JP7412338B2 - 収縮蛍光ゲル、アナライト濃度測定法、検査キット、及び、検査装置 - Google Patents

収縮蛍光ゲル、アナライト濃度測定法、検査キット、及び、検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、バックグラウンド蛍光を抑制でき、かつ、良好な検出感度でアナライトを測定できる収縮蛍光ゲルに関する。また、本発明は、該収縮蛍光ゲルを用いたアナライト濃度測定法、検査キット、及び、検査装置に関する。
蛍光を検知して試料中の測定対象物質を測定する方法(蛍光法)は、簡便かつ高感度な測定が可能であり、イムノプレートリーダ等の分析装置を使用して自動化が可能なことから、臨床検査をはじめ多くの分野で利用されている。蛍光法は、高効率、簡便さ等の点で極めて優れている。
しかしながら、蛍光法では、測定対象物質に起因しない、いわゆるバックグラウンド蛍光を生じることがある。バックグラウンド蛍光は、試料中の測定対象物質以外の内在性物質が自家蛍光を有するために生じる場合、試料中のタンパク質等に非特異的に付着した蛍光色素から生じる場合、測定対象物質が注入されている容器(プレート等)から生じる場合等がある。いずれの場合も、感度、特異性に影響を与えるため、蛍光法に共通した問題点であり、バックグラウンド蛍光の影響を抑制して測定する方法が要求されていた。
特許文献1、2には被検体に実質的に蛍光性でない色素を有する被検体色素複合体を抗原とする抗体が開示されている。しかしながら、このような抗体は特定の抗原にのみ対応したものであり、検体中に含まれる複数のタンパク質の影響を受けて、バックグラウンド蛍光が小さくならない場合があった。
特許文献3には、コア粒子と、コア粒子上に設けられた、アナライトと結合する結合パートナーと、結合パートナーにアナライトが結合すると凝集蛍光する凝集蛍光材料とを備える凝集蛍光材料含有粒子が開示されている。このような凝集蛍光材料含有粒子を用いれば、バックグラウンド蛍光を抑制しながら、ある程度良好な検出感度でアナライトの測定を行うことが可能である。しかしながら、バックグラウンド蛍光を抑制する効果、及び、アナライトの検出感度に更に優れる測定方法が求められていた。
また、原子力発電において、ウランやプルトニウムの核分裂反応が生じた際に、放射性同位体であるセシウム137(137Cs)やセシウム134(134Cs)等が生成する場合がある。従来、放射性物質の測定には、特許文献4に開示されているようなゲルマニウム半導体検出器や、NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメータ等が必要であったが、装置が高額な上、操作も煩雑で測定に労力が掛かっていた。そのため、低コストかつ簡易に放射性物質を測定できる方法が求められていた。
特開平9-5324号公報 特開2007-171213号公報 国際公開第2018/043688号 特開2013-246049号公報
本発明は、バックグラウンド蛍光を抑制でき、かつ、良好な検出感度でアナライトを測定できる収縮蛍光ゲルを提供することを目的とする。また、本発明は、該収縮蛍光ゲルを用いたアナライト濃度測定法、検査キット、及び、検査装置を提供することを目的とする。
本発明は、オリゴマー鎖又はポリマー鎖の架橋体で構成されるゲルであって、上記オリゴマー鎖又は上記ポリマー鎖は、凝集誘起発光性化合物又は該凝集誘起発光性化合物に由来する基と、アナライトと結合可能な結合パートナーとを有する収縮蛍光ゲルである。
以下に本発明を詳述する。
特許文献3に開示されているような凝集蛍光材料含有粒子は、結合パートナーとアナライトとを結合させていない場合でも、粒子同士が近くなると粒子表面の凝集蛍光材料が近接して蛍光を発するため、バックグラウンド蛍光が大きくなりやすい。一方、結合パートナーとアナライトとを結合させても凝集蛍光材料の凝集が充分でない場合は、検出感度が低くなってしまう。
そこで本発明者らは、ゲルを構成する架橋体のオリゴマー鎖又はポリマー鎖に、凝集誘起発光性化合物又は該凝集誘起発光性化合物に由来する基と、アナライトと結合可能な結合パートナーとを導入することを検討した。その結果、バックグラウンド蛍光を抑制でき、かつ、良好な検出感度でアナライトを測定できる収縮蛍光ゲルを得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の収縮蛍光ゲルは、ゲル自体の収縮によりゲル内部の凝集誘起発光性化合物又は該凝集誘起発光性化合物に由来する基が近接して蛍光を発するものである。そのため、アナライトが存在しない状態では、凝集蛍光材料含有粒子を用いた場合よりも凝集誘起発光性化合物又は該凝集誘起発光性化合物に由来する基同士の分子運動の束縛が少なくなり、バックグラウンド蛍光を抑制する効果に優れるものとなる。また、結合パートナーとアナライトとを結合させた際には、ゲルの収縮によって凝集誘起発光性化合物又は該凝集誘起発光性化合物に由来する基同士の分子運動を容易に束縛し、蛍光を発するため、検出感度がより高いものとなる。
本発明の収縮蛍光ゲルは、オリゴマー鎖又はポリマー鎖の架橋体で構成されるゲルである。
上記オリゴマー鎖又は上記ポリマー鎖としては、例えば、有機物のオリゴマー、有機物のポリマー、無機物のオリゴマー、無機物のポリマー等が挙げられる。
上記有機物のオリゴマー及び上記有機物のポリマーとしては、例えば、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体の重合体、エポキシ基を有する重合性単量体の重合体、アミン重合体、イミド重合体、ペプチド重合体等が挙げられる。
上記無機物のオリゴマー及び上記無機物のポリマーとしては、例えば、シロキサン重合体等が挙げられる。
また、上記オリゴマー鎖又は上記ポリマー鎖は、天然高分子であってもよい。
上記オリゴマー鎖又は上記ポリマー鎖としては、親水基を有するものが好ましい。上記オリゴマー鎖又は上記ポリマー鎖が親水性基を有する場合、水性溶媒と容易に水和することで、ゲルを形成し易くなる。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体としては、例えば、カルボキシル基含有単官能モノマー、水酸基含有単官能モノマー、水酸基含有多官能モノマー、アミノ基含有単官能モノマー、アミノ基含有多官能モノマー、アミド基含有単官能モノマー、アミド基含有多官能モノマー、スルホン酸基含有単官能モノマー等が挙げられる。
上記カルボキシル基含有単官能モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸等が挙げられる。
上記水酸基含有単官能モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記水酸基含有多官能モノマーとしては、例えば、グリセリンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記アミノ基含有単官能モノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記アミノ基含有多官能モノマーとしては、例えば、PEG-NH、PEG-NHS等が挙げられる。
上記アミド基含有単官能モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、富士フイルム社製のスルホベタインモノマーFAM-101等が挙げられる。
上記アミド基含有多官能モノマーとしては、例えば、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、富士フイルム社製の多官能アクリルアミドモノマーFAM-401、301、201、402等が挙げられる。
上記スルホン酸基含有単官能モノマーとしては、例えば、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、p-スチレンスルホン酸塩等が挙げられる。
これらは単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
また、本発明の収縮蛍光ゲルにおける架橋体構造は、上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体として挙げた多官能モノマーを共重合することで得られる他、カルボキシル基や水酸基を用いた分子内架橋(脱水縮合)によっても得ることができる。
なかでも、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミドが好ましい。
なお、本明細書において上記「ゲル」は、三次元の相互接続ネットワークと主要成分である溶媒とから形成される粘弾性構造体を意味し、上記オリゴマー鎖又は上記ポリマー鎖が親水性基を有するために、水性溶媒が水和し上記「ゲル」を形成している。上記「ゲル」の乾燥物を水性溶媒に溶解させたときの残存率(ゲル分率)は、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上である。
また、必要に応じてスチレン、(メタ)アクリル酸メチル、グリシジル(メタ)アクリレート等の他の単量体を共重合してもよい。上記他の単量体を共重合する場合の該他の単量体の使用割合の好ましい上限は50重量%、より好ましい上限は30重量%、更に好ましい上限は10重量%である。
本明細書において上記「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
上記オリゴマー鎖又は上記ポリマー鎖は、凝集誘起発光性化合物又は該凝集誘起発光性化合物に由来する基を有する。なお、上記凝集誘起発光性化合物及び上記凝集誘起発光性化合物に由来する基とは、当該化合物及び当該基の分子運動が抑制されていない状態では非発光性であるが、当該化合物及び当該基の分子運動が抑制されることで蛍光を発する化合物及び基である。
上記凝集誘起発光性化合物は、上記オリゴマー鎖又は上記ポリマー鎖に共重合されていてもよく、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、エポキシ基等の官能基を介して化学結合されていてもよい。また、疎水性相互作用等で物理吸着されていてもよい。より好ましくは上記オリゴマー鎖又は上記ポリマー鎖に共重合されている、又は、官能基を介して化学結合されている状態である。
上記凝集誘起発光性化合物としては、例えば、テトラフェニルエチレン誘導体、ヘキサフェニルベンゼン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ケトイミンホウ素錯体誘導体、ジイミンホウ素錯体誘導体、アミノマレイミド誘導体、アミノベンゾピロキサンテン誘導体、テトラフェニルシロール誘導体、ペンタフェニルシロール誘導体、ヘキサフェニルシロール誘導体等が挙げられる。なかでも、入手容易性等の観点から、テトラフェニルエチレン誘導体、ヘキサフェニルベンゼン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、テトラフェニルシロール誘導体、ペンタフェニルシロール誘導体、ヘキサフェニルシロール誘導体が好ましく、テトラフェニルエチレン誘導体、テトラフェニルシロール誘導体、ペンタフェニルシロール誘導体、ヘキサフェニルシロール誘導体がより好ましい。特に好ましくは、テトラフェニルエチレン誘導体である。
上記テトラフェニルエチレン誘導体としては、フェニル基上に官能基が置換していてもよいテトラフェニルエチレンが挙げられる。具体的には例えば、テトラフェニルエチレン、テトラフェニルエチレン(メタ)アクリレート(正式には4-(1,2,2-トリフェニルビニル)フェニル(メタ)アクリレート)、p-ヒドロキシテトラフェニルエチレン(メタ)アクリレート、p-カルボキシテトラフェニルエチレン(メタ)アクリレート、1-(4-ブロモフェニル)-1,2,2-トリフェニルエチレン、テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エチレン、1,2-Bis[4-(azidomethyl)phenyl]-1,2-diphenylethene、1,2-Bis[4-(bromomethyl)phenyl]-1,2-diphenylethene、1,2-Bis(4-methoxyphenyl)-1,2-diphenylethene、4,4’-Bis(1,2,2-triphenylvinyl)-1,1’-biphenyl、[(1,2-Diphenylethene-1,2-diyl)bis(4,1-phenylene)]diboronic acid、4,4’-(1,2-Diphenylethene-1,2-diyl)dibenzoic acid、2,2’-[[(1,2-Diphenyl-1,2-ethenediyl]di-4,1-phenylene]bis[4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolane]、1-{4-[1,2-Diphenyl-2-(p-tolyl)vinyl]phenyl}-1H-pyrrole-2,5-dione、1-Ethynyl-4-(1,2,2-triphenylethenyl)benzene、Sodium 3,3’-{[(1,2-diphenylethene-1,2-diyl)bis(4,1-phenylene)]bis(oxy)}bis(propane-1-sulfonate)、4-(1,2,2-Triphenylethenyl)benzaldehyde、B-[4-(1,2,2-Triphenylethenyl)phenyl]boronic acid等が挙げられる。
上記p-ヒドロキシテトラフェニルエチレン(メタ)アクリレートのうち水酸基が1つのものとしては、4-((4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルビニル)フェニル(メタ)アクリレート(なお、4-ヒドロキシル基は当該化合物のフェニル基上4位のいずれにあってもよい)が挙げられる。
上記p-ヒドロキシテトラフェニルエチレン(メタ)アクリレートのうち水酸基が2つのものとしては、4-(ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルビニル)フェニル(メタ)アクリレート(なお、2つの4-ヒドロキシル基は当該化合物のフェニル基上4位のいずれにあってもよい)が挙げられる。
上記p-ヒドロキシテトラフェニルエチレン(メタ)アクリレートのうち水酸基が3つのものとしては、4-(1,2,2-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ビニル)フェニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記p-カルボキシテトラフェニルエチレン(メタ)アクリレートのうちカルボキシル基が1つのものとしては、4-((4-カルボキシフェニル)ジフェニルビニル)フェニル(メタ)アクリレート(なお、4-カルボキシル基は当該化合物のフェニル基上4位のいずれにあってもよい)が挙げられる。
上記p-カルボキシテトラフェニルエチレン(メタ)アクリレートのうちカルボキシル基が2つのものとしては、4-(ビス(4-カルボキシフェニル)フェニルビニル)フェニル(メタ)アクリレート(なお、2つの4-カルボキシル基は当該化合物のフェニル基上4位のいずれにあってもよい)が挙げられる。
上記p-カルボキシテトラフェニルエチレン(メタ)アクリレートのうちカルボキシル基が3つのものとしては、4-(1,2,2-トリス(4-カルボキシフェニル)ビニル)フェニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
なかでも、テトラフェニルエチレン(メタ)アクリレート、p-ヒドロキシテトラフェニルエチレン(メタ)アクリレート、p-カルボキシテトラフェニルエチレン(メタ)アクリレート、テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エチレン、4,4’-(1,2-Diphenylethene-1,2-diyl)dibenzoic acid、4,4’-(1,2-Diphenylethene-1,2-diyl)diphenolが好ましい。
上記テトラフェニルシロール誘導体又は上記ヘキサフェニルシロール誘導体としては、例えば、フェニル基上に1~5個の官能基が置換していてもよい1,1,2,3,4,5-ヘキサフェニルシロール、フェニル基上に1~5個の官能基が置換していてもよい2,3,4,5-テトラフェニル-1,1-ジメチルシロール、フェニル基上に1~5個の官能基が置換していてもよい2,3,4,5-テトラフェニル-1,1-ジアリルシロール、フェニル基上に1~5個の官能基が置換していてもよい1-メチル-1,2,3,4,5-ペンタフェニルシロール等が挙げられる。
上記ヘキサフェニルベンゼン誘導体としては、例えば、4つ以上のフェニル基又はフェニル基誘導体により置換されたベンゼン誘導体等が挙げられる。具体的には例えば、ヘキサフェニルシロール、ヘキサフェニルベンゼン等が挙げられる。
上記トリフェニルアミン誘導体としては、例えば、4-(ジ-p-トリアミノ)ベンズアルデヒド等が挙げられる。
特に、上記凝集誘起発光性化合物は、下記式(1)で表される化合物又は下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007412338000001
式(1)中、Eは、ケイ素原子又はゲルマニウム原子を示し、R及びRは、同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6の飽和若しくは不飽和炭化水素基、置換基を有していてもよいフェニル基、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、又は、ニトロ基を示し、R~Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい芳香族複素環式基を示す。
Figure 0007412338000002
式(2)中、R~R10は、同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6の飽和若しくは不飽和炭化水素基、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、又は、ニトロ基を示す。
上記オリゴマー鎖又は上記ポリマー鎖は、アナライトと結合可能な結合パートナーを有する。上記結合パートナーは、上記オリゴマー鎖又は上記ポリマー鎖に共重合されていてもよく、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、エポキシ基等の官能基を介して化学結合されていてもよい。また、疎水性相互作用等で物理吸着されていてもよい。
上記アナライトは特に限定されず、例えば、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、糖、核酸、ハプテン等、理論的に測定法により測定可能な分子が挙げられる。具体的には例えば、CRP(C反応性タンパク質)、Lp(a)(リポプロテイン(a))、MMP3(マトリクスメタロプロテイナーゼ3)、抗CCP(環状シトルリン化ペプチド)抗体、抗リン脂質抗体、抗梅毒抗原抗体、RPR、IV型コラーゲン、PSA、AFP、CEA、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)、NT-proBNP、インスリン、マイクロアルブミン、シスタチンC、RF(リウマチ因子)、CA-RF、KL-6、PIVKA-II、FDP、Dダイマー、SF(可溶性フィブリン)、TAT(トロンビン-アンチトロンビンIII複合体)、PIC、PAI、XIII因子、ペプシノーゲンI、ペプシノーゲンII、フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、バルプロ酸、テオフィリン等が挙げられる。
また、本発明の収縮蛍光ゲルは、上記アナライトとして放射性物質の測定にも好適に用いることができる。
上記放射性物質としては、例えば、コバルト60(60Co)、ストロンチウム90(90Sr)、放射性ジルコニウム、テクネチウム99(99Tc)、ルテニウム106(106Ru)、放射性ヨウ素、放射性セシウム、放射性トリウム、放射性ウラン、放射性プルトニウム、放射性アメリシウム、放射性キュリウム等が挙げられる。
上記放射性ジルコニウムとしては、例えば、ジルコニウム93(93Zr)、ジルコニウム95(95Zr)等が挙げられる。
上記放射性ヨウ素としては、例えば、ヨウ素129(129I)、ヨウ素131(131I)等が挙げられる。
上記放射性セシウムとしては、例えば、セシウム137(137Cs)やセシウム134(134Cs)等が挙げられる。
上記放射性トリウムとしては、例えば、トリウム230(230Th)等が挙げられる。
上記放射性ウランとしては、例えば、ウラン235(235U)やウラン238(238U)等が挙げられる。
上記放射性プルトニウムとしては、例えば、プルトニウム240(240Pu)等が挙げられる。
上記放射性アメリシウムとしては、例えば、アメリシウム242(242Am)等が挙げられる。
上記放射性キュリウムとしては、例えば、キュリウム244(244Cm)等が挙げられる。
上記結合パートナーは上記アナライトの種類に応じて適宜選ばれ、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、糖、核酸、ハプテン等に由来する基が挙げられる。
また、上記アナライトが上記放射性物質である場合、上記結合パートナーは、直鎖状ポリエーテル類、環状エーテル類、カリックスアレーン類、大環状複素環化合物類、シクロデキストリン類、テトラフェニルホウ酸類、及び、これらの誘導体からなる群より選択される少なくとも一種の化合物、又は、これらの化合物に由来する基であることが好ましく、下記式(3)で表される化合物又は該式(3)で表される化合物に由来する基であることがより好ましい。
Figure 0007412338000003
上記オリゴマー鎖又は上記ポリマー鎖は、親水性基を有することが好ましい。
上記親水性基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホン酸基等が挙げられる。
なかでも、上記オリゴマー鎖又は上記ポリマー鎖は、上記親水性基として、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、及び、スルホン酸基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有することが好ましい。
本発明の収縮蛍光ゲルは、微粒子状、即ち、ゲル微粒子であることが好ましい。上記ゲル微粒子であることにより、塊状の場合と比べて表面積が大きくなるため、上記アナライトが上記結合パートナーとより結合し易くなって上記アナライトの検出感度により優れるものとなる。
本発明の収縮蛍光ゲルがゲル微粒子である場合、上記ゲル微粒子の平均粒子径の好ましい下限は0.05μm、好ましい上限は100μmである。上記ゲル微粒子の平均粒子径が0.05μm以上であることにより、ゲル自体の収縮幅が大きくなることでゲル内部の凝集誘起発光性化合物又は該凝集誘起発光性化合物に由来する基同士の分散性が大きくなるため、よりバックグラウンド蛍光を抑制する効果に優れるものとなる。上記ゲル微粒子の平均粒子径が100μm以下であることにより、表面積が大きくなるため、上記アナライトが上記結合パートナーとより結合し易くなって上記アナライトの検出感度に優れるものとなる。上記ゲル微粒子の平均粒子径のより好ましい下限は0.1μm、より好ましい上限は50μmである。
なお、上記ゲル微粒子の平均粒子径は、アナライトと結合させる前のゲル微粒子の平均粒子径を意味し、例えば、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、「LS 13 320」)を用いて測定することができる。なお、上記ゲル微粒子の平均粒子径は個数基準の平均粒子径である。
本発明の収縮蛍光ゲルを製造する方法としては、例えば、水性溶媒中で沈殿重合を行う方法、乳化重合法、ソープフリー重合法、懸濁重合法等が挙げられる。
具体的には例えば、まず、水性溶媒中に、重合性モノマーと、上記凝集誘起発光性化合物と、分散剤と、架橋剤と、重合開始剤とを溶解させる。次いで、得られた溶液を加熱しながら撹拌することでゲル微粒子を得る。その後、アナライトの種類に応じた結合パートナーを有する化合物、及び、必要に応じて親水性基を有する化合物を共重合させることにより、本発明の収縮蛍光ゲルを得ることができる。
上記水性溶媒としては、例えば、水、又は、水と、メタノール、エタノール等との混合溶媒が挙げられる。
上記重合性モノマーは、重合して上記オリゴマー鎖又は上記ポリマー鎖を形成するものであれば特に限定されず、例えば、上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体等が挙げられる。
上記分散剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、コロイダルシリカ等が挙げられる。また、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤を用いることもできる。
上記架橋剤としては、例えば、N,N’-メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。なお、上述したように、本発明の収縮蛍光ゲルにおける架橋体構造は、上記多官能モノマーを共重合することで得られる他、カルボキシル基や水酸基を用いた分子内架橋(脱水縮合)によっても得ることができる。
上記重合開始剤としては、例えば、油溶性開始剤、水溶性開始剤等が挙げられる。
上記油溶性開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
上記水溶性開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
本発明の収縮蛍光ゲルは、臨床検査薬に好適に用いられる。具体的には、本発明の収縮蛍光ゲルは、臨床検査薬として、抗原抗体反応を利用した酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、ラテックス凝集法、イムノクロマトグラフ法等の生物学的反応を利用した種々の方法に好適に用いることができる。また、本発明の収縮蛍光ゲルは、放射性物質の測定にも好適に用いられる。本発明の収縮蛍光ゲルを用いれば、低コストかつ簡易に放射性物質を測定することができる。
アナライトを含有する試料溶液と、本発明の収縮蛍光ゲルを含有する溶液とを混合して混合液を調製する工程と、上記混合液中の上記収縮蛍光ゲルから発生する蛍光強度を測定する工程と、アナライト濃度に対する蛍光強度の検量線と上記収縮蛍光ゲルから発生する蛍光強度とを対比して、上記収縮蛍光ゲルから発生する蛍光強度と上記混合液中のアナライト濃度とを関連付ける工程とを有するアナライト濃度測定法もまた、本発明の1つである。
上記混合液中の上記収縮蛍光ゲルから発生する蛍光強度を測定する工程では、混合液に励起光を照射する工程、及び、混合液が発する蛍光や燐光等の発光強度の変化量を測定する工程を行うことが好ましい。
本発明のアナライト濃度測定法には、迅速かつ簡便に測定を行うことができる自動分析装置の利用が適しており、蛍光や燐光等の発光強度を測定できる自動分析装置が好ましい。
上記混合液に励起光を照射する工程に用いられる光源は特に限定されない。
また、上記混合液に励起光を照射する工程で照射される光の波長としては、紫外光領域の波長が適しており、特に10nm~400nmの波長が好適である。
上述した自動分析装置においては、アナライトを含む試料溶液と、本発明の収縮蛍光ゲルを含有する溶液との混合直後から、最大1000秒までの任意の2時点における蛍光強度の変化量を測定できる。特に、混合直後から300秒以内の2時点の蛍光強度の変化量を測定することにより、1試料あたりの総測定時間を10分以内とすることができ、市販されている各種自動分析装置の最大検体処理速度の利益を享受することができる。
上記混合液に励起光を照射する工程における光の照射角度としては、15度~35度が好ましい。上記照射角度をこの範囲とすることにより、蛍光を検知するための受光部において透過光の影響を強く受けず、また、蛍光を受光する能力に関しても有利となる。上記照射角度は、20度~30度がより好ましい。
上記蛍光強度の変化量は、2時点間の差や比、単位時間あたりの換算値等、適用可能な算出法であれば特に制限はない。
上記収縮蛍光ゲルから発生する蛍光強度と上記混合液中のアナライト濃度とを関連付ける工程では、既知濃度のアナライト含有試料を用いて作成した、蛍光強度の検量線を用いることが好ましい。ダイナミックレンジが広い蛍光強度の測定では、より広い濃度範囲で検量線を作成することが好ましい。
なお、本発明のアナライト濃度測定法においては、低濃度のアナライト測定値の正確性や再現性が良好であることが高感度の指標となる。
また、上記「ダイナミックレンジ」とは、測定可能な最大のアナライト量までの範囲を意味する。本発明のアナライト濃度測定法のダイナミックレンジは、アナライト濃度に比例した光量変化が検出できる範囲となる。
本発明の収縮蛍光ゲルを含有する検査キットも本発明の1つである。本発明の収縮蛍光ゲルを含有する検査装置も本発明の1つである。本発明に係る収縮蛍光ゲルを用いることで、該収縮蛍光ゲルを含む検査キット及び検査装置を用いた際に、バックグラウンド蛍光を抑制でき、かつ、良好な検出感度でアナライトを検出することができる。
本発明によれば、バックグラウンド蛍光を抑制でき、かつ、良好な検出感度でアナライトを測定できる収縮蛍光ゲルを提供することができる。また、本発明によれば、該収縮蛍光ゲルを用いたアナライト濃度測定法、検査キット、及び、検査装置を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(合成例1)
水とメタノールとの混合溶媒(メタノール50重量%)200重量部中に、アクリル酸37重量部、p-ヒドロキシテトラフェニルエチレンアクリレート1重量部、ポリビニルピロリドン1重量部、N,N’-メチレンビスアクリルアミド2重量部、及び、過酸化ベンゾイル1重量部を溶解させた。p-ヒドロキシテトラフェニルエチレンアクリレートとしては、水酸基が3つの4-(1,2,2-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ビニル)フェニルアクリレートを使用した。次いで、得られた溶液を60℃で6時間撹拌することにより、ゲル微粒子を得た。その後、ゲル微粒子を含有する分散液にシアル化糖鎖抗原KL-6(以下、「KL-6」と略記)抗体を含むPBS溶液(KL-6抗体濃度0.75mg/mL)2重量部を加え、25℃で撹拌することにより、微粒子状の収縮蛍光ゲルを得た。
H-NMR、FT-IR測定により、得られた収縮蛍光ゲルは、凝集誘起発光性化合物としてp-ヒドロキシテトラフェニルエチレンアクリレートに由来する基を有し、結合パートナーとしてKL-6抗体を有し、親水性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸鎖で構成されるゲルであることを確認した。
また、得られた収縮蛍光ゲルについて、粒度分布測定装置により測定した平均粒子径は3μmであった。上記粒度分布測定装置としては、LS 13 320(ベックマン・コールター社製)を用いた。
(合成例2)
ポリビニルピロリドンを用いなかったこと以外は合成例1と同様にして、塊状の収縮蛍光ゲルを得た。
H-NMR、FT-IR測定により、得られた収縮蛍光ゲルは、凝集誘起発光性化合物としてp-ヒドロキシテトラフェニルエチレンアクリレートに由来する基を有し、結合パートナーとしてKL-6抗体を有し、親水性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸鎖で構成されるゲルであることを確認した。
(合成例3)
水とメタノールとの混合溶媒(メタノール50重量%)200重量部中に、アクリル酸37重量部、p-ヒドロキシテトラフェニルエチレンアクリレート1重量部、ポリビニルピロリドン1重量部、N,N’-メチレンビスアクリルアミド2重量部、及び、過酸化ベンゾイル1重量部を溶解させた。p-ヒドロキシテトラフェニルエチレンアクリレートとしては、水酸基が3つの4-(1,2,2-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ビニル)フェニルアクリレートを使用した。次いで、得られた溶液を60℃で6時間撹拌することにより、ゲル微粒子を得た。
H-NMR、FT-IR測定により、得られたゲル微粒子は、凝集誘起発光性化合物としてp-ヒドロキシテトラフェニルエチレンアクリレートに由来する基を有し、結合パートナーを有さず、親水性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸鎖で構成されるゲルであることを確認した。
また、得られたゲル微粒子について、合成例1と同様にして測定した平均粒子径は3μmであった。
(合成例4)
スチレン2.5重量部、ジビニルベンゼン1重量部、p-ヒドロキシテトラフェニルエチレンアクリレート0.3重量部、及び、過酸化ベンゾイル0.1重量部を混合した。得られた混合液を、濃度1g/Lのポリビニルアルコール水溶液に滴下し、80℃で3時間撹拌することにより、凝集発光性材料を内包する凝集発光性材料含有粒子を得た。p-ヒドロキシテトラフェニルエチレンアクリレートとしては、水酸基が3つの4-(1,2,2-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ビニル)フェニルアクリレートを使用した。
(合成例5)
水100重量部に、スチレン3.6重量部、及び、重合開始剤としてV-50(富士フイルム和光純薬社製)0.136重量部を混合した。得られた混合液を60℃で4時間撹拌した後、2-クロロプロピオニルオキシエチルメタクリレート0.375重量部を添加して更に60℃で6時間撹拌した。得られた溶液をろ過した後、遠心分離により精製し、コア粒子を得た。
得られたコア粒子を含有割合が1.0重量%となるように水中に分散させ、分散液を得た。得られた分散液30重量部に、金属錯体として塩化銅(I)/トリス[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミンの存在下で、メタクリル酸0.517重量部、及び、還元剤としてアスコルビン酸21.1重量部を添加し、30℃で2時間撹拌した。得られた溶液を遠心分離により精製し、コア粒子の表面に有機グラフト鎖を付与した。
得られた粒子1.0重量部をエチレングリコール中に分散させ、p-ヒドロキシテトラフェニルエチレンアクリレート0.578重量部、及び、塩酸1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド0.28重量部を加え、室温で6時間撹拌した。p-ヒドロキシテトラフェニルエチレンアクリレートとしては、水酸基が3つの4-(1,2,2-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ビニル)フェニルアクリレートを使用した。得られた分散液を遠心分離により精製し、有機グラフト鎖に凝集誘起発光性化合物に由来する基を導入した。
得られた有機グラフト鎖に凝集誘起発光性化合物に由来する基を導入した粒子を含有割合が0.5重量%となるように水中に分散させ、分散液を得た。得られた分散液10重量部にKL-6抗体を含むPBS溶液(KL-6抗体濃度0.75mg/mL)20重量部を加え、室温で24時間撹拌した。得られた溶液を遠心分離により精製し、凝集発光性材料を表面に有する凝集発光性材料含有粒子を得た。
(実施例1~3、比較例1~3)
合成例1~5で得られたゲル又は粒子を、それぞれ表1に示した濃度で含有するゲル又は粒子含有溶液を得た。
<評価>
実施例1~3及び比較例1~3で得られた各ゲル又は粒子含有溶液について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(蛍光強度)
ウシ血清アルブミンを含む緩衝液中にアナライトとしてKL-6抗原を添加して撹拌し、アナライトを含む試料溶液(アナライト濃度0.8mg/mL)を調製した。得られたアナライトを含む試料溶液1重量部と、実施例1~3及び比較例1~3で得られた各ゲル又は粒子含有溶液10重量部とを混合して混合液を得た。得られた混合液をウェイブローターで1分間振とうさせた。
振とう前の混合液(混合直後)の蛍光強度を抗原抗体反応前の蛍光強度、振とう後の混合液の蛍光強度を抗原抗体反応後の蛍光強度として、FP-8200(日本分光社製)を用いて、それぞれの蛍光強度を測定した。
Figure 0007412338000004
(合成例6)
アセトン100重量部中に、テトラフェニルエチレンアクリレート1重量部、上記式(3)で表される化合物0.5重量部、及び、過酸化ベンゾイル1重量部を充分に溶解させた後、水20重量部、アクリル酸37重量部、ポリビニルピロリドン1重量部、及び、N,N’-メチレンビスアクリルアミド2重量部を加えた。得られた溶液を60℃で6時間撹拌することにより、収縮蛍光ゲルを得た。
H-NMR、FT-IR測定により、得られた収縮蛍光ゲルは、凝集誘起発光性化合物としてテトラフェニルエチレンアクリレートに由来する基を有し、結合パートナーとして上記式(3)で表される化合物を有し、親水性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸鎖で構成されるゲルであることを確認した。
また、得られた収縮蛍光ゲルについて、粒度分布測定装置により測定した平均粒子径は3μmであった。上記粒度分布測定装置としては、LS 13 320(ベックマン・コールター社製)を用いた。
(合成例7)
ポリビニルピロリドンを用いなかったこと以外は合成例6と同様にして、塊状の収縮蛍光ゲルを得た。
H-NMR、FT-IR測定により、得られた収縮蛍光ゲルは、凝集誘起発光性化合物としてテトラフェニルエチレンアクリレートに由来する基を有し、結合パートナーとして上記式(3)で表される化合物を有し、親水性基としてカルボキシル基を有するポリメタアクリル酸鎖で構成されるゲルであることを確認した。
(合成例8)
アセトン100重量部中に、テトラフェニルエチレンアクリレート1重量部、及び、過酸化ベンゾイル1重量部を充分に溶解させた後、水20重量部、アクリル酸37重量部、ポリビニルピロリドン1重量部、N,N’-メチレンビスアクリルアミド2重量部を加えた。得られた溶液を60℃で6時間撹拌することにより、ゲル微粒子を得た。
H-NMR、FT-IR測定により、得られたゲル微粒子は、凝集誘起発光性化合物としてテトラフェニルエチレンアクリレートに由来する基を有し、結合パートナーを有さず、親水性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸鎖で構成されるゲルであることを確認した。
また、得られたゲル微粒子について、合成例6と同様にして測定した平均粒子径は3μmであった。
(合成例9)
スチレン20重量部、ジビニルベンゼン20重量部、テトラフェニルエチレンアクリレート1重量部、上記式(3)で表される化合物0.5重量部、及び、過酸化ベンゾイル1重量部を混合した。得られた混合液を、濃度1g/Lのポリビニルアルコール水溶液に滴下し、80℃で3時間撹拌することにより、凝集発光性材料を内包する凝集発光性材料含有粒子を得た。
(実施例4~6、比較例4、5)
合成例6~9で得られたゲル又は粒子を、それぞれ表2に示した濃度で含有するゲル又は粒子含有溶液を得た。
<評価>
実施例4~6及び比較例4、5で得られた各ゲル又は粒子含有溶液について以下の評価を行った。結果を表2に示した。
(蛍光強度)
アナライトとしてセシウムイオンを含む水溶液を、アナライトを含む試料溶液(アナライト濃度5.3mg/mL)とした。得られたアナライトを含む試料溶液1重量部と、実施例4~6及び比較例4、5で得られた各ゲル又は粒子含有溶液10重量部とを混合して混合液を得た。得られた混合液をウェイブローターで1分間振とうさせた。
振とう前の混合液(混合直後)の蛍光強度をセシウムイオン吸着前の蛍光強度、振とう後の混合液の蛍光強度をセシウムイオン吸着後の蛍光強度として、FP-8200(日本分光社製)を用いて、それぞれの蛍光強度を測定した。
Figure 0007412338000005
本発明によれば、バックグラウンド蛍光を抑制でき、かつ、良好な検出感度でアナライトを測定できる収縮蛍光ゲルを提供することができる。また、本発明によれば、該収縮蛍光ゲルを用いたアナライト濃度測定法、検査キット、及び、検査装置を提供することができる。

Claims (11)

  1. オリゴマー鎖又はポリマー鎖の架橋体で構成されるゲルであって、
    前記オリゴマー鎖又は前記ポリマー鎖は、凝集誘起発光性化合物又は該凝集誘起発光性化合物に由来する基と、アナライトと結合可能な結合パートナーとを有し、
    放射性物質の測定に用いられる
    ことを特徴とする収縮蛍光ゲル。
  2. 前記凝集誘起発光性化合物は、下記式(1)で表される化合物又は下記式(2)で表される化合物である請求項1記載の収縮蛍光ゲル。
    Figure 0007412338000006
    式(1)中、Eは、ケイ素原子又はゲルマニウム原子を示し、R及びRは、同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6の飽和若しくは不飽和炭化水素基、置換基を有していてもよいフェニル基、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、又は、ニトロ基を示し、R~Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい芳香族複素環式基を示す。
    Figure 0007412338000007
    式(2)中、R~R10は、同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6の飽和若しくは不飽和炭化水素基、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、又は、ニトロ基を示す。
  3. 前記オリゴマー鎖又は前記ポリマー鎖は、親水性基を有する請求項1又は2記載の収縮蛍光ゲル。
  4. 前記オリゴマー鎖又は前記ポリマー鎖は、前記親水性基として、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、及び、スルホン酸基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有する請求項3記載の収縮蛍光ゲル。
  5. 微粒子状である請求項1、2、3又は4記載の収縮蛍光ゲル。
  6. 平均粒子径が、0.05μm以上100μm以下である請求項5記載の収縮蛍光ゲル。
  7. 前記アナライトと結合可能な結合パートナーは、直鎖状ポリエーテル類、環状エーテル類、カリックスアレーン類、大環状複素環化合物類、シクロデキストリン類、テトラフェニルホウ酸類、及び、これらの誘導体からなる群より選択される少なくとも一種の化合物、又は、これらの化合物に由来する基である請求項1、2、3、4、5又は6記載の収縮蛍光ゲル。
  8. 前記アナライトと結合可能な結合パートナーは、下記式(3)で表される化合物又は該式(3)で表される化合物に由来する基である請求項記載の収縮蛍光ゲル。
    Figure 0007412338000008
  9. アナライトを含有する試料溶液と、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の収縮蛍光ゲルを含有する溶液とを混合して混合液を調製する工程と、
    前記混合液中の前記収縮蛍光ゲルから発生する蛍光強度を測定する工程と、
    アナライト濃度に対する蛍光強度の検量線と前記収縮蛍光ゲルから発生する蛍光強度とを対比して、前記収縮蛍光ゲルから発生する蛍光強度と前記混合液中のアナライト濃度とを関連付ける工程と
    を有するアナライト濃度測定法。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の収縮蛍光ゲルを含有する検査キット。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の収縮蛍光ゲルを含有する検査装置。
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