JP7416142B2 - 電子時計、受信動作制御方法及びプログラム - Google Patents

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Description

この発明は、電子時計、受信動作制御方法及びプログラムに関する。
従来、測位衛星からの電波を受信して正確な日時情報を取得したり現在位置を取得したりすることのできる電子時計がある。この電子時計では、定期的に外部から日時情報を取得して正確な日時の計数を維持することができる。また、ユーザの入力操作に基づいて、所望のタイミングで日時を取得したり、現在位置や現在位置に応じたタイムゾーン及び夏時間実施ルールなどの地方時設定を取得、更新したりすることができる。
しかしながら、電子時計、特に、腕時計などの携帯可能な小型のものでは、操作の受付に係る構成の数や可能な操作内容に制限があり、ユーザ操作に基づいて多くの機能を行わせようとすると、操作内容が複雑化しやすいという問題がある。これに対し、所定の操作の継続時間に応じて測位衛星からの電波の受信時に、現在位置情報を含まず日時情報のみを取得する動作を行うか、日時情報と位置情報を併せて取得する動作を行うかを切り替えることのできる電子時計が開示されている(特許文献1)。
電子時計では、日時情報の取得が行われる場合に比較して現在位置情報を必要とする頻度が低いことが多いので、ユーザの利便性を考慮して、所定の操作の継続時間が所定の基準時間よりも短い場合に日時情報のみの取得動作が行われ、継続時間が当該基準時間より長くなった場合に位置情報を併せて取得するように切り替えられている。
特開2013-50341号公報
しかしながら、このような電子時計では、身につけるユーザの移動により短時間で受信条件が大きく変化することがあり、特に、測位動作のように必要な情報の取得に時間がかかる場合、ユーザに長時間の待機を強いたり、ユーザの移動の結果、受信環境が維持されずに受信に失敗したりして、ユーザの利便性を損なうという課題がある。
この発明の目的は、電波受信動作に係るユーザの利便性を向上させることのできる電子時計、受信動作制御方法及びプログラムを提供することにある。
測位衛星からの電波を受信する受信部と、
制御部と、
ユーザの操作を受け付ける操作受付部と、
を備え、
前記制御部は、
前記操作受付部が所定の入力操作を受け付けた場合、前記受信部に測位衛星の電波の捕捉動作を開始させ、
基準時間を超えても前記所定の入力操作が解除されなかった場合、捕捉中の測位衛星からの電波の数が測位に必要な3以上の第1の所定数に達すると前記測位衛星の電波の捕捉動作を終了する位置取得処理を実行し、
前記位置取得処理の開始後であって、前記操作受付部が前記所定の入力操作の受付を開始してから前記基準時間を経過する前に前記所定の入力操作が解除された場合、捕捉中の測位衛星からの電波の数が前記第1の所定数よりも小さい1に達する前記測位衛星の電波の捕捉動作を終了する日時取得処理を開始する
ことを特徴とする電子時計である。
本発明に従うと、電子時計において電波受信動作に係るユーザの利便性を向上させることができるという効果がある。
本発明の実施形態の電子時計を示すブロック図である。 押下継続時間に応じた衛星電波受信処理部の動作切替状態を説明する図である。 電子時計で実行される受信動作制御処理の制御手順を示すフローチャートである。 衛星電波受信処理部で実行される受信制御処理の制御手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の電子時計で実行される受信動作制御処理の制御手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の衛星電波受信処理部で実行される受信制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の電子時計1の機能構成を示すブロック図である。
この電子時計1(コンピュータ)は、マイコン40と、衛星電波受信処理部50及びアンテナA1と、操作受付部61と、表示部62と、報知動作部63と、ROM64と、電力供給部70などを備える。
マイコン40は、電子時計1の各種動作の制御を行う。マイコン40は、ホスト制御部41と、発振回路44と、分周回路45と、計時回路46などを備える。
ホスト制御部41は、ホストCPU411と、RAM412などを備えて各種演算処理やデータの記憶保持を行い、マイコン40による電子時計1の動作を統括制御する。ホストCPU411は、演算処理を行うプロセッサである。RAM412は、ホストCPU411に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する揮発性メモリである。RAM412には、書き換え更新可能な不揮発性メモリが含まれていても良い。
発振回路44は、所定の周波数信号を生成して分周回路45に出力する。発振回路44は、例えば、水晶発振子を備えて約16kHzや約32kHzなどの信号を生成する。水晶発振子はマイコン40に外付けされても良い。
分周回路45は、発振回路44から入力された所定の周波数信号を分周してホストCPU411や計時回路46などが用いる周波数信号に各々変換し、当該ホストCPU411や計時回路46などに出力する。
計時回路46は、分周回路45から入力される信号を計数して現在の日時(時刻)を計数保持する。計時回路46の計数する日時には、多少の誤差、例えば、一日当たり±0.5秒程度、がある。この計時回路46の計数する日時は、ホストCPU411からの命令に従って修正されることが可能となっている。
衛星電波受信処理部50は、受信部51と、モジュール制御部52と、記憶部53などを備え、日時情報(時刻情報)や位置情報を取得するための所定の処理動作を行う。受信部51は、測位衛星からの電波を捕捉、受信して、航法メッセージを復調する。モジュール制御部52は、受信部51により捕捉された測位衛星からの電波から得られる航法メッセージに基づき日時情報や各測位衛星の位置情報などを取得する。また、モジュール制御部52は、CPUやRAMなどを備え、取得された日時情報及び各測位衛星の位置情報を用いて自機の現在位置を算出する測位を行う。記憶部53は、受信動作に係る各種設定データやモジュール制御部52の動作に係る制御プログラムなどを記憶保持する。
衛星電波受信処理部50による測位に係る動作に要する電力(消費電流、負荷)及び測位動作が終了するまでの一回当たりの電力消費量は、日時の計数動作や表示部62による表示動作といった電子時計1における他の動作と比較して著しく大きい。
ROM64は、電子時計1の各種動作に係る設定データやプログラム641を格納する。プログラム641には、操作受付部61が受け付けている操作内容に応じて衛星電波受信処理部50の動作制御を行う受信動作制御プログラムが含まれる。ROM64は、マスクROMなどの書き換え更新ができないもの、フラッシュメモリなどの更新可能な不揮発性メモリ、又はこれら両方を有する。
操作受付部61は、外部(ユーザ)からの入力操作を受け付けて入力信号としてホストCPU411に出力する。操作受付部61は、外部からの入力操作を受け付ける構成として、一又は複数の押しボタンスイッチ611を有する。また、操作受付部61は、りゅうずやタッチパネルなどを有していても良い。
表示部62は、ホストCPU411の制御に応じて各種情報を表示する。表示部62は、計時回路46により計数されている日時に基づいて、少なくとも現在の時刻を表示可能である。表示部62としては、例えば、複数の指針(時針、分針及び秒針など)を備えていても良いし、あるいは、液晶画面などによるデジタル表示が可能な構成を備えていても良い。
報知動作部63は、ホストCPU411の制御に基づいて所定の報知動作を行う。報知動作部63としては、例えば、ビープ音を発生するビープ音発生部、発光動作を行う発光部やこれらの組み合わせなどが挙げられる。
電力供給部70は、マイコン40や衛星電波受信処理部50などの各部にバッテリ71から電力を供給する。バッテリ71は、電子時計1が備える発電部及び当該発電部の発電起電力により充電される二次電池を有していても良いし、あるいは、電子時計1に対してユーザが着脱可能なボタン型電池などであっても良い。発電部としては、例えば、太陽光発電部が挙げられる。ここでは、電子時計1の軽量化や小型化のために、軽量かつ小型なバッテリ71が用いられることが望ましい。
次に、本実施形態の電子時計1における受信動作制御方法である測位衛星からの電波受信動作について説明する。
電子時計1では、所定の押しボタンスイッチ611の押下状態(所定の入力操作)の継続時間が第1基準時間(例えば、1.5秒)以上、かつ第1基準時間より長い第2基準時間(例えば、3.0秒)未満の場合に日時の取得を行い、所定の押しボタンスイッチ611の押下継続時間が3.0秒以上の場合には、位置情報の取得を行う。
これらの各構成のうち、ホスト制御部41とモジュール制御部52とが本実施形態の電子時計1における制御部を構成する。
図2は、本実施形態の電子時計1において押下継続時間に応じた衛星電波受信処理部50の動作切替状態を説明する図である。
電子時計1では、押下継続時間が第1基準時間(1.5秒)以上となった場合に衛星電波受信処理部50が起動されて受信動作が開始される。このとき衛星電波受信処理部50では、初期設定の後にまず測位動作に必要な情報の受信動作(現在位置の取得に係る第1の動作)を開始する。そして、図2(a)に示すように、所定の押しボタンスイッチ611の押下操作が第2基準時間(3.0秒)以上となる前に解除された場合には、測位動作(現在位置の取得に係る第1の動作)を完了せず、日時だけ(現在位置を含まない日時情報)を取得した(第2の動作)段階で、現在位置を含まない当該日時に係る情報をホストCPU411に出力し、受信動作を終了する。
一方、図2(b)に示すように、押下継続時間が第2基準時間(3.0秒)以上となった場合には、衛星電波受信処理部50は、そのまま情報の取得を続けて測位動作を行い、測位結果に応じた位置情報をホストCPU411に出力する。
GPS(Global Positioning System)に係る測位衛星からの電波を受信して、送信されている信号を復号して必要な情報を取得する場合、日時情報は6秒ごとに送信される各サブフレームの先頭付近2ワード(1.2秒)に含まれる。よって、測位衛星からの電波を追尾し始めてから1.5秒程度、最大で6.0~7.5秒程度で位置情報を含まない日時情報が取得される。一方、現在位置情報を取得する場合に必要な各測位衛星の軌道情報は、順番に送信される5つのサブフレーム(合計30秒)の信号のうち2、3番目に含まれる。よって、位置情報の取得には、当該測位衛星の現在位置を特定するための日時情報(上述の先頭2ワード)を含めて、合計約12秒間、最大で30~42秒程度の受信が必要になる。
図3は、本実施形態の電子時計1で実行される受信動作制御処理のホスト制御部41による制御手順を示すフローチャートである。
この受信動作制御処理は、所定の押しボタンスイッチ611の押下継続時間が1.5秒以上となったタイミングで呼び出されて実行される。
受信動作制御処理が開始されると、ホスト制御部41(ホストCPU411)は、衛星電波受信処理部50を起動させる(ステップS101)。ホスト制御部41は、起動した衛星電波受信処理部50に対して測位命令を出力する(ステップS102;測位動作開始ステップ、測位動作開始手段)。ホスト制御部41は、起動命令と測位命令とを同時に行える場合には、同時に行うこととして良い。
ホスト制御部41は、所定の押しボタンスイッチ611の押下操作の開始から3秒以上が経過したか否かを判別する(ステップS103)。3秒以上経過したと判別された場合には(ステップS103で“YES”)、ホスト制御部41の処理は、ステップS106に移行する。
押下操作の開始から3秒以上経過していないと判別された場合には(ステップS103で“NO”)、ホスト制御部41は、押下操作が解除されたか否かを判別する(ステップS104)。解除されていないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、ホスト制御部41の処理は、ステップS103に戻る。
所定の押しボタンスイッチ611の押下操作が解除されたと判別された場合には(ステップS104で“YES”)、ホスト制御部41は、衛星電波受信処理部50に対して日時取得に変更する命令を出力する(ステップS105;動作変更ステップ、動作変更手段)。それから、ホスト制御部41の処理は、ステップS106に移行する。
ステップS103又はステップS105の処理からステップS106の処理に移行すると、ホスト制御部41は、衛星電波受信処理部50からの信号入力を待ち受けて、当該衛星電波受信処理部50から出力された結果を取得する(ステップS106)。ホスト制御部41は、取得結果に基づく処理、すなわち、計時回路46の計数する日時の修正や表示日時の変更などの処理を適宜行う。
ホスト制御部41は、衛星電波受信処理部50の動作を停止させる(ステップS107)。そして、ホスト制御部41は、受信動作制御処理を終了する。
図4は、衛星電波受信処理部50で実行される受信制御処理のモジュール制御部52による制御手順を示すフローチャートである。
この受信制御処理は、ホストCPU411の制御により衛星電波受信処理部50が起動された場合に、併せて開始される。
受信制御処理が開始されると、モジュール制御部52は、衛星電波受信処理部50の動作に係る初期設定を行う(ステップS201)。初期設定としては、受信動作に必要なプログラム、設定やデータの読み込みなどが含まれる。読み込まれるデータは、記憶部53のほか、ROM64に格納されていても良い。
モジュール制御部52は、受信部51を立ち上げて受信動作を開始する(ステップS202)。モジュール制御部52は、測位衛星からの電波の動作を開始する。また、捕捉対象とされる対象衛星数N(電波数)として「3」を設定する。高度を考慮する場合には「4」として良い。
モジュール制御部52は、捕捉動作の実行中であり、かつ新たに測位衛星からの電波が捕捉されたか否かを判別する(ステップS203)。既に捕捉動作が終了しているか、又は新たな測位衛星からの電波が捕捉されていないと判別された場合には(ステップS203で“NO”)、モジュール制御部52の処理は、ステップS205に移行する。
捕捉動作中であって新たな測位衛星からの電波が捕捉されたと判別された場合には(ステップS203で“YES”)、モジュール制御部52は、当該捕捉された測位衛星からの電波の追尾動作を開始する(ステップS204)。それから、モジュール制御部52の処理は、ステップS205に移行する。
ステップS205の処理に移行すると、モジュール制御部52は、日時取得への変更命令が取得されたか否かを判別する(ステップS205)。取得されていないと判別された場合には(ステップS205で“NO”)、モジュール制御部52の処理は、ステップS207に移行する。取得されたと判別された場合には(ステップS205で“YES”)、モジュール制御部52は、対象衛星数Nの値を「1」(所定の下限数)に変更する(減少させる)(ステップS206)。それから、モジュール制御部52の処理は、ステップS207に移行する。
ステップS207の処理に移行すると、モジュール制御部52は、現在捕捉されている測位衛星からの電波の数が対象衛星数N以上であるか否かを判別する(ステップS207)。対象衛星数N以上ではないと判別された場合には(ステップS207で“NO”)、モジュール制御部52の処理は、ステップS203に戻る。対象衛星数N以上であると判別された場合には(ステップS207で“YES”)、モジュール制御部52は、捕捉動作を終了する(ステップS208)。なお、同時に複数の測位衛星からの電波が捕捉された場合や、対象衛星数Nが「3」から「1」に変更された(減少した)場合などで、捕捉されている測位衛星からの電波の数が対象衛星数Nよりも多い場合には、モジュール制御部52は、所定の条件、例えば、受信強度の高い順などで対象衛星数Nと等しい数の測位衛星からの電波を選択して、残りの捕捉電波の追尾を中止することとして良い。
モジュール制御部52は、必要な情報が取得されたか否かを判別する(ステップS209)。取得されていないと判別された場合には(ステップS209で“NO”)、モジュール制御部52の処理は、ステップS203に戻る。取得されたと判別された場合には(ステップS209で“YES”)、必要に応じて演算処理、例えば、測位演算を行ってホスト制御部41から要求されている結果を取得する。モジュール制御部52は、得られた結果を適切なタイミング、例えば、毎正秒(秒桁未満の値が0のタイミング)でホスト制御部41に出力する(ステップS210)。
モジュール制御部52は、受信部51による受信動作を終了し(ステップS211)、受信制御処理を終了する。
なお、ここでは、日時情報の取得時に1機の測位衛星からの電波、現在位置に係る情報の取得時には3機の測位衛星からの電波が捕捉された時点で捕捉動作を終了することとしたが、捕捉衛星数が多い方が取得情報の精度が向上するので、所定の条件、例えば、捕捉動作の継続時間や電波受信強度の基準などに応じてこれ以上の測位衛星からの電波を捕捉することとしても良い。
以上のように、第1実施形態の電子時計1は、測位衛星からの電波を受信する受信部51と、ホスト制御部41及びモジュール制御部52を含む制御部と、ユーザの操作を受け付ける操作受付部61と、を備える。制御部は、操作受付部61が受け付けている所定の押しボタンスイッチ611の押下操作の継続時間が第1基準時間(1.5秒)以上となった場合には、受信部51により現在位置の取得に係る第1の動作を開始させ、継続時間が第1基準時間より長い第2基準時間(3.0秒)以上となる前に押下操作が終了した場合には、現在位置を含まない日時情報の取得に係る第2の動作を行うように受信部51の動作を変更させる。
このように、電波の受信動作を行うことが決まった場合に、まず、測位動作に係る受信動作を開始させ、測位が不要となった場合には、測位動作を完了せず日時情報のみを取得して受信を終了する。これにより、測位動作を行うことが確定する前から測位に係る動作が開始されるので、現在位置情報の取得が完了するまでの時間を短縮することができる。一方で、測位動作を行わないことになった場合でも、受信部51の起動動作や捕捉動作に要する時間を利用して又は捕捉動作の結果を生かして日時情報の取得動作に移行できるので、受信部51の電力消費や受信時間を不必要に大きく増大させない。また、特に、通常ユーザにストレスを感じさせない程度の第2基準時間は、1~2秒程度である第1基準時間の2倍程度であり、日時情報を取得するまでの時間が多少延びたとしても、測位動作と比較して十分に短い時間である。すなわち、この時間内で受信環境が大きく変化して日時情報の取得が困難となる可能性は十分に低い。したがって、電子時計1において電波受信動作に係るユーザの利便性を向上させることができる。
また、制御部は、受信部51の動作を日時のみの取得に係る動作に変更させる場合には、捕捉対象とする測位衛星の電波数を所定の下限数「1」に減少させ、捕捉されている電波数がこの下限数よりも多い場合には、所定の条件で下限数の電波を選択して現在位置を含まない日時情報の取得に係る動作を行う。
測位動作に応じた捕捉動作で既に2機以上の測位衛星からの電波が捕捉されている状況で日時情報の取得に変更された場合、捕捉されている電波のうち好ましいものをそのまま利用して日時情報の取得を行うことができるので、捕捉動作を無駄にせず、確実かつ安定して日時情報を取得することができる。
また、本実施形態の電子時計1の受信動作制御方法は、操作受付部61が受け付けている所定の押しボタンスイッチ611の押下操作の継続時間が第1基準時間以上となった場合には、受信部51により現在位置の取得に係る第1の動作を開始させる測位動作開始ステップ、継続時間が第1基準時間より長い第2基準時間以上となる前に所定の押しボタンスイッチ611の押下操作が終了した場合には、現在位置を含まない日時情報の取得に係る第2の動作を行うように受信部51の動作を変更させる動作変更ステップ、を含む。
このように、電波の受信動作を行うことが決まった場合に、まず、測位動作に係る受信動作を開始させ、測位が不要な場合には、測位動作を完了せずに日時情報のみを取得して受信を終了する。これにより、測位動作を行うことが確定する前から測位に係る動作が開始されるので、現在位置情報の取得が完了するまでの時間を短縮することができる。一方で、測位動作を行わないことになった場合でも、受信部51の起動動作や捕捉動作に要する時間を利用して又は捕捉動作を生かして日時情報の取得動作に移行できるので、受信部51の電力消費や受信時間を不必要に大きく増大させない。したがって、電子時計1において電波受信動作に係るユーザの利便性を向上させることができる。
また、受信動作の制御に係るプログラム641は、電子時計1のコンピュータを、操作受付部61が受け付けている所定の押しボタンスイッチ611の押下操作の継続時間が所定の第1基準時間以上となった場合には、受信部51により現在位置の取得に係る第1の動作を開始させる測位動作開始手段、継続時間が第1基準時間より長い第2基準時間以上となる前に押下操作が終了した場合には、現在位置を含まない日時情報の取得に係る第2の動作を行うように受信部51の動作を変更させる動作変更手段、として機能させる。
このように、受信動作制御をソフトウェア的に行うことで、ユーザ操作に応じた受信対象の切り替えを容易かつ適切に行い、特に、電波受信命令に係る入力操作の開始から測位の完了までの時間をより短縮することができる。これにより、従来よりも速やかかつより確実に現在位置情報を取得することが可能になり、ユーザの利便性を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に第2実施形態の電子時計1について説明する。
第2実施形態の電子時計1の機能構成は、第1実施形態の電子時計1と同一であり、同一の符号を用いることとして説明を省略する。
次に、第2実施形態の電子時計1における受信動作の制御について説明する。
図5は、第2実施形態の電子時計1で実行される受信動作制御処理のホスト制御部41による制御手順を示すフローチャートである。
この受信動作制御処理は、第1実施形態の電子時計1で実行される受信動作制御処理と比較して、ステップS105の処理がステップS105a、S105bの処理に置き換えられた点を除き同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して説明を省略する。
ステップS104の判別処理で“YES”に分岐すると、ホスト制御部41(ホストCPU411)は、衛星電波受信処理部50の動作、すなわち測位動作を途中で中断させて再起動させる(ステップS105a)。ホスト制御部41は、衛星電波受信処理部50に対して日時取得命令を送信する(ステップS105b)。それから、ホスト制御部41の処理は、ステップS106に移行する。
図6は、第2実施形態の電子時計1の衛星電波受信処理部50で実行される受信制御処理のモジュール制御部52による制御手順を示すフローチャートである。
この受信制御処理は、押下操作時間が1.5秒を経過してホスト制御部41により呼び出されて起動されたときに加えて、押下操作時間が3.0秒に達する前に押下操作が解除されて、ステップS105aの処理で再起動された場合にも呼び出される。
この受信制御処理は、第1実施形態の電子時計1の衛星電波受信処理部50で実行される受信制御処理と比較して、ステップS202の処理がステップS202a、S202bの処理に置き換えられ、また、ステップS205、S206の処理が削除されている。その他の処理については同一であり、同一の符号を用いることとして説明を省略する。
ステップS201の処理に続いて、モジュール制御部52は、ホスト制御部41から入力された取得対象の設定命令に従って取得対象を日時又は現在位置に設定し、すなわち、動作を現在位置の取得に係る第1の動作又は現在位置を含まない日時情報の取得に係る第2の動作のいずれかに定め、当該設定に応じて対象衛星数Nを「1」又は「3」に設定する(ステップS202a)。モジュール制御部52は、受信部51を起動させて受信動作を開始し、測位衛星からの電波の捕捉動作を開始する(ステップS202b)。
このとき、モジュール制御部52は、現在位置の取得に係る受信動作において測位衛星からの電波が捕捉された後に再起動された場合には、当該捕捉されていた電波(複数が捕捉されていた場合には、所定の条件で1つ以上を選択しても良い)に係る情報(測位衛星)を記憶保持して、優先的に再捕捉することができる。また、このとき、C/Aコードの位相なども再利用可能とすることができる。
更に、現在位置の取得に係る受信動作において既に受信された信号の位相(すなわち、各サブフレームの先頭の受信タイミング)が特定されている場合には、モジュール制御部52は、各サブフレームの先頭のタイミングに合わせて追尾動作に移行できるように初期動作や捕捉動作の時間を逆算して受信部51を起動させることができる。それから、モジュール制御部52の処理は、ステップS203に移行する。
ステップS203で“NO”に分岐した場合、及びステップS204の処理の次には、ステップS207の処理が実行される。
以上のように、第2実施形態の電子時計1では、制御部は、受信部51の動作を日時情報の取得に係る動作に変更させる場合には、受信部51を再起動させる。このような単純な処理により、ユーザの利便性を低下させずに測位動作の完了までの時間を縮めることができる。
また、制御部は、受信部51の動作を日時情報の取得に係る動作に変更させる場合には、当該変更の時点で捕捉されている電波を送信する測位衛星のうち少なくとも一つを記憶し、再起動後には、当該記憶された測位衛星からの電波を優先的に捕捉する。これにより、捕捉に要する時間を短縮し、容易かつより確実に測位衛星からの電波を捕捉して日時情報の取得を行うことができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、所定の押しボタンスイッチ611の押下継続時間を基準として説明したが、操作が継続されるものであればこれに限られない。例えば、りゅうずの回転操作の継続時間やタッチパネルの所定位置への接触時間などであっても良い。
また、上記実施の形態では、日時情報の取得に変更した際に、測位動作の開始時に捕捉された測位衛星からの電波を優先的に再捕捉することとしたが、このように優先的な捕捉動作を行わなくても良い。
また、上記実施の形態では、衛星電波受信処理部50の再起動時に適切なタイミングで追尾を開始できるように、モジュール制御部52が受信部51を起動させるタイミングを調整することができるとしたが、ホスト制御部41が適切なタイミングで衛星電波受信処理部50を再起動させることで、モジュール制御部52が受信部51の受信タイミングを制御しなくても当該受信部51が適切なタイミングで追尾動作を開始できるようにしても良い。
また、上記実施の形態では、GPS衛星からの電波受信の場合を例に挙げて説明したが、GLONASSなどの他の測位衛星からの電波受信を行って日時や現在位置に係る情報を取得する場合でも、同様の処理とすることができる。
また、以上の説明では、本発明に係るホスト制御部41(ホストCPU411)の処理動作に係る受信動作制御処理のプログラム641を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリやEEPROMなどの各種不揮発性メモリを有するROM64を例に挙げて説明したが、これに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDD(Hard Disk Drive)や、CD-ROMやDVDディスクなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した構成、制御内容や手順などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
[付記]
<請求項1>
測位衛星からの電波を受信する受信部と、
制御部と、
ユーザの操作を受け付ける操作受付部と、
を備え、
前記制御部は、
前記操作受付部が受け付けている所定の入力操作の継続時間が所定の第1基準時間以上となった場合には、前記受信部により現在位置の取得に係る第1の動作を開始させ、
前記継続時間が前記第1基準時間より長い第2基準時間以上となる前に前記所定の入力操作が終了した場合には、現在位置を含まない日時情報の取得に係る第2の動作を行うように前記受信部の動作を変更させる
ことを特徴とする電子時計。
<請求項2>
前記制御部は、前記受信部の動作を前記第2の動作に変更させる場合には、前記受信部を再起動させることを特徴とする請求項1記載の電子時計。
<請求項3>
前記制御部は、前記受信部の動作を前記第2の動作に変更させる場合には、当該変更の時点で捕捉されている電波を送信する測位衛星のうち少なくとも一つを記憶し、前記再起動後には、当該記憶された測位衛星からの電波を優先的に捕捉することを特徴とする請求項2記載の電子時計。
<請求項4>
前記制御部は、前記受信部の動作を前記第2の動作に変更させる場合には、捕捉対象とする測位衛星の電波数を所定の下限数に減少させ、捕捉されている電波数が前記下限数よりも多い場合には、所定の条件で前記下限数の電波を選択して現在位置を含まない日時情報の取得に係る動作を行うことを特徴とする請求項1記載の電子時計。
<請求項5>
測位衛星からの電波を受信する受信部と、ユーザの操作を受け付ける操作受付部と、を備える電子時計の受信動作制御方法であって、
前記操作受付部が受け付けている所定の入力操作の継続時間が所定の第1基準時間以上となった場合には、前記受信部により現在位置の取得に係る第1の動作を開始させる測位動作開始ステップ、
前記継続時間が前記第1基準時間より長い第2基準時間以上となる前に前記所定の入力操作が終了した場合には、現在位置を含まない日時情報の取得に係る第2の動作を行うように前記受信部の動作を変更させる動作変更ステップ、
を含むことを特徴とする受信動作制御方法。
<請求項6>
測位衛星からの電波を受信する受信部と、ユーザの操作を受け付ける操作受付部と、を備える電子時計のコンピュータを
前記操作受付部が受け付けている所定の入力操作の継続時間が所定の第1基準時間以上となった場合には、前記受信部により現在位置の取得に係る第1の動作を開始させる測位動作開始手段、
前記継続時間が前記第1基準時間より長い第2基準時間以上となる前に前記所定の入力操作が終了した場合には、現在位置を含まない日時情報の取得に係る第2の動作を行うように前記受信部の動作を変更させる動作変更手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
1 電子時計
40 マイコン
41 ホスト制御部
411 ホストCPU
412 RAM
44 発振回路
45 分周回路
46 計時回路
50 衛星電波受信処理部
51 受信部
52 モジュール制御部
53 記憶部
61 操作受付部
611 押しボタンスイッチ
62 表示部
63 報知動作部
64 ROM
641 プログラム
70 電力供給部
71 バッテリ
A1 アンテナ
N 対象衛星数

Claims (6)

  1. 測位衛星からの電波を受信する受信部と、
    制御部と、
    ユーザの操作を受け付ける操作受付部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記操作受付部が所定の入力操作を受け付けた場合、前記受信部に測位衛星の電波の捕捉動作を開始させ、
    基準時間を超えても前記所定の入力操作が解除されなかった場合、捕捉中の測位衛星からの電波の数が測位に必要な3以上の第1の所定数に達すると前記測位衛星の電波の捕捉動作を終了する位置取得処理を実行し、
    前記位置取得処理の開始後であって、前記操作受付部が前記所定の入力操作の受付を開始してから前記基準時間を経過する前に前記所定の入力操作が解除された場合、捕捉中の測位衛星からの電波の数が前記第1の所定数よりも小さい1に達する前記測位衛星の電波の捕捉動作を終了する日時取得処理を開始する
    ことを特徴とする電子時計。
  2. 前記制御部は、前記基準時間を経過する前に前記所定の入力操作が解除された場合、捕捉中の測位衛星から受信した電波から得られる航法メッセージに基づき、日時情報を取得する、
    ことを特徴とする請求項1記載の電子時計。
  3. 前記制御部は、前記所定の入力操作が基準時間を超えるまで解除されなかった場合、捕捉中の測位衛星から受信した電波から得られる航法メッセージに基づき、位置情報を取得する、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の電子時計。
  4. 前記制御部は、前記操作受付部が前記所定の入力操作を受け付けた場合、捕捉中の測位衛星からの電波の数の計数を開始する、
    ことを特徴とする請求項1~の何れか一項記載の電子時計。
  5. 測位衛星からの電波を受信する受信部と、ユーザの操作を受け付ける操作受付部と、を備える電子時計の受信動作制御方法であって、
    前記操作受付部が所定の入力操作を受け付けた場合、前記受信部によって測位衛星の電波の捕捉動作を開始し、
    基準時間を超えても前記所定の入力操作が解除されなかった場合、捕捉中の測位衛星からの電波の数が測位に必要な3以上の第1の所定数に達すると前記測位衛星の電波の捕捉動作を終了する位置取得処理を実行し、
    前記位置取得処理の開始後であって、前記操作受付部が前記所定の入力操作の受付を開始してから前記基準時間を経過する前に前記所定の入力操作が解除された場合、捕捉中の測位衛星からの電波の数が前記第1の所定数よりも小さい1に達する前記測位衛星の電波の捕捉動作を終了する日時取得処理を開始する
    ことを特徴とする受信動作制御方法。
  6. 測位衛星からの電波を受信する受信部と、ユーザの操作を受け付ける操作受付部と、を備える電子時計のコンピュータを
    前記操作受付部が所定の入力操作を受け付けた場合、前記受信部によって測位衛星の電波の捕捉動作を開始させ、
    基準時間を超えても前記所定の入力操作が解除されなかった場合、捕捉中の測位衛星からの電波の数が測位に必要な3以上の第1の所定数に達すると前記測位衛星の電波の捕捉動作を終了する位置取得処理を実行させ、
    前記位置取得処理の開始後であって、前記操作受付部が前記所定の入力操作の受付を開始してから前記基準時間を経過する前に前記所定の入力操作が解除された場合、捕捉中の測位衛星からの電波の数が前記第1の所定数よりも小さい1に達する前記測位衛星の電波の捕捉動作を終了する日時取得処理を開始させる、
    ように機能させることを特徴とするプログラム。
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