JP7412196B2 - 動力伝達軸及び動力伝達軸の加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達軸及び動力伝達軸の加工方法に関する。
特許文献1には、動力伝達軸に円環状のシールリングが嵌挿されるシールリング溝を有する自動変速機が開示されている。
特開2017-180757号公報
ところで、動力伝達軸にシールリング溝を形成する際には、熱処理工程及びショットピーニング加工等による動力伝達軸への残留応力付与工程を行った後で仕上げ加工を行う場合がある。この場合、ショットピーニング加工等による残留応力付与工程により表面残留応力が加えられた硬化部分を切削加工することになるので、シールリング溝の表面残留応力が解放されて、動力伝達軸が変形する。そのため、シールリング溝の仕上げ加工により動力伝達軸の振れ公差に影響を及ぼすおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、シールリング溝の加工による動力伝達軸の振れ公差への影響を抑制することを目的とする。
本発明のある態様によれば、動力伝達軸は、外周に矩形の断面形状を有する環状に形成されて熱処理及び残留応力付与がなされ、シールリングが挿入されるシールリング溝と、前記シールリング溝に隣接配置された作動油路と、を備え、前記シールリング溝は、前記矩形の断面形状の最内周に形成される底面と、前記矩形の断面形状の軸方向における両端部に形成される一対の側面と、を有し、前記一対の側面のうち前記作動油路とは軸方向反対側の側面は、前記底面よりも表面粗さが小さい。
また、本発明のある態様によれば、外周に矩形の断面形状を有しシールリングが挿入される環状のシールリング溝及び当該シールリング溝に隣接配置された作動油路を備えた動力伝達軸の加工方法は、前記シールリング溝を加工する粗加工工程と、前記シールリング溝を加工した後に熱処理を行う熱処理工程と、外周面に残留応力を付与処理する残留応力付与工程と、前記残留応力付与工程を行った後、前記シールリング溝の前記矩形の断面形状の軸方向の両端部に形成された一対の側面のうち、前記作動油路とは軸方向反対側の側面を少なくも仕上げ加工し、かつ前記矩形の断面形状の最内周に形成された底面の加工は行わない仕上加工工程と、を備える。
上記態様では、シールリング溝の側面の表面粗さが底面の表面粗さよりも小さい。そのため、熱処理工程及び残留応力付与工程を行った後でシールリング溝の仕上げ加工を行う場合であっても、シールリング溝の側面のみを加工すればよい。即ち、仕上げ加工の際に底面は加工不要となる。このため、底面の表面残留応力を解放することなく、側面の表面残留応力のみが解放されるようにしたので、底面まで仕上げ加工する場合よりも解放される表面残留応力の影響を小さくできる。したがって、動力伝達軸の変形が抑制され、シールリング溝の加工による動力伝達軸の振れ公差への影響を抑制することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る動力伝達軸の正面図である。 図2は、動力伝達軸におけるシールリング溝近傍の構成について説明する拡大断面図である。 図3は、動力伝達軸の加工方法のフローチャートである。 図4は、動力伝達軸におけるシールリング溝の粗加工について説明する図である。 図5は、動力伝達軸の熱処理について説明する図である。 図6は、動力伝達軸のショットピーニング加工について説明する図である。 図7は、動力伝達軸におけるシールリング溝の一方の側面の仕上げ加工について説明する図である。 図8は、動力伝達軸におけるシールリング溝の他方の側面の仕上げ加工について説明する図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る動力伝達軸1について説明する。ここでは、動力伝達軸1が車両の有段式自動変速機(ステップAT)におけるインプットシャフトに適用される場合を例として説明する。
まず、図1及び図2を参照して、動力伝達軸1の構成について説明する。
図1は、動力伝達軸1の正面図である。図2は、車両の有段式自動変速機(ステップAT)に組み付けられた状態での図1におけるII部の拡大断面図であり、動力伝達軸1におけるシールリング溝20近傍の構成について説明する図である。
図1に示すように、動力伝達軸1は、第1スプライン11と、サンギヤ12と、第2スプライン13と、複数のリブ14と、複数のシールリング溝20と、を有する。動力伝達軸1は、中心軸線eまわりに回転することで、入力された動力を出力側に伝達するものである。動力伝達軸1は、炭素鋼(例えばSCR420H)によって形成される。
第1スプライン11は、トルクコンバータのタービン(図示省略)と噛合する。第1スプライン11からは、トルクコンバータからの動力が入力される。
サンギヤ12は、遊星歯車機構(図示省略)を構成する。サンギヤ12からは、動力が出力される。
第2スプライン13は、遊星歯車機構を切り換えるためのクラッチ機構(図示省略)と噛合する。
隣り合う一対のリブ14の間には、クラッチ機構を制御するための作動油が通過する作動油路としての環状流路16(図2参照)が形成される。リブ14は、形成される環状流路16の数に応じて複数(ここでは4個)設けられる。
図2に示すように、動力伝達軸1は、中心軸線e方向に形成される作動油流路1aと、作動油流路1aから径方向に形成されて外周面に開口する作動油流路1bと、を有する。動力伝達軸1の外周面は、円筒状のスリーブ3の内周面に対向する。
スリーブ3は、径方向に形成されて内周面に開口する作動油流路3aを有する。
環状流路16は、動力伝達軸1の外周面と、リブ14のシールリング溝20に挿入される後述するシールリング2と、スリーブ3の内周面と、によって画成される。
クラッチ機構を制御するための作動油は、作動油流路1a,1bを通じて環状流路16に流入し、環状流路16から作動油流路3aを通じてクラッチ機構に供給される。
図2に示すように、シールリング溝20は、各々のリブ14の外周から中心軸線e側に向けて凹状に形成される。シールリング溝20は、リブ14における軸方向の略中央に形成される。シールリング溝20は、矩形の断面形状を有する環状に形成される。シールリング溝20には、矩形の断面形状を有するシールリング2が各々挿入される。
シールリング溝20は、底面21と、一対の側面22,23と、一対の段部24と、を有する。
底面21は、矩形の断面形状の最内周に形成される。底面21には、シールリング2が当接しない。そのため、底面21の表面粗さは比較的大きくてもよい。底面21は、後述するように、粗加工工程によって形成される。
一対の側面22,23は、矩形の断面形状の軸方向における両端部に各々形成される。具体的には、側面22は、環状流路16とは反対側に形成され、側面23は、環状流路16側に形成される。環状流路16に作動油が供給されたときには、シールリング溝20に挿入されたシールリング2は、環状流路16とは反対側の側面22と当接する。一方、環状流路16に作動油が供給されていないときには、シールリング溝20に挿入されたシールリング2は、環状流路16とは反対側の側面22若しくは環状流路16側の側面23と当接する。そのため、側面22,23の表面粗さを、底面21よりも小さく設定している。
なお、側面22,23のうち、圧力がかかった状態でシールリング2が当接するのは、環状流路16とは反対側の側面22のみであって、圧力がかかった状態ではシールリング2は環状流路16側の側面23には当接しない。そのため、シールリング2に圧力がかかった状態で当接する側面22のみの表面粗さを、底面21及び側面23の表面粗さよりも小さく設定してもよい。
即ち、環状流路16に作動油が供給されている場合、シールリング2の側面は、作動油の圧力によってシールリング溝20の環状流路16とは反対側の側面22に圧力がかかった状態で押し付けられる。同様に、シールリング2の外周面は、環状流路16に作動油が供給されると、作動油の圧力によってスリーブ3の内周面に圧力がかかった状態で押し付けられる。これにより、環状流路16が密閉される。
一方、環状流路16に作動油が供給されていない場合、シールリング2は、圧力や荷重がかからない状態で側面22,23のいずれかに当接する。そのため、側面22,23の両方の表面粗さを底面21よりも小さくすることで、表面粗さが大きい面にシールリング2が当接しないので、シールリング2の耐久性を維持できる。
側面22,23は、後述するように、粗加工工程の後、熱処理工程及び残留応力付与工程であるショットピーニング工程を経た後で、仕上加工工程によって形成される。
よって、熱処理及びショットピーニング加工を行った後でシールリング溝20の仕上げ加工を行う場合には、シールリング溝20の側面22,23のみを加工すればよい。即ち、仕上げ加工の際に底面21は加工不要となる。そのため、底面21の表面残留応力を解放することなく、側面22,23の表面残留応力のみが解放されるようにしたので、底面21まで仕上げ加工する場合よりも解放される表面残留応力の影響を小さくできる。したがって、動力伝達軸1の変形が抑制され、シールリング溝20の加工による動力伝達軸1の振れ公差への影響を抑制することができる。
特に、熱処理加工及びショットピーニング加工を行った後でシールリング溝20の仕上げ加工を行う際に、シールリング溝20の環状流路16とは反対側の側面22のみを加工する場合には、解放される表面残留応力の影響をより小さくできる。したがって、動力伝達軸1の変形が抑制され、シールリング溝20の加工による動力伝達軸1の振れ公差への影響を更に抑制することができる。また、圧力がかかった状態でシールリング2が当接する側面22のみを加工し、他の側面23や底面21に比べて表面粗さを小さくすることで、シールリング2の耐久性の低下も最小限に抑制できる。
底面21と側面22,23との間には、段部24が形成される。即ち、一対の側面22,23の間隔は、底面21よりも大きい。
段部24は、側面22と底面21との間、及び側面23と底面21との間に形成される。側面22,23と底面21との接続面25は、側面22,23から連続する曲面状に形成される。同様に、底面21と段部24との接続面26は、底面21から連続する曲面状に形成される。
よって、側面22,23と段部24との接続面25は曲面状に形成されるので、側面22,23と段部24とを直角の角部によって接続する場合と比較して、応力集中を避けることができる。同様に、底面21と段部24との接続面26は曲面状に形成されるので、底面21と段部24とを直角の角部によって接続する場合と比較して、応力集中を避けることができる。
次に、図3から図8を参照して、動力伝達軸1におけるシールリング溝20の加工方法について説明する。
図3は、動力伝達軸1の加工方法のフローチャートである。図4は、動力伝達軸1におけるシールリング溝20の粗加工について説明する図である。図5は、動力伝達軸1の熱処理について説明する図である。図6は、動力伝達軸1のショットピーニング加工について説明する図である。図7は、動力伝達軸1におけるシールリング溝20の一方の側面22の仕上げ加工について説明する図である。図8は、動力伝達軸1におけるシールリング溝20の他方の側面23の仕上げ加工について説明する図である。
図3のステップS1では、シールリング溝20の粗加工を行う(粗加工工程)。具体的には、図4に示すように、動力伝達軸1を旋盤にセットし、動力伝達軸1の軸方向の大きさがシールリング溝20における底面21と略同一の超硬工具51によって、外周から中心軸線e側に向けてシールリング溝20を切削加工する。
このとき、超硬工具51の先端における両端の角部が曲線状の超硬工具51を用いることにより、超硬工具51による切削加工を行うだけで、底面21と段部24とを接続する曲面状の接続面26が形成される。
続いて、図3のステップS2では、動力伝達軸1に熱処理を行う(熱処理工程)。具体的には、図5に示すように、動力伝達軸1の外周表面に熱を加えて硬度を上昇させる。このとき、加える熱の温度や時間等は、要求される硬度に応じて設定される。熱処理による硬化部分27の深さは、リブ14の外周面やシールリング溝20の側面22,23よりも、シールリング溝20の奥に位置する底面21の方が大きくなる。
続いて、図3のステップS3では、動力伝達軸1にショットピーニング加工を行う(ショットピーニング工程)。具体的には、図6に示すように、粒状の鋼鉄の投射材52を動力伝達軸1の外周表面に衝突させることで、塑性変形による加工硬化を生じさせると共に、表面残留応力を付与する。
続いて、図3のステップS4では、シールリング溝20の仕上げ加工を行う(仕上加工工程)。具体的には、図7及び図8に示すように、動力伝達軸1を旋盤にセットし、動力伝達軸1の軸方向の大きさがシールリング溝20における底面21よりも小さいCBN工具53によって、外周から中心軸線e側に向けてシールリング溝20の側面22,23のみを切削加工(ハードターニング加工)する。即ち、仕上加工工程では、シールリング溝20の底面21の切削加工は行わない。このとき、ステップS1における粗加工のときよりも表面粗さが小さくなるように側面22,23を切削加工する。
まず、図7に示すように、シールリング溝20の一方の側面22を切削加工する。これにより、側面22と底面21との間に段部24が形成される。次に、図8に示すように、シールリング溝20の他方の側面23を切削加工する。これにより、側面23と底面21との間に段部24が形成される。
このとき、CBN工具53の先端における両端の角部が曲線状のCBN工具53を用いることにより、CBN工具53による切削加工を行うだけで、側面22,23と段部24とを接続する曲面状の接続面25が形成される。
以上の工程によって、シールリング溝20を形成することができる。
このように、熱処理及びショットピーニング加工を行った後でシールリング溝20の仕上げ加工を行う際には、シールリング溝20の側面22,23のみを加工する。即ち、仕上加工工程では、シールリング溝20の底面21の切削加工は行わない。そのため、底面21の表面残留応力を解放することなく、側面22,23の表面残留応力のみが解放されるので、底面21まで仕上げ加工する場合よりも解放される表面残留応力の影響を小さくできる。したがって、動力伝達軸1の変形が抑制され、シールリング溝20の加工による動力伝達軸1の振れ公差への影響を抑制することができる。
また、圧力がかかった状態でシールリング2が当接する側面22及び圧力がかかっていない状態でシールリング2が当接する可能性のある側面23の切削加工を行い、底面21に比べて表面粗さを小さくすることで、シールリング2の耐久性の低下も抑制できる。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
動力伝達軸1は、外周に矩形の断面形状を有する環状に形成され、シールリング2が挿入されるシールリング溝20と、シールリング溝20に隣接配置された環状流路16と、を備え、シールリング溝20は、矩形の断面形状の最内周に形成される底面21と、矩形の断面形状の軸方向における両端部に形成される一対の側面22,23と、を有し、一対の側面22,23のうち環状流路16とは軸方向反対側の側面22は、底面21よりも表面粗さが小さい。
この構成によれば、シールリング溝20の側面22の表面粗さは、底面21の表面粗さよりも小さい。そのため、熱処理及びショットピーニング加工を行った後でシールリング溝20の仕上げ加工を行う場合であっても、シールリング溝20の側面22のみを加工すればよい。即ち、仕上げ加工の際に底面21は加工不要となる。このため、底面21の表面残留応力を解放することなく、側面22の表面残留応力のみが解放されるようにしたので、底面21まで仕上げ加工する場合よりも解放される表面残留応力の影響を小さくできる。したがって、動力伝達軸1の変形が抑制され、シールリング溝20の加工による動力伝達軸1の振れ公差への影響を抑制することができる(請求項1に対応する効果)。
更に、環状流路16に作動油が供給されている場合には、シールリング2に油圧がかかり、シールリング2は側面22に当接することになる。このとき、シールリング溝20の環状流路16とは反対側の側面22の表面粗さが小さいため、シールリング2の耐久性の低下が抑制される(請求項1に対応する効果)。
また、一対の側面22,23のうち環状流路16側の側面23もまた、底面21よりも表面粗さが小さい。
この構成では、側面22,23の両方の表面粗さが底面21よりも小さい。環状流路16に作動油が供給されていない場合、シールリング2は、圧力や荷重がかからない状態で側面22,23のいずれかに当接する。そのため、側面22,23の両方の表面粗さを底面21よりも小さくすることで、表面粗さの大きい面にシールリング2が当接しないので、シールリング2の耐久性を維持できる(請求項2に対応する効果)。
また、一対の側面22,23の間隔は底面21よりも大きく、底面21よりも表面粗さが小さい側面22,23と底面21との間には段部24が形成され、側面22,23と段部24との接続面25は、側面22,23から連続する曲面状に形成される。
この構成によれば、側面22,23と段部24との接続面25は曲面状に形成されるので、側面22,23と段部24とを直角の角部によって接続する場合と比較して、応力集中を避けることができる(請求項3に対応する効果)。
また、外周に矩形の断面形状を有しシールリング2が挿入される環状のシールリング溝20及び当該シールリング溝20に隣接配置された環状流路16を備えた動力伝達軸1の加工方法は、シールリング溝20を加工する粗加工工程と、シールリング溝20を加工した後に熱処理を行う熱処理工程と、外周面に残留応力を付与処理する残留応力付与工程と、残留応力付与工程を行った後、シールリング溝20の矩形の断面形状の軸方向の両端部に形成された一対の側面22,23のうち、環状流路16とは軸方向反対側の側面22を少なくも仕上げ加工し、かつ矩形の断面形状の最内周に形成された底面21の加工は行わない仕上加工工程と、を備える。
また、粗加工工程では、超硬工具51によって前記シールリング溝20を切削加工し、仕上加工工程では、CBN工具53によって粗加工工程よりも表面粗さが小さくなるようにシールリング溝20の側面22,23を切削加工する。
これらの構成によれば、熱処理及びショットピーニング加工を行った後でシールリング溝20の仕上げ加工を行う場合には、シールリング溝20の側面22,23のみを加工する。即ち、仕上加工工程では、シールリング溝20の底面21の切削加工は行わない。そのため、底面21の表面残留応力を解放することなく、側面22,23の表面残留応力のみが解放されるので、底面21まで仕上げ加工する場合よりも解放される表面残留応力の影響を小さくできる。したがって、動力伝達軸1の変形が抑制され、シールリング溝20の加工による動力伝達軸1の振れ公差への影響を抑制することができる(請求項4,5に対応する効果)。
また、圧力がかかった状態でシールリング2が当接する側面22の切削加工を行い、底面21に比べて表面粗さを小さくすることで、シールリング2の耐久性の低下も抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記実施形態では、動力伝達軸1が車両の有段式自動変速機(ステップAT)におけるインプットシャフトに適用される場合を例として説明した。これに代えて、シールリング溝20の構成を、他の動力伝達軸に適用してもよい。
1 動力伝達軸
2 シールリング
16 環状流路(作動油路)
20 シールリング溝
21 底面
22 側面
23 側面
24 段部
25 接続面
26 接続面

Claims (5)

  1. 動力伝達軸であって、
    外周に矩形の断面形状を有する環状に形成されて熱処理及び残留応力付与がなされ、シールリングが挿入されるシールリング溝と、
    前記シールリング溝に隣接配置された作動油路と、
    を備え、
    前記シールリング溝は、
    前記矩形の断面形状の最内周に形成される底面と、
    前記矩形の断面形状の軸方向における両端部に形成される一対の側面と、
    を有し、
    前記一対の側面のうち前記作動油路とは軸方向反対側の側面は、前記底面よりも表面粗さが小さい、
    ことを特徴とする動力伝達軸。
  2. 請求項1に記載の動力伝達軸であって、
    前記一対の側面のうち前記作動油路側の側面もまた、前記底面よりも表面粗さが小さい、
    ことを特徴とする動力伝達軸。
  3. 請求項1又は2に記載の動力伝達軸であって、
    前記一対の側面の間隔は前記底面よりも大きく、前記底面よりも表面粗さが小さい前記側面と前記底面との間には段部が形成され、
    前記側面と前記段部との接続面は、前記側面から連続する曲面状に形成される、
    ことを特徴とする動力伝達軸。
  4. 外周に矩形の断面形状を有しシールリングが挿入される環状のシールリング溝及び当該シールリング溝に隣接配置された作動油路を備えた動力伝達軸の加工方法であって、
    前記シールリング溝を加工する粗加工工程と、
    前記シールリング溝を加工した後に熱処理を行う熱処理工程と、
    外周面に残留応力を付与処理する残留応力付与工程と、
    前記残留応力付与工程を行った後、前記シールリング溝の前記矩形の断面形状の軸方向の両端部に形成された一対の側面のうち、前記作動油路とは軸方向反対側の側面を少なくも仕上げ加工し、かつ前記矩形の断面形状の最内周に形成された底面の加工は行わない仕上加工工程と、
    を備える、
    ことを特徴とする動力伝達軸の加工方法。
  5. 請求項4に記載の動力伝達軸の加工方法であって、
    前記粗加工工程では、超硬工具によって前記シールリング溝を切削加工し、前記仕上加工工程では、CBN工具によって前記粗加工工程よりも表面粗さが小さくなるように前記シールリング溝の前記側面を切削加工する、
    ことを特徴とする動力伝達軸の加工方法。
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