JPH08254102A - タービンロータ - Google Patents

タービンロータ

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JPH08254102A
JPH08254102A JP5836695A JP5836695A JPH08254102A JP H08254102 A JPH08254102 A JP H08254102A JP 5836695 A JP5836695 A JP 5836695A JP 5836695 A JP5836695 A JP 5836695A JP H08254102 A JPH08254102 A JP H08254102A
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JP
Japan
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shaft
tip
peripheral surface
turbine rotor
peripheral wall
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JP5836695A
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English (en)
Inventor
Keiji Kawasaki
啓治 川崎
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01DNON-POSITIVE DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, e.g. STEAM TURBINES
    • F01D5/00Blades; Blade-carrying members; Heating, heat-insulating, cooling or antivibration means on the blades or the members
    • F01D5/02Blade-carrying members, e.g. rotors
    • F01D5/025Fixing blade carrying members on shafts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B1/00Engines characterised by fuel-air mixture compression
    • F02B1/02Engines characterised by fuel-air mixture compression with positive ignition
    • F02B1/04Engines characterised by fuel-air mixture compression with positive ignition with fuel-air mixture admission into cylinder

Abstract

(57)【要約】 【構成】 セラミックロータ(20)と、その軸部(2
6)に同軸に嵌合する金属シャフト(10)とを有する
タービンロータであって、先端部(15)の外周面(1
5t)は先端に向かって肉薄に形成されていて、セラミ
ックロータの軸部(26)と金属シャフトの凹部(1
2)との嵌合端(29)が当該先端部(15)の内周面
(15s)に位置する。先端部(15)の厚さをt、長
さをaとしたときに、a/tが0.7〜2.5であり、
周壁の内径をD、先端部の外径をdとしたときに、d/
Dが1〜1.2である。 【効果】 応力が集中する嵌合端を肉薄である先端部の
内周面に位置することにより、応力集中を緩和すること
とした。セラミックロータの軸部にクラックが生じ難く
なり、また、セラミックロータと金属シャフトとの接合
強度が増加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、セラミックロータと
金属シャフトが嵌合したタービンロータに関する。ター
ビンロータは自動車エンジンのターボチャージャーに用
いられる。
【0002】
【従来の技術】 自動車エンジンのターボチャージャー
は、タービンとエアコンプレッサとを有していて、排気
ガスでタービンを回し、そのタービンがエアコンプレッ
サを駆動して正規の量以上の空気をエンジンに供給する
ものである。空気の供給量が増加するところ、それに応
じて多量の燃料が燃焼するので、エンジンの出力が増加
する。タービン及びエアコンプレッサはいずれも翼部を
有していて、タービンとエアコンプレッサは同軸のシャ
フトで接続されている。タービンは、放射状の2以上の
翼部を有する。排気ガスは翼部を押してロータに回転力
を与える。そして、ガスがスムーズに排出できるように
翼部は周方向にねじれている。本発明のタービンロータ
は、このタービン及びシャフトに用いることができ、シ
ャフトの他方の端部にはエアコンプレッサ用のロータを
接合することができる。
【0003】 ターボチャージャー用タービンとして用
いるロータは、エンジンからの高温の排気ガスに常時さ
らされていることから、耐熱性が要求される。また、容
易に回転するために軽量である必要がある。更に、高温
で遠心力に耐える機械強度が要求される。そこで、ロー
タの材料として、これらの仕様を満たすセラミックスが
研究されている。具体的には、Si34、SiC、サイ
アロン等のセラミックスが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ロータの材料をセラミ
ックスとしたときには、金属シャフトとの接合、特に嵌
合による接合が問題となる。セラミックス部材と金属部
材とを嵌合したときには、嵌合端において、嵌合による
圧縮力により、セラミックロータに応力が集中し易く、
曲げやねじりに対して弱くなる。ここで、嵌合端とは、
セラミックス部材の表面と金属部材の表面とが嵌合によ
り接触しているところから接触しないところへの境界を
いう。特公昭59−51895号公報は、セラミックス
筒体と、このセラミックス筒体の外側に嵌合する金属筒
体との複合体を記載する。金属筒体の外周が先端に向か
って薄肉となるように形成されている。しかし、特公昭
59−51895号公報は、筒体が嵌合することを記載
するのみであって、タービンロータについての記載がな
い。また、嵌合端が肉薄の先端部の内周面に位置するこ
とについての記載がない。
【0005】 特公平3−35265号公報は、セラミ
ックス部材と金属部材とが嵌合により結合する結合体を
記載する。そして、金属部材の溝に対応する周壁部分の
内周面に嵌合端が位置することにより、この応力集中を
緩和することを目的とする。この結合体は、図4に示す
ように、ターボチャージャーに用いるタービンロータで
あってもよい。図4で、タービンロータ30は、セラミ
ックロータ32と、セラミックロータ32の軸部34に
同軸に嵌合する金属シャフト36を有する。金属シャフ
ト36の周壁37の外周面にはシールリング溝38及び
オイルスリンガ溝39が形成されている。そして、特公
平3−35265号公報は、これらの溝38、39の何
れかに対応する周壁37の内周面に嵌合端35が位置す
る旨を記載する。図4では、溝38に対応する周壁37
の内周面に嵌合端が位置する。図4では、嵌合端は、セ
ラミックロータ32の軸部34の周面と、金属シャフト
36の周壁37の内周面とが互いに接触するところから
接触しないところへの境界を意味する。
【0006】 しかし、この構造では、溝38、39の
位置が嵌合端35により定まるため、溝38、39は嵌
合後に機械加工により設ける必要があった。そして、機
械加工のときの負荷により、セラミックロータ32の軸
部34が破断するおそれがあった。また、金属シャフト
の周壁37には溝38、39より軸方向に先端側の肉厚
の部分に応力が集中することがあり、この金属シャフト
の肉厚部に対応するセラミックロータ32の軸部34に
クラックが生じるときがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、嵌
合端の位置を溝に対応する周壁部分の内周面ではなく、
周壁の先端部の内周面に位置することとした。そして、
先端部の外周面を先端に向かって肉薄として、応力集中
を緩和することとした。即ち、本発明によれば、ハブ部
(22)と、当該ハブ部に接続する放射状の翼部(2
4)と、当該ハブ部に同軸に接続して軸方向に凸形状に
形成される軸部(26)と当該ハブ部に同軸に接続して
当該ハブ部に対して当該軸部の反対側に形成されるボス
部とが一体的に形成されたセラミックロータ(20)
と、当該セラミックロータの当該軸部(26)に同軸に
嵌合する金属シャフト(10)とを有するタービンロー
タであって、当該金属シャフト(10)は端部(11)
を有していて、当該端部(11)には、当該セラミック
ロータ(20)の当該軸部(26)を挿入するための凹
部(12)が形成されていて、また、当該金属シャフト
の当該端部は当該凹部(12)を形成するための周壁
(14)を有していて、当該周壁(14)は先端部(1
5)を有していて、当該先端部(15)の外周面(15
t)は先端に向かって肉薄に形成されていて、当該セラ
ミックロータの当該軸部(26)と当該金属シャフトの
当該凹部(12)との嵌合端(29)が当該先端部(1
5)の内周面(15s)に位置することを特徴とするタ
ービンロータが提供される。
【0008】 本発明において、先端部(15)の厚さ
の平均をt、当該先端部(15)の外周面(15t)の
軸方向の長さをaとしたときに、a/tが0.7〜2.
5であり、当該金属シャフト(10)の当該周壁(1
4)の内周面(14s)は円筒形状を有していて、当該
周壁の内径の平均をDとして、当該先端部の外径の平均
をdとしたときに、d/Dが1〜1.2であることが好
ましい。この範囲のときに、先端部(15)に接するセ
ラミックロータ(20)の軸部(25)の部分の応力集
中が特に緩和されるからである。a/tが1〜2である
ことが更に好ましい。当該周壁(14)には、外周面の
先端に段差(15a)が径方向に形成されていて、その
段差より先端方向に先端部(15)が形成されているこ
とが好ましい。この形状のときに、先端部を形成し易い
からである。
【0009】 金属シャフト(10)の当該端部(1
1)は、室温から450℃までの平均熱膨張率が6〜8
×10ー6/℃であり、かつ、450℃×200時間での
クリープ強度が500MPa以上である材料から構成さ
れていることが好ましい。熱膨張率が低い材料は、広い
温度範囲に渡って接合強度が保持できるからである。ま
た、高温で機械強度を保持する材料が所望されるとこ
ろ、450℃のクリープ強度がそのパラメータとして設
定された。また450℃は自動車用ターボチャージャー
におけるローター金属シャフト部の最高使用温度であ
る。この条件を満たす材料としては、具体的には、鉄基
合金系γ析出硬化型超耐熱合金(Incoloy90
3、909、HRA929、929C等)が挙げられ
る。ここで、クリープ強度は、JIS Z2271、Z
2272に準拠する。当該金属シャフト(10)は、当
該端部(11)に接合するシャフト部を有していて、当
該金属シャフト(10)の当該端部(11)は、時効硬
化型合金から構成されていて、当該端部は、HRC硬度が
35〜45になるように時効硬化処理をして、次いで、
当該シャフト部に接合することが好ましい。HRC硬度
は、JIS Z2245に準拠する。
【0010】 当該金属シャフト(10)は、当該端部
に接合するシャフト部(18a、18b)を有してい
て、当該シャフト部は、HRC硬度が35〜45になるよ
うに焼き入れ及び焼き戻しを行い、次いで、当該端部に
接合することが好ましい。当該シャフト部の材料として
はニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM)、アルミニ
ウムクロムモリブデン鋼(SACM)等の構造用合金
鋼、あるいはSUH等の耐熱鋼が好ましい。先端部(1
5)の内周面の角部(15b)はテーパ又は面取りされ
ていることが好ましい。
【0011】
【実施例】 図1は、本発明のタービンロータを説明す
るための断面図である。図2は、本発明のタービンロー
タを説明するための正面図であり、一部が断面となって
いる。そして、図1は、図2のAを拡大したものであ
る。図3は、先端部を説明するための断面図であり、図
1のBを拡大したものである。本発明のタービンロータ
は、セラミックロータ20と金属シャフト10とが接合
したものである。セラミックロータ20は、ハブ部22
と、ハブ部22に接続する放射状の翼部24と、ハブ部
22に同軸に接続して軸方向に凸形状に形成される軸部
26と、ハブ部22に同軸に接続してハブ部に対して軸
部26と反対側に形成されるボス部28とを有する。
【0012】 翼部24はほぼ径方向に放射形状を有し
ていて、ガスがスムーズに排出できるように周方向にね
じれている。ボス部28の周面には、多数の溝が軸方向
に規則的に形成される。そして、ハブ部22、翼部2
4、軸部26及びボス部28は一体的に形成される。一
体的な形成としては、例えば、セラミックス粉末、有機
バインダー等を含有する坏土を射出成形により所望形状
の成形体に成形し、有機バインダーを除去するために成
形体を加熱する脱脂を行い、次いで、成形体を焼結す
る。また、脱脂工程の後で焼結工程の前に、等方加圧成
形を行うことが好ましい。
【0013】 金属シャフト10は、シャフト部18
a、18b及び二つの端部11、19を有する。端部1
1にはセラミックロータ20が嵌合する。一方、端部1
9には、エアコンプレッサ用のロータ(図示していな
い。)が接合することができる。金属シャフト10の端
部11には、セラミックロータ20の軸部26を挿入す
るための凹部12が形成されている。この凹部12は周
壁14に囲まれている。周壁14の内周面14sは円筒
形状である。セラミックロータ20の軸部26に金属シ
ャフト10の凹部12が同軸に嵌合する。嵌合には、圧
入、焼きばめ、ロウ付け等あるいはこれらを組み合わせ
た方法が含まれる。圧入のときには、金属シャフト10
の周壁14の内周面14sの直径は、セラミックロータ
20の軸部26の外径より若干大きい。
【0014】 周壁14はその先端に肉薄である先端部
15を有する。そして、先端部15の外周面15tが先
端に向かって肉薄である。周壁14の外周面14tに
は、段差15aが径方向に形成されていて、その段差1
5aより先端方向には先端部15が肉薄である。図1で
は、外周面15tが軸方向に平行であるが、外周面15
tが軸方向に平行である必要はない。また、図1では、
段差15aが径方向に平行であるが、径方向に平行であ
る必要はない。
【0015】 先端部15が肉薄とは、先端部15の径
方向の厚さの平均tが、先端部15ではない周壁14の
径方向の厚さより小さいということをいう。先端部の厚
さは先端部のどこでも一定である必要はなく、厚さが変
化してもよい。例えば、先端部の外周面がテーパされて
いてもよい。図1では、先端部15の外径dは、周壁1
4の外径より小さい。周壁14の外径を定めるには、周
壁14の外周面14tに設けられた溝16、17におけ
る外径は考慮しない。
【0016】 セラミックロータ20の軸部26と金属
シャフト10の凹部12との嵌合端29が先端部15の
内周面15sに位置する。ここで、嵌合端とは、セラミ
ックロータ10の軸部12の周面と、金属シャフト20
の周壁14の内周面14sとが互いに接触するところか
ら接触しないところへの境界を意味する。先端部15の
内周面15sの角部15bは丸く面取りされている。こ
れにより、角部15bにおける応力集中を防止すること
ができる。図1では、軸部26の外周面26sとハブ部
22の外周面とが接続する接続部25では、外周面の曲
率が変わっていて、微少な突起となっている。しかし、
このような突起が形成される必要はない。図1では、軸
部26の外周面26sは、ハブ部22と接続する近傍で
テーパされている。そして、このテーパの曲率は、先端
部15の角部15bの曲率より大きい。
【0017】 図1では、先端部15の外周面15tの
延長上に接続部26が位置している。しかし、本発明で
は、接続部26が外周面15tの延長上に位置する必要
はなく、外周面15tより径方向に外側に位置してもよ
いし、径方向に内側に位置してもよい。周壁14の外周
面14tには、シールリング溝16及びオイルスリンガ
溝17が形成されている。何れの溝16、17も外周面
14tの全周にわたって設けられている。図1では、溝
16、17の断面はそれぞれ長方形形状、半円形状を有
する。しかし、溝16、17の形状は特に限定されるも
のではなく、溝の作用をするものであればどのような形
状でもよい。
【0018】 図5は、本発明のタービンロータの先端
部を拡大した断面図である。先端部45の外周面45t
は、軸方向と平行ではなく、先端に向かってテーパして
いる。また、段差45aは軸方向と垂直に形成されてお
らず、段差45aと外周面45tがなす角度は、90度
より大きく、170度より小さく形成されている。嵌合
端49は、先端部45の内周面45sに位置する。図6
は、本発明のタービンロータの先端部を拡大した断面図
である。先端部55の外周面55tは、軸方向と平行で
はなく、先端に向かってテーパしている。また、図6で
は、段差が形成されていない。周壁54の外周面54t
から先端部55の外周面55が連続する。周壁54の外
周面54tと先端部55の外周面55とがなす角度は、
135〜175度が好ましく、150〜175度が更に
好ましい。嵌合端59は、先端部55の内周面55sに
位置する。
【0019】 以下、本発明を実験例に基づいて更に詳
細に説明するが、本発明はこれらの実験例に限定される
ものではない。 (実験例1)図1〜3に示すタービンロータを作成し
た。まず、セラミックロータ20の作成方法を説明す
る。平均粒径が1.0μmの窒化珪素粉末100重量
部、SrO22重量部、MgO3重量部、CeO23重量
部を調合した。この調合粉末100重量部に対して、2
0重量部の有機バインダーを添加した。有機バインダー
は、融点が62℃であって、パラフィンワックスが主成
分であった。この混合物を用いて、射出成形で、翼径が
65mmのセラミックロータ20を成形した。
【0020】 この成形体を活性アルミナを主成分とす
る無機粉末に完全に埋没させて脱脂した。脱脂工程の加
熱スケジュールは、まず、室温から60℃まで、1時間
当たり1℃で昇温し、60℃で30時間保持した。次い
で、60℃から180℃まで1時間当たり2℃で昇温
し、180℃で20時間、保持した。最後に、180℃
から450℃まで1時間当たり3℃で昇温し、450℃
で10時間保持し、次いで、450℃から室温まで、炉
冷した。脱脂体を窒素雰囲気中で、1700℃に1時間
保持し、焼結した。焼結したロータの軸部26を、#2
70のメタルボンドダイヤモンド砥石により研削加工し
た後、グリーンカーバイド砥石により仕上げ加工した。
仕上げ後の軸部外径は、12.003〜12.008m
mとなるようにした。また、軸部の表面粗さRaは0.
1〜0.8μm、真円度は0.006μm以下、円筒度
は0.012μm以下となるように、砥石の種類、番砥
及び加工条件を調整した。軸部の先端部はC1及びR
1.5mmよりなる面取りを施した。
【0021】 次に、金属シャフト10の作製方法を説
明する。直径が18mmである低熱膨張耐熱合金(日立
金属(株)、製品名HRA929)の丸棒を長さ20m
mに切断し、次いで、直径18mmで長さが15mmの
丸棒に加工した。また、直径が12mmの構造用合金鋼
(SNCM439)を冷間鍛造によりシャフト部18
a、18b及び端部19に成形した。このHRA929
丸棒及びSNCM439丸棒を摩擦圧接により、同軸に
接合した。この接合体を電気炉にて、780℃で6時
間、次いで、680℃で8時間の熱処理を施し、HRA
929の部分を析出硬化させ、HRC硬度が38〜45と
なるようにした。次いで、この接合体を旋盤にて、HR
A丸棒18aの端部11に凹部12を形成し、また、周
壁14の先端の外周部を研削して先端部を形成した。凹
部12における周壁14の内周面14sについては、内
径Dが11.923±0.02mm、表面粗さRaが
0.1〜0.8μm、真円度が0.020μm以下とな
るように加工した。SNCM439丸棒は、シャフト部
18aの外径が9.5mmに加工した。
【0022】 セラミックロータ20と金属シャフト1
0を圧入装置に取り付け、セラミックロータ20の軸部
26を金属シャフト10の凹部12に圧入して接合し
た。圧入部の締代としては、軸部26の外径が、周壁1
4の内周面14sの内径より50〜130μm大きくな
るようにした。セラミックロータ20と金属シャフト1
0との接合体を旋盤に取り付け、金属シャフト10を粗
加工した後、研削盤にて仕上げ加工した。金属シャフト
10については、周壁14の外周面14tにシールリン
グ用の溝16及びオイルスリング用の溝17を設けた。
更に、セラミックロータ20については、翼部24の先
端のシュラウド部、チップ部を仕上げ加工した。
【0023】(実験例2〜20)実験例1と同一のセラ
ミックロータ及び金属シャフトを作製した。ただし、金
属シャフト10の端部11の先端部15のサイズのみを
変化させた。 (実験例21〜25)実験例1と同一のセラミックロー
タを作製した。しかし、金属シャフトについては、実験
例1〜20と異なって、先端部を形成しなかった。即
ち、壁部14の外表面14sは軸方向と平行であり、こ
の外表面14sが壁部14の端面に連続した。
【0024】(評価方法)得られたタービンロータを組
み込んだターボチャージャ組立体を排気量2000cc
のガソリンエンジンに取り付けた。そして、エンジンダ
イナモ装置を用いて、タービン回転数が12万rpm
で、ターボチャージャ組立体のタービン入口における排
気ガス温度が950℃となるように、エンジンの運転条
件を設定して、200時間連続して運転した。運転終了
後タービンロータを取り外し、外観を確認した。タービ
ンロータを電気炉にて500℃で5分間加熱した。次い
で、電気炉より取り出し、セラミックロータと金属シャ
フトの嵌合部分に圧縮空気を吹き付けて、1分間に10
0℃になるまで冷却した。1サイクルがこの加熱及び冷
却からなり、このサイクルを300回繰り返した。
【0025】熱サイクル試験の終了後に回転曲げ試験を
行った。タービンロータのシャフト部18a、18bを
治具にて固定し、オートグラフにてセラミックロータ2
0のボス部28の先端に一定の荷重を加えながら、1.
5rpmでセラミックロータ20を360度回転させ
た。荷重は60kgfより始めて、20kgf毎荷重を
増加していき、セラミックロータ20の軸部26が破損
するまで試験を行った。試験結果を表1にまとめる。
【0026】
【表1】
【0027】実験例11と実験例16とでは、d/Dは
ほぼ一定である。しかし、a/tは2.00及び2.5
5と異なる。従って、a/tは、2以下が好ましい。ま
た、比較例に相当する実験例21〜25では、熱サイク
ル試験を行った後、外観を調べたところ、1体のタービ
ンロータの周壁14の外周面14tに割れが認められ
た。異常がなかった4体について回転曲げ試験にて曲げ
強度を評価した。
【0028】
【発明の効果】 本発明によれば、嵌合端に応力が集中
し難くなるので、セラミックロータの軸部にクラックが
生じ難くなり、また、セラミックロータと金属シャフト
との接合強度が増加する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のタービンロータの部分の断面図であ
る。図2のAの拡大である。
【図2】 本発明のタービンロータの正面図であり、一
部が断面図になっている。
【図3】 本発明のタービンロータの先端部の断面図で
ある。図1のBの拡大である。
【図4】 従来のタービンロータの断面図である
【図5】 本発明のタービンロータの先端部の断面図で
ある。
【図6】 本発明のタービンロータの先端部の断面図で
ある。
【符号の説明】
10・・・金属シャフト、11・・・端部、12・・・凹部、1
4・・・周壁、14s・・・内周面、14t・・・外周面、15・
・・先端部、15a・・・段差、15b・・・角部、15s・・・
内周面、15t・・・外周面、16・・・シールリング溝、1
7・・・オイルスリンガ溝、18a・・・シャフト部、18b
・・・シャフト部、19・・・端部、20・・・セラミックロー
タ、22・・・ハブ部、24・・・翼部、26・・・軸部、28・
・・ボス部、29・・・嵌合端、30・・・タービンロータ、3
2・・・セラミックロータ、34・・・軸部、35・・・嵌合
端、36・・・金属シャフト、37・・・周壁、38・・・シー
ルリング溝、39・・・オイルスリンガ溝、45・・・先端
部、45a・・・段差、45b・・・角部、45s・・・内周
面、45t・・・外周面、46・・・軸部、49・・・嵌合端、
55・・・先端部、55a・・・段差、55b・・・角部、55
s・・・内周面、55t・・・外周面、56・・・軸部、59・・・
嵌合端

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハブ部と、当該ハブ部に接続する放射状
    の翼部と、当該ハブ部に同軸に接続して軸方向に凸形状
    に形成される軸部と、当該ハブ部に同軸に接続して当該
    ハブ部に対して当該軸部の反対側に形成されるボス部と
    が一体的に形成されたセラミックロータと、 当該セラミックロータの当該軸部に同軸に嵌合する金属
    シャフトとを有するタービンロータであって、 当該金属シャフトは端部を有していて、当該端部には当
    該セラミックロータの当該軸部を挿入するための凹部が
    形成されていて、また、当該金属シャフトの当該端部は
    当該凹部を形成するための周壁を有していて、 当該周壁は先端部を有していて、当該先端部の外周面は
    先端に向かって肉薄に形成されていて、当該セラミック
    ロータの当該軸部と当該金属シャフトの当該凹部との嵌
    合端が当該先端部の内周面に位置することを特徴とする
    タービンロータ。
  2. 【請求項2】 当該先端部の厚さの平均をt、当該先端
    部の外周面の軸方向の長さをaとしたときに、a/tが
    0.7〜2.5であり、当該金属シャフトの当該周壁の
    内周面は円筒形状を有していて、当該周壁の内径の平均
    をDとして、当該先端部の外径の平均をdとしたとき
    に、d/Dが1〜1.2である請求項1に記載のタービ
    ンロータ。
  3. 【請求項3】 a/tが1〜2である請求項2に記載の
    タービンロータ。
  4. 【請求項4】 当該周壁には、外周面の先端に段差が径
    方向に形成されていて、その段差より先端方向に先端部
    が形成されている請求項1〜3の何れかに記載のタービ
    ンロータ。
  5. 【請求項5】 当該金属シャフトの当該端部は、室温か
    ら450℃までの平均熱膨張率が6〜8×10ー6/℃で
    あり、かつ、450℃、200時間でのクリープ強度が
    500MPa以上である材料から構成されている上記請
    求項の何れかに記載のタービンロータ。
  6. 【請求項6】 当該金属シャフトは、当該端部に接合す
    るシャフト部を有していて、当該金属シャフトの当該端
    部は、時効硬化型合金から構成されていて、当該端部
    は、HRC硬度が35〜45になるように時効硬化処理を
    して、次いで、当該シャフト部に接合する上記請求項の
    何れかに記載のタービンロータ。
  7. 【請求項7】 当該金属シャフトは、当該端部に接合す
    るシャフト部を有していて、当該シャフト部は、HRC硬
    度が35〜45になるように焼き入れ及び焼き戻しを行
    い、次いで、当該端部に接合する上記請求項の何れかに
    記載のタービンロータ。
  8. 【請求項8】 当該先端部の内周面の角部はテーパ又は
    面取りされている上記請求項の何れかに記載のタービン
    ロータ。
JP5836695A 1995-03-17 1995-03-17 タービンロータ Pending JPH08254102A (ja)

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EP0732481B1 (en) 1999-10-27
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DE69604849D1 (de) 1999-12-02

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