JP2024004206A - 画像形成装置および画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、画像形成装置および画像処理装置に関する。
一般的に、画像形成装置においては、内部に処理回路として、例えば、ASIC(application specific integrated circuit:カスタム集積回路)等の集積回路を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。近年、半導体プロセスの微細化が進むにつれ、集積回路の集積度が高まり、従来は複数個の集積回路で構成された回路を1つの集積回路に集約することが可能となっている。
また、回路の集約により機能毎のコア電源、IO電源等、多種多様な電源電圧を供給する必要がある。電源ノイズの干渉を考慮すると、回路毎に専用の電源ICを用意することが望ましいが、集積回路の回路規模の増加、コスト、基板上の部品削減の観点から、複数の回路において電源を共通化することが一般的に知られている。
例えば、画像形成装置では、画像処理を行う集積回路において、全色一括での画像処理と、単色独立の画像処理との2つの画像処理部が設けられ、この2つの画像処理部の電源電圧が同一であるので、集積回路において、2つの画像処理部の電源が共通化される。
しかしながら、上記のような集積回路においては、電源の共通化に起因して、一方の画像処理部に基づく電源ノイズが、他方の画像処理部の出力結果に影響を及ぼす可能性があり、ひいては画像不良が発生するおそれがあった。
本発明の目的は、集積回路における電源の共通化に起因した画像不良を低減することが可能な画像形成装置および画像処理装置を提供することである。
本発明に係る画像形成装置は、
共通の電源で動作する第1画像処理部および第2画像処理部を有する集積回路部と、
前記集積回路部を制御して画像を形成する制御部と、
を備え、
前記第1画像処理部は、主走査方向に連続する画像データを第1周期に基づいて画像処理を行い、
前記第2画像処理部は、前記第1画像処理部による画像処理後の前記画像データを第2周期に基づいて画像処理を行い、
前記制御部は、前記第2画像処理部による画像処理後の画像不良の度合いに基づいて、前記第1周期と前記第2周期との関係性を設定から変更する。
共通の電源で動作する第1画像処理部および第2画像処理部を有する集積回路部と、
前記集積回路部を制御して画像を形成する制御部と、
を備え、
前記第1画像処理部は、主走査方向に連続する画像データを第1周期に基づいて画像処理を行い、
前記第2画像処理部は、前記第1画像処理部による画像処理後の前記画像データを第2周期に基づいて画像処理を行い、
前記制御部は、前記第2画像処理部による画像処理後の画像不良の度合いに基づいて、前記第1周期と前記第2周期との関係性を設定から変更する。
本発明に係る画像処理装置は、
共通の電源で動作する第1画像処理部および第2画像処理部を有する集積回路部と、
前記集積回路部を制御して画像を形成する制御部と、
を備え、
前記第1画像処理部は、主走査方向に連続する画像データを第1周期に基づいて画像処理を行い、
前記第2画像処理部は、前記第1画像処理部による画像処理後の前記画像データを第2周期に基づいて画像処理を行い、
前記制御部は、前記第2画像処理部による画像処理後の画像不良の度合いに基づいて、前記第1周期と前記第2周期との関係性を設定から変更する。
共通の電源で動作する第1画像処理部および第2画像処理部を有する集積回路部と、
前記集積回路部を制御して画像を形成する制御部と、
を備え、
前記第1画像処理部は、主走査方向に連続する画像データを第1周期に基づいて画像処理を行い、
前記第2画像処理部は、前記第1画像処理部による画像処理後の前記画像データを第2周期に基づいて画像処理を行い、
前記制御部は、前記第2画像処理部による画像処理後の画像不良の度合いに基づいて、前記第1周期と前記第2周期との関係性を設定から変更する。
本発明によれば、集積回路における電源の共通化に起因した画像不良を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1を備えた画像形成システム100の全体構成を概略的に示す図である。図2は、画像形成装置1の制御系の主要部を示す図である。
図1に示すように、画像形成システム100は、用紙(記録媒体)Sの搬送方向に沿って上流側から、画像形成装置1および後処理装置2が接続されて構成される。
画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、給紙トレイユニット51a~51cから送出された用紙Sに二次転写することにより、画像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部101を備える。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104等を備える。CPU102は、ROM103から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM104に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロック等の動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部101は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部101は、例えば、外部の装置から送信された画像データ(入力画像データ)を受信し、この画像データに基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
図1に示すように、画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
図2に示すように、操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部101から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部101に出力する。
画像処理部30は、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部101の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。画像処理部30の詳細については後述する。
図1に示すように、画像形成部40は、印刷ジョブの設定に基づいて用紙Sに画像を形成する。画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、及びドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばドラム状の金属基体の外周面に、有機光導電体を含有させた樹脂よりなる感光層が形成された有機感光体よりなる。
制御部101は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
帯電装置414は、例えば帯電チャージャーであり、コロナ放電を発生させることにより、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。その結果、感光体ドラム413の表面のうちレーザー光が照射された画像領域には、背景領域との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
現像装置412は、二成分逆転方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分の現像剤を付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
現像装置412には、例えば帯電装置414の帯電極性と同極性の直流現像バイアス、または交流電圧に帯電装置414の帯電極性と同極性の直流電圧が重畳された現像バイアスが印加される。その結果、露光装置411によって形成された静電潜像にトナーを付着させる反転現像が行われる。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に当接され、弾性体よりなる平板状のドラムクリーニングブレード等を有し、中間転写ベルト421に転写されずに感光体ドラム413の表面に残留するトナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、表面に高抵抗層を有する。中間転写ベルト421は、制御部101からの制御信号によって回転駆動される。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側、つまり一次転写ローラー422と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側、つまり二次転写ローラー424と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。
定着部60は、用紙Sの定着面、つまりトナー像が形成されている面側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面つまり定着面の反対の面側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、および加熱源等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを挟持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。
上側定着部60Aは、定着面側部材である無端状の定着ベルト61、加熱ローラー62および定着ローラー63を有する。定着ベルト61は、加熱ローラー62と定着ローラー63とによって張架されている。
下側定着部60Bは、裏面側支持部材である加圧ローラー64を有する。加圧ローラー64は、定着ベルト61との間で用紙Sを挟持して搬送する定着ニップを形成している。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a~51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類毎に収容される。
搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー対、用紙Sを画像形成部40および定着部60を通過させ、画像形成装置1の機外に排出する通常搬送路53b等を有する。
給紙トレイユニット51a~51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。画像形成部40においては、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
後処理装置2は、画像形成装置1から排紙された用紙Sを搬入して、画像が形成された用紙Sの画像を読み取り可能な読取装置200を備える。読取装置200は、読み取った読み取りデータを画像形成装置1にフィードバックする。また、後処理装置2は、読取装置200により画像を読み取った後、用紙Sを機外に排紙する。なお、後処理装置2(読取装置200)がCPU、ROM、RAM等を備える制御部を有し、当該制御部が、画像形成装置1の制御部101とは別に、後処理装置2内における用紙Sの搬送や画像の読取に関連する制御を行っても良い。
次に、画像処理部30の詳細について説明する。図3は、画像処理部30の各部を示すブロック図である。
図3に示すように、画像処理部30は、ASICで構成された集積回路部であり、電源部31と、記憶部32と、第1画像処理部33と、第2画像処理部34とを有する。
電源部31は、画像形成装置1に設けられる電源ICから電力を供給される部分であり、第1電源31Aと、第2電源31Bと、第3電源31Cとを有する。
第1電源31Aは、集積回路部の端子に電力を供給する電源であり、第1電圧値(例えば、3.3V)を供給可能な電源ICに接続される。
第2電源31Bは、記憶部32に電力を供給する電源であり、第1電圧値とは異なる第2電圧値(例えば、1.8Vまたは1.1V等)を供給可能な電源ICに接続される。
第3電源31Cは、第1画像処理部33および第2画像処理部34の両方に電力を供給する電源であり、第1電圧値および第2電圧値とは異なる第3電圧値(例えば、0.9V等)を供給可能な電源ICに接続される。
記憶部32は、制御部101または読取装置200から入力された画像データと、第1画像処理部33によって画像処理された画像データとを一時的に記憶する。記憶部32は、一時的に記憶した画像データを第1画像処理部33または第2画像処理部34に出力する。
第1画像処理部33は、主走査方向に連続する画像データに対して第1周期に基づいて画像処理を行う。第1画像処理部33が行う画像処理は、YMCKの全色一括で行われる処理であり、例えば、色値をRGB値からYMCK値に変換する処理、色変換処理、解像度変換処理および変倍処理等である。
第1画像処理部33では、記憶部32に一時的に記憶した画像データ(制御部101から入力された画像データ)における、主走査方向に連続する複数ラインの画像データに対して第1周期内で画像処理が行われる。
第1画像処理部33による画像処理は、第1周期内の所定の有効期間内で行われ、画像処理後の画像データは、記憶部32に出力されて一時的に記憶される。
第1周期は、第1画像処理部33による画像処理を行うことが可能な時間(第1設定値)で設定される。例えば、制御部101等から、第1同期信号が第1周期で出力され(図4参照)、第1同期信号が出力された後、次の第1同期信号が出力されるまでの間に、上記の複数ラインの画像データに対して第1画像処理部33による画像処理が行われる。
所定の有効期間は、例えば、第1周期のパルス信号で構成される有効信号がローとなる期間(ロー期間)である。有効信号は、第1画像処理部33が画像処理を行うか否かを認識するための信号である。第1画像処理部33は、有効信号のロー期間を認識することで、画像処理を行う。
また、第1画像処理部33により画像処理が行われると、画像処理でかかる負荷に起因して、電源電圧の電圧降下が発生する。例えば、有効信号における有効期間で画像処理が行われるため、電源電圧の電圧降下量が有効期間において最も大きくなる。
第2画像処理部34は、第1画像処理部33による画像処理後の画像データに対して第2周期に基づいて画像処理を行う。第2画像処理部34が行う画像処理は、YMCKの各色で行われる処理であり、例えば、階調(ガンマ)調整、マルチビーム画像分割、書き出しタイミング調整およびPWM(pulse width modulate)変換等である。第2画像処理部34は、PWM変換のためのアナログ回路を含む。
第2画像処理部34による画像処理は、第1画像処理部33により画像処理が行われた画像データを、記憶部32から取得して、パイプライン方式で、第1画像処理部33の画像処理と並行して行われる。
第2画像処理部34は、上記のPWM変換により、画像処理後の画像データを画像形成部40に出力する。画像形成部40の露光装置411が多光源を有することでマルチビームを発光する構成であるので、第2画像処理部34では、マルチビームを発光させるためのPWM信号が出力される。
なお、画像形成装置1では、用紙Sの搬送速度に合わせて画像形成部40の動作を行うので、第2周期が画像ハンドリングの基準となり、第2周期の設定値(第2設定値)が決定されることにより、上記の第1周期の第1設定値が決定される。
具体的には、第2周期は、第1周期の第1設定値よりも長い第2設定値に設定され、例えば、第1設定値は、第2設定値の1/n倍(nは1より大きい整数)に設定される。
例えば、画像形成部40の露光装置411が8ビームの書き込み動作を行う場合、第1画像処理部33は、その1/2の4ラインの画像データの画像処理を行う。この場合、第1周期の第1設定値は、第2周期の第2設定値の1/2倍に設定される。なお、以下では、第1周期の第1設定値が、第2周期の第2設定値の1/2倍に設定されたものとする。
例えば、制御部101等から、任意の第1同期信号と同期して第2同期信号が第2周期で出力され、第2同期信号が出力された後、次の第2同期信号が出力されるまでの間に、第2画像処理部34による画像処理が行われる。つまり、2回分の第1周期に相当する期間で、PWM信号が第2画像処理部34から出力される。PWM信号は、画像データの値を示す信号であるが、図4等では、見やすさを考慮して一定値として示されている。
また、第1画像処理部33により拡大処理が行われる場合、第1画像処理部33による処理が増えることから、記憶部32の記憶処理を行うタイミングを調整する必要が生じる。そのため、その処理待ち時間確保のため、第2周期を第2設定値から拡張する処理が行われる。つまり、制御部101は、第1画像処理部33において拡大処理を行う場合、第2周期を第2設定値よりも拡張する。
通常処理では、第2同期信号は、常に第1同期信号と同期しているが、第2周期を拡張することで、第1同期信号と非同期となる第2同期信号が存在することになる。
例えば、図5に示すように、第2周期を第2設定値から2%拡張した場合、第1同期信号と第2同期信号とが同期した後、第2同期信号は、第1同期信号に対して、2%拡張した分だけ遅れることになる。
第2周期を第2設定値から2%拡張した場合においては、第1同期信号と第2同期信号とが同期した後、次に第1同期信号と第2同期信号と同期するタイミングは、合計で50%分遅れた25回後の第2周期の時である。なお、第2周期の拡張度合いについては、適宜設定可能である。
ところで、拡大処理が行われる場合、有効期間における処理量の増大に起因して、電源電圧の電圧降下量が増大し、それに伴い電源ノイズも増大する。そのため、PWM信号が、電圧降下量の増大および電源ノイズの増大に起因して、所望の値とならない可能性がある。
第1画像処理部33と第2画像処理部34との電源が共通化されているため、第1画像処理部33での処理に起因する電圧降下および電源ノイズが、第2画像処理部34に回り込んで第2画像処理部34の処理に影響を及ぼす場合がある。
電源の電圧降下は、デジタル回路の場合は、最大電圧および最低電圧(0V)による処理であるため、動作影響はほとんどないが、アナログ回路の場合は、電源電圧の変動に起因して、出力値が大きくずれる場合がある。
第2画像処理部34におけるPWM信号は、アナログ回路による出力であるので、上記のように、電源電圧の電圧降下量の増大および電源ノイズの増大に起因して、出力値が大きくずれやすくなり、電源ノイズの影響を大きく受けてしまう。
例えば、図5に示すように、PWM信号が、有効信号のロー期間(有効期間)とそれ以外の期間とで異なる値となる。各第2周期における各PWM信号は、第2周期が拡張されることにより、第1同期信号と第2同期信号とが非同期となるため、第2周期内におけるPWM信号が生成される期間と、有効期間とが重複する期間がずれる。
そのため、PWM信号の形状が、各周期で異なるものとなる。具体的には、PWM信号が、有効信号のハイとなる期間に対応する部分が、ロー期間に対応する部分よりも凹んだ形状となり、凹んだ部分の時間位置が、第2周期が拡張されることに起因して、それぞれが異なる形状となる。
例えば、全面ハーフトーンの画像を出力した際、図6に示すように、斜めスジ状の画像不良となる。第2周期を第2設定値から2%拡張した場合、25回の第2周期に対応する幅(例えば、2.16mm)が、斜めスジの大きさとなる。
そこで、本実施の形態では、上記の画像不良を低減するため、制御部101は、第2画像処理部34による画像処理後の画像不良の度合いに基づいて、第1周期と第2周期との関係性を設定から変更する。
画像不良の度合いは、例えば、上記の斜めスジの大きさ、理想画像に対する出力値のずれ、ユーザーの目視による判断、第1周期と第2周期とが同期する間隔等に基づくものである。本実施の形態では、画像不良の度合いを、画像不良の見えやすさを示す指標である可視感度とする。
図7は、第1周期と第2周期とが同期する間隔と、実験的に算出した可視感度との関係性を示す図である。
図7に示すように、可視感度は、第1周期と第2周期とが同期する間隔が大きくなるにつれ、上昇して、1を過ぎると、なだらかに減少するように変化することが実験的に確認されている。例えば、図6に示す画像における、第1周期と第2周期とが同期する間隔である2.16mmにおける可視感度は、1よりもやや小さい値である。なお、図7に示す可視感度は、画像のFFT解析結果に対して画像解析フィルタにより算出したものであるが、これ以外の方法で算出されたものであっても良い。
例えば、この可視感度が所定値(例えば、0.5)以下となるように、第1周期と第2周期とが同期する間隔を狭めることにより、上記の斜めスジの画像不良を目立たないものとすることが可能となる。つまり、制御部101は、画像不良の度合いが所定値より大きい場合、画像不良の度合いが所定値以下になるように、第1周期と第2周期の関係性を設定から変更する。
具体的には、制御部101は、拡大処理を行う場合、第2設定値の拡張後における、画像不良の度合いに基づいて、第1周期を第1設定値よりも小さくする。
これにより、第1周期と第2周期とが同期する間隔が調整されて、画像不良の度合い(可視感度)を下げることが可能となる。
例えば、図8に示すように、第1周期を、第1設定値よりも小さくして、第1周期と、拡張後の第2周期とが同期する間隔を5回分の第2周期としたとする。
こうすると、例えば、25回の第2周期に対応する幅(例えば、2.16mm)と比較して、5分の1の幅(0.432mm)とすることができる。これにより、第1周期と第2周期の関係性を変更する前と比較して、ユーザーが目視で認識できないほどの軽微なものとすることができる。
すなわち、本実施の形態では、集積回路における電源の共通化に起因した画像不良を低減することができる。
また、第2画像処理部34による画像処理後の画像形成結果は、第2画像処理部34の処理後の画像形成結果を制御部101にフィードバックするようにしても良い。言い換えると、制御部101は、第2画像処理部34による画像処理後の画像形成結果に基づいて、画像不良の度合いを推定し、画像不良の度合いの推定結果に基づいて、第1周期と第2周期との関係性を設定から変更する。
例えば、制御部101は、画像形成結果は、例えば、読取装置200による読取結果であっても良い。
制御部101は、読取装置200による読取結果と、画像データの画像とを比較し、斜めスジの幅等を算出して、第1周期と第2周期とが同期する間隔(例えば、図6における25回の第2周期の幅)を認識する。
制御部101は、認識した第1周期と第2周期とが同期する間隔に基づいて、図7に示す関係から可視感度(画像不良の度合い)を推定する。そして、制御部101は、可視感度が所定値より大きい場合、可視感度が所定値以下となるように、第1周期と第2周期との関係性を設定から変更する。
これにより、実際に出力された画像に基づいて、画像不良の度合いを判断することができるので、集積回路における電源の共通化に起因した画像不良をさらに低減することができる。
また、拡大処理を行うことにより、画像不良の度合いを推定しても良い。
拡大処理を行う際には、第2周期の第2設定値の拡張量を設定する必要があるため、予め実験等により拡張量に基づくデータを取得し、そのデータに基づいて画像不良の度合いを推定することが可能である。つまり、制御部101は、第2周期の拡張量に基づいて画像不良の度合いを推定し、推定した画像不良の度合いに基づいて、第1周期と第2周期との関係性を変更しても良い。
なお、上記実施の形態では、拡大処理時、つまり、第2周期を拡張した際に、第1周期と第2周期との関係性を変更していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、通常処理で、第2同期信号の中に、第1同期信号と同期しないものが存在する設定がされていた場合、画像不良の度合いを低減するように、第1周期と第2周期とが同期する間隔を調整するように、第1周期と第2周期との関係性を変更しても良い。
また、上記実施の形態では、第1周期を第1設定値から小さくしていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、通常処理で、第2同期信号の中に、第1同期信号と同期しないものが存在する設定がされていた場合、第2周期の第2設定値を小さくすることで、第1周期と第2周期との関係性を変更しても良い。
また、上記実施の形態では、画像不良の度合いを可視感度として、可視感度に基づいて、第1周期と第2周期との関係性を変更していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像不良の度合いを、斜めスジの大きさ、理想画像に対する出力値のずれ、または第1周期と第2周期とが同期する間隔としても良い。斜めスジの大きさ、理想画像に対する出力値のずれ、または第1周期と第2周期とが同期する間隔における閾値(所定値)は、適宜設定しても良い。
また、上記実施の形態では、画像処理部と制御部とが別々の構成であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像処理部に制御部が搭載されていても良い。この場合、画像処理部が、例えば、パーソナルコンピューター等、画像形成装置以外の装置(画像処理装置)であっても良い。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 画像形成装置
2 後処理装置
30 画像処理部
31 電源部
31A 第1電源
31B 第2電源
31C 第3電源
32 記憶部
33 第1画像処理部
34 第2画像処理部
40 画像形成部
100 画像形成システム
101 制御部
2 後処理装置
30 画像処理部
31 電源部
31A 第1電源
31B 第2電源
31C 第3電源
32 記憶部
33 第1画像処理部
34 第2画像処理部
40 画像形成部
100 画像形成システム
101 制御部
Claims (7)
- 共通の電源で動作する第1画像処理部および第2画像処理部を有する集積回路部と、
前記集積回路部を制御して画像を形成する制御部と、
を備え、
前記第1画像処理部は、主走査方向に連続する画像データを第1周期に基づいて画像処理を行い、
前記第2画像処理部は、前記第1画像処理部による画像処理後の前記画像データを第2周期に基づいて画像処理を行い、
前記制御部は、前記第2画像処理部による画像処理後の画像不良の度合いに基づいて、前記第1周期と前記第2周期との関係性を設定から変更する、
画像形成装置。 - 前記制御部は、前記画像不良の度合いが所定値より大きい場合、前記画像不良の度合いが前記所定値以下になるように、前記関係性を前記設定から変更する、
請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記第2周期は、前記第1周期の第1設定値よりも長い第2設定値に設定され、
前記制御部は、前記第1画像処理部において拡大処理を行う場合、前記第1周期と前記第2周期との関係性を変更する、
請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、
前記拡大処理を行う場合、前記第2周期を前記第2設定値よりも拡張し、
前記第2設定値の拡張後における、前記画像不良の度合いに基づいて、前記第1周期を前記第1設定値よりも小さくする、
請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記第2画像処理部による画像処理後の画像形成結果に基づいて、前記画像不良の度合いを推定し、前記画像不良の度合いの推定結果に基づいて、前記関係性を設定から変更する、
請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記第1周期と前記第2周期とが同期する間隔を調整する、
請求項1に記載の画像形成装置。 - 共通の電源で動作する第1画像処理部および第2画像処理部を有する集積回路部と、
前記集積回路部を制御して画像を形成する制御部と、
を備え、
前記第1画像処理部は、主走査方向に連続する画像データを第1周期に基づいて画像処理を行い、
前記第2画像処理部は、前記第1画像処理部による画像処理後の前記画像データを第2周期に基づいて画像処理を行い、
前記制御部は、前記第2画像処理部による画像処理後の画像不良の度合いに基づいて、前記第1周期と前記第2周期との関係性を設定から変更する、
画像処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022103742A JP2024004206A (ja) | 2022-06-28 | 2022-06-28 | 画像形成装置および画像処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022103742A JP2024004206A (ja) | 2022-06-28 | 2022-06-28 | 画像形成装置および画像処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024004206A true JP2024004206A (ja) | 2024-01-16 |
Family
ID=89537849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022103742A Pending JP2024004206A (ja) | 2022-06-28 | 2022-06-28 | 画像形成装置および画像処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024004206A (ja) |
-
2022
- 2022-06-28 JP JP2022103742A patent/JP2024004206A/ja active Pending
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