JP7413818B2 - エイペックスの貼付装置及び貼付方法 - Google Patents
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Description
すなわち、帯状に形成されたエイペックスAは、コア4aの外周面に貼り付けられることによって内周縁と外周縁との間に周長差が発生する。そのため、図15(b)に示すように、エイペックスAは、外周縁が矢印a方向とは反対側に引っ張られ、始端面A1が倒れるように傾斜する。このような始端面A1の倒れは、エイペックスAが供給ガイドを通過する際の摩擦抵抗によって顕著となる。そして、始端面A1の倒れは、エイペックスAの終端部を始端部に接続する際に両者の間に隙間を発生させる原因となる。
タイヤのビードを構成する円環状のコアの外周面に、帯状のエイペックスを貼り付ける貼付装置であって、
前記コアを支持した状態で当該コアを周方向に回転させる回転機構と、
前記コアの周方向における所定の貼付位置において前記コアに前記エイペックスを貼り付ける貼付部材と、
前記貼付位置へ供給される前記エイペックスを案内する供給ガイドと、
前記供給ガイドを前記エイペックスの供給方向に沿って移動させる移動機構と、
前記回転機構及び前記移動機構の動作を制御する制御装置と、を備えており、
前記制御装置は、前記エイペックスの始端部を前記コアに貼り付けた状態で前記回転機構により前記コアを回転させ、かつ、この回転に同調させて前記移動機構により前記供給ガイドを前記貼付位置に向けて移動させる。
従来技術の場合、図15(c)に示すように、エイペックスの終端面A2は、始端面A1の傾斜に沿わせるために傾斜状に切断される。しかし、次にコア4aに貼り付けられるエイペックスの始端面A1は、エイペックスAの長手方向に略垂直な面にする必要がある。そのため、従来技術では、2枚のカッターを用いて2方向にエイペックスAを切断しなければならず、これにより、三角形状のスクラップゴムGが発生し、このスクラップゴムGの収集や廃棄等の煩雑な処理が必要になる。本発明では、エイペックスの始端面における倒れが抑制されるので、1枚のカッターにより一か所でエイペックスを切断することができ、スクラップゴムの発生を抑制することができる。
前記制御装置は、前記エイペックスの始端部を前記コアの外周面に貼り付ける際に前記移動機構により前記供給ガイドを前記第1位置に位置づけ、前記回転機構により前記コアを回転させる前に、前記移動機構により前記供給ガイドを前記第1位置から前記第2位置へ移動させ、前記回転機構により前記コアを回転させるときに前記コアの回転に同調させて前記移動機構により前記供給ガイドを前記第2位置から前記第1位置へ向けて移動させる。
このような構成によって、エイペックスの始端部をコアの外周面に貼り付けるときは、供給ガイドを貼付位置に接近させてエイペックスの始端部を正確に位置づけることができ、その後、エイペックスを第1位置から第2位置へ後退させてから再び第1位置に向けて前進させることで、エイペックスの始端面の倒れを好適に抑制することができる。
このような構成によって、供給ガイドを第1位置から第2位置へ後退させたときに、エイペックスが一緒に後退して位置がずれてしまうことを抑制することができる。
前記第2保持機構は、前記供給ガイドの内面よりも内側の保持位置と、前記供給ガイドの内面より外側の解除位置との間で接近離反移動し、前記供給ガイド内のエイペックスを両側から挟み込む一対の保持爪を有している。
この構成によれば、一対の保持爪によるエイペックスの保持を解除したときには、保持爪は供給ガイドの内面よりも外側の解除位置に位置づけられるので、供給ガイド内のエイペックスの移動を妨げることがない。
本発明の場合、高さが20mm以下の腰の弱いエイペックスを用いた場合であっても、コアに好適に貼り付けることができる。
タイヤのビードを構成する円環状のコアの外周面に、供給ガイドで案内された帯状のエイペックスを貼り付ける貼付方法であって、
前記コアの周方向における所定の貼付位置において前記エイペックスの始端部を前記コアの外周面に貼り付ける工程、
前記コアを回転させる工程、及び、
前記コアの回転に同調させて、前記供給ガイドを前記貼付位置に向けて移動させる工程、を含む。
[タイヤの構成]
図14は、タイヤの一例を示す断面図である。
図14において、タイヤ1は、トレッド2と、トレッド2の軸方向の両端からタイヤ半径方向内方に向かってのびるサイドウォール3と、各サイドウォール3のタイヤ半径方向の内方端に位置するビード4と、を備えている。各ビード4は、リング状のコア4aを備えている。
図1は、本発明の一実施形態におけるビードの製造装置を示す概略的な構成図である。なお、以下の説明においては、矢印Xで示す方向を前後方向とし、この矢印Xに直交する水平方向を左右方向Y(図3参照)として説明する。また、図1の右側を前とし、図1の左側を後とする。
貼付装置13は、押出装置11によって成形され搬送装置12によって搬送された帯状のエイペックスAを円環状のコア4aの外周面に貼り付ける。貼付装置13は、回転機構21、供給機構22、貼付機構23、切断機構24、及びジョイント機構25を有している。これらの機構は、製造工場の床等に設置されたメインフレーム13A等に支持されている。
図1及び図2に示すように、回転機構21は、円環状のコア4aを支持するとともに、コア4aを周方向に回転させる。回転機構21は、コア4aを内周側から支持する複数の支持ローラ21aを有している。複数の支持ローラ21aのうちのいずれかは図示しない駆動装置によって回転駆動され、コア4aを周方向(矢印a方向)に回転させる。
図1~図4に示すように、貼付装置13の供給機構22は、搬送装置12から搬送された帯状のエイペックスAを回転機構21へ供給する。供給機構22は、供給ガイド27と、移動機構28と、第2保持機構29とを有する。
第2保持機構29は、供給ガイド27の長手方向の中途部に設けられている。第2保持機構29は、供給ガイド27内のエイペックスAを左右両側から挟み込み、供給ガイド27に相対するエイペックスAの移動を規制する。第2保持機構29は、アクチュエータ36と、一対の保持爪37とを有する。アクチュエータ36は、左右方向Yに接近離反移動する一対のスライダ36aを有するエアシリンダにより構成されている。アクチュエータ36は、供給ガイド27の下側に配置されている。
貼付機構23は、貼付部材40と、スライド機構43と、昇降機構41と、第1保持機構42とを有する。貼付部材40は、左右一対の貼付ローラにより構成される。以下の説明では、貼付ローラに対して貼付部材と同様の符号40を付す。一対の貼付ローラ40は、互いに対向して配置された挟持面40aを有する。一対の貼付ローラ40は、2つの挟持面40aの外周部の間に配置されたエイペックスAを、回転機構21(図2参照)で支持されたコア4aの外周面に押し付けて貼り付ける。一対の貼付ローラ40は、水平方向に対して傾斜した回転軸48の回りを回転する。具体的に、一対の貼付ローラ40は、挟持面40a同士の間隔が、上部側において広くなり下部側において狭くなるように傾斜して配置されている。エイペックスAは、一対の貼付ローラ40の挟持面40aによって左右両側から挟まれた状態でコア4aに押し付けられる。
第1保持機構42は、図2に示すように、一対の貼付ローラ40の最下端よりも後側に配置されている。第1保持機構42は、図8に示すように、一対のアクチュエータ52と、一対の保持部材53を有する。一対のアクチュエータ52は、左右方向Yに伸縮するエアシリンダからなる。アクチュエータ52のシリンダ本体52aは、各支持ブラケット44cの下端に取り付けられている。保持部材53は、アクチュエータ52のピストンロッド52bの先端に取り付けられている。保持部材53は、先端が先細り状に形成されたピンにより構成されている。一対のアクチュエータ52を伸長すると、一対の保持部材53が互いに接近し、一対の貼付ローラ40の間に配置されたエイペックスAを挟み込んで保持する。
図2、図9、及び図10に示すように、ジョイント機構25は、コア4aに巻き付けられているエイペックスAの終端付近(図13参照)を保持するとともに、当該終端を当該エイペックスAの始端に接続する。ジョイント機構25は、揺動フレーム58と、アクチュエータ59と、クランプ部60と、ジョイント部61とを有する。
図11~図13は、コア4aに対する帯状のエイペックスAの貼付手順を説明する図である。
以下、供給機構22から供給された帯状のエイペックスAを回転機構21に保持されたコア4aに貼り付ける動作について詳細に説明する。
前述の(3)の工程において、例えば図16(a)に示すように、貼付ローラ40の最下端及びエイペックスAの始端部を貼付位置Paまで矢印c方向に移動させた場合(従来技術の場合)、図16(b)に示すように、エイペックスAの始端部がコア4aの外周面に接触したまま前方に押され、エイペックスAの始端部が潰れたり、皺が生じたり、図16(c)に示すように、エイペックスAが好ましくない方向へ倒れたりする恐れがある。このような現象は、エイペックスAの高さが小さく腰が弱くなるほど顕著となる。この点、本実施形態では、図11(c)に示すように、貼付ローラ40を貼付位置Paよりも手前の位置Pbで停止させ、その後、(5)の工程において、コア4aの回転に同調させて貼付ローラ40を貼付位置Paまで前進させているので、高さが小さく腰が弱いエイペックスAであっても、始端部が潰れたり、皺が生じたり、エイペックスAが倒れたりすることが抑制され、エイペックスAの貼付不良を低減させることができる。
例えば、エイペックスAの貼付手順における(5)の工程では、第2アクチュエータ34を作動させてから第1アクチュエータ30を作動させていたが、逆の順で作動させてもよい。この場合、貼付ローラ40は、コア4aの回転から少し遅れて貼付位置Paの手前位置Pbから貼付位置Paまで移動することになる。
4 :ビード
4a :コア
4b :エイペックス
13 :貼付装置
14 :制御装置
21 :回転機構
27 :供給ガイド
28 :移動機構
30 :第1アクチュエータ
34 :第2アクチュエータ
40 :貼付部材
42 :第1保持機構
56 :カッター
A :エイペックス
A1 :始端面
A2 :終端面
P1 :第1位置
P2 :第2位置
Pa :貼付位置
Claims (7)
- タイヤのビードを構成する円環状のコアの外周面に、帯状のエイペックスを貼り付ける貼付装置であって、
前記コアを支持した状態で当該コアを周方向に回転させる回転機構と、
前記コアの周方向における所定の貼付位置において前記コアに前記エイペックスを貼り付ける貼付部材と、
前記貼付位置へ供給される前記エイペックスを案内する供給ガイドと、
前記供給ガイドを前記エイペックスの供給方向に沿って移動させる移動機構と、
前記回転機構及び前記移動機構の動作を制御する制御装置と、を備えており、
前記制御装置は、前記エイペックスの始端部を前記コアに貼り付けた状態で前記回転機構により前記コアを回転させ、かつ、この回転に同調させて前記移動機構により前記供給ガイドを前記貼付位置に向けて移動させる、エイペックスの貼付装置。 - 前記貼付装置が、前記エイペックスを切断する1枚のカッターを有しかつ当該カッターによって前記コアに貼り付けられている前記エイペックスの終端面と次に前記コアに貼り付けられる前記エイペックスの始端面とを形成する切断機構を備えている、請求項1に記載のエイペックスの貼付装置。
- 前記移動機構は、前記貼付位置に接近した第1位置と、前記第1位置よりも前記貼付位置から離れた第2位置との間で前記供給ガイドを移動可能であり、
前記制御装置は、前記エイペックスの始端部を前記コアの外周面に貼り付ける際に前記移動機構により前記供給ガイドを前記第1位置に位置づけ、前記回転機構により前記コアを回転させる前に、前記移動機構により前記供給ガイドを前記第1位置から前記第2位置へ移動させ、前記回転機構により前記コアを回転させるときに前記コアの回転に同調させて前記移動機構により前記供給ガイドを前記第2位置から前記第1位置へ向けて移動させる、請求項1又は2に記載のエイペックスの貼付装置。 - 前記供給ガイドが前記第1位置から前記第2位置へ移動するときに、前記エイペックスを保持する第1保持機構をさらに備えている、請求項3に記載のエイペックスの貼付装置。
- 前記供給ガイド内の前記エイペックスを保持する第2保持機構をさらに備え、
前記第2保持機構は、前記供給ガイドの内面よりも内側の保持位置と、前記供給ガイドの内面より外側の解除位置との間で接近離反移動し、前記供給ガイド内のエイペックスを両側から挟み込む一対の保持爪を有している、請求項1~4のいずれか1項に記載のエイペックスの貼付装置。 - 前記エイペックスの高さが20mm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のエイペックスの貼付装置。
- タイヤのビードを構成する円環状のコアの外周面に、供給ガイドで案内された帯状のエイペックスを貼り付ける貼付方法であって、
前記コアの周方向における所定の貼付位置において前記エイペックスの始端部を前記コアの外周面に貼り付ける工程、
前記コアを回転させる工程、及び、
前記コアの回転に同調させて、前記供給ガイドを前記貼付位置に向けて移動させる工程、を含むエイペックスの貼付方法。
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