JP2018537718A - 幾何要素のアレイを印刷するための方法およびシステム - Google Patents

幾何要素のアレイを印刷するための方法およびシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2018537718A
JP2018537718A JP2018530857A JP2018530857A JP2018537718A JP 2018537718 A JP2018537718 A JP 2018537718A JP 2018530857 A JP2018530857 A JP 2018530857A JP 2018530857 A JP2018530857 A JP 2018530857A JP 2018537718 A JP2018537718 A JP 2018537718A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mask
distance
intensity distribution
pattern
mask pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018530857A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6768067B2 (ja
Inventor
クルーブ フランシス
クルーブ フランシス
ソラク ハルン
ソラク ハルン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eulitha AG
Original Assignee
Eulitha AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eulitha AG filed Critical Eulitha AG
Publication of JP2018537718A publication Critical patent/JP2018537718A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6768067B2 publication Critical patent/JP6768067B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70408Interferometric lithography; Holographic lithography; Self-imaging lithography, e.g. utilizing the Talbot effect
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems
    • G03F7/70091Illumination settings, i.e. intensity distribution in the pupil plane or angular distribution in the field plane; On-axis or off-axis settings, e.g. annular, dipole or quadrupole settings; Partial coherence control, i.e. sigma or numerical aperture [NA]
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/7035Proximity or contact printers

Abstract

所望の周期的パターンを印刷する方法であって、周期が所望のパターンの周期の複数倍である、周期的なマスクパターンを有するマスクを調達するステップと、基板をかつマスクの近傍に配置するステップと、タルボ距離によって表される透過された光場を生成するため、マスクパターンに照射するための少なくとも1つのビームを生成するステップと、複数の部分露光で、少なくともタルボ距離の数分の1だけ、かつタルボ距離より小さい距離だけ、基板とマスクとの間の離隔距離を変化させながら、感光層に時間積分された強度分布を照射するステップと、同一の時間積分された強度分布を特定の方向に特定の距離だけ互いに横方向にオフセットしたものが層に照射されるように照射を調整し、またはマスクに対して相対的に基板を調整するステップと、を有する方法。

Description

リソグラフィ製法により、表面上にマイクロパターンやナノパターンを形成することができる。フォトリソグラフィ技術ではこのパターン形成を実現するために、所望のパターンに応じた強度分布を有する光場を感光性の表面に露光する。多くの用途では、パターン幾何要素の単位セルを1次元または2次元で繰り返したものを含むパターンが、すなわち周期的パターンが必要とされる。このようなパターンをマスクから基板に転写するための特殊なフォトリソグラフィ技術は、タルボ効果に基づいたものである。マスクにて画定された周期的パターンに、単色光のコリメートビームを照射すると、透過した光場における回折次数が、いわゆるタルボ平面においてマスクから規則的な距離にてパターンの「自己像」を再構築する。タルボ距離との名称でも知られているこの自己像の離隔距離Lは、照射波長λと、パターンの周期Λとに依存し、以下の数式により表される:
≒(kΛ)/λ ・・・数式(1)
同式中、kは定数である。
線とスペースとの1次元の周期的パターンの場合にはk=2であるのに対し、2次元の周期的パターンの場合、kの値は、パターンのアレイ対称性に依存する。Λ≫λの場合(すなわち、1次回折次数の角度が小さい場合)、上記数式の精度は良好であるが、当該数式の近似は、Λの大きさがλに近づくにつれて良好でなくなっていく。フォトレジストを被膜した基板を自己像面のうちいずれか1つに配置すると、当該フォトレジストにマスクパターンが印刷される(たとえば、C. Zanke,et al.,“Large area patterning for photonic crystals via coherent diffraction lithography”,J. Vac. Sci. Technol. B 22,3352 (2004) を参照されたい)。さらに、各自己像面間の中間地点において、マスクのパターンの空間周波数より高い空間周波数を有するタルボ部分像が形成され、これは、フォトレジスト被膜した基板を、その部分像面のうち1つに配置することにより印刷することができる。この技術を用いて得られる印刷結果は、タルボ平面または部分像面における強度変化のコントラストが高くなるようにマスクパターンのデューティ比(すなわち、幾何要素周期の一部としての当該幾何要素の寸法)を選択することによって改善する(米国特許第4,360,586号明細書を参照されたい)。また、従来技術では、位相シフト材料を用いてマスクに周期的パターンを形成することにより、タルボ像のコントラストをさらに強調できることも知られている。特に、高解像度の周期的パターンを印刷するために、タルボイメージングを利用したフォトリソグラフィを使用すると、高解像度パターンを印刷するための従来の投影型フォトリソグラフィ装置のコストとの比較において有利である。
しかし、タルボ技術に係る問題は、自己像および部分像の強度分布が、マスクまでの距離に影響を受けやすいこと、つまり、自己像および部分像の被写界深度が限られていることである。よって、パターンを正確に印刷するためには、マスクに対する基板の位置決めを高精度で行う必要がある、ということになる。自己像および部分像の被写界深度はパターン周期の2乗に比例するので、上述の欠点は、格子周期が小さくなるほど一層深刻になっていく。その上、あまり平坦でない基板表面上にパターンを印刷する必要がある場合、または高凹凸のマイクロ微細構造を既に有する表面にパターンを印刷する場合、またはフォトレジストの薄層にパターンを印刷する場合には、所望の結果を実現することができない場合がある。
国際特許出願PCT/EP2005/010986に、上述の問題を解決するためのタルボイメージングの2つの改良形態が開示されている。第1の改良形態は、マスクの周期的パターンに、スペクトル帯域幅が広い光源からコリメート光ビームの光線を照射し、マスクから像が「定常」になる特定の距離を超えた場所、すなわち、距離がさらに大きくなっても像の強度分布が実質的に不変である距離を超えた場所に、ウェハを位置決めする、というものである。像が定常になる距離は、以下の式により、帯域幅の半値全幅λΔと相関関係にあることが分かっている(Solak et al.“Achromatic spatial frequency multiplication:A method for production of nanometer-scale periodic features”,J. Vac. Sci. Technol. B23(6),2005):
d≒(kΛ)/(Δλ) ・・・数式(2)
同式中、kは定数である。
この距離の具体的な値はスペクトルの具体的な形状に依存し、従来技術に記載の態様で計算することができる。それゆえ、当該技術は「アクロマティックタルボリソグラフィ」(ATL)と称されている。タルボイメージングの代替的な改良形態である第2の改良形態は、マスクの周期的パターンに単色光のコリメートビームを照射し、基板とマスクとの間の離隔距離を露光中に、当該マスクに対して直交する方向において強度分布の周期的変化の周期の整数倍と一致する距離だけ、換言するとタルボ距離の整数倍だけ変化させる、というものである。これにより、タルボ平面間の横方向強度分布の平均が基板上の感光層に印刷され、また、この平均はマスクと基板との間の初期の離隔距離に依存しないので、印刷されるパターンの被写界深度は、実用上は無限である。よって同文献には、所望の結果を得るために必要な離隔距離の最小変化はタルボ距離(整数=1の場合)であることが記載されている。同文献ではさらに、離隔距離を露光中に連続的にこの範囲において変化させること、または離散的に基板を複数の位置で露光することによって離隔距離を変化させることができる旨も記載されている。それゆえ、この技術は「移動型タルボリソグラフィ」(DTL)と称されている。
ATLを用いて印刷されたパターンとDTLを用いて印刷されたパターンとは実質的に同一であり、双方とも、表面平坦性が低い基板上に高解像度の周期的パターンを画一的に印刷することを可能にする。特定のアレイ形式の周期的パターンについては、これらの技術はマスクのパターンの「空間周波数を増倍したもの」を印刷する。たとえば直線グレーティングの場合、印刷されるパターンの周期はマスクのグレーティングの周期の半分となる(または印刷されるパターンの空間周波数はマスクのグレーティングの空間周波数の2倍となる)。しかし、DTLはATLより優れた一定の利点を有し、DTLは、基板とマスクとの間の離隔距離を格段に小さくすることができ、これによって周期的パターンのエッジのシャープネスが改善する。また、DTLによって高強度のコリメートビームを生成するためにレーザ光源を使用しやすくなり、これによって、より高い幾何要素解像度とより短い露光時間とが可能になる。
米国特許第8,368,871号明細書および同9,036,133号明細書に、ATL技術およびDTL技術の改良形態が記載されており、この改良形態では、マスクパターンの各点にコリメート光を照射するのではなく、拡張した角度分布を有する光を照射する。しかし両文献には、DTL技術と同様、マスクと基板との間の離隔距離を露光中に少なくともタルボ距離だけ変化させなければならず、最も有利には、タルボ距離の整数倍だけ変化させなければならない旨が記載されている。
しかし、露光中のマスクと基板との間の離隔距離の変化分が厳密にタルボ距離の整数倍でない場合、上述のDTLおよびDTLベースの露光方式の問題が生じる。この問題はたとえば、移動アクチュエータの機械的ヒステリシス、または移動アクチュエータのステップ分解能が制限されていること、または基板もしくはマスクの縦方向移動とマスク露光の持続時間との同期が不正確であることを原因として、生じ得る。これが生じると、基板上に印刷される時間積分された強度分布がマスクと基板との初期の離隔距離に依存することとなり、また、マスクと基板とは一般的に平坦ではなく、また平行でもないので、非画一的なパターンになってしまう。この非画一性は、離隔距離をタルボ距離の多数の整数倍だけ変化させることにより低減することができるが、このことによってたとえば、幾何要素の解像度の低下(照射ビームが良好にコリメートされていない場合)、幾何要素の形状の歪み(移動方向が正確に縦方向でない場合)、パターンエッジの劣化(ギャップが過度に大きくなる場合)等の他の問題を引き起こし、また、機械系システムにおいて必要とされる移動範囲が大きくなるという欠点も生じる。
米国特許第8,525,973号明細書に、上述の問題の解決手段が開示されている。同文献の内容は、参照により本願の開示内容に含まれるものとする。同文献では、マスクと基板との間の離隔距離の増分変化分あたりのマスクに照射される露光量は、離隔距離の変化中は一定ではなく、移動速度を変化させることによって、または露光ビームの強度を変化させることによって変わる、DTL技術の改良形態が記載されている。具体的には、ガウスプロファイルまたは同等のプロファイルにしたがって、必要な当該プロファイルに応じて照射強度を変化させることにより、または当該プロファイルを反転したものに応じて移動速度を変化させることによって、基板の移動増分あたりの露光量を変化させるべき旨が記載されている。速度または強度を変化させる離隔距離の変化分は、タルボ距離より大きくなければならない旨が記載されている。しかし、DTLの上述の改良形態は、幾つかの欠点を有する:照射ビームの強度を露光中に変化させると、必然的に、照射源の出力が最大限に利用されないこととなり、このことによって露光時間が長くなる。また、露光中に離隔距離の速度を変化させることは、移動機構にさらに要求を課すこととなり、このさらなる要求を満たすのは困難であったり、高コストとなる場合がある。特に、所要露光時間が短い場合および/または基板が大型である場合、さらなる要求を満たすのは困難、高コストになる。
国際特許出願PCT/IB2011/055133に、ATL技術およびDTL技術の他の改良形態が記載されており、この改良形態では、マスクの周期より小さい周期またはマスクのアレイ対称性とは異なるアレイ対称性を有するパターンを印刷するため、種々の設計の位相シフトマスクが使用される。DTL技術と種々の設計の位相シフトマスクとを組み合わせるこれらの実施形態でも同様に、基板とマスクとの間の離隔距離を露光中に、少なくとも、マスクによって回折された光場のタルボ距離だけ変化させなければならない旨が記載されている。
国際特許出願PCT/IB2011/055827には、DTLに関連する露光方法が記載されており、この露光方法は、印刷先である基板に対して選択された角度にマスクの周期的パターンを傾けてから、この傾き方向に露光中に基板に対して当該マスクの周期的パターンを移動させることにより、連続したタルボ平面間の横方向強度分布の範囲で基板を露光する、というものである。その結果実現される印刷パターンは、ATL技術やDTL技術によって生成される印刷パターンと実質的に同一となり、同一の利点を奏する。
国際特許出願PCT/IB2012/050128に関連の技術が記載されており、この技術は、マスク付近に配置された基板の露光中にスペクトル帯域幅にわたって波長を掃引しながら瞬間的に単色のビームをマスクの周期的パターンに照射する、というものである。その帯域幅は、基板に露光する平均強度分布が、ATLによって生成される平均強度分布と同等になるように、基板とマスクとの離隔距離との関係において配置されている。
国際特許出願PCT/IB2012/052778に他の関連技術が記載されており、この技術は、基板付近のマスクの周期的パターンに照射するために、特定のスペクトル帯域幅における複数の波長の光を放出するレーザのアレイを使用する、というものである。その波長帯域幅、および、基板とマスクとの離隔距離は、それにより実現される基板の露光が、ATLによって実現される露光と同等となるように配置される。
最後に挙げた2つの技術は、ATL型露光を実現するための代替手段を実現するものであるが、これらは双方とも、照射システムをさらに複雑にし、関連するコストを増大させてしまい、このことは望ましくない。
国際特許出願PCT/IB2014/059949に、所望の周期的パターンを基板上の感光層に画一的に印刷するための他の2つの関連する露光方式が記載されている。両方式とも、周期的パターンを有するマスクを基板付近に配置して、コリメートされた単色光のビームをマスクに照射し、マスクパターンの周期は、最も好適にはマスクによる回折が0次および1次のみとなるように、照射波長との関係において選択される。
第1の露光方式は、第1の部分露光中の離隔距離に対して第iの部分露光に係る相対的な離隔距離が(m+n/N)×タルボ距離となるように、各部分露光間でマスクと基板との間の離隔距離を変化させながら、マスクのN個の部分露光を行う、というものであり、ここで、mは整数であり、nは、異なる部分露光ごとに0〜N−1の整数値をそれぞれとる。たとえば、N=2、かつ第2の部分露光ではm=0である場合、離隔距離を2つの部分露光間でタルボ距離の1/2だけ変化させ、またはN=3、かつ第2および第3の部分露光ではm=m=0である場合、第1の部分露光と第2の部分露光との間では離隔距離をタルボ距離の1/3だけ変化させ、かつ第2の部分露光と第3の部分露光との間では離隔距離をさらにタルボ距離の1/3だけ変化させる。
第2の方式は、第1の部分露光では感光層に、マスクパターンによって当該層に形成される強度分布を照射する、というものである。この周期的なマスクパターンが直線グレーティングである場合には、第2の部分露光において、同一の強度分布を感光層において第1の部分露光に対して横方向に、グレーティング線に対して直交方向に当該グレーティングの周期の半分の距離だけシフトしたものを、感光層に照射する。周期的なマスクパターンが直線グレーティングでなく幾何要素の6角形アレイである場合、後続の2つの各部分露光において、第1の部分露光と同一の強度分布を層において第1の部分露光に対して横方向に、特定の予め決まった方向に特定の予め決まった距離だけずらしたものを、層に照射する。周期的なマスクパターンが正方形アレイである場合についても、同等の手順が記載されている。
これらいずれの露光方式でも、複数の部分露光の強度分布が合わさって、基板とマスクとの間の初期の離隔距離に影響を受けないパターンを印刷し、これによってDTLと同様に、あまり平坦でない基板に周期的パターンを画一的に印刷することができる。同文献では、印刷パターンが基板とマスクとの間の初期の離隔距離に全く影響を受けないようにするためには、マスクが0次および1次でのみ回折することを要する旨が開示されている。実際どの詳細な実施形態でも、マスクパターンの周期は、マスクによる回折が0次および1次のみとなるように、波長との関係において選択されている。同文献はさらに、マスクによって回折される光場に2次以上の回折次数が存在すると、印刷される幾何要素寸法のばらつきが幾何要素の寸法の1/10または1/20より小さい場合には許容し得るが、幾何要素寸法にばらつき、すなわち非画一性が生じる旨も言及している。
国際特許出願PCT/IB2014/059949に開示されている両方式の一利点は、印刷されるパターンの周期がマスクのパターンの周期より短くなることであり、直線グレーティングの場合、印刷されるパターンの周期はマスクのパターンの周期の1/2となり、2次元の6角形および正方形のアレイの場合、印刷されるパターンの周期はそれぞれ、マスクのパターンの周期の1/√3および1/√2になる。このことは、マスクにおいて必要な幾何要素の寸法が、所望の印刷パターンの幾何要素の寸法より格段に大きいということであり、これによってマスク製造のコストが著しく削減される。DTLより優れた第2の方式のもう1つの利点は、基板とマスクとの間の離隔距離を露光中に少なくともタルボ距離だけ変化させる必要がないことである。
2つの方式の主な欠点は、これらの方式が実質的に、周期が波長との関係において0次および1次の回折しか生じないようにするために十分に小さいマスクパターンに限定されてしまうことである。マスクパターンが直線グレーティングである場合、この条件を満たすためには、グレーティング周期が照射波長の2倍より小さいことを要し、それに対してパターンが幾何要素の2次元の6角形アレイである場合、アレイ幾何要素間の最近傍の距離が照射波長の2倍より小さいことを要し、正方形のアレイの場合には、周期が照射波長の2倍より小さいことを要する。パターンの周期または最近傍の距離が波長との関係において比較的大きいと、回折次数が1次より大きくなり、これによって、印刷結果の画一性が損なわれてしまう。その結果生じる、印刷される幾何要素寸法のばらつきの大きさは、より高次の次数の振幅の総和と、1次の振幅の大きさの総和との比にほぼ比例するので、印刷されるパターンの画一性はより高次の次数に非常に影響を受けやすく、ほんの僅かな非常に弱い高次の次数であっても、幾何要素寸法のばらつきは幾何要素寸法の1/10より大きくなる可能性があり、かかるばらつきは一般に、許容できない非画一性とみなされる。その結果、マスクパターンの周期または最近傍距離が照射波長の2倍より格段に大きくなって、マスクによるより高次の回折次数が多く生じると、印刷パターンは非常に非画一的となり、当該分野のいかなる用途にも使用できなくなる。
さらにATL技術の欠点は、ビーム強度の許容できないほどの損失を伴うことなく良好にコリメートできる、十分に大きいスペクトル帯域幅を有する光を生成する照射源を必要とすることである。良好なコリメートおよび大きな帯域幅は、印刷パターンの許容できないボケを回避するために必要だからである。しかし、かかる照射源は容易に入手することができず、たとえば、LEDの光は大きいスペクトル帯域幅を有するが、ビーム強度を犠牲にしないと、良好にコリメートされたビームを得ることができない。よって本発明の課題は、国際特許出願PCT/IB2014/059949に開示されている第2の露光方式と同一または類似の利点を奏する、周期的パターンを印刷するための方法を実現すること、すなわち、基板とマスクとの間の離隔距離を少なくともタルボ距離だけ変化させる必要なく非平坦な基板にパターンを画一的に印刷する能力と、当該方式の主な欠点を伴うことなく、すなわち、マスクによる回折が0次および1次のみとなるように周期が照射波長との関係において十分に小さいマスクパターンに実質的に限定されることなく、マスクのパターンの周期より小さい周期でパターンを印刷できる能力と、を兼ね備えた方法を実現することである。とりわけ本発明の課題は、マスクによって放出される光場の回折次数がより高くても、印刷されるパターンに幾何要素寸法のばらつきを生じさせないことである。
他の1つの課題は、産業上の用途のために特定の所望の特性を有するレーザ光源を使用できるように光源が単色である方法および装置を実現することである。
他の1つの課題は、方法および装置が1次元および2次元の両周期的パターンに適用できるようにすること、特に直線グレーティング、幾何要素の6角形アレイおよび正方形アレイに適用できるようにすること、また、パターン全体において周期または最近傍距離が緩慢に変わる準周期的なパターンにも適用できるようにすることである。
本発明のさらに他の1つの課題は、従来技術を用いて実現可能なパターンより高解像度のパターンを、より短い露光時間で印刷できるように、良好にコリメートされた高強度のビームを達成できる光源の調達を容易にするため、アクロマティックタルボリソグラフィを実施するための照射源のスペクトル帯域幅に課される要求を緩和することである。
本発明の第1の側面は、所望の1次元の周期的パターンを感光層に印刷する方法を開示するものであり、
前記方法は、
a)周期が所望の1次元の周期的パターンの周期の2倍である、直線の幾何要素の周期的なマスクパターンを有するマスクを調達するステップと、
b)感光層を支持する基板を調達するステップと、
c)基板をマスクに対して平行に、かつマスクの近傍に配置するステップと、
d)タルボ距離によって表される透過された光場を生成するため、マスクパターンに照射するためのコリメートされた単色光の少なくとも1つのビームを生成するステップと、
e)感光層に第1の部分露光の時間積分された強度分布と第2の部分露光の時間積分された強度分布とを照射するステップであって、両時間積分された強度分布は実質的に同一であり、基板とマスクとの間の離隔距離をタルボ距離の少なくとも1/4かつタルボ距離未満の距離だけ変化させながら、少なくとも1つのビームをマスクパターンに照射することによって両時間積分された強度分布を形成するステップと、
f)感光層への第1の部分露光の時間積分された強度分布の照射と第2の部分露光の時間積分された強度分布の照射とが当該層において横方向に、直線の幾何要素に対して直交する方向にマスクパターンの周期の半分の距離または同等の距離だけ互いにオフセットするように、第1および第2の部分露光のために少なくとも1つのビームを、またはマスクに対する基板の相対的な横方向位置を調整するステップと、
を有し、
マスクパターンの周期は、照射されたマスクが0次、1次およびより高次の回折次数を生じさせるように、照射ビームの波長の2倍より大きい。
第1の部分露光による感光層の露光と第2の部分露光による感光層の露光とは好適には、当該層において横方向に、直線の幾何要素に対して直交する方向に互いにマスクパターンの周期の半分だけオフセットする。というのも、このことによって所要オフセット距離が最小限になるからである。マスクパターンは周期的であるが、代替的に、グレーティング周期の(n+0.5)倍によって与えられる同等のオフセット距離を使用することもできる。ここで、nは整数である。かかる同等のオフセット距離により、基板上に実質的に同一の印刷結果が得られる。
本発明の第2の側面は、幾何要素の6角形アレイの所望の2次元の周期的パターンを感光層に印刷する方法を開示するものであり、
前記方法は、
a)最近傍距離が所望の2次元パターンの最近傍距離の√3倍である、幾何要素の6角形アレイの周期的なマスクパターンを有するマスクを調達するステップと、
b)感光層を支持する基板を調達するステップと、
c)基板をマスクに対して平行に、かつマスクの近傍に配置するステップと、
d)タルボ距離によって表される透過された光場を生成するため、マスクパターンに照射するためのコリメートされた単色光の少なくとも1つのビームを生成するステップと、
e)感光層に第1の部分露光の時間積分された強度分布と第2の部分露光の時間積分された強度分布と第3の部分露光の時間積分された強度分布とを照射するステップであって、時間積分された強度分布は実質的に同一であり、基板とマスクとの間の離隔距離をタルボ距離の少なくとも1/3かつタルボ距離未満の距離だけ変化させながら、少なくとも1つのビームをマスクパターンに照射することによって時間積分された強度分布を形成するステップと、
f)感光層への第2の部分露光の時間積分された強度分布の照射および第3の部分露光の時間積分された強度分布の照射が横方向に、当該感光層への第1の部分露光の時間積分された強度分布の照射から、マスクパターンの幾何要素の列に対して平行な方向にマスクパターンの最近傍距離の半分または同等の距離だけオフセットするように、かつマスク幾何要素の当該列に対して直交する方向に、マスクパターンの最近傍距離のそれぞれ1/(2√3)倍および−1(2√3)倍だけ、または同等の距離だけオフセットするように、第1、第2および第3の部分露光のために少なくとも1つのビームを、またはマスクに対する基板の相対的な横方向位置を調整するステップと、
を有し、
マスクパターンの最近傍距離は、照射されたマスクが0次、1次およびより高次の回折次数を生じさせるように、照射ビームの波長の2倍より大きい。
感光層への第2および第3の部分露光の時間積分された強度分布の照射は好適には、第1の部分露光の時間積分された強度分布の照射から横方向に、上記にて指定された特定の距離だけオフセットするが、本発明の第1の側面と同様にマスクパターンは周期的であるから、代替的に、該当する方向にパターンの各周期性に応じた同等のオフセット距離を使用することによって、実質的に同一の印刷結果を得ることができる。
本発明の第3の側面は、幾何要素の正方形アレイの所望の2次元の周期的パターンを感光層に印刷する方法であり、
前記方法は、
a)周期が所望の2次元パターンの周期の√2倍である、幾何要素の正方形アレイの周期的なマスクパターンを有するマスクを調達するステップと、
b)感光層を支持する基板を調達するステップと、
c)基板をマスクに対して平行に、かつマスクの近傍に配置するステップと、
d)タルボ距離を有する透過された光場を生成するため、マスクパターンに照射するためのコリメートされた単色光の少なくとも1つのビームを生成するステップと、
e)感光層に第1の部分露光の時間積分された強度分布と第2の部分露光の時間積分された強度分布とを照射するステップであって、両時間積分された強度分布は実質的に同一であり、基板とマスクとの間の離隔距離をタルボ距離の少なくとも1/2かつ当該タルボ距離未満の距離だけ変化しながら、少なくとも1つのビームをマスクパターンに照射することによって両時間積分された強度分布を形成するステップと、
f)感光層への第1の部分露光の時間積分された強度分布の照射と第2の部分露光の時間積分された強度分布の照射とが当該層において横方向に、マスクパターンの幾何要素の列に対して平行な方向にマスクパターンの周期の半分だけ、または同等の距離だけ互いにオフセットするように、かつマスク幾何要素の当該列に対して直交する方向にマスクパターンの周期の半分だけ、または同等の距離だけ互いにオフセットするように、第1および第2の部分露光のために少なくとも1つのビームを、またはマスクに対する基板の相対的な横方向位置を調整するステップと、
を有し、
マスクパターンの周期は、照射されたマスクが0次、1次およびより高次の回折次数を生じさせるように、照射ビームの波長の√2倍より大きい。
本発明の上述の全ての側面において、各部分露光の離隔距離による照射量の変化速度を一定に維持するように、一定の強度を有するビームを照射しながら、離隔距離を一定の速度で変化させることができる。かかる場合、直線グレーティング、6角形アレイおよび正方形アレイについてはタルボ距離のそれぞれ1/4、1/3、1/2の整数倍だけ離隔距離を変化させ、なおかつ離隔距離の変化分がタルボ距離より小さくなるように保証するのが好適である。よって、直線グレーティングの場合には整数は1,2および3のいずれかの値をとることができ、6角形アレイの場合には整数は1および2のいずれかの値をとることができ、正方形アレイについては、その値は1に限定される。
しかし、離隔距離の増分変化による露光量が離隔距離の変化によって変化するように、離隔距離の変化速度と照射ビームの強度とのうち少なくとも1つを部分露光ごとに変化するのが好適である。最も好適なのは、この変化が切断ガウス、切断正弦、三角錐台形、またはこれらに類する形状のプロファイルを有することであり、好適には、このプロファイルの半値全幅が離隔距離の変化分の半分である。
上述の複数の部分露光は、順次行うことができる。かかる場合、照射ビームは好適には、コリメート光の単一ビームを有し、感光層への複数の部分露光の時間積分された強度分布の照射の横方向の(1つまたは複数の)オフセットは、角度の変化の大きさおよび方向によって基板における時間積分された強度分布の横方向の所要のオフセットが生じるように各部分露光間にビームの入射角を変化させることによって、または各部分露光間に基板およびマスクのうち少なくとも1つを横方向の所要オフセットだけ移動させることによって得られる。
有利には、複数の部分露光を同時に行う。かかる場合、照射ビームはコリメート光の複数のビームから構成され、複数のビームはそれぞれ異なる入射角でマスクに照射され、入射角は、感光層における複数の各部分露光の時間積分された強度分布の所要の(1つまたは複数の)横方向オフセットを生じさせるように選択される。
本発明のすべての側面において、マスクのパターン幾何要素を透明な幾何要素とし、かつ不透明である層に形成することができ、または不透明な幾何要素として、かつ透明なマスクに設けることもできる。これに代えて、幾何要素とその周辺領域との双方を透明または半透明とし、幾何要素の相対厚さおよび/または相対深さによって、当該周辺領域によって透過される光に対して相対的に、当該幾何要素によって透過される光の位相シフトを生じさせる1つまたは複数の材料に、当該幾何要素とその周辺領域との双方を形成することもできる。すなわち、パターンを位相シフトマスクに形成することができる。
本発明の第4の側面は、所望の1次元の周期的パターンを感光層に印刷する方法を開示するものであり、
前記方法は、
a)周期が所望の1次元の周期的パターンの周期の2倍である、直線の幾何要素の周期的なマスクパターンを有するマスクを調達するステップと、
b)感光層を支持する基板を調達するステップと、
c)スペクトル帯域幅を有するコリメート光の少なくとも1つのビーム、またはスペクトル帯域幅にわたって変化し得る波長を有するコリメート光の少なくとも1つのビームを生成するステップと、
d)前記スペクトル帯域幅を有する少なくとも1つのビームのうち1つをマスクパターンに照射することによって定常像が形成される距離の1/4より大きくかつ当該距離より小さい離隔距離に、かつマスクに対して平行に、基板を配置するステップと、
e)感光層に第1の部分露光の時間積分された強度分布と第2の部分露光の時間積分された強度分布とを照射するステップであって、両時間積分された強度分布は実質的に同一であり、スペクトル帯域幅を有するコリメート光の少なくとも1つのビームをマスクパターンに照射することによって、またはスペクトル帯域幅にわたって波長を掃引して、波長を有するコリメート光の少なくとも1つのビームをマスクパターンに照射することによって、両時間積分された強度分布を形成するステップと、
f)感光層への第1の部分露光の時間積分された強度分布の照射と第2の部分露光の時間積分された強度分布の照射とが当該層において横方向に、直線の幾何要素に対して直交する方向にマスクパターンの周期の半分の距離だけ、または同等の距離だけ互いにオフセットするように、第1および第2の部分露光のために少なくとも1つのビームを、またはマスクに対する基板の相対的な横方向位置を調整するステップと、
を有し、
マスクパターンの周期は、照射されたマスクが0次、1次およびより高次の回折次数を生じさせるように、照射ビームの中心波長の2倍より大きい。
本発明の第5の側面は、幾何要素の6角形アレイの所望の2次元の周期的パターンを感光層に印刷する方法を開示するものであり、
前記方法は、
a)最近傍距離が所望の2次元パターンの最近傍距離の√3倍である、幾何要素の6角形アレイの周期的なマスクパターンを有するマスクを調達するステップと、
b)感光層を支持する基板を調達するステップと、
c)スペクトル帯域幅を有するコリメート光の少なくとも1つのビーム、またはスペクトル帯域幅にわたって変化し得る波長を有するコリメート光の少なくとも1つのビームを生成するステップと、
d)前記スペクトル帯域幅を有する少なくとも1つのビームのうち1つをマスクパターンに照射することによって定常像が形成される距離の1/3より大きくかつ当該距離より小さい離隔距離に、かつマスクに対して平行に、基板を配置するステップと、
e)感光層に第1の部分露光の時間積分された強度分布と第2の部分露光の時間積分された強度分布とを照射するステップであって、両時間積分された強度分布は実質的に同一であり、スペクトル帯域幅を有するコリメート光の少なくとも1つのビームをマスクパターンに照射することによって、またはスペクトル帯域幅にわたって波長を掃引して、波長を有するコリメート光の少なくとも1つのビームをマスクパターンに照射することによって、両時間積分された強度分布を形成するステップと、
f)感光層への第2の部分露光の強度分布の照射および第3の部分露光の強度分布の照射が横方向に、当該感光層への第1の部分露光の強度分布の照射から、マスクパターンの幾何要素の列に対して平行な方向にマスクパターンの最近傍距離の半分だけ、または同等の距離だけオフセットするように、かつマスク幾何要素の当該列に対して直交する方向に、マスクパターンの最近傍距離のそれぞれ1/(2√3)倍および−1(2√3)倍だけ、または同等の距離だけオフセットするように、第1、第2および第3の部分露光のために少なくとも1つのビームを、またはマスクに対する基板の相対的な横方向位置を調整するステップと、
を有し、
マスクパターンの最近傍距離は、照射されたマスクが0次、1次およびより高次の回折次数を生じさせるように、照射ビームの波長の2倍より大きい。
本発明の第6の側面は、幾何要素の正方形アレイの所望の2次元の周期的パターンを感光層に印刷する方法を開示するものであり、
前記方法は、
a)周期が所望の2次元パターンの周期の√2倍である、幾何要素の正方形アレイの周期的なマスクパターンを有するマスクを調達するステップと、
b)感光層を支持する基板を調達するステップと、
c)スペクトル帯域幅を有するコリメート光の少なくとも1つのビーム、またはスペクトル帯域幅にわたって掃引し得る波長を有するコリメート光の少なくとも1つのビームを生成するステップと、
d)前記スペクトル帯域幅を有する少なくとも1つのビームのうち1つをマスクパターンに照射することによって定常像が形成される距離の1/2より大きくかつ当該距離より小さい離隔距離に、かつマスクに対して平行に、基板を配置するステップと、
e)感光層に第1の部分露光の時間積分された強度分布と第2の部分露光の時間積分された強度分布とを照射するステップであって、両時間積分された強度分布は実質的に同一であり、スペクトル帯域幅を有するコリメート光の少なくとも1つのビームをマスクパターンに照射することによって、またはスペクトル帯域幅にわたって波長を掃引して、波長を有するコリメート光の少なくとも1つのビームをマスクパターンに照射することによって、両時間積分された強度分布を形成するステップと、
f)感光層への第1の部分露光の強度分布の照射と第2の部分露光の強度分布の照射とが横方向に、マスクパターンの幾何要素の列に対して平行な方向にマスクパターンの周期の半分だけ、または同等の距離だけ互いにオフセットするように、かつマスク幾何要素の当該列に対して直交する方向にマスクパターンの周期の半分だけ、または同等の距離だけ互いにオフセットするように、第1および第2の部分露光のために少なくとも1つのビームを、またはマスクに対する基板の相対的な横方向位置を調整するステップと、
を有し、
マスクパターンの周期は、照射されたマスクが0次、1次および回折次数を生じさせるように、照射ビームの波長の√2倍より大きい。
上記側面のいずれにおいても、0次および1次より高次の回折次数の数および相対的強度に限定はない。
本発明の第1、第2、第3、第5、第6、第7、第8および第9の実施形態において使用される複数の異なる装置を示す図である。 第1の実施形態においてフォトレジストが被膜されたウェハに照射される時間積分された強度分布の計算された結果を示す図である。 第2の実施形態において離隔距離の変化中に離隔距離の増分変化分あたりの露光量を変化させる切断ガウスプロファイルの形状を示す図である。 本発明の第4の実施形態において使用される装置を示す図である。 第5の実施形態にて使用されるマスクの孔の6角形アレイを示す図である。 第5の実施形態においてフォトレジストが被膜されたウェハに照射される時間積分された強度分布のコンピュータシミュレーションを示す図である。 第7の実施形態にて使用されるマスクの孔の正方形アレイを示す図である。 第7の実施形態においてフォトレジストが被膜されたウェハに照射される時間積分された強度分布のコンピュータシミュレーションを示す図である。 本発明の第10の実施形態において使用される装置を示す図である。
図1に、本発明の第1の実施例を示しており、同図を参照すると、アルゴンイオンレーザ1が、363.8nmの波長かつ最大2mmのビーム径を有する、実質的に単色の光のビーム2を放出する。ビーム2はTEM00横モードであり、すなわちガウス強度プロファイルを有し、また平面偏光である。電子的に作動されるシャッタ3を通過した後、ビーム径はエキスパンダ4によって拡大される。このエキスパンダ4はたとえば、光を再コリメートするために平凹レンズに平凸レンズを後置したものを有する。その後、拡大されたビームは(フィールドマッピング型の)屈折型ビーム変換器5に入射し、これがビームのガウス強度プロファイルを実質的に矩形の分布に変換する。このビーム変換器は、モルテック社(Moltech GmbH)等の会社から市販されており、同社の piShaper 製品シリーズは本用途専用である。変換器5からのコリメート光6の一様なビームは第2のビームエキスパンダ8に入射し、この第2のビームエキスパンダ8は、ビームの断面が露光すべきパターン13より大きくなるようにビームをさらに拡大する。エキスパンダ8から出力されたビームは、垂直入射で、またはほぼ垂直入射でマスク12に照射されるように、ミラー9によって反射される。ミラー9は好適には、反射されたビームの、マスクに対する垂線を角度アライメントするための調整手段を備えた傾斜ステージ10に取り付けられている。
当業者に周知の通り、タルボ効果、またはタルボ効果に基づく技術、たとえばDTL等を周期的パターン印刷技術のために使用する場合、マスクパターンに照射されるビームを良好にコリメートすること、および、印刷される幾何要素の解像度が良好になるようにマスクとウェハとの間の離隔距離が十分に小さいことを要する。屈折型ビーム変換器5は有利には、マスクパターン13の各点に照射される光線の角度範囲を非常に小さくできるように、たとえば0.2mR未満にできるように、良好にコリメートされた出力ビームを生成する。
マスク12の下面には1次元の周期的パターン13が、具体的には、標準的な手法を用いて作成された4μmの周期の位相グレーティングの形態の、線とスペースとの構造がある。線とスペースとの比は最適には1であり、エッチングされた線によって導入される透過光の位相のシフトは最適にはπである。グレーティングの線の向きは、y軸に対して平行である。すなわち、同図の平面に対して直交する。図1には、マスクパターン13の少数の線およびスペースしか示していないが、さらに多くの線およびスペースを設けること、および、パターン13の測定寸法は数cmにもなることが明らかである。照射されたグレーティング13は0次および1次の回折次数だけでなく、最大10次まで生じさせる。これらの次数はマスク12より後で干渉して、タルボ像および部分像のシーケンスを生成する。この干渉パターンのタルボ距離は、数式(1)を使用して計算すると88ミクロンになる。マスク12は、たとえば真空チャックの下面等の機械的支持台(図中に示していない)に固定的に取り付けられている。
マスク12の下方にシリコンウェハ14があり、このシリコンウェハ14の上表面には、標準的な高コントラストのi線感光性フォトレジストの層15が被膜されている。層15の厚さは最大1μmである。ウェハ14は真空チャック16に取り付けられており、この真空チャック16は、部分露光中にマスク12とウェハ14との離隔距離を高精度で変化させるためのアクチュエータを備えた位置決めシステム18に取り付けられている。適したアクチュエータは、圧電トランスデューサ(PZT)である。好適には各PZTは、正確な変位を高信頼性で得ることができるように閉ループ制御を行えるようにするため、組み込まれた位置センサを備えている。位置決めシステム18はさらに、x方向とy方向とにウェハ14を高精度で移動させるためのアクチュエータも備えている。適したアクチュエータは、移動範囲が20μmであるPZTであり、好適にはこのPZTも、高精度の移動を保証するために閉ループ制御を備えている。位置決めシステム18はさらに、マスク12を基準としてウェハ14を手動でレベリングするための、および、これらの離隔距離を露光前に手動で調整するための粗位置決め機構も備えている。位置決めシステム18およびシャッタ3は、制御システム20に接続されている。
ウェハ14は、マスク12とウェハ14との間のギャップを手動で探って測定するために既知の厚さの参照スペーサ(同図には示されていない)を用いて、また、離隔距離を調整するために位置決めシステム18を用いて、マスク12に対して平行に、かつ最大200μmの離隔距離で配置される。
ウェハ14は2回の部分露光で露光される。第1の部分露光に際しては、マスクパターン13にコリメート光11の一様なビームを照射するようにシャッタ3を開き、また、露光中に位置決めシステム18の精密位置決めアクチュエータを使用して、当該部分露光中に離隔距離を、透過された光場のタルボ距離の1/4のみだけ、すなわち22μmの距離だけ縮小(または代替的に拡大)する点を除いて、DTLと同様に一定の速度で離隔距離を変化させる。この移動の速度は、2回の部分露光によって送られる総露光量が、使用される特定のフォトレジスト材料の層15に所望の微細構造を形成するために適したものとなるように、マスク12に照射されるビームの強度との関係において選択される。露光時間は、次のウェハを露光する際に最適化することができる。露光中に離隔距離を変化させると、感光層に照射される強度分布が変化する。層15がこの1回の部分露光の全部において受け取るエネルギー密度の空間的分布は、当該層15に照射される強度分布の時間積分に相当する。
第1の部分露光の終了時に、シャッタ3を閉じ、ウェハ位置決めステージ18のアクチュエータを用いて、マスク12とウェハ14との間の離隔距離を初期値に正確に戻す。また位置決めステージ18を使用して、ウェハ14をx方向(または−x方向)に、マスクグレーティング13の周期の半分の距離だけ、すなわち2μm移動させる。
その後、第2の部分露光を第1の部分露光と同様に、シャッタ3を開いて同一の露光時間にわたって、同一の方向に同一の一定の速度でウェハ‐マスク離隔距離を変化させることによって行う。これにより、第1の部分露光の時間積分された強度分布に対して横方向に、グレーティング線に対して直交する方向に、マスクグレーティング13の周期の半分だけオフセットさせる点を除いて、第1の部分露光の時間積分された強度分布と実質的に同一の時間積分された強度分布が、フォトレジスト15に照射される。この露光の後、シャッタ3を閉じ、ウェハ14を露光装置から取り出して、標準的な手順を用いてフォトレジスト15を現像する。
2つの部分露光の互いにオフセットした2つの時間積分された強度分布の重畳は、以下の数式によって数学的に表すことができる:
同式中、Aはマスクグレーティング13によるi次の回折次数の振幅であり、nは最も高い回折次数の数である。
ここで留意すべき点は、合成された分布はマスク12からの距離に依存しないので、印刷されるパターンの焦点深度は実際に無限となり、これにより、表面平坦性に乏しいウェハ上にパターンを画一的に印刷できることである。
図2に示された強度プロファイルが、最初に、当該直線グレーティング13に係る複数の異なる回折次数の振幅を計算すると、I(x,z)から得られる。同図に示されている強度は、マスクに入射する強度を基準とする相対的なものである。同図から分かるように、強度分布は、マスクグレーティング13の周期の半分の周期と最大100%のコントラストとを有する実質的に三角形の形状を有し、これにより、良好なプロファイルを有する線とスペースとの構造を、現像されたフォトレジスト15に形成することができる。直線グレーティング13については、線とスペースとの比を1とし、かつ位相シフトをπとした。というのも、これらによってI(x,z)のコントラストが最大になるからである。しかし、この線とスペースとの比および位相シフトが上述の値から有意に偏差することも許容し得る。というのも、製造に値するリソグラフィプロセスは、必ずしもかかる高コントラストを要するとは限らないからである。
よってその印刷結果は、DTL露光技術によって作成されたものと同等になるが、当該印刷結果は、ウェハ‐マスク離隔距離を、DTLに必要とされる分の1/4のみだけ変化させることによって作成されたものである。それゆえ、移動範囲が格段に短いアクチュエータを使用することが可能になり、または逆に、特定の移動範囲を有するアクチュエータを使用して格段に長い周期のパターンを印刷することも可能になる。また、離隔距離の変化が小さくなることにより、長手方向移動中にも生じ得る不所望の横方向移動の大きさも低減することとなり、これによって、印刷される幾何要素の解像度も改善される。
本実施形態のマスクパターン13はx方向において周期的であるから、本実施形態ではより一般的に、2つの部分露光間に、x方向において(n+1/2)Λによって与えられる距離だけウェハ14を移動させることによって、(印刷パターンのエッジは無視して)同一の印刷結果を得ることができる。ここで、nは整数である。よって、第2の部分露光の時間積分された強度分布の横方向オフセットに相当する上述の移動は、等価として表現することができる。しかし有利なのは、移動をΛ/2(または−Λ/2)に最小限にすることである。というのも、これによってフォトレジストの2つの露光された領域の重なり合いが最大限になり、これによって、画一的に印刷されたパターンの領域が最大限になるからである。マスクとウェハとの平行性が不完全である点に鑑みると、横方向移動を最小限にすることは、フォトレジスト層における2つの部分露光の時間積分された強度分布が実質同一になるように、第2の部分露光の、パターン領域にわたるマスク‐ウェハ離隔距離の局所値の分布を、第1の部分露光の場合と実質同一にするためにも有利である。本実施形態およびマスクの周期的パターンが1次元すなわち直線グレーティングである他の実施形態では、x方向(グレーティング線に対して直交する方向)における(n+1/2)Λの所要の横方向オフセットは、y方向(グレーティング線に対して平行な方向)に何らかの任意の移動を伴うこともできる。このy方向の移動は好適には、当該方向におけるパターンの寸法との関係において無視できる程度のものである。かかる直交方向の移動が印刷パターンに及ぼす作用は、当該方向におけるグレーティング線の連続的な性質により、無視できる程度である。
本実施形態の一変形態様では、第1の部分露光後にマスク‐ウェハ離隔距離を初期値に戻さずに、第2の部分露光中に、第1の部分露光で使用した方向と反対方向に一定の速度でマスク‐ウェハ離隔距離を変化させる。第2の部分露光で離隔距離を変化させる方向を切り替え、かつ離隔距離による露光量の変化の速度の変化を第1の部分露光と同一とすることにより、これによって得られる、感光層に照射される時間積分された強度分布は同一になる。この手続上の改良は、他の実施形態にも同様に適用することができる。
本実施形態の他の一変形態様では代替的に、離隔距離がタルボ距離の1/4の整数倍だけ、かつタルボ距離1つより小さい距離だけ変化するように、具体的には離隔距離が44ミクロンまたは66ミクロン変化するように、各部分露光中に離隔距離を一定の速度で変化させることによっても、実質的に同一の結果を得ることができる。ここで、整数は1より大きい。同一のビーム強度と同一のフォトレジストプロセスとを使用すると仮定すると、2つの部分露光でフォトレジストへ送られる露光量を、所望の微細構造を形成するために適したものに維持するため、離隔距離の変化の速度をそれぞれ2倍または3倍上昇させる必要もある。
もちろん、本実施形態の他の変形態様では、各部分露光間のxでの移動をウェハ14ではなくマスク12によって行えることが明らかである。重要なのは、これら2つの相対移動なのである。
本実施形態のさらに他の一変形態様では、マスクは代替的に、同一または異なる周期を有する振幅グレーティングを有する。この振幅グレーティングの線とスペースとの比は、好適には1である。これは、標準的なレーザビームまたは電子ビームマスク作成技術を用いて作成される。その露光手順は、同一周期の位相マスクと同一であり、印刷結果も同様に、マスクグレーティングの周期の半分の周期のグレーティングとなる。しかし振幅マスクを用いると、2つの部分露光の時間積分された強度分布の総和のコントラストは、位相マスクを用いて得られるコントラストより格段に低くなり、これは、高アスペクト比のフォトレジスト構造を必要とする用途では望ましいものではない。
当該第1の実施形態は、露光中に一定の速度で離隔距離を変化させる従来技術のDTLおよびDTLベースの技術と同一の欠点を有し、印刷される結果は、マスク照射中に、厳密に所望の距離の整数倍ではない離隔距離の変化に影響を受けやすい。かかる不正確さはたとえば、ウェハの長手方向移動にヒステリシスが存在する場合、またはシャッタが移動と正確に同期していない場合に生じ得る。
第2の実施形態では、再び図1を参照すると、レーザ光源1は代替的にダイオードポンピング形式の固体レーザであり、これは、ガウス強度プロファイルを有する355nmの波長の3次高調波ビーム2を生成する。第1の実施形態と同様に、ビーム2はシャッタ3とビームエキスパンダ4とを通過し、その後に屈折型ビーム変換器5を通過して、屈折型ビーム変換器5はビームの強度分布を一様化する。その後、ビーム2はここでも、エキスパンダ8によってさらに拡大されてミラー9によって反射されて、反射されコリメートされたこのビーム11はマスク12に垂直入射で照射される。
本実施形態のマスク12の下面には、当該波長では最大πの位相深さの直線位相グレーティング13があり、この直線位相グレーティング13の線とスペースとの比は最大1であり、周期は3.2μmである。この線の方向は、図平面に対して直交している。
照射された直線グレーティング13は、0次および1次の回折次数だけでなく最大9次の回折次数も生成し、これらはマスク12の後で干渉してタルボ像および部分像のシーケンスを生成する。そのタルボ距離の計算値は58ミクロンになる。
第1の実施形態と同様、露光手順は2回の部分露光から構成される。しかし、各部分露光中に離隔距離を一定の速度で変化させる代わりに、
によって与えられる切断ガウス分布で、離隔距離の増分変化分あたりでマスク12に照射される露光エネルギー密度が離隔距離の変化中に変化するように速度を変化させながら、離隔距離を変化させる。同式中、Eは定数であり、exp{}は指数関数を表し、wはガウス分布の半値全幅であり、|d−dmaxは、当該部分露光中の離隔距離の平均値dからいずれかの側への当該離隔距離の最大許容偏差を定義する。
よって、1回の部分露光で離隔距離を変化させる最小距離はL/4であり、最大距離はLである。かかる下限によって、パターンが画一的な程度で印刷されることが保証され、なおかつ上限によって、タルボ距離以上に離隔距離を変化させることなく良好な画一性を達成するという目的が満たされる。しかし好適には、1回の部分露光で離隔距離を変化させる距離は、非常に良好な画一性を達成するために少なくともL/2であり、かつタルボ距離より格段に小さくなるように0.9L未満である。L/2からL/4へ離隔距離の変化が小さくなると、印刷パターンの画一性は次第に良好でなくなっていくが、それでも、要求が低い用途の場合には十分となり得る。好適には、ガウス分布の半値全幅FWHMは、{δE(d)}/(δd)を離隔距離の最大値および最小値におけるピーク値の最大6%に下降させるため、FWHM=2w≒|d−d|となるように選択される。よって、FWHMは好適にはL/8〜L/2の範囲であり、最も好適にはL/4〜0.45Lの範囲である。FWHM=2w=|d−dmax=L/4である場合、これによって得られる、離隔距離の増分変化分あたりの露光量の正規化された変化を表す切断ガウス分布は、図3に示されたものとなる。図3のグラフの横軸上の離隔距離の値は、平均離隔距離からの偏差として、単位距離をタルボ距離Lとして表されている。
離隔距離の増分変化による露光量の変化は、位置決めシステム18のアクチュエータが露光中に、逆方向に変化する速度vで、すなわち、
に従って変化する速度vで、ウェハ14をマスク12に向かって移動させ、またはマスク12から離すように、制御システム20をプログラミングすることによって達成される。同式中、vは離隔距離の平均値における速度である。
上記において、本実施形態において1回の部分露光中に離隔距離を変化させる距離2|d−dmaxは、L/2、具体的には29ミクロンに選択され、ガウス分布のFWHM2wはL/4、具体的には14.5ミクロンに選択される。
時間の関数としてのアクチュエータの所要移動を表す数式は、数式(5)から直接導出される。vの値は、2回の部分露光でフォトレジスト15へ送られる総露光量が所望の微細構造を形成するために適したものとなるように、ビーム強度との組み合わせで選択される。数式(5)によって定義される露光中、フォトレジスト15に、マスク12によって透過された光場のみが照射されるようにするためには、制御システム20によってシャッタ3の開閉をアクチュエータの移動と同期させる。
第1の部分露光の終了時に、シャッタ3を閉じ、マスク12とウェハ14との間の離隔距離を初期値に正確に戻して、ウェハ位置決めステージ18のアクチュエータを用いてウェハをx方向にマスクグレーティング13の周期の半分の距離だけ、具体的には1.6μmだけ移動させる。
その後、第2の部分露光が第1の部分露光と同様に、ギャップによる露光量の変化の速度の同一の変化を生じさせるため、シャッタ3を開いて部分露光中に離隔距離を変化させることによって行われる。その後、ウェハ14を露光システムから取り外して現像し、検査する。その後、平均離隔距離における速度vの値またはビーム強度のいずれかを調整することによって次のウェハを露光することにより、露光量を最適化することができる。
両分布間にマスクグレーティングの周期の半分の横方向のオフセットを設けた2つの部分露光の時間積分された強度分布の総和によって、マスクグレーティングの周期の半分の周期、具体的には1.6μmである点を除いて、図2に示されたような実質的に同一の3角形の分布となる。しかし、各部分露光において切断ガウス分布で離隔距離の増分変化分あたりの露光量を変化させることにより、基板14の不正確な長手方向移動およびウェハ移動とマスク照射との不正確な同期に対する印刷パターンの影響の受けやすさが大幅に低減し、これにより、離隔距離による露光量の変化の速度を離隔距離の変化にわたって一定に維持して露光することにより達成できるものよりも、良好な画一性および再現性を実現することができる。
代替的に、離隔距離の増分変化分あたりの露光量がガウスプロファイルと同様に変化するように、たとえば、特に米国特許第8,525,973号明細書等の従来技術に記載されているように、切断正弦関数または切断三角関数プロファイルで変化するように、露光中にアクチュエータの移動速度を変更するように制御システム20をプログラミングすることによっても、印刷パターンの画一性および再現性の同様の改善を達成することができる。かかる代替的なプロファイルでは、各部分露光中に離隔距離を変化させる距離の上限および下限、離隔距離の増分変化分あたりの露光量の変化を表す曲線のFWHMの好適な相対値、および、離隔距離を変化させる好適な範囲は、上記にて切断ガウスプロファイルについて述べたものと同一である。
当該第2の実施形態の一変形態様では、ウェハ14とマスク12との間の離隔距離を一定の速度で変化させながら数式(4)に従って、代替的に、マスク12に照射されるビームの強度を変化させることによって、ガウスプロファイルに係る数式(4)によって記述される離隔距離の増分変化分あたりの露光量の変化を同様に得ることができる。また、離隔距離による露光量の変化の速度の変化を、切断正弦または切断三角関数プロファイルによって記述する場合も、同様に得ることができる。離隔距離の変化によるビーム強度の上述の変化は、図1の装置を使用して、制御システム20によって各部分露光中に透過率(またはリラクタンス)を連続的またはステップ方式、準ステップ方式で変化することができる構成要素、または構成要素の組み合わせを、ビーム光路に備えることによって、達成することができる。たとえば、円形の連続可変のニュートラルデンシティフィルタを電動回転ステージに取り付けたものを、ビーム光路上にシャッタ3の直後に備えることができ、このフィルタの向きは制御システム20によって露光中に、ウェハ‐マスク離隔距離による増分露光量の所望の変化が得られるように、連続的に調整される。しかし、第2の実施形態の本変形態様は、レーザの出力パワーを最大限に利用できず、それゆえ露光時間が長くなり得るという欠点を有する。
第3の実施形態では、ウェハ位置決めステージ18がx方向(またはy方向)にウェハを移動させるためのアクチュエータを備える必要がない点を除いて、図1の実質同一の装置を使用することができる。
最初は、マスク12とウェハ14との間の離隔距離を最大300μmに調整する。その後、2回の部分露光のうち第1の部分露光を第2の実施形態と実質同一の態様で、離隔距離の増分変化分あたりの露光エネルギー密度が切断ガウスプロファイルで変化するように、離隔距離を縮小する方向にL/2=29μmの距離にわたって速度を変化させながらマスク12とウェハ14との間の離隔距離を変化させて実施する。その後、シャッタ3を閉じ、ウェハ位置決めステージ18のアクチュエータを用いて、マスク12とウェハ14との間の離隔距離を初期値に正確に戻す。各部分露光間でウェハ14を移動させる代わりに、マスク12に照射されるビーム11の角度がxz平面内において
Δω≒Λ/2L rad ・・・数式(6)
だけ変化するように、傾斜ステージ10を用いてミラー9の角度を調整する。ここで、Λはマスクグレーティング13の周期であり、Lは各部分露光中の平均的なウェハ‐マスク離隔距離である。
よって、使用される値の場合(Λ=3.2μm、L=286μm)、Δω=5.6mRとなる。その後、第2の部分露光を第1の部分露光と同様に行う。
xz平面においてマスク照射角度をΔωだけ変化させると、マスク12から距離sの場所の瞬時強度分布が横方向に距離sΔωだけ移動する。よって、1回の部分露光中の離隔距離の変化が平均離隔距離より小さい場合(好適には、Δs/2L<10%である場合)、各部分露光間において照射角度を、数式(6)によって定義される角度だけ変化させると、感光層15に実質的に同一の時間積分された強度分布が生じるが、第1の部分露光で印刷される時間積分された強度分布から横方向に、グレーティング線に対して直交する方向にΛ/2オフセットしている。実際、第1の部分露光および第2の部分露光の照射ビーム11の入射角の2等分線がxz平面内のマスク12に対して垂直である場合、2回の部分露光で印刷される時間積分された強度分布は同一になる。よって、本実施形態において印刷されるパターンは、ウェハ14を移動させることによって2回の部分露光の時間積分された強度分布間にΛ/2の横方向オフセットを生じさせる第2の実施形態において印刷されるものと、実質同一となる。
マスクパターン13はx方向において周期的であるから、本実施形態ではより一般的に、2回の部分露光間に、xz平面において照射ビーム11の角度を(n+1/2)Λ/Lだけ変化させることによって、実質的に同一の印刷結果を得ることができる。ここで、nは整数である。しかし有利なのは、この角度移動をΛ/2L(または−Λ/2L)に最小限にすることである。というのも、これによってフォトレジストの2つの露光された領域の重なり合いが最大限になり、これによって、画一的に印刷されたパターンの領域が最大限になるからである。
本実施形態では代替的に、実質同一の印刷結果が得られるように、離隔距離の増分変化分あたりの露光量を各部分露光で、切断ガウスプロファイルに類するプロファイルで、たとえば切断正弦または切断三角関数プロファイルで変化させることもできることが明らかである。
図4の第4の実施形態では、を参照すると、ダイオードポンピング形式の固体レーザ30が、355nmの波長の3次高調波ビームを放出する。ビームは平面偏光であり、かつTEM00モードである。ビームはシャッタ31とビームエキスパンダ32と(フィールドマッピング型の)屈折型ビーム変換器33とを通過して、実質的に矩形の強度分布で最大6mmのビーム径のコリメートビームを生成する。これはミラー34によって反射されてビームスプリッタ35に当たり、ビームスプリッタ35はビームの一部を直交方向に反射し、ビームスプリッタ35によって透過された一部のビームは、ミラー36によって同一の直交方向に反射される。これら2つの反射されたビームは一対のフィルタ37,38を通過する。これらのフィルタ37,38の透過率は、2つの透過されるビームの強度を等化するように調整することができる。適したフィルタは、たとえばソーラボ社等の会社から市販されている連続可変のニュートラルデンシティフィルタである。ビームスプリッタからの一部反射されたビームと一部透過されたビームとが最大±2%の同一の強度を有する場合、かかるフィルタは露光システムにおいて不要である(また、かかるフィルタを1つ設けるだけで足り得る)。フィルタ37,38によって透過された2つのビームはその後、zにおいて横方向にオフセットした一対のレンズ39,40によって合焦され、各ビームの焦点の向こうの発散光はミラー41によってコリメートレンズ42に向かって反射される。レンズ42の前焦平面内にある2つの焦点がこのように横方向にオフセットしていることにより、レンズ42より後方において、xz平面内において角度オフセットした、コリメート光の2つの重なり合ったビームが生成される。オフセット距離を7.5mmにして配置し、かつ焦点距離が1.2mであるレンズ42を選定することにより、これによって生じる角度オフセットは6.25mRとなる。これら2つのコリメートビームは収束して、垂直入射近くでマスク44に照射される。好適にはミラー41の傾斜は、2つのビームの2等分線がマスク44に対して垂直になるように調整される。ビームスプリッタ35からマスク44までの2つのビームの光路長の差が光のコヒーレント長より長くなるように配置することによって、2つのビームが干渉し合って、マスク44において不所望のフリンジパターンを生じさせることがなくなる。
マスク44は、当該波長では最大πの位相深さの直線位相グレーティング45を有し、この直線位相グレーティング45の線とスペースとの比は最大1であり、周期は5μmである。この線の方向は、図平面に対して直交している。照射された直線グレーティング45は、0次および1次の回折次数だけでなく最大14次の回折次数も生成し、これらはマスク44の後で干渉してタルボ像および部分像のシーケンスを生成する。その干渉パターンのタルボ距離は、数式(1)を使用して計算すると141ミクロンになる。
マスク44の下方に、フォトレジストの層47が被膜されたウェハ46がある。ウェハ46は真空チャック48に取り付けられており、この真空チャック48は、閉ループ制御下で露光中にウェハを長手方向に移動させるための精密位置決めアクチュエータを含む位置決めシステム49に取り付けられている。適したアクチュエータは、圧電トランスデューサである。位置決めシステム49およびシャッタ31は、制御システム50に接続されている。位置決めシステム49はさらに、露光前にマスク44とウェハ46との平行性および離隔距離を調整するのを容易にするための粗位置決め機構も備えている。
本実施形態では、コリメート光の2つの角度オフセットしたビームがマスク44の周期的パターンに同時に照射され、各ビームによってそれぞれ、ウェハに時間積分された強度分布が照射される。それゆえ、これら2つの各ビームによる露光は部分露光とみなすことができ、これら2つの部分露光は、先行の実施形態のように順次ではなく同時に行われる。しかし先行の実施形態と同様に、マスク露光中にウェハとマスクとの間の離隔距離を少なくともタルボ距離の1/4だけ、かつタルボ距離より小さい距離だけ変化させる。露光中のウェハの長手方向の不正確な移動に対する印刷パターンの影響の受けやすさを最小限にするためには、離隔距離の増分変化分あたりの露光量も同様に、当該離隔距離の変化中に切断ガウス分布で変化するように選択する。先行の実施形態で使用される切断ガウス分布の場合と同様、非常に良好な画一性を達成するように離隔距離を少なくともL/2かつ0.9L未満だけ変化させ、かつ切断ガウス分布のFWHMが離隔距離の1回の全変化分の半分であるのが好適である。よって本実施形態では、離隔距離の所望の変化分はL/2すなわち70μmであり、切断ガウス分布の所望のFWHMはL/4すなわち35μmである。
2つの照射ビームによって生成される時間積分された強度分布がフォトレジスト層47において互いにマスクグレーティング45の周期の半分だけ、すなわち2.5μmオフセットするためには、数式(6)を使用して、露光中のウェハ46とマスク44との平均離隔距離が400μmとなる必要がある。露光中の離隔距離の変化分の所望の値(および、離隔距離を増加させる方向において当該離隔距離を変化させる意図)に関しては、初期では、ウェハ位置決めシステムを使用して離隔距離を最大400−L/4すなわち最大365μmに設定する。露光は、シャッタ31を開いて、上記のパラメータ値を用いて、露光中にフォトレジスト47へ送られる時間積分された露光量が所望の微細構造を形成するために適したものとなるようにvを選択して、数式(5)に従って離隔距離の増分速度を変化させることによって行われる。露光の終了時には、シャッタ31を閉じ、ウェハ46を現像のためにチャック48から取り出す。
マスクパターン45はx方向において周期的であるから、本実施形態ではより一般的に、マスク44に照射されるコリメート光の2つの重なり合ったビーム間の角度オフセットが(n+1/2)Λ/Lによって定まるように配置することにより、実質的に同一の印刷結果を得ることができる。ここで、nは整数である。よって、かかる角度オフセットと、これによって生じる、第1の部分露光を基準とした第2の部分露光の時間積分された強度分布の横方向の相対的なオフセットとは、等価である。しかし有利なのは、この角度オフセットをΛ/2Lに最小限にすることである。というのも、これによってフォトレジスト47の2つの露光された領域の重なり合いの程度が最大限になり、これによって、画一的に印刷されたパターンの領域が最大限になるからである。
単一露光の本実施形態の一変形態様では、代替的にウェハ46とマスク44との間の離隔距離を第1の実施形態と同様に、L/4の距離にわたって一定の速度で変化させる。本実施形態の一変形態様では、レーザ光源からの光を、古典的なビームスプリッタとは異なる手段で2つのビームに分割することができ、たとえば、偏光ビームスプリッタまたは回折素子によって分割することができる。代替的に、2つのビームを(同一波長の)それぞれ別個のレーザ光源から導出することも可能である。
図4に示されているレンズは、装置の他の構成と同様、概略的にのみ示されており、各レンズは、実際にはたとえば、両凸レンズまたは複数のレンズ素子とすることができ、これらのレンズ素子は必ずしも近接することを要せず、この具体的なレンズは、露光システムの他の光学素子との組み合わせで、用途の具体的な要求に応じて、当業者によって光学設計の標準的な原理を用いて容易に実施できる態様で、マスクに照射されるビームの画一性およびコリメートを最適化するように設計されると解すべきである。
第5の実施形態では、ビーム光路上に1/4波長板がシャッタ3の直後に配置されている点、および、マスク12が代替的に、溶融シリカ基板上のクロム層に形成された2μmの径の孔の6角形アレイから構成されており、孔の最近傍距離は4μmである点を除いて、第1の実施形態に係る図1に示されているものと実質同一の装置を使用する。図5には、孔の当該パターンの単位セルが示されている。ここで留意すべき点は、6角形アレイの幾何要素は、x軸と、当該x軸に対して±60°の軸との3軸に対して平行な向きの列に配置されていることである。露光システムにおけるマスクパターンの向きは、図5にて示されているx軸が図1に示されているx軸の方向になるようにされている。このアレイに当該波長を照射すると、0次および1次の回折次数だけでなく、最大9次の回折次数も生成される(注:6角形アレイの場合、最近傍距離が当該波長の2倍より大きいと、0次および1次の他にさらに、少なくとも2重回折の次数セットも伝播する)。これらの回折次数はマスクの後で干渉し合って、マスクから周期的な距離にマスクパターンのタルボ像を生成する。1/4波長板がこの直線偏光した入射ビームを円形偏光ビームに変換し、これによって、マスクにより回折された次数の強度分布は3回対称性を有することとなり、これによって、フォトレジストに照射される時間積分された強度ピークも対称的になり、このことは一般的に望ましいものである。しかし、かかる対称的な強度ピークが重要でない用途もあり、かかる場合には、1/4波長板(またはこれと同等の要素)を露光システムから除くことができる。
6角形アレイの場合、タルボ距離Lは、k=1.5として、数式(1)によって計算することができる。その際にはΛは、アレイ幾何要素の最近傍距離を指す。λ=364nmかつΛ=4μmとして計算すると、L=66μmとなる。
6角形アレイの場合、露光シーケンスは等しい露光量の3回の部分露光を含む。第1の実施形態と同様、まず、マスク12に対して平行に、かつ最大200μmの離隔距離で、ウェハ14を位置決めする。第1の実施形態と同様、離隔距離を各露光中に一定の速度で変化させるが、マスクパターン13は6角形アレイであるから、離隔距離をL/3の距離だけ、具体的には22μm変化させる。この移動の速度は、3回の部分露光によって送られる総露光量が、使用される特定のフォトレジストの層15に所望の微細構造を形成するために適したものとなるように、マスク12に照射されるビームの強度との関係において選択される。第1の部分露光の後、ウェハ14をx方向にΛ/2の距離、具体的には2μm移動させ、かつy方向にΛ/(2√3)の距離、具体的には1.15μm移動させて、ウェハ14とマスク12との間の離隔距離を初期値に戻し、第2の部分露光の後、ウェハ14が第1の部分露光の当該ウェハ14の位置を基準として、x方向にΛ/2、具体的には2μmオフセットし、かつy方向に−Λ/(2√3)、具体的には−1.15μmシフトするように、ウェハ14を移動させて、離隔距離を再び初期値に戻す。これらの横方向オフセット距離を用いた3つの時間積分された強度分布の総和は、当業者に知られている標準的な手法を用いてコンピュータシミュレーションによって求めることができる。たとえば、マスク12の6角形アレイによる複数の異なる回折次数の振幅および位相を求め(これは、スカラー理論に基づいて、またはたとえばFDTD解析等に基づく市販のソフトウェアを用いて、解析により行うことができる)、各部分露光中に離隔距離を変化させる範囲に相当するマスク12からの複数の異なる距離において上述の複数の回折次数の干渉により生成される強度分布と当該分布の平均とを計算し、最後に、上述の定義の横方向オフセットでの3つの当該平均分布の総和を求めることにより、行われる。露光中の平均離隔距離の3つの値である175μm、195μmおよび215μmについて計算された、マスクのパターンの単位セルに係る結果を、図6に示している。同図から分かるように、3つの分布の総和は、良好なコントラスト(最大75%)と、マスク12における最近傍距離の1/√3である最近傍距離とを有する、強度ピークの6角形アレイとなる。最も重要な点として、強度分布は、タルボ距離の半分より大きい、シミュレートされた数値範囲における平均離隔距離すなわち40μmに、依存しないことが分かる。かかる分布によって、孔の6角形アレイをポジ型フォトレジストに形成することができ、または代替的に、柱体の6角形アレイをネガ型フォトレジストに形成することができる。しかし第1の実施形態に関しては、一定の速度で離隔距離を変化させるためには、離隔距離を各部分露光中に正確に所望の距離だけ変化させることが要求される。そうしないと、何らかの非画一性が生じる結果になる。本実施形態の変形態様では、当該用途の具体的な要求に応じて、3つの時間積分された強度分布の総和における強度ピークのプロファイルを修正および最適化するため、マスクの孔の径と最近傍距離との比は1:2とは異なる。たとえば、強度ピークの丸みを図6に示されたものより改善するため、当該比は1:2より大きい。
本実施形態の他の一変形態様では代替的に、離隔距離がタルボ距離の1/3の整数倍だけ、かつタルボ距離1つより小さい距離だけ変化するように、具体的には、特定のマスクパターンかつ当該照射波長の場合には44μmとなるタルボ距離の2/3だけ変化するように、各部分露光中に離隔距離を一定の速度で変化させることによっても、実質的に同一の結果を得ることができる。ここで、整数は1より大きい。
マスクパターン13の周期性の性質に関しては、第1の部分露光と第2の部分露光との間、および第2の部分露光と第3の部分露光との間において、ウェハをさらに、マスクパターンの3軸のうちいずれか1軸(たとえばx軸)の方向にマスクパターンの最近傍距離の整数の数だけ、かつ他の軸のうちいずれか1軸の方向(たとえば、x軸に対して60°)に最近傍距離の整数の数だけ移動させると、(印刷パターンのエッジを無視して)同一の印刷結果を得ることができる。よって、これにより生じる、第1の部分露光を基準とした第2および第3の部分露光の時間積分された強度分布の横方向のオフセットは全体として、本実施形態において使用されるものと同等とみなすことができる。したがって、第2および第3の部分露光に必要な横方向のオフセットをより一般化して、x方向ではそれぞれ(2m+n+1)Λ/2および(2p+q+1)Λ/2として、y方向ではそれぞれ(n+1/3)√3Λ/2および(q−1/3)√3Λ/2として表すことができる。ここで、m,n,pおよびqは整数であり(これらのうちいずれかは同一の値をとることができる)、aはマスクパターンの最近傍距離である。しかし好適なのは、フォトレジストの3つの露光される領域の重なり合いを最大限にし、これによって、画一的に印刷されたパターンの領域を最大限にするように、m,n,pおよびqを最小限にすることである。
第6の実施形態では、先行の実施形態で使用されたものと同一の露光システムおよびマスクを使用する。露光シーケンスも同様に、等しい露光量の3回の部分露光を有し、各部分露光間においてウェハ14を同一の横方向オフセットだけ移動させる。第1の部分露光の前に、同様にマスク12に対して平行に、かつ最大200μmの距離に、ウェハ14を位置決めする。しかし部分露光中は、離隔距離の増分変化分あたりの露光量が当該離隔距離の変化中に切断ガウス分布で変化するように速度を変化させて、ウェハ14とマスク12との離隔距離を変化させる。分布のプロファイルは、マスクパターン12が6角形アレイであるため平均値dのいずれかの側における離隔距離の最大偏差が以下の制約
/6≦|d−dmax<L/2 ・・・数式(7)
を考慮する点を除いて、第2の実施形態において数式(4)によって記述されるものと同一である。
しかし好適には、1回の部分露光で離隔距離を変化させる距離2|d−dmaxは、非常に良好な画一性を達成するために少なくとも2L/3であり、かつタルボ距離より格段に小さくなるように0.9L未満である。2L/3からL/3へ離隔距離の変化が小さくなると、印刷パターンの画一性は次第に良好でなくなっていくが、それでも、要求が低い用途の場合には十分となり得る。有利には、ガウス分布の半値全幅FWHMは、{δE(d)}/(δd)を離隔距離の最大値および最小値におけるピーク値の最大6%に下降させるため、FWHM=2w≒|d−d|となるように選択される。よって、FWHMは有利にはL/6〜L/2の範囲であり、最も好適にはL/3〜0.45Lの範囲である。これに応じて、本実施形態において各部分露光中に離隔距離を変化させる距離は、2L/3、具体的には44μmに選択され、ガウス分布のFWHM2wはL/3、具体的には22μmに選択される。2|d−dmaxおよびwについて上記の値を用いて、3回の部分露光中にフォトレジスト15へ送られる総露光量が所望の微細構造を形成するために適したものとなるようにビーム強度との組み合わせでvを選択して、数式(5)に従って速度を変化させて離隔距離を変化させることによって、離隔距離の増分変化分あたりの露光量の所望の変化が達成される。横方向にオフセットした3回の部分露光によってフォトレジスト層15に生成される積分された強度分布も、同様にコンピュータシミュレーションによって求めることができる。各部分露光中の離隔距離の数値範囲における強度分布の重み付けされた平均を計算する点を除いて、先行の実施形態にて概説した同様の数学的手順に従うこともできる。ここで、その重み付けは切断ガウス分布に相当する。その計算結果から、強度分布は、図6に示された第5の実施形態の強度分布と実質同一になることが分かる。第2の実施形態と同様、先行の実施形態より優れた本実施形態の利点は、離隔距離の変化中に離隔距離の増分変化分あたりの露光量が切断ガウス状に変化することにより、露光中の基板の不正確な長手方向移動およびウェハ移動とマスク照射との不正確な同期とに対する印刷パターンの影響の受けやすさが大幅に低減し、これによって、印刷パターンのより良好な画一性および再現性を実現できることである。また、第2の実施形態と同様に、本実施形態でも代替的に、離隔距離の同一範囲にわたって離隔距離の増分変化分あたりの露光量を切断正弦プロファイル、切断三角関数プロファイル、またはこれに類するプロファイルで変化させることによっても、画一性および再現性の同様の改善を達成することができる。
第7の実施形態では、マスク12が代替的に、溶融シリカ基板上のクロム層に形成された1.8μmの径かつ3μmの周期の孔の正方形アレイから構成されている点を除いて、図5に示されているものと実質同一の装置を使用する。図7には、孔の当該パターンの単位セルが示されている。このアレイに当該波長を照射すると、0次および1次の回折次数だけでなく、最大8次の回折次数も生成される(注:正方形アレイの場合、周期が当該波長の√2倍より大きいと、0次および1次の他にさらに、少なくとも2重回折の次数セットも伝播する)。これらの回折次数はマスクの後で干渉し合って、マスクから規則的な間隔でマスクパターンのタルボ像を生成する。正方形アレイの場合のタルボ距離Lは、k=2として数式(1)から計算することができる。λ=364nmかつΛ=3μmとして計算すると、L=49.5μmとなる。
正方形アレイの場合、露光シーケンスは等しい露光量の2回の部分露光から構成される。第1の実施形態と同様、まず、マスク12に対して平行に、かつ最大200μmの距離に、ウェハ14を位置決めする。第1の実施形態と同様、マスク12とウェハ14との間の離隔距離を各露光中に一定の速度で変化させるが、マスクパターン12は正方形アレイであるから、離隔距離をL/2の距離だけ、すなわち25μm変化させる。この移動の速度は、2回の部分露光によって送られる総露光量が、使用されるフォトレジストの特定の層15に所望の微細構造を形成するために適したものとなるように、マスクに照射されるビームの強度との関係において選択される。この2回の部分露光間にウェハ14を、x方向およびy方向の双方においてΛ/2の距離だけ、すなわち1.5μm移動させ、ウェハ14とマスク12との間の離隔距離を初期値に戻す。かかる横方向オフセットでの2つの時間積分された強度分布の総和は、先行の実施形態と同一の態様でコンピュータシミュレーションによって求めることができる。各露光中の平均離隔距離の3つの値である175μm、195μmおよび215μmについて計算された、マスクパターン13の単位セルに係る結果を、図8に示している。これら3つの各グラフの強度分布は正規化されており(すなわち、最大値は1であり)、強度スケールは各グラフの右側に示されている。同図から分かるように、2つの分布の総和は、良好なコントラスト(最大80%)を有する強度ピークと、マスクパターン13の周期の1/√2の周期とを有する正方形アレイとなり、当該正方形アレイの軸は、マスクパターン13の正方形アレイの軸に対して45°回転している。最も重要な点として、強度分布は、マスクにより透過された光場のタルボ距離よりちょうど小さい、シミュレートされた数値範囲における露光中の平均離隔距離すなわち40μmに、依存しないことが分かる。したがって、かかる露光方式により、孔の正方形アレイをポジ型フォトレジストの層に画一的かつ再現可能に形成することができ、または代替的に、柱体の正方形アレイをネガ型フォトレジストの層に同様に形成することができる。しかし第1の実施形態に関しては、離隔距離を露光中に正確に所望の距離だけ変化させることが要求される。そうしないと、何らかの非画一性が生じる結果になる。
マスクパターンの周期的な性質の観点から、本実施形態ではより一般的に、各部分露光間に、x方向において距離(m+1/2)Λだけ、かつy方向において(n+1/2)Λだけウェハ14を移動させることによって、(印刷パターンのエッジを無視して)同一の印刷結果を得ることができる。ここで、mおよびnは整数である(これらは同一の値をとり得る)。よって、これらの移動と、これによって生じる、第2の部分露光の時間積分された強度分布の横方向オフセットは、同等になる。しかし好適なのは、フォトレジストの2つの露光された領域の重なり合いを最大限にし、これによって、画一的に印刷されたパターンの領域を最大限にするために、mおよびnを最小限にすることである。
本実施形態の変形態様では、当該用途の具体的な要求に応じて、2つの時間積分された強度分布の総和における強度ピークのプロファイルを修正および最適化するため、マスクの孔の径と周期との比は0.6:1とは異なる。
第8の実施形態では、先行の実施形態と同一の露光システムおよびマスクを使用する。露光シーケンスも同様に、等しい露光量の2回の部分露光を有し、各部分露光間においてウェハ14を同一の横方向オフセットだけ移動させる。第1の部分露光の前に、同様にマスク12に対して平行に、かつ最大200μmの距離に、ウェハ14を位置決めする。しかし部分露光中は、離隔距離の増分変化分あたりの露光量が切断ガウス分布で変化するように速度を変化させて、ウェハ14とマスク12との離隔距離を変化させる。かかる変化のプロファイルは、マスクパターンが正方形アレイであるため平均値dのいずれかの側における離隔距離の最大偏差が以下の制約
/4≦|d−dmax<L/2 ・・・数式(8)
を考慮する点を除いて、数式(4)によって記述されるものと同一である。
しかし好適には、1回の部分露光で離隔距離を変化させる距離2|d−dmaxは、良好な画一性を達成するために少なくとも3L/4であり、かつタルボ距離より格段に小さくなるように0.9L未満である。3L/4からL/2へ離隔距離の変化が小さくなると、印刷パターンの画一性は次第に良好でなくなっていくが、それでも、要求が低い用途の場合には十分となり得る。好適には、ガウス分布の半値全幅FWHMは、{δE(d)}/(δd)を離隔距離の最大値および最小値におけるピーク値の最大6%に下降させるため、FWHM=2w≒|d−d|となるように選択される。よって、FWHMは好適にはL/4〜L/2の範囲であり、最も好適には3L/8〜0.45Lの範囲である。これに応じて、本実施形態において各部分露光中に離隔距離を変化させる距離は、0.8L、具体的には41μmに選択され、ガウス分布のFWHM2wは0.4L、具体的には20μmに選択される。2|d−dmaxおよびwについて上記の値を用いて、2回の露光中にフォトレジスト15へ送られる総露光量が所望の微細構造を形成するために適したものとなるようにビーム強度との組み合わせでvを選択して、数式(5)に従って速度を変化させて離隔距離を変化させることによって、離隔距離の増分変化分あたりの露光量の所望の変化が達成される。横方向にオフセットした2回の部分露光によってフォトレジスト層に生成される時間積分された総強度分布は、コンピュータシミュレーションによると、第7の実施形態に係る図8に示されたものと実質同一になるという計算になる。第2の実施形態と同様、本実施形態の利点は、離隔距離の増分変化分あたりの露光量が切断ガウス状に変化することにより、露光中の基板14の不正確な長手方向移動およびウェハ移動とマスク照射との不正確な同期とに対する印刷パターンの影響の受けやすさが大幅に低減し、これによって、印刷パターンのより良好な画一性および再現性を実現できることである。
幾何要素の2次元の周期的パターンへの本発明の適用を説明する上述の第5から第8までの実施形態では、複数の各部分露光の、フォトレジストにおける時間積分された強度分布の横方向オフセットは、各部分露光間でウェハ14を移動させることによって得られる。先行の実施形態において使用される1次元のグレーティングパターンと同様、他の実施形態でも代替的に、1回の部分露光ごとにマスクに照射されるビーム11の角度を変えることによって、または1回の露光で複数のコリメートビームをそれぞれ異なる入射角でマスクに同時に照射することによって、同一のオフセットを実質的に同等に達成できることが明らかである(またはこれらの同等の技術を混合したものを使用することができ、たとえば、各部分露光間でxにおいて横方向オフセットが得られるようにウェハを移動させ、かつ各部分露光間でyにおいて横方向オフセットが得られるように照射ビームの角度を変化させることができる)。前者に関しては、ミラー41に対する傾斜ステージ10によって、マスク44に照射されるビーム33の入射角をxz平面とyz平面との双方において最大0.1Rmの角度分解能で調整できるようにすべきである点を除いて、第3の実施形態に係る図1に示されているものと実質的に同一の上述のマスク照射システムを使用することができる。その際には、各部分露光間で、フォトレジスト15において複数回の部分露光の時間積分された強度分布のx方向およびy方向の双方における所望の横方向オフセットを達成するようにミラー41の角度を調整する、第3の実施形態の露光手順に類する露光手順を使用する。複数の異なる角度でのマスクへの同時照射に関しては、xz平面およびyz平面の双方において角度オフセットした、コリメート光のそれぞれ3つまたは2つのビームが、マスク44に同時に照射されるようにすべく、6角形アレイの場合には光の3つのビームが、正方形アレイの場合には2つのビームが形成されて、コリメートレンズ42の前焦平面内のx方向およびy方向の双方においてオフセットした点に合焦するように、ミラー34と大型ミラー41との間の光学的配置を変更すべき点を除いて、第4の実施形態に係る図4に示されたものと実質同一のマスク照射システムを使用することができる。6角形アレイの場合、かかる変更は、他のビームスプリッタ、他のミラー、他の連続可変フィルタおよび他の合焦レンズを追加することと、レンズ42の前焦平面内の二等辺三角形の各頂角の3点に光の3つのビームが合焦するように、当業者が容易に特定できる態様で上述の他のビームスプリッタ、他のミラー、他の連続可変フィルタおよび他の合焦レンズを配置することと、を含むことができる。上述の二等辺三角形のサイズおよび向きは、フォトレジスト47における時間積分された強度分布の所望の横方向オフセットを達成するために必要な、xz平面およびyz平面における角度オフセットで、レンズ42より後に得られるコリメート光の3つのビームをマスクパターン45に照射するようなサイズおよび向きになっている。正方形アレイの場合、レンズ39,40が2つのビームを、x方向およびy方向の双方において同一の距離だけオフセットした点に合焦するように、図4に示された同一の光学部品を配置変更することで足り得る。その距離は、フォトレジスト47における時間積分された強度分布の所望の横方向オフセットを達成するために必要な、xz平面およびyz平面における角度オフセットで、レンズ42より後に得られるコリメート光の2つのビームをマスクパターン45に照射するような距離になっている。6角形アレイおよび正方形アレイのいずれについても、第4の実施形態にて説明したものと同一の露光手順を使用することができる。
上述のどの実施形態の変形態様でも、代替的かつ同等に、ウェハではなくマスクを長手方向に移動させることによっても露光中の離隔距離の変化を達成できることが明らかである。このことは、たとえば、同一または類似の精密位置決めアクチュエータを備えた位置決めシステムであって、当該アクチュエータが制御システムに接続された位置決めシステムに取り付けられた真空チャックによって、マスクを保持するように、当該実施形態の装置を改良することによって達成することができる。
上述のいずれかの実施形態の他の変形態様では、1つの部分露光中に一定の速度または変化する速度で離隔距離を変化させることは、当該部分露光につき1回または複数回、有利には部分露光の合間にマスクとウェハとの間の離隔距離を初期値に戻して、または代替的に、部分露光ごとに離隔距離を変化させる方向を反転させて、繰り返すことができる。かかる変形態様では、全露光によって生成される時間積分された強度分布がフォトレジストに所望の微細構造を形成するために適したものとなるように、マスクに照射されるビームの強度を繰り返し回数に対して反比例に減少させる必要がある。
さらに、第1,第2,第5,第6,第7および第8の実施形態の変形態様では、各部分露光間にマスクに対してウェハを横方向に移動させることは、代替的にマスクを横方向に移動させることによっても同等に達成できることも明らかである。このことは、たとえば、かかる横方向移動のための同一または類似の精密位置決めアクチュエータを備えた位置決めシステムに取り付けられた真空チャックによって、マスクを保持するように、当該実施形態の装置を改良することによって達成することができる。
上記実施形態では2種類のレーザしか使用されておらず、両種類とも近紫外波長を放出するものであるが、本発明の他の実施形態では代替的に、同一のまたは異なるスペクトル領域内の他の波長を放出する他のレーザ光源を、適した光学系、マスクおよびフォトレジストとともに用いることも可能である。また代替的に、実質的に単色光の他の光源を、たとえばEUV光源等を用いることも可能であり、または放電ランプ(たとえば水銀/キセノン)の出力をスペクトルフィルタリングして1つの狭いスペクトル線を生成することも可能である。
第9の実施形態では、レーザ光源1が、波長可変チタン‐サファイアレーザ発振器(たとえば、Newport/Spectra-Physicsによって製造されているMai Taiシステム。これは、当該発振器のポンピングのためにMillenniaシリーズのダイオードポンピング型固体レーザを備えている)と、第2高調波発生(SHG)によってビームの波長を半分にする2次高調波発生モジュール(たとえば、同様にNewport/Spectra-Physicsによって製造されているInspire Blueモジュール等)である点を除いて、第1の実施形態に係る図1に示されたものと実質的に同一の装置を用いることができる。レーザ発振器からのビームは、最大1mmのビーム径とガウス強度プロファイルとを有するほぼ円形の断面を有し、その光は80MHzの周波数のパルスで送光される。このレーザの特殊な特徴は、波長を690〜1040nmの範囲にわたって調整できることであり、よって、2次高調波発生モジュールの後は345〜520nmの範囲にわたって調整することができる。レーザ発振器および2次高調波発生モジュールは制御システム5に接続されており、これらによって、上記範囲の一部または全部にわたってビームの波長を自動的に掃引またはステップ調整することができる。レーザ光源1からの最大400nmの波長の2次高調波発生ビームは、図1に示されているものと実質同一の光学システムを通過するので、実質的に一様な強度を有する拡張されたビームがマスク12に垂直入射で照射される。第1の実施形態と同様、マスクは下面に4μmの周期の位相グレーティングを有し、マスクの下方では、フォトレジスト被膜されたウェハが、位置決めシステムに取り付けられている真空チャックに設けられており、この位置決めシステムは、ウェハをx方向に正確に移動させることができる精密位置決めアクチュエータを備えている。
最初に、ウェハをマスクに対して平行に、かつマスクから最大400μmの離隔距離に配置する。その後、第1の実施形態と同様に、2回の部分露光間にウェハを横方向にグレーティング線に対して直交方向に、マスクグレーティングの周期の半分だけ、具体的には2μm移動させることにより、2回の部分露光を行う。しかし、各部分露光中にはマスク‐ウェハ離隔距離を変化させずに、発振器1のレーザ波長を特定の範囲にわたって一定の速度で掃引する。マスク照射の波長を変化させることにより、周期的なマスクパターンによる回折次数の角度が変化し、これによって、マスクより後の光場における自己像平面間のタルボ距離(数式(1)によって表されるもの)が変化する。換言すると、これによって、光場における横方向強度分布がマスクに対して長手方向に移動する。よってウェハ側から見ると、波長の変化とマスク‐ウェハ離隔距離の変化とは等価である。マスク‐ウェハ離隔距離をタルボ距離のN倍だけ変化させることにより生成されるものと同一の、強度分布の変化を、ウェハにおいて達成するために必要とされる波長の変化Δλは、
Δλ=(2NΛ)/d ・・・数式(9)
によって与えられる。
よって、グレーティング周期Λ=4μmであり、かつウェハ‐マスク離隔距離d=400μmである場合、各部分露光中に離隔距離をN=1/4だけ変化させる第1の実施形態で得られるものと同一の印刷結果を達成するために必要な波長の変化は、数式(9)を用いて計算すると20nmとなる(ここで留意すべき点は、これは数式2によって求められるように、従来技術のATLに必要な帯域幅の1/4のみであるから、より容易に達成できることである)。これに応じて、各部分露光中にレーザ1の出力波長を一定の速度で390nmから410nmまで掃引する。この速度は、時間積分された露光量が、現像後のフォトレジストにおいて所要の周期的な微細構造を形成するために適したものとなるように選択される。
本実施形態の一変形態様では代替的に、部分露光前のマスク‐ウェハ離隔距離の不正確な調整または波長掃引の不正確な掃引に対する印刷パターンの影響の受けやすさを本変形態様でも低減すべく、波長の増分変化分あたりの露光量が、第2の実施形態にて記載されたプロファイルと同等のガウスプロファイルまたはこれに類するプロファイルで変化するように、かつ数式(2)によって求められるものより大きくかつより小さい範囲(有利には、数式(2)によって求められる範囲の0.9倍より小さい範囲)にわたって速度を変化させて、波長を掃引することもできる。波長の増分変化分あたりの露光量の所要の変化は、数式(4)および(5)と、数式(9)で定義されている等価の関係式とから、直接導出することができる。
本実施形態の他の変形態様では代替的に、波長を同様に特定の範囲にわたって掃引できる他の種類のレーザ光源を使用することもでき、たとえば、レーザダイオードの駆動電流または温度を調整することによって放出波長をある程度まで変化できるレーザダイオードを使用することもできる。
図9を参照すると、関連する第10の実施形態では、照射源51が4つのダイオードレーザのアレイを備えており、各ダイオードレーザは各自の駆動回路(図示されていない)を備えている。これらのレーザは、楕円形の断面を有するビームを放出し、各ビームは1nmのスペクトル幅を有し、各ビームの中心波長はそれぞれ403nm、404nm、405nm、406nmである。各レーザ52からのビームはレンズ53によって光ファイバ55に入力される。この光ファイバ55のコア径は50μmであり、NAは0.2である(レンズは同図中概略的にのみ示されており、光はたとえば、複レンズ、アナモフィックレンズまたはGRINレンズ等を用いて入力することができる)。ファイバ54の出力端は束を成し、4つのファイバ54から放出される組み合わされた光は、より大きな400μmのコア径と0.2のNAとを有する単一のファイバ55に入力される。4つのレーザ52の出力パワーは当該レーザ52の駆動回路によって、ファイバ55から出力される全部の光のパワーのスペクトル分布が実質的に平坦となり、4nmのFWHMを有するように、個別に調整される。ファイバ55は、出力ビームの角度分布が軸対称的になり、近似的にガウス状の強度プロファイルと最大10°のFWHMとを有するように巻かれている。この発散したビームは、散乱角が最大1°と小さい拡散体56を通過する。この拡散体56は、その垂線まわりに当該拡散体を露光中に回転させるためのモータ(図示されていない)に取り付けられている。拡散体によって透過された光はレンズ57によってコリメートされ、その後、屈折型ビーム変換器59に入射し、屈折型ビーム変換器59は、実質的に一様な強度分布を有するコリメートされた出力ビームを生成する。その後、これはビームエキスパンダ60によって拡大され、ミラー61によって反射されて、垂直入射でマスク64に照射される。ビームエキスパンダ60の拡大は、マスクの各点に照射される光線の角度の範囲のFWHMが0.35mR未満になるように選択される。各レーザ52によって放出される光のコヒーレント性質により、ファイバ55の出力端におけるビームの強度分布とマスクに照射されるビームの瞬時強度分布とが、細かいスペックルパターンによって変調される。このような回転する拡散体56をビーム光路に含めることにより、露光中のスペックルパターンが平均化され、マスク64に照射される時間積分された強度分布がスペックルフリーとなる。マスクの下面には、1.6μmの周期の直線位相グレーティングが設けられており、マスクの下方では、フォトレジスト被膜されたウェハが、位置決めシステムに取り付けられている真空チャックに設けられており、この位置決めシステムは、ウェハをx方向に移動させるための精密位置決めアクチュエータを備えている。
上記実施形態と同様に、2回の部分露光間にウェハを横方向にグレーティング線に対して直交方向に、マスクグレーティングの周期の半分だけ、具体的には0.8μm移動させることにより、2回の部分露光を行い、各部分露光中はマスクとウェハとの間の離隔距離を一定に維持する。しかし、先行の実施形態において各部分露光中に照射ビームの波長を掃引することによって得られるウェハにおける時間積分された強度分布は、本実施形態ではマスクに照射される光のスペクトル幅により、瞬時に生成することができる。よって、Δλが照射ビームのスペクトル幅を表す点を除いて、数式(9)を適用することもできる。ビームのスペクトル幅が4nmであり、かつグレーティングの周期が1.6μmであること(かつ先行の実施形態のようにN=0.25であること)に鑑みると、ウェハに照射される強度分布が、事前調整された値からの離隔距離の偏差に対する影響の所望の受けにくさを有するためには、ウェハとマスクとの間の離隔距離を2回の部分露光について最大320μmに事前調整しておく。ここで留意すべき点は、この距離は、数式2によって求められるように、ATLに必要な距離の1/4しかないので、マスク照射の不完全なコリメートに起因する印刷パターンのボケが格段に低減し、これによって、印刷された幾何要素の解像度も高くなることである。
本実施形態の一変形態様では、ウェハ‐マスク離隔距離の不正確な調整とスペクトルパワーの所望の分布の不正確な生成とに対する、ウェハに照射される強度分布の影響の受けにくさを向上させるべく、総出力パワーのスペクトル分布が(数式9の等価的な関係式を使用して)第2の実施形態で使用されるものと同等の、適切な幅のガウスプロファイルまたはこれに類するプロファイルを有するように、光源のダイオードレーザの数、中心波長、スペクトル幅および相対的出力パワーを選択する。
第9および第10の実施形態の変形態様では代替的に、感光層における2回の部分露光の時間積分された強度分布間の横方向の、グレーティング線に対して直交方向におけるオフセットを、(n+1/2)Λとすること(すなわち、第1の実施形態の変形態様と同様とすること)ができることが明らかである。ここで、nは整数である。
第9および第10の実施形態の思想は、2次元の周期的パターンにも適用できることが明らかである。幾何要素の6角形および正方形アレイの場合、第5および第7の実施形態と実質同一の印刷結果を得るための、数式(9)中のNの必要な対応する値は、それぞれ1/3、1/2である。
第9および第10の実施形態では、2回の各部分露光間にウェハをマスクに対して移動させることによりウェハにおける2回の部分露光の時間積分された強度分布間の横方向オフセットが達成されるが、他の実施形態では、この横方向オフセットは代替的に、第3の実施形態で使用されるものに類似する態様で各部分露光間に照射ビームの角度を変化させることによって、または代替的に、第4の実施形態で使用されるものに類似する態様で、コリメート光の2つのビームをそれぞれ異なる入射角でマスクに同時に入射させることによって達成することもできることが明らかである。
上記のいずれの実施形態でも、マスクに照射されるビームの強度を一様化するための手段は1つしか、すなわち屈折型ビーム変換器しか記載および図示していないが、他の実施形態では代替的に、マスクの実質的に一様な露光を達成するために他の標準的な一様化手段を使用することもできると解すべきである。たとえば、光パイプまたは走査システムを使用することができる。また、光源によって放出される強度分布が十分に一様である場合には、一様化手段は不要となり得る。
図1,4および5においてマスクの直前または最後のコリメートレンズの直前に示されているミラーは、本質的な構成ではないが、マスクに照射されるビームの角度を調整するため、特にこれを垂直入射で、または垂直入射付近で配置するため、および、各部分露光間にビームの角度を変化させるために便利な手段である。照射ビームの角度のかかる調整は、他の実施形態では代替的にかかるミラーを用いずに、たとえば、マスクとウェハとのサブシステムに対して照射サブシステム全体を傾斜させ、もしくはその逆を行うことによって、または最後のコリメートレンズを当該レンズの平面内において移動させることによっても、達成することができる。
上記のいずれの実施形態においても、各部分露光に同一の露光量が使用されているが、本発明の他の実施形態では、複数の各部分露光の相対的な照射量を若干微調整することによって、最適な印刷結果を達成することができる。たとえば、各部分露光によって生じる、感光層の光化学特性、吸収または感受性の僅かな変化を補償するため、1つの部分露光から次の部分露光へ露光量を僅かに増加させることができる。各部分露光間での露光量のかかる変化は、ビーム強度または離隔距離の平均変化速度のいずれかを調整することによって達成することができる。
上記実施形態において使用された全ての2次元アレイの幾何要素は円形の孔であるが、他の実施形態では、この孔は他の形状、たとえば正方形とすることができる。さらに、周期的なアレイの各要素は、必ずしも1つの幾何要素にのみ限定されるものではなく、アレイ全体において共に周期で繰り返される幾何要素の組み合わせとすることができる。さらに、振幅マスクの場合には、周期的な幾何要素は必ずしもクロム層の孔に限られず、逆の極性を有すること、すなわち、クロムを透明基材に設けられたものの幾何要素とすることもできる。さらに、複数の実施形態においてマスクの周期的パターンの周期と最近傍距離とについて特定の値を記載しているが、これらは単なる例であり、代替的に、マスクによる回折次数が0次および1次のみにならないように照射波長との関係において選択されるという条件を満たせば、他の値を用いることも可能である。さらに、複数の実施形態において、2次元パターンの最近傍距離または周期との関係において、グレーティングの線とスペースとの比および孔のサイズについて特定の値を記載しているが、これらは単なる推奨値であり、代替的に他の値を使用することも可能である。

Claims (13)

  1. 所望の1次元の周期的パターンを感光層に印刷する方法であって、前記方法は、
    a)周期が前記所望の1次元の周期的パターンの周期の2倍である、直線の幾何要素の周期的なマスクパターンを有するマスクを調達するステップと、
    b)前記感光層を支持する基板を調達するステップと、
    c)前記基板を前記マスクに対して平行に、かつ前記マスクの近傍に配置するステップと、
    d)タルボ距離によって表される透過された光場を生成するため、前記マスクパターンに照射するためのコリメートされた単色光の少なくとも1つのビームを生成するステップと、
    e)前記感光層に第1の部分露光の時間積分された強度分布と第2の部分露光の時間積分された強度分布とを照射するステップであって、前記両時間積分された強度分布は、実質的に同一であり、前記基板と前記マスクとの間の離隔距離を前記タルボ距離の少なくとも1/4かつ前記タルボ距離未満の距離だけ変化させながら、前記少なくとも1つのビームを前記マスクパターンに照射することによって前記両時間積分された強度分布を形成するステップと、
    f)前記感光層への前記第1の部分露光の時間積分された強度分布の照射と前記第2の部分露光の時間積分された強度分布の照射とが横方向に、前記直線の幾何要素に対して直交する方向に前記マスクパターンの周期の半分の距離または同等の距離だけ互いにオフセットするように、前記第1および第2の部分露光のために前記少なくとも1つのビームを、または前記マスクに対する前記基板の相対的な横方向位置を調整するステップと、
    を有し、
    前記マスクパターンの周期は、前記照射ビームの波長の2倍より大きい、
    方法。
  2. 幾何要素の6角形アレイの所望の2次元の周期的パターンを感光層に印刷する方法であって、前記方法は、
    a)最近傍距離が前記所望の2次元パターンの最近傍距離の√3倍である、幾何要素の6角形アレイの周期的なマスクパターンを有するマスクを調達するステップと、
    b)前記感光層を支持する基板を調達するステップと、
    c)前記基板を前記マスクに対して平行に、かつ前記マスクの近傍に配置するステップと、
    d)タルボ距離によって表される透過された光場を生成するため、前記マスクパターンに照射するためのコリメートされた単色光の少なくとも1つのビームを生成するステップと、
    e)前記感光層に第1の部分露光の時間積分された強度分布と第2の部分露光の時間積分された強度分布と第3の部分露光の時間積分された強度分布とを照射するステップであって、前記時間積分された強度分布は、実質的に同一であり、前記基板と前記マスクとの間の離隔距離を前記タルボ距離の少なくとも1/3かつ前記タルボ距離未満の距離だけ変化させながら、前記少なくとも1つのビームを前記マスクパターンに照射することによって前記各時間積分された強度分布を形成するステップと、
    f)前記感光層への前記第2の部分露光の時間積分された強度分布の照射および前記第3の部分露光の時間積分された強度分布の照射の双方が横方向に、前記感光層への前記第1の部分露光の時間積分された強度分布の照射から、前記マスクパターンの幾何要素の列に対して平行な方向に前記マスクパターンの最近傍距離の半分だけ、または同等の距離だけオフセットするように、かつマスク幾何要素の前記列に対して直交する方向に、前記マスクパターンの最近傍距離のそれぞれ1/(2√3)倍および−1(2√3)倍だけ、または同等の距離だけ横方向にオフセットするように、前記第1、第2および第3の部分露光のために前記少なくとも1つのビームを、または前記マスクに対する前記基板の相対的な横方向位置を調整するステップと、
    を有し、
    前記マスクパターンの最近傍距離は、前記照射ビームの波長の2倍より大きい、
    方法。
  3. 幾何要素の正方形アレイの所望の2次元の周期的パターンを感光層に印刷する方法であって、前記方法は、
    a)周期が前記所望の2次元パターンの周期の√2倍である、幾何要素の正方形アレイの周期的なマスクパターンを有するマスクを調達するステップと、
    b)前記感光層を支持する基板を調達するステップと、
    c)前記基板を前記マスクに対して平行に、かつ前記マスクの近傍に配置するステップと、
    d)タルボ距離を有する透過された光場を生成するため、前記マスクパターンに照射するためのコリメートされた単色光の少なくとも1つのビームを生成するステップと、
    e)前記感光層に第1の部分露光の時間積分された強度分布と第2の部分露光の時間積分された強度分布とを照射するステップであって、前記両時間積分された強度分布は、実質的に同一であり、前記基板と前記マスクとの間の離隔距離を前記タルボ距離の少なくとも1/2かつ前記タルボ距離未満の距離だけ変化しながら、前記少なくとも1つのビームを前記マスクパターンに照射することによって前記両時間積分された強度分布を形成するステップと、
    f)前記感光層への前記第1の部分露光の時間積分された強度分布の照射と前記第2の部分露光の時間積分された強度分布の照射とが横方向に、前記マスクパターンの幾何要素の列に対して平行な方向に前記マスクパターンの周期の半分だけ、または同等の距離だけ互いにオフセットするように、かつマスク幾何要素の前記列に対して直交する方向に前記マスクパターンの周期の半分だけ、または同等の距離だけ互いにオフセットするように、前記第1および第2の部分露光のために前記少なくとも1つのビームを、または前記マスクに対する前記基板の相対的な横方向位置を調整するステップと、
    を有し、
    前記マスクパターンの周期は、前記照射ビームの波長の√2倍より大きい、
    方法。
  4. 前記部分露光を順次行い、
    前記少なくとも1つのビームは、単一のビームであり、
    前記マスクに対する前記基板の相対的な横方向位置を前記部分露光間に変化させることによって、前記マスクに対する前記基板の相対的な横方向位置を調整する、
    請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記部分露光を順次行い、
    前記少なくとも1つのビームは、単一のビームであり、
    前記マスクにおける前記少なくとも1つのビームの入射角を前記部分露光間に変化させる、
    請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記部分露光を同時に行い、
    前記少なくとも1つのビームは、コリメート光の複数のビームであり、
    前記複数のビームは前記マスクにおいて重畳し、前記複数のビームの入射角は異なる、
    請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記基板と前記マスクとの間の離隔距離をそれぞれ前記タルボ距離の1/4、前記タルボ距離の1/3、前記タルボ距離の1/2だけ変化させ、
    前記基板と前記マスクとの間の離隔距離を、前記部分露光中に一定の速度で変化させる、
    請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  8. 前記基板と前記マスクとの間の離隔距離をそれぞれ少なくとも前記タルボ距離の1/4、1/3、1/2だけ変化させ、
    前記基板と前記マスクとの間の離隔距離を、前記部分露光中に可変の速度で変化させる、
    請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  9. 前記離隔距離を前記部分露光間に、それぞれ前記タルボ距離の1/4、前記タルボ距離の1/3、前記タルボ距離の1/2だけ変化させ、かつ
    前記離隔距離の増分変化分あたりの露光エネルギー密度が前記離隔距離の変化中に実質的にガウス分布で変化するように可変の速度で、前記基板と前記マスクとの間の離隔距離を前記部分露光中に変化させる、
    請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  10. 前記離隔距離の増分変化分あたりの露光エネルギー密度が前記離隔距離の変化中に実質的にガウス分布で変化するように可変の速度で、前記基板と前記マスクとの間の離隔距離を前記部分露光中に変化させ、
    前記ガウス分布の半値全幅は、前記タルボ距離のそれぞれ少なくとも1/8、1/6、1/4である、
    請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  11. 所望の1次元の周期的パターンを感光層に印刷する方法であって、前記方法は、
    a)周期が前記所望の1次元の周期的パターンの周期の2倍である、直線の幾何要素の周期的なマスクパターンを有するマスクを調達するステップと、
    b)前記感光層を支持する基板を調達するステップと、
    c)スペクトル帯域幅を有するコリメート光の少なくとも1つのビーム、またはスペクトル帯域幅にわたって変化し得る波長を有するコリメート光の少なくとも1つのビームを生成するステップと、
    d)前記スペクトル帯域幅を有する少なくとも1つのビームのうち1つを前記マスクパターンに照射することによって定常像が形成される距離の1/4より大きくかつ前記距離より小さい離隔距離に、かつ前記マスクに対して平行に、前記基板を配置するステップと、
    e)前記感光層に第1の部分露光の時間積分された強度分布と第2の部分露光の時間積分された強度分布とを照射するステップであって、前記両時間積分された強度分布は、実質的に同一であり、前記スペクトル帯域幅を有するコリメート光の少なくとも1つのビームを前記マスクパターンに照射することによって、または前記スペクトル帯域幅にわたって波長を掃引して、波長を有するコリメート光の前記少なくとも1つのビームを前記マスクパターンに照射することによって、前記両時間積分された強度分布を形成するステップと、
    f)前記感光層への前記第1の部分露光の時間積分された強度分布の照射と前記第2の部分露光の時間積分された強度分布の照射とが横方向に、前記直線の幾何要素に対して直交する方向に前記マスクパターンの周期の半分の距離だけ、または同等の距離だけ互いにオフセットするように、前記第1および第2の部分露光のために前記少なくとも1つのビームを、または前記マスクに対する前記基板の相対的な横方向位置を調整するステップと、
    を有し、
    前記マスクパターンの周期は、前記照射ビームの中心波長の2倍より大きい、
    方法。
  12. 幾何要素の6角形アレイの所望の2次元の周期的パターンを感光層に印刷する方法であって、前記方法は、
    a)最近傍距離が前記所望の2次元パターンの最近傍距離の√3倍である、幾何要素の6角形アレイの周期的なマスクパターンを有するマスクを調達するステップと、
    b)前記感光層を支持する基板を調達するステップと、
    c)スペクトル帯域幅を有するコリメート光の少なくとも1つのビーム、またはスペクトル帯域幅にわたって変化し得る波長を有するコリメート光の少なくとも1つのビームを生成するステップと、
    d)前記スペクトル帯域幅を有する少なくとも1つのビームのうち1つを前記マスクパターンに照射することによって定常像が形成される距離の1/3より大きくかつ前記距離より小さい離隔距離に、かつ前記マスクに対して平行に、前記基板を配置するステップと、
    e)前記感光層に第1の部分露光の時間積分された強度分布と第2の部分露光の時間積分された強度分布とを照射するステップであって、前記両時間積分された強度分布は、実質的に同一であり、前記スペクトル帯域幅を有するコリメート光の少なくとも1つのビームを前記マスクパターンに照射することによって、または前記スペクトル帯域幅にわたって波長を掃引して、波長を有するコリメート光の前記少なくとも1つのビームを前記マスクパターンに照射することによって、前記両時間積分された強度分布を形成するステップと、
    f)前記感光層への前記第2の部分露光の強度分布の照射および前記第3の部分露光の強度分布の照射が横方向に、前記感光層への前記第1の部分露光の強度分布の照射から、前記マスクパターンの幾何要素の列に対して平行な方向に前記マスクパターンの最近傍距離の半分だけ、または同等の距離だけオフセットするように、かつマスク幾何要素の前記列に対して直交する方向に、前記マスクパターンの最近傍距離のそれぞれ1/(2√3)倍および−1(2√3)倍だけ、または同等の距離だけオフセットするように、前記第1、第2および第3の部分露光のために前記少なくとも1つのビームを、または前記マスクに対する前記基板の相対的な横方向位置を調整するステップと
    を有し、
    前記マスクパターンの最近傍距離は、前記照射ビームの波長の2倍より大きい、
    方法。
  13. 幾何要素の正方形アレイの所望の2次元の周期的パターンを感光層に印刷する方法であって、前記方法は、
    a)周期が前記所望の2次元パターンの周期の√2倍である、幾何要素の正方形アレイの周期的なマスクパターンを有するマスクを調達するステップと、
    b)前記感光層を支持する基板を調達するステップと、
    c)スペクトル帯域幅を有するコリメート光の少なくとも1つのビーム、またはスペクトル帯域幅にわたって変化し得る波長を有するコリメート光の少なくとも1つのビームを生成するステップと、
    d)前記スペクトル帯域幅を有する少なくとも1つのビームのうち1つを前記マスクパターンに照射することによって定常像が形成される距離の1/2より大きくかつ前記距離より小さい離隔距離に、かつ前記マスクに対して平行に、前記基板を配置するステップと、
    e)前記感光層に第1の部分露光の時間積分された強度分布と第2の部分露光の時間積分された強度分布とを照射するステップであって、前記両時間積分された強度分布は、実質的に同一であり、前記スペクトル帯域幅を有するコリメート光の少なくとも1つのビームを前記マスクパターンに照射することによって、または前記スペクトル帯域幅にわたって波長を掃引して、波長を有するコリメート光の前記少なくとも1つのビームを前記マスクパターンに照射することによって、前記両時間積分された強度分布を形成するステップと、
    f)前記感光層への前記第1の部分露光の強度分布の照射と前記第2の部分露光の強度分布の照射とが横方向に、前記マスクパターンの幾何要素の列に対して平行な方向に前記マスクパターンの周期の半分だけ、または同等の距離だけ互いにオフセットするように、かつマスク幾何要素の前記列に対して直交する方向に前記マスクパターンの周期の半分だけ、または同等の距離だけ互いにオフセットするように、前記少なくとも1つのビームを、または前記マスクに対する前記基板の相対的な横方向位置を調整するステップと、
    を有し、
    前記マスクパターンの周期は、前記照射ビームの波長の√2倍より大きい、
    方法。
JP2018530857A 2015-12-14 2016-12-14 幾何要素のアレイを印刷するための方法およびシステム Active JP6768067B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201562266755P 2015-12-14 2015-12-14
US62/266,755 2015-12-14
PCT/IB2016/057623 WO2017103817A1 (en) 2015-12-14 2016-12-14 Methods and systems for printing arrays of features

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018537718A true JP2018537718A (ja) 2018-12-20
JP6768067B2 JP6768067B2 (ja) 2020-10-14

Family

ID=57777671

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018530857A Active JP6768067B2 (ja) 2015-12-14 2016-12-14 幾何要素のアレイを印刷するための方法およびシステム

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10365566B2 (ja)
EP (1) EP3391152B1 (ja)
JP (1) JP6768067B2 (ja)
CN (1) CN108604068B (ja)
WO (1) WO2017103817A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113841072A (zh) * 2019-03-27 2021-12-24 尤利塔股份公司 用于印刷具有变化的占宽比的周期性图案的方法和装置

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114185179A (zh) 2017-11-06 2022-03-15 奇跃公司 利用阴影掩模实现可调梯度图案化的方法和系统
WO2019202551A1 (en) * 2018-04-19 2019-10-24 Eulitha A.G. Methods and systems for printing large periodic patterns by overlapping exposure fields
JP2022544335A (ja) 2019-05-30 2022-10-17 マイクロタウ アイピー ピーティーワイ リミテッド 微細構造体を製造するためのシステム及び方法
US10942456B1 (en) * 2020-01-17 2021-03-09 National Applied Research Laboratories Device of light source with diode array emitting high-uniformity ultraviolet
WO2023119224A1 (en) 2021-12-22 2023-06-29 Eulitha A.G. A method and apparatus for improving the uniformity of exposure of a periodic pattern

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4360586A (en) 1979-05-29 1982-11-23 Massachusetts Institute Of Technology Spatial period division exposing
US8841046B2 (en) 2004-10-22 2014-09-23 Eulitha Ag System and a method for generating periodic and/or quasi-periodic pattern on a sample
US9036133B2 (en) 2010-02-16 2015-05-19 Eulitha Ag Lithographic fabrication of general periodic structures by exposing a photosensitive layer to a range of lateral intensity distributions
US8368871B2 (en) 2010-02-16 2013-02-05 Eulitha Ag Lithographic fabrication of general periodic structures
US8524443B2 (en) * 2010-07-07 2013-09-03 Eulitha A.G. Method and apparatus for printing a periodic pattern with a large depth of focus
US8525973B2 (en) 2010-10-13 2013-09-03 Eulitha A.G. Method and apparatus for printing periodic patterns
EP2641130B1 (en) * 2010-11-16 2018-10-31 Eulitha A.G. Method and apparatus for printing high-resolution two-dimensional periodic patterns
WO2012085845A1 (en) 2010-12-23 2012-06-28 Eulitha A.G. System and method for production of nanostructures over large areas
EP2663898B1 (en) 2011-01-12 2015-03-25 Eulitha A.G. Method and system for printing high-resolution periodic patterns
US20140307242A1 (en) * 2011-06-01 2014-10-16 Eulitha A.G. Method and apparatus for printing periodic patterns using multiple lasers
KR102180785B1 (ko) * 2013-03-18 2020-11-20 유리타 아. 게. 주기적 패턴을 인쇄하기 위한 방법 및 시스템

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113841072A (zh) * 2019-03-27 2021-12-24 尤利塔股份公司 用于印刷具有变化的占宽比的周期性图案的方法和装置
JP2022527161A (ja) * 2019-03-27 2022-05-31 ユーリタ アクチエンゲゼルシャフト 変化するデューティサイクルを有する周期的なパターンを印刷するための方法および装置
JP7362763B2 (ja) 2019-03-27 2023-10-17 ユーリタ アクチエンゲゼルシャフト 変化するデューティサイクルを有する周期的なパターンを印刷するための方法および装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017103817A1 (en) 2017-06-22
EP3391152B1 (en) 2020-02-12
US20180364586A1 (en) 2018-12-20
US10365566B2 (en) 2019-07-30
JP6768067B2 (ja) 2020-10-14
CN108604068B (zh) 2020-07-17
EP3391152A1 (en) 2018-10-24
CN108604068A (zh) 2018-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2663898B1 (en) Method and system for printing high-resolution periodic patterns
JP6768067B2 (ja) 幾何要素のアレイを印刷するための方法およびシステム
JP5875590B2 (ja) 周期的なパターンを印刷するための方法と装置
KR101820558B1 (ko) 넓은 영역에 나노 구조체를 생산하기 위한 시스템 및 방법
CN103080843B (zh) 用于印刷具有大焦深的周期图案的方法和设备
US20140307242A1 (en) Method and apparatus for printing periodic patterns using multiple lasers
US9036133B2 (en) Lithographic fabrication of general periodic structures by exposing a photosensitive layer to a range of lateral intensity distributions
JP6218918B2 (ja) 周期的パターンを印刷するための方法およびシステム
US9007566B2 (en) Apparatus and method for printing a periodic pattern with a large depth of focus
JP5496847B2 (ja) 干渉型リソグラフィ装置
US20120092634A1 (en) Method and apparatus for printing periodic patterns
JP2022527161A (ja) 変化するデューティサイクルを有する周期的なパターンを印刷するための方法および装置
JP2015170780A (ja) 露光方法、微細周期構造体の製造方法、グリッド偏光素子の製造方法及び露光装置
KR20220122730A (ko) 소형 오버레이 측정 시스템의 광학 설계

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190829

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200918

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6768067

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250