JP7413947B2 - 電動車両の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、少なくともモータを駆動力源とする電動車両の制御装置に関するものである。
特許文献1には、モータを駆動力源とする電気自動車に関する発明が記載されている。この特許文献1に記載された電気自動車は、擬似的なシフトチェンジを演出するための所定の契機で、駆動モータのトルクを設定変動量だけ減少させた後に増加させるトルク変動制御を実行する。所定の契機は、例えば、車速、アクセル開度、アクセル開速度、および、ブレーキ踏み込み量などに基づいて規定されている。そして、この特許文献1に記載された電気自動車によれば、上記のようなトルク変動制御を行って擬似的なシフトチェンジを演出することにより、手動変速機を搭載した車両の運転に慣れた運転者が有段変速機を搭載しない電気自動車を運転する場合であっても、その運転者に違和感を与えてしまうことを抑制できる、とされている。
また、特許文献2に記載されている電気自動車は、上記の特許文献1に記載された電気自動車と同様に、擬似的なシフトチェンジを演出するための所定の契機で、インバータのキャリア周波数を設定変動量だけ変化させる周波数変動制御を実行する。この特許文献2に記載された電気自動車における周波数変動制御では、例えば、インバータのキャリア周波数を減少させることにより、モータが発生する低音のノイズが増大し、その増大したノイズによって擬似的なシフトチェンジを演出している。
特開2018-166386号公報 特開2018-191366号公報
通常、エンジンを駆動力源とする車両(エンジン車両)では、エンジンの回転数を変速して出力トルクを駆動輪へ伝達する変速機が併せて用いられる。近年、エンジン車両の変速機は、運転者によるクラッチペダル操作が不要な自動変速機(AT)が主流になっている。一方、運転者がクラッチペダルおよびシフトレバーを操作してシフトチェンジを行う手動変速機(MT)は減少している。しかしながら、MTは、ATと比較して構造がシンプルであり、そのため、信頼性や耐久性に優れている。そして、MTを搭載したいわゆる3ペダルの車両(MT車)では、運転者が、自ら変速操作を行い、意図する通りに車両を運転操作することによる、快適なドライビングフィールを得ることができる。そのため、依然として3ペダルのMT車を支持する一定数のユーザーが存在する。そのような3ペダルのMT車を好む運転者、あるいは、3ペダルのMT車の運転操作に慣れた運転者は、ATを搭載した車両、もしくは、ハイブリッド車両や変速機を必要としない電気自動車などの電動車両を運転する際に、車両の挙動および運転感覚が従来のMT車と異なっていることに起因する違和感や不足感を抱く場合がある。そこで、上記の特許文献1および特許文献2に記載された電気自動車では、上記のようなトルク変動制御や周波数変動制御を実行することにより、擬似的なシフトチェンジを演出して、従来のMT車を模擬するようにしている。
実際に3ペダルのMT車を運転する場面では、運転者は、シフトチェンジの際に、あるいは、車両を発進させる際に、クラッチペダル操作に加えて、シフトレバー操作によるギヤ段の変更やアクセルペダル操作によるエンジン回転数の調整などを同時期に行っている。特に、クラッチペダル操作においては、運転者がクラッチペダルを踏み込むことによってクラッチが解放し、エンジンの出力軸が駆動輪に至る動力伝達経路から切り離される。そのため、運転者によるクラッチペダルの踏み込み量や操作状態に応じて、エンジン回転数やエンジンの出力トルクが変動する。また、運転者のクラッチペダル操作によってクラッチを係合する際には、クラッチは、単純に解放状態から係合状態に遷移するだけではなく、その係合の過程でいわゆる半クラッチの状態になる。例えば、シフトチェンジや車両の発進時にクラッチを係合する場合、運転者は、クラッチペダルを所定の操作量以上に踏み込んでクラッチを解放させている状態から、クラッチペダルの踏み込みを徐々に戻す踏み戻し操作を行う。その踏み戻し操作の過程で、クラッチは、徐々に係合を開始し、スリップしながら不完全に係合する半クラッチ(半係合)の状態になる。そのような半クラッチの状態では、クラッチの係合状態(あるいは、クラッチ伝達トルク)に応じて、また、車速や走行負荷などの影響も受けて、エンジン回転数およびエンジンの出力トルクが複雑に変動する。そのため、3ペダルのMT車の運転者は、シフトチェンジや車両を発進させる際には、クラッチペダル操作、シフトレバー操作、および、アクセルペダル操作など(場合によってはブレーキペダル操作も含めて)の多様な運転操作を連携させ、タイミングを合わせて行っている。したがって、特許文献1および特許文献2に記載された電気自動車のように、駆動モータのトルクやインバータのキャリア周波数を変動させることによる擬似的なシフトチェンジの演出だけでは、上記のような半クラッチの状態を再現して運転者に体感させることはできない。結局、特許文献1および特許文献2に記載されたトルク変動制御や周波数変動制御等の制御技術だけでは、3ペダルのMT車を好む運転者、あるいは、3ペダルのMT車の運転操作に慣れた運転者が抱く違和感や不足感を完全に払拭することはできない。
このように、3ペダルのMT車を好む運転者、あるいは、3ペダルのMT車の運転操作に慣れた運転者に対して、違和感や不足感を持たせずに、快適なドライビングフィールを与えることが可能な電動車両を構成するには、未だ改良の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目して考え出されたものであり、クラッチを係合する過程の半クラッチ状態を模擬的に再現し、運転者が従来の3ペダルのMT車と同様の運転操作を体感することが可能な電動車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、少なくともモータを有する駆動力源と、運転者によって操作されるアクセルペダルと、前記駆動力源を制御するコントローラと、を備え、前記アクセルペダルの操作量に基づいて駆動力を制御する電動車両の制御装置において、前記運転者によって操作される(模擬的な)クラッチペダルと、前記運転者によって操作される(模擬的な)シフトレバーと、を更に備え、前記コントローラは、前記駆動力源として仮想エンジン(仮想の内燃機関)を用いることを仮定し、前記仮想エンジンの出力トルクを選択的に伝達または遮断するとともに、前記出力トルクの伝達状態(伝達量)を連続的に変化させる仮想クラッチを用いることを仮定し、前記シフトレバーの操作位置に対応して設定される変速比に応じて前記仮想エンジンの回転数を変速する仮想手動変速機を用いることを仮定し、前記アクセルペダルの操作量に応じて変化する前記仮想エンジンの回転数を第1エンジン回転数として算出し、車速、および、前記仮想手動変速機で設定されている前記変速比に基づいて、前記仮想クラッチが完全係合した状態における前記仮想エンジンの回転数を第2エンジン回転数として算出し、前記クラッチペダルの操作量に応じて変化する前記仮想クラッチのクラッチ伝達トルク(伝達トルク容量)を算出し、前記第1エンジン回転数と前記第2エンジン回転数とが乖離している場合は、前記クラッチ伝達トルクが大きくなるほど前記第1エンジン回転数が前記第2エンジン回転数に近づくように、前記第1エンジン回転数を変化させることを特徴とするものである。
なお、この発明は、前記仮想エンジンの運転状態を模した運転音(または、振動)を発生する模擬エンジン音生成部を備えることができ、その場合には、前記コントローラは、前記第1エンジン回転数に応じて前記運転音を変化させるとともに、前記第1エンジン回転数と前記第2エンジン回転数とが乖離している場合は、前記クラッチ伝達トルクに応じて前記運転音を変化させるように構成してもよい。
また、この発明では、前記コントローラは、前記第1エンジン回転数と前記第2エンジン回転数とが乖離している場合は、前記モータを制御して、前記クラッチ伝達トルクに応じて前記電動車両の加速度を発生させるように構成してもよい。
そして、この発明では、前記コントローラは、前記第1エンジン回転数が前記第2エンジン回転数よりも高く乖離している場合は、前記電動車両を加速する方向の前記加速度を発生させ、前記第1エンジン回転数が前記第2エンジン回転数よりも低く乖離している場合は、前記電動車両を減速する方向の前記加速度を発生させるように構成してもよい。
この発明で制御の対象とする電動車両は、アクセルペダルおよびブレーキペダルに加えて、クラッチペダルを備えている。そのクラッチペダルは、いわゆる3ペダルのMT車に設けられているクラッチペダルを想定した模擬的なものである。また、疑似的なシフトレバーも備えている。そのようなクラッチペダルおよびシフトレバーが設けられることにより、運転者は、3ペダルのMT車と同様の運転操作を疑似的に体感できる。そして、この発明の電動車両の制御装置では、“仮想エンジン”、“仮想クラッチ”、および、“仮想手動変速機”を用いることを仮定して、アクセルペダルの操作量に対応する“仮想エンジン”の第1エンジン回転数が求められ、実際の車速、および、“仮想手動変速機”の変速比に基づいて、“仮想クラッチ”が完全係合していると仮定した状態における“仮想エンジン”の第2エンジン回転数が求められる。また、クラッチペダルの操作量から“仮想クラッチ”のクラッチ伝達トルク(または、伝達トルク容量)が求められる。上記の第1エンジン回転数と第2エンジン回転数が乖離している状態は、“仮想クラッチ”が完全係合していない状態であり、いわゆる半クラッチの状態と想定できる。そのため、この発明の電動車両の制御装置では、上記のように第1エンジン回転数と第2エンジン回転数が乖離している場合は、クラッチ伝達トルクが大きくなるほど第1エンジン回転数が第2エンジン回転数に近づくように、第1エンジン回転数が変化させられる。例えば、“仮想エンジン”の運転状態を模擬的に再現する運転音または振動が、仮想的に求められる第1エンジン回転数の大きさに対応して変化させられる。それにより、運転者は、アクセルペダルおよびクラッチペダルを操作しながら、“仮想エンジン”の運転状態(エンジン回転数)および“仮想クラッチ”の係合状態、特に、“仮想クラッチ”の半クラッチの状態を把握して体感できる。そのため、運転者は、あたかも3ペダルのMT車を運転しているのと同様の運転感覚を体感できる。
また、この発明の電動車両の制御装置では、上記のように第1エンジン回転数と第2エンジン回転数が乖離している場合に、“仮想クラッチ”のクラッチ伝達トルクに対応して、電動車両の加速度(前後加速度)が発生するようにモータが制御される。例えば、クラッチ伝達トルクが徐々に増大するのにしたがって、電動車両の加速度が徐々に大きくなるように、モータの微少な出力トルクが制御される。そのため、この発明の電動車両の制御装置によれば、“仮想クラッチ”の半クラッチ状態を模擬的に再現し、その際の運転感覚を運転者に体感させることができる。
そして、この発明の電動車両の制御装置では、上記のように第1エンジン回転数と第2エンジン回転数が乖離している場合であって、特に、第1エンジン回転数が第2エンジン回転数よりも高く乖離している場合は、電動車両を加速する方向の加速度を発生するようにモータが制御される。反対に、第1エンジン回転数が第2エンジン回転数よりも低く乖離している場合は、電動車両を減速する方向の加速度を発生するようにモータが制御される。そのため、この発明の電動車両の制御装置によれば、“仮想クラッチ”の半クラッチ状態を模擬的に、より忠実に再現し、その際の運転感覚を運転者に体感させることができる。
したがって、この発明の電動車両の制御装置によれば、上記のようなクラッチを係合する過程の半クラッチ状態を、模擬的に、リアルに再現することができる。そして、3ペダルのMT車を好む運転者、あるいは、3ペダルのMT車の運転操作に慣れた運転者に対して、違和感や不足感を抱かせることなく、快適なドライビングフィールを与えることが可能な電動車両を提供することができる。
この発明で制御対象にする電動車両の構成(駆動系統および制御系統)の一例を示す図である。 この発明の電動車両の制御装置によって実行される制御の一例を説明するためのフローチャートである。
この発明の実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、この発明を具体化した場合の一例に過ぎず、この発明を限定するものではない。
この発明の実施形態で制御の対象にする車両は、少なくとも一基のモータを駆動力源として備える電動車両である。駆動力源として一基または複数のモータを搭載した電気自動車であってもよい。あるいは、駆動力源としてエンジンおよびモータを搭載したいわゆるハイブリッド車両でもよい。それら電気自動車またはハイブリッド車両のいずれであっても、駆動力源のモータが出力するトルクを駆動輪に伝達して駆動力を発生する。駆動力は、運転者によるアクセルペダルの操作量に基づいて制御される。
更に、この発明の実施形態で制御の対象にする電動車両は、いわゆる3ペダルのMT車(クラッチペダルを備える手動変速機を搭載したエンジン車両)を模するように構成されている。すなわち、この発明の実施形態で制御の対象にする電動車両は、電動車両であっても、運転者が従来の3ペダルのMT車と同様の運転操作を体感できるように構成されている。なお、本出願人は、特願2020-008926号の出願において、そのような従来の3ペダルのMT車と同様の運転操作を体感できるように構成した電動車両に関する発明を提案している。この発明の実施形態における電動車両の制御装置は、基本的に、特願2020-008926号の出願の明細書で詳細に説明されている電動車両を制御の対象にすることができる。
図1に、この発明の実施形態で制御対象にする電動車両の構成(駆動系統および制御系統)の一例を概略的に示してある。図1に示す電動車両(以下、車両)Veは、駆動力源(POWER)1としてモータ2を搭載した電気自動車である。車両Veは、主要な構成要素として、駆動輪3、アクセルペダル4、ブレーキペダル5、模擬エンジン音生成部6、検出部7、および、コントローラ(ECU)8を備えている。なお、この発明の実施形態における駆動力源1は、モータ2の他に、一基または複数のモータを備えていてもよい。また、モータ2およびエンジン(図示せず)を備えていてもよい。あるいは、モータ2およびエンジン(図示せず)、ならびに、動力分割機構や変速機構など(図示せず)を備えたいわゆるハイブリッド駆動ユニットであってもよい。
モータ2は、例えば、永久磁石式の同期モータ、あるいは、誘導モータなどによって構成されている。モータ2は、少なくとも、電力が供給されることにより駆動されてトルクを出力する原動機としての機能を有している。また、モータ2は、外部からトルクを受けて駆動されることによって電力を発生する発電機として機能させてもよい。すなわち、モータ2は、原動機としての機能と発電機としての機能とを兼ね備えたいわゆるモータ・ジェネレータであってもよい。モータ2には、インバータ(図示せず)を介して、バッテリ(図示せず)が接続されている。したがって、バッテリに蓄えられている電力をモータ2に供給し、モータ2を原動機として機能させて、駆動トルクを出力することができる。また、駆動輪3から伝達されるトルクによってモータ2を発電機として機能させて、その際に発生する回生電力をバッテリに蓄えることもできる。モータ2は、後述するコントローラ8によって出力回転数や出力トルクが電気的に制御される。また、モータ・ジェネレータであれば、上記のような原動機としての機能と発電機としての機能との切り替えなどが電気的に制御される。
駆動輪3は、駆動力源1(モータ2)が出力する駆動トルクが伝達されることにより、車両Veの駆動力を発生する。図1に示す実施形態では、駆動輪3は、減速ギヤ9、デファレンシャルギヤ10、および、ドライブシャフト11を介して、駆動力源1、すなわち、モータ2に連結されている。なお、この発明の実施形態における車両Veは、図1に示す実施形態のように、駆動トルク(モータ2の出力トルク)を前輪に伝達し、前輪で駆動力を発生させる前輪駆動車であってもよい。あるいは、車両Veは、駆動トルクを、例えばプロペラシャフト(図示せず)等を介して後輪に伝達し、後輪で駆動力を発生させる後輪駆動車であってもよい。あるいは、車両Veは、トランスファ機構(図示せず)を設けて、駆動トルクを前輪および後輪の両方に伝達し、前輪および後輪の両方で駆動力を発生させる四輪駆動車であってもよい。
アクセルペダル4は、運転者の加速意図に応じて車両Veの駆動力を発生させるアクセル装置(図示せず)の操作部として設けられており、従来一般的な構成が用いられる。アクセル装置は、例えば、運転者によるアクセルペダル4やアクセルレバー(図示せず)などの操作部を操作することによって作動し、車両Veの駆動力あるいは加速度を発生させる。図1に示す実施形態では、アクセル装置は、運転者によるアクセルペダル4の踏み込み操作に応じて駆動力あるいは加速度を発生させるように構成されている。具体的には、アクセル装置は、アクセルペダル4の踏み込み量(操作量)に応じた駆動力あるいは加速度を発生する。
ブレーキペダル5は、車両Veの制動力を発生するブレーキ装置(図示せず)の操作部として設けられており、従来一般的な構成が用いられる。ブレーキ装置は、例えば、運転者によるブレーキペダル5やブレーキレバー(図示せず)などの操作部の操作によって作動し、車両Veの制動力(制動トルク)を発生する。図1に示す実施形態では、ブレーキ装置は、運転者によるブレーキペダル5の踏み込み操作に応じて制動力を発生するように構成されている。例えば、ブレーキ装置は、ブレーキペダル5の踏み込み量あるいは踏力に応じたブレーキ油圧が作用し、そのブレーキ油圧に応じた制動力を発生する。
この発明の実施形態における車両Veは、従来のいわゆる3ペダルのMT車を好む運転者、あるいは、3ペダルのMT車の運転操作に慣れた運転者のニーズに応えるために、3ペダルのMT車を模するように構成されている。そのために、車両Veは、クラッチペダル12、および、シフトレバー13を備えている。
クラッチペダル12は、運転者によって操作される模擬的な操作部である。この発明の実施形態における車両Veは電動車両であり、実際には、従来のエンジン車両に設けられているような手動変速機を搭載していない。したがって、車両Veは、エンジンと手動変速機との間の動力伝達を遮断するクラッチも有していない。このクラッチペダル12は、実際にクラッチを動作させるためのものではなく、電動車両であっても3ペダルのMT車の運転操作を疑似的に体感できるようにするために、模擬的に設けられている。クラッチペダル12は、従来の3ペダルのMT車で採用されているクラッチペダルと同様の構成のものが設けられている。後述するように、クラッチペダル12とシフトレバー13とが互いに連携して動作するように構成してもよい。また、クラッチペダル12は、既存の3ペダルのMT車で採用されているシステムを倣って、運転者がクラッチペダル12を所定の操作量以上に踏み込んで動作させた場合に、車両Veのパワースイッチが起動可能な状態になるように構成してもよい。
シフトレバー13は、運転者によって操作される模擬的な操作部である。上記のように、この発明の実施形態における車両Veは、実際には、従来のエンジン車両に設けられているような手動変速機を搭載していない。したがって、車両Veは、本来は手動変速機を動作させるためのシフト装置を必要としない。このシフトレバー13は、実際に手動変速機を動作させるためのものではなく、電動車両であっても3ペダルのMT車の運転操作を疑似的に体感できるようにするために、模擬的に設けられている。シフトレバー13は、従来の3ペダルのMT車で採用されているシフトレバーと同様の構成のものが設けられている。例えば、シフトレバー13は、いわゆるHパターンと呼ばれるシフトパターン(あるいは、シフトゲート)をトレースして動作するように構成されている。また、シフトレバー13は、クラッチペダル12の動作と連携して動作するように構成してもよい。例えば、クラッチペダル12が所定の操作量以上に踏み込まれた場合に、シフトレバー13の動作が可能になるように構成してもよい。あるいは、クラッチペダル12が所定の操作量未満の状態でシフトレバー13が操作された場合は、疑似的にギヤが干渉する状態を演出するように構成してもよい。
模擬エンジン音生成部6は、“仮想エンジン”の運転状態を模した運転音、または、振動を発生する。なお、“仮想エンジン”は、この車両Veの駆動力源1として用いられることを仮定した仮想の内燃機関(例えば、仮想のガソリンエンジン、あるいは、仮想のディーゼルエンジン)であり、コントローラ8の演算処理上で仮定的に設定される。模擬エンジン音生成部6は、アクセルペダル4の操作量(踏み込み量)に応じて“仮想エンジン”の回転数が変動する(変動すると想定される)場合に、その“仮想エンジン”の回転数に対応する運転音または振動を発生する。例えば、車両Veのオーディオ装置(図示せず)を利用し、オーディオ装置のスピーカ(図示せず)から“仮想エンジン”の運転音を発生させる。あるいは、専用のスピーカ(図示せず)や振動発生装置(図示せず)を設け、“仮想エンジン”の運転音や振動を発生させてもよい。また、“仮想エンジン”の運転音と共に振動を同時に互いに連動して発生させてもよい。
検出部7は、車両Veを制御する際に必要な各種のデータや情報を取得するための機器あるいは装置であり、例えば、電源部、マイクロコンピュータ、センサ、および、入出力インターフェース等を含む。特に、この発明の実施形態における検出部7は、アクセルペダル4の操作量、クラッチペダル12の操作量、および、シフトレバー13の操作位置等に関連する各種データを検出する。具体的には、検出部7は、運転者によるアクセルペダル4の操作量(踏み込み量、アクセル開度など)を検出するアクセルペダルセンサ7a、運転者によるブレーキペダル5の操作量(踏み込み量、踏力など)を検出するブレーキペダルセンサ7b、運転者によるクラッチペダル12の操作量(踏み込み量、踏み込み角度など)を検出するクラッチペダルセンサ7c、運転者によるシフトレバー13の操作位置(例えば、第1速段から第6速段、後進段、ニュートラル)を検出するシフトポジションセンサ7d、モータ2の回転数を検出するモータ回転数センサ(または、レゾルバ)7e、および、モータ2のトルクを検出もしくは算出するモータトルクセンサ7fなどを有している。その他に、検出部7は、例えば、車両Veの車速を検出するための車速センサ(または、車輪速センサ)7g、および、車両Veの加速度を検出するための加速度センサ7hなどの各種センサを有している。そして、検出部7は、後述するコントローラ8と電気的に接続されており、上記のような各種センサや機器・装置等の検出値または算出値に応じた電気信号を検出データとしてコントローラ8に出力する。
コントローラ8は、例えば、マイクロコンピュータを主体にして構成される電子制御装置であり、特に、この発明の実施形態におけるコントローラ8は、主に、モータ2の動作を制御する。また、模擬エンジン音生成部6の動作を制御する。コントローラ8には、上記の検出部7で検出または算出した各種データが入力される。コントローラ8は、入力された各種データおよび予め記憶させられているデータや計算式等を使用して演算を行う。そして、コントローラ8は、その演算結果を制御指令信号として出力し、モータ2、および、模擬エンジン音生成部6などを制御するように構成されている。なお、この発明の実施形態におけるコントローラ8は、前述したように、車両Veの駆動力源1として用いることを想定した“仮想エンジン”を演算処理上で仮定的に設定する。同様に、“仮想エンジン”の出力トルクを選択的に伝達または遮断し、かつ、“仮想エンジン”の出力トルクの伝達状態(クラッチ伝達トルク)を連続的に変化させるクラッチを想定した“仮想クラッチ”を演算処理上で仮定的に設定する。また、シフトレバー13の操作位置に対応して設定される変速比(または、変速段、もしくは、ギヤ比)に応じて、“仮想エンジン”の回転数を変速する手動変速機を想定した“仮想MT”(すなわち、“仮想手動変速機”)を演算処理上で仮定的に設定する。そして、図1では一つのコントローラ8が設けられた例を示しているが、コントローラ8は、制御する装置や機器毎に、あるいは制御内容毎に、複数設けられていてもよい。
前述したように、この発明の実施形態における車両Veは、従来の3ペダルのMT車を好む運転者、あるいは、従来の3ペダルのMT車の運転操作に慣れた運転者に対して、快適なドライビングフィールを与えることを目的として、3ペダルのMT車の運転操作を模擬的に体感できるように構成されている。特に、この車両Veのコントローラ8は、“仮想クラッチ”を係合する過程の半クラッチ状態を模擬的に再現し、運転者が従来の3ペダルのMT車の運転操作をリアルに体感できるように構成されている。そのためにコントローラ8で実行される制御の一例を、図2のフローチャートに示してある。
この図2のフローチャートで示す制御は、車両Veが走行する際に実行される。なお、この発明の実施形態における車両Veは、上記のように3ペダルのMT車の運転操作を模擬的に体感することが可能な構成であり、例えば、上記のような3ペダルのMT車の運転操作を模したMTモードと、一般的な電動車両として運転操作する通常モード(または、ATモード)とを選択的に設定できるように構成してもよい。その場合、この図2のフローチャートで示す制御は、MTモードが選択された状態で車両Veが走行する際に実行される。
図2のフローチャートにおいて、先ず、ステップS1では、各種センサ値が検出され、検出された各種データがコントローラ8に送信される。後述するように、“仮想エンジン”の第1エンジン回転数Ne1および第2エンジン回転数Ne2を算出するため、アクセルペダル4の操作量(踏み込み量、または、アクセル開度などで代替してもよい)、シフトレバー13の操作位置(すなわち、“仮想MT”で設定されている変速比)、および、車両Veの車速等が検出もしくは算出される。また、“仮想クラッチ”のクラッチ伝達トルク(または、伝達トルク容量)を算出するため、クラッチペダル12の操作量(踏み込み量、または、踏み込み角度などで代替してもよい)が検出される。また、クラッチ伝達トルクに応じた加速度をモータで発生させる制御のために、モータ2の回転数および出力トルク等が適宜検出される。
ステップS2では、“仮想エンジン”の第1エンジン回転数Ne1が算出される。第1エンジン回転数Ne1は、アクセルペダル4の操作量に応じて変化する“仮想エンジン”の回転数であり、上記のステップS1で検出されたアクセルペダル4の操作量を基に算出される。具体的には、“仮想エンジン”のフライホイール(すなわち、仮想のフライホイール)の慣性値や、駆動力源1(図1に示す実施形態では、モータ2)の負荷を加味して、アクセルペダル4の操作量に対応して変動すると想定される“仮想エンジン”の回転数が、第1エンジン回転数Ne1として算出される。例えば、“仮想エンジン”に相当する実際のエンジンを搭載した車両による走行実験の結果や、“仮想エンジン”の搭載を想定した車両に対するシミュレーションの解析結果から求めた演算式を用いて、アクセルペダル4の操作量に対応する第1エンジン回転数Ne1を算出することができる。あるいは、走行実験の結果やシミュレーションの解析結果に基づいて設定したマップを用いて第1エンジン回転数Ne1を求めてもよい。
ステップS3では、“仮想エンジン”の第2エンジン回転数Ne2が算出される。第2エンジン回転数Ne2は、“仮想クラッチ”が完全係合した状態における“仮想エンジン”の回転数であり、上記のステップS1で検出された、車速、および、“仮想MT”で設定されている変速比を基に算出される。例えば、“仮想エンジン”に相当する実際のエンジンを搭載した車両による走行実験の結果や、“仮想エンジン”の搭載を想定した車両に対するシミュレーションの解析結果から求めた演算式を用いて、上記のような車速および変速比に対応する第2エンジン回転数Ne2を算出することができる。あるいは、走行実験の結果やシミュレーションの解析結果に基づいて設定したマップを用いて第2エンジン回転数Ne2を求めてもよい。
ステップS4では、第1エンジン回転数Ne1と第2エンジン回転数Ne2とが等しいか否か、言い換えると、第1エンジン回転数Ne1と第2エンジン回転数Ne2とが乖離していないか否かが判断される。第1エンジン回転数Ne1と第2エンジン回転数Ne2とが等しい、すなわち、第1エンジン回転数Ne1と第2エンジン回転数Ne2とが乖離していないことにより、このステップS4で肯定的に判断された場合は、ステップS5へ進む。
ステップS5では、模擬エンジン音生成部6で“仮想エンジン”の運転音または振動を模擬的に発生させる。この場合は、第1エンジン回転数Ne1と第2エンジン回転数Ne2とが乖離していない状態であって、“仮想クラッチ”が完全係合している状態と想定される。したがって、第1エンジン回転数(すなわち、第2エンジン回転数)に応じた“仮想エンジン”の運転音(模擬エンジン音)または振動を発生させる。“仮想エンジン”の運転音および振動の両方を連動させて発生させてもよい。このステップS5で、模擬エンジン音または振動の生成が行われると、この図2のフローチャートで示すルーチンを一旦終了する。
一方、第1エンジン回転数Ne1と第2エンジン回転数Ne2とが等しくない、すなわち、第1エンジン回転数Ne1と第2エンジン回転数Ne2とが乖離していることにより、前述のステップS4で否定的に判断された場合には、ステップS6へ進む。
ステップS6では、第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2よりも大きいか否か、言い換えると、第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2よりも高く乖離しているか否かが判断される。第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2よりも大きいこと、すなわち、第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2よりも高く乖離していることにより、このステップS6で肯定的に判断された場合は、ステップS7へ進む。
ステップS7では、第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2に近づくように、第1エンジン回転数Ne1が変化させられる。この場合は、第1エンジン回転数Ne1と第2エンジン回転数Ne2とが乖離している状態であり、これは、“仮想クラッチ”が、いわゆる半クラッチの状態であると想定できる。更に、この場合は、第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2よりも高く乖離している状態である。したがって、第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2に近づくように、第1エンジン回転数Ne1が減少される。
ステップS8では、車両Veを加速する方向の加速度を発生するように、モータ2が制御される。上記のように、この場合は、第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2よりも高く乖離していることにより、運転者は、車両Veを加速させる(あるいは、発進させる)ことを意図してアクセルペダル4およびクラッチペダル12を操作していると推定できる。したがって、この場合は、モータ2を制御して、車両Veを加速する方向の加速度を発生させる。具体的には、“仮想クラッチ”のクラッチ伝達トルクに応じて、実際には車両Veを加速させることのない、あるいは、車両Veを発進させることのない微少なトルクをモータ2で出力する。それにより、運転者は、“仮想クラッチ”が半クラッチになり、徐々にトルク(この場合は、車両Veを加速させる駆動トルク)を伝達し始める状態を体感できる。このステップS8で、クラッチ伝達トルクに応じた加速度を発生させる制御が実行されると、前述のステップS5へ進む。
この場合のステップS5では、“仮想エンジン”の第1エンジン回転数Ne1に応じて模擬エンジン音または振動を発生させるとともに、“仮想クラッチ”のクラッチ伝達トルクに応じて模擬エンジン音または振動を変化させる。したがって、運転者は、例えば、アクセルペダル4を踏み込んで“仮想エンジン”の回転数が上昇している状態から、クラッチペダル12の操作により、“仮想クラッチ”が半クラッチになり、“仮想エンジン”の回転数の上昇が一旦停滞する状態をリアルに体感できる。そして、このステップS5で、模擬エンジン音または振動の生成が行われると、この図2のフローチャートで示すルーチンを一旦終了する。
これに対して、第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2よりも小さいこと、すなわち、第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2よりも低く乖離していることにより、前述のステップS6で否定的に判断された場合には、ステップS9へ進む。
ステップS9では、前述のステップS7と同様に、第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2に近づくように、第1エンジン回転数Ne1が変化させられる。この場合は、第1エンジン回転数Ne1と第2エンジン回転数Ne2とが乖離している状態であり、これは、“仮想クラッチ”が、いわゆる半クラッチの状態であると想定できる。更に、この場合は、第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2よりも低く乖離している状態である。したがって、第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2に近づくように、第1エンジン回転数Ne1が増大される。
ステップS10では、車両Veを減速する方向の加速度を発生するように、モータ2が制御される。上記のように、この場合は、第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2よりも低く乖離していることにより、運転者は、車両Veを減速させる(例えば、“仮想MT”でダウンシフトする)ことを意図してアクセルペダル4およびクラッチペダル12を操作していると推定できる。したがって、この場合は、モータ2を制御して、車両Veを減速する方向の加速度を発生させる。具体的には、“仮想クラッチ”のクラッチ伝達トルクに応じて、実際には車両Veを減速させない程度の微少なトルクをモータ2で出力する。それにより、運転者は、“仮想クラッチ”が半クラッチになり、徐々にトルク(この場合は、車両Veを減速させる制動トルク)を伝達し始める状態を体感できる。このステップS10で、クラッチ伝達トルクに応じた加速度を発生させる制御が実行されると、前述のステップS5へ進む。
この場合のステップS5では、“仮想エンジン”の第1エンジン回転数Ne1に応じて模擬エンジン音または振動を発生させるとともに、“仮想クラッチ”のクラッチ伝達トルクに応じて模擬エンジン音または振動を変化させる。したがって、運転者は、例えば、アクセルペダル4を踏み戻して“仮想エンジン”の回転数が下降している状態から、クラッチペダル12の操作により、“仮想クラッチ”が半クラッチになり、“仮想エンジン”の回転数の下降が一旦停滞する状態をリアルに体感できる。そして、このステップS5で、模擬エンジン音または振動の生成が行われると、この図2のフローチャートで示すルーチンを一旦終了する。
このように、この発明の実施形態における電動車両の制御装置では、上記のように、“仮想エンジン”の第1エンジン回転数Ne1と第2エンジン回転数Ne2が乖離している場合に、“仮想クラッチ”のクラッチ伝達トルクが大きくなるほど第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2に近づくように、第1エンジン回転数Ne1が変化させられる。その場合、例えば、“仮想エンジン”の運転状態を模擬的に再現する運転音または振動が、第1エンジン回転数Ne1の大きさに対応して変化させられる。また、上記のように第1エンジン回転数Ne1と第2エンジン回転数Ne2とが乖離している場合に、“仮想クラッチ”のクラッチ伝達トルクに対応して、車両Veの加速度(前後加速度)が発生するようにモータ2が制御される。例えば、クラッチ伝達トルクが徐々に増大するのにしたがって、車両Veの加速度が徐々に大きくなるように、モータの微少な出力トルクが制御される。更に、第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2よりも高く乖離している場合は、車両Veを加速する方向の加速度を発生するようにモータ2が制御される。反対に、第1エンジン回転数Ne1が第2エンジン回転数Ne2よりも低く乖離している場合は、車両Veを減速する方向の加速度を発生するようにモータ2が制御される。それにより、運転者は、アクセルペダル4およびクラッチペダル12を操作しながら、“仮想エンジン”の運転状態(エンジン回転数)および“仮想クラッチ”の係合状態、特に、“仮想クラッチ”の半クラッチの状態を把握して体感できる。そのため、運転者は、あたかも3ペダルのMT車を運転しているのと同様の運転感覚を体感できる。
したがって、この発明の実施形態における電動車両の制御装置によれば、上記のように“仮想クラッチ”を係合する過程の半クラッチの状態を、模擬的に、かつ、リアルに再現することができる。そして、従来の3ペダルのMT車を好む運転者、あるいは、従来の3ペダルのMT車の運転操作に慣れた運転者に対して、違和感や不足感を抱かせることなく、快適なドライビングフィールを与えることが可能な車両Veを提供することができる。
なお、上述したような“仮想クラッチ”の半クラッチ状態を再現する制御に関する一連の制御技術は、例えば、運転教習用のドライブシミュレーターや、娯楽用のシミュレーションゲームなどに適用することもできる。
1 駆動力源(POWER)
2 モータ
3 駆動輪
4 アクセルペダル
5 ブレーキペダル
6 模擬エンジン音生成部
7 検出部
7a (検出部の)アクセルペダルセンサ
7b (検出部の)ブレーキペダルセンサ
7c (検出部の)クラッチペダルセンサ
7d (検出部の)シフトポジションセンサ
7e (検出部の)モータ回転数センサ(または、レゾルバ)
7f (検出部の)モータトルクセンサ
7g (検出部の)車速センサ(または、車輪速センサ)
7h (検出部の)加速度センサ
8 コントローラ(ECU)
9 減速ギヤ
10 デファレンシャルギヤ
11 ドライブシャフト
12 クラッチペダル
13 シフトレバー
Ve 車両(電動車両)

Claims (1)

  1. 少なくともモータを有する駆動力源と、運転者によって操作されるアクセルペダルと、前記駆動力源を制御するコントローラと、を備え、前記アクセルペダルの操作量に基づいて駆動力を制御する電動車両の制御装置において、
    前記運転者によって操作されるクラッチペダルと、
    前記運転者によって操作されるシフトレバーと、を更に備え、
    前記コントローラは、
    前記駆動力源として仮想エンジンを用いることを仮定し、
    前記仮想エンジンの出力トルクを選択的に伝達または遮断するとともに、前記出力トルクの伝達状態を連続的に変化させる仮想クラッチを用いることを仮定し、
    前記シフトレバーの操作位置に対応して設定される変速比に応じて前記仮想エンジンの回転数を変速する仮想手動変速機を用いることを仮定し、
    前記アクセルペダルの操作量に応じて変化する前記仮想エンジンの回転数を第1エンジン回転数として算出し、
    車速、および、前記仮想手動変速機で設定されている前記変速比に基づいて、前記仮想クラッチが完全係合した状態における前記仮想エンジンの回転数を第2エンジン回転数として算出し、
    前記クラッチペダルの操作量に応じて変化する前記仮想クラッチのクラッチ伝達トルクを算出し、
    前記第1エンジン回転数と前記第2エンジン回転数とが乖離している場合は、前記クラッチ伝達トルクが大きくなるほど前記第1エンジン回転数が前記第2エンジン回転数に近づくように、前記第1エンジン回転数を変化させる
    ことを特徴とする電動車両の制御装置。
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