JP7414156B2 - 顕微鏡対物レンズ、顕微鏡光学系、および顕微鏡装置 - Google Patents

顕微鏡対物レンズ、顕微鏡光学系、および顕微鏡装置 Download PDF

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Description

本発明は、顕微鏡対物レンズ、顕微鏡光学系、および顕微鏡装置に関する。
近年、倍率が高くて開口数が大きい顕微鏡用の対物レンズが種々提案されている(例えば、特許文献1を参照)。このような対物レンズでは、倍率色収差をはじめとする諸収差を良好に補正することが求められている。
特開2016-206387号公報
本発明に係る顕微鏡対物レンズは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、像側に凹面を向けた第3レンズ群と、物体側に凹面を向けた第4レンズ群とからなり、前記第1レンズ群は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に平面を向けた平凸形状の正レンズと、負レンズとからなり、前記第4レンズ群は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた負レンズと、正レンズとからなり、前記第3レンズ群および前記第4レンズ群が、一体的に光軸に沿って移動することで、前記第1レンズ群の物体側に設置されたカバーガラスの光軸方向の厚さに応じて、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が可変となる構成であり、以下の条件式を満足する。
1.8<H1/H2<3.5
1.3<DLe/H2<3.5
但し、H1:光軸上の物体から発せられる光線のうち、前記第2レンズ群において最も光軸から離れた光線と光軸との間の距離
H2:光軸上の物体から発せられる光線のうち、前記顕微鏡対物レンズにおいて最も像側に配置された最終レンズの像側のレンズ面における最も光軸から離れた光線と光軸との間の距離
DLe:前記最終レンズの光軸上の長さ
本発明に係る顕微鏡光学系は、上述の顕微鏡対物レンズと、前記顕微鏡対物レンズからの光を集光する第2対物レンズとを備える。
本発明に係る顕微鏡装置は、上述の顕微鏡対物レンズを備える。
第1実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す断面図である。 第1実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸収差図である。 第1実施例に係る顕微鏡対物レンズの色収差図である。 第1実施例に係る顕微鏡対物レンズのコマ収差図である。 第2実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す断面図である。 第2実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸収差図である。 第2実施例に係る顕微鏡対物レンズの色収差図である。 第2実施例に係る顕微鏡対物レンズのコマ収差図である。 第3実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す断面図である。 第3実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸収差図である。 第3実施例に係る顕微鏡対物レンズの色収差図である。 第3実施例に係る顕微鏡対物レンズのコマ収差図である。 第4実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す断面図である。 第4実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸収差図である。 第4実施例に係る顕微鏡対物レンズの色収差図である。 第4実施例に係る顕微鏡対物レンズのコマ収差図である。 第2対物レンズの構成を示す断面図である。 顕微鏡装置の一例である共焦点蛍光顕微鏡を示す概略構成図である。
以下、本発明に係る好ましい実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る顕微鏡対物レンズを備えた顕微鏡光学系および共焦点蛍光顕微鏡(顕微鏡装置)を図18に基づいて説明する。図18に示すように、共焦点蛍光顕微鏡1は、ステージ10と、光源20と、照明光学系30と、顕微鏡光学系40と、検出部50とを有して構成される。以降の説明において、共焦点蛍光顕微鏡1の顕微鏡対物レンズの光軸方向に延びる座標軸をz軸とする。また、このz軸と垂直な面内において互いに直交する方向に延びる座標軸をそれぞれx軸およびy軸とする。
ステージ10上には、例えば、スライドガラス(図示せず)とカバーガラス(図示せず)との間に保持された試料SAが載置される。また、ステージ10上には、浸液とともに試料容器(図示せず)に収容された試料SAが載置されてもよい。試料SAは、蛍光色素などの蛍光物質を含む。試料SAは、例えば、予め蛍光染色された細胞等である。ステージ10の近傍に、ステージ駆動部11が設けられる。ステージ駆動部11は、ステージ10をz軸に沿って移動させる。
光源20は、所定の波長帯の励起光を発生させる。光源20として、例えば、所定の波長帯のレーザー光(励起光)を出射させることが可能なレーザー光源等が用いられる。所定の波長帯は、蛍光物質を含む試料SAを励起させることが可能な波長帯に設定される。光源20から出射した励起光は、照明光学系30に入射する。
照明光学系30は、光源20から出射した励起光によって、ステージ10上の試料SAを照明する。照明光学系30は、光源20側から試料SA側へ向かう順に、コリメータレンズ31と、ビームスプリッタ33と、スキャナ34とを備える。また、照明光学系30は、顕微鏡光学系40の顕微鏡対物レンズOLを含む。コリメータレンズ31は、光源20から出射した励起光を平行光にする。
ビームスプリッタ33は、光源20からの励起光が反射し、かつ試料SAからの蛍光が透過する特性を有する。ビームスプリッタ33は、光源20からの励起光をステージ10上の試料SAに向けて反射させる。ビームスプリッタ33は、試料SAで発生した蛍光を検出部50に向けて透過させる。ビームスプリッタ33とコリメータレンズ31との間に、光源20からの励起光を透過させる励起フィルター32が配設される。ビームスプリッタ33と顕微鏡光学系40の第2対物レンズILとの間に、試料SAからの蛍光を透過させる蛍光フィルター35が配設される。
スキャナ34は、x方向とy方向との2方向において、光源20からの励起光で試料SAを走査する。スキャナ34として、例えば、ガルバノスキャナや、レゾナントスキャナ等が用いられる。
顕微鏡光学系40は、試料SAで発生した蛍光を集光する。顕微鏡光学系40は、試料SA側から検出部50側へ向かう順に、顕微鏡対物レンズOLと、第2対物レンズILとを備える。また、顕微鏡光学系40は、顕微鏡対物レンズOLと第2対物レンズILとの間に配置された、スキャナ34と、ビームスプリッタ33とを含む。顕微鏡対物レンズOLは、試料SAが載置されるステージ10の上方に対向して配置される。顕微鏡対物レンズOLは、光源20からの励起光を集光してステージ10上の試料SAに照射する。また、顕微鏡対物レンズOLは、試料SAで発生した蛍光を受光して平行光にする。第2対物レンズILは、顕微鏡対物レンズOLからの蛍光(平行光)を集光する。
検出部50は、顕微鏡光学系40を介して、試料SAで発生した蛍光を検出する。検出部50として、例えば、光電子増倍管が用いられる。顕微鏡光学系40と検出部50との間に、ピンホール45が設けられる。ピンホール45は、顕微鏡対物レンズOLの試料SA側の焦点位置と共役な位置に配置される。ピンホール45は、顕微鏡対物レンズOLの焦点面(顕微鏡対物レンズOLの焦点位置を通る顕微鏡対物レンズOLの光軸と垂直な面)または、当該焦点面から所定のずれ許容範囲内で光軸方向にずれた面からの光のみを通過させ、他の光を遮光する。
以上のように構成される共焦点蛍光顕微鏡1において、光源20から出射した励起光は、コリメータレンズ31を透過して平行光となる。コリメータレンズ31を透過した励起光は、励起フィルター32を通ってビームスプリッタ33に入射する。ビームスプリッタ33に入射した励起光は、当該ビームスプリッタ33で反射してスキャナ34に入射する。スキャナ34は、x方向とy方向との2方向において、スキャナ34に入射した励起光で試料SAを走査する。スキャナ34に入射した励起光は、スキャナ34を通って顕微鏡対物レンズOLを透過し、顕微鏡対物レンズOLの焦点面に集光される。試料SAにおいて励起光が集光される部分(すなわち、顕微鏡対物レンズOLの焦点面と重なる部分)は、スキャナ34によりx方向とy方向との2方向において2次元的に走査される。これにより、照明光学系30は、光源20から出射した励起光によって、ステージ10上の試料SAを照明する。
励起光の照射によって、試料SAに含まれる蛍光物質が励起されて蛍光が出射する。試料SAからの蛍光は、顕微鏡対物レンズOLを透過して平行光となる。顕微鏡対物レンズOLを透過した蛍光は、スキャナ34を通ってビームスプリッタ33に入射する。ビームスプリッタ33に入射した蛍光は、当該ビームスプリッタ33を透過して蛍光フィルター35に達する。蛍光フィルター35に達した蛍光は、蛍光フィルター35を通って第2対物レンズILを透過し、顕微鏡対物レンズOLの焦点位置と共役な位置に集光される。顕微鏡対物レンズOLの焦点位置と共役な位置に集光された蛍光は、ピンホール45を通過して検出部50に入射する。
検出部50は、検出部50に入射した光(蛍光)の光電変換を行い、光の検出信号として、その光の光量(明るさ)に対応するデータを生成する。検出部50は、生成したデータを不図示の制御部へ出力する。なお、制御部は、検出部50から入力されたデータを1画素分のデータとして、これをスキャナ34による2次元的な走査と同期して並べる処理を行うことで、複数画素分のデータが2次元で(2方向で)並ぶ1つの画像データを生成する。このようにして、制御部は、試料SAの画像を取得することが可能である。
本実施形態に係る顕微鏡装置の一例として、共焦点蛍光顕微鏡1について説明したが、これに限られるものではない。例えば、本実施形態に係る顕微鏡装置は、共焦点顕微鏡や、多光子励起顕微鏡等であってもよい。また、共焦点蛍光顕微鏡1は、正立顕微鏡であってもよく、倒立顕微鏡であってもよい。
次に、本実施形態に係る顕微鏡対物レンズについて説明する。本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLの一例として、図1に示す顕微鏡対物レンズOL(1)は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、像面側に凹面を向けた第3レンズ群G3と、物体側に凹面を向けた第4レンズ群G4とから構成される。第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に平面を向けた平凸形状の正レンズ(L101)と、負レンズ(L102)とから構成される。なお、第1レンズ群G1の正レンズ(L101)と負レンズ(L102)とは、接合されることが望ましい。また、図1等において、物体OBは物体面を示す。
上記構成の下、本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLは、以下の条件式(1)および条件式(2)を満足する。
1.8<H1/H2<3.5 ・・・(1)
1.3<DLe/H2<3.5 ・・・(2)
但し、H1:光軸上の物体OBから発せられる光線のうち、第2レンズ群G2において最も光軸から離れた光線と光軸との間の距離
H2:光軸上の物体OBから発せられる光線のうち、顕微鏡対物レンズOLにおいて最も像側に配置された最終レンズLeの像側のレンズ面における最も光軸から離れた光線と光軸との間の距離
DLe:最終レンズLeの光軸上の長さ
本実施形態によれば、倍率色収差をはじめとする諸収差が良好に補正された顕微鏡対物レンズ、並びにこの顕微鏡対物レンズを備えた顕微鏡光学系および顕微鏡装置を得ることが可能になる。本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLは、図5に示す光学系OL(2)でも良く、図9に示す光学系OL(3)でも良く、図13に示す光学系OL(4)でも良い。
条件式(1)は、光軸上の物体OBから発せられる光線のうち、第2レンズ群G2において最も光軸から離れた光線と光軸との間の距離と、光軸上の物体OBから発せられる光線のうち、最終レンズLeの像側のレンズ面における最も光軸から離れた光線と光軸との間の距離との適切な関係を規定するものである。条件式(1)を満足することで、倍率が高くて開口数が大きい顕微鏡対物レンズにおいて、球面収差を良好に補正することができる。
条件式(1)の対応値が上限値を上回ると、倍率を高くして開口数を大きくしつつ、球面収差を補正することが困難になる。条件式(1)の上限値を、3.45、3.4、3.25、3.0、2.75、2.5、さらに2.3に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(1)の対応値が下限値を下回っても、倍率を高くして開口数を大きくしつつ、球面収差を補正することが困難になる。条件式(1)の下限値を1.85、さらに1.9に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(2)は、最終レンズLeの光軸上の長さと、光軸上の物体OBから発せられる光線のうち、最終レンズLeの像側のレンズ面における最も光軸から離れた光線と光軸との間の距離との適切な関係を規定するものである。条件式(2)を満足することで、倍率色収差を良好に補正することができる。
条件式(2)の対応値が上限値を上回ると、最終レンズLeの光軸上の長さが大きすぎるため、コマ収差を補正することが困難になる。条件式(2)の上限値を、3.4、3.2、さらに3.17に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(2)の対応値が下限値を下回ると、最終レンズLeの光軸上の長さが小さいため、倍率色収差を補正することが困難になる。条件式(2)の下限値を、1.33、1.35、さらに1.37に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLにおいて、第4レンズ群G4は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた負レンズL401と、正レンズL402とからなり、最終レンズLeは、第4レンズ群G4の正レンズL402であることが望ましい。なお、第4レンズ群G4の負レンズL401と正レンズL402とは、接合されることが望ましい。第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正レンズL301と、像側に凹面を向けた負レンズL302とからなることが望ましい。第3レンズ群G3の正レンズL301と負レンズL302とは、接合されることが望ましい。
本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLは、以下の条件式(3)および条件式(4)を満足することが望ましい。
20<νdLe<30 ・・・(3)
0<-0.0035×(νdLe-20)+0.63-θgFLe
・・・(4)
但し、νdLe:最終レンズLeのアッベ数
θgFLe:最終レンズLeの部分分散比であり、最終レンズLeのg線に対する屈折率をngLeとし、最終レンズLeのF線に対する屈折率をnFLeとし、最終レンズLeのC線に対する屈折率をnCLeとしたとき、次式で定義される
θgFLe=(ngLe-nFLe)/(nFLe-nCLe)
条件式(3)は、最終レンズLeのアッベ数について、適切な範囲を規定するものである。条件式(3)を満足することで、倍率色収差を良好に補正することができる。
条件式(3)の対応値が上限値を上回ると、倍率色収差を補正することが困難になる。条件式(3)の上限値を、28.5、26.5、さらに25.5に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(3)の対応値が下限値を下回っても、倍率色収差を補正することが困難になる。条件式(3)の下限値を、21.5、23、さらに24に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(4)は、最終レンズLeのアッベ数と、最終レンズLeの部分分散比との適切な関係を規定するものである。条件式(4)を満足することで、倍率色収差を良好に補正することができる。条件式(4)の対応値が下限値を下回ると、倍率色収差を補正することが困難になる。
本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLは、以下の条件式(3-1)を満足してもよい。
20<νdLe<26 ・・・(3-1)
条件式(3-1)は、条件式(3)と同様の式であり、条件式(3)と同様の効果を得ることができる。条件式(3-1)の上限値を25.75、さらに25.5に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。条件式(3-1)の下限値を、21.5、23、さらに24に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLにおいて、第2レンズ群G2は、複数の正レンズを有し、第2レンズ群G2の複数の正レンズのうち、少なくとも1つの正レンズが以下の条件式(5)および条件式(6)を満足することが望ましい。
20<νdLp<40 ・・・(5)
0.55<θgFLp ・・・(6)
但し、νdLp:正レンズのアッベ数
θgFLp:正レンズの部分分散比であり、正レンズのg線に対する屈折率をngLpとし、正レンズのF線に対する屈折率をnFLpとし、正レンズのC線に対する屈折率をnCLpとしたとき、次式で定義される
θgFLp=(ngLp-nFLp)/(nFLp-nCLp)
条件式(5)は、第2レンズ群G2の正レンズのアッベ数について、適切な範囲を規定するものである。条件式(5)を満足することで、軸上色収差の2次スペクトルを良好に補正することができる。
条件式(5)の対応値が上限値を上回ると、軸上色収差の2次スペクトルを補正することが困難になる。条件式(5)の上限値を、38.5、37.5、35、32、さらに30に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(5)の対応値が下限値を下回っても、軸上色収差の2次スペクトルを補正することが困難になる。条件式(5)の下限値を20.5、さらに21に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(6)は、第2レンズ群G2の正レンズの部分分散比について、適切な範囲するものである。条件式(6)を満足することで、軸上色収差の2次スペクトルを良好に補正することができる。
条件式(6)の対応値が下限値を下回ると、軸上色収差の2次スペクトルを補正することが困難になる。条件式(6)の下限値を0.57、さらに0.60に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLにおいて、第2レンズ群G2の複数の正レンズのうち、少なくとも1つの正レンズが以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
0<fLp/f<45 ・・・(7)
但し、fLp:正レンズの焦点距離
f:顕微鏡対物レンズOLの焦点距離
条件式(7)は、第2レンズ群G2の正レンズの焦点距離と、顕微鏡対物レンズOLの焦点距離との適切な関係を規定するものである。条件式(7)を満足することで、軸上色収差の2次スペクトルを良好に補正することができる。
条件式(7)の対応値が上限値を上回ると、軸上色収差の2次スペクトルを補正することが困難になる。条件式(7)の上限値を、42.5、40、35、30、さらに25に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(7)の対応値が下限値を下回っても、軸上色収差の2次スペクトルを補正することが困難になる。条件式(7)の下限値を、5、7.5、10、さらに12に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLにおいて、第2レンズ群G2の複数の正レンズのうち、少なくとも1つの正レンズが以下の条件式(7-1)を満足してもよい。
12.5<fLp/f<45 ・・・(7-1)
条件式(7-1)は、条件式(7)と同様の条件式であり、条件式(7)と同様の効果を得ることができる。条件式(7-1)の上限値を、42.5、40、35、30、さらに25に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。条件式(7-1)の下限値を、13、13.5、14、14.5、さらに15に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLにおいて、第2レンズ群G2の正レンズは、第2レンズ群G2において最も光軸から離れた光線が通るレンズ面よりも像側に配置されることが望ましい。本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLにおいて、第2レンズ群G2の正レンズは、第2レンズ群G2の最も物体側に配置されてもよい。
本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLは、以下の条件式(8)を満足することが望ましい。
1.75<f1/f<2.5 ・・・(8)
但し、f1:第1レンズ群G1の焦点距離
f:顕微鏡対物レンズOLの焦点距離
条件式(8)は、第1レンズ群G1の焦点距離と、顕微鏡対物レンズOLの焦点距離との適切な関係を規定するものである。条件式(8)を満足することで、像面湾曲を良好に補正することができる。
条件式(8)の対応値が上限値を上回ると、像面湾曲を補正することが困難になる。条件式(8)の上限値を、2.45、2.35、2.25、さらに2.2に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(8)の対応値が下限値を下回っても、像面湾曲を補正することが困難になる。条件式(8)の下限値を1.76、さらに1.78に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLは、以下の条件式(9)を満足することが望ましい。
3<f2/f<7 ・・・(9)
但し、f2:第2レンズ群G2の焦点距離
f:顕微鏡対物レンズOLの焦点距離
条件式(9)は、第2レンズ群G2の焦点距離と、顕微鏡対物レンズOLの焦点距離との適切な関係を規定するものである。条件式(9)を満足することで、開口数が大きい顕微鏡対物レンズにおいて、球面収差、コマ収差、軸上色収差を良好に補正することができる。
条件式(9)の対応値が上限値を上回ると、開口数を大きくしつつ、球面収差、コマ収差、軸上色収差を補正することが困難になる。条件式(9)の上限値を、6.8、6.5、6.3、6、さらに5.85に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
条件式(9)の対応値が下限値を下回っても、開口数を大きくしつつ、球面収差、コマ収差、軸上色収差を補正することが困難になる。条件式(9)の下限値を、3.15、3.3、3.4、さらに3.5に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLは、以下の条件式(10)を満足することが望ましい。
f3/f<0 ・・・(10)
但し、f3:第3レンズ群G3の焦点距離
f:顕微鏡対物レンズOLの焦点距離
条件式(10)は、第3レンズ群G3の焦点距離と、顕微鏡対物レンズOLの焦点距離との適切な関係を規定するものである。条件式(10)を満足することで、開口数が大きい顕微鏡対物レンズにおいて、像面湾曲、コマ収差、非点収差を良好に補正することができる。
条件式(10)の対応値が上限値を上回ると、開口数を大きくしつつ、像面湾曲、コマ収差、非点収差を補正することが困難になる。条件式(10)の上限値を、-1、-5、-7.5、さらに-10に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLは、以下の条件式(11)を満足することが望ましい。
f4/f<0 ・・・(11)
但し、f4:第4レンズ群G4の焦点距離
f:顕微鏡対物レンズOLの焦点距離
条件式(11)は、第4レンズ群G4の焦点距離と、顕微鏡対物レンズOLの焦点距離との適切な関係を規定するものである。条件式(11)を満足することで、開口数が大きい顕微鏡対物レンズにおいて、像面湾曲、コマ収差、非点収差を良好に補正することができる。
条件式(11)の対応値が上限値を上回ると、開口数を大きくしつつ、像面湾曲、コマ収差、非点収差を補正することが困難になる。条件式(11)の上限値を、-1、-2.5、-5、-7.5、さらに-10に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。
本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLにおいて、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔を変化させることが可能であることが望ましい。カバーガラスCVの厚さに応じて第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔を変化させることで、カバーガラスCVの厚さに応じて変化する収差を補正することができる。
以下、本実施形態に係る顕微鏡対物レンズOLの実施例を図面に基づいて説明する。図1、図5、図9、図13は、第1~第4実施例に係る顕微鏡対物レンズOL{OL(1)~OL(4)}の構成を示す光路図である。これら図1、図5、図9、図13において、各レンズ群を符号Gと数字(もしくはアルファベット)の組み合わせにより、各レンズを符号Lと数字(もしくはアルファベット)の組み合わせにより、それぞれ表している。この場合において、符号、数字の種類および数が大きくなって煩雑化するのを防止するため、実施例毎にそれぞれ独立して符号と数字の組み合わせを用いてレンズ等を表している。このため、実施例間で同一の符号と数字の組み合わせが用いられていても、同一の構成であることを意味するものでは無い。
以下に表1~表4を示すが、この内、表1は第1実施例、表2は第2実施例、表3は第3実施例、表4は第4実施例における各諸元データを示す表である。各実施例では収差特性の算出対象として、d線(波長λ=587.6nm)、C線(波長λ=656.3nm)、F線(波長λ=486.1nm)を選んでいる。
[全体諸元]の表において、βは、顕微鏡対物レンズの倍率を示す。fは、顕微鏡対物レンズの焦点距離を示す。NAは、顕微鏡対物レンズの物体側開口数を示す。WDは、作動距離(ワーキングディスタンス)であり、(カバーガラスの厚さの分を除いた)物体から顕微鏡対物レンズにおける最も物体側のレンズ面(後述の第1面)までの光軸上の距離を示す。H1は、光軸上の物体から発せられる光線のうち、第2レンズ群において最も光軸から離れた光線と光軸との間の距離を示す。H2は、光軸上の物体から発せられる光線のうち、最終レンズの像側のレンズ面における最も光軸から離れた光線と光軸との間の距離を示す。νdLeは、最終レンズのアッベ数を示す。θgFLeは、最終レンズの部分分散比を示す。DLeは、最終レンズの光軸上の長さを示す。νdLpは、第2レンズ群の複数の正レンズのうち、少なくとも1つの正レンズのアッベ数を示す。θgFLpは、第2レンズ群の複数の正レンズのうち、少なくとも1つの正レンズの部分分散比を示す。fLpは、第2レンズ群の複数の正レンズのうち、少なくとも1つの正レンズの焦点距離を示す。
[レンズデータ]の表において、面番号は物体側からのレンズ面の順序を示し、Rは各面番号に対応する曲率半径(物体側に凸のレンズ面の場合を正の値としている)、Dは各面番号に対応する光軸上のレンズ厚もしくは空気間隔、ndは各面番号に対応する光学材料のd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率、νdは各面番号に対応する光学材料のd線を基準とするアッベ数、Hは各面番号に対応するレンズ面における最も光軸から離れた光線と光軸との間の距離、θgFは各面番号に対応する光学部材の材料の部分分散比をそれぞれ示す。曲率半径の「∞」は平面又は開口を示す。また、空気の屈折率nd=1.00000の記載は省略している。
光学部材の材料のg線(波長λ=435.8nm)に対する屈折率をngとし、光学部材の材料のF線(波長λ=486.1nm)に対する屈折率をnFとし、光学部材の材料のC線(波長λ=656.3nm)に対する屈折率をnCとする。このとき、光学部材の材料の部分分散比θgFは次式(A)で定義される。
θgF=(ng-nF)/(nF-nC) …(A)
[レンズ群データ]の表には、各レンズ群のそれぞれの始面(最も物体側の面)と焦点距離を示す。
以下、全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径R、面間隔D、その他の長さ等は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。
ここまでの表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での重複する説明は省略する。
(第1実施例)
第1実施例について、図1~図4および表1を用いて説明する。図1は、第1実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す光路図である。第1実施例に係る顕微鏡対物レンズOL(1)は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成される。第1実施例に係る顕微鏡対物レンズOL(1)の先端部と物体OBを覆うカバーガラスCVとの間は、浸液(オイル)で満たされている。カバーガラスCVと物体OBとの間も、浸液(オイル)で満たされている。なお、浸液のd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率は1.5148とする。カバーガラスCVのd線に対する屈折率は1.5244とする。
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に平面を向けた平凸形状の正レンズL101と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL102とが接合された接合レンズから構成される。
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL201と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL202と両凸形状の正レンズL203とが接合された接合レンズと、両凹形状の負レンズL204と両凸形状の正レンズL205が接合された接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL206と両凸形状の正レンズL207とが接合された接合レンズと、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL208と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL209と両凸形状の正レンズL210と両凹形状の負レンズL211とが接合された接合レンズと、から構成される。第2レンズ群G2の正レンズL205における像側のレンズ面は、光軸上の物体OBから発せられる光線のうち、第2レンズ群G2において最も光軸から離れた光線が通るレンズ面に該当する。第2レンズ群G2の正メニスカスレンズL208は、前述の条件式(5)~(7)等を満足する正レンズに該当する。
第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に、両凸形状の正レンズL301と両凹形状の負レンズL302とが接合された接合レンズから構成される。
第4レンズ群G4は、光軸に沿って物体側から順に、両凹形状の負レンズL401と両凸形状の正レンズL402とが接合された接合レンズから構成される。第4レンズ群G4の正レンズL402は、顕微鏡対物レンズOLにおいて最も像側に配置された最終レンズLeに該当する。
また、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4とを一体的に光軸に沿って移動させることで、カバーガラスCVの厚さに応じて第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔を変化させることができるように構成される。第3レンズ群G3および第4レンズ群G4は、光軸に沿って移動させることで所謂補正環として機能し、カバーガラスCVの厚さに応じて変化する収差を補正することができる。
なお、第2レンズ群G2における前述の条件式(5)~(7)等を満足する正メニスカスレンズL208よりも像側の各レンズ(すなわち、負メニスカスレンズL209と正レンズL210と負レンズL211とが接合された接合レンズ)と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とを一体的に光軸に沿って移動させることで、カバーガラスCVの厚さに応じて第2レンズ群G2における正メニスカスレンズL208と負メニスカスレンズL209との間隔を変化させることができるように構成されてもよい。この場合、第2レンズ群G2における正メニスカスレンズL208よりも像側の各レンズと、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とは、光軸に沿って移動させることで所謂補正環として機能し、カバーガラスCVの厚さに応じて変化する収差を補正することができる。
以下の表1に、第1実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸元の値を掲げる。なお、第1面は物体面(OB)である。
(表1)
[全体諸元]
β=60倍
f=3.34
NA=1.40 WD=0.15
H1=9.00 H2=4.67
νdLe=24.80 θgFLe=0.6122
DLe=8.08
νdLp=37.00 θgFLp=0.5862
fLp=70.17
[レンズデータ]
面番号 R D nd νd H θgF
1 ∞ 0.10 1.5148 40.31
2 ∞ 0.17 1.5244 54.28
3 ∞ 0.05 1.5148 40.31
4 ∞ 0.48 1.5182 58.90
5 -1.801 3.99 1.9538 32.33
6 -3.490 0.20
7 -238.272 2.85 1.5932 67.90 5.68
8 -15.393 0.20 6.32
9 78.562 1.00 1.6127 44.46 7.04
10 15.775 6.96 1.4388 94.94 7.53
11 -10.917 0.20 7.99
12 -33.640 1.75 1.6541 39.68 8.00
13 14.722 8.26 1.4339 95.25 8.54
14 -12.905 0.20 9.00
15 22.204 1.00 1.7880 47.37 8.78
16 9.945 5.51 1.5691 71.34 8.08
17 -89.209 0.20 8.02
18 -165.025 1.73 1.6129 37.00 7.96 0.5862
19 -34.254 0.20 7.88
20 15.433 1.00 1.6127 44.46 7.06
21 7.252 5.15 1.4388 94.94 6.09
22 -20.439 1.00 1.8160 46.62 5.82
23 18.433 0.20 5.44
24 7.922 5.85 1.8503 32.35
25 -10.069 3.31 1.8548 24.80
26 3.696 2.07
27 -4.379 2.35 1.9165 31.60
28 163.784 8.08 1.8548 24.80 2.99 0.6122
29 -9.674 ― 4.67
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 4 6.01
G2 7 12.07
G3 24 -631.75
G4 27 -55.56
図2は、第1実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸収差(球面収差、像面湾曲、および歪曲収差)を示す図である。図3は、第1実施例に係る顕微鏡対物レンズの倍率色収差(横色収差)を示す図である。図4は、第1実施例に係る顕微鏡対物レンズのコマ収差(メリジオナルコマ収差およびサジタルコマ収差)を示す図である。なお、各収差図は、顕微鏡対物レンズに第2対物レンズを組み合わせた状態での諸収差を示す。図2~図4の各収差図において、dはd線(波長λ=587.6nm)、CはC線(波長λ=656.3nm)、FはF線(波長λ=486.1nm)に対する諸収差をそれぞれ示す。球面収差図において、縦軸は入射瞳半径の最大値を1として規格化して示した値を示し、横軸は各光線における収差の値[mm]を示す。像面湾曲を示す収差図において、実線は各波長に対するメリジオナル像面を示し、破線は各波長に対するサジタル像面を示す。また、像面湾曲を示す収差図において、縦軸は像高[mm]を示し、横軸は収差の値[mm]を示す。歪曲収差図(ディストーション)において、縦軸は像高[mm]を示し、横軸は収差の割合を百分率(%値)で示す。倍率色収差を示す収差図において、縦軸は像高[mm]を示し、横軸は収差の値[mm]を示す。各コマ収差図は、像高比RFH(Relative Field Height)が0.00~1.00のときの収差の値を示す。なお、以下に示す各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用い、重複する説明は省略する。
各収差図より、第1実施例に係る顕微鏡対物レンズは、倍率色収差をはじめとする諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
(第2実施例)
第2実施例について、図5~図8および表2を用いて説明する。図5は、第2実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す光路図である。第2実施例に係る顕微鏡対物レンズOL(2)は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成される。第2実施例に係る顕微鏡対物レンズOL(2)の先端部と物体OBを覆うカバーガラスCVとの間は、浸液(オイル)で満たされている。カバーガラスCVと物体OBとの間も、浸液(オイル)で満たされている。なお、浸液のd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率は1.5148とする。カバーガラスCVのd線に対する屈折率は1.5244とする。
第2実施例において、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、および第3レンズ群G3は、第1実施例と同様に構成されるため、第1実施例の場合と同じ符号を付して、これらの各レンズの詳細な説明を省略する。本実施例において、第2レンズ群G2の正レンズL205における像側のレンズ面は、光軸上の物体OBから発せられる光線のうち、第2レンズ群G2において最も光軸から離れた光線が通るレンズ面に該当する。第2レンズ群G2の正メニスカスレンズL208は、前述の条件式(5)~(7)等を満足する正レンズに該当する。
第4レンズ群G4は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL401と物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL402とが接合された接合レンズから構成される。第4レンズ群G4の正メニスカスレンズL402は、顕微鏡対物レンズOLにおいて最も像側に配置された最終レンズLeに該当する。
また、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4とを一体的に光軸に沿って移動させることで、カバーガラスCVの厚さに応じて第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔を変化させることができるように構成される。第3レンズ群G3および第4レンズ群G4は、光軸に沿って移動させることで所謂補正環として機能し、カバーガラスCVの厚さに応じて変化する収差を補正することができる。
なお、第2レンズ群G2における前述の条件式(5)~(7)等を満足する正メニスカスレンズL208よりも像側の各レンズ(すなわち、負メニスカスレンズL209と正レンズL210と負レンズL211とが接合された接合レンズ)と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とを一体的に光軸に沿って移動させることで、カバーガラスCVの厚さに応じて第2レンズ群G2における正メニスカスレンズL208と負メニスカスレンズL209との間隔を変化させることができるように構成されてもよい。この場合、第2レンズ群G2における正メニスカスレンズL208よりも像側の各レンズと、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とは、光軸に沿って移動させることで所謂補正環として機能し、カバーガラスCVの厚さに応じて変化する収差を補正することができる。
以下の表2に、第2実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸元の値を掲げる。なお、第1面は物体面(OB)である。
(表2)
[全体諸元]
β=60倍
f=3.33
NA=1.42 WD=0.15
H1=9.06 H2=4.68
νdLe=25.15 θgFLe=0.6102
DLe=6.50
νdLp=27.35 θgFLp=0.6319
fLp=128.46
[レンズデータ]
面番号 R D nd νd H θgF
1 ∞ 0.10 1.5148 40.31
2 ∞ 0.17 1.5244 54.28
3 ∞ 0.05 1.5148 40.31
4 ∞ 0.48 1.5182 58.90
5 -1.801 3.98 1.9538 32.33
6 -3.490 0.20
7 -53.550 2.73 1.5932 67.90 5.54
8 -13.100 0.20 6.20
9 80.000 0.93 1.6127 44.46 7.04
10 17.298 6.84 1.4388 94.94 7.50
11 -11.149 0.20 8.02
12 -39.599 0.90 1.6541 39.68 8.09
13 15.062 8.64 1.4339 95.25 8.52
14 -12.884 0.20 9.06
15 21.270 0.90 1.7880 47.37 8.71
16 9.501 5.80 1.5691 71.34 7.95
17 -49.451 0.20 7.89
18 -63.109 1.30 1.6638 27.35 7.81 0.6319
19 -36.566 0.20 7.74
20 17.265 0.91 1.6127 44.46 7.00
21 7.928 4.77 1.4388 94.94 6.17
22 -18.436 0.92 1.8160 46.62 5.95
23 22.698 0.20 5.62
24 7.950 5.77 1.8503 32.35
25 -11.102 3.15 1.8548 24.80
26 3.629 3.11
27 -4.692 4.84 1.9165 31.60
28 -44.290 6.50 1.8545 25.15 3.45 0.6102
29 -10.482 ― 4.68
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 4 6.03
G2 7 12.12
G3 24 -131.43
G4 27 -61.23
図6は、第2実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸収差(球面収差、像面湾曲、および歪曲収差)を示す図である。図7は、第2実施例に係る顕微鏡対物レンズの倍率色収差(横色収差)を示す図である。図8は、第2実施例に係る顕微鏡対物レンズのコマ収差(メリジオナルコマ収差およびサジタルコマ収差)を示す図である。各収差図より、第2実施例に係る顕微鏡対物レンズは、倍率色収差をはじめとする諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
(第3実施例)
第3実施例について、図9~図12および表3を用いて説明する。図9は、第3実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す光路図である。第3実施例に係る顕微鏡対物レンズOL(3)は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成される。第3実施例に係る顕微鏡対物レンズOL(3)の先端部と物体OBを覆うカバーガラスCVとの間は、浸液(オイル)で満たされている。カバーガラスCVと物体OBとの間も、浸液(オイル)で満たされている。なお、浸液のd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率は1.5148とする。カバーガラスCVのd線に対する屈折率は1.5244とする。
第3実施例において、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3は、第1実施例と同様に構成されるため、第1実施例の場合と同じ符号を付して、これらの各レンズの詳細な説明を省略する。第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL201と、両凹形状の負レンズL202と両凸形状の正レンズL203とが接合された接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL204と両凸形状の正レンズL205が接合された接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL206と両凸形状の正レンズL207とが接合された接合レンズと、両凸形状の正レンズL208と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL209と両凸形状の正レンズL210と両凹形状の負レンズL211とが接合された接合レンズと、から構成される。第2レンズ群G2の正レンズL205における像側のレンズ面は、光軸上の物体OBから発せられる光線のうち、第2レンズ群G2において最も光軸から離れた光線が通るレンズ面に該当する。第2レンズ群G2の正レンズL208は、前述の条件式(5)~(7)等を満足する正レンズに該当する。
第4レンズ群G4は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL401と物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL402とが接合された接合レンズから構成される。第4レンズ群G4の正メニスカスレンズL402は、顕微鏡対物レンズOLにおいて最も像側に配置された最終レンズLeに該当する。
また、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4とを一体的に光軸に沿って移動させることで、カバーガラスCVの厚さに応じて第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔を変化させることができるように構成される。第3レンズ群G3および第4レンズ群G4は、光軸に沿って移動させることで所謂補正環として機能し、カバーガラスCVの厚さに応じて変化する収差を補正することができる。
なお、第2レンズ群G2における前述の条件式(5)~(7)等を満足する正レンズL208よりも像側の各レンズ(すなわち、負メニスカスレンズL209と正レンズL210と負レンズL211とが接合された接合レンズ)と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とを一体的に光軸に沿って移動させることで、カバーガラスCVの厚さに応じて第2レンズ群G2における正レンズL208と負メニスカスレンズL209との間隔を変化させることができるように構成されてもよい。この場合、第2レンズ群G2における正レンズL208よりも像側の各レンズと、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とは、光軸に沿って移動させることで所謂補正環として機能し、カバーガラスCVの厚さに応じて変化する収差を補正することができる。
以下の表3に、第3実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸元の値を掲げる。なお、第1面は物体面(OB)である。
(表3)
[全体諸元]
β=100倍
f=2.00
NA=1.45 WD=0.14
H1=9.16 H2=2.85
νdLe=24.80 θgFLe=0.6122
DLe=9.01
νdLp=27.79 θgFLp=0.6095
fLp=32.35
[レンズデータ]
面番号 R D nd νd H θgF
1 ∞ 0.10 1.5148 40.31
2 ∞ 0.17 1.5244 54.28
3 ∞ 0.04 1.5148 40.31
4 ∞ 0.60 1.5400 59.46
5 -2.353 2.79 1.9538 32.33
6 -2.884 0.20
7 -40.868 2.54 1.5924 68.37 4.94
8 -9.178 0.30 5.48
9 -37.924 0.96 1.6127 44.46 6.13
10 17.353 6.38 1.4343 94.77 7.05
11 -10.916 0.20 7.77
12 145.940 0.95 1.7205 34.71 8.66
13 21.720 6.73 1.4339 95.25 8.95
14 -12.641 0.20 9.16
15 59.190 0.95 1.7410 52.64 8.74
16 11.812 6.32 1.4339 95.25 8.32
17 -17.813 0.20 8.38
18 36.385 2.13 1.7408 27.79 7.95 0.6095
19 -68.478 0.20 7.81
20 22.711 0.96 1.7432 49.34 7.07
21 8.793 4.83 1.4388 94.94 6.17
22 -12.569 0.95 1.6910 54.82 5.95
23 31.942 0.20 5.56
24 7.299 5.07 1.6230 58.16
25 -22.161 8.01 1.8548 24.80
26 2.713 2.18
27 -2.969 1.33 1.9037 31.34
28 -24.035 9.01 1.8548 24.80 1.49 0.6122
29 -8.581 ― 2.85
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 4 4.20
G2 7 11.27
G3 24 -20.92
G4 27 -28.48
図10は、第3実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸収差(球面収差、像面湾曲、および歪曲収差)を示す図である。図11は、第3実施例に係る顕微鏡対物レンズの倍率色収差(横色収差)を示す図である。図12は、第3実施例に係る顕微鏡対物レンズのコマ収差(メリジオナルコマ収差およびサジタルコマ収差)を示す図である。各収差図より、第3実施例に係る顕微鏡対物レンズは、倍率色収差をはじめとする諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
(第4実施例)
第4実施例について、図13~図16および表4を用いて説明する。図13は、第4実施例に係る顕微鏡対物レンズの構成を示す光路図である。第4実施例に係る顕微鏡対物レンズOL(4)は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成される。第4実施例に係る顕微鏡対物レンズOL(4)の先端部と物体OBを覆うカバーガラスCVとの間は、浸液(オイル)で満たされている。カバーガラスCVと物体OBとの間も、浸液(オイル)で満たされている。なお、浸液のd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率は1.5148とする。カバーガラスCVのd線に対する屈折率は1.5244とする。
第4実施例において、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3は、第1実施例と同様に構成されるため、第1実施例の場合と同じ符号を付して、これらの各レンズの詳細な説明を省略する。第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL201と、両凹形状の負レンズL202と両凸形状の正レンズL203とが接合された接合レンズと、両凹形状の負レンズL204と両凸形状の正レンズL205とが接合された接合レンズと、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL206と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL207と両凸形状の正レンズL208が接合された接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL209と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL210と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL211とが接合された接合レンズと、から構成される。第2レンズ群G2の正レンズL205における像側のレンズ面は、光軸上の物体OBから発せられる光線のうち、第2レンズ群G2において最も光軸から離れた光線が通るレンズ面に該当する。第2レンズ群G2の正メニスカスレンズL206は、前述の条件式(5)~(7)等を満足する正レンズに該当する。
第4レンズ群G4は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL401と物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL402とが接合された接合レンズから構成される。第4レンズ群G4の正メニスカスレンズL402は、顕微鏡対物レンズOLにおいて最も像側に配置された最終レンズLeに該当する。
また、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4とを一体的に光軸に沿って移動させることで、カバーガラスCVの厚さに応じて第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔を変化させることができるように構成される。第3レンズ群G3および第4レンズ群G4は、光軸に沿って移動させることで所謂補正環として機能し、カバーガラスCVの厚さに応じて変化する収差を補正することができる。
なお、第2レンズ群G2における前述の条件式(5)~(7)等を満足する正メニスカスレンズL206よりも像側の各レンズ(すなわち、負メニスカスレンズL207と正レンズL208が接合された接合レンズ、および負メニスカスレンズL209と正メニスカスレンズL210と負メニスカスレンズL211とが接合された接合レンズ)と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とを一体的に光軸に沿って移動させることで、カバーガラスCVの厚さに応じて第2レンズ群G2における正メニスカスレンズL206と負メニスカスレンズL207との間隔を変化させることができるように構成されてもよい。この場合、第2レンズ群G2における正メニスカスレンズL206よりも像側の各レンズと、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とは、光軸に沿って移動させることで所謂補正環として機能し、カバーガラスCVの厚さに応じて変化する収差を補正することができる。
以下の表4に、第4実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸元の値を掲げる。なお、第1面は物体面(OB)である。
(表4)
[全体諸元]
β=60倍
f=3.32
NA=1.40 WD=0.14
H1=9.65 H2=4.64
νdLe=24.80 θgFLe=0.6122
DLe=5.67
νdLp=24.71 θgFLp=0.6291
fLp=55.54
[レンズデータ]
面番号 R D nd νd H θgF
1 ∞ 0.10 1.5148 40.31
2 ∞ 0.17 1.5244 54.28
3 ∞ 0.05 1.5148 40.31
4 ∞ 0.50 1.5182 58.90
5 -1.609 3.94 1.9538 32.33
6 -3.613 0.20
7 -48.280 3.31 1.5932 67.90 5.99
8 -10.543 0.20 6.68
9 -106.359 1.00 1.6127 44.46 7.56
10 20.636 7.00 1.4388 94.94 8.34
11 -11.034 0.20 8.70
12 -50.111 0.85 1.6541 39.68 8.86
13 15.708 8.21 1.4339 95.25 9.32
14 -14.005 0.20 9.65
15 -150.000 2.00 1.7558 24.71 9.56 0.6291
16 -32.984 0.20 9.57
17 86.174 0.85 1.7880 47.37 9.12
18 10.681 5.75 1.5691 71.34 8.38
19 -88.353 0.20 8.34
20 13.721 0.85 1.6127 44.46 8.01
21 8.768 5.17 1.4388 94.94 7.31
22 407.881 1.44 1.8160 46.62 7.04
23 21.613 0.20 6.63
24 8.628 5.41 1.7880 47.35
25 -97.965 4.95 1.8548 24.80
26 3.733 3.72
27 -4.355 1.70 1.9165 31.60
28 -140.078 5.67 1.8548 24.80 3.32 0.6122
29 -7.944 ― 4.64
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 4 7.27
G2 7 13.15
G3 24 -51.56
G4 27 -76.08
図14は、第4実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸収差(球面収差、像面湾曲、および歪曲収差)を示す図である。図15は、第4実施例に係る顕微鏡対物レンズの倍率色収差(横色収差)を示す図である。図16は、第4実施例に係る顕微鏡対物レンズのコマ収差(メリジオナルコマ収差およびサジタルコマ収差)を示す図である。各収差図より、第4実施例に係る顕微鏡対物レンズは、倍率色収差をはじめとする諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
各実施例に係る顕微鏡対物レンズは、無限遠補正型のレンズであるため、顕微鏡対物レンズからの光を集光する第2対物レンズと組み合わせて使用される。そこで、顕微鏡対物レンズと組み合わせて使用される第2対物レンズの一例について、図17および表5を用いて説明する。図17は、各実施例に係る顕微鏡対物レンズと組み合わせて使用される第2対物レンズの構成を示す光路図である。各実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸収差図は、この第2対物レンズと組み合わせて使用したときのものである。図17に示す第2対物レンズILは、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL51と両凹形状の負レンズL52とが接合された接合レンズと、両凸形状の正レンズL53と両凹形状の負レンズL54とが接合された接合レンズと、から構成される。第2対物レンズILは、各実施例に係る顕微鏡対物レンズの像側に配置される。また、図17に、第2対物レンズILの入射瞳面Puを示す。
以下の表5に、第2対物レンズの諸元の値を掲げる。なお、[全体諸元]の表において、f´は、第2対物レンズの焦点距離を示す。[レンズデータ]の表において、面番号、R、D、nd、およびνdは、前述の表1~表4の説明で示したものと同じである。
(表5)
[全体諸元]
f´=200
[レンズデータ]
面番号 R D nd νd
1 75.043 5.100 1.62280 57.03
2 -75.043 2.000 1.74950 35.19
3 1600.580 7.500
4 50.256 5.100 1.66755 41.96
5 -84.541 1.800 1.61266 44.40
6 36.911 168.438
次に、[条件式対応値]の表を下記に示す。この表には、各条件式(1)~(11)に対応する値を、全実施例(第1~第4実施例)について纏めて示す。
条件式(1) 1.8<H1/H2<3.5
条件式(2) 1.3<DLe/H2<3.5
条件式(3) 20<νdLe<30
条件式(3-1) 20<νdLe<26
条件式(4) 0<-0.0035×(νdLe-20)+0.63-θgFLe
条件式(5) 20<νdLp<40
条件式(6) 0.55<θgFLp
条件式(7) 0<fLp/f<45
条件式(7-1) 12.5<fLp/f<45
条件式(8) 1.75<f1/f<2.5
条件式(9) 3<f2/f<7
条件式(10) f3/f<0
条件式(11) f4/f<0
[条件式対応値]
条件式 第1実施例 第2実施例 第3実施例 第4実施例
(1) 1.93 1.93 3.21 2.08
(2) 1.73 1.39 3.16 1.22
(3)(3-1) 24.80 25.15 24.80 24.80
(4) 0.001 0.002 0.001 0.001
(5) 37.00 27.35 27.79 24.71
(6) 0.5862 0.6319 0.6095 0.6291
(7)(7-1) 21.02 38.56 16.18 16.74
(8) 1.80 1.81 2.10 2.19
(9) 3.62 3.64 5.64 3.96
(10) -189.26 -39.45 -10.46 -15.55
(11) -16.64 -18.38 -14.24 -22.94
上記各実施例によれば、倍率色収差をはじめとする諸収差が良好に補正された顕微鏡対物レンズを実現することができる。
ここで、上記各実施例は本実施形態の一具体例を示しているものであり、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群 G4 第4レンズ群

Claims (14)

  1. 光軸に沿って物体側から順に並んだ、第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、像側に凹面を向けた第3レンズ群と、物体側に凹面を向けた第4レンズ群とからなり、
    前記第1レンズ群は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に平面を向けた平凸形状の正レンズと、負レンズとからなり、
    前記第4レンズ群は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた負レンズと、正レンズとからなり、
    前記第3レンズ群および前記第4レンズ群が、一体的に光軸に沿って移動することで、前記第1レンズ群の物体側に設置されたカバーガラスの光軸方向の厚さに応じて、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が可変となる構成であり、
    以下の条件式を満足する顕微鏡対物レンズ。
    1.8<H1/H2<3.5
    1.3<DLe/H2<3.5
    但し、H1:光軸上の物体から発せられる光線のうち、前記第2レンズ群において最も光軸から離れた光線と光軸との間の距離
    H2:光軸上の物体から発せられる光線のうち、前記顕微鏡対物レンズにおいて最も像側に配置された最終レンズの像側のレンズ面における最も光軸から離れた光線と光軸との間の距離
    DLe:前記最終レンズの光軸上の長さ
  2. 以下の条件式を満足する請求項に記載の顕微鏡対物レンズ。
    20<νdLe<30
    0<-0.0035×(νdLe-20)+0.63-θgFLe
    但し、νdLe:前記最終レンズのアッベ数
    θgFLe:前記最終レンズの部分分散比であり、前記最終レンズのg線に対する屈折率をngLeとし、前記最終レンズのF線に対する屈折率をnFLeとし、前記最終レンズのC線に対する屈折率をnCLeとしたとき、次式で定義される
    θgFLe=(ngLe-nFLe)/(nFLe-nCLe)
  3. 以下の条件式を満足する請求項に記載の顕微鏡対物レンズ。
    20<νdLe<26
  4. 前記第2レンズ群は、複数の正レンズを有し、
    前記第2レンズ群の前記複数の正レンズのうち、少なくとも1つの正レンズが以下の条件式を満足する請求項1~のいずれか一項に記載の顕微鏡対物レンズ。
    20<νdLp<40
    0.55<θgFLp
    但し、νdLp:前記正レンズのアッベ数
    θgFLp:前記正レンズの部分分散比であり、前記正レンズのg線に対する屈折率をngLpとし、前記正レンズのF線に対する屈折率をnFLpとし、前記正レンズのC線に対する屈折率をnCLpとしたとき、次式で定義される
    θgFLp=(ngLp-nFLp)/(nFLp-nCLp)
  5. 前記少なくとも1つの正レンズが以下の条件式を満足する請求項に記載の顕微鏡対物レンズ。
    0<fLp/f<45
    但し、fLp:前記正レンズの焦点距離
    f:前記顕微鏡対物レンズの焦点距離
  6. 前記少なくとも1つの正レンズが以下の条件式を満足する請求項に記載の顕微鏡対物レンズ。
    12.5<fLp/f<45
  7. 前記正レンズは、前記第2レンズ群において最も光軸から離れた光線が通るレンズ面よりも像側に配置される請求項4~6のいずれか一項に記載の顕微鏡対物レンズ。
  8. 以下の条件式を満足する請求項1~のいずれか一項に記載の顕微鏡対物レンズ。
    1.75<f1/f<2.5
    但し、f1:前記第1レンズ群の焦点距離
    f:前記顕微鏡対物レンズの焦点距離
  9. 以下の条件式を満足する請求項1~のいずれか一項に記載の顕微鏡対物レンズ。
    3<f2/f<7
    但し、f2:前記第2レンズ群の焦点距離
    f:前記顕微鏡対物レンズの焦点距離
  10. 以下の条件式を満足する請求項1~のいずれか一項に記載の顕微鏡対物レンズ。
    f3/f<0
    但し、f3:前記第3レンズ群の焦点距離
    f:前記顕微鏡対物レンズの焦点距離
  11. 以下の条件式を満足する請求項1~10のいずれか一項に記載の顕微鏡対物レンズ。
    f4/f<0
    但し、f4:前記第4レンズ群の焦点距離
    f:前記顕微鏡対物レンズの焦点距離
  12. 前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔を変化させることが可能である請求項1~11のいずれか一項に記載の顕微鏡対物レンズ。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の顕微鏡対物レンズと、前記顕微鏡対物レンズからの光を集光する第2対物レンズとを備える顕微鏡光学系。
  14. 請求項1~12のいずれか一項に記載の顕微鏡対物レンズを備える顕微鏡装置。
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