JP7416173B1 - 硫化物系固体電解質の製造方法および硫化物系固体電解質の製造装置 - Google Patents

硫化物系固体電解質の製造方法および硫化物系固体電解質の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】硫化物系固体電解質を安定的に連続生産可能な、硫化物系固体電解質の製造方法を提供する。【解決手段】炉体10内に硫化物系固体電解質原料を供給し、前記硫化物系固体電解質原料を加熱溶融し、得られた融液11を、加熱した流路12を通じて前記炉体10外に排出させて冷却を行う製造方法により、上記課題を解決した。【選択図】図2

Description

本発明は、硫化物系固体電解質の製造方法および硫化物系固体電解質の製造装置に関する。
リチウムイオン二次電池は、携帯電話やノート型パソコン等の携帯型電子機器に広く用いられている。従来、リチウムイオン二次電池においては液体の電解質が使用されてきた。一方で、安全性の向上や高速充放電、ケースの小型化等が期待できる点から、近年、固体電解質をリチウムイオン二次電池の電解質として用いる全固体型リチウムイオン二次電池が注目されている。
全固体型リチウムイオン二次電池に用いられる固体電解質として、例えば硫化物系固体電解質が挙げられる。
硫化物系固体電解質の合成方法として、硫化物系固体電解質原料を加熱溶融して融液を調製し、これを冷却固化する方法が挙げられる。しかし、冷却固化時に融液から発生したガス状の揮発成分が凝集し、安定生産を阻害するという問題点がある。とくに、炉体内に硫化物系固体電解質原料を連続的に供給し、得られた融液を連続的に排出して冷却固化する製造手法においては、融液が排出出口付近で凝集し、安定生産を阻害するという課題がある。
特許文献1には、硫化物系リチウムイオン導電性固体電解質の各構成化合物を、所定の化学量論比に混合した後、この混合物を硫黄の過剰状態下で加熱溶融する硫化物系リチウムイオン導電性固体電解質の製造法が開示されている。
また、特許文献2には、(1)組成としてリチウム、リンおよび硫黄を含有する複合化合物を溶融してガラス化させる工程、および、(2)溶融ガラスを急冷することにより硫化物ガラスを得る工程、を含むことを特徴とするリチウムイオン伝導性材料の製造方法が開示されている。
また、特許文献3には、原料投入部を圧縮し、原料を加熱溶融し、冷却して連続的に排出することで固体電解質ガラスを製造する方法が開示されている。
特許第3284215号公報 特開2012-43654号公報 特許第5640665号公報
しかしながら、上記特許文献1および2に開示された技術では、上記融液から発生するガスの発生を抑制できず、該ガスの凝集物を由来とする上記課題を十分に解決できない。また上記特許文献3に開示された技術では、装置の構造が複雑であり、原料の冷却の際に流路を固化閉塞しやすく、装置全体の制御が困難となる。
したがって本発明の目的は、硫化物系固体電解質原料の融液から発生したガスの凝集物による上記課題を解決し、硫化物系固体電解質を安定的に連続生産可能な、硫化物系固体電解質の製造方法および製造装置を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、硫化物系固体電解質原料の融液を炉体から排出させる際に、その排出に使用する流路を加熱することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]~[12]に関する。
[1]
炉体内に硫化物系固体電解質原料を供給し、前記硫化物系固体電解質原料を加熱溶融し、得られた融液を、加熱した流路を通じて前記炉体外に排出させて冷却を行う、硫化物系固体電解質の製造方法。
[2]
前記流路は絞り部を有する、上記[1]に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
[3]
前記絞り部の形状は、ノズル形状である、上記[2]に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
[4]
前記炉体と前記流路との間に断熱層を設ける、上記[1]または[2]に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
[5]
前記流路の加熱温度は500℃以上である、上記[1]または[2]に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
[6]
前記炉体内への硫化物系固体電解質原料の供給および前記融液の前記炉体外への排出は、連続的に行われる、上記[1]または[2]に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
[7]
前記冷却は、双ロール法により行われる、上記[1]または[2]に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
[8]
前記冷却は、ガスアトマイズ法により行われる、上記[1]または[2]に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
[9]
硫化物系固体電解質原料を加熱溶融する炉体と、
前記加熱溶融により得られた融液を前記炉体外に排出させる流路とを有し、
前記流路は、前記流路を加熱する加熱部を備え、かつ
前記流路の下流方向終端部付近に前記融液を冷却する冷却部を備えてなる、
硫化物系固体電解質の製造装置。
[10]
前記流路は絞り部を有する、上記[9]に記載の硫化物系固体電解質の製造装置。
[11]
前記絞り部の形状は、ノズル形状である、上記[10]に記載の硫化物系固体電解質の製造装置。
[12]
前記炉体と前記流路との間に断熱層を設けてなる、上記[9]~[11]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質の製造装置。
本発明によれば、硫化物系固体電解質原料の融液を炉体から排出させる際に、その排出に使用する流路を加熱することで、前記融液からのガス発生を抑制し、該ガスを由来とする凝集物による上記課題を解決し、硫化物系固体電解質を安定的に連続生産可能な、硫化物系固体電解質の製造方法および製造装置を提供できる。
図1は、本発明の実施形態の硫化物系固体電解質の製造方法のフローチャートである。 図2は、本発明の実施形態の硫化物系固体電解質の製造装置の一例を示す断面模式図である。 図3は、本発明の実施形態の硫化物系固体電解質の製造装置の他の例を示す断面模式図である。 図4は、本発明の実施形態の硫化物系固体電解質の製造装置の他の例を示す断面模式図である。 図5は、比較例で用いた硫化物系固体電解質の製造装置を示す断面模式図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施できる。また、数値範囲を示す「~」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、実際の装置等のサイズや縮尺を必ずしも正確に表したものではない。
<硫化物系固体電解質の製造方法>
本発明の実施形態の硫化物系固体電解質の製造方法(以下、本製造方法ともいう)は、炉体内に硫化物系固体電解質原料を供給し、前記硫化物系固体電解質原料を加熱溶融し、得られた融液を、加熱した流路を通じて前記炉体外に排出させて冷却を行うことを特徴とする。
図1に、本製造方法のフローチャートを示す。本製造方法では、まず、炉体内で硫化物系固体電解質原料を加熱溶融し(ステップS1)、融液を得る(ステップS2)。得られた融液を、加熱した流路を通じて前記炉体外に排出させ(ステップS3)、冷却を行い(ステップS4)、硫化物系固体電解質を得る(ステップS5)。
炉体としては、加熱部を有し、従来固体電解質原料を加熱溶融するのに用いられる公知のものを適宜使用でき、炉体の材質や大きさも任意に選択できる。
(硫化物系固体電解質原料)
本製造方法において、硫化物系固体電解質原料(以下、本原料と呼ぶことがある)としては種々の原料を使用できる。
本原料としては、市販の硫化物系固体電解質原料を用いてもよく、材料から硫化物系固体電解質原料を製造したものを用いてもよい。また、これらの硫化物系固体電解質原料にさらに公知の前処理を施してもよい。すなわち、本製造方法は、本原料を製造する工程や、本原料に前処理を施す工程を適宜含んでもよい。
以下、硫化物系固体電解質原料について具体的に説明する。硫化物系固体電解質原料としては、通常、アルカリ金属元素(R)及び硫黄元素(S)を含む。
アルカリ金属元素(R)としては、リチウム元素(Li)、ナトリウム元素(Na)、及びカリウム元素(K)等が挙げられ、なかでも、リチウム元素(Li)が好ましい。アルカリ金属元素(R)としては、アルカリ金属元素単体やアルカリ金属元素を含む化合物等のアルカリ金属元素を含む物質(成分)等を適宜組み合わせて使用できる。なかでも、リチウム元素としては、Li単体やLiを含む化合物等のLiを含む物質(成分)等を適宜組み合わせて使用できる。
リチウム元素(Li)を含む物質としては、例えば、硫化リチウム(LiS)、ヨウ化リチウム(LiI)、炭酸リチウム(LiCO)、硫酸リチウム(LiSO)、酸化リチウム(LiO)および水酸化リチウム(LiOH)等のリチウム化合物や、金属リチウム等が挙げられる。リチウム元素(Li)を含む物質としては、硫化物材料を得る観点からは、硫化リチウムを用いることが好ましい。
硫黄元素(S)としては、S単体やSを含む化合物等のSを含む物質(成分)等を適宜組み合わせて使用できる。
硫黄元素(S)を含む物質としては、例えば、三硫化二リン(P)、五硫化二リン(P)等の硫化リン、リンを含有するその他の硫黄化合物および単体硫黄、硫黄を含む化合物等が挙げられる。硫黄を含む化合物としては、HS、CS、硫化鉄(FeS、Fe、FeS、Fe1-xSなど)、硫化ビスマス(Bi)、硫化銅(CuS、CuS、Cu1-xSなど)が挙げられる。硫黄元素(S)を含む物質は、硫化物材料を得る観点から、硫化リンが好ましく、五硫化二リン(P)がより好ましい。これらの物質は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、硫化リンはSを含む物質と、後述するPを含む物質を兼ねる化合物として考えられる。
本原料は、得られる硫化物系固体電解質のイオン伝導率向上等の観点から、さらにリン元素(P)を含むのが好ましい。リン元素(P)としては、P単体やPを含む化合物等のPを含む物質(成分)等を適宜組み合わせて使用できる。
リン元素(P)を含む物質としては、例えば、三硫化二リン(P)、五硫化二リン(P)等の硫化リン、リン酸ナトリウム(NaPO)等のリン化合物および単体リン等が挙げられる。リン元素(P)を含む物質としては、本発明の効果がより発揮されるという観点から、揮散性の高い硫化リンが好ましく、五硫化二リン(P)がより好ましい。これらの物質は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本原料は、例えば上記の物質を、目的とする硫化物系固体電解質の組成に応じて適宜混合することで、混合原料として得てもよい。混合比率は特に限定されないが、例えば、本原料中のアルカリ金属元素(R)に対する硫黄元素(S)のモル比S/Rは、得られる硫化物系固体電解質のイオン伝導率向上等の観点から、0.65/0.35以下が好ましく、0.5/0.5以下がより好ましい。また、当該混合原料は、混合に用いる物質に応じた所定の化学量論比で混合して得るのが好ましい。上記混合の方法としては、例えば、乳鉢での混合、遊星ボールミルのようなメディアを用いた混合、ピンミルや粉体撹拌機、気流混合の様なメディアレス混合等が挙げられる。
本原料に含まれるアルカリ金属元素及び硫黄元素の好ましい組み合わせの一例として、LiSとPの組み合わせが挙げられる。LiSとPを組み合わせる場合は、LiとPのモル比Li/Pは40/60以上が好ましく、50/50以上がより好ましい。また、LiとPのモル比Li/Pは88/12以下が好ましい。また、LiとPの モル比Li/Pは40/60~88/12が好ましく、50/50~88/12がより好 ましい。PがLiSに対して比較的少なくなるように混合比を調整することで、LiSの融点に対しPの沸点が小さいことによる、加熱処理時の硫黄成分とリン成分の揮散を抑制しやすくなる。
一方で、硫化リチウムは高価であるため、硫化物系固体電解質の製造コストを抑える観点からは、硫化リチウム以外のリチウム化合物や、金属リチウム等を用いてもよい。具体的にはこの場合、本原料はLiを含む物質として、金属リチウム、ヨウ化リチウム(LiI)、炭酸リチウム(LiCO)、硫酸リチウム(LiSO)、酸化リチウム(LiO)および水酸化リチウム(LiOH)からなる群から選ばれる1以上を含むことが好ましい。これらの物質は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本原料は、目的とする硫化物系固体電解質の組成に応じて、または添加剤等として、上記の物質の他にさらなる物質(化合物等)を含んでもよい。
例えば、F、Cl、BrまたはIなどのハロゲン元素を含む硫化物系固体電解質を製造する場合、本原料はハロゲン元素(Ha)を含むことが好ましい。この場合、本原料はハロゲン元素を含む化合物を含むことが好ましい。ハロゲン元素を含む化合物としてはフッ化リチウム(LiF)、塩化リチウム(LiCl)、臭化リチウム(LiBr)、ヨウ化リチウム(LiI)等のハロゲン化リチウム、ハロゲン化リン、ハロゲン化ホスホリル、ハロゲン化硫黄、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化ホウ素等が挙げられる。ハロゲン元素を含む化合物としては、原料の反応性の観点からは、ハロゲン化リチウムが好ましく、LiCl、LiBr、LiIがより好ましい。これらの化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、ハロゲン化リチウム等のハロゲン化アルカリ金属は、Li等のアルカリ金属元素を含む化合物でもある。本原料がハロゲン化アルカリ金属を含む場合、本原料におけるLi等のアルカリ金属元素の一部または全部がハロゲン化リチウム等のハロゲン化アルカリ金属に由来するものであってもよい。
本原料がハロゲン元素(Ha)およびリン元素(P)を含む場合、本原料中のPに対するHaのモル当量は、得られる硫化物系固体電解質のイオン伝導率向上等の観点からは、0.2モル当量以上が好ましく、0.5モル当量以上がより好ましい。また、得られる硫化物系固体電解質の安定性の観点からは、Haのモル当量は4モル当量以下が好ましく、3モル当量以下がより好ましい。
得られる硫化物系固体電解質は、その目的に応じて、非晶質の硫化物系固体電解質であってもよく、非晶質相の生成のしやすさを改善する観点からは、本原料がSiS、B、GeS、Al等の硫化物を含むことも好ましい。非晶質相を形成し易くすることで、急冷により非晶質を得る場合に、冷却速度を低下させても、非晶質の硫化物系固体電解質を得ることができ、設備負荷を軽減できる。
また硫化物系固体電解質の耐湿性付与等の観点からは、SiO、B、GeO、Al、P等の酸化物を含むことも好ましい。これらの化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、上記硫化物や酸化物は本原料に含んでもよいし、本原料を加熱溶融する際に別途添加してもよい。また、上記硫化物や酸化物の添加量は、原料全量に対し0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。また添加量は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。
また、本原料は、後述する結晶核となる化合物を含んでいてもよい。
本製造方法は、本原料に揮散性の高い化合物を含む場合に、特に好適に用いられる。揮散性の高い化合物としては、例えば、LiI、B、S、Se、Sb、及びP等が挙げられる。
(硫化物系固体電解質の製造装置)
ここで、本発明に使用される硫化物系固体電解質の製造装置(以下、本製造装置とも言う)について図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施形態の硫化物系固体電解質の製造装置の一例を示す断面模式図である。
図2において、硫化物系固体電解質の製造装置1は、硫化物系固体電解質原料を加熱溶融する炉体10と、前記加熱溶融により得られた融液11を炉体外に排出させる流路12と、を有し、前記流路12が、前記流路12を加熱する加熱部13を備え、かつ前記流路12の下流方向終端部付近に前記融液11を冷却する冷却部14を備えてなることを特徴とする。
本製造装置1では、炉体10内への硫化物系固体電解質原料の供給および下記で説明する融液11の炉体10外への排出が、連続的に行われることが好ましく、この連続的製造方法を採用する際に本発明の効果がさらに高まることになる。炉体10内への硫化物系固体電解質原料の連続的な供給は、定量供給であるのが好ましく、定量供給の方法としては、特に制限されないが、例えば、スクリューフィーダー、テーブルフィーダー、気流搬送等を用いる方法が挙げられる。
(加熱溶融)
硫化物系固体電解質原料の加熱溶融は、硫黄元素を含むガス雰囲気下で行うのが好ましい。硫黄元素を含むガス雰囲気下で本原料を加熱溶融することで、融液に硫黄が導入される。これにより、加熱中の硫黄の揮発を抑制できるため、得られる硫化物系固体電解質の組成を適切に制御できる。硫黄元素を含むガスは、例えば、硫黄ガス、硫化水素ガス、二硫化炭素ガス等、硫黄元素を含む化合物又は硫黄単体を含むガスである。
硫黄元素を含むガス雰囲気は、硫化物系固体電解質原料または融液に硫黄源を供給し、硫黄源を加熱することで発生する硫黄元素を含むガスにより得てもよい。硫化物系固体電解質原料に硫黄源を供給しておくことで、硫化物系固体電解質原料を加熱溶融する際に、硫黄源も加熱されるため、発生した硫黄元素を含むガス雰囲気下で硫化物系固体電解質原料の加熱溶融を行うことができる。また、融液に硫黄源を供給することによっても、発生した硫黄元素を含むガス雰囲気下で硫化物系固体電解質原料の加熱溶融を行うことができる。
上記形態において硫黄源としては単体硫黄または硫黄化合物であれば特に限定されないが、例えば、単体硫黄、硫化水素、二硫化炭素等の有機硫黄化合物、硫化鉄(FeS、Fe、FeS、Fe1-xSなど)、硫化ビスマス(Bi)、硫化銅(CuS、CuS、Cu1-xSなど)、多硫化リチウム、多硫化ナトリウム等の多硫化物、ポリスルフィド、硫黄加硫処理を施されたゴム等が挙げられる。硫黄源として好ましくは、硫黄粉末が挙げられる。
また、別の方法として、硫黄元素を含むガス雰囲気は、予め得られた硫黄蒸気を炉体内に導入することにより得てもよい。例えば、硫黄を200~450℃で加熱し、硫黄蒸気を発生させ、Nガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスをキャリアガスとして炉内に搬送することで、硫黄元素を含むガス雰囲気が得られる。
加熱溶融の温度は、特に限定されないが、短時間で融液を均質化する観点から、600℃以上が好ましく、630℃以上がより好ましく、650℃以上がさらに好ましく、700℃以上が特に好ましい。また、加熱溶融の温度は融液中の成分の加熱による劣化や分解抑制等の観点から1000℃以下が好ましく、950℃以下がより好ましく、900℃以下がさらに好ましく、800℃以下がさらに好ましく、750℃以下が特に好ましい。また、加熱溶融の温度は、600℃以上900℃以下が好ましく、700℃以上900℃以下がより好ましく、700℃以上750℃以下がさらに好ましい。上記温度まで加熱する場合は、例えば炉体の壁部および底部に設けられる加熱部(図2における符号17)により上記温度まで加熱を行うことができる。炉体の加熱部17としては、特に制限されないが、例えば、カンタルヒーター、SiCヒーター、及びカーボンヒーター等の発熱材に電流を流して対象物を加熱するヒーター、ハロゲンヒーター等の輻射加熱を行うヒーター、高周波誘導加熱装置等を適宜利用することができ、炉体10内の温度を保持できる。
融液を得るための加熱溶融の時間は、特に制限されないが、例えば、0.5時間以上であってもよく、1時間以上であってもよく、2時間以上であってもよい。また、加熱溶融の時間は融液中の成分の加熱による劣化や分解が許容できる範囲では加熱溶融の時間は長くてもよい。現実的な範囲としては、100時間以下が好ましく、50時間以下がより好ましく、25時間以下がさらに好ましい。
加熱溶融時の圧力は特に限定されないが、例えば常圧又は微加圧が好ましく、常圧がより好ましい。
加熱溶融時、水蒸気や酸素等との副反応を防ぐ観点から、炉内の露点は-20℃以下が好ましく、下限は特に制限されないが、通常-80℃以上である。また酸素濃度は1000体積ppm以下が好ましい。
(融液の炉体外への排出)
続いて、得られた融液11は、図2に示すように加熱した流路12を通じて炉体10外に排出される。
流路12は、炉体10から融液11を連続的に排出可能であるとともに、融液11の流量や流速を調節可能な絞り部を有することが好ましい。また、絞り部としては、図2に示すように、融液11の排出量や排出速度を調節可能であり、融液11が炉体10から瞬時に多量に排出されるのを抑制するノズル形状であるのがさらに好ましい。
流路12が絞り部を有することにより、次のような効果が奏される:
絞り部が無い状態で排出出口を加熱することは、全体の熱容量が大きく多くのエネルギーが必要であるところ、流路12が絞り部を有することにより局所的に熱容量を下げることができ、多くのエネルギーを必要としない;局所的な加熱になるため、融液11の過度の温度上昇をおさえ、得られる硫化物系固体電解質の結晶構造を維持しやすくなる;絞り部を有する流路12を加熱するために加熱部の設置が簡素化される;冷却部付近に絞り部を有する流路12を設置することにより、高温の融液11が急冷され、融液11からのガス発生が抑制される;これにより該ガスを由来とする凝集物の付着が抑制され、装置の安定稼働が可能となる;局所温度制御が可能となるため、加熱部の稼働を停止すれば、融液11が固化し、流出停止動作が可能となる。
流路12を通過する融液11の流量は、本製造装置の規模や所望の硫化物系固体電解質の種類等を勘案して決定すればよく、とくに制限されないが、例えば4.0kg/分以下であってよい。流路12を通過する融液11の流量を4.0kg/分以下とすることで、流路12を加熱する際の熱量が抑えられる。上記の流量は、例えば流路12が有する絞り部としてノズル形状を採用した場合は、融液11の流れる方向に対し直交する方向であるノズルの断面のサイズを調整することにより調節可能である。
流路12は、例えば流路の流れ方向に沿って設置された加熱部13により加熱される。この加熱により、下記で説明する冷却部に到達するまで融液11が固化することが抑制され、流路12やその他周辺機器への融液11のガス由来の凝集物の付着が防止される。加熱部13としては、特に制限されないが、例えば、カンタルヒーター、SiCヒーター、及びカーボンヒーター等の発熱材に電流を流して対象物を加熱するヒーター、ハロゲンヒーター等の輻射加熱を行うヒーター、高周波誘導加熱装置、通電加熱装置等を適宜利用することができ、流路12内を流れる融液11の温度を所望の温度に保持できる。
流路12の加熱温度は、硫化物系固体電解質原料の種類等により適宜決定すればよいが、500℃以上が好ましく、525℃以上1000℃以下がより好ましく、550℃以上950℃以下がさらに好ましい。
(融液の冷却)
続いて、流路12を通過した融液11は、流路の下流方向終端部付近に設けられた冷却部14に到達し、ここで融液11は冷却される。
冷却は公知の方法で行えばよく、その方法は特に限定されない。冷却のより具体的な方法として、例えば、融液を内部水冷された金属もしくはカーボンもしくはセラミックの板状体の上に流し出して冷却する方法;双ロール法に代表される、水冷された狭い隙間に融液を流し込んで急冷する方法;融液を高速回転するロールに噴射し急冷する単ロール法;ガス噴霧中に融液を流し込み急冷するガスアトマイズ法;回転した円盤上に融液を流し込むディスクアトマイズ法;等が挙げられる。
融液を板状体の上に流し出して冷却する場合、冷却効率を向上する観点から、流し出した後の融液及び得られる固体の厚みは比較的薄いことが好ましい。具体的には、厚みは10mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましい。厚みの下限は特に限定されないが、0.01mm以上であってもよく、0.02mm以上であってもよい。
狭い隙間に流し込んで薄く成形する場合は、冷却効率が優れており、薄片状のもの、繊維状のもの、粉末状のもの等を得ることができる。得られた固体は、取り扱いやすい大きさに砕く等して、任意の形状で得られる。中でも、ブロック状の固体で得た方が回収がし易く好ましい。ブロック状とは、板状、薄片状、または繊維状である場合も含む。
冷却速度は加熱溶融により得られた組成を維持する観点から、0.01℃/秒以上が好ましく、0.05℃/秒以上がより好ましく、0.1℃/秒以上がさらに好ましい。また、冷却速度の上限値は特に定めないが、一般的に急冷速度が速いと言われる双ロール法の冷却速度は10℃/秒以下である。
ここで、得られる固体を非晶質の硫化物系固体電解質としたい場合には、加熱溶融により得られた融液を急冷して固体を得ることが好ましい。具体的には、急冷する場合の冷却速度は10℃/秒以上が好ましく、100℃/秒以上がより好ましく、500℃/秒以上がさらに好ましく、700℃/秒以上がよりさらに好ましい。また、冷却速度の上限値は特に限定されないが、一般的に急冷速度が速いと言われる双ロール法の冷却速度は10℃/秒以下である。
一方で、冷却時に徐冷して、固体の少なくとも一部を結晶化し、特定の結晶構造を有する硫化物系固体電解質や結晶相と非晶質相とから構成される硫化物系固体電解質として得ることもできる。徐冷する場合の冷却速度は0.01℃/秒以上が好ましく、0.05℃/秒以上がより好ましい。また、冷却速度は500℃/秒以下が好ましく、450℃/秒以下がより好ましい。冷却速度は10℃/秒以下であってもよく、5℃/秒以下であってもよい。なお、結晶化の条件に応じて適宜冷却速度を調節してもよい。
ここで硫化物系固体電解質に含有される結晶とは、好ましくはイオン伝導性結晶である。イオン伝導性結晶とは、具体的には、リチウムイオン伝導率が10-4S/cmより大きく、より好ましくは10-3S/cmより大きい結晶である。
冷却後に得られる固体を、結晶相を含む硫化物系固体電解質としたい場合には、加熱溶融で得られる融液に結晶核となる化合物を含有させることが好ましい。これにより、冷却時に結晶が析出しやすくなる。融液に結晶核となる化合物を含有させる方法は特に限定されないが、例えば原料や原料加熱物に結晶核となる化合物を添加する、加熱溶融中の融液に結晶核となる化合物を添加する等の方法が挙げられる。
結晶核となる化合物としては、酸化物、酸窒化物、窒化物、炭化物、他のカルコゲン化合物、ハロゲン化物等が挙げられる。結晶核となる化合物は、融液とある程度の相溶性をもった化合物が好ましい。なお、融液と全く相溶しない化合物は結晶核と成り得ない。
冷却後に得られる固体を、結晶相を含む硫化物系固体電解質としたい場合には、融液における結晶核となる化合物の含有量は0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。一方で、リチウムイオン伝導率の低下を抑制する観点からは、融液における結晶核となる化合物の含有量は20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
冷却後に得られる固体を非晶質の硫化物系固体電解質としたい場合には、融液は結晶核となる化合物を含有しないか、その含有量は所定量以下であることが好ましい。具体的には、融液における結晶核となる化合物の含有量は1質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。融液における結晶核となる化合物の含有量は0.01質量%未満であってもよい。
本製造方法は、融液を冷却して得られる硫化物系固体電解質に対し、公知の後処理等を行う工程をさらに含んでいてもよい。後処理工程としては例えば、所望の特性を得る等の観点で硫化物系固体電解質に対しさらに熱処理を行う工程や、所望の形状を得る等の観点で粉砕処理を行う工程等が挙げられる。
前記冷却として双ロール法を採用した例について説明する。双ロール法は公知であり、例えば図2に示すように流路12から供給された融液11が、冷却部14として水冷されたロール142、144からなる双ロールの間に導入され、ロール142、144の間で凝固したのち、板状や薄片等となって排出されるものである。
また、ロール142、144の設置場所は、流路12の下流方向終端部付近であり、具体的には下流方向終端部からの距離として、5mm以上500mm以下が好ましく、10mm以上300mm以下がさらに好ましい。
ロール142、144の間で凝固したのち板状となって排出された硫化物系固体電解質原料は、必要に応じて粉末化できる。
次に、ガスアトマイズ法を用いた融液の冷却について説明する。
ガスアトマイズ法は公知であり、例えば図3に示す製造装置2のように、図2におけるロール142、144からなる双ロールがガスアトマイズ装置15に置き換えられている。融液11の調製の条件は図2と同様である。ガスアトマイズ法では、図3に示すように、得られた融液11を炉体10から排出させながらガスを噴霧することで、融液11の冷却固化を行い、硫化物系固体電解質を得る。得られた硫化物系固体電解質は粉末状となる。
ガスアトマイズ法の一態様としては、例えば、流路12から排出された融液11に対して、ガスアトマイズ装置15からガスが噴霧され、これにより、融液11の冷却固化および粉末化が行われる。融液11に対しガスを噴霧することで冷却固化を行うため、冷却時に融液11が他の部材と接触することがなく、不純物のコンタミネーションを抑え、電池性能に優れた硫化物系固体電解質が得られる。また、ガスアトマイズ法を採用した場合、部材接触部の界面反応が生じないため、使用部材が制限されず、部材選択の自由度が高まる。また、ガスを噴霧する方法により融液の冷却固化と同時に粉末化も行うことができるため、別途粉末化工程を経る必要がない。さらに、ガスを噴霧し冷却することで、小径粉末とできるため、急速な冷却が可能となる。そのため、冷却時間が短縮され生産量が上がるだけではなく、急冷に伴い品質も向上する。このように、ガスアトマイズ法により、複雑な工程を経ることなく、簡易かつ品質の良い硫化物系固体電解質を製造できる。
ガスアトマイズ装置15は、流路12から排出された融液11に対してガスが噴霧されるように適宜設置される。
上記ガスとしては、窒素、あるいはアルゴンなどの不活性ガスを使用することが好ましい。ガス圧の噴霧圧は、粉末粒度を小さくし、粉末あたりの熱容量を下げる観点から、0.2MPa以上が好ましく、0.5MPa以上がより好ましく、0.8MPa以上がさらに好ましい。また、ガス噴霧圧の上限は具体的に限定されないが、連続運用安定性と現実的なガス噴霧コストの観点から、10MPa以下が好ましく、9.5MPa以下がより好ましく、9MPa以下がさらに好ましい。また、ガス圧の噴霧圧は、0.2MPa~10MPaが好ましく、0.5MPa~9.5MPaがより好ましく、0.8MPa~9MPaがさらに好ましい。ガス速度は、特に制限されないが、例えば、300m/秒以上であってよく、350m/秒以上であってよく、400m/秒以上であってよい。ガス温度は特に制限されないが、例えば100℃以下であり、好ましくは常温である。
上記ガスは必要に応じて酸素濃度の調節も行ってもよい。上記ガスの酸素濃度は100体積ppm未満が好ましく、10体積ppm未満がより好ましく、1体積ppm未満がさらに好ましい。また、ガスの露点は、大気圧下露点で-30℃未満が好ましく、-40℃未満がより好ましく、-50℃未満がさらに好ましい。
融液に対して行うガスの噴霧は、図示しない密閉チャンバ内で大気曝露させることなく行い、得られる硫化物系固体電解質を回収するのが好ましい。これにより、大気中の成分、特に酸素や水分との反応によって固体電解質の品質が劣化することを防ぐことができる。ここで、密閉チャンバとは、真空チャンバやガスを密閉するチャンバ等のように、内部が大気から隔離されているチャンバを意味する。密閉チャンバ内の露点は、-30℃未満が好ましく、-40℃未満がより好ましく、-50℃未満がさらに好ましい。密閉チャンバ内の露点が-30℃未満であることで界面の状態を正常に保ち、電池性能の劣化を防ぐことができる。また、密閉チャンバ内の露点の下限は、現実的な範囲であればよく、特に限定されないが、例えば-80℃以上であってよい。密閉チャンバ内の酸素濃度は、固体電解質の品質を保ち、電池性能の劣化を防ぐ観点から、100体積ppm未満が好ましく、10体積ppm未満がより好ましく、1体積ppm未満がさらに好ましい。酸素濃度下限は具体的に限定されないが、現実的な運用コストの観点から、0.01体積ppm以上であってよい。
上記のように、双ロール法およびガスアトマイズ法はいずれも融液を急冷する方法であるが、ガス発生の抑制の観点から、融液は急冷直前まで十分に加熱されていることが望ましい。
また、流路12の加熱部13の設置場所は、炉体10からある程度距離を置き、加熱部13により発生した熱が炉体10に伝搬するのを抑制することが好ましい。
一方、本製造装置では、炉体10と流路12との間に断熱層を設けることが好ましい。あるいは、炉体10と加熱部13との間に断熱層を設けることが好ましい。図4は、このような断熱層を設けた、本発明の実施形態の硫化物系固体電解質の製造装置の他の例を示す断面模式図である。
図4によれば、図2の製造装置1の構成において、炉体10と流路12(加熱部13)との間に断熱層18が複数設けられている。断熱層18の存在により、流路12の加熱により発生する熱が炉体10に伝搬することを抑制でき、炉体10で行われる加熱溶融条件を所望の設定に維持でき、得られる硫化物系固体電解質の品質が良好となる。
断熱層18の材質としてはとくに制限されないが、例えばセラミックファイバーボード、炭素繊維断熱材、レンガ、ケイ酸カルシウム材、ロックルール材等が挙げられる。断熱層18は、炉体10の底部のほぼ全体にわたり配置されるのが好ましい。また、流路12における融液11の流れ方向と平行な方向における、断熱層18の厚みは、例えば10mm以上500mm以下が好ましく、20mm以上250mm以下がさらに好ましい。
なお、断熱層18は、図3に示す製造装置2においても同様に設けることができる。
(再加熱処理)
本製造方法は、融液の冷却において得られた固体が非晶質の硫化物系固体電解質または非晶質相を含む硫化物系固体電解質である場合、当該固体電解質を再加熱処理する工程をさらに含んでもよい。また、硫化物系固体電解質結晶を含む硫化物系固体電解質を再加熱することで、結晶構造内のイオンを再配列させ、リチウムイオン伝導率を高めることもできる。なお、再加熱処理とは、冷却して得られた粉末を結晶化のために加熱処理すること、および結晶構造内のイオンを再配列させることの少なくとも一方をいう。
(粉砕)
得られた硫化物系固体電解質に対して、さらに粉砕を行い、更なる微粒化を行ってもよい。粉砕の方法としては、例えば湿式粉砕法が挙げられる。湿式粉砕法の場合、使用する溶媒の種類は特に制限されないが、硫化物系固体電解質は水分と反応して劣化しやすい性質を有することから、非水系有機溶媒を用いるのが好ましい。非水系有機溶媒の種類は特に限定されないが、炭化水素系溶媒、ヒドロキシ基を含有した有機溶媒、エーテル基を含有した有機溶媒、カルボニル基を含有した有機溶媒、エステル基を含有した有機溶媒、アミノ基を含有した有機溶媒、ホルミル基を含有した有機溶媒、カルボキシ基を含有した有機溶媒、アミド基を含有した有機溶媒、ベンゼン環を含有した有機溶媒、メルカプト基を含有した有機溶媒、チオエーテル基を含有した有機溶媒、チオエステル基を含有した有機溶媒、ジスルフィド基を含有した有機溶媒、ハロゲン化アルキル等が挙げられる。炭化水素系溶媒としては、例えば、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエンが挙げられ、飽和水分濃度が低い観点から、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタンが好ましい。また、水分濃度を調整する観点から、これら炭化水素系溶媒を、トルエンやジブチルエーテル等と混ぜた混合溶媒とすることも好ましい。硫化物系固体電解質の粉砕時に、硫化物系固体電解質が水と反応してリチウムイオン伝導率が低下することを防ぐ観点から、上記非水系有機溶媒の水分濃度は低い方が好ましい。上記非水系有機溶媒の水分濃度は、例えば、170質量ppm以下であってよく、150質量ppm以下であってよく、120質量ppm以下であってよく、100質量ppm以下であってよい。
湿式粉砕法は、例えばボールミル、遊星ボールミル、ビーズミル等の粉砕機を用いて行えばよい。湿式粉砕においては上記溶媒の他、添加剤(分散剤)としてエーテル化合物、エステル化合物又はニトリル化合物を添加してもよい。
湿式粉砕を経て得られた硫化物系固体電解質中に溶媒や添加剤が残存している場合は、乾燥工程を行うとよい。乾燥条件としては、例えば温度100℃以上200℃以下としてもよい。乾燥時間については特に限定されるものではなく、例えば10分以上24時間以下としてもよい。また、乾燥工程は減圧下で実施しても良く、例えば絶対圧で50kPa以下であってよい。乾燥工程はホットプレート、乾燥炉、電気炉等を用いて実施できる。
(硫化物系固体電解質)
本製造方法で得られる硫化物系固体電解質としては、リチウム元素を含む硫化物系固体電解質が挙げられる。本製造方法で得られる硫化物系固体電解質としては、例えばLi10GeP12等のLGPS型結晶構造を有する硫化物系固体電解質、LiPSCl、Li5.4PS4.4Cl1.6およびLi5.4PS4.4Cl0.8Br0.8等のアルジロダイト型結晶構造を有する硫化物系固体電解質、Li-P-S-Ha系(Haはハロゲン元素から選ばれる少なくとも一つの元素を表す)の結晶化ガラス、ならびにLi11等のLPS結晶化ガラス等が挙げられる。
硫化物系固体電解質は、その目的に応じて、非晶質の硫化物系固体電解質であってもよく、特定の結晶構造を有する硫化物系固体電解質であってもよく、結晶相と非晶質相とを含む硫化物系固体電解質であってもよい。結晶相は、リチウムイオン伝 導率の観点からはアルジロダイト型結晶相であることがより好ましい。
リチウムイオン伝導率に優れる硫化物系固体電解質としては、Li-P-S-Haの元素を有する硫化物系固体電解質が好ましく、結晶相を有することがより好ましい。また、かかるハロゲン元素は、ハロゲン元素が塩化リチウム、臭化リチウムおよびヨウ化リチウムからなる群から選ばれる1以上に由来することが好ましい。
硫化物系固体電解質のリチウムイオン伝導率は、リチウムイオン二次電池に用いた際に電池特性を良好にする観点からは、1.0×10-4S/cm以上が好ましく、5.0×10-4S/cm以上がより好ましく、1.0×10-3S/cm以上がさらに好ましく、5.0×10-3S/cm以上が特に好ましい。上記リチウムイオン伝導率は、交流インピーダンス測定装置(例えば、Bio-Logic Sciences Instruments社製、ポテンショスタット/ガルバノスタット VSP)を用い、測定条件を、測定周波数:100Hz~1MHz、測定電圧:100mV、測定温度:25℃として測定される。
得られた硫化物系固体電解質は、X線回折(XRD)測定による結晶構造の解析や、ICP発光分析測定、原子吸光測定およびイオンクロマトグラフィ測定等種々の方法を用いた元素組成の分析により同定できる。例えば、PとSはICP発光分析測定により、Liは原子吸光測定により、Haはイオンクロマトグラフィ測定により測定できる。
また、ラマンスペクトル測定を行うことにより、硫化物系固体電解質の組成の均質性を評価できる。具体的には、得られた硫化物系固体電解質から得られるサンプルについて、任意の2点以上でラマンスペクトル測定を行う。なお、評価の精度を高める観点から、測定点の数は8以上が好ましく、10以上がより好ましい。硫化物系固体電解質の組成の均質性を評価する際の好ましいラマンスペクトル測定の条件として、例えばスポット径3μm、測定点の数を10とすることが挙げられる。スポット径を3μmとすることで、ラマンスペクトル測定における分析領域が、硫化物系固体電解質の組成の均質性をミクロレベルで評価するのに適した大きさとなる。
各測定結果での、PS 3-等、硫化物系固体電解質の構造に由来するピーク波数(ピーク位置)のばらつきが小さいほど、硫化物系固体電解質の組成は均質であると考えられる。または、硫化物系固体電解質の構造に由来するピークの半値全幅のばらつきが小さいほど、硫化物系固体電解質の組成は均質であると考えられる。
得られる硫化物系固体電解質の組成にもよるが、硫化物系固体電解質の構造に由来するピークとして、P-S結合に由来するピークを確認することが好ましい。P-S結合に由来するピークの位置は組成系によって異なるが、典型的には、350cm-1~500cm-1の間に含まれる。以降、本明細書においてピーク位置のばらつきやピークの半値全幅のばらつきとは、P-S結合に由来するピークのうち、最も強度が強いピークについて確認されるものをいう。
ピーク位置のばらつきは次のように評価できる。すなわち、ラマンスペクトル測定により得られた測定点ごとのピーク位置の標準偏差を求め、(ピーク位置平均値)±(標準偏差)と記載した場合、標準偏差の値は、2cm-1以内が好ましく、より好ましくは1cm-1以内であり、さらに好ましくは0.5cm-1以内である。なお、ここでピーク位置とは、ピークトップの位置のことをいう。例えば、本製造方法により得られる硫化物系固体電解質について、スポット径3μm、測定点の数を10としてラマンスペクトル測定をした際に、前記測定点ごとの、350cm-1~500cm-1におけるP-S結合由来のピークのピーク位置の標準偏差は、2cm-1以内が好ましく、より好ましくは1cm-1以内であり、さらに好ましくは0.5cm-1以内である。
ピークの半値全幅のばらつきは次のように評価できる。すなわち、ラマンスペクトル測定により得られた測定点ごとのピークの半値全幅の標準偏差は、それぞれのピークの半値全幅をもとめ、その値の標準偏差を求める方法で算出される。これを(ピーク半値全幅平均値)±(標準偏差)と記載した場合、標準偏差の値は、2cm-1以内が好ましく、より好ましくは1.5cm-1以内である。なお、ピークの半値全幅とは、ラマンスペクトルを描いた際に、前記P-S結合由来のピークのピーク強度半分の値と、そのP-S結合由来のピークとが交わる幅のことをここでは指す。例えば、本製造方法により得られる硫化物系固体電解質について、スポット径3μm、測定点の数を10としてラマンスペクトル測定をした際に、前記測定点ごとの、350cm-1~500cm-1におけるP-S結合由来のピークの半値全幅の標準偏差は、2cm-1以内が好ましく、より好ましくは1.5cm-1以内である。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々 の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、及び改良等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、及び配置箇所等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
以上説明したように、本明細書には次の事項が開示されている。
[1]
炉体内に硫化物系固体電解質原料を供給し、前記硫化物系固体電解質原料を加熱溶融し、得られた融液を、加熱した流路を通じて前記炉体外に排出させて冷却を行う、硫化物系固体電解質の製造方法。
[2]
前記流路は絞り部を有する、上記[1]に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
[3]
前記絞り部の形状は、ノズル形状である、上記[2]に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
[4]
前記炉体と前記流路との間に断熱層を設ける、上記[1]~[3]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
[5]
前記流路の加熱温度は500℃以上である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
[6]
前記炉体内への硫化物系固体電解質原料の供給および前記融液の前記炉体外への排出は、連続的に行われる、上記[1]~[5]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
[7]
前記冷却は、双ロール法により行われる、上記[1]~[6]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
[8]
前記冷却は、ガスアトマイズ法により行われる、上記[1]~[6]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
[9]
硫化物系固体電解質原料を加熱溶融する炉体と、
前記加熱溶融により得られた融液を前記炉体外に排出させる流路とを有し、
前記流路は、前記流路を加熱する加熱部を備え、かつ
前記流路の下流方向終端部付近に前記融液を冷却する冷却部を備えてなる、
硫化物系固体電解質の製造装置。
[10]
前記流路は絞り部を有する、上記[9]に記載の硫化物系固体電解質の製造装置。
[11]
前記絞り部の形状は、ノズル形状である、上記[10]に記載の硫化物系固体電解質の製造装置。
[12]
前記炉体と前記流路との間に断熱層を設けてなる、上記[9]~[11]のいずれかに記載の硫化物系固体電解質の製造装置。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。例1~3が実施例であり、例4が比較例である。
例1
図2に示す製造装置1の仕様に準じて試験を行う。
原料として、LiS(Sigma社製、純度99.98%)、P(Sigma社製、純度99%)、LiCl(Sigma社製、純度99.99%)の各粉末をそれぞれ、1.9:0.5:1.6(mol比)になるように調合し、原料粉末を得る。
一方、内容容積約1Lのカーボン製のるつぼ(炉体10)を準備し、その周囲にヒーター(炉体の加熱部17)を配置する。るつぼ内部の露点が-60℃、酸素濃度100ppm未満となるように、窒素パージを行う。
るつぼ内の上部に定量フィーダー(アイシンナノテクノロジーズ製マイクロンフィーダー)を配置し、るつぼ内に上記原料粉末が供給されるように設定する。なお、定量フィーダーに取り付けられたホッパータンクも同様に窒素パージし、内部の露点が-60℃、酸素濃度100ppm未満となるように設定する。
続いて、上記ホッパータンク内に上記原料粉末を投入し、るつぼ内に上記原料粉末を500g供給する。供給後、るつぼ内部を昇温し、原料粉末を加熱溶融し、700℃の融液を得る。
融液を得た後、上記定量フィーダーを用いて、るつぼ内に上記原料粉末を0.1g/秒の割合で連続供給する。なおこの際、硫黄粉末を融液に対して5質量%となるように添加する。
一方、るつぼの底部に、周囲にヒーター(加熱部13)を備えたノズル形状の絞り部を有する流路(流路12)を設置し、流路の内部温度を600℃まで加熱する。
流路の加熱完了後、るつぼ内部から流路を介して上記融液を排出し(排出速度=0.1g/秒)、流路の終端部から130mm下方に設置した水冷冷却された双ロール(ロール142、144)で急冷し、硫化物系固体電解質を得る。
2kgの硫化物系固体電解質を得た時点で定量フィーダーを停止し、流路のヒーターの稼働も停止する。
ノズル形状の絞り部を有する流路の周囲には、融液のガス由来の固着物は確認できない。
例2
図3に示す製造装置2の仕様に準じて試験を行う。
各条件は例1と同様であるが、双ロールによる急冷に替え、ガスアトマイズ法を採用する。
るつぼ内部から流路を介して融液を排出する際に、ガス種類:窒素、ガス温度:20℃、ガス噴霧圧:0.9MPaの条件で融液を急冷固化・粉末化処理し、硫化物系固体電解質を得る。
2kgの硫化物系固体電解質を得た時点で定量フィーダーを停止し、流路のヒーターの稼働も停止する。
ノズル形状の絞り部を有する流路の周囲には、融液のガス由来の固着物は確認できない。
例3
図4に示す製造装置3の仕様に準じて試験を行う。
各条件は例1と同様であるが、るつぼの底部と流路との間に断熱層(断熱層18)を設けた。断熱層の材質としては、セラミックファイバーボードを用いる。また、断熱層はるつぼの底部のほぼ全体に配置し、その厚みを60mmとする。
2kgの硫化物系固体電解質を得た時点で定量フィーダーを停止し、流路のヒーターの稼働も停止する。
ノズル形状の絞り部を有する流路の周囲には、融液のガス由来の固着物は確認できない。
例4
図5に示す製造装置4の仕様に準じて試験を行う。
すなわち、各条件は例1と同様であるが、製造装置4は、るつぼ(炉体10)の底部に直接排出口を設け、排出口を加熱することなく、融液を双ロールに導入するものである。
2kgの硫化物系固体電解質を得た時点で定量フィーダーを停止する。
排出口の周囲には、融液のガス由来の固着物が確認される。
1,2,3,4 硫化物系固体電解質の製造装置
10 炉体
11 融液
12 流路
13 (流路の)加熱部
14 冷却部
142,144 ロール
15 ガスアトマイズ装置
17 (炉体の)加熱部
18 断熱層

Claims (12)

  1. 炉体内に硫化物系固体電解質原料を供給し、前記硫化物系固体電解質原料を加熱溶融し、得られた融液を、加熱した流路を通じて前記炉体外に排出させて冷却を行う、硫化物系固体電解質の製造方法。
  2. 前記流路は絞り部を有する、請求項1に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
  3. 前記絞り部の形状は、ノズル形状である、請求項2に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
  4. 前記炉体と前記流路との間に断熱層を設ける、請求項1または2に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
  5. 前記流路の加熱温度は500℃以上である、請求項1または2に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
  6. 前記炉体内への硫化物系固体電解質原料の供給および前記融液の前記炉体外への排出は、連続的に行われる、請求項1または2に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
  7. 前記冷却は、双ロール法により行われる、請求項1または2に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
  8. 前記冷却は、ガスアトマイズ法により行われる、請求項1または2に記載の硫化物系固体電解質の製造方法。
  9. 硫化物系固体電解質原料を加熱溶融する炉体と、
    前記加熱溶融により得られた融液を前記炉体外に排出させる流路とを有し、
    前記流路は、前記流路を加熱する加熱部を備え、かつ
    前記流路の下流方向終端部付近に前記融液を冷却する冷却部を備えてなる、
    硫化物系固体電解質の製造装置。
  10. 前記流路は絞り部を有する、請求項9に記載の硫化物系固体電解質の製造装置。
  11. 前記絞り部の形状は、ノズル形状である、請求項10に記載の硫化物系固体電解質の製造装置。
  12. 前記炉体と前記流路との間に断熱層を設けてなる、請求項9~11のいずれかに記載の硫化物系固体電解質の製造装置。
JP2022176672A 2022-11-02 2022-11-02 硫化物系固体電解質の製造方法および硫化物系固体電解質の製造装置 Active JP7416173B1 (ja)

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