく、二光束干渉露光が適している。本実施形態では二光束干渉露光によって、高スループットで大面積への露光が可能となるため、FBG製造の際には複数のファイバを高速に処理するといったことが可能となる。
ワイヤーグリッド偏光素子は、透明基板上にアルミのような金属より成る微細な縞状の格子を設けた構造のものである。格子を成す各線状部の離間間隔(格子間隔)を偏光させる光の波長以下とすることで偏光素子として機能する。直線偏光光のうち、格子の長さ方向に電界成分を持つ偏光光にとってはフラットな金属と等価なので反射する一方、長さ方向に垂直な方向に電界成分を持つ偏光光にとっては透明基板のみがあるのと等価なので、透明基板を透過して出射する。このため、偏光素子からは格子の長さ方向に垂直な方向の直線偏光光が専ら出射する。偏光素子の姿勢を制御し、格子の長さ方向が所望の方向に向くようにすることで、偏光光の軸(電界成分の向き)が所望の方向に向いた偏光光が得られることになる。
このような偏光素子の性能を示す基本的な指標は、消光比ERと透過率TRである。消光比ERは、偏光素子を透過した偏光光の強度のうち、s偏光光の強度(Is)に対するp偏光光の強度(Ip)の比である(Ip/Is)。また、透過率TRは、通常、入射するs偏光光とp偏光光の全エネルギーに対する出射p偏光光のエネルギーの比である(TR=Ip/(Is+Ip))。理想的な偏光素子は、消光比ER=∞、透過率TR=50%ということになる。なお、格子が金属製である偏光素子はワイヤーグリッド偏光素子と呼ばれるが、格子が金属製でないものを含めて、以下、単に「グリッド偏光素子」と呼ぶ。
次に、レジストパターンの側からエッチャントを供給し、レジストパターンで覆われていない箇所の格子用薄膜をエッチングする。このエッチングは、格子用薄膜の厚さ方向に電界を印加しながら行う異方性エッチングである。これにより、格子用薄膜がパターン化される。そして、最後に、レジストパターンを除去することで、グリッド偏光素子が完成する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態では、干渉領域E1を、ワークWの光照射面の全面に隙間無く配置する場合について説明した。第2の実施形態では、干渉領域E1を、ワークWの光照射面に離散的に配置する場合について説明する。
この第2の実施形態においては、例えば、図10に示すように、ワークWの左下の位置から露光を開始し、先ず−X方向(図10の左方向)にワークWを搬送して、有効照射領域E0をワークWに対して相対的に移動させながら一列目を露光する。ワークWの一列目を露光した後は、ワークWを−Y方向(図10の下方向)に搬送し、有効照射領域E0が二列目の左端に位置するようにする。そして、+X方向(図10の右方向)にワークWを搬送して、有効照射領域E0をワークWに対して相対的に移動させながら二列目を露光する。このとき、干渉領域E1同士が隣接された部分領域が、ワークW上に離散的に配置されるように露光する。つまり、部分的に干渉領域E1が敷き詰められた領域を、ワークW上に離散的に配置する。
このように、干渉領域E1同士が隣接された部分領域を基板(ワークW)の光照射面において離散的に配置するので、部分領域間に形成された隙間をダイシングライン(スクライブライン)として利用し、1枚の大径ウェハから複数のチップを切り出すことができる。特に、干渉領域E1同士が隣接された部分領域を、基板上においてマトリクス状に配置すれば、容易にダイシングすることができる。また、複数の干渉領域E1が隣接配置された部分領域の大きさは、ショット数に応じて容易に調整可能であるため、様々なチップサイズに対応することができる。さらに、1枚の大径ウェハからサイズの異なるチップを作製することも可能である。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
上述した第1および第2の実施形態では、ストライプ状の干渉パターンを基板に照射する場合について説明した。第3の実施形態では、格子状の干渉パターンを基板に照射する場合について説明する。
本実施形態では、ワークWに対して複数回(2回)露光を行う。その際、1回目の露光(往路)では、例えば図12(a)の破線矢印に示す経路で干渉パターンを照射し、2回目の露光(復路)では、図12(a)の実線矢印に示す経路で干渉パターンを照射する。また、往路では、例えば図12(b)に示すように、Y方向に伸びるストライプ状の干渉パターンをワークW全体に照射する。そして、復路では、1回目の干渉パターン(第一の干渉パターン)に対してストライプ状の干渉パターンを所定角度回転させ、これを第二の干渉パターンとしてワークWに照射する。
なお、2回目以降の露光を行う際には、干渉パターンを回転させてもよいし、ワークWを保持するステージ11を回転させてもよい。ステージ11を回転させる方法の方が、容易に複数回干渉露光を実現することができ好ましい。
本発明者は、上記の露光及び現像により得られたレジストパターンに熱処理を加えることで、パターン形状を真円状に整形することができることを見出した。そこで、本実施形態では、レジストパターンを、レジストのガラス転移温度を上回る温度で加熱し、レジストパターンを真円状に整形してもよい。
例えば、ガラス転移温度がおよそ140℃〜150℃のレジストに対し、加熱温度を200℃、加熱時間を10分として熱処理を施す。このように、ガラス転移温度を超える温度での熱処理では、レジストパターンが整形され、熱処理後のレジストパターンは正円形状となる。すなわち、図15に示す熱処理前の楕円形状のドットパターンP1は、熱処理後、図16に示すように正円形状に整形することができ、三方配列で正円形状のドットパターンが得られる。
そして、このようにして得られた熱処理後のレジストをマスクとして用い、レジストに直下に位置する基板若しくは基板上に設けられた機能材料層をエッチングして除去することで、基板表面若しくは機能材料層の表面に凸状の構造体が二次元周期的に配置されたモスアイ構造を有する基板上構造体を作製することができる。上述したように、熱処理後のレジストパターンは正円に整形されているため、真円形状の底面を有する高精度なモスアイ構造を作製することが可能となる。
なお、ここでは加熱温度を変化させる場合について説明したが、加熱時間を変化させることでも、同様に熱処理後のドット径を調整することができる。また、所望のドット径(面内密度)を得るための加熱条件は、レジストの材料やレジストの下にある基板の材料等に応じて適宜設定することができる。
なお、上記の例では、基板上に設けられた機能材料層の表面に微細パターンを形成する場合について説明したが、基板の表面にフォトレジストの微細パターンを形成し、当該微細パターンをマスクとして用いて基板をエッチングすれば、基板の表面にモスアイ構造を形成することもできる。
このようにして製造された基板上構造体は、偏光素子や反射防止素子等の光学素子、或いは蛍光光源やLEDに代表される半導体発光素子等の各種デバイスとして使用可能である。
二光束干渉露光は微細フォトマスクを用いずに微細パターンの露光が可能であり、ワークに対して接触する要素がない。したがって、NIL(ナノインプリントリソグラフィ)のようにワークとマスターモールドとの都度接触が必要な方法と比較して、歩留まりを高くすることができる。また、二光束干渉露光は非常に深い焦点深度で露光可能であるため、ワークの平坦度が不問である。例えば、ナノインプリント法では、仮にワークが反っていると、当該ワークの破損や転写不良が発生するおそれがある。したがって、二光束干渉露光を採用することで、仮にワークが反っていても精度良く露光することができる。
また、現像工程を行って得られた微細パターンに対して熱処理を行い、当該微細パターンを整形すれば、レジストパターンの精度をより向上させることができる。このとき、熱処理として、ガラス転移温度を上回る温度で加熱する処理を行うことで、異方性を有する微細パターンを、表面張力により等方性を有する微細パターンに自然に整形することができる。
したがって、上記のフォトレジストを用いてエッチング加工を施すことにより、微細な凸部及び/又は凹部が2次元周期的に配列され、制御された形状を有する微細構造体を製造することができる。このように、特に、レジストパターンがドットパターンである場合には、高精度なモスアイ構造を有する微細構造体を製造することができる。
なお、微細構造体を形成する基板の材質は、その用途に応じて適宜選択することができる。例えば、本実施形態により製造したモスアイ構造を有する構造体は、ナノインプリント法で用いられるマスターモールドとして利用することもできる。
なお、上記第3の実施形態においては、レジストパターンがドットパターンである場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、レジストがネガ型である場合には、格子状に光照射された箇所が現像後に残存し、ホール状の凹部を有するパターンを形成することができる。そして、現像後のレジストパターンに対して上述した熱処理を施すことで、異方性のない凹部に整形することができる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
上述した第3の実施形態では、干渉領域E1を、ワークWの光照射面の全面に隙間無く配置する場合について説明した。第4の実施形態では、干渉領域E1を、ワークWの光照射面に離散的に配置する場合について説明する。
この第4の実施形態においては、ワークWに対して複数回露光を行う際に、例えば図17に示すように、干渉領域E1同士が隣接された部分領域が離散的に配置されるように露光する。この部分領域においては、破線矢印に示す往路と、実線矢印に示す復路とでそれぞれ露光が行われ、微細パターン(ドットパターン)が形成される。この図17は、配向角度が90°であり、正方形状の干渉領域E1が互いに隣接された2×2の部分領域を、ワークWの光照射面にそれぞれ隙間を設けてマトリクス状に配置した例を示している。
なお、上記第4の実施形態においては、レジストパターンがドットパターンである場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、レジストがネガ型である場合には、格子状に光照射された箇所が現像後に残存し、ホール状の凹部を有するパターンを形成することができる。そして、現像後のレジストパターンに対して上述した熱処理を施すことで、異方性のない凹部に整形することができる。
上記各実施形態においては、マスク13をワークW上にギャップDを設けて配置する場合について説明したが、ギャップDを設けずにマスク13をワークW上に直接配置してもよい。すなわち、マスク13をワークW上に接触させた状態で露光を行う。この場合、図2で説明したような光線の回り込みがなされないため、干渉領域E1の両エッジに非干渉領域E2は形成されない。したがって、有効照射領域E0と干渉領域E1とは同面積となる。この場合、ステップアンドリピート方式で露光する際、基板搬送方向において隣接する干渉領域E1(=有効照射領域E0)同士を重畳させずに隣接させる。なお、この場合、隣接する各干渉領域E1の間に多少の隙間が設けられてもよい。ただし、この隙間はデッドソーンとなるため、デッドソーンの存在が問題視される用途においては、この隙間を可能な範囲で小さくすることが望ましい。
このように、ビーム分岐素子6で2以上に分岐した光が所望の角度で交差するように、分岐したそれぞれの光を基板へ向けて偏向する角度可変ミラー17a,17bを備えることで、基板に形成されるストライプ状の干渉パターンのピッチを自在に変更することができる。すなわち、複数回露光によって得られるレジストパターンのピッチ(面内密度)を自在に変更することができる。
Claims (20)
- コヒーレント光源の出力光を2以上に分岐した光を所定の干渉角度で交差させて干渉光を発生させる干渉光発生工程と、
光照射面を有する基板に前記干渉光を照射する干渉光照射工程と、を含み、
前記干渉光照射工程は、
前記基板への前記干渉光の照射と前記基板の搬送とを繰り返す工程であって、
1ショットで前記干渉光が照射される前記基板上の領域である干渉光照射領域を、周期的に平面充填可能な形状に整形し、
前記基板をステップ的に搬送しながら前記基板の光照射面に前記干渉光を照射するに際し、各ショットでの前記干渉光照射領域同士を、前記基板の搬送方向に隣接させることを特徴とする光照射方法。 - 前記干渉光照射工程では、各ショットでの前記干渉光照射領域同士を、前記基板の搬送方向に重畳させずに隣接させることを特徴とする請求項1に記載の光照射方法。
- 前記干渉光照射工程では、前記干渉光照射領域を、前記基板の光照射面の全面に隙間無く配置することを特徴とする請求項1または2に記載の光照射方法。
- コヒーレント光源の出力光を2以上に分岐した光を所定の干渉角度で交差させて干渉光を発生させる干渉光発生工程と、
光照射面を有する基板に前記干渉光を照射する干渉光照射工程と、を含み、
前記干渉光照射工程は、
前記基板への前記干渉光の照射と前記基板の搬送とを繰り返す工程であって、
1ショットで前記干渉光が照射される前記基板上の領域である干渉光照射領域を、所定の形状に整形し、
前記基板をステップ的に搬送しながら前記基板の光照射面に前記干渉光を照射するに際し、各ショットでの前記干渉光照射領域同士を、前記基板の搬送方向に隣接させ、互いに隣接された複数の前記干渉光照射領域からなる領域を、前記基板の光照射面に離散的に配置することを特徴とする光照射方法。 - 前記干渉光照射工程では、前記干渉光照射領域を、矩形状に整形することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光照射方法。
- 前記干渉光照射工程では、前記干渉光照射領域を、六角形に整形することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光照射方法。
- コヒーレント光源の出力光を2以上に分岐した光を所定の干渉角度で交差させて干渉光を発生させる干渉光発生工程と、
光照射面を有する基板に前記干渉光を照射する干渉光照射工程と、を含み、
前記干渉光照射工程は、
前記基板への前記干渉光の照射と前記基板の搬送とを繰り返す工程であって、
1ショットで前記干渉光が照射される前記基板上の領域である干渉光照射領域を、所定の形状に整形し、
前記基板をステップ的に搬送しながら前記基板の光照射面に前記干渉光を照射するに際し、各ショットでの前記干渉光照射領域同士を、前記基板の搬送方向に隙間を設けて配置することを特徴とする光照射方法。 - 前記干渉光照射工程は、前記基板の光照射面に対し、前記干渉光を重複して複数回照射する工程であって、
第1回目に前記干渉光を照射する際の干渉縞の長手方向に対して、第2回目以降に前記干渉光を照射する際の干渉縞の長手方向が所定角度で交差するように前記干渉光を照射することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光照射方法。 - 前記干渉光照射工程では、
前記第1回目の前記干渉光の照射を行った後に、前記基板を前記所定角度回転させ、前記第2回目以降の前記干渉光の照射を行うことを特徴とする請求項7または8に記載の光照射方法。 - 基板の表面若しくは当該基板上に設けられた機能材料層の表面に複数の凸部及び凹部の少なくとも一方が配列されてなる微細パターンを有する基板上構造体の製造方法であって、
前記基板の表面若しくは前記機能材料層の表面に感光性材料層を形成する工程と、
コヒーレント光源の出力光を2以上に分岐した光を所定の干渉角度で交差させて干渉光を発生させる工程と、
前記干渉光を用いて、前記感光性材料層の干渉露光を行う工程と、
前記干渉露光後の感光性材料層における前記干渉光の照射領域若しくは非照射領域を除去して、前記感光性材料層に微細パターンを形成する工程と、
前記感光性材料層の微細パターンを用いて、前記基板若しくは前記機能材料層をエッチングして微細パターンを得る工程と、を含み、
前記干渉露光を行う工程は、
前記干渉光の基板への照射と前記基板の搬送とを繰り返して前記感光性材料層を露光する工程であって、
1ショットで前記干渉光が照射される前記感光性材料層上の領域である干渉光照射領域を、周期的に平面充填可能な形状に整形し、
前記基板をステップ的に搬送しながら前記感光性材料層を露光するに際し、各ショットでの前記干渉光照射領域同士を、前記感光性材料層上で基板搬送方向に隣接させることを特徴とする基板上構造体の製造方法。 - 前記干渉露光を行う工程では、各ショットでの前記干渉光照射領域同士を、前記基板の搬送方向に重畳させずに隣接させることを特徴とする請求項10に記載の基板上構造体の製造方法。
- 前記エッチングを行う前に、前記感光性材料層に形成された微細パターンに対して熱処理を行い、当該微細パターンを整形する工程をさらに含むことを特徴とする請求項10または11に記載の基板上構造体の製造方法。
- 前記感光性材料層は、ガラス転移点を有する材料から構成されており、
前記微細パターンを整形する工程では、前記熱処理として、ガラス転移温度を上回る温度で前記感光性材料層に形成された微細パターンを加熱する処理を行うことを特徴とする請求項12に記載の基板上構造体の製造方法。 - 前記干渉露光を行う工程は、前記感光性材料層に対し複数回の干渉露光を行う工程であって、
第1回目の干渉露光における干渉縞の長手方向に対して、第2回目以降の干渉露光における干渉縞の長手方向が所定角度で交差するように干渉露光を行うことを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の基板上構造体の製造方法。 - 前記干渉露光を行う工程では、
前記感光性材料層に形成される微細パターンが正方配列となるよう干渉露光を行うことを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の基板上構造体の製造方法。 - 前記干渉露光を行う工程では、
前記感光性材料層に形成される微細パターンが三方配列となるよう干渉露光を行うことを特徴とする請求項10から15のいずれか1項に記載の基板上構造体の製造方法。 - 前記干渉露光を行う工程では、
前記第1回目の干渉露光を行った後に、前記基板を前記所定角度回転させ、前記第2回目以降の干渉露光を行うことを特徴とする請求項14から16のいずれか1項に記載の基板上構造体の製造方法。 - 基板の表面若しくは当該基板上に設けられた機能材料層の表面に複数の凸部及び凹部の少なくとも一方が配列されてなる微細パターンを有する基板上構造体の製造方法であって、
コヒーレント光源の出力光を2以上に分岐した光を所定の干渉角度で交差させて干渉光を発生させる工程と、
前記干渉光を用いて、前記基板若しくは前記機能材料層を干渉露光し、前記基板若しくは前記機能材料層の一部を除去して前記微細パターンを得る工程と、を含み、
前記微細パターンを得る工程は、
前記干渉光の基板への照射と前記基板の搬送とを繰り返して前記基板若しくは前記機能材料層を露光する工程であって、
1ショットで前記干渉光が照射される前記基板若しくは前記機能材料層上の領域である干渉光照射領域を、周期的に平面充填可能な形状に整形し、
前記基板をステップ的に搬送しながら前記基板若しくは前記機能材料層を露光するに際し、各ショットでの前記干渉光照射領域同士を、前記基板若しくは前記機能材料層上で基板搬送方向に隣接させることを特徴とする基板上構造体の製造方法。 - 請求項10から18のいずれか1項に記載の基板上構造体の製造方法により製造されたことを特徴とする基板上構造体。
- コヒーレント光を出力する光源と、
前記光源の出力光を2以上に分岐した光を所定の干渉角度で交差させて干渉光を発生させる光学系と、
基板の上に配置され、前記光学系によって発生した干渉光が透過する周期的に平面充填可能な形状の光透過部を有する遮光部材と、
前記遮光部材の光透過部を透過した前記干渉光の基板への照射と前記基板の搬送とを繰り返し、前記基板を露光する基板搬送制御部と、を備え、
前記基板搬送制御部は、前記遮光部材の光透過部を介して周期的に平面充填可能な形状に整形された前記干渉光が照射される基板上の干渉光照射領域を、各ショットにおいて基板搬送方向に隣接させるべく、前記基板をステップ的に搬送することを特徴とする露光装置。
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