JP7415673B2 - 調光シートおよび調光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、調光フィルムを有する調光シートおよび調光装置に関する。
三次元的に拡がる網目状を有するポリマーネットワークと、ポリマーネットワークが有する空隙に位置する液晶分子とを含む調光層を有する調光フィルムが知られている。調光層では、調光層に印加される電圧の大きさに応じて、調光層の有するヘイズの値が、2値以上の複数の値の間で変わる。こうした調光層は、例えば、調光層と、調光層の厚さ方向において調光層を挟む2つの透明電極層と、各透明電極層の外側に位置する樹脂製の支持層(透明基材フィルム)とを備える調光フィルムの一部として用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特許第6477654号公報
大面積の調光フィルムは剛性が不十分であり、例えばガラス等のリジッドな透明基板に固定して機械的強度を付与することにより、窓ガラスや展示ウィンドウ,間仕切りなどに適用することが可能となる。透明基板として、樹脂(プラスチック)基板を用い、粘着層を介して調光フィルムと接合する場合、高温高湿条件下での使用(あるいは、それ以前の環境試験下で)にあたり、樹脂基板から生じるアウトガスに基づき、樹脂基板と粘着層の界面でのはがれや気泡が発生して、美観や視認性が損なわれることがある。
加えて、液晶材料からなる調光層は、酸,水分,紫外線などによって劣化が生じやすく、透明基材フィルム側からの入射光線に含まれる紫外線の照射量が多いと、調光層が劣化して美観や視認性が損なわれることもある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、調光フィルムを樹脂(プラスチック)基板に接合した調光シートとして使用する形態において、樹脂基板から生じるアウトガスおよび透明基材フィルム側からの紫外線入射に起因する美観や視認性の低下が抑制されて信頼性の向上した構成の調光シートを提供することを目的とする。
本発明による調光シートは、
リジッドな樹脂基板上に、透明粘着層を介して、印加電圧に応じて透過率を2段階以上に切り替え可能な調光フィルムを積層一体化してなる調光シートであって、
前記調光フィルムは、少なくとも透明電極が形成されたフレキシブルな透明基材フィルムを互いの透明電極側を対向して、液晶材料からなる調光層を挟持してなる可撓性を有する構成であり、
前記透明粘着層は、300nmから380nmの波長範囲における最大透過率が1%以下であり、且つ、前記樹脂基板に対する剥離強度が20N/25mm以上であることを特徴とする。
前記透明粘着層は、紫外線吸収剤を含むことを特徴とする。
前記透明粘着層は、複数の層からなる構成としても良い。
前記樹脂基板は、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、またはポリカーボネート樹脂とアクリル系樹脂の混合材料からなることを特徴とする。
前記調光層は、液晶分子がポリマー中に分散配置された高分子分散型液晶、または三次元の網目状に形成された樹脂からなるポリマーネットワークの内部に形成された空隙内に配置された液晶分子を有するポリマーネットワーク型液晶の何れかであることを特徴とする。
前記調光フィルムは、透明電極上に配向膜が形成されたフレキシブルな透明基材フィルムを互いの配向膜側を対向して、液晶材料からなる調光層を挟持してなる可撓性を有する構成であることを特徴とする。
上記の調光フィルムに電圧を印加する電源、および印加電圧を変調する駆動制御回路を備えてなる調光装置として使用される。
本発明による調光シートでは、樹脂基板から生じるアウトガスに起因する調光フィルムの剥がれや、透明基材フィルム側からの紫外線入射に起因する調光層(液晶材料)の劣化に伴う美観や視認性の低下が抑制されて、高温高湿条件下での使用(あるいは、それ以前の環境試験下で)にあたっての信頼性および耐光性が向上する。
調光シートの構成を示す断面図。 調光フィルムを駆動するための接続端子(給電部)を示す断面図。 リバースモードの調光フィルムを示す断面図。 調光フィルムへの給電部の配置例を示す平面図。
以下、本発明の一実施形態について図面を適宜参照して説明する。図1は、本実施形態に係る調光シート10の構成を示す断面図である。ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質,形状,構造等が下記のものに特定されるものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
<調光シート>
調光シート10は、リジッドな樹脂基板30上に透明粘着層40を介して調光フィルム50を積層一体化してなる。
<調光フィルム>
調光フィルム50は、フレキシブルな透明基材フィルム55に透明電極56が形成された透明導電フィルム53を互いの透明電極56側を対向して、液晶材料からなる調光層52を挟持してなる可撓性を有する構成である。
本実施形態における調光層52では、偏光板を用いず光の利用効率の高い液晶表示素子として、液晶の透過状態(透明状態)と散乱状態(不透明状態)との間でスイッチングを行う液晶表示素子の採用が好適である。三次元の網目状に形成された樹脂からなるポリマーネットワークの内部に形成された空隙内に配置された液晶分子を有する構成のポリマーネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)、または、液晶分子がポリマー中に分散配置された構成の高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)を用いたものが代表的であり、以降はPNLCについて説明する。
PNLCからなる調光層を具備する調光フィルムの製造にあたっては、液晶と光重合性化合物(モノマー)との混合物を一対の透明電極基板の間に挟み、一定の条件下で紫外線を照射し、光重合によって光重合性化合物が高分子に変化すると共に、光重合および架橋結合により、微細なドメイン(高分子の空隙)を無数に有するポリマーネットワークが液晶中に形成する。
PNLCの駆動電圧は、一般にポリマーネットワークの構造上の特性(ドメインの大きさや形状,ポリマーネットワークの膜厚など)に依存しており、ポリマーネットワークの構造と、得られる光透過と散乱度との関係において、駆動電圧が決定されている。100V以下の電圧領域において、十分な光透過と散乱度とが得られるようなPNLCを構成するには、各ドメインがいずれも適正な大きさで均一となるように、かつ、形状も均一となるようにポリマーネットワークを形成する必要がある。本発明では、ポリマーネットワーク構造に依存するドメインサイズを3μm以下、好ましくは2μm以下、一層好ましくは約1μmとなる様に制御する。
図1に示すように、調光フィルム50は、PNLCからなる調光層52と透明導電フィルム53(a,b)とを備えている。透明導電フィルム53(a,b)は、調光層52(PNLC)を挟持しており、給電部(不図示)から調光層52(PNLC)に電圧を印加して、高ヘイズ(散乱状態),低ヘイズ(透過状態)を変化させる。
調光層52は、5μm~50μm(好適には10μm~25μm程度)の厚さでの製造が好ましい。透明導電フィルム53は、透明基材55上にITOやIZOや有機導電膜などの透明な導電材料からなる透明電極56を成膜してなる透明導電フィルム53を互いの透明電極56側を対向して調光層52を挟持する。透明電極56の好適な厚さは略80nm以上150nm以下である。尚、PNLCでは印加電圧に応じて、任意の中間調のヘイズ状態を表現することも可能である。
液晶素子からなる調光層52には、その使用態様により、ノーマルモードとリバースモードの二種が知られている。ノーマルモードとは、電圧印加(ON)により透過状態となり、電圧除去(OFF)により散乱状態となるモードを言う。また、リバースモードとは、電圧除去(OFF)により透過状態となり、電圧印加(ON)により散乱状態となるモードを言う。リバースモードの場合、図3に示す様に、透明基材フィルム55表面の透明電極56の上にさらに配向膜57が形成された透明導電フィルム53(a,b)を要することとなる。配向膜57は従来公知の配向膜であれば、水平配向膜,垂直配向膜のいずれが用いられていても良く、用途に応じて適宜選定することができる。
調光フィルム50は、通常時は低ヘイズ状態であり、異変発生時に高ヘイズ状態に切り替わるように透過率 が変調されるという使用形態が想定される。その場合、リバースモードの調光層が消費電力の低減の上で優位性を持つ。
透明導電フィルム53を構成する透明基材フィルム55には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム,ポリエチレン(PE)フィルム,ポリカーボネート(PC)フィルムなどを用いることができる。透明基材55の厚みは、約50~200μm程度が望ましい。
透明導電フィルム53を構成する透明電極56には、一般的にITOなどの金属酸化物が用いられるが、ITOに替えて低抵抗の導電性ポリマーを採用することも可能である。
導電性ポリマーとしては、PEDOT/PSSに例示されるπ共役系導電性高分子にドープされたポリアニオンを含む材料の採用が好適である。
ITO,IZO,有機導電膜からなる透明電極56は、ハンダに接着しないため、ハンダ付が可能となる様に、透明電極上に金属メッキ層(Niが代表的)を形成したり、導電性接着剤による厚膜層を形成したりするなどの中継的役割を担う端子処理が必要となる。
調光層52(PNLC)に電圧を印加するための給電部の形成手法の一例では、透明導電フィルム53(a,b)それぞれの端部において、透明基材フィルム55,透明電極56,(リバースモードの場合、配向膜も含めて),および調光層52が切り欠かれて露出させた透明電極56の表面に、接着強度を一層高める上で銀ペースト,カーボンテープ,銅テープがそれぞれ用いられて、接続端子(給電部)70が形成され、ハンダを経由した引回し配線により電源(不図示)に接続される。他方式の給電構造として、FPC(フレキシブルプリント基板)61とACF(異方性導電フィルム)62を用いて電気的に接続しつつ、機械的に接着することで配線を引き出す構造が採用されている(図2(b))。FPC61とACF62を用いた接続では、導電テープ上のはんだによる点状の接合構造から、面状の接合構造となり、調光ユニットの運搬時や取り付け作業時の揺れや衝撃に対して、接合の耐久性が向上している。図4に示す様に、一方の透明導電フィルム側に形成される給電部70(a)は、他方の透明導電フィルム側に形成された給電部70(b)とは重なり合わず離間した箇所に形成される。こうして透明導電フィルム53に付与された給電部70に、電源(不図示)および印加電圧を変調する駆動制御回路(不図示)から電圧が印加され、調光フィルム50の液晶駆動が行なわれる。
<樹脂基板>
調光フィルム50を支持固定して機械的強度を付与するリジッドな透明基板30として、本発明では樹脂(プラスチック)基板を用いる。樹脂基板としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、またはポリカーボネート樹脂とアクリル系樹脂の混合材料から選択される。以降は、ポリカーボネート樹脂製基板を採用する場合について説明する。
<透明粘着層>
リジッドな樹脂基板30上に調光フィルム50を接合する透明粘着層40は、300nmから380nmの波長範囲における最大透過率が1%以下であり、且つ、樹脂基板30に対する剥離強度が20N/25mm以上となる材料が選定される。
透明粘着層40には、一般的にOCA(光学透明性粘着材)と呼ばれるものを用いるが、アクリル系,シリコーン系,ウレタン系などのものがあり、用途に応じて選択する。透明粘着層40の厚みは10~30μmの範囲が好適であるが、目的に応じてこの限りではない。本発明では、透明粘着層40に紫外線カット機能を持たせて、樹脂基板30や透明基材フィルム55を通って入射する外光中の紫外線から調光層52を保護する機能を持たせる。そのため、透明粘着層40に紫外線吸収剤を添加することにより、紫外線カット機能を発揮させる。
ポリカーボネート樹脂製基板に透明粘着層40を介して調光フィルム50を接合してなる構成の調光シート10では、高温高湿条件下での使用(あるいは、環境試験下)で、ポリカーボネート樹脂製基板からアウトガスが生じて、樹脂基板と粘着層の界面での剥がれや気泡が発生して、美観や視認性が損なわれる。
紫外線吸収機能を高めるために透明粘着層40に紫外線吸収剤の添加量を多く(目安として10重量部を超える程度に)含有すると、粘着機能の低下を招き、樹脂基板と粘着層の界面での剥がれや気泡に起因する弊害が解消されない。それと共に、紫外線吸収剤の析出(ブリードアウト),しみ出し,べとつき,透明粘着層の不要な着色などの問題が生じる。また、適度な紫外線吸収剤の添加量の範囲で要求される紫外線吸収機能を確保しよう
とすると、粘着層自体が無駄に厚くなってしまい、コストアップおよび塗布形成の困難化(生産性の低下)を伴うと共に、調光シートの透光性の低下にも起因することとなる。
透明粘着層40に要求される紫外線吸収機能、およびポリカーボネート樹脂製基板との界面での粘着機能(剥離強度)の双方を確保する上で、双方の機能を分担した複層の透明粘着層40を積層した構成とすることも採用される。複層構成の透明粘着層40とする場合、調光フィルム50と接合する側には紫外線吸収機能を付加した透明粘着層40を、ポリカーボネート樹脂製基板側と接合する側には粘着機能を高めた透明粘着層40が、直接あるいは何らかの層を介して配置される。
透明粘着層40の一方の表面は調光フィルム50(透明導電フィルム53b側の透明基材フィルム55の表面)に接合し、他方の表面は樹脂基板30に接合する。何れの接合面においても、粘着力と紫外線吸収機能を両立するために、透明粘着層40に添加する紫外線吸収剤の添加量は粘着強度の指標として、JIS Z 0237(2009)で規定される剥離強度が20N/25mm以上となるように添加することが好ましい。
透明粘着層40に添加する紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系またはサリチル酸フェニル系の材料からなっていることが好ましく、具体的には、2,4-ジヒドロキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルフォベンゾフェノン、2(2’ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’-ヒドロキシ-3’,5’ジターシャルブチル)ベンゾトリアゾール、フェニルサリシレイト、p-オクチルフェニルサリシレイト、p-ターシャルブチルフェニルサリシレートからなる群より選ばれる1以上の化合物からなっていることが好ましい。
紫外線吸収剤は、300nmから380nmの波長範囲における最大透過率が1%以下となるような吸収波長領域を持つことが望ましい。紫外線吸収剤の添加量は、0.05~10重量部、望ましくは0.1~8重量部が適切である。0.05重量部未満では紫外線吸収量が小さいので添加した効果が小さい。10重量部を超えると紫外線吸収剤の析出(ブリードアウト),しみ出し,べとつき,フィルムの着色などの問題が生じる。
透明粘着層40を構成する粘着剤としては、天然ゴム、合成ゴムに代表されるゴム系粘着剤、エチルアクリレート、オクチルアクリレートに代表されるアクリル系粘着剤、メチルフェニルポリシロキサン樹脂、フェニルビニルシロキサン樹脂に代表されるシリコーン系粘着剤、酢酸ビニル、ラウリル酸ビニルに代表されるビニル系粘着剤などが好ましく用いられる。以降は、主にアクリル系粘着剤を用いる場合について説明する。
以下、実施例,比較例について説明する。実施例1~3,比較例1~3では、ノーマルモードの調光フィルム50をポリカーボネート樹脂製基板30上に透明粘着層40を介して積層一体化してなる構成の調光シート10に係るサンプルである。実施例4~6,比較例4~6では、リバースモードの調光フィルム50をポリカーボネート樹脂製基板30上に透明粘着層40を介して積層一体化してなる構成の調光シート10に係るサンプルである。透明粘着層40には、粘着層41(剥離強度=弱),強粘着層42(剥離強度=強),紫外線吸収性粘着層43(剥離強度=弱),紫外線吸収性強粘着層44(剥離強度=強)の組み合わせを選定した。
各サンプルの調光シート10は、以下に示す層構成である。
<実施例1,4>
調光フィルム50/紫外線吸収性強粘着層44/ポリカーボネート樹脂製基板30
<実施例2,5>
調光フィルム50/紫外線吸収性粘着層43/強粘着層42/ポリカーボネート樹脂製基板30
<実施例3,6>
調光フィルム50/紫外線吸収性粘着層43/基材/強粘着層42/ポリカーボネート樹脂製基板30
<比較例1,4>
調光フィルム50/紫外線吸収性粘着層43/ポリカーボネート樹脂製基板30
<比較例2,5>
調光フィルム50/強粘着層42/ポリカーボネート樹脂製基板30
<比較例3,6>
調光フィルム50/粘着層41/ポリカーボネート樹脂製基板30
粘着層のバインダー主成分には、下記2タイプのアクリル系共重合体を処方した。
<アクリル系共重合体1>
・アクリル酸ブチル:77重量部
・アクリル酸メチル:20重量部
・アクリル酸:3重量部
<アクリル系共重合体2>
・アクリル酸ブチル:97重量部
・アクリル酸メチル2-ヒドロキシエチル:3重量部
<実施例1>
紫外線吸収性強粘着層44として、以下のバインダー組成に紫外線吸収剤を適宜混合して塗液を調製した上で、ノーマルモードの調光フィルム50の一方の透明基材フィルム55の表面に塗布および乾燥して紫外線吸収性強粘着層44を形成した。
バインダー組成
・アクリル系共重合体1:100重量部
・イソシアネート系硬化剤:2重量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:7重量部
・光重合開始剤(α-ヒドロキシアルキルフェノン系材料):0.4重量部
紫外線吸収性強粘着層44を形成した調光フィルム50の紫外線吸収性強粘着層44側でポリカーボネート樹脂製基板30上に調光フィルム50を接合して、実施例1の調光シートサンプルを得た。
<実施例2>
紫外線吸収性粘着層43として、以下のバインダー組成に紫外線吸収剤を適宜混合して塗液を調製した上で、ノーマルモードの調光フィルム50の一方の透明基材フィルム55の表面に塗布および乾燥して紫外線吸収強粘着層43を形成した。
バインダー組成
・アクリル系共重合体2:100重量部
・イソシアネート系硬化剤:2重量部
強粘着層42として、以下のバインダー組成の塗液を調製した上で、紫外線吸収強粘着層43を形成したノーマルモードの調光フィルム50の紫外線吸収性粘着層43の表面に塗布および乾燥して強粘着層42を形成した。
バインダー組成
・アクリル系共重合体1:100重量部
・イソシアネート系硬化剤:2重量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:7重量部
・光重合開始剤(α-ヒドロキシアルキルフェノン系材料):0.4重量部
紫外線吸収性粘着層43,強粘着層42を形成した調光フィルム50の強粘着層42側でポリカーボネート樹脂製基板30上に調光フィルム50を接合して、実施例2の調光シートサンプルを得た。
<実施例3>
強粘着層42として、プラスチック基材用フィルムとして市販されているSH2-CLP(3M社製,ポリエステル基材/アクリル系感圧型粘着剤/剥離処理ポリエステルフィルムからなる構造)を用いた以外は実施例2と同様にして、実施例3の調光シートサンプルを得た。サンプルの作製手順としては、紫外線吸収性粘着層43を形成した調光フィルム50の紫外線吸収性粘着層43側でSH2-CLPのポリエステル基材を接合し、SH2-CLPのアクリル系感圧型粘着剤側でポリカーボネート樹脂製基板30と接合した。
<比較例1>
実施例1における紫外線吸収性強粘着層44に替わり、紫外線吸収性粘着層43として、以下のバインダー組成に紫外線吸収剤を適宜混合して塗液を調製した上で、ノーマルモードの調光フィルム50の一方の透明基材フィルム55の表面に塗布および乾燥して紫外線吸収性粘着層43を形成した以外は実施例1と全く同様にして、比較例1の調光シートサンプルを得た。
バインダー組成
・アクリル系共重合体2:100重量部
・イソシアネート系硬化剤:2重量部
<比較例2>
実施例1における紫外線吸収性強粘着層44に替わり、紫外線吸収剤を混合しない強粘着層42を採用した以外は実施例1と全く同様にして、比較例2の調光シートサンプルを得た。
<比較例3>
比較例1における紫外線吸収性粘着層43に替わり、紫外線吸収剤を混合しない粘着層41を採用した以外は比較例1と全く同様にして、比較例3の調光シートサンプルを得た。
<実施例4~6>
実施例1~3におけるノーマルモードの調光フィルム50をリバースモードの調光フィルム50に変更した以外は、実施例4,5,6の調光シートサンプルは実施例1,2,3の調光シートサンプルと全く同様である。
<比較例4~6>
比較例1~3におけるノーマルモードの調光フィルム50をリバースモードの調光フィルム50に変更した以外は、比較例4,5,6の調光シートサンプルは比較例1,2,3の調光シートサンプルと全く同様である。
実施例1~6,比較例1~6の各サンプルについて、耐光性,耐湿熱性の観点で以下の基準に従い評価した。その結果を表1に示す。表1には、各サンプルの300nmから380nmの波長範囲における最大透過率と、ポリカーボネート樹脂製基板30との接合面における透明粘着層40の剥離強度を、指標と合わせて記載している。
Figure 0007415673000001
<耐光性試験の評価基準>
(1)透過色相変化
スーパーUV試験(メタルハライドランプによる促進性のある耐候試験)にて、100時間照射(63℃,50%RH,照度65mW/cm)後のサンプルの色変化を判定。目視では、色変化が認められないものを「○」,色変化が認められたものを「×」と判定した。サンプルの試験前後における色彩測定により、色差:ΔE*abが10以下なら「○」,10より大きい場合は「×」判定した。
(2)調光機能
スーパーUV試験(メタルハライドランプによる促進性のある耐候試験)にて、100時間照射(63℃,50%RH,照度65mW/cm)後のサンプルの調光機能を判定。目視では、調光機能が良好なものを「○」,調光機能が劣悪なものを「×」と判定した。サンプルの試験前後における調光フィルム駆動により、印加電圧0V,印加電圧100Vの時のヘイズ変化状態による判定では、(試験後のヘイズ変化)/(試験前のヘイズ変化)が0.8以上のものを「○」,0.8未満のものを「×」判定した。
<耐湿熱性試験の評価基準>
60℃,90%RH,100時間の耐湿熱性試験後のサンプルの外観を判定。ポリカーボネート樹脂製基板30と透明粘着層40との界面でアウトガス発生による発泡が許容量とみなせる(全面積の10%未満)ものを「○」,発泡が確認される面積が全体の10%以上のものを「×」判定した。
紫外線吸収機能を持たない(低い)透明粘着層40によりポリカーボネート樹脂製基板30上に調光フィルム50を接合した構成の比較例2,3,5,6では、紫外域の光線透過率が高く、調光層52(液晶材料)の劣化が顕著であり、透過色相が極端に変化している。また、ポリカーボネート樹脂製基板30に接合する透明粘着層40の剥離強度が低い構成の比較例1,3,4,6では、耐湿熱性試験後のアウトガス発生に起因する剥がれ,発泡が目立ち、外観上の美観や視認性の低下に影響を及ぼしている。加速的な環境試験下での評価結果から、長期に渡る紫外線照射,高温高湿条件下での実用に対する耐光性,耐湿熱性が確保された信頼性の高い調光シートを提供する上では、調光フィルムを樹脂基板に接合する透明粘着層に高い紫外線吸収性,強い密着性が共に求められる。
10 調光シート
30 樹脂基板
40(41~44) 透明粘着層
50 調光フィルム
52 調光層
53(a,b) 透明導電フィルム
55(a,b) 透明基材
56(a,b) 透明電極
57 配向膜
61 FPC(フレキシブルプリント基板)
62 ACF(異方性導電フィルム)
70 給電部

Claims (5)

  1. リジッドな樹脂基板上に、透明粘着層を介して、印加電圧に応じて透過率を2段階以上に切り替え可能な調光フィルムを積層一体化してなる調光シートであって、
    前記調光フィルムは、少なくとも透明電極が形成されたフレキシブルな透明基材フィルムを互いの透明電極側を対向して、液晶材料からなる調光層を挟持してなる可撓性を有する構成であり、
    前記透明粘着層は、300nmから380nmの波長範囲における最大透過率が1%以下であり、且つ、前記樹脂基板に対する剥離強度が20N/25mm以上であり、
    前記調光フィルムに接して紫外線吸収剤を含有する第一透明粘着層と、
    前記樹脂基材に接して紫外線吸収剤を含有しない第二透明粘着層であって、前記第一透明粘着層と前記樹脂基材とに挟まれた、前記第一透明粘着層よりも強い剥離強度を有する前記第二透明粘着層と、を備える
    ことを特徴とする調光シート。
  2. 前記樹脂基板は、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、またはポリカーボネート樹脂とアクリル系樹脂の混合材料からなる
    請求項1に記載の調光シート。
  3. 前記調光層は、液晶分子がポリマー中に分散配置された高分子分散型液晶、または三次元の網目状に形成された樹脂からなるポリマーネットワークの内部に形成された空隙内に配置された液晶分子を有するポリマーネットワーク型液晶の何れかである
    請求項1または2に記載の調光シート。
  4. 前記調光フィルムは、透明電極上に配向膜が形成されたフレキシブルな透明基材フィルムを互いの配向膜側を対向して、液晶材料からなる調光層を挟持してなる可撓性を有する構成である
    請求項1~の何れかに記載の調光シート。
  5. 請求項1~の何れかに記載の前記調光フィルムに電圧を印加する電源、および印加電圧を変調する駆動制御回路を備えてなる調光装置。
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