JPH09272021A - タービンロータの製造方法 - Google Patents

タービンロータの製造方法

Info

Publication number
JPH09272021A
JPH09272021A JP8082396A JP8239696A JPH09272021A JP H09272021 A JPH09272021 A JP H09272021A JP 8082396 A JP8082396 A JP 8082396A JP 8239696 A JP8239696 A JP 8239696A JP H09272021 A JPH09272021 A JP H09272021A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeve
shaft
shaft portion
ceramic
turbine rotor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8082396A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Kawasaki
啓治 川崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP8082396A priority Critical patent/JPH09272021A/ja
Publication of JPH09272021A publication Critical patent/JPH09272021A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)
  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
  • Welding Or Cutting Using Electron Beams (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タービンロータの製造工程が簡素化でき、安
価で高品質のタービンロータの製造方法を提供する。 【解決手段】 時効硬化型の低熱膨張耐熱合金から構成
され、かつ、一対の開口端を有する筒形状のスリーブ
(10)を時効硬化するために熱処理を行い、セラミッ
クロータ(20)の軸部(26)をスリーブ(10)の
一方の開口端に圧入して固定し、次いで、金属シャフト
(30)の端面をスリーブ(10)の他方の開口端の端
面に固定するタービンロータの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、セラミックロー
タ及び金属シャフトが接合したタービンロータの製造方
法の改良に関する。タービンロータは自動車エンジンの
ターボチャージャーに用いられる。
【0002】
【従来の技術】 自動車エンジンのターボチャージャー
は、タービンロータとエアコンプレッサインペラとを有
していて、排気ガスでタービンロータを回し、そのター
ビンロータがエアコンプレッサインペラを駆動して正規
の量以上の空気をエンジンに供給するものである。ター
ビンロータ及びエアコンプレッサインペラはいずれも翼
部を有していて、同軸のシャフトで接続されている。本
発明のタービンロータは、このターボチャージャーのタ
ービンロータに用いることができ、シャフトの他方の端
部にはエアコンプレッサインペラを接続することができ
る。
【0003】 ターボチャージャー用タービンロータ
は、エンジンからの高温の排気ガスに常時さらされてい
ることから、耐熱性、並びに、高温で遠心力に耐える機
械強度が要求される。また、容易に回転するために軽量
であることが好ましい。そこで、タービンロータの材料
として、これらの仕様を満たすセラミックスが実用化さ
れていて、具体的には、Si34、SiC、サイアロン
等のセラミックスが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 タービンロータの材
料をセラミックスとした場合、セラミックロータと金属
シャフトとの接合が問題となる。特開平4−89368
号公報は、セラミック部材と金属部材との結合体の製造
方法を記載し、セラミックロータと金属シャフトとが低
熱膨張耐熱合金製金属部材を介し圧入接合したタービン
ロータについても記載する。この製造方法では、金属シ
ャフトと低熱膨張耐熱合金製金属部材とを摩擦圧接によ
り接合して結合体とした後、当該結合体の当該金属部材
に凹部を設けて、次いで、セラミックロータの軸部を当
該結合体の金属部材の凹部に圧入して接合する。
【0005】 特開平4−89368号公報では、セラ
ミックロータの軸部が圧入される金属部材として、時効
硬化をする低熱膨張耐熱合金が用いられた。そして、こ
の金属部材と金属シャフトとを摩擦圧接により接合した
後に金属部材を時効硬化をするための熱処理を行い、次
いで、金属部材に圧入のための凹部を機械加工により設
けていた。ここで、時効硬化処理により金属部材は変形
をするので、時効硬化処理の後に圧入のための凹部の加
工を行う必要があった。また、金属シャフトは焼き入れ
処理が必要であるが、金属シャフトと金属部材との摩擦
圧接後に金属部材の時効硬化処理を行う場合、金属シャ
フトも焼き入れ温度以上まで加熱されるため、通常の油
焼き入れは適用できず、時効硬化処理後シャフト部につ
いて更に高周波焼き入れを行う必要があった。
【0006】 更に、従来方法では、スリーブと金属シ
ャフトとが接合された後、セラミックロータの軸部を金
属部材の閉塞された凹部に圧入するが、金属部材の凹部
の底角部とセラミックロータの軸部の端部との間に応力
集中が起きるので、金属部材の凹部の形状及び表面粗
さ、セラミックロータの軸部の端部の形状及び表面粗
さ、並びに、圧入締め代等に多大な工夫が必要であり、
また、これらの加工は精密な仕上げが要求されていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】 上記のように従来の製
造方法は煩雑であり、セラミックロータのコストが高く
なる重要な要因となっていた。そこで、本発明者は、セ
ラミックロータとスリーブとを圧入により接合した後、
金属シャフトとスリーブとを接合する方法を発明した。
即ち、本発明によれば、時効硬化型の低熱膨張耐熱合金
から構成され、かつ、一対の開口端を有する筒形状のス
リーブ(10)を時効硬化するために熱処理を行い、セ
ラミックロータ(20)の軸部(26)を当該スリーブ
(10)の一方の当該開口端に圧入して固定し、次い
で、金属シャフト(30)の端面(34s)を当該スリ
ーブ(10)の他方の当該開口端の端面(13t)に固
定することを特徴とするタービンロータの製造方法が提
供される。
【0008】 また、当該金属シャフト(30)の端面
(34s)が当該セラミックロータ(20)の当該軸部
(26)の端面(26s)に接することが好ましい。更
に、当該金属シャフト(30)及び当該スリーブ(1
0)は、摩擦圧接又は電子ビーム溶接により固定される
ことが好ましい。更にまた、当該セラミックロータ(2
0)の当該軸部(26)の周面(26t)が焼成面のま
まであってもよい。あるいは、当該セラミックロータ
(20)の当該軸部(26)の周面(26t)を表面粗
さ1.6s〜6.3sに加工し、次いで、当該軸部を8
00〜1300℃で酸化処理した後、上記圧入固定工程
を行ってもよい。
【0009】 更に、当該低熱膨張耐熱合金は、熱膨張
率が6〜8×10ー6であり、かつ、450℃でのクリー
プ強度が500MPa以上であることが好ましい。更に
また、当該熱処理により、当該スリーブ(10)のHRC
硬度を35〜45とすることが好ましい。更に、当該セ
ラミックロータ(20)は、ハブ部(22)と、当該ハ
ブ部に接続する放射状の翼部(24)と、当該ハブ部に
同軸に接続して軸方向に凸形状に形成される当該軸部
(26)と当該ハブ部に同軸に接続して当該ハブ部に対
して当該軸部の反対側に形成されるボス部(28)とを
有していて、当該セラミックロータは、セラミック粉末
及び有機バインダーを含有する坏土を射出成形により成
形体に成形し、当該有機バインダーを除去するために当
該成形体を加熱する脱脂を行い、次いで、当該成形体を
焼成することが好ましい。また、脱脂工程の後で焼成工
程の前に、静水圧加圧処理を行うことが更に好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】 図1は、タービンロータの部分
断面図である。図1(a)は、セラミックロータ20と
スリーブ10とが接合した後であり、この接合体と金属
シャフト30とが接合する前を示す。図1(b)は、こ
の接合体と金属シャフト30とが接合した後、更に仕上
げ加工されたタービンロータを示す。図2は、図1のA
の拡大断面図であり、図3は図1のBの拡大断面図であ
る。スリーブ10は、筒形状、好ましくは円筒形状を有
していて、一方の開口端から他方の開口端に貫通孔11
が軸方向に伸びている。一般的には、スリーブ10は、
低熱膨張耐熱合金を円筒形状に機械加工した後、時効硬
化するための熱処理を行い、次いで、スリーブ10に仕
上げ加工を施す。本発明では、スリーブは時効処理後に
スリーブの内周面についてのみ仕上げ加工をすればよく
なる。
【0011】 低熱膨張耐熱合金は、熱膨張率が6〜8
×10ー6であり、かつ、450℃でのクリープ強度が5
00MPa以上であることが好ましい。熱膨張率が低い
材料は、広い温度範囲に渡って接合強度が保持できるか
らである。また、高温で機械強度を保持する材料が所望
されるところ、450℃のクリープ強度がそのパラメー
タとして設定された。この条件を満たす材料としては、
具体的には、日立金属製HRA929又はHRA929
Cが挙げられる。時効硬化するための熱処理としては、
例えば、空気中で500〜1000℃に数時間保持する
ことが挙げられ、600〜900℃に5〜7時間保持す
ることが好ましい。熱処理により、スリーブのHRC硬度
を35〜45とすることが好ましく、HRC硬度は、JI
S Z 2244に準拠する。
【0012】 仕上げ加工としては、スリーブ10の内
周面12sについて、表面粗さ、締め代等を調製する。
セラミックロータ20の軸部26を圧入するために、ス
リーブ10の内径が軸部26の外径より若干小さくなる
ように仕上げ加工する。また、仕上げ加工として、セラ
ミックロータ20の軸部26を圧入する側の端面13s
の内周面12s側の縁13aを面取りすることが好まし
い。更に、セラミックロータ20の軸部26を圧入する
側の端面13sの外周面12t側の縁を切削して、図4
に示すように、肉薄部15を形成することが好ましい。
肉薄部15により、セラミックロータ20の軸部26の
圧入による応力集中を緩和することができる。タービン
ロータの完成品としては、スリーブ10の外周面12t
にシールリング溝及びオイルスリンガ溝が形成される
が、これらの溝は、この段階で仕上げ加工により形成し
てもよいし、スリーブ10、セラミックロータ20及び
金属シャフト30が接合された後に形成してもよい。
【0013】 一方、セラミックロータ20は、ハブ部
22と、ハブ部22に接続する放射状の翼部24と、ハ
ブ部22に同軸に接続して軸方向に凸形状に形成される
軸部26と、ハブ部22に同軸に接続してハブ部に対し
て軸部26と反対側に形成されるボス部28とを有す
る。翼部24はほぼ径方向に放射形状を有していて、ガ
スがスムーズに排出できるように周方向にねじれてい
る。ボス部28の周面には、スパナを掛けるために、6
角部又は12角部29が形成されている。セラミックロ
ータ20は、セラミック粉末及び有機バインダーを含有
する坏土を射出成形により成形体に成形し、有機バイン
ダーを除去するために成形体を加熱する脱脂を行い、次
いで、成形体を焼成することにより得られる。
【0014】 セラミックロータ20の軸部26の周面
26tが焼成面のまま、スリーブ10に圧入してもよ
い。焼成面であっても、軸部26の周面26tが十分に
滑らかであり(例えば、表面粗さ6.3s以下)、か
つ、軸部26の締め代の誤差を十分に小さくしうるから
である。あるいは、セラミックロータ20の軸部26の
周面26tを表面粗さ1.6s〜6.3sに加工し、次
いで、当該軸部を800〜1300℃で酸化処理した
後、スリーブ10に圧入してもよい。なお、セラミック
ロータ20の軸部26の表面は、軸部26の周面26t
及び端面26sを包含する。また、セラミックロータ2
0の軸部26の縁26aが面取りされていることが好ま
しい。これにより応力集中を緩和することができる。軸
部26の縁26aが面取りされている場合であっても、
軸部26の周面26tを加工することなく焼成面のまま
圧入してもよいし、軸部26の周面26tを加工して酸
化処理した後に圧入してもよい。
【0015】 本発明では、セラミックロータ20の軸
部26をスリーブ10の一方の開口端に圧入して、スリ
ーブ10とセラミックロータ20とを固定する。圧入
は、一般に室温で行われるものであり、スリーブ10の
内径が軸部26の外径より若干小さいことにより固定す
るものである。圧入は、高温で挿入し、次いで、冷却し
て、スリーブ10が熱収縮することにより固定する焼き
はめとは異なる。また、本発明では、スリーブ30が低
熱膨張耐熱合金より構成されているので、焼きはめで十
分な熱収縮を得るためには高温に加熱する必要がある。
金属シャフト30と接合する前に、スリーブ10とセラ
ミックロータ20とを接合するので、セラミックロータ
20と接合する金属部材、即ち、スリーブ10との同軸
精度が向上する。また、スリーブ10とセラミックロー
タ20とを接合する工程は、スリーブ10の両端が開口
しているので、真空下で行う必要がなくなる。更に、圧
入時のスリーブの変形が均等かつ容易であるため、応力
集中が緩和され、スリーブの内周面についての締め代及
び形状が従来方法ほど厳密でなく、設計及び加工が容易
となる。圧入により、スリーブ10の端面13tが、セ
ラミックロータ20の軸部26の端面26sと面一にす
ることが好ましい。これにより、金属シャフト30を接
合した時に、セラミックロータ20の軸部26と金属シ
ャフト30の端面34sとの間に間隙を形成することな
く、金属シャフト30の端面34sがセラミックロータ
20の軸部26の端面26sに接することができる。
【0016】 本発明では、スリーブ10とセラミック
ロータ20とを接合した後、スリーブ10の他方の開口
端の端面13tと金属シャフト30の端面34とを固定
する。金属シャフト30は、丸棒等を鍛造により所望形
状に形成することができるので、接合前の加工は必要で
はない。金属シャフト30は、シャフト部32、33を
有していて、シャフト部32の端部にはフランジ34が
形成されている。フランジ34の端面34sの縁で、ス
リーブ10の端面32に固定する。
【0017】 金属シャフト30及びセラミックロータ
20に固定されたスリーブ10が、摩擦圧接又は電子ビ
ーム溶接により固定されてもよい。摩擦圧接とは、部材
を接触させ加圧しながら接触面の相対運動によって摩擦
熱を発生させ、アプセット推力を加えて行う高温圧接を
いう。ここで、圧接とは、溶接継手に大きな機械的圧力
を加えて行う溶接方法の総称をいい、加圧溶接の略称で
ある。金属シャフトのフランジとスリーブとを摩擦圧接
するときには、例えば、スリーブに対して金属シャフト
を回転させながら押し付けることにより摩擦熱で両者の
界面を溶かして接着する。また、電子ビーム溶接とは、
真空中で発生させた高速の電子ビームを当て、その衝撃
発熱を利用して行う溶接をいう。
【0018】 フランジ34の端面34sがセラミック
ロータ20の軸部26の端面26sに接することが好ま
しい。しかし、フランジ34の端面34sと軸部26s
の端面26sは、一般には接着、固定されていない。フ
ランジ34の端面34sがセラミックロータ20の軸部
26の端面26sに接しないで、フランジ34の端面3
4sと軸部26の端面26sとの間に、スリーブ10の
内周面12sと共に閉塞空間を形成する場合には、金属
シャフト30をスリーブ10の端面13tに摩擦圧接す
る時に、閉塞空間の内部にある気体が高温に熱せられつ
つ、瞬間的に高圧になる場合があり、セラミックロータ
20の軸部26が軸に交わる方向に破断する場合があ
る。これに対して、フランジ34の端面34sがセラミ
ックロータ20の軸部26の端面26sに接することに
より、かかる閉塞空間を形成しない場合には、かかる破
断を防止することができる。
【0019】 セラミックロータ20の軸部26の周面
26tとスリーブ10の内周面12sとの嵌合端16
が、スリーブ10の肉薄部15の内周面12sに位置す
ることが好ましい。応力集中を更に緩和するからであ
る。ここで、嵌合端16とは、セラミックロータ20の
軸部26の周面と、スリーブ10の内周面12sとが互
いに接触するところから接触しないところへの境界を意
味する。スリーブ10の外周面12tには、シールリン
グ溝17及びオイルスリンガ溝18を形成する。何れの
溝17、18も外周面の全周にわたって設けられてい
る。図1では、溝17、18の断面はそれぞれ長方形形
状、半円形状を有する。しかし、溝17、18の形状は
特に限定されるものではなく、溝の作用をするものであ
ればどのような形状でもよい。あるいは、これらの溝を
金属シャフト30のフランジ34の外周面に設けてもよ
い。金属シャフト30のネジ部38には、エアコンプレ
ッサインペラ(図示していない。)を接続することがで
きる。ネジ部38は、金属シャフト20をセラミックロ
ータ20と接合するスリーブ10に接合する前に形成し
てもよいし、金属シャフト20をセラミックロータ20
と接合するスリーブ10に接合した後に形成してもよ
い。
【0020】
【実施例】 以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。図1、2及び3に示されるタービンロータ
を作成した。まず、スリーブ10の作成方法を説明す
る。直径が18mmである低熱膨張耐熱合金(日立金属
(株)、製品名HRA929)の丸棒を長さ17mmに
切断し、ドリルにて内径10mmの貫通孔を開けた。こ
のスリーブを電気炉にて、780℃で8時間、次いで、
680℃で8時間の熱処理を施し、HRA929を時効
硬化処理した。熱処理後のHRC硬度は41〜42であっ
た。次いで、スリーブ10を数値制御旋盤にて内周面及
び端面32を加工し、表面粗さRaを0.8〜3.2μ
mにした。また、内周面については、内径が11.9±
0.01mm、真円度が0.01mm以下となるように
加工した。軸方向の長さは16.0±0.1mmとなる
ようにした。
【0021】 次に、セラミックロータ20の作成方法
を説明する。平均粒径が1.0μmの窒化珪素粉末10
0重量部、Y232重量部、MgO3重量部及びZr2
23重量部を調合した。この調合粉末100重量部に
対して、20重量部の有機バインダーを添加した。有機
バインダーは、融点が62℃であって、パラフィンワッ
クスが主成分であった。この坏土を用いて、射出成形に
より翼径が65mmのセラミックロータ20を成形し
た。
【0022】 この成形体を活性アルミナを主成分とす
る無機粉末に完全に埋没させて脱脂した。脱脂された成
形体に室温で硬化する液状ゴムを塗布し、乾燥させるこ
とにより、ゴムで被覆した。5トン/cm2の圧力にて
成形体を更に静水圧加圧処理した。ゴム皮膜はその後電
気炉で加熱することにより焼失させて除去した。次い
で、静水圧加圧成形された成形体を窒素雰囲気中で17
00℃×1時間保持し、焼成した。#400のダイヤモ
ンド砥石により焼成したロータの軸部26を研削加工し
た。加工後の軸部26の外径は、12.00±0.01
mmとなるようにした。また、軸部26の周面26tの
表面粗さRaは0.8〜3.2μm、真円度は5μm以
下、円筒度は10μm以下となるように、砥石の種類、
番砥及び加工条件を調整した。軸部26の縁26aはC
1及びR1.5mmよりなる面取りを施した。
【0023】 セラミックロータ20及びスリーブ10
を圧入装置に取り付け、セラミックロータ20の軸部2
6をスリーブ10の開口端に圧入した。圧入部の締め代
としては、軸部26の外径がスリーブ10の内径より5
0〜130μm大きくなるようにした。
【0024】 一方、金属シャフト30の作製方法を説
明する。直径が14mmの構造用合金鋼(SNCM43
9)を冷間鍛造によりシャフト部32、33及びフラン
ジ34を有する金属シャフト30に成形した。シャフト
部32、33は、直径10mm、軸方向の長さ110m
mであり、フランジ34は厚さ8mm、外径18mmで
あった。この金属シャフト30、並びに、スリーブ10
及びセラミックロータ20の接合体を摩擦圧接装置に取
り付け、金属シャフト30のフランジ34の端面34s
とスリーブ10の端面32とを摩擦圧接により接合し
た。摩擦圧接では、セラミックロータ頭部をチャックに
より固定し、金属シャフトを2000rpmにて回転さ
せながら10kg/mm2 の圧力にて押し付けた。
【0025】 この接合体を数値制御旋盤に取り付け、
金属シャフト10及びスリーブ20を所定形状に粗加工
した後、研削盤にて仕上げ加工した。スリーブ10の外
周面12tにシールリング用の溝17及びオイルスリン
グ用の溝18を設けた。更に、セラミックロータ20に
ついては、翼部24の先端のシュラウド部、チップ部を
仕上げ加工した。更にアンバランス修正装置により、タ
ービンロータの回転アンバランスが0.01g・cm以
下となるようにした。
【0026】(評価方法)得られたタービンロータをタ
ーボチャージャーに組み込み、このターボチャージャー
を排気量2800ccのガソリンエンジンに取り付け
た。そして、エンジンダイナモ装置を用いて、タービン
回転数が12万rpmで、ターボチャージャーのタービ
ン入口における排気ガス温度が950℃となるように、
エンジンの運転条件を設定して、200時間連続して運
転した。運転終了後タービンロータを取り外し、外観を
確認した。
【0027】
【発明の効果】 本発明によれば、セラミックロータ軸
部と金属部材圧入部での応力集中が緩和するため、両者
の仕上げ加工精度を大幅に緩和できる。例えば、セラミ
ックロータの軸部は焼成面のままでも圧入接合できる。
更に、セラミックロータとスリーブとの同軸精度が向上
するため、金属シャフト接合後の振れ精度が改善され、
金属シャフトの加工代を減少できる。このように本発明
の製造方法では、タービンロータの製造工程を簡素化で
き、安価で高品質のタービンロータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のタービンロータの部分断面図であ
る。
【図2】 図1のAの拡大断面図である。
【図3】 図1のBの拡大断面図である。
【図4】 図1のAの他の実施態様の拡大断面図であ
る。
【図5】 図1のBの他の実施態様の拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
10・・・スリーブ、11・・・貫通孔、12s・・・内周面、
12t・・・外周面、13s・・・端面、13t・・・端面、1
5・・・肉薄部、16・・・勘合端、17・・・シールリング
溝、18・・・オイルスリンガ溝、19・・・界面、20・・・
セラミックロータ、22・・・ハブ部、24・・・翼部、26
・・・軸部、26s・・・端面、26t・・・周面、28・・・ボス
部、29・・・六角部、30・・・金属シャフト、32・・・シ
ャフト部、33・・・シャフト部、34・・・フランジ、34
s・・・端面、38・・・ネジ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21D 9/08 F01D 5/02 F01D 5/02 C04B 35/64 Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時効硬化型の低熱膨張耐熱合金から構成
    され、かつ、一対の開口端を有する筒形状のスリーブを
    時効硬化するために熱処理を行い、 セラミックロータの軸部を当該スリーブの一方の当該開
    口端に圧入して固定し、次いで、 金属シャフトの端面を当該スリーブの他方の当該開口端
    の端面に固定することを特徴とするタービンロータの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 当該金属シャフトの端面が当該セラミッ
    クロータの当該軸部の端面に接することを特徴とする請
    求項1に記載のタービンロータの製造方法。
  3. 【請求項3】 当該金属シャフト及び当該スリーブが、
    摩擦圧接又は電子ビーム溶接により固定されることを特
    徴とする請求項1又は2に記載のタービンロータの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 当該セラミックロータの当該軸部の周面
    が焼成面のままであることを特徴とする請求項1、2又
    は3に記載のタービンロータの製造方法。
  5. 【請求項5】 当該セラミックロータの当該軸部の周面
    を表面粗さ1.6s〜6.3sに加工し、次いで、当該
    軸部を800〜1300℃で酸化処理した後、上記圧入
    工程を行うことを特徴とする請求項1、2又は3に記載
    のタービンロータの製造方法。
  6. 【請求項6】 当該低熱膨張耐熱合金は、熱膨張率が6
    〜8×10ー6であり、かつ、450℃でのクリープ強度
    が500MPa以上であることを特徴とする上記請求項
    の何れかに記載のタービンロータの製造方法。
  7. 【請求項7】 当該熱処理により、当該スリーブのHRC
    硬度を35〜45とすることを特徴とする上記請求項の
    何れかに記載のタービンロータの製造方法。
  8. 【請求項8】 当該セラミックロータは、ハブ部と、当
    該ハブ部に接続する放射状の翼部と、当該ハブ部に同軸
    に接続して軸方向に凸形状に形成される当該軸部と、当
    該ハブ部に同軸に接続して当該ハブ部に対して当該軸部
    の反対側に形成されるボス部とを有していて、当該セラ
    ミックロータは、セラミック粉末及び有機バインダーを
    含有する坏土を射出成形により成形体に成形し、当該有
    機バインダーを除去するために当該成形体を加熱する脱
    脂を行い、次いで、当該成形体を焼成することを特徴と
    する上記請求項の何れかに記載のタービンロータの製造
    方法。
JP8082396A 1996-04-04 1996-04-04 タービンロータの製造方法 Withdrawn JPH09272021A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8082396A JPH09272021A (ja) 1996-04-04 1996-04-04 タービンロータの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8082396A JPH09272021A (ja) 1996-04-04 1996-04-04 タービンロータの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09272021A true JPH09272021A (ja) 1997-10-21

Family

ID=13773437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8082396A Withdrawn JPH09272021A (ja) 1996-04-04 1996-04-04 タービンロータの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09272021A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010090329A1 (ja) * 2009-02-09 2010-08-12 株式会社Ihi サイアロンセラミックス焼結品の製造方法
JP2013068223A (ja) * 2006-11-08 2013-04-18 General Electric Co <Ge> 一体型ブレードローターを生産する方法
JP2014202152A (ja) * 2013-04-08 2014-10-27 株式会社オティックス ターボチャージャ
US9157483B2 (en) 2011-09-30 2015-10-13 Maxon Motor Ag Connection between a shaft and a hub component and method of preparing the connection
CN105127693A (zh) * 2015-10-13 2015-12-09 中航湖南通用航空发动机有限公司 一种自由涡轮盘的加工方法
CN113217526A (zh) * 2020-02-03 2021-08-06 加特可株式会社 动力传递轴以及动力传递轴的加工方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013068223A (ja) * 2006-11-08 2013-04-18 General Electric Co <Ge> 一体型ブレードローターを生産する方法
WO2010090329A1 (ja) * 2009-02-09 2010-08-12 株式会社Ihi サイアロンセラミックス焼結品の製造方法
US9157483B2 (en) 2011-09-30 2015-10-13 Maxon Motor Ag Connection between a shaft and a hub component and method of preparing the connection
JP2014202152A (ja) * 2013-04-08 2014-10-27 株式会社オティックス ターボチャージャ
CN105127693A (zh) * 2015-10-13 2015-12-09 中航湖南通用航空发动机有限公司 一种自由涡轮盘的加工方法
CN113217526A (zh) * 2020-02-03 2021-08-06 加特可株式会社 动力传递轴以及动力传递轴的加工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4778345A (en) Turbine rotor
JPS61286501A (ja) タ−ビンロ−タ−およびその製造法
JPS61219767A (ja) 金属・セラミツクス結合体
US5365661A (en) Ceramic-metal composite joint body
JP2531708Y2 (ja) セラミックス・金属結合体
JPH09272021A (ja) タービンロータの製造方法
JPH0432203B2 (ja)
US5106434A (en) Method for producing a metal and ceramic heat-connected body
JPS6140879A (ja) 金属・セラミツクス結合体およびその製造法
JPH08254102A (ja) タービンロータ
JP3179928B2 (ja) 接合体及びそれとセラミックスとの結合体並びにそれらの製造方法
JPS6073114A (ja) 回転接合体
JPH0744722Y2 (ja) セラミックタービンロータと金属軸との結合軸構造
JPH01215769A (ja) セラミックス・金属結合体の製造方法
JPH052585Y2 (ja)
JPH063122B2 (ja) 金属・セラミックス結合体およびその製造法
JPS60132002A (ja) タ−ボチャ−ジャ用タ−ビン組立体
JPH0658044B2 (ja) タ−ビンロ−タ−およびその製造法
JPS623834A (ja) セラミツク部材と金属部材の接合体とその製造方法
JPH07269301A (ja) セラミックタービンロータの加工方法
JPS61123701A (ja) セラミツクス製タ−ビンロ−タ
JP3119981B2 (ja) セラミックス部材と金属部材の結合体及びその結合方法
JPH05272347A (ja) セラミックタービンロータ及びその製造方法
JPH0444630B2 (ja)
JPS61283703A (ja) セラミツクロ−タ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030701