以下、実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1~図3を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置1の構成について説明する。図1は、画像形成装置1の概略構成を示す図である。図2は、画像形成装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。
画像形成装置1は、制御部10、記憶部11、操作部12、表示部13、通信部14、補正部16、画像形成部17、定着部18、搬送部19、および読取部21を備える。制御部10は、バス22を介して記憶部11、操作部12、表示部13、通信部14、補正部16、画像形成部17、定着部18、搬送部19、および読取部21と接続されている。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、およびROM(Read Only Memory)103を有する。CPU101は、画像形成装置1全体を総括的に制御する。CPU101は、ROM103または記憶部11に記憶されている制御用プログラムを読み出して実行し、各種演算処理を行う。RAM102は、CPU101がプログラムを実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時的に記憶する。ROM103は、CPU101により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。
記憶部11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、通信部14を介して外部のPC(Personal Computer)等から入力された印刷ジョブ(印刷ジョブの設定情報や画像データ)等が記憶される。印刷ジョブの設定情報には、片面印刷なのか両面印刷なのかを示す情報、モノクロ印刷なのかカラー印刷なのかを示す情報、シートサイズ、シートの種類等の情報が含まれる。なお、これらのデータはRAM102に記憶されてもよい。
操作部12は、操作キーや表示部13の画面に重ねられて配置されたタッチパネル等の入力デバイスを備え、これらの入力デバイスに対する入力操作を操作信号に変換して制御部10に出力する。
表示部13は、LCD(Liquid crystal display)等の表示装置を備え、画像形成装置1の状態や、タッチパネルへの入力操作の内容を示す操作画面等を表示する。
通信部14は、例えばLAN(Local Area Network)カード等の通信制御カードで構成され、LANやWAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えば、PC)との間で各種データの送受信を行う。
補正部16は、後述の読取部21で読み取った濃度補正用画像に基づいて画像の濃度を補正する(階調補正を行う)。具体的には、補正部16は、記憶部11に記憶されている画像データを補正し、補正後の画像データを記憶部11に記憶する。
画像形成部17は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、およびK(ブラック)の各々の色成分に対応する4組の露光部171、感光体172、および現像部173と、転写ベルト174と、2次転写ローラー175とを備え、補正部16で補正された画像データに基づき、電子写真方式によりシートに画像を形成する。
定着部18は、トナーが転写されたシートを加熱および加圧してトナーをシートに定着させる。
搬送部19は、シートを挟持した状態で回転可能なローラーを複数備える。搬送部19は、給紙トレイ23から給紙されたシートを所定の搬送経路に沿って搬送する。搬送部19は、画像形成および定着が行われたシートを読取部21に搬送する。
読取部21は、画像形成済みのシートを読み取って、得られた画像データを制御部10に出力する。読取部21は、シートの第1面(たとえば、シートの表面)を読み取る第1読取部21aと、シートの第2面(たとえば、シートの裏面)を読み取る第2読取部21bとを備える。第1読取部21aおよび第2読取部21bは、各々、ラインセンサー(たとえば、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ、CIS(Contact Image Sensor)等)、光学系、光源等を備える。なお、シートの第1面をシートの裏面とし、シートの第2面をシートの表面としてもよい。
図3は、読取部21の概略構成を示す図である。読取部21では、第1読取部21aおよび第2読取部21bが一部において対向するように、シートSHTの搬送方向に直交する方向(以下、「X方向」と称す)にずらして配置されている。第1読取部21aは、X方向の読み取り幅RaがシートSHTのX方向の長さLよりも短い。また、第2読取部21bは、X方向の読み取り幅RbがシートSHTのX方向の長さLよりも短い。シートSHTが読取部21に搬送されてくると、第1読取部21aがシートSHTの第1面を読み取り、第2読取部21bがシートSHTの第2面を読み取る。読取部21は、第1読取部21aまたは第2読取部21bで読み取った画像のデータを制御部10(図2参照)に出力する。補正部16(図2参照)は、その画像のデータを基に、画像の濃度を補正する。
図4を参照して、制御部10(図2参照)による濃度補正処理について説明する。図4は、濃度補正処理を示すフローチャートである。濃度補正処理は制御部10が行う処理であり、CPU101(図2参照)がROM103(図2参照)に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。
まず、制御部10は、印刷指示を受信したか否かを判定する(ステップS410)。印刷指示を受信した場合には、制御部10は、処理をステップS420に移行する。
ステップS420において、制御部10は、画像形成処理を行う。具体的には、画像形成部17(図1参照)が、給紙トレイ23(図1参照)から給紙されてきたシートに、印刷ジョブによって特定される画像(ユーザーが指定する画像)と、濃度補正用画像とを形成する。濃度補正用画像は4種類あり、C(シアン)用の濃度補正用画像と、M(マゼンタ)用の濃度補正用画像と、Y(イエロー)用の濃度補正用画像と、K(ブラック)用の濃度補正用画像とがある。なお、画像形成の詳細は、図5~図15を参照して後述する。
次いで、制御部10は、画像形成および定着が行われたシートを読み取る(ステップS430)。具体的には、読取部21(図1参照)が画像形成および定着が行われたシートを読み取る。読取部21は、第1読取部21aまたは第2読取部21bで読み取った濃度補正用画像のデータを制御部10(図2参照)に出力する。
次いで、制御部10は、読取部21から送られてきた濃度補正用画像のデータを基に画像の濃度を補正する(ステップS440)。具体的には、補正部16が、読取部21から送られてきた濃度補正用画像のデータを基に画像の濃度を補正する。
ステップS440の後、制御部10は、図4に示す処理を終了する。
図5~図15を参照して、ステップS420(図4参照)における画像形成について説明する。なお、図5~図12には、シートSHTの搬送方向から見た第1読取部21a,121aおよび第2読取部21b,121bが模式的に描かれている。また、図5~図12では、シートSHTの第1面に形成される濃度補正用画像Pは実線で示され、シートSHTの第2面に形成される濃度補正用画像Pは点線で示されるものとする。図5~図12において、シートSHT内の「page M(Mは1以上の整数)」は、当該シートSHTの頁数を示している。本実施の形態に係る画像形成装置1では、シートSHTのX方向(シートSHTの搬送方向に直交する方向)の長さを330mmとし、第1読取部21aのX方向の読み取り幅および第2読取部21bのX方向の読み取り幅をそれぞれ297mmとする。なお、第1読取部21aのX方向の読み取り幅、第2読取部21bのX方向の読み取り幅、およびシートSHTのX方向の長さはこれに限られず、第1読取部21aのX方向の読み取り幅および第2読取部21bのX方向の読み取り幅のそれぞれがシートSHTのX方向の長さよりも短ければよい。また、第1読取部21aのX方向の読み取り幅および第2読取部21bのX方向の読み取り幅は同じでもよいし、異なっていてもよい。
まず、図5~図7を参照して、画像形成の第1パターンについて説明する。図5は、画像形成の第1パターンを示す図である。図6は、本実施の形態に係る読取部21と比較される読取部121でシートSHTを読み取る場合の実質画像幅を示す図である。図7は、本実施の形態に係る配置と比較される配置で読取部21を配置する場合の実質画像幅を示す図である。
図5に示すように、第1パターンでは、画像形成部17(図1参照)は、シートSHTの両方の面に濃度補正用画像Pを形成する。具体的には、画像形成部17は、シートSHTの第1面の、第1読取部21aが第2読取部21bと対向しない領域R1に2色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P1,P2)を形成し、シートSHTの第2面の、第2読取部21bが第1読取部21aと対向しない領域R2に残り2色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P3,P4)を形成する。画像形成部17は、印刷ジョブに基づいて出力されるシートSHTの全ての頁に対し、図5に示すようなパターンで濃度補正用画像Pを形成する。
第1パターンに従えば、ユーザーが指定する画像を形成可能な範囲(以下、「実質画像幅」と称す)を330-2x(mm)確保することができる。この実質画像幅は、図6に示すような、シートSHTのX方向の長さ以上の読み取り幅を有する読取部121でシートSHTを読み取る場合の実質画像幅に等しい。すなわち、第1パターンに従えば、シートSHTのX方向の長さよりも短い読み取り幅しか有さない読取部(以下、単に「読み取り幅の狭い読取部」とも称す)でシートSHTを読み取る場合であっても、シートSHTのX方向の長さ以上の読み取り幅を有する読取部(以下、単に、「読み取り幅の広い読取部」とも称す)でシートSHTを読み取る場合と同様の実質画像幅を確保することができる。これにより、読み取り幅の狭い読取部を用いることで、製造コストを抑制できるとともに、読み取り幅の狭い読取部を用いる場合であっても、実質画像幅を極力狭めずにすむ。
また、図7に示すように、読み取り幅の狭い2つの読取部(第1読取部21aおよび第2読取部21b)が完全に対向するように配置される場合には、実質画像幅は297-2x(mm)となり、読み取り幅の広い読取部でシートSHTを読み取る場合と比較して、実質画像幅が狭まることになる。これに対し、本実施の形態に係る画像形成装置1では、第1読取部21aおよび第2読取部21bが一部において対向するように、X方向にずらして配置され、かつ、図5に示すような領域R1,R2に濃度補正用画像Pが形成されるので、実質画像幅を極力狭めずにすむ。
また、シートSHTの第1面と第2面とで同じ位置に濃度補正用画像Pが形成されると、裏写りにより正確なデータが得られず、濃度補正が適切になされない虞がある。これに対し、本実施の形態に係る画像形成装置1では、画像形成部17は、シートSHTの第1面の、第2読取部21bが第1読取部21aと対向しない領域R2、および、シートSHTの第2面の、第1読取部21aが第2読取部21bと対向しない領域R1には、濃度補正用画像Pを形成しないので、そのような虞を回避することができる。その結果、本実施の形態に係る画像形成装置1では、濃度補正が適切になされる。
なお、画像形成部17は、シートSHTの第1面の、第1読取部21aが第2読取部21bと対向しない領域R1に1色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P1)を形成し、シートSHTの第2面の、第2読取部21bが第1読取部21aと対向しない領域R2に残り3色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P2,P3,P4)を形成してもよい。また、画像形成部17は、シートSHTの第1面の、第1読取部21aが第2読取部21bと対向しない領域R1に3色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P1,P2,P3)を形成し、シートSHTの第2面の、第2読取部21bが第1読取部21aと対向しない領域R2に残り1色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P4)を形成してもよい。
次に、図8~図12を参照して、画像形成装置1における画像形成の第2パターン~第6パターンについて説明する。第1パターンでは濃度補正用画像PはシートSHTの両方の面に形成されたが、第2パターン~第6パターンでは濃度補正用画像PはシートSHTの一方の面にのみ形成される。
図8は、画像形成の第2パターンを示す図である。図8に示すように、第2パターンでは、画像形成部17(図1参照)は、シートSHT1頁あたり1色分の濃度補正用画像Pを形成する。すなわち、第2パターンでは、画像形成部17は、シートSHTの第1面の、第1読取部21aが第2読取部21bと対向しない領域R1に1色分の濃度補正用画像Pを形成する。具体的には、画像形成部17は、1色目の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P1)を1+4(n-1)頁目(以下、nは1以上の整数)のシートSHTの第1面の領域R1に形成する。画像形成部17は、2色目の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P2)を2+4(n-1)頁目のシートSHTの第1面の領域R1に形成する。画像形成部17は、3色目の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P3)を3+4(n-1)頁目のシートSHTの第1面の領域R1に形成する。画像形成部17は、4色目の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P4)を4+4(n-1)頁目のシートSHTの第1面の領域R1に形成する。
なお、図8では、画像形成部17は、濃度補正用画像PをシートSHTの第1面にのみ形成したが、濃度補正用画像PをシートSHTの第2面にのみ形成してもよい。画像形成部17は、濃度補正用画像PをシートSHTの第2面に形成する場合には、シートSHTの第2面の、第2読取部21bが第1読取部21aと対向しない領域(以下、「領域R2」と称す)に濃度補正用画像Pを形成する。具体的には、画像形成部17は、1色目の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P1)を1+4(n-1)頁目のシートSHTの第2面の領域R2に形成する。画像形成部17は、2色目の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P2)を2+4(n-1)頁目のシートSHTの第2面の領域R2に形成する。画像形成部17は、3色目の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P3)を3+4(n-1)頁目のシートSHTの第2面の領域R2に形成する。画像形成部17は、4色目の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P4)を4+4(n-1)頁目のシートSHTの第2面の領域R2に形成する。
図9は、画像形成の第3パターンを示す図である。図9に示すように、第3パターンでは、画像形成部17(図1参照)は、シートSHT1頁あたり2色分の濃度補正用画像Pを形成する。すなわち、第3パターンでは、画像形成部17は、シートSHTの第1面の、第1読取部21aが第2読取部21bと対向しない領域R1に2色分の濃度補正用画像Pを形成する。具体的には、画像形成部17は、奇数頁のシートSHTの第1面の領域R1に2色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P1,P2)を形成し、偶数頁のシートSHTの第1面の領域R1に残り2色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P3,P4)を形成する。
なお、図9では、画像形成部17は、濃度補正用画像PをシートSHTの第1面にのみ形成したが、濃度補正用画像PをシートSHTの第2面にのみ形成してもよい。画像形成部17は、濃度補正用画像PをシートSHTの第2面に形成する場合には、シートSHTの第2面の、第2読取部21bが第1読取部21aと対向しない領域(以下、「領域R2」と称す)に濃度補正用画像Pを形成する。具体的には、画像形成部17は、奇数頁のシートSHTの第2面の領域R2に2色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P1,P2)を形成し、偶数頁のシートSHTの第2面の領域R2に残り2色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P3,P4)を形成する。
図10は、画像形成の第4パターンを示す図である。図10に示すように、第4パターンでは、画像形成部17(図1参照)は、奇数頁のシートSHTの第1面の、第1読取部21aが第2読取部21bと対向しない領域R1に3色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P1,P2,P3)を形成し、偶数頁のシートSHTの第1面の領域R1に残り1色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P4)を形成する。なお、画像形成部17は、奇数頁のシートSHTの第1面の領域R1に1色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P1)を形成し、偶数頁のシートSHTの第1面の領域R1に残り3色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P2,P3,P4)を形成してもよい。
また、図10では、画像形成部17は、濃度補正用画像PをシートSHTの第1面にのみ形成したが、濃度補正用画像PをシートSHTの第2面にのみ形成してもよい。画像形成部17は、濃度補正用画像PをシートSHTの第2面に形成する場合には、シートSHTの第2面の、第2読取部21bが第1読取部21aと対向しない領域(以下、「領域R2」と称す)に濃度補正用画像Pを形成する。具体的には、画像形成部17は、奇数頁のシートSHTの第2面の領域R2に3色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P1,P2,P3)を形成し、偶数頁のシートSHTの第2面の領域R2に残り1色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P4)を形成する。もしくは、画像形成部17は、奇数頁のシートSHTの第2面の領域R2に1色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P1)を形成し、偶数頁のシートSHTの第2面の領域R2に残り3色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P2,P3,P4)を形成する。
図11は、画像形成の第5パターンを示す図である。図11に示すように、第5パターンでは、画像形成部17(図1参照)は、シートSHT1頁あたり4色分の濃度補正用画像Pを形成する。すなわち、第5パターンでは、画像形成部17は、シートSHTの第1面の、第1読取部21aが第2読取部21bと対向しない領域R1に4色分の濃度補正用画像Pを形成する。具体的には、画像形成部17は、印刷ジョブに基づいて出力されるシートSHTの全ての頁に対し、シートSHTの第1面の領域R1に4色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P1,P2,P3,P4)を形成する。
なお、図11では、画像形成部17は、濃度補正用画像PをシートSHTの第1面にのみ形成したが、濃度補正用画像PをシートSHTの第2面にのみ形成してもよい。画像形成部17は、濃度補正用画像PをシートSHTの第2面に形成する場合には、シートSHTの第2面の、第2読取部21bが第1読取部21aと対向しない領域(以下、「領域R2」と称す)に濃度補正用画像Pを形成する。具体的には、画像形成部17は、印刷ジョブに基づいて出力されるシートSHTの全ての頁に対し、シートSHTの第2面の領域R2に4色分の濃度補正用画像P(たとえば、濃度補正用画像P1,P2,P3,P4)を形成する。
図12は、画像形成の第6パターンを示す図である。図12に示すように、第6パターンでは、画像形成部17(図1参照)は、シートSHTの第1面の、第1読取部21aが第2読取部21bと対向しない領域R1に、2頁にわたって1色分の濃度補正用画像Pを形成する。すなわち、画像形成部17は、奇数頁のシートSHTの第1面の領域R1に一の色の濃度補正用画像Pの一部分(たとえば、濃度補正用画像Pa)を形成し、次の頁のシートSHTの第1面の領域R1に当該色の濃度補正用画像Pの残りの部分(たとえば、濃度補正用画像Pb)を形成する。具体的には、画像形成部17は、1色目の濃度補正用画像Pを、1+8(n-1)頁目(以下、nは1以上の整数)のシートSHTの第1面の領域R1と、2+8(n-1)頁目のシートSHTの第1面の領域R1とに分けて形成する。画像形成部17は、2色目の濃度補正用画像Pを、3+8(n-1)頁目のシートSHTの第1面の領域R1と、4+8(n-1)頁目のシートSHTの第1面の領域R1とに分けて形成する。画像形成部17は、3色目の濃度補正用画像Pを、5+8(n-1)頁目のシートSHTの第1面の領域R1と、6+8(n-1)頁目のシートSHTの第1面の領域R1とに分けて形成する。画像形成部17は、4色目の濃度補正用画像Pを、7+8(n-1)頁目のシートSHTの第1面の領域R1と、8+8(n-1)頁目のシートSHTの第1面の領域R1とに分けて形成する。
なお、図12では、画像形成部17は、濃度補正用画像PをシートSHTの第1面にのみ形成したが、濃度補正用画像PをシートSHTの第2面にのみ形成してもよい。画像形成部17は、濃度補正用画像PをシートSHTの第2面に形成する場合には、シートSHTの第2面の、第2読取部21bが第1読取部21aと対向しない領域(以下、「領域R2」と称す)に濃度補正用画像Pを形成する。具体的には、画像形成部17は、1色目の濃度補正用画像Pを、1+8(n-1)頁目のシートSHTの第2面の領域R2と、2+8(n-1)頁目のシートSHTの第2面の領域R2とに分けて形成する。画像形成部17は、2色目の濃度補正用画像Pを、3+8(n-1)頁目のシートSHTの第2面の領域R2と、4+8(n-1)頁目のシートSHTの第2面の領域R2とに分けて形成する。画像形成部17は、3色目の濃度補正用画像Pを、5+8(n-1)頁目のシートSHTの第2面の領域R2と、6+8(n-1)頁目のシートSHTの第2面の領域R2とに分けて形成する。画像形成部17は、4色目の濃度補正用画像Pを、7+8(n-1)頁目のシートSHTの第2面の領域R2と、8+8(n-1)頁目のシートSHTの第2面の領域R2とに分けて形成する。
図8~図12に示すように、第2パターン~第6パターンのいずれかのパターンに従えば、実質画像幅を330-x(mm)確保することができる。この実質画像幅は、図6に示すような、シートSHTのX方向の長さ以上の読み取り幅を有する読取部121でシートSHTを読み取る場合の実質画像幅よりも広い。すなわち、第2パターン~第6パターンのいずれかのパターンに従えば、読み取り幅の狭い読取部でシートSHTを読み取る場合であっても、読み取り幅の広い読取部でシートSHTを読み取る場合よりも広い実質画像幅を確保することができる。これにより、読み取り幅の狭い読取部を用いることで、製造コストを抑制できるとともに、読み取り幅の狭い読取部を用いる場合であっても、実質画像幅を極力狭めずにすむ。
また、図7に示すように、読み取り幅の狭い2つの読取部(第1読取部21aおよび第2読取部21b)が完全に対向するように配置される場合には、実質画像幅は297-2x(mm)となり、読み取り幅の広い読取部でシートSHTを読み取る場合と比較して、実質画像幅が狭まることになる。これに対し、本実施の形態に係る画像形成装置1では、第1読取部21aおよび第2読取部21bが一部において対向するように、X方向にずらして配置され、かつ、図8~図12に示すような領域R1にのみ濃度補正用画像Pが形成されるので、実質画像幅を極力狭めずにすむ。
また、シートSHTの第1面と第2面とで同じ位置に濃度補正用画像Pが形成されると、裏写りにより正確なデータが得られず、濃度補正が適切になされない虞がある。これに対し、本実施の形態に係る画像形成装置1では、画像形成部17は濃度補正用画像PをシートSHTの第1面にしか形成しないので、そのような虞を回避することができる。その結果、本実施の形態に係る画像形成装置1では、濃度補正が適切になされる。
図13~図15を参照して、制御部10(図2参照)による画像形成処理について説明する。図13~図15に示す処理は、制御部10が行う処理であり、CPU101(図2参照)がROM103(図2参照)に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。
図13は、画像形成処理の第1例を示すフローチャートである。第1例では、制御部10は、印刷ジョブが片面印刷のジョブである場合には、シートSHTの一方の面にのみ濃度補正用画像Pを形成し、印刷ジョブが両面印刷のジョブである場合には、シートSHTの両面に濃度補正用画像Pを形成する。
まず、制御部10は、印刷指示を受信したか否かを判定する(ステップS1310)。印刷指示を受信した場合には、制御部10は、処理をステップS1320に移行する。
ステップS1320において、制御部10は、印刷ジョブが片面印刷のジョブであるか否かを判定する。
印刷ジョブが片面印刷のジョブである場合には(ステップS1320においてYES)、制御部10は、シートSHTの一方の面にのみ濃度補正用画像Pを形成する(ステップS1330)。具体的には、画像形成部17(図1参照)が、図8~図12で示した第2パターン~第6パターンのいずれかのパターンに従って、シートSHTの一方の面にのみ濃度補正用画像Pを形成する。
一方、印刷ジョブが片面印刷のジョブではない場合には(ステップS1320においてNO)、制御部10は、シートSHTの両面に濃度補正用画像Pを形成する(ステップS1340)。具体的には、画像形成部17が、図5で示した第1パターンに従って、シートSHTの両面に濃度補正用画像Pを形成する。
ステップS1330またはステップS1340の後、制御部10は、図13に示す処理を終了する。
図14は、画像形成処理の第2例を示すフローチャートである。第2例では、制御部10は、印刷ジョブが片面印刷のジョブであるか両面印刷のジョブであるかに関わらず、シートSHTの両面に濃度補正用画像Pを形成する。
まず、制御部10は、印刷指示を受信したか否かを判定する(ステップS1410)。印刷指示を受信した場合には、制御部10は、処理をステップS1420に移行する。
ステップS1420において、制御部10は、シートSHTの両面に濃度補正用画像Pを形成する。具体的には、画像形成部17(図1参照)が、図5で示した第1パターンに従って、シートSHTの両面に濃度補正用画像Pを形成する。
ステップS1420の後、制御部10は、図14に示す処理を終了する。
図15は、画像形成処理の第3例を示すフローチャートである。第3例では、制御部10は、印刷ジョブが片面印刷のジョブであるか両面印刷のジョブであるかに関わらず、シートSHTの一方の面にのみ濃度補正用画像Pを形成する。
まず、制御部10は、印刷指示を受信したか否かを判定する(ステップS1510)。印刷指示を受信した場合には、制御部10は、処理をステップS1520に移行する。
ステップS1520において、制御部10は、シートSHTの一方の面にのみ濃度補正用画像Pを形成する。具体的には、画像形成部17(図1参照)が、図8~図12で示した第2パターン~第6パターンのいずれかのパターンに従って、シートSHTの一方の面にのみ濃度補正用画像Pを形成する。
ステップS1520の後、制御部10は、図15に示す処理を終了する。
このように、本実施の形態に係る画像形成装置1は、シートSHTに形成された濃度補正用画像Pを第1読取部21aまたは第2読取部21bで読み取って濃度補正を行う。画像形成装置1が適切に濃度補正を行うためには、第1読取部21aと第2読取部21bとで読取精度に差が生じていないことが望ましい。そこで、本実施の形態に係る画像形成装置1は、図16に示すようなパターンで2枚のシートSHTに濃度補正用画像Pを形成し、1枚のシートSHTは第1読取部21aで読み取り、もう1枚のシートSHTは第2読取部21bで読み取ることにより、第1読取部21aと第2読取部21bとで読取精度に差が生じていないかを確認する。
図16は、第1読取部21aと第2読取部21bとで読取精度に差が生じていないかを確認するための方法を示す図である。図5および図8~図12で示したように、濃度補正の際には、シートSHTの、第1読取部21aと第2読取部21bとが対向する領域R3には、濃度補正用画像Pは形成されなかった(第1パターン~第6パターン)。これに対し、第1読取部21aと第2読取部21bとで読取精度に差が生じていないかを確認する際には、シートSHTの、第1読取部21aと第2読取部21bとが対向する領域R3に、濃度補正用画像Pが形成される。
具体的には、画像形成部17(図1参照)は、1枚目のシートSHT(シートSHT1)の第1面の、第1読取部21aと第2読取部21bとが対向する領域R3に4色分の濃度補正用画像Pを形成し、2枚目のシートSHT(シートSHT2)の第2面の、第1読取部21aと第2読取部21bとが対向する領域R3に4色分の濃度補正用画像Pを形成する。画像形成部17は、濃度補正用画像Pの形成位置が1枚目のシートSHTの第1面と2枚目のシートSHTの第2面とで同じになるように濃度補正用画像Pを形成する。第1読取部21aは1枚目のシートSHTに形成された濃度補正用画像Pを読み取り、第2読取部21bは2枚目のシートSHTに形成された濃度補正用画像Pを読み取る。制御部10(図2参照)は、第1読取部21aが読み取った結果と第2読取部21bが読み取った結果とを比較する。第1読取部21aと第2読取部21bとで読取精度に差が生じていない場合には、第1読取部21aが読み取った結果と第2読取部21bが読み取った結果とで差は生じない。第1読取部21aが読み取った結果と第2読取部21bが読み取った結果とで差が生じている場合には、制御部10はエラーを報知し、ユーザーに読取部21の修理を促す。
以上、本実施の形態に係る画像形成装置1について説明した。本実施の形態に係る画像形成装置1は、シートSHTの第1面に濃度補正用画像を形成する場合には、シートSHTの第1面の、第1読取部21aが第2読取部21bと対向しない領域R1に濃度補正用画像Pを形成し、シートSHTの第2面に濃度補正用画像を形成する場合には、シートSHTの第2面の、第2読取部21bが第1読取部21aと対向しない領域R2に濃度補正用画像Pを形成する。これにより、読み取り幅の狭い読取部を用いる場合であっても、実質画像幅を極力狭めずにすむ。また、読み取り幅の狭い読取部を用いることができるので製造コストの抑制につながる。
また、本実施の形態に係る画像形成装置1は、シートSHTの第1面と第2面とで同じ位置に濃度補正用画像Pを形成することはない。これにより、裏写りの虞がないので、濃度補正が適切に行われる。
また、本実施の形態に係る画像形成装置1では、第1読取部21aおよび第2読取部21bが一部において対向するように配置されている。これにより、1枚目のシートSHTの第1面と2枚目のシートSHTの第2面とで同じ位置に形成された濃度補正用画像Pのうち、1枚目のシートSHTの第1面に形成されている濃度補正用画像Pを第1読取部21aで読み取り、2枚目のシートSHTの第2面に形成されている濃度補正用画像Pを第2読取部21bで読み取り、読み取った結果を比較して、第1読取部21aと第2読取部21bとで読取精度に差が生じていないかを確認することができる。
[変形例]
図17~図19を参照して、第1読取部21aおよび第2読取部21bの配置の変形例について説明する。図17~図19には、シートSHTと、シートSHTの搬送方向から見た第1読取部21aおよび第2読取部21bが模式的に描かれているものとする。なお、以下では、上記実施の形態と異なる点についてのみ説明する。
図17は、第1読取部21aおよび第2読取部21bの配置の変形例1を示す図である。上記実施の形態においては、第1読取部21aはシートSHTの左端に寄せて配置され、第2読取部21bはシートSHTの右端に寄せて配置されていた(図5、図8~図12、図16参照)。これに対し、変形例1においては、図17に示すように、第1読取部21aはシートSHTの右端に寄せて配置され、第2読取部21bはシートSHTの左端に寄せて配置される。なお、変形例1においても、第1読取部21aおよび第2読取部21bは一部において対向するように配置される。
図18は、第1読取部21aおよび第2読取部21bの配置の変形例2を示す図である。上記実施の形態においては、第1読取部21aはシートSHTの左端に寄せて配置され、第2読取部21bはシートSHTの右端に寄せて配置されていた(図5、図8~図12、図16参照)。これに対し、変形例2においては、図18に示すように、第1読取部21aおよび第2読取部21bはシートSHTのX方向の中央に寄せて配置される。なお、変形例2においても、第1読取部21aおよび第2読取部21bは一部において対向するように配置される。
図19は、第1読取部21aおよび第2読取部21bの配置の変形例3を示す図である。上記実施の形態においては、第1読取部21aはシートSHTの左端に寄せて配置され、第2読取部21bはシートSHTの右端に寄せて配置されていた(図5、図8~図12、図16参照)。これに対し、変形例3においては、図19に示すように、第1読取部21aおよび第2読取部21bはシートSHTのX方向の中央に寄せて配置される。変形例3は、第1読取部21aが第2読取部21bに対し右側にずれて配置される点で変形例2と異なる。なお、変形例3においても、第1読取部21aおよび第2読取部21bは一部において対向するように配置される。
第1読取部21aおよび第2読取部21bの配置が図17~図19に示すいずれの配置であっても、画像形成部17(図1参照)は、図5、図8~図12で示したいずれかのパターンに従って濃度補正用画像を形成する。すなわち、第1読取部21aおよび第2読取部21bの配置が図17~図19に示すいずれの配置であっても、画像形成部17は、シートSHTの第1面に濃度補正用画像を形成する場合には、シートSHTの第1面の、第1読取部21aが第2読取部21bと対向しない領域R1に濃度補正用画像を形成する。また、第1読取部21aおよび第2読取部21bの配置が図17~図19に示すいずれの配置であっても、画像形成部17は、シートSHTの第2面に濃度補正用画像を形成する場合には、シートSHTの第2面の、第2読取部21bが第1読取部21aと対向しない領域R2に濃度補正用画像を形成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。