JP7414173B1 - 電動車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者に与える違和感を軽減しつつ模擬変速を行えるようにする。【解決手段】模擬変速のためのシーケンシャルシフタの操作に連動して出力軸要求トルクの過渡的な変化と模擬エンジン回転速度に応じたエンジン音の過渡的な変化とを発生させるように構成された電動車両において、制御装置は、出力軸要求トルクの過渡的な変化を特定するパラメータに基づいて、第1ギヤ段から第2ギヤ段への模擬変速に伴う模擬エンジン回転速度の変化時間を決定し、決定した変化時間と、模擬変速の開始時における第1ギヤ段での模擬エンジン回転速度と第2ギヤ段の模擬エンジン回転速度との差である差回転速度とに基づいて、模擬変速に伴う模擬エンジン回転速度の変化レートを決定する。【選択図】図2
Description
本開示は、電動車両の制御装置に関する。
特許文献1は、疑似的な手動変速動作を実現可能な電気自動車を開示している。この電気自動車は、電気自動車の走行状態がエンジンの駆動力によって実現されると仮定したときのエンジン回転速度を模擬した仮想エンジン回転速度を取得し、取得した仮想エンジン回転速度に応じてエンジン音を発生させるエンジン音発生制御手段を備える。
模擬変速のためにクラッチペダルを備えずにシーケンシャルシフタ(例えばパドル式)を備える電動車両には、次のような課題がある。すなわち、当該電動車両では、模擬変速のための当該シフタの操作に連動して、車両駆動装置の出力軸要求トルクの過渡的な変化と、エンジン音の過渡的な変化とを発生させることが考えられる。しかしながら、模擬変速の際に、出力軸要求トルクの過渡的な変化に起因して生じる車両挙動とエンジン音の過渡的な変化との間にタイミングのずれがあると、運転者に違和感を与える可能性がある。
本開示は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、模擬変速のためにシーケンシャルシフタを備える電動車両において、運転者に与える違和感を軽減しつつ模擬変速を行えるようにした電動車両の制御装置を提供することを目的とする。
本開示に係る電動車両の制御装置は、電気モータを含む車両駆動装置と、模擬変速のために運転者によって操作されるシーケンシャルシフタとを備える電動車両を制御する。電動車両は、模擬変速のためのシーケンシャルシフタの操作に連動して、車両駆動装置の出力軸要求トルクの過渡的な変化と、車両駆動装置の出力軸回転速度及びギヤ段に基づく模擬エンジン回転速度に応じたエンジン音の過渡的な変化とを発生させるように構成されている。制御装置は、出力軸要求トルクの過渡的な変化を特定するパラメータに基づいて、第1ギヤ段から第2ギヤ段への模擬変速に伴う模擬エンジン回転速度の変化時間を決定し、決定した変化時間と、模擬変速の開始時における第1ギヤ段での模擬エンジン回転速度と第2ギヤ段の模擬エンジン回転速度との差である差回転速度とに基づいて、模擬変速に伴う模擬エンジン回転速度の変化レートを決定する。
本開示によれば、模擬変速のためにシーケンシャルシフタを備える電動車両において、運転者に与える違和感を軽減しつつ模擬変速を行えるようになる。
添付図面とともに、本開示の実施の形態について説明する。
1.電動車両の構成
図1は、実施の形態に係る電動車両10の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、電動車両10は、電気モータ2を含む「車両駆動装置」を備えている。電気モータ2の出力軸3はギヤ機構4を介してプロペラシャフト(又は「ペラ軸」)5の一端に接続されている。ペラ軸5には、その回転速度(ペラ軸回転速度Np)を検出するための回転速度センサ40が設けられている。ペラ軸回転速度Npは、「車両駆動装置」の出力軸回転速度に相当する。ペラ軸5の他端はディファレンシャルギヤ6を介してドライブシャフト7に接続されている。電動車両10は駆動輪8と従動輪12とを備えている。駆動輪8はドライブシャフト7の両端にそれぞれ設けられている。各車輪8、12には車輪速センサ30が設けられている。図1では、代表して右後輪の車輪速センサ30のみが描かれている。車輪速センサ30は電動車両10の車速センサとしても用いられる。
図1は、実施の形態に係る電動車両10の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、電動車両10は、電気モータ2を含む「車両駆動装置」を備えている。電気モータ2の出力軸3はギヤ機構4を介してプロペラシャフト(又は「ペラ軸」)5の一端に接続されている。ペラ軸5には、その回転速度(ペラ軸回転速度Np)を検出するための回転速度センサ40が設けられている。ペラ軸回転速度Npは、「車両駆動装置」の出力軸回転速度に相当する。ペラ軸5の他端はディファレンシャルギヤ6を介してドライブシャフト7に接続されている。電動車両10は駆動輪8と従動輪12とを備えている。駆動輪8はドライブシャフト7の両端にそれぞれ設けられている。各車輪8、12には車輪速センサ30が設けられている。図1では、代表して右後輪の車輪速センサ30のみが描かれている。車輪速センサ30は電動車両10の車速センサとしても用いられる。
電動車両10は、バッテリ14とインバータ16とを備えている。バッテリ14は電気モータ2を駆動する電気エネルギを蓄える。すなわち、電動車両10は、例えば、バッテリ14に蓄えられた電気エネルギで走行するバッテリ電気自動車(BEV)である。インバータ16は加速時にバッテリ14から入力される直流電力を電気モータ2の駆動電力に変換する。また、インバータ16は減速時に電気モータ2から入力される回生電力を直流電力に変換し、バッテリ14に充電する。なお、本開示に係る「電動車両」は、車両駆動装置として少なくとも電気モータを含むものであればよく、例えば、電気モータの駆動力のみで走行するモードを有するハイブリッド電気自動車(HEV)や燃料電池電気自動車(FCEV)であってもよい。
電動車両10は、運転者が電動車両10に対する加速要求を入力するためのアクセルペダル22と、制動要求を入力するためのブレーキペダル24とを備えている。アクセルペダル22には、アクセル開度を検出するためのアクセルポジションセンサ32が設けられている。また、ブレーキペダル24には、ブレーキ踏込量を検出するためのブレーキポジションセンサ34が設けられている。
電動車両10は、さらにパドル式のシーケンシャルシフタ(又は、単にパドルシフタ)26を備えているが、手動変速機(MT)車両が備える変速機及びクラッチ機構を備えていない。すなわち、パドルシフタ26は、本来のパドルシフタとは異なるダミーであり、後述の「模擬変速」のために運転者によって操作される。パドルシフタ26によれば、模擬変速のためのギヤ段を選択できる。付け加えると、電動車両10は、模擬変速のためにクラッチペダルも備えていない。パドルシフタ26はステアリングホイールに取り付けられている。パドルシフタ26は操作ポジションを決定するアップシフトスイッチ26uとダウンシフトスイッチ26dを備える。アップシフトスイッチ26uはアップシフト信号を出力し、ダウンシフトスイッチ26dはダウンシフト信号を出力する。なお、本開示に係る「シーケンシャルシフタ」は、レバー式などの他の方式のものであってもよい。
電動車両10は、モード選択装置42を備えている。モード選択装置42は電動車両10の走行モードを選択するスイッチである。電動車両10の走行モードは、例えば、模擬手動変速モード(模擬MTモード)とEVモードを含む。模擬MTモードは、電動車両10をMT車両のように運転するための制御モードであり、アクセルペダル22の操作に対する電気モータ2の出力特性をパドルシフタ26の操作ポジションに応じて変化させるようにプログラムされている。EVモードはパドルシフタ26の操作ポジションによらずにアクセルペダル22の操作に応じて電気モータ2の出力を変化させる制御モードである。
電動車両10はスピーカ44を備えている。スピーカ44は、制御装置50からの指令に応じて作動し、後述の模擬エンジン回転速度Neに応じたエンジン音を発生させる。
電動車両10は、制御装置50を備えている。電動車両10に搭載された各センサや制御対象の機器は情報通信ネットワークによって制御装置50に接続されている。制御装置50は、例えば、電動車両10に搭載される電子制御ユニット(ECU)である。制御装置50は複数のECUの組み合わせであってもよい。制御装置50は、インターフェース52と、メモリ54と、プロセッサ56とを備えている。プロセッサ56は、プログラムやデータをメモリ54から読み出して実行し、上述の各センサから取得した信号に基づいて制御信号を生成する。
2.模擬変速時の処理
上述の構成を備える電動車両10では、運転者は、模擬MTモードの選択中にパドルシフタ26を操作することにより、模擬変速を行うことができる。具体的には、制御装置50は、模擬変速のためのパドルシフタ26の操作(すなわち、仮想的なギヤ段を切り替える模擬変速要求)に連動して、ペラ軸トルクTpの過渡的な変化とエンジン音の過渡的な変化とを発生させるように電動車両10を制御する。
上述の構成を備える電動車両10では、運転者は、模擬MTモードの選択中にパドルシフタ26を操作することにより、模擬変速を行うことができる。具体的には、制御装置50は、模擬変速のためのパドルシフタ26の操作(すなわち、仮想的なギヤ段を切り替える模擬変速要求)に連動して、ペラ軸トルクTpの過渡的な変化とエンジン音の過渡的な変化とを発生させるように電動車両10を制御する。
ペラ軸トルクTpは、ペラ軸5の出力トルク、すなわち、「車両駆動装置」の出力軸トルクに相当する。制御装置50は、例えば、アクセル開度Pap、ギヤ段、及びペラ軸回転速度Npに基づいて、要求ペラ軸トルクTprを算出する。要求トルクTprは、インバータ16をPWM制御するための電気モータ2のトルク指令値に相当する。制御装置50は、電気モータ2によって生成されるペラ軸トルクTpが要求トルクTprとなるようにインバータ16を制御する。
そして、模擬変速要求が出された場合、制御装置50は、例えば後述の図3及び図4に示すように要求トルクTprを過渡的に変化させる。これにより、MT車両の操作感及び車両挙動(変速感を含む)を模擬的に再現することができる。
また、制御装置50は、模擬MTモードの選択中に、模擬回転速度Neに応じて変化するエンジン音を発生させるようにスピーカ44を作動させる。模擬回転速度Neの算出手法は後述される。このようにエンジン音を付加することにより、内燃機関を搭載するMT車両を運転している感覚をさらに高めることができる。
そして、模擬変速要求が出された場合、制御装置50は、後述のように模擬回転速度Neを過渡的に変化させることで、エンジン音に対して模擬変速に連動した過渡的な変化を生じさせる。これにより、MT車両の変速感をより効果的に再現することができる。
上述の模擬変速の際に、要求トルクTprの過渡的な変化に起因して生じる車両挙動とエンジン音の過渡的な変化との間にタイミングのずれがあると、運転者に違和感を与える可能性がある。
そこで、制御装置50は、「要求トルクTpr(出力軸要求トルク)の過渡的な変化を特定するパラメータP」に基づいて、模擬変速に伴う模擬回転速度Neの変化時間Δtneを決定する。そして、制御装置50は、決定した変化時間Δtneと模擬変速の開始時における模擬回転速度Neの差回転速度ΔNe0とに基づいて、模擬変速に伴う模擬回転速度Neの変化レートRneを決定する。
図2は、実施の形態に係る模擬変速時の処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、模擬MTモードの選択中に制御装置50によって繰り返し実行される。図3は、図2中の変速過渡挙動算出処理PR1及びPR2を説明するための図である。なお、図3(後述の図4も同様)に関する説明では、模擬変速の直前のギヤ段を「N速段(本開示に係る第1ギヤ段に相当)」と称し、模擬変速の直後のギヤ段を「N-1速段又はN+1速段(本開示に係る第2ギヤ段に相当)」と称する。
ステップS100において、制御装置50(プロセッサ56)は、アップシフトスイッチ26u及びダウンシフトスイッチ26dからの信号に基づいて、模擬変速要求があるか否かを判定する。その結果、模擬変速要求がない場合、処理はリターンに進む。一方、模擬変速要求がある場合、処理はステップS102に進む。
ステップS102において、制御装置50は、模擬変速の過渡挙動の算出に変速時のエンジンイナーシャeiを加味するか否かを判定する。例えば、制御装置50は、スイッチ26u及び26dからの信号に基づいて、ダウンシフト時にはイナーシャeiを加味し、アップシフト時にはイナーシャeiを加味しないと判定する。なお、ダウンシフト時にイナーシャeiを加味する理由は、変速感(変速ショック)を演出するためである。一方、アップシフト時にイナーシャeiを加味しない理由は、イナーシャeiを加味することに起因する飛び出し感を生じさせないためである。
イナーシャeiを加味する場合(S102;Yes)、制御装置50は、イナーシャeiを加味した変速過渡挙動算出処理PR1を実行する(ステップS104)。
図3(A)に示すように、算出処理PR1では、まず、模擬変速による過渡的な変化が加わるように要求トルクTprが算出される。具体的には、ダウンシフト時には、要求トルクTpr(Nm)は、N速段での要求トルクTpr_NからN-1速段での要求トルクTpr_N-1に単にステップ的に変化させられるのではなく、変速感(変速ショック)を演出するために次のように変化させられる。すなわち、要求トルクTprは、N速段での要求トルクTpr_NからエンジンイナーシャピークトルクTei0相当分だけ低いトルク値まで大きく下げた後に所定時間をかけてN-1速段での要求トルクTpr_N-1に変化するように算出される。トルクTei0は、模擬変速の開始時点t0のエンジンイナーシャピークトルクTeiである。トルクTeiは、ギヤ段及びペラ軸回転速度NpとトルクTeiとの関係を定めたマップから取得できる。したがって、当該マップから、N-1速段と時点t0でのペラ軸回転速度Npに応じたトルクTei0を取得できる。そして、算出処理PR1では、要求トルクTpr_Nから上記トルク値までの要求トルクTprの変化レートRp(Nm/ms)が、ギヤ段及びペラ軸回転速度Npと変化レートRpとの関係を定めたマップから取得される。
算出処理PR1では、模擬変速に伴う模擬回転速度Neの変化時間Δtne_d(ms)が、上述のように取得されたトルクTei0を変化レートRpで除して算出(決定)される。すなわち、ダウンシフト時には、トルクTei0及び変化レートRpが、上述の「パラメータP」に相当する。
そして、算出処理PR1では、時点t0における差回転速度ΔNe0_d(rpm)を変化時間Δtne_d(ms)で除することによって、模擬回転速度Neの変化レートRne_d(rpm/ms)が算出(決定)される。差回転速度ΔNe0_dは、時点t0におけるN-1速段での値Ne0_N-1からN速段での値Ne0_Nを引いて得られる。各時点におけるN速段での模擬回転速度Ne_Nは、各時点におけるペラ軸回転速度NpにN速ギヤ比を乗じて算出される。このことは、各時点におけるN-1速段での模擬回転速度Ne_N-1についても同様である。
上述のように、算出処理PR1によれば、模擬変速の実行に伴い、模擬回転速度Neは、時点t0からの変化時間Δtne_dの期間中に変化レートRne_dで値Ne0_Nから値Ne0_N-1に変化(上昇)するように算出される。
一方、イナーシャeiを加味しない場合(S102;No)、制御装置50は、イナーシャeiを加味しない変速過渡挙動算出処理PR2を実行する(ステップS106)。
図3(B)に示すように、アップシフト時のための算出処理PR2では、要求トルクTprは、イナーシャeiを加味せずに、時点t0からの変化時間Δtne_uの期間中にN速段での要求トルクTpr_NからN+1速段での要求トルクTpr_N+1に変化レートRpでステップ的に変化するように算出される。
算出処理PR2で用いられる変化時間Δtne_uは、時点t0における差トルクΔTpr0を変化レートRpで除して算出(決定)される。すなわち、アップシフト時には、差トルクΔTpr0及び変化レートRpが、上述の「パラメータP」に相当する。差トルクΔTpr0は、時点t0におけるN速段での値Tpr0_NからN+1速段での値Tpr0_N+1を引いて得られる。
そして、算出処理PR2では、時点t0における差回転速度ΔNe0_uを変化時間Δtne_uで除することによって、模擬回転速度Neの変化レートRne_uが算出(決定)される。差回転速度ΔNe0_uは、時点t0におけるN速段での値Ne0_NからN+1速段での値Ne0_N+1を引いて得られる差である。
上述のように、算出処理PR2によれば、模擬変速の実行に伴い、模擬回転速度Neは、時点t0からの変化時間Δtne_uの期間中に変化レートRne_uで値Ne0_Nから値Ne0_N+1に変化(低下)するように算出される。
以上説明したように、本実施形態によれば、「要求トルクTprの過渡的な変化(挙動)を特定するパラメータP」に基づいて、模擬変速に伴う模擬回転速度Neの変化時間Δtneが決定される。決定された変化時間Δtneと模擬変速の開始時の差回転速度ΔNe0とに基づいて、模擬変速に伴う模擬回転速度Neの変化レートRneが決定される。つまり、エンジン音を特定するための模擬回転速度Neの過渡的な変化(挙動)がパラメータPによって決定される。このため、要求トルクTprの過渡的な変化に起因して生じる車両挙動とエンジン音の過渡的な変化との間のタイミングのずれを効果的に抑制できる。これにより、運転者に与える違和感を軽減しつつ模擬変速を行えるようになる。
3.模擬変速時の処理の他の例
図4は、模擬変速時の処理の他の例を説明するための図である。エンジン音の特定のために模擬回転速度Neに加え、例えば、模擬エンジントルクTeが用いられてもよい。すなわち、エンジン音は、模擬回転速度Neだけでなく模擬トルクTeに応じて変化するように生成されてもよい。図4に示す例は、イナーシャeiを加味しないアップシフト時を対象としている。図4は、模擬トルクTeの波形が追加されている点において、図3(B)と相違している。
図4は、模擬変速時の処理の他の例を説明するための図である。エンジン音の特定のために模擬回転速度Neに加え、例えば、模擬エンジントルクTeが用いられてもよい。すなわち、エンジン音は、模擬回転速度Neだけでなく模擬トルクTeに応じて変化するように生成されてもよい。図4に示す例は、イナーシャeiを加味しないアップシフト時を対象としている。図4は、模擬トルクTeの波形が追加されている点において、図3(B)と相違している。
模擬トルクTeの変化レートRte(Nm/ms)は、変化レートRne_uの算出と同様の考え方に基づいて算出(決定)される。具体的には、変化レートRteは、時点t0における差トルクΔTe0(Nm)を、変化時間Δtne_u(ms)で除することによって算出される。差トルクΔTe0は、時点t0におけるN速段での値Te0_NからN+1速段での値Te0_N+1を引いて得られる。各時点におけるN速段での模擬トルクTe_Nは、各時点における要求トルクTprにN速ギヤ比を乗じて算出される。このことは、各時点におけるN+1速段での模擬トルクTe_N+1についても同様である。
以上説明したように、図4に示す例によれば、変化レートRteの算出のために、変化レートRne_uの算出のために用いられるものと同じ変化時間Δtne_u(ms)が用いられる。このため、エンジン音の特定のために模擬トルクTeが追加的に用いられる場合であっても、要求トルクTprの過渡的な変化に起因して生じる車両挙動とエンジン音の過渡的な変化との間のタイミングのずれを効果的に抑制できる。
2 電気モータ、 5 ペラ軸、 10 電動車両、 16 インバータ、 22 アクセルペダル、 26 パドルシフタ、 40 回転速度センサ、 44 スピーカ、 50 制御装置
Claims (1)
- 電気モータを含む車両駆動装置と、模擬変速のために運転者によって操作されるシーケンシャルシフタとを備える電動車両を制御する制御装置であって、
前記電動車両は、前記模擬変速のための前記シーケンシャルシフタの操作に連動して、前記車両駆動装置の出力軸要求トルクの過渡的な変化と、前記車両駆動装置の出力軸回転速度及びギヤ段に基づく模擬エンジン回転速度に応じたエンジン音の過渡的な変化とを発生させるように構成され、
前記制御装置は、
前記出力軸要求トルクの過渡的な変化を特定するパラメータに基づいて、第1ギヤ段から第2ギヤ段への前記模擬変速に伴う前記模擬エンジン回転速度の変化時間を決定し、
決定した前記変化時間と、前記模擬変速の開始時における前記第1ギヤ段での模擬エンジン回転速度と前記第2ギヤ段の模擬エンジン回転速度との差である差回転速度とに基づいて、前記模擬変速に伴う前記模擬エンジン回転速度の変化レートを決定する
ことを特徴とする電動車両の制御装置。
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JP2023041046A Active JP7414173B1 (ja) | 2023-03-15 | 2023-03-15 | 電動車両の制御装置 |
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- 2023-03-15 JP JP2023041046A patent/JP7414173B1/ja active Active
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