JP2022044955A - 電気自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】MT車両のような運転と通常のEVとしての運転の両方の運転感覚を得ることができ、発進時はEV特有の加速をすることができる電気自動車を提供する。【解決手段】この電気自動車は、マニュアルトランスミッションと内燃機関とを有するMT車両のようなトルク特性で電気モータを制御する第1モードによる走行と、通常のトルク特性で電気モータを制御する第2モードによる走行とを選択可能に構成される。この電気自動車の制御装置は、第1モードが選択されている場合であっても、車速が所定値未満であるか又は疑似シフト装置のシフトポジションに対応するギア段が所定値未満であるかの何れか一方が成立している場合は、第2モードによる走行となるように電気モータを制御する。【選択図】図10

Description

本発明は、電気モータを走行用の動力装置として用いる電気自動車に関する。
電気自動車(EV:Electric Vehicle)において走行用の動力装置として用いられる電気モータは、従来車両において走行用の動力装置として用いられてきた内燃機関に対して、トルク特性が大きく異なっている。動力装置のトルク特性の違いにより、CVは変速機が必須であるのに対し、一般にEVは変速機を備えていない。もちろん、EVは、運転者の手動操作により変速比を切り替えるマニュアルトランスミッション(MT:Manual Transmission)は備えていない。このため、MT付きの従来車両(以下「MT車両」とも称する。)の運転とEVの運転とでは、運転感覚に大きな違いがある。
一方で電気モータは、印加する電圧や界磁を制御することで比較的容易にトルクを制御することができる。従って電気モータでは、適当な制御を実施することにより、電気モータの動作範囲内で所望のトルク特性を得ることが可能である。この特徴を活かして、EV車両のトルクを制御してMT車両特有のトルク特性を模擬する技術がこれまで提案されている。
特許文献1には、駆動モータにより車輪にトルクを伝達する車両において、疑似的なシフトチェンジを演出する技術が開示されている。この車両では、車速、アクセル開度、アクセル開速度、又はブレーキ踏み込み量により規定される所定の契機で、駆動モータのトルクを設定変動量だけ減少させた後、所定時間でトルクを再度増加させるトルク変動制御が行われる。これにより、有段変速機を備える車両に慣れた運転者に対して与える違和感が抑制されるとしている。
特開2018-166386号公報
しかしながら、上記の技術では、変速動作を模擬したトルク変動制御のタイミングを運転者自身の操作によって主体的に決めることはできない。特に、MT車両の運転に慣れた運転者にとっては、運転者自身による手動変速動作を介在しない疑似的な変速動作は、運転感覚に違和感を与える虞がある。
このような事情を考慮し、本出願に係る発明者らは、EVでMT車両の運転感覚を得ることができるように、EVに疑似シフト装置と疑似クラッチペダルを設けることを検討している。もちろん、単にこれらの疑似装置をEVに取り付けるのではない。本出願に係る発明者らは、疑似シフト装置と疑似クラッチペダルの操作によって、MT車両のトルク特性と同様のトルク特性が得られるように電気モータを制御できるようにすることを検討している。
一方で運転者としては、例えば走行環境や自身の気分により、MT車両のように運転したいし、通常のEVとしても運転したい。このような要望を実現する方法としては、電気モータの制御モードとして、MT車両を模擬した制御モードと、EVとしての通常の制御モードとを用意し、それらを任意に切り替え可能にすることが考えられる。
しかしながら、MT車両を模擬した制御モードでは、内燃機関によるエンジンを模擬したトルク特性となるため、発進時に最大トルクが発生しないことになる。このためMT車両を模擬した制御モードでは、動力装置が電気モータでありながらEV特有の発進時の良い加速ができなくなってしまう。
本発明は、上述の課題を鑑みてなされたもので、MT車両のような運転と通常のEVとしての運転の両方の運転感覚を得ることができ、発進時はEV特有の加速をすることができる電気自動車を提供することを目的とする。
本発明に係る電気自動車は、電気モータを走行用の動力装置として用いる電気自動車であって、加速用ペダルと、疑似クラッチペダルと、疑似シフト装置と、モード選択スイッチと、制御装置とを備える。モード選択スイッチは、電気モータの制御モードを第1モードと第2モードとの間で選択するスイッチである。制御装置は、モード選択スイッチで選択された制御モードに従い電気モータが出力するモータトルクを制御する装置である。
制御装置は、メモリと、プロセッサとを備える。メモリは、MT車両モデルと、モータトルク指令マップとを記憶する。MT車両モデルは、MT車両における駆動輪トルクのトルク特性を模擬したモデルである。ここでいうMT車両とは、ガスペダルの操作によってトルクを制御される内燃機関と、クラッチペダルの操作とシフト装置の操作とによってギア段が切り替えられるマニュアルトランスミッションとを有する車両である。MT車両モデルは、第1モードで使用される。モータトルク指令マップは、加速用ペダルの操作量と電気モータの回転速度に対するモータトルクの関係を規定したマップである。モータトルク指令マップは、第2モードで使用される。
プロセッサは、第1モードで電気モータを制御する場合、以下の第1乃至第5の処理を実行する。第1の処理は、加速用ペダルの操作量を、MT車両モデルに対するガスペダルの操作量の入力として受け付ける処理である。第2の処理は、疑似クラッチペダルの操作量を、MT車両モデルに対するクラッチペダルの操作量の入力として受け付ける処理である。第3の処理は、疑似シフト装置のシフト位置を、MT車両モデルに対するシフト装置の入力として受け付ける処理である。第4の処理は、加速用ペダルの操作量と、疑似クラッチペダルの操作量と、疑似シフト装置のシフト位置とで定まる駆動輪トルクを、MT車両モデルを用いて計算する処理である。そして、第5の処理は、駆動輪トルクを自車両の駆動輪に与えるためのモータトルクを演算する処理である。
プロセッサは、第2モードで電気モータを制御する場合、以下の第6及び第7の処理を実行する。第6の処理は、疑似クラッチペダルの操作と疑似シフト装置の操作とを無効にする処理である。第7の処理は、加速用ペダルの操作量と電気モータの回転速度とに基づき、モータトルク指令マップを用いてモータトルクを演算する処理である。
また、プロセッサは、前記モード選択スイッチにより第1モードが選択されている場合に、シフト位置により定まるMT車両モデルのギア段が所定値未満であるか又は自車両の車速が所定値未満であるかの何れか一方が成立している場合は、第2モードにおける前記モータトルクとなるように電気モータを制御する。
以上の構成によれば、運転者は、モード選択スイッチにより第1モードを選択することにより、内燃機関とマニュアルトランスミッションとを有するMT車両のように電気自動車を運転することができる。つまり、運転者は、クラッチペダル及びシフト装置を操作しMT車両のような運転感覚を得ることができる。また、運転者は、モード選択スイッチにより第2モードを選択することにより、本来の性能で電気自動車を運転することができる。
さらに、以上の構成によれば、モード選択スイッチにより第1モードが選択されている場合であっても、MT車両モデルのギア段が所定値未満であるか自車両の車速が所定値未満であるかの何れか一方が成立している場合は、第2モードで電気モータを制御する。つまり、発進時は選択するモードに関わらずEV特有の加速をすることができる。
以上述べたように、本発明によれば、MT車両のような運転と通常のEVとしての運転の両方の運転感覚を得ることができ、発進時はEV特有の加速をすることができる電気自動車を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る電気自動車の動力系の構成を模式的に示す図である。 図1に示す電気自動車の制御システムの構成を示すブロック図である。 図1に示す電気自動車の制御装置の機能を示すブロック図である。 図3に示す制御装置が備えるモータトルク指令マップの一例を示す図である。 図3に示す制御装置が備えるMT車両モデルの一例を示すブロック図である。 図5に示すMT車両モデルを構成するエンジンモデルの一例を示す図である。 図5に示すMT車両モデルを構成するクラッチモデルの一例を示す図である。 図5に示すMT車両モデルを構成するMTモデルの一例を示す図である。 MT走行モードで実現される電気モータのトルク特性を、EV走行モードで実現される電気モータのトルク特性と比較して示す図である。 図3に示す制御装置の走行モード判定部で実行される処理を示すフローチャートである。 図1に示すモード選択スイッチによりMTモードが選択されている場合に、図3に示す制御装置の走行モード判定部により車速及びギア段に応じて選択されるモータトルクの一例を示す図である。 変形した態様を採用する場合の、図1に示す電気自動車の制御装置の機能を示すブロック図である。 変形した態様を採用する場合の、図3に示す制御装置の走行モード判定部で実行される処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に示す実施形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
1.電気自動車の構成
図1は、本実施の形態に係る電気自動車10の動力系の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、電気自動車10は、動力源として電気モータ2を備えている。電気モータ2は、例えばブラシレスDCモータや三相交流同期モータである。電気モータ2には、その回転速度を検出するための回転速度センサ40が設けられている。電気モータ2の出力軸3は、ギア機構4を介してプロペラシャフト5の一端に接続されている。プロペラシャフト5の他端は、デファレンシャルギア6を介して、車両前方のドライブシャフト7に接続されている。
電気自動車10は、前車輪である駆動輪8と、後車輪である従動輪12とを備えている。駆動輪8は、ドライブシャフト7の両端にそれぞれ設けられている。各車輪8,12には、車輪速センサ30が設けられている。図1では、代表して右後輪の車輪速センサ30のみが描かれている。車輪速センサ30は、電気自動車10の車速を検出するための車速センサとしても用いられる。車輪速センサ30は、CAN(Controller Area Network)などの車載ネットワークによって後述する制御装置50に接続されている。
電気自動車10は、バッテリ14と、インバータ16とを備えている。バッテリ14は、電気モータ2を駆動する電気エネルギを蓄える。インバータ16は、バッテリ14から入力される直流電力を電気モータ2の駆動電力に変換する。インバータ16による電力変換は、制御装置50によるPWM(Pulse Wave Modulation)制御によって行われる。インバータ16は、車載ネットワークによって制御装置50に接続されている。
電気自動車10は、運転者が電気自動車10に対する動作要求を入力するための動作要求入力装置として、加速要求を入力するためのアクセルペダル(加速用ペダル)22と、制動要求を入力するためのブレーキペダル24とを備えている。アクセルペダル22には、アクセルペダル22の操作量であるアクセル開度Pap[%]を検出するためのアクセルポジションセンサ32が設けられている。またブレーキペダル24には、ブレーキペダル24の操作量であるブレーキ踏み込み量を検出するためのブレーキポジションセンサ34が設けられている。アクセルポジションセンサ32及びブレーキポジションセンサ34、車載ネットワークによって制御装置50に接続されている。
電気自動車10は、動作入力装置として、さらに疑似シフトレバー(疑似シフト装置)26と、疑似クラッチペダル28とを備えている。シフトレバー(シフト装置)とクラッチペダルはマニュアルトランスミッション(MT)を操作する装置であるが、当然ながら電気自動車10はMTを備えていない。疑似シフトレバー26と疑似クラッチペダル28は、あくまでも、本来のシフトレバーやクラッチペダルとは異なるダミーである。
疑似シフトレバー26は、MT車両が備えるシフトレバーを模擬した構造を有している。疑似シフトレバー26の配置及び操作感は、実際のMT車両と同等である。疑似シフトレバー26には、例えば1速、2速、3速、4速、5速、6速、及びニュートラルの各ギア段に対応するポジションが設けられている。疑似シフトレバー26には、疑似シフトレバー26がどのポジションにあるかを示すシフトポジションSpを検出するシフトポジションセンサ36が設けられている。シフトポジションセンサ36は、車載ネットワークによって制御装置50に接続されている。
疑似クラッチペダル28は、MT車両が備えるクラッチペダルを模擬した構造を有している。疑似クラッチペダル28の配置及び操作感は、実際のMT車両と同等である。運転者は、疑似シフトレバー26によりギア段の設定変更をしたい場合に疑似クラッチペダル28を踏み込み、ギア段の設定変更が終わると踏み込みをやめて疑似クラッチペダル28を元に戻す。疑似クラッチペダル28には、疑似クラッチペダル28のクラッチペダル踏み込み量Pc[%]を検出するためのクラッチポジションセンサ38が設けられている。クラッチポジションセンサ38は、車載ネットワークによって制御装置50に接続されている。
電気自動車10は、疑似エンジン回転速度メーター44を備えている。エンジン回転速度メーターは、運転者に対して内燃機関(エンジン)の回転速度を表示する装置であるが、当然ながら電気自動車10はエンジンを備えていない。疑似エンジン回転速度メーター44は、あくまでも、本来のエンジン回転速度メーターとは異なるダミーである。疑似エンジン回転速度メーター44は、従来車両が備えるエンジン回転速度メーターを模擬した構造を有している。疑似エンジン回転速度メーター44は、機械式でもよいし液晶表示式でもよい。液晶表示式の場合、レブリミットを任意に設定できるようにしてもよい。疑似エンジン回転速度メーター44は、車載ネットワークによって制御装置50に接続されている。
電気自動車10は、モード選択スイッチ42を備えている。モード選択スイッチ42は、電気自動車10の走行モードを選択するスイッチである。電気自動車10の走行モードには、MTモードとEVモードとがある。モード選択スイッチ42は、MTモードとEVモードのいずれか一方を任意に選択可能に構成されている。詳細は後述するが、MTモードでは、電気自動車10をMT車両のように運転するための制御モード(第1モード)で電気モータ2の制御が行われる。EVモードでは、一般的な電気自動車のための通常の制御モード(第2モード)で電気モータ2の制御が行われる。モード選択スイッチ42は、車載ネットワークによって制御装置50に接続されている。
電気自動車10は、制御装置50を備えている。制御装置50は、典型的には、電気自動車10に搭載されるECU(Electronic Control Unit)である。制御装置50は、複数のECUの組み合わせであってもよい。あるいは、制御装置50は、電気自動車10の外部の情報処理装置であってもよい。制御装置50は、インターフェース52と、メモリ54と、プロセッサ56とを備えている。インターフェース52には車載ネットワークが接続されている。メモリ54は、データを一時的に記録するRAM(Random Access Memory)と、プロセッサ56で実行可能な制御プログラムや制御プログラムに関連する種々のデータを保存するROM(Read Only Memory)とを含んでいる。プロセッサ56は、制御プログラムやデータをメモリ54から読み出して実行し、各センサから取得した信号に基づいて制御信号を生成する。
図2は、本実施の形態に係る電気自動車10の制御システムの構成を示すブロック図である。制御装置50には、少なくとも車輪速センサ30、アクセルポジションセンサ32、ブレーキポジションセンサ34、シフトポジションセンサ36、クラッチポジションセンサ38、回転速度センサ40、及びモード選択スイッチ42から信号が入力される。これらのセンサと制御装置50との間の通信には車載ネットワークが用いられている。図示は省略するが、これらの他にも様々なセンサが電気自動車10に搭載され、車載ネットワークによって制御装置50に接続されている。
また、制御装置50からは、少なくともインバータ16と疑似エンジン回転速度メーター44へ信号が出力されている。制御装置50はインバータ16を介して電気モータ2のトルク制御を行う。これらの機器と制御装置50との間の通信には車載ネットワークが用いられている。図示は省略するが、これらの他にも様々なアクチュエータや表示器が電気自動車10に搭載され、車載ネットワークによって制御装置50に接続されている。
制御装置50は、走行モード判定部500としての機能と、制御信号算出部520としての機能を備える。詳しくは、メモリ54(図1に参照)に記憶されたプログラムがプロセッサ56(図1に参照)により実行されることで、プロセッサ56は、少なくとも走行モード判定部500と、制御信号算出部520として機能する。走行モード判定とは、EVモードとMTモードのどちらの走行モードで電気自動車10を走行させるか判定する機能である。制御信号算出とは、アクチュエータや機器に対する制御信号を算出する機能である。制御信号には、少なくとも、インバータ16を介して電気モータ2のトルク制御をするための信号と、疑似エンジン回転速度メーター44に情報を表示させる信号とが含まれる。以下、制御装置50が有するこれらの機能について説明する。
2.制御装置の機能
2-1.モータトルク算出機能
図3は、本実施の形態に係る制御装置50の機能、特に、電気モータ2に対するモータトルク指令値の算出に係る機能を示すブロック図である。制御装置50は、このブロック図に示された機能によりモータトルク指令値を計算し、モータトルク指令値に基づいてインバータ16を介して電気モータ2のトルク制御を行う制御信号を生成する。
図3に示すように、制御信号算出部520は、MT車両モデル530、要求モータトルク計算部540、モータトルク指令マップ550、及び切替スイッチ560を備える。制御信号算出部520には、車輪速センサ30、アクセルポジションセンサ32、シフトポジションセンサ36、クラッチポジションセンサ38、及び回転速度センサ40からの信号が入力される。制御信号算出部520は、これらのセンサからの信号を処理し、電気モータ2に出力させるモータトルクを算出する
制御信号算出部520によるモータトルクの計算は、MT車両モデル530と要求モータトルク計算部540とを用いた計算と、モータトルク指令マップ550を用いた計算の2通りがある。前者は、電気自動車10をMTモードで走行させる場合のモータトルクの計算に用いられる。後者は、電気自動車10をEVモードで走行させる場合のモータトルクの計算に用いられる。どちらのモータトルクを用いるかは、切替スイッチ560によって決まる。切替スイッチ560による切り替えは、走行モード判定部500による判定結果に基づいて行われる。
2-2.MTモードでのモータトルクの計算
MT車両における駆動輪トルクは、エンジンに対する燃料供給を制御するガスペダルの操作と、MTのギア段を切り替えるシフトレバー(シフト装置)の操作と、エンジンとMTとの間のクラッチを動作させるクラッチペダルの操作とによって決定付けられる。MT車両モデル530は、アクセルペダル22、疑似クラッチペダル28、及び疑似シフトレバー26の操作によって得られる駆動輪トルクを計算するモデルである。以下、MTモードにおいて、MT車両モデル530により仮想的に実現されるエンジン、クラッチ、及びMTを仮想エンジン、仮想クラッチ、仮想MTと称する。
MT車両モデル530には、仮想エンジンのガスペダルの操作量として、アクセルポジションセンサ32の信号が入力される。仮想MTのシフトレバーのシフト位置として、シフトポジションセンサ36の信号が入力される。さらに、仮想クラッチのクラッチペダルの操作量として、クラッチポジションセンサ38の信号が入力される。また、MT車両モデル530には、車両の負荷状態を示す信号として車輪速センサ30の信号も入力される。MT車両モデル530は、MT車両における駆動輪トルクのトルク特性を模擬したモデルである。MT車両モデル530は、運転者によるアクセルペダル22、疑似シフトレバー26、及び疑似クラッチペダル28の操作が駆動輪トルクの値に反映されるように作成されている。MT車両モデル530の詳細については後述する。
要求モータトルク計算部540は、MT車両モデル530で算出された駆動トルクを要求モータトルクに変換する。要求モータトルクは、MT車両モデル530で算出された駆動トルクの実現に必要なモータトルクである。駆動トルクの要求モータトルクへの変換には、電気モータ2の出力軸3から駆動輪8までの減速比が用いられる。
2-3.EVモードでのモータトルクの計算
図4は、EVモードでのモータトルクの計算に用いられモータトルク指令マップ550の一例を示す図である。モータトルク指令マップ550は、アクセル開度とPapと電気モータ2の回転速度とをパラメータとしてモータトルクを決定するマップである。モータトルク指令マップ550の各パラメータには、アクセルポジションセンサ32の信号と、回転速度センサ40の信号とが入力される。モータトルク指令マップ550からは、これらの信号に対応するモータトルクが出力される。
2-4.モータトルクの切り替え
モータトルク指令マップ550を用いて計算されたモータトルクをTevと表記し、MT車両モデル530及び要求モータトルク計算部540を用いて計算されたモータトルクをTmtと表記する。2つのモータトルクTev,Tmtのうち切替スイッチ560によって選択されたモータトルクが、電気モータ2に対してモータトルク指令値として与えられる。
EVモードでは、運転者が疑似シフトレバー26や疑似クラッチペダル28を操作しても、その操作は電気自動車10の運転には反映されない。つまり、EVモードでは、疑似シフトレバー26の操作と疑似クラッチペダル28の操作は無効化される。ただし、モータトルクTevがモータトルク指令値として出力されている間も、MT車両モデル530を用いたモータトルクTmtの計算は継続されている。逆に、モータトルクTmtがモータトルク指令値として出力されている間も、モータトルクTevの計算は継続されている。つまり、切替スイッチ560には、モータトルクTevとモータトルクTmtの両方が継続的に入力されている。
切替スイッチ560による入力の切り替えによって、モータトルク指令値は、モータトルクTevからモータトルクTmtへ、或いは、モータトルクTmtからモータトルクTevへ切り替えられる。このとき、2つのモータトルクの間にずれがある場合、切り替えに伴ってトルク段差が発生してしまう。このため、切り替え後暫くの間は、トルクの急激な変化が生じないように、モータトルク指令値に対して徐変処理が実施される。例えば、EVモードからMTモードへの切り替えでは、モータトルク指令値を直ぐにモータトルクTevからモータトルクTmtに切り替えるのではなく、所定の変化率でモータトルクTmtへ向けて徐々に変化させる。MTモードからEVモードへの切り替えでも同様の処理が行われる。
切替スイッチ560は、後述する走行モード判定部500からの信号によって動作する。走行モード判定部500には、モード選択スイッチ42からの信号に加え、車輪速センサ30及びシフトポジションセンサ36からも信号が入力されている。車輪速センサ30により自車両の車速の情報が取得される。シフトポジションセンサ36によりMT車両モデルにおけるギア段の情報が取得される。走行モード判定部500は、モード選択スイッチ42による選択だけでなく、自車両の車速及びMT車両モデルにおけるギア段も考慮して、切替スイッチ560を動作させる。走行モード判定部500による切替スイッチ560の動作の詳細については後述する。
2-5.MT車両モデル
2-5-1.概要
次に、MT車両モデル530について説明する。図5は、MT車両モデル530の一例を示すブロック図である。MT車両モデル530は、エンジンモデル531と、クラッチモデル532と、MTモデル533と、車軸・駆動輪モデル534とから構成されている。エンジンモデル531では、仮想エンジンがモデル化されている。クラッチモデル532では、仮想クラッチがモデル化されている。MTモデル533は、仮想MTがモデル化されている。車軸・駆動輪モデル534では、車軸から駆動輪までの仮想のトルク伝達系がモデル化されている。各モデルは計算式で表されてもよいしマップで表されてもよい。
各モデル間では計算結果の入出力が行われる。また、エンジンモデル531にはアクセルポジションセンサ32で検出されたアクセル開度Papが入力される。クラッチモデル532には、クラッチポジションセンサ38で検出されたクラッチペダル踏み込み量Pcが入力される。MTモデル533には、シフトポジションセンサで検出されたシフトポジションSpが入力される。さらに、MT車両モデル530では、車輪速センサ30で検出された車速Vw(或いは車輪速)が複数のモデルにおいて使用される。MT車両モデル530では、これらの入力信号に基づき、駆動輪トルクTwと仮想エンジン回転速度Neとが算出される。
2-5-2.エンジンモデル
エンジンモデル531は、仮想エンジン回転速度Neと仮想エンジン出力トルクTeoutを算出する。エンジンモデル531は、仮想エンジン回転速度Neを計算するモデルと仮想エンジン出力トルクTeoutを計算するモデルから構成される。仮想エンジン回転速度Neの計算には、例えば、次式(1)で表されるモデルが用いられる。次式(1)では、駆動輪8の回転速度Nw、総合減速比R、及びクラッチ機構のスリップ率slipから仮想エンジン回転速度Neが算出される。
Figure 2022044955000002
式(1)において、駆動輪8の回転速度Nwは車輪速センサ30で検出された車輪速から算出される。総合減速比Rは、後述するMTモデル533で計算されるギア比(変速比)rと、車軸・駆動輪モデル534で規定されている減速比とから算出される。スリップ率slipは、後述するクラッチモデル532で算出される。仮想エンジン回転速度Neは、MTモードの選択時、疑似エンジン回転速度メーター44に表示される。
なお、MT車両のアイドリング中は、エンジン回転速度を一定回転速度に維持するアイドルスピードコントロール制御(ISC制御)が行われる。そこで、エンジンモデル531は、車速が0であり、かつアクセル開度Papが0%である場合、仮想エンジン回転速度Neを所定のアイドリング回転速度(例えば1000rpm)として算出する。
エンジンモデル531は、仮想エンジン回転速度Ne及びアクセル開度Papから仮想エンジン出力トルクTeoutを算出する。仮想エンジン出力トルクTeoutの計算には、例えば、図7に示すような2次元マップが用いられる。この2次元マップでは、アクセル開度Pap毎に仮想エンジン回転速度Neに対する仮想エンジン出力トルクTeoutが与えられる。図6に示すトルク特性は、ガソリンエンジンを想定した特性に設定することもできるし、ディーゼルエンジンを想定した特性に設定することもできる。また、自然吸気エンジンを想定した特性に設定することもできるし、過給エンジンを想定した特性に設定することもできる。MTモードでの仮想エンジンを切り替えるスイッチを設けて、運転者が好みの設定に切り替えられるようにしてもよい。エンジンモデル531で算出された仮想エンジン出力トルクTeoutは、クラッチモデル532に出力される。
2-5-3.クラッチモデル
クラッチモデル532は、トルク伝達ゲインkを算出する。トルク伝達ゲインkは、疑似クラッチペダル28の踏み込み量に応じた仮想クラッチのトルク伝達度合いを算出するためのゲインである。クラッチモデル532は、例えば、図7に示すようなマップを有する。このマップでは、クラッチペダル踏み込み量Pcに対してトルク伝達ゲインkが与えられる。図7でトルク伝達ゲインkは、クラッチペダル踏み込み量PcがPc0からPc1の範囲で1となり、クラッチペダル踏み込み量PcがPc1からPc2の範囲で0まで一定の傾きで単調減少し、クラッチペダル踏み込み量PcがPc2からPc3の範囲で0となるように与えられる。ここで、Pc0はクラッチペダル踏み込み量Pcが0%に対応し、Pc1はクラッチペダル踏み込み時の遊び限界に対応し、Pc3はクラッチペダル踏み込み量Pcが100%対応し、Pc2はPc3からクラッチペダルを戻す際の遊び限界に対応している。
図7に示すマップは一例であり、クラッチペダル踏み込み量Pcの増加に対するトルク伝達ゲインkの変化は、0に向かう広義単調減少であればその変化曲線に限定はない。例えば、Pc1からPc2におけるトルク伝達ゲインkの変化は、上に凸となる単調減少曲線でも良いし、下に凸となる単調減少でも良い。
クラッチモデル532は、トルク伝達ゲインkを用いてクラッチ出力トルクTcoutを算出する。クラッチ出力トルクTcoutは、仮想クラッチから出力されるトルクである。クラッチモデル532は、例えば、次式(2)により、仮想エンジン出力トルクTeout、及びトルク伝達ゲインkからクラッチ出力トルクTcoutを算出する。クラッチモデル532で算出されたクラッチ出力トルクTcoutは、MTモデル533に出力される。
Figure 2022044955000003
2-5-4.MTモデル
MTモデル533は、ギア比(変速比)rを算出する。ギア比rは、仮想MTにおいて疑似シフトレバー26のシフトポジションSpにより決まるギア比である。疑似シフトレバー26のシフトポジションSpと仮想MTのギア段とは一対一の関係にある。MTモデル533は、例えば、図8に示すようなマップを有する。このマップでは、ギア段に対してギア比rが与えられる。図8に示すように、ギア段が大きいほどギア比rは小さくなる。
MTモデル533は、ギア比rを用いて変速機出力トルクTgoutを算出する。変速機出力トルクTgoutは、仮想変速機から出力されるトルクである。MTモデル533は、例えば、次式(3)により、クラッチ出力トルクTcout、及びギア比rから変速機出力トルクTgoutを算出する。MTモデル533で算出された変速機出力トルクTgoutは、車軸・駆動輪モデル534に出力される。
Figure 2022044955000004
2-5-5.車軸・駆動輪モデル
車軸・駆動輪モデル534は、所定の減速比rrを用いて駆動輪トルクTwを算出する。減速比rrは、仮想MTから駆動輪8までの機械的な構造により決まる固定値である。車軸・駆動輪モデル534は、例えば、次式(4)により、変速機出力トルクTgout、及び減速比rrから駆動輪トルクTwを算出する。車軸・駆動輪モデル534算出された駆動輪トルクTwは、要求モータトルク計算部540に出力される。
Figure 2022044955000005
2-6.MTモードで実現される電気モータのトルク特性
要求モータトルク計算部540は、MT車両モデル530で算出された駆動輪トルクTwをモータトルクに変換する。図9は、MT走行モードで実現される電気モータ2のトルク特性を、EV走行モードで実現される電気モータ2のトルク特性と比較して示す図である。MTモードの場合、図9に示されるように、疑似シフトレバー26により設定されるギア段に応じてMT車両のトルク特性を模擬するようなトルク特性(図中実線)を実現することができる。
2-7.走行モード判定
次に、制御装置50の走行モード判定部500による切替スイッチ560の動作について説明する。走行モード判定部500による切替スイッチ560の動作は、モード選択スイッチ42で選択されるモード、車輪速センサ30により検出される車速、及びシフトポジションセンサ36により検出されるシフトポジションSp、を考慮して行われる。図10は、走行モード判定部500で実行される処理を示すフローチャートである。図10に示される処理は、制御装置50の所定の制御周期で繰り返し実行される。
ステップS510において、制御装置50は、モード選択スイッチ42による選択がMTモードであるかEVモードであるかを判定する。MTモードである場合(ステップS510;Yes)、処理はステップS511に進む。EVモードである場合(ステップS510;No)、処理はステップS521に進み、モータトルクTevとなるように切替スイッチ560を動作させる。
ステップS511において、制御装置50は、車速及びギア段の情報を取得する。車速は、車輪速センサ30により検出される値である。ギア段は、シフトポジションセンサ36により検出されるシフトポジションSpに対応する仮想MTのギア段である。また取得される情報は少なくとも次の制御周期まではメモリ54に記憶され、制御装置50は1つ前の制御周期において取得された情報を参照することができる。ステップS511の処理の後、処理はステップS512に進む。
ステップS512において、制御装置50は、電気自動車10が減速中であるか否かを判定する。電気自動車10が減速中であるか否かの判定は、例えば次のように行う。1つ前の制御周期のステップS511において取得した車速と、現在の制御周期のステップS511において取得した車速を比較し、値が小さくなるとき減速中と判定する。あるいは、取得する車速の摂動による誤判定を抑えるために、一定時間の間で取得する車速のデータについて、フィルタリング処理を行い、一定時間において車速の傾きが負となる場合に減速中であると判定しても良い。
電気自動車10が減速中である場合(ステップS512;Yes)、処理はステップS513に進む。電気自動車10が減速中でない場合(ステップS512;No)、処理はステップS520に進む。
ステップS513において、制御装置50は、現在の制御周期において選択するモータトルクを、1つ前の制御周期において選択したモータトルクとする。つまり、1つ前の制御周期においてMTモードのモータトルクTmtが選択されていた場合は、現在の制御周期においてもモータトルクTmtを選択する。逆に、1つ前の制御周期においてEVモードのモータトルクTevが選択されていた場合は、現在の制御周期においてもモータトルクTevを選択する。
すなわち、ステップS512において電気自動車10が減速中であると判定される場合、モータトルクの切り替え処理は行われない。
ステップS520において、制御装置50は、車速が所定値未満であるか、又はギア段が所定値未満であるかを判定する。車速及びギア段に対する所定値は、例えば、MT走行モードで実現される電気モータ2のトルクがEV走行モードで実現される電気モータ2のトルクと同等のトルクとなる値に設定する。例えば、図9において、ギア段1stのMT走行モードで実現される電気モータ2のトルク特性(図中実線)と、EVモードのトルク特性(図中点線)との交点に基づいて設定する。この場合、ギア段に対する所定値は、2ndであり、車速に対する所定値は、交点における電気モータ2の回転速度と駆動輪までのギア比とにより算出する車速となる。
車速が所定値未満であるかギア段が所定値未満であるかの何れか一方が成立している場合(ステップS520;Yes)、処理はステップS521に進み、モータトルクTevとなるように切替スイッチ560を動作させる。車速が所定値以上かつギア段が所定値以上である場合(ステップS520;No)、処理はステップS530に進む。
ステップS530において、制御装置50は、1つ前の制御周期から現在の制御周期までの間にギア段の変更が行われたか否かを判定する。ギア段の変更が行われたか否かの判定は、例えば次のように行う。メモリ54に記憶される1つ前の制御周期において取得されたギア段と現在の制御周期において取得されたギア段とを比較し、値に変化があるか否かにより判定する。
ギア段の変更が行われた場合(ステップS530;Yes)、処理はステップS531に進み、モータトルクTmtとなるように切替スイッチ560を動作させる。ギア段の変更が行われていない場合(ステップS530;No)、処理はステップS521に進み、モータトルクTevとなるように切替スイッチ560を動作させる。
図11は、モード選択スイッチ42によりMTモードが選択されている場合(ステップS510;Yes)に、走行モード判定部500により選択されるモータトルクの一例を示す図である。車速の所定値は、図11の車速のグラフの細線により示されている。ギア段の所定値は、2ndである。dtは、制御装置50の制御周期を表し、時間t1、t2、t3、t4、t5、及びt6それぞれの時点において図10に示す走行モード判定部500による処理が実行される。
またそれぞれのグラフにおける開始時点である時間t0において、電気自動車10は停車している。つまり、図11に示すグラフは、電気自動車10の発進時からの挙動を示している。時間t0においては、モータトルクTevが選択される。
図11の時間t1からt4にかけて、電気自動車10は加速している(ステップS512;Yes)。一方、時間t4からt6にかけて、電気自動車10は減速している(ステップS512;No)。
図11の時間t1において、車速は所定値未満、またギア段も所定値未満であるから(ステップS520;Yes)、モータトルクTevが選択されている。
図11の時間t2において、ギア段は所定値以上であるが、車速が所定値未満であるから(ステップS520;Yes)、モータトルクTevが選択されている。
図11の時間t3において、車速が所定値以上、かつギア段が所定値以上である(ステップS520;No)。また、1つ前の制御周期の時間t2のギア段(2nd)から変更が行われているため(ステップS530;Yes)、モータトルクTmtに切り替わる。
図11の時間t6において、車速が所定値未満、またギア段も所定値未満であるが、電気自動車10が減速中であるため(ステップS512;Yes)、モータトルクの切り替えが行われず、モータトルクTmtが選択されている。
本実施の形態に係る電気自動車10では、モード選択スイッチ42でMTモードが選択されていても、モータトルクTevが選択される場合がある。このため、制御装置50は、モータトルクTmtとモータトルクTevのどちらが選択されているのかについてドライバに表示あるいは音声によって通知するように構成されていても良い。
3.効果
以上説明したように、本実施の形態に係る電気自動車10によれば、運転者はモード選択スイッチ42によりMTモードを選択することにより、MT車両のように電気自動車を運転することができる。また、運転者はモード選択スイッチ42によりEVモードを選択することにより、本来の性能で電気自動車を運転することができる。これにより、MT車両のような運転と通常のEVとしての運転の両方の運転感覚を得ることができる。
さらに、モード選択スイッチ42によりMTモードを選択されている場合であっても、ギア段が所定値未満であるか又は車速が所定値未満であるかの何れか一方が成立している場合は、制御装置50はモータトルクTevとなるように電気モータ2のトルクの制御を行う。これにより、発進時はモード選択スイッチ42で選択するモードに関わらずEV特有の加速をすることができる。
4.変形例
本実施の形態に係る電気自動車10は、以下のように変形した態様を採用しても良い。
制御装置50は、走行モード判定部500において、要求モータトルク計算部540が出力するモータトルクTmtも考慮してモータトルクの選択を行うように構成されていても良い。
図12は、変形例に係る電気自動車10の制御装置50の機能を示すブロック図である。この制御装置50では、走行モード判定部500が、要求モータトルク計算部540が出力するモータトルクTmtを入力とする。
図13は、変形例に係る電気自動車10の走行モード判定部500で実行される処理を示すフローチャートである。図13に示す処理は、ステップS540を除いて、図10に示す処理と同一である。このため、ステップS540以外の処理については、以下において説明を省略する。
ステップS540において、制御装置50は、モータトルクTmtが所定値より大きいか否かを判定する。モータトルクTmtが所定値より大きい場合(ステップS540;Yes)、処理はステップS531に進み、モータトルクTmtとなるように切替スイッチ560を動作させる。モータトルクTmtが所定値より小さい場合(ステップS540;No)、処理はステップS521に進み、モータトルクTevとなるように切替スイッチ560を動作させる。
このように変形した態様を採用することで、アクセルペダル22の操作が適度であり、運転者がEVモードによる発進を要求していると考えられる場合に限り、EVモードのモータトルクTevが選択されるように制御装置50を構成することができる。またこのとき、アクセルペダル22の操作が十分にある場合は、車速が所定値未満、又はギア段が所定値未満であっても、MTモードのモータトルクTmtで発進することができる。
従って、ステップS540における所定値は、運転者がEVモードによる発進を要求していると考えられるアクセルペダル22の操作範囲に基づいて定められる。例えば、電気自動車10の車両適合等により定められる。
2 電気モータ
10 電気自動車
14 バッテリ
16 インバータ
22 アクセルペダル
26 疑似シフトレバー
28 疑似クラッチペダル
30 車輪速センサ
32 アクセルポジションセンサ
34 ブレーキポジションセンサ
36 シフトポジションセンサ
38 クラッチポジションセンサ
40 回転速度センサ
42 モード選択スイッチ
50 制御装置
500 走行モード判定部
520 制御信号算出部

Claims (1)

  1. 電気モータを走行用の動力装置として用いる電気自動車であって、
    加速用ペダルと、
    疑似クラッチペダルと、
    疑似シフト装置と、
    前記電気モータの制御モードを第1モードと第2モードとの間で選択するモード選択スイッチと、
    前記モード選択スイッチで選択された前記制御モードに従い前記電気モータが出力するモータトルクを制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    メモリと、
    プロセッサと、を備え、
    前記メモリは、
    ガスペダルの操作によりトルクを制御する内燃機関とクラッチペダルの操作及びシフト装置の操作によりギア段が切り替えられるマニュアルトランスミッションとを有するMT車両における駆動輪トルクのトルク特性を模擬したMT車両モデルと、
    前記加速用ペダルの操作量と前記電気モータの回転速度に対する前記モータトルクの関係を規定したモータトルク指令マップと、を記憶し、
    前記プロセッサは、
    前記第1モードで前記電気モータを制御する場合は、
    前記加速用ペダルの操作量を、前記MT車両モデルに対する前記ガスペダルの操作量の入力として受け付ける処理と、
    前記疑似クラッチペダルの操作量を、前記MT車両モデルに対する前記クラッチペダルの操作量の入力として受け付ける処理と、
    前記疑似シフト装置のシフト位置を、前記MT車両モデルに対する前記シフト装置の入力として受け付ける処理と、
    前記加速用ペダルの操作量と、前記疑似クラッチペダルの操作量と、前記疑似シフト装置のシフト位置とで定まる前記駆動輪トルクを、前記MT車両モデルを用いて計算する処理と、
    前記駆動輪トルクを自車両の駆動輪に与えるための前記モータトルクを演算する処理と、を実行し
    前記第2モードで前記電気モータを制御する場合は、
    前記疑似クラッチペダルの操作と前記疑似シフト装置の操作とを無効にする処理と、
    前記加速用ペダルの操作量と前記電気モータの回転速度とに基づき、前記モータトルク指令マップを用いて前記モータトルクを演算する処理と、を実行し、
    前記モード選択スイッチにより第1モードが選択されている場合に、前記シフト位置により定まる前記MT車両モデルの前記ギア段が所定値未満であるか又は前記自車両の車速が所定値未満であるかの何れか一方が成立している場合は、
    前記第2モードにおける前記モータトルクとなるように前記電気モータを制御する
    ことを特徴とする電気自動車。
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