JP7409226B2 - 車載用飛行体の発着台装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の上空を飛行可能な飛行体が離着陸する発着台装置に関する。
近年、車両の周囲を撮影する等の目的で飛行体を車両に付属することが提案されている。例えば、下記特許文献1には、カメラ付きの飛行体を用いて車両の走行支援等を行う車両用ナビゲーションシステムが開示されている。同文献において、飛行体は、車両のルーフ部に形成された収納部に収納されるとともに、ワイヤを介して車両に連結されている。飛行体は、車内のナビゲーション装置からの指示を受けて収納部から離陸し、車両上空において自車両を含む映像をカメラにより撮影し、撮影データをナビゲーション装置に送信する。ナビゲーション装置は、送信された画像を解析し、その解析結果に基づいて所定の走行支援(例えば空いている駐車スペースを探し出して自車両を誘導する等の支援)を行う。
特開2016-138853号公報
上記特許文献1のシステムでは、飛行体を収納するための凹状の収納部がルーフ部に設けられるので、車室の天井高が大幅に低下し、乗員の快適性が損なわれるという問題がある。そこで、飛行体が離着陸するための発着台装置を、車両の後部(例えばバックウィンドウの後面)に設けることが提案される。このようにすれば、車室スペースを犠牲にすることなく飛行体を車両に対し離着陸させることが可能になる。
ここで、上記のように車両の後部に発着台装置を設ける構造を、後部荷室を開閉するためのバックドアを備えた車両(例えばハッチバック車やSUV等)に適用することが考えられる。この場合、発着台装置は、例えばバックドアに備わるバックウィンドウの後面等に取り付けられることになる。
一方、バックドアを備えた車両のユーザは、例えばバックドアを開いたまま、開放された荷室からユーザが荷物を出し入れしているところや、荷室にユーザが腰掛けたりしているところを上空から撮影したいと考える可能性がある。バックドアに発着台装置を取り付けた車両においてこのようなニーズに応えるには、バックドアが開いている状態でも飛行体が発着台装置から離陸できるようにすることが好ましい。しかしながら、例えば単一の発着面を有する発着台装置をバックドアに固定的に取り付けただけでは、バックドアが開いたときに発着面が水平面に対し大きく傾いた状態になり、飛行体を離陸させることが困難になると考えられる。このように、上下方向に回動可能な開閉体であるバックドアに発着台装置を取り付ける場合には、バックドアの開閉にかかわらず飛行体が離着陸できるようにする工夫が望まれる。このことは、バックドア以外の開閉体に発着台装置を取り付ける場合でも同様である。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、上下方向に回動可能な開閉体に取り付けられた発着台装置に対する飛行体の離着陸を、開閉体の開閉にかかわらず支障なく行うことが可能な車載用飛行体の発着台装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本願の第1の発明は、車体に対し上下方向に回動可能な開閉体に取り付けられ、車両の上空を飛行可能な飛行体が離着陸する発着台装置であって、前記飛行体が離着陸する面である発着面を含む台部材と、前記開閉体が閉状態および開状態のいずれにあっても前記発着面が略水平になるように、前記台部材を前記開閉体に対し傾動可能に支持する支持機構とを備えたものである(請求項1)。
この第1の発明によれば、開閉体が閉状態および開状態のいずれにあっても発着面が略水平になるように台部材の姿勢(角度)を調整できるので、開閉体の開閉にかかわらず、飛行体を支障なく発着面に対し離着陸させることができる。このため、例えば開閉体が閉状態にあるときはもちろんのこと、開閉体が開状態にあるときにも飛行体を発着面から離着陸させることが可能になり、飛行体の利便性をより高めることができる。その結果、車両を用いたユーザの種々の活動シーンにおいて飛行体を活用することができ、飛行体が付属された車両の商品性を高めることができる。
前記第1の発明において、好ましくは、前記支持機構は、前記開閉体の車外側の面に取り付けられた脚部と、前記台部材を前記脚部に対し傾動させる傾動機構と、当該傾動機構を制御する制御部とを備える(請求項2)。
この構成によれば、開閉体の開閉に応じて台部材の姿勢(角度)が自動的に調整されるので、開閉体の開動作または閉動作時に台部材の姿勢をユーザが手動で調整することが不要になり、飛行体を使用するときの利便性をより向上させることができる。
本願の第2の発明は、車体に対し上下方向に回動可能な開閉体に取り付けられ、車両の上空を飛行可能な飛行体が離着陸する発着台装置であって、前記開閉体が閉状態のときに略水平になる第1発着面を含む第1台部材と、前記開閉体が開状態のときに略水平になる第2発着面を含む第2台部材とを備えたものである(請求項3)。
この第2の発明によれば、開閉体が閉状態のときは第1発着面を使用し、開閉体が開状態のときは第2発着面を使用するというように、開閉体の開閉に応じて水平に近い方の発着面を選択的に使用することにより、開閉体の開閉にかかわらず飛行体を発着台装置から支障なく離着陸させることができる。これにより、飛行体の用途を広げて車両の商品性を向上させることができる。
前記第2の発明において、好ましくは、前記第1台部材および前記第2台部材は、所定の角度で交差する平板状の部材である(請求項4)。
この構成によれば、互いに交差した平板状の第1台部材および第2台部材により、第1発着面および第2発着面を適正に形成することができる。
前記第1および第2の発明において、前記開閉体の好適例は、車両の後部に形成された荷室開口を開閉するバックドアである(請求項5)。
以上説明したように、本発明によれば、上下方向に回動可能な開閉体に取り付けられた発着台装置に対する飛行体の離着陸を、開閉体の開閉にかかわらず支障なく行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る発着台装置が適用された車両の外観を示す斜視図である。 車両の後側の一部を示す側面図である。 発着台装置およびその近傍の車体構造を示す断面図である。 発着台装置を単体で示す斜視図である。 飛行体の外観を示す斜視図である。 車両、発着台装置、および飛行体の機能構成を示すブロック図である。 バックドアが開閉される状況下で飛行体が使用される場合の制御の一例を示すフローチャートである。 バックドアが開いたときの図2相当図である。 バックドアが開いたときの図3相当図である。 本発明の第2実施形態に係る発着台装置の構造を示す図3相当図である。 上記第2実施形態で行われる制御の内容を示すフローチャートである。 上記第2実施形態においてバックドアが開いた状態を示す車両の側面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一または相応する要素を示すものとする。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両1の外観を示す斜視図であり、図2は、当該車両1の後側の一部を示す側面図である。本図に示すように、車両1には、当該車両1の外側(車外)を飛行可能な飛行体2が搭載されている。車両1の後部には、飛行体2が離着陸するための発着台装置3が取り付けられている。飛行体2は、一般にドローンと称される軽量の無人航空機である。なお、図1では、飛行体2が発着台装置3から離陸した状態の車両1が示され、図2では、飛行体2が発着台装置3に着陸した状態の車両1が示されている。
図3は、発着台装置3およびその近傍の車体構造を示す断面図である。この図3および先の図1、図2に示すように、車両1は、車室の上面を覆うルーフパネル6と、ルーフパネル6の後側に連設されたバックドア5とを備えている。なお、当実施形態において例示される車両1は、いわゆるファストバック型のクーペである。このため、バックドア5は、ルーフパネル6となだらかに連続するように(水平面に対する傾斜角度が比較的浅くなるように)形成されている。バックドア5は、本発明における「開閉体」の一例に該当する。
バックドア5は、上下方向に回動し得るようにルーフパネル6の後縁にヒンジ結合されるとともに、車両1の後部に備わる荷室の開口である荷室開口11aを開閉可能に覆っている。バックドア5は、ルーフパネル6に結合された枠状のドア本体11と、ドア本体11の枠開口を覆うようにドア本体11に固定された透明(または半透明)のガラス製のバックウィンドウ12とを備えている。バックウィンドウ12は、後側ほど高さが低くなるように傾斜した姿勢でドア本体11に取り付けられている。
バックドア5は、当実施形態では自動開閉式とされる。すなわち、バックドア5は、図外のドアスイッチ(開スイッチまたは閉スイッチ)に触れたりスマートキーを操作する等の所定の操作に応じて自動で開閉される。この自動開閉のための駆動源として、車両1の後部には、バックドアモータ40(図6)が設けられている。
図3に示すように、ルーフパネル6の下方には、車室の天井面を構成するルーフトリム23が形成されている。ルーフパネル6およびルーフトリム23の各後端部の間には、車幅方向に延びるルーフヘッダ21およびエクステンション部材22が配設されている。ルーフヘッダ21は、所定の閉断面形状をもって車幅方向に延びる部材であり、ルーフパネル6を下から支持するように当該ルーフパネル6の後端部に結合されている。エクステンション部材22は、ルーフヘッダ21よりも後側において車幅方向に延びる部材であり、ルーフヘッダ21の後面に結合されている。
バックウィンドウ12の前端部(上端部)の下方には、上端フレーム部13が配設されている。上端フレーム部13は、ドア本体11の上側の縁(換言すればウィンドウの上枠)を構成する部材であり、所定の閉断面形状をもって車幅方向に延びるように形成されている。上端フレーム部13は、バックウィンドウ12を下から支持するように当該バックウィンドウ12の前端部に結合(接着)されている。上端フレーム部13のさらに下方には、ルーフトリム23の表面と略連続した意匠面を形成するバックドアトリム14が取り付けられている。
上端フレーム部13は、図外のドアヒンジを介してエクステンション部材22に結合されている。言い換えると、バックドア5は、上端フレーム部13とエクステンション部材22との間に設けられた当該ドアヒンジを支点にして上下方向に回動可能なように車体(ルーフ部)に取り付けられている。
エクステンション部材22の後端には、ゴム等の弾性材料からなるウェザーストリップ24が取り付けられている。ウェザーストリップ24は、バックドア5の閉時に上端フレーム部13に当接することにより、当該上端フレーム部13とエクステンション部材22との間をシールする。
図4は、発着台装置3を単体で示す斜視図である。この図4および先の図3に示すように、発着台装置3は、台部材31と、ベース部32と、リール33と、支持機構36とを備えている。
台部材31は、支持機構36によりバックウィンドウ12に対し傾動可能(角度変更可能)に取り付けられた平板状の部材である。台部材31は、バックドア5が閉状態にあるときに略水平になる平坦な上面31aを有している。この台部材31の上面31aは、飛行体2が離着陸する発着面として機能する。以下では、台部材31の上面31aのことを発着面31aとも称する。発着面31aには、飛行体2が離着陸する場所であることを表す所定のデザイン柄が表記されていてもよい。なお、図1には、Hの文字を丸で囲ったデザイン柄を発着面31aに表記した例が示されている。なお、本明細書において「略水平」とは、発着面31aと水平面とのなす角度(絶対値)が0度以上10度以下になることをいうものとする。
ベース部32は、台部材31の前部の下面に取り付けられた中空のケースである。ベース部32は、台部材31の前部とバックウィンドウ12との隙間を埋めるように、後側ほど厚みが拡大するように形成されている。なお、ベース部32は、バックウィンドウ12の上面には固定されておらず、後述する台部材31の傾動に伴いバックウィンドウ12に対し離接可能とされている。
リール33は、ベース部32の内部に収容されている。主に図4に示すように、リール33は、円筒状のリール本体34と、リール本体34を回転駆動する電動式のリールモータ35とを備えている。リール本体34にはテザー4(図1~図4)が巻き付けられており、リール本体34の回転に応じてテザー4がリール本体34に巻き取られ、またはリール本体34から引き出されるようになっている。テザー4の先端(リール本体34とは反対側の端部)は飛行体2に接続されている。
テザー4は、飛行体2を発着台装置3に繋ぎ止めるテザー(綱)としての機能と、飛行体2に電力を供給する電力線としての機能とを兼ね備えた可撓性のケーブルである。テザー4は、リール33(リール本体34)から後方に延びてベース部32の後壁上端を貫通し、かつ台部材31の下面に沿って延びるように配索されている。台部材31の略中央には、テザー4を通すためのガイド孔h1が、台部材31を貫通するように設けられている。すなわち、リール33から引き出されたテザー4は、台部材31のガイド孔h1を通じて発着面31aの上方にさらに引き出されるとともに、当該発着面31aの上方において飛行体2に接続されている。
リール33は、テザー4の引き出し量を飛行体2の離着陸に合わせて変更する。すなわち、飛行体2の離陸時は、リール本体34が引き出し方向(テザー4を引き出す方向)に回転するようにリールモータ35が制御され、リール本体34に対するテザー4の引き出し量が増大される。一方、飛行体2の着陸時は、リール本体34が巻き取り方向(テザー4を巻き取る方向)に回転するようにリールモータ35が駆動され、リール本体34に対するテザー4の引き出し量が低減される。これにより、飛行体2の発着台装置3に対する離着陸を許容しつつ、離陸した飛行体2が強風などで飛ばされないように飛行体2を拘束することができる。また、飛行体2の着陸時には、飛行体2が発着面31aに着陸する位置を、ガイド孔h1が形成される発着面31aの中央付近に位置決めすることができる。
図3および図4に示すように、支持機構36は、台部材31を軸支する左右一対の脚部37と、台部材31を脚部37に対し傾動させる傾動機構38とを備えている。
一対の脚部37は、それぞれの下端に固定部37aを有している。固定部37aは、バックウィンドウ12の上面(つまり車外側の面)に接着等により固定されている。一対の脚部37の上端部は、台部材31の両側辺部の下面に取り付けられた一対のブラケット37bにそれぞれ軸支されている。
傾動機構38は、傾動モータ38aと、ギヤボックス38bと、被駆動軸38cとを備えている。
傾動モータ38aは、片側(図では左側)の脚部37にL字状の取付具37cを介して取り付けられている。傾動モータ38aの出力軸は、ギヤボックス38b内のギヤを介して被駆動軸38cと連動連結され、被駆動軸38cは、台部材31の下面に固定された支持部材31cに固定的に(相対回転不能に)結合されている。傾動モータ38aが駆動されてその出力軸が回転すると、当該出力軸の回転がギヤボックス38bを介して被駆動軸38cに伝達され、被駆動軸38cが回転する。この被駆動軸38cの回転は、支持部材31cとともに台部材31を上下方向に傾動(揺動)させる。このように、傾動モータ38aは、その出力軸の回転をギヤボックス38bおよび被駆動軸38cを介して台部材31に伝達することにより、脚部37に対して(もしくは当該脚部37が固定されたバックウィンドウ12に対して)台部材31を上下方向に傾動させることが可能である。
図4に示すように、傾動モータ38aとリールモータ35との間には、中継ケーブル9が配索されている。中継ケーブル9は、リールモータ35に電力を供給する電力線と、リール本体34に巻回されたテザー4に接続されかつ当該テザー4を介して飛行体2に電力を供給する電力線とを含む多芯ケーブルである。なお、図4では省略しているが、傾動モータ38aとリールモータ35との間には、リールモータ35に制御信号を供給するための信号線9’(図6)が中継ケーブル9と並列に配索される。
図3に示すように、傾動モータ38aには、車内から延びるケーブル8が接続されている。ケーブル8は、車内のバッテリ41(図6)に蓄えられた電力を供給するためのケーブルであり、当該バッテリ41と傾動モータ38aとを互いに接続するように配索されている。すなわち、ケーブル8は、バッテリ41の電力を傾動モータ38aに供給するとともに、バッテリ41の電力を中継ケーブル9を介してリールモータ35に供給することが可能である。さらに、ケーブル8は、バッテリ41の電力を中継ケーブル9およびテザー4を介して飛行体2に供給することが可能である。なお、図3では省略しているが、傾動モータ38aには、当該傾動モータ38aに制御信号を供給するための信号線8’(図6)も接続される。この信号線8’は、電力供給用のケーブル8と並列に傾動モータ38aに接続される。
ケーブル8は、図3に示すように、ルーフパネル6とバックウィンドウ12との隙間を通じて車内から車外に導出される。このケーブル8の車外への導出位置をXとすると、ケーブル8は、当該導出位置Xよりも手前のルーフ部の内部において、エクステンション部材22を貫通するように配索されている。エクステンション部材22の前後方向の途中部には、ケーブル8を通すための貫通孔(図示略)が形成されており、この貫通孔に対応する部位には、ケーブル8保護用のグロメット25が取り付けられている。一方、導出位置Xから車外に導出されたケーブル8は、バックウィンドウ12の上面および脚部37の内側面に沿うように(もしくは脚部37の内部を通るように)配索され、バックウィンドウ12の上方において傾動モータ38aに接続されている。
図5は、飛行体2の外観を示す斜視図である。この図5および先の図3に示すように、飛行体2は、いわゆるクワッドコプター型のドローンであり、本体部111と、本体部111の前面に配置されたカメラ112と、本体部111の四隅に配置された4つのプロペラ113と、本体部111から左右に延びる一対のシャフト114と、本体部111を内包する網目球体状の緩衝部材115とを備えている。本体部111と緩衝部材115とは、シャフト114によって互いに連結されている。本体部111の下面には、上述したテザー4が接続されている。なお、図3では、緩衝部材115を簡略化して二点鎖線の球で表している。
飛行体2は、プロペラ113の回転によって浮力を得て飛行する。このプロペラ113を回転させるための電力、つまり飛行体2を飛行させるための電力は、車内のバッテリ41から上述したテザー4を介して供給される。このため、当実施形態では、飛行体2へのバッテリの搭載が省略されており、これによって飛行体2の軽量化が図られている。飛行体2の総重量は、飛行規制の対象となる制限重量(例えば200グラム)未満に設定されている。
図6は、車両1、発着台装置3、および飛行体2の機能構成を示すブロック図である。本図に示すように、車両1は、上述したバックドアモータ40およびバッテリ41に加えて、ナビゲーション装置42、表示部43、操作部44、および通信部45を備えている。また、車両1は、これら各要素の動作を統括的に制御するECU50を備えている。
ECU50は、周知のCPU、ROM、RAM等を含むマイクロプロセッサである。このECU50は、車両1の動作に関する制御を司る車両制御部51と、飛行体2の動作に関する制御を司る飛行体制御部52とを機能的に有している。車両制御部51は、本発明における「制御部」の一例に該当する。
ナビゲーション装置42は、自車両の走行位置を特定しつつ目的地までの経路誘導を行う装置である。ナビゲーション装置42は、例えば、GPS衛星から送信される位置情報を表す信号を受信するGPS受信機と、道路地図のデータや交通規制情報等を記憶する地図データ記憶部と、ユーザにより目的地が設定されたときに当該目的地までの最適な走行経路(推奨走行経路)を演算してユーザに提示する経路誘導部と、推奨走行経路の情報を道路地図とともに表示するディスプレイとを有している。
表示部43は、LCDまたは有機EL等を用いたディスプレイを含む。この表示部43のディスプレイは、ナビゲーション装置42が備えるディスプレイであってもよい。
操作部44は、車両1に搭乗している乗員(運転者または同乗者)による手動の操作を受け付け可能な各種スイッチを含む。操作部44は、例えば、ステアリングホイールに設けられたステアリングスイッチ、車室のコンソール部に設けられたコンソールスイッチ、表示部43のディスプレイに適用されるタッチスイッチ(タッチパネル)、および乗員が携帯するスマートキーのいずれかを含む。
通信部45は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信方式によって、飛行体2(詳しくは後述する通信部125)との間で双方向にデータ通信を行うものである。通信部45は、離着陸等の所望の動作を飛行体2に行わせるための制御信号(操縦信号)を飛行体2に送信するとともに、飛行体2から送信された映像データ、位置データ、および姿勢データを受信することが可能である。
飛行体2は、撮影部120、駆動部121、位置検出部122、姿勢検出部123、照明部124、および通信部125を備えている。また、飛行体2は、これら各要素の動作を統括的に制御するフライトコントローラ130を備えている。
フライトコントローラ130は、周知のCPU、ROM、RAM等を含むマイクロプロセッサである。フライトコントローラ130は、車両1の飛行体制御部52からの指令を通信部125を介して受け付けるとともに、受け付けた指令に基づいて飛行体2の離着陸や撮影部120による撮影等の動作を制御する。
撮影部120は、上述したカメラ112(図5も参照)と、当該カメラ112により取得された画像データを処理する画像処理部とを含む。撮影部120により撮影される画像には、静止画像(写真)および動画像(映像)の双方が含まれ得るが、以下では、撮影部120によって動画像が撮影される場合を例にとって説明を進める。撮影部120は、撮影された動画像データ(映像データ)をリアルタイムで出力する。
駆動部121は、上述した4つのプロペラ113(図5)を回転駆動するためのモータを含む。駆動部121は、4つのプロペラ113の回転方向および回転速度を個別に制御する。これにより、飛行体2は、前進、後進、上昇、降下、旋回、およびホバリング等の任意の飛行動作を行うことができる。
位置検出部122は、GPS受信機および高度センサ等を含む。位置検出部122は、これらの要素から特定される飛行体2の位置データをリアルタイムで出力する。
姿勢検出部123は、加速度センサ、ジャイロセンサ、および磁気方位センサ等を含む。位置検出部122は、これらの要素から特定される飛行体2の姿勢データをリアルタイムで出力する。
照明部124は、飛行体2の本体部111の所定箇所に配置されたLED等の光源を含む。
通信部125は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信方式によって、上述した車両1の通信部45との間で双方向にデータ通信を行うものである。
ここで、当実施形態では、飛行体2の用途として、車両1の走行中に上空から車両1を撮影する第1の用途と、車両1の停止中に上空から車両1を撮影する第2の用途とが想定されている。
上記第1の用途に飛行体2を供するとき、乗員は、車両1の走行中に操作部44に対し所定の操作を行って、飛行体2を離陸させる指示を出す。指示を受けた飛行体2は、発着台装置3から離陸して上空から車両1を含む映像を撮影し、撮影した映像を車両1に送信する。飛行体2(その撮影部120)により撮影される映像は種々考えられるが、例えば、車両1を上方かつ後方から俯瞰する映像、つまり車両1の前方領域を車両1自身を含めて上空から俯瞰した映像を撮影することが考えられる。撮影した映像は、車内の表示部43に表示することもできるし、所定の記憶媒体に記憶することもできる。これにより、乗員は、自身が運転(搭乗)する車両1の走行状況を上空から俯瞰するように確認することができる。
上記第2の用途に飛行体2を供するとき、つまり車両1の停止中に飛行体2を離陸させるときにおいても、飛行体2の基本的な動作は同じである。ただし、車両1の停止中は、バックドア5が開閉される可能性があり、その点が車両1の走行中とは異なる。すなわち、乗員は、バックドア5が閉状態にあるときだけでなく、バックドア5が開状態にあるときにも飛行体2を離陸させる指示を出す可能性がある。そこで、バックドア5が開状態にあるときでも飛行体2を発着台装置3から離陸させ得るように対策する必要がある。図7は、このような目的のために実行される制御の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートが適用される前提として、車両1は停止中であり、かつバックドア5は閉状態にあるものとする。また、飛行体2は発着台装置3の発着面31aに着陸した状態にあるものとする。
図7に示す制御がスタートすると、車両1のECU50(車両制御部51)は、ステップS1において、バックドア5を開く操作が乗員により行われたか否かを判定する。具体的に、ECU50は、バックドア5に設けられた図外の開スイッチを押す操作が行われたか否かを、当該開スイッチからの入力信号に基づき判定するとともに、バックドア5の開放を指示する操作として予め定められた所定の操作が操作部44に対し行われたか否か(例えばスマートキーによるバックドアの開操作が行われた否か)を、操作部44からの入力信号に基づき判定する。そして、いずれかの操作が行われたことが確認された場合に、バックドア5を開く操作が行われたと判定する。
上記ステップS1でYESと判定されてバックドア5の開操作が行われたことが確認された場合、ECU50(車両制御部51)は、次のステップS2において、バックドア5を開方向に駆動する。すなわち、ECU50は、バックドア5が上方に回動して所定の全開位置(図8参照)まで移動するように、バックドアモータ40を駆動する。
次いで、ECU50(車両制御部51)は、ステップS3において、台部材31を跳ね上げ方向に傾動させる。すなわち、ECU50は、台部材31の前端部が上方に変位する(バックウィンドウ12から離間する)ように、つまり図8に矢印Yで示す方向に台部材31が傾動するように、傾動機構38の傾動モータ38aを駆動する。この傾動モータ38aの駆動(台部材31の傾動)は、上記ステップS2によるバックドア5の開動作と同時並行的に行われる。また、台部材31の傾動量(傾動角度)は、図8および図9に示すように、バックドア5の開放後に発着面(上面)31aが略水平になるような量に設定される。言い換えると、傾動モータ38aは、バックドア5が図8に示す全開位置まで移動した時点で発着面31aが略水平になるように、バックドア5の開動作に合わせた所定の速度で台部材31を傾動させる。
ここで、当実施形態では、リール33により巻き取られるテザー4が飛行体2に接続されているので、バックドア5の開時に上記ステップS3による制御(台部材31を図8の矢印Y方向に傾動させる制御)を行わなくても、飛行体2が台部材31から落下することはない。しかしながら、台部材31を矢印Y方向に傾動させなかった場合には、台部材31の発着面31aが水平面に対し大きく傾き、その結果飛行体2の本体部111(図3)も大きく傾くことになる。この状態でプロペラ113を回転させても、飛行体2を離陸させる浮揚力が十分に得られず、飛行体2を適切に発着面31aから離陸させることができない。そこで、このような事態を回避すべく、上記ステップS3では、台部材31を傾動させてその発着面31aを略水平に維持するようにしている。
次いで、ECU50(飛行体制御部52)は、ステップS4において、飛行体2の離陸を指示する操作が乗員により行われたか否かを判定する。具体的に、ECU50は、飛行体2の離陸を指示する操作として予め定められた所定の操作が操作部44に対し行われたか否かを、操作部44からの入力信号に基づき判定する。
上記ステップS4でYESと判定されて離陸指示の操作が行われたことが確認された場合、ECU50(飛行体制御部52)およびフライトコントローラ130は、次のステップS5において、飛行体2に離陸および撮影を行わせる。すなわち、ECU50(飛行体制御部52)は、離陸および撮影を行うべき旨の指令を通信部45,125を介してフライトコントローラ130に出力する。フライトコントローラ130は、当該指令を受けて、飛行体2が発着台装置3から離陸して車両1の上空を飛行するようにプロペラ113の駆動(駆動部121)を制御するとともに、車両1の上空から規定の映像を撮影するように撮影部120(カメラ112)を制御する。ECU50(飛行体制御部52)はまた、飛行体2の離陸(高度の上昇)に合わせてリール33からテザー4が引き出されるように、リールモータ35を引き出し方向に駆動してテザー4の引き出し量を増大させる。このとき、テザー4の引き出し量は、車両1(発着台装置3)から飛行体2までの離間距離が予め定められた上限値を超えないように設定される。
上記ステップS5で撮影された映像は、通信部45,125を介してリアルタイムで送信される。送信された映像は、例えば表示部43に表示されたり、所定の記憶媒体に記憶されたりする。記憶媒体は、ナビゲーション装置42等に備わる内部記憶媒体でもよいし、USBメモリー等の外部記憶媒体でもよい。
一方、上記ステップS4でNOと判定されて離陸指示の操作が行われなかったことが確認された場合、ECU50(車両制御部51)は、次のステップS11において、バックドア5を閉じる操作が乗員により行われたか否かを判定する。具体的に、ECU50は、バックドア5に設けられた図外の閉スイッチを押す操作が行われたか否かを、当該閉スイッチからの入力信号に基づき判定するとともに、バックドア5の閉鎖を指示する操作として予め定められた所定の操作が操作部44に対し行われたか否か(例えばスマートキーによるバックドアの閉操作が行われた否か)を、操作部44からの入力信号に基づき判定する。そして、いずれかの操作が行われたことが確認された場合に、バックドア5を閉じる操作が行われたと判定する。
上記ステップS11でYESと判定されてバックドア5の閉操作が行われたことが確認された場合、フローは後述するステップS9(バックドア5の閉動作)に移行する。一方、上記ステップS11でNOと判定されてバックドア5の閉操作が行われなかったことが確認された場合、フローは上述したステップS4(離陸指示の有無の判定)に戻る。
上記ステップS5で飛行体2による離陸および撮影が行われた後、ECU50(飛行体制御部52)は、次のステップS6において、飛行体2の着陸を指示する操作が乗員により行われたか否かを判定する。具体的に、ECU50は、飛行体2の着陸を指示する操作として予め定められた所定の操作が操作部44に対し行われたか否かを、操作部44からの入力信号に基づき判定する。
上記ステップS6でYESと判定されて着陸指示の操作が行われたことが確認された場合、ECU50(飛行体制御部52)およびフライトコントローラ130は、次のステップS7において、飛行体2に着陸を行わせる。すなわち、ECU50(飛行体制御部52)は、着陸の指令を通信部45,125を介してフライトコントローラ130に出力する。フライトコントローラ130は、当該指令を受けて、飛行体2の高度が下がる方向にプロペラ113(駆動部121)を制御し、飛行体2を発着台装置3(発着面31a)まで移動させ、発着面31aに到達した時点でプロペラ113を停止させる。また、ECU50(飛行体制御部52)は、飛行体2の高度低下に合わせてテザー4がリール33に巻き取られるように、リールモータ35を巻き取り方向に駆動してテザー4の引き出し量を低減させる。このリール33の巻き取りにより、テザー4は、着陸を完了した飛行体2(発着面31a上に位置する飛行体2)とリール33との間で張り渡され、これによってテザー4に所定のテンションが発生する。このテンションは、発着面31a上の所定の着陸位置に飛行体2を拘束する。詳しくは、飛行体2は、発着面31aからのテザー4の引き出し位置であるガイド孔h1(図3)の直上部に拘束される。
次いで、ECU50(車両制御部51)は、ステップS8において、バックドア5を閉じる操作が乗員により行われたか否かを判定する。
上記ステップS8でYESと判定されてバックドア5の閉操作が行われたことが確認された場合、ECU50(車両制御部51)は、次のステップS9において、バックドア5を閉方向に駆動する。すなわち、ECU50は、バックドア5が下方に回動して荷室開口11aを閉鎖する位置(図1に示す全閉位置)まで移動するように、バックドアモータ40を駆動する。
次いで、ECU50(車両制御部51)は、ステップS10において、台部材31を引き下げ方向に傾動させる。すなわち、ECU50は、台部材31の前端部が下方に変位する(バックウィンドウ12に近づく)ように、つまり図8の矢印Yとは反対方向に台部材31が傾動するように、傾動機構38の傾動モータ38aを駆動する。この傾動モータ38aの駆動(台部材31の傾動)は、上記ステップS9によるバックドア5の閉動作と同時並行的に行われる。また、台部材31の傾動量(傾動角度)は、図1および図2に示すように、バックドア5の閉鎖後に発着面(上面)31aが略水平になるような量、つまり台部材31の下側のベース部32(図3)がバックウィンドウ12に当接するような量に設定される。言い換えると、傾動モータ38aは、バックドア5が図2に示す全閉位置まで移動した時点で発着面31aが略水平になるように、バックドア5の閉動作に合わせた所定の速度で台部材31を傾動させる。
以上説明したように、第1実施形態では、発着台装置3の台部材31が支持機構36を介してバックドア5(バックウィンドウ12)に支持されることにより、バックドア5の開閉動作に応じて自動的に台部材31の姿勢(角度)が調整される。詳しくは、バックドア5が閉状態(全閉位置)にあるときに発着面31aが略水平になる図1~図3に示す状態(第1状態)と、バックドア5が開状態(全開位置)にあるときに発着面31aが略水平になる図8および図9に示す状態(第2状態)とがそれぞれ得られるように、バックドア5の開閉動作に応じて支持機構36が台部材31をバックドア5に対し傾動させる。このような構成によれば、バックドア5の開閉にかかわらず飛行体2を発着台装置3から支障なく離着陸させることができるという利点がある。
すなわち、上記第1実施形態では、バックドア5が閉状態および開状態のいずれにあっても発着面31aが略水平になるように台部材31の姿勢(角度)が調整されるので、バックドア5の開閉にかかわらず、飛行体2を支障なく発着面31aに対し離着陸させることができる。このため、例えばバックドア5が閉状態にあるときはもちろんのこと、バックドア5が開状態にあるときにも飛行体2を発着面31aから離着陸させることが可能になり、飛行体2の利便性をより高めることができる。例えば、車両1のユーザは、バックドア5を開いたまま、開放された荷室からユーザが荷物を出し入れしているところや、荷室にユーザが腰掛けたりしているところを上空から撮影する等の用途に飛行体2を使用することができる。そして、このような用途にも飛行体2を使用可能とすることにより、車両1を用いたユーザの種々の活動シーンにおいて飛行体2を活用することができ、飛行体2が付属された車両1の商品性を高めることができる。
特に、上記第1実施形態において、支持機構36は、台部材31をバックドア5に対し傾動させる傾動モータ38aを含む傾動機構38を有しており、この傾動機構38の制御によりバックドア5の開閉動作に応じて台部材31の姿勢(角度)が自動的に調整される。このような構成によれば、バックドア5の開動作または閉動作時に台部材31の姿勢をユーザが手動で調整することが不要になり、飛行体2を使用するときの利便性をより向上させることができる。
<第2実施形態>
図10は、本発明の第2実施形態に係る発着台装置203の側面図である。この第2実施形態の説明において、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。図10に示すように、第2実施形態に係る発着台装置203は、平板状の第1台部材231と、第1台部材231と交差するように配置された平板状の第2台部材232とを備えている。
第1台部材231は、バックドア5が閉状態のときに略水平になる第1発着面231aを有している。第1発着面231aは、第1台部材231の主面、つまり第1台部材231の厚み方向に直交しかつ車外側(バックウィンドウ12とは反対側)に位置する第1台部材231の上面により構成されている。第1台部材231には、飛行体2に接続されるテザー4を通すためのガイド孔h1が形成されている。
第1台部材231の前部の下面には、当該下面とバックウィンドウ12との隙間を埋めるような形状を有した中空状のベース部233が取り付けられている。ベース部233は、バックウィンドウ12に接着等により固定されている。ベース部233の内部には、テザー4を引き出し可能に巻き取るためのリール234が設けられている。リール234は、テザー4を巻き取るリール本体と、リール本体を回転駆動するリールモータとを有する(いずれも図示省略)。リールモータには、車内から導出される図外のケーブル(第1実施形態のケーブル8と同様のもの)が接続される。
第2台部材232は、第1台部材231の後端から斜め下方(後方かつ下方)に延びるように形成されている。第2台部材232の上端は第1台部材231の後端に結合され、第2台部材232の下端はバックウィンドウ12に固定されている。
第2台部材232は、上述した第1発着面231aと所定の角度(ここでは鈍角)をもって交差しかつ当該第1発着面231aと略連続する第2発着面232aを有している。第2発着面232aは、第2台部材232の主面、つまり第2台部材232の厚み方向に直交しかつ車外側(バックウィンドウ12とは反対側)に位置する第2台部材232の後面により構成されている。なお、第2発着面232aの第1発着面231aに対する交差角度は、バックドア5が開状態のときに第2発着面232aが略水平になるような角度に設定されている。
図11は、バックドア5が開閉される状況下で飛行体2が使用される場合の制御の一例を示すフローチャートである。このフローチャートが適用される前提として、車両1は停止中であり、かつバックドア5は閉状態にあるものとする。また、飛行体2は発着台装置3の第1発着面231aに着陸した状態にあるものとする。図11に示す制御がスタートすると、車両1のECU50(車両制御部51)は、ステップS21において、バックドア5を開く操作が乗員により行われたか否かを判定する。
上記ステップS21でYESと判定されてバックドア5の開操作が行われたことが確認された場合、ECU50(車両制御部51)は、次のステップS22において、バックドア5を開方向に駆動する。すなわち、ECU50は、バックドア5が上方に回動して所定の全開位置(図12参照)まで移動するように、バックドアモータ40(図6)を駆動する。バックドア5が開かれると、発着台装置3は、図12に示すように、第2発着面232aが水平面と略一致する姿勢へと変化する。逆に、第1発着面231aは水平面に対し大きく傾くことになる。
次いで、ECU50(飛行体制御部52)およびフライトコントローラ130は、ステップS23において、飛行体2を第1発着面231aから第2発着面232aへと移動させる。すなわち、ECU50(飛行体制御部52)は、飛行体2の移動指令を通信部45,125を介してフライトコントローラ130に出力する。フライトコントローラ130は、当該指令を受けて、図12に示すように、飛行体2が第1発着面231aから第2発着面232aへと移動するようにプロペラ113の駆動(駆動部121)を制御する。このとき、フライトコントローラ130は、第1発着面231aが傾き始めた時点で当該第1発着面231aから飛行体2が離陸し、第2発着面232aが略水平になった時点で当該第2発着面232aに飛行体2が離陸するように、飛行体2を制御する。さらに、ECU50(飛行体制御部52)は、飛行体2の移動に合わせてリール234からテザー4が引き出されるようにリール234を制御する。このとき、テザー4は、飛行体2が第2発着面232aに移動するのに必要な最低限の量だけリール234から引き出される。
次いで、ECU50(飛行体制御部52)は、ステップS24において、飛行体2の離陸を指示する操作が乗員により行われたか否かを判定する。
上記ステップS4でYESと判定されて離陸指示の操作が行われたことが確認された場合、ECU50(飛行体制御部52)およびフライトコントローラ130は、次のステップS25において、飛行体2に離陸および撮影を行わせる。すなわち、ECU50(飛行体制御部52)は、離陸および撮影を行うべき旨の指令を通信部45,125を介してフライトコントローラ130に出力する。フライトコントローラ130は、当該指令を受けて、飛行体2が第2発着面232aから離陸して車両1の上空を飛行するようにプロペラ113の駆動(駆動部121)を制御するとともに、車両1の上空から規定の映像を撮影するように撮影部120(カメラ112)を制御する。
一方、上記ステップS24でNOと判定されて離陸指示の操作が行われなかったことが確認された場合、ECU50(車両制御部51)は、次のステップS31において、バックドア5を閉じる操作が乗員により行われたか否かを判定する。
上記ステップS31でYESと判定されてバックドア5の閉操作が行われたことが確認された場合、フローは後述するステップS29(バックドア5の閉動作)に移行する。一方、上記ステップS31でNOと判定されてバックドア5の閉操作が行われなかったことが確認された場合、フローは上述したステップS24(離陸指示の有無の判定)に戻る。
上記ステップS25で飛行体2による離陸および撮影が行われた後、ECU50(飛行体制御部52)は、次のステップS26において、飛行体2の着陸を指示する操作が乗員により行われたか否かを判定する。
上記ステップS26でYESと判定されて着陸指示の操作が行われたことが確認された場合、ECU50(飛行体制御部52)およびフライトコントローラ130は、次のステップS27において、飛行体2に着陸を行わせる。すなわち、ECU50(飛行体制御部52)は、着陸の指令を通信部45,125を介してフライトコントローラ130に出力する。フライトコントローラ130は、当該指令を受けて、飛行体2の高度が下がる方向にプロペラ113(駆動部121)を制御し、飛行体2を第2発着面232aまで移動させ、第2発着面232a上に到達した時点でプロペラ113を停止させる。また、ECU50(飛行体制御部52)は、飛行体2の高度低下に合わせてリール234からのテザー4の引き出し量が低減されるように、リール234を巻き取り方向に駆動する。
次いで、ECU50(車両制御部51)は、ステップS28において、バックドア5を閉じる操作が乗員により行われたか否かを判定する。
上記ステップS28でYESと判定されてバックドア5の閉操作が行われたことが確認された場合、ECU50(車両制御部51)は、次のステップS29において、バックドア5を閉方向に駆動する。すなわち、ECU50は、バックドア5が下方に回動して荷室開口11a(図1参照)を閉鎖する位置まで移動するように、バックドアモータ40を駆動する。バックドア5が閉じられると、発着台装置3は、図10に示すように、第1発着面231aが水平面と略一致する姿勢へと変化する。逆に、第2発着面232aは水平面に対し大きく傾くことになる。
次いで、ECU50(飛行体制御部52)およびフライトコントローラ130は、ステップS30において、飛行体2を第2発着面232aから第1発着面231aへと移動させる。すなわち、ECU50(飛行体制御部52)は、飛行体2の移動指令を通信部45,125を介してフライトコントローラ130に出力する。フライトコントローラ130は、当該指令を受けて、飛行体2が第2発着面232aから第1発着面231aへと移動するようにプロペラ113の駆動(駆動部121)を制御する。このとき、フライトコントローラ130は、第2発着面232aが傾き始めた時点で当該第2発着面232aから飛行体2が離陸し、第1発着面231aが略水平になった時点で当該第1発着面231aに飛行体2が離陸するように、飛行体2を制御する。さらに、ECU50(飛行体制御部52)は、飛行体2の移動に合わせてリール234からのテザー4の引き出し量が低減されるように、リール234を巻き取り方向に駆動する。
以上説明したように、第2実施形態における発着台装置203は、バックドア5が閉状態のときに略水平になる第1発着面231aと、バックドア5が開状態のときに略水平になる第2発着面232aとを備えている。このため、バックドア5が閉のときは第1発着面231aを使用し、バックドア5が開のときは第2発着面232aを使用するというように、バックドア5の開閉に応じて水平に近い方の発着面を選択的に使用することにより、バックドア5の開閉にかかわらず飛行体2を発着台装置203から支障なく離着陸させることができる。これにより、飛行体2の用途を広げて車両1の商品性を向上させることができる。
特に、上記第1実施形態では、バックドア5の開閉に応じて飛行体2が自動的に水平に近い方の発着面に移動するので、バックドア5の開動作または閉動作時にいちいち飛行体2の移動を指示する操作をユーザが行うことが不要になり、飛行体2を使用するときの利便性をより向上させることができる。
<変形例>
上記第1実施形態では、台部材31を傾動可能に支持する支持機構36に傾動モータ38aを備え付け、バックドア5の開閉に応じて自動で台部材31の姿勢を調整(発着面31aを略水平に維持)できるようにしたが、支持機構は必ずしも自動式でなくてもよく、手動式であってもよい。すなわち、支持機構として、バックドアの開閉に応じて台部材の角度を手動で調整するタイプのものを用いてもよい。この場合、バックドアの開動作または閉動作時にユーザが台部材の角度を手動で調整する必要が生じるものの、支持機構の構造を簡素化できるという利点がある。
上記第1実施形態では、発着台装置3に備わるリールモータ35や傾動モータ38a等の部品に電力を供給するためのケーブル8を、ルーフパネル6とバックウィンドウ12との隙間を通じて車外から車内に導入するようにしたが、発着台装置3用のケーブルを車内に導入することは必須ではない。例えば、最近の車両では、ルーフパネル6の後端部に、各種電波を受信するためのアンテナが内蔵されたひれ状の部品(いわゆるシャークアンテナ)が取り付けられることが多い。そこで、このようなシャークアンテナの後端面に、信号および電力を受け取るための差込み口を設け、当該差込み口に発着台装置3用のケーブルを差し込むようにすることが考えられる。このようにすれば、発着台装置3用のケーブルを車内に導入することが不要になる。
上記第1実施形態では、リール33と飛行体2とを連結するテザー4を通じて車両1から飛行体2に電力を供給する一方、飛行体2と車両1との間の制御信号のやり取りを通信部45,125を介して無線で行うようにしたが、信号線としての機能をテザーに付加することにより、制御信号のやり取りを有線で行うようにしてもよい。逆に、飛行体にバッテリを内蔵し、かつ飛行体と車両との間の制御信号のやり取りを無線で行うことにより、電力線および信号線としての機能をテザーから省いて、飛行体とリールとを純粋なテザー(単なる可撓性のワイヤー)により連結することも可能である。このことは、上記第2実施形態でも同様である。
上記第1および第2実施形態では、発着台装置をバックドア5(バックウィンドウ12)に固定的に取り付けたが、発着台装置をバックドアに着脱可能に取り付けるようにしてもよい。このようにすれば、飛行体2を使用しないときは発着台装置を取り外すことが可能になるので、バックウィンドウ12を通じた視界を良好に確保できる等の利点がある。
上記第1および第2実施形態では、ハッチバック車の一種であるファストバッククーペ型の車両に本発明を適用した例について説明したが、本発明は、上下方向に回動するバックドアを備えた種々の車両に広く適用することが可能である。例えば、ステーションワゴンやSUV等の車両にも本発明を好適に適用することが可能である。
さらに、本発明の発着台装置は、上下方向に回動する開閉体に広く適用可能であり、適用対象はバックドアに限定されない。例えば、トランクリッドに本発明の発着台装置を適用してもよい。
1 :車両
2 :飛行体
3 :発着台装置
5 :バックドア(開閉体)
11a :荷室開口
31 :台部材
31a :発着面
36 :支持機構
37 :脚部
38 :傾動機構
51 :車両制御部(制御部)
203 :発着台装置
231 :第1台部材
231a :第1発着面
232 :第2台部材
232a :第2発着面

Claims (5)

  1. 車体に対し上下方向に回動可能な開閉体に取り付けられ、車両の上空を飛行可能な飛行体が離着陸する発着台装置であって、
    前記飛行体が離着陸する面である発着面を含む台部材と、
    前記開閉体が閉状態および開状態のいずれにあっても前記発着面が略水平になるように、前記台部材を前記開閉体に対し傾動可能に支持する支持機構とを備えた、車載用飛行体の発着台装置。
  2. 前記支持機構は、前記開閉体の車外側の面に取り付けられた脚部と、前記台部材を前記脚部に対し傾動させる傾動機構と、当該傾動機構を制御する制御部とを備えた、請求項1に記載の車載用飛行体の発着台装置。
  3. 車体に対し上下方向に回動可能な開閉体に取り付けられ、車両の上空を飛行可能な飛行体が離着陸する発着台装置であって、
    前記開閉体が閉状態のときに略水平になる第1発着面を含む第1台部材と、
    前記開閉体が開状態のときに略水平になる第2発着面を含む第2台部材とを備えた、車載用飛行体の発着台装置。
  4. 前記第1台部材および前記第2台部材は、所定の角度で交差する平板状の部材である、請求項3に記載の車載用飛行体の発着台装置。
  5. 前記開閉体は、車両の後部に形成された荷室開口を開閉するバックドアである、請求項1~4のいずれか1項に記載の車載用飛行体の発着台装置。
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