JP7409082B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置で使用される定着装置の一つの型式として、低熱容量で薄肉の定着ベルトを、基材上に抵抗発熱体を設けた細長い板状のヒータで加熱する型式がある。ヒータは、裏面が覆われるようにホルダに支持され、定着ベルトの内側に配置される。定着ベルトはヒータの表面に内周面を摺動させながら回転する。定着ベルトの外側には、定着ベルトを介してヒータの表面に圧接して定着ニップを形成する加圧体が配される。加圧体は多くの場合、回転機能を有しており、定着ベルトをヒータの表面に摺動させながら回転させる。現像剤像が転写された記録材を定着ニップに通過させることで、記録材に現像剤像を定着させる。
また、ホルダには、定着ベルトの内周面をガイドして定着ベルトの回転安定性を高めるために、複数のガイドリブが設けられている。複数のガイドリブは、長手方向に互いに間隔を空けて配置される。定着ベルトの内周面は、複数のガイドリブを摺動しながら回転することで安定して回転する。通常、複数のガイドリブは、ヒータの支持面に対して、定着ベルトの回転方向上流側および回転方向下流側の両側に設けられている。
このような型式では、低熱容量で薄肉の定着ベルトを使用することで、クイックスタート性と省エネ性を得ている。しかしながら、その反面、このような定着ベルトは、奪熱による局所的な温度低下を生じやすい。そのため、定着装置の立ち上げ時、温まっていないガイドリブと接触する部分の定着ベルトの温度低下が顕著であり、複数のガイドリブの並ぶ方向であるホルダの長手方向に沿った温度ムラを生じやすい。このような温度ムラは、定着不良や画像光沢ムラの原因となる。
特許文献1には、このようなガイドリブに接触することによる定着ベルトの温度ムラを抑制するために、ガイドリブと対応する抵抗発熱体の領域の発熱量を当該領域以外の抵抗発熱体の発熱量よりも高くする加熱装置が開示されている。具体的には、加熱装置における抵抗発熱体としての発熱部材の線幅を、ガイドリブと対応する領域において幅狭にする、あるいは発熱部材の厚みを薄くしている。
特開2019-164181号公報
特許文献1に開示された加熱装置は、発熱部材におけるガイドリブと対応する領域において、線幅や厚みを変えるなどの加工を施している。しかしながら、ガイドリブが設けられるホルダと発熱部材とは材質が異なるため線膨張率に差があり、線膨張率の差を起因とした以下の課題1)2)を有している。
課題1)温度が上昇するに従って、線膨張率の差によってホルダと発熱部材との間で長手方向の位置ずれが発生し、発熱部材の加工を施した部分とホルダ側のガイドリブとの長手方向の位置が対応しなくなる。特に、立ち上げ時、短時間で昇温される発熱部材と、発熱部材に比べて温まり難いホルダとの間には温度差があり、線膨張率の差による違いは顕著であると考えられる。
課題2)ホルダに設けるガイドリブの長手方向の位置や配置個数、サイズなどは、定着ベルトの内周面との摺動性や定着ベルトの回転安定性を考慮して設計したいものである。しかしながら、発熱部材に加工を施す構成では、ガイドリブの長手方向の位置や配置個数、サイズなどを変更すると、発熱部材における加工を施す位置も変える必要がある。そのため、これが制約となってガイドリブの設計変更を容易に行うことができない。
さらに、発熱部材におけるガイドリブと対応する領域の線幅や厚みを変える構成は、線幅および厚みが均一な発熱部材を有する構成に比べて構成が複雑化する。
本発明の一態様は、ガイドリブの設計変更も容易に行え、より簡単な構成で、立ち上げ時のガイドリブによる奪熱を起因とする定着ベルトの温度ムラを抑制し得る定着装置を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る定着装置においては、基材上に抵抗発熱体を備え、長手方向に延びる板状のヒータと、前記ヒータを支持し、前記ヒータの裏面を覆うホルダと、前記ヒータの表面に内周面を摺動させながら回転する定着ベルトと、前記定着ベルトを介して前記ヒータの表面に圧接して定着ニップを形成する加圧体と、を備え、前記ホルダは、前記ヒータの裏面に対向し、前記ヒータを支持する支持面と、前記定着ベルトの内周面をガイドする複数のガイドリブであって、前記定着ベルトの回転方向において前記支持面よりも上流に配置されると共に、前記長手方向に互いに間隔を空けて配置される複数のガイドリブと、を有し、前記支持面には、前記長手方向において前記複数のガイドリブに対応する位置に断熱材を収容する複数の凹部が設けられている。
上記構成によれば、ホルダの支持面に、長手方向において複数のガイドリブに対応する位置に断熱材を収容する複数の凹部が設けられている。これにより、長手方向において複数のガイドリブに対応する箇所のホルダの断熱効果を、その他の部分よりも高めることができる。したがって、定着装置の立ち上げ時に、ガイドリブと接触する部分の定着ベルトの温度が、ガイドリブによる奪熱にてその他の部分よりも低下することを抑制することができる。その結果、定着装置の立ち上げ時に、ガイドリブとの接触を起因とする定着ベルトの温度ムラの発生を抑制することができる。
しかも、ガイドリブが設けられているホルダ自体に凹部を形成しているので、抵抗発熱体に相当する発熱部材を加工する特許文献1の構成のように、ホルダとヒータとの線膨張率の違いによる影響を受けることがない。これにより、線膨張率の差を起因とした上記課題1)2)を解消することができる。
さらに、上記構成では、ヒータの抵抗発熱体に対する線幅や厚みを変えるなどの加工は行われないので、構成を簡単にできる。
それゆえ、ガイドリブの設計変更も容易に行え、より簡単な構成で、立ち上げ時のガイドリブによる奪熱を起因とする定着ベルトの温度ムラを抑制し得る定着装置を提供することができる。
本発明の一態様に係る定着装置は、さらに、前記長手方向において、前記凹部のそれぞれは前記ガイドリブのそれぞれと同じ位置に配置され、前記凹部の前記長手方向における幅は、前記ガイドリブの前記長手方向における幅と等しい構成とすることもできる。
上記構成によれば、各ガイドリブと各ガイドリブに対応する凹部との長手方向における幅を等しくすることで、ホルダにおけるガイドリブ以外の箇所での温度上昇を抑えて、定着ベルトの温度ムラをより確実に抑制することができる。
本発明の一態様に係る定着装置は、さらに、前記定着ニップは、小サイズの記録材および大サイズの記録材の両方が通過する第1領域と、該第1領域と前記長手方向において隣接する、前記小サイズの記録材は通過せず前記大サイズの記録材が通過する第2領域と、を有し、前記長手方向において、前記凹部のそれぞれは前記ガイドリブのそれぞれと同じ位置に配置され、前記第2領域に位置する前記凹部は、前記第1領域に位置する前記凹部よりも容積の小さい凹部を含む構成とすることもできる。
上記構成によれば、小サイズの記録材が通過しない第2領域に位置する凹部は、小サイズの記録材と大サイズの記録材の両方が通過する第1領域に位置する凹部よりも容積の小さいものを含んでいる。つまり、第2領域におけるホルダの断熱効果が第1領域よりも弱められている。これにより、記録材が大サイズである場合にしか奪熱されず、温度が上がりすぎる傾向にある第2領域の昇温を抑制することができる。
この場合、さらに、前記長手方向の最端部に位置する前記ガイドリブに対応する前記凹部は、前記第2領域に位置する他の前記凹部よりも容積が大きい構成としてもよい。このような構成とすることで、温度が上がりすぎる傾向にある第2領域であっても、定着ベルトの端部に最も近く放熱しやすい箇所においてはホルダの断熱効果を高めることができる。これにより、第2領域の昇温を抑制しつつ、定着ベルトの端部の放熱による温度低下をも抑制することができる。
本発明の一態様に係る定着装置は、さらに、前記長手方向において隣り合う前記凹部の間に位置する溝であって、前記長手方向における長さが前記凹部よりも長く、且つ、前記短手方向における長さが前記凹部よりも短い溝を有する構成とすることもできる。
上記構成によれば、凹部にてガイドリブによる温度の落ち込みを抑制すると共に、溝によってホルダの断熱効果を全体的に高めることができる。これにより、ガイドリブによる温度の落ち込みを抑制するだけでなく、ヒータ全体の加熱効率を上げることができる。
この場合、さらに、前記溝は、隣り合う前記凹部を連結する構成としてもよい。このような構成とすることで、より効果的に溝によってホルダの断熱効果を全体的に高めることができる。
本発明の一態様に係る定着装置は、さらに、前記定着ニップは、小サイズの記録材および大サイズの記録材の両方が通過する第1領域と、該第1領域と前記長手方向において隣接する、前記小サイズの記録材は通過せず前記大サイズの記録材が通過する第2領域と、を有し、前記第1領域において、前記凹部のそれぞれは前記長手方向において前記ガイドリブのそれぞれと同じ位置に配置され、前記第2領域においては、前記ガイドリブに対応する位置に前記凹部が設けられていない部分が存在する構成とすることもできる。
上記構成によれば、小サイズの記録材と大サイズの記録材の両方が通過する第1領域においては、凹部のそれぞれは長手方向においてガイドリブのそれぞれと同じ位置に配置されている。これに対し、小サイズの記録材が通過しない第2領域においては、ガイドリブに対応する位置に前記凹部が設けられていない部分が存在している。つまり、第2領域におけるホルダの断熱効果が第1領域よりも弱められている。これにより、記録材が大サイズである場合にしか奪熱されず、温度が上がりすぎる傾向にある第2領域の昇温を抑制することができる。
本発明の一態様に係る定着装置は、さらに、前記基材は、金属製である構成とすることもできる。
本発明の一態様に係る定着装置は、さらに、前記加圧体は、前記長手方向に延びた芯金と、前記芯金上に設けられた弾性層とを有する加圧ローラである構成とすることもできる。
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像形成装置は、本発明の一態様に係る定着装置を備え、画像形成部にて記録材に転写された現像剤像を、前記定着装置の前記定着ニップに通過させて前記記録材に定着させる。
本発明の一態様によれば、ガイドリブの設計変更も容易に行え、より簡単な構成で、立ち上げ時のガイドリブによる奪熱を起因とする定着ベルトの温度ムラを抑制し得る定着装置を提供することができる。
本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。 図1に示す画像形成装置に搭載された定着装置の斜視図である。 図2に示す定着装置の断面図である。 図2に示す定着装置における定着ベルトの内側に配置されるヒータ部の斜視図である。 図4に示すヒータ部の分解図である。 図4に示すヒータ部のホルダの底面図である。 図1に示す定着装置の要部の断面模式図である。 本発明の別の実施形態の画像形成装置に搭載された定着装置における、ホルダの底面図である。 本発明のさらに別の実施形態の画像形成装置に搭載された定着装置における、ホルダの底面図である。 本発明のさらに別の実施形態の画像形成装置に搭載された定着装置における、ホルダの底面図である。 本発明の実施形態の画像形成装置の定着装置に適応可能な凹部の短手方向の断面形状を示す説明図である。 本発明の実施形態の画像形成装置の定着装置に適応可能な凹部の長手方向の断面形状を示す説明図である。
以下、本発明の実施の一形態について、図面を参照して詳細に説明する。
〔実施形態1〕
1.画像形成装置の全体構成
電子写真方式の画像形成装置100の構成を、図1に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置100の構成を示す断面図である。画像形成装置100は、後述する画像形成部を1組のみ有するモノクロ式プリンタであるが、本発明は、モノクロ式プリンタに適用範囲が限定されるものではなく、カラープリンタにも適用されるものである。
図1に示すように、画像形成装置100は、感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、ピックアップローラ71、複数の搬送ローラ対72,73,74,75、定着装置8、給紙トレイ9および排紙トレイ10を備えている。
感光体1は、アルミニウム等の導電性の金属からなる素管と、素管の外周面に設けられた感光層とを有する。感光体1は、有機感光体(OPC:Organic Photo Conductor)であり、画像形成電位の極性が正極性となる正帯電性の感光層を有する感光ドラムである。感光体1は、回転しながら帯電装置2により感光層が帯電され、露光装置3からのレーザ光により露光され、表面に静電潜像が形成される。なお、感光体1は、金属製の環状ベルトの外周面に感光層が設けられた感光ベルトであってもよい。
帯電装置2は、感光体1の表面を帯電させる装置であり、例えば感光体1に接触して帯電させる帯電ローラや、非接触で感光体1を帯電するスコロトロン帯電器などである。露光装置3は、感光体1の帯電された表面を露光する装置である。露光装置3は、例えば感光体1の回転軸の方向に沿って一列状に並んだ複数の発光素子を有しており、印刷データに応じて発光することにより、感光体1の表面に静電潜像を形成する。
現像装置4は、感光体1の表面に形成された静電潜像に現像剤を供給する装置であり、例えば現像ローラと現像剤を収容した現像容器とを備える。転写装置5は、感光体1の表面に形成された現像剤像を記録材15に転写する装置であり、例えば転写ローラである。なお、記録材としては、記録紙、OHP、封筒、厚紙などがある。クリーニング装置6は、感光体1に残留する現像剤や感光体1に付着した紙粉等を感光体1から除去する装置であり、例えばクリーニングローラである。
上述した感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5およびクリーニング装置6にて、印刷データに応じた現像剤像を形成して記録材に転写させる画像形成部が構成される。
定着装置8は、記録材15に転写された現像剤像を記録材15に熱と圧力で定着させる装置である。定着装置8の詳細については後述する。給紙トレイ9は、印刷前の記録材15が載置されるトレイであり、排紙トレイ10は、印刷後の記録材15が排出され載置されるトレイである。
ピックアップローラ71は、給紙トレイ9から記録材15を一枚ずつ給紙するローラである。複数の搬送ローラ対72,73,74,75はそれぞれ、ピックアップローラ71にて給紙された記録材15を搬送経路16に沿って排紙トレイ10へと搬送するローラ対である。搬送経路16は、感光体1と転写装置5との間、および定着装置8の後述する定着ニップN(図3参照)を通っている。
また、図示してはいないが、画像形成装置100は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などから構成される制御部を備えている。該制御部により、画像形成装置100における上述した各部分の動作が制御される。
2.画像形成装置の動作説明
上記のように構成された画像形成装置100による一連の画像形成処理について、図1を参照して簡単に説明する。画像形成装置100は、印刷データをパソコン等の情報端末装置や原稿を読み取る画像読取装置などから受信すると、印刷処理を開始する。これにより、感光体1の表面は、その回転に伴って帯電装置2によって一様に正帯電される。そして、露光装置3から感光体1に向けてレーザ光がそれぞれ照射される。これにより、感光体1の表面に、印刷データに応じた所定の静電潜像が形成される。すなわち一様に正帯電された感光体1の表面のうち、レーザ光が照射された部分は電位が下がる。
次いで、現像装置4の現像ローラの回転により、現像ローラ上に担持されかつ正帯電されている現像剤が、感光体1の表面上に形成される静電潜像に供給される。これにより、感光体1の静電潜像は現像され、感光体1の表面に反転現像による現像剤像が担持される。
また、上記した現像剤像を形成するための処理と並行して、記録材15を搬送する処理が行われる。すなわち、ピックアップローラ71の回動により、給紙トレイ9から記録材15が一枚ずつ搬送経路16へと送り出される。搬送経路16に送り出された記録材15は、搬送ローラ対72,73により、感光体1と転写装置5とが接触する転写位置に運ばれる。
そして、転写位置を通るときに、転写装置5に印加される転写バイアスによって、感光体1の表面上に担持された現像剤像が記録材15の表面に転写される。転写された現像剤像は、転写位置よりも搬送経路16の下流側に位置する定着装置8の定着ニップN(図3参照)を通過するときに記録材15に熱定着される。その後、記録材15は搬送ローラ対74,75により排紙トレイ10上に排出される。
3.定着装置の構成
次に、定着装置8の構成について図2~図7に基づいて説明する。
図2は図1に示す画像形成装置100に搭載された定着装置8の斜視図であり、図3は定着装置8の断面図である。図4は定着装置8における定着ベルト81の内側に配置されるヒータ部86の斜視図である。図5はヒータ部86の分解図である。図6はヒータ部86のホルダ83の底面図である。図7は、定着装置8の要部の断面模式図である。
図2、図3に示すように、定着装置8は、定着ベルト81、ヒータ82、ホルダ83、加圧ローラ84およびステー85を備えている。定着ベルト81は、薄肉で低熱容量の円筒状の部材である。定着ベルト81は、耐熱性、離形性、強度、および耐久性などを有する単層あるいは複合層フィルムからなる。
ヒータ82は、定着の熱源であり、図4、図5にも示すように、長手方向に延びる板状をなす。ヒータ82は、細長い板状をなす基材82Aと、その上に長手方向に沿って設けられた抵抗発熱体82Bとを備えている。なお、長手方向とは、加圧ローラ84の回転軸と平行な方向であり、且つ、後述する定着ニップNにおける用紙の搬送方向と直交する方向である。言い換えると、長手方向は、定着ニップNを通過する用紙の幅方向である。また、図示してはいないが、基材82A上には、抵抗発熱体82Bに給電する配線および端子なども設けられている。本実施形態では、基材82Aとして金属製の基材、より具体的にはスチール製の基材が用いられている。つまり、本実施形態のヒータ82はスチールヒータである。なお、ヒータ82は、基材82Aにセラミックを用いたセラミックヒータなどであってもよい。
このようなヒータ82は、ホルダ83に支持されている。ホルダ83は、ヒータ82を支持すると共に、定着ベルト81の回転保持を行う部材であり、耐熱性および絶縁性を有する樹脂材料からなる。本実施形態では、ホルダ83は、浅い樋形状をなし、底面にヒータ82を支持する支持面83Aを有する。支持面83Aは、ヒータ82の裏面、つまり基材82Aの抵抗発熱体82Bとは反対側の面に対向してヒータ82を支持する。ヒータ82は、抵抗発熱体82Bが設けられた表面を外周に向けて配置される。
ホルダ83における支持面83Aの短手方向の両側には、定着ベルト81の回転を案内する、複数の上流ガイドリブ83Bと、複数の下流ガイドリブ83Cが長手方向に沿って設けられている。なお、短手方向とは、長手方向およびヒータ82の厚み方向と直交する方向である。短手方向は、定着ニップNにおける用紙の搬送方向とも言える。複数の上流ガイドリブ83Bのそれぞれの上流ガイドリブ83Bは長手方向に互いに間隔を空けて配置されている。同様に、複数の下流ガイドリブ83Cのそれぞれの下流ガイドリブ83Cは長手方向に互いに間隔を空けて配置されている。複数の上流ガイドリブ83Bは、支持面83Aに対して定着ベルト81の回転方向上流側に位置している。より詳しくは、複数の上流ガイドリブ83Bは、定着ニップNにおける用紙の搬送方向において、支持面83Aよりも上流に位置する。また、複数の下流ガイドリブ83Cは、支持面83Aに対して定着ベルト81の回転方向下流側、即ち、定着ニップNにおける用紙の搬送方向下流側に位置している。
複数の上流ガイドリブ83Bおよび複数の下流ガイドリブ83Cは、外側の断面形状が略半円弧をなし、この外側部分を定着ベルト81の内周面が摺動する。複数の上流ガイドリブ83Bおよび複数の下流ガイドリブ83Cが設けられることで、ホルダ83と定着ベルト81の内周面との接触面積を減らして摩擦を低減し、定着ベルト81の回転安定性を高めることができる。
さらに、ホルダ83には、複数の上流ガイドリブ83Bによる奪熱にて定着ベルト81に温度ムラが生じることを抑制するために、複数の凹部83Dが設けられている。これについては後述する。
ステー85は、ホルダ83の剛性を高めるための部材であり、ホルダ83の支持面83Aとは反対側に面に配置されている。ホルダ83自体の剛性が高い場合には、ステー85を省略することもできる。本実施形態では、ステー85は、ホルダ83に取り付けられることでホルダ83と一体に扱われる。以下、ホルダ83と、該ホルダ83に支持されたヒータ82、ホルダ83に取り付けられたおよびステー85を纏めて、ヒータ部86と称する。
このようなヒータ部86は、定着ベルト81の内側に配置されている。換言すると、定着ベルト81が、ヒータ部86に、周長に余裕を持って外嵌されている。定着ベルト81は、ホルダ83に設けられた複数のガイドリブ83B,83Cおよびヒータ82の表面に内周面を摺動させながら回転する。
加圧ローラ84は、加圧体としての一例であり、定着ベルト81を介してヒータ82の表面に圧接して定着ニップNを形成する。より詳しくは、加圧ローラ84の両端は、一対のサイドフレームに軸受を介してそれぞれ支持されている。さらに、ステー85の長手方向の両端は、バネによって加圧ローラ84に向けてそれぞれ付勢されている。これにより、ステー85を介してヒータ82が長手方向においてほぼ一様に加圧ローラ84に向けて押圧され、定着ベルト81と加圧ローラ84との間に定着ニップNが形成される。
加圧ローラ84は、芯金部84Aの周囲にゴム材などからなる弾性層84Bを有する。加圧ローラ84は画像形成装置100が有するモータによって回転駆動され、加圧ローラ84の回転に伴って定着ベルト81が従動回転する。
なお、加圧体は、加圧ローラ84に限られるものではなく、例えば、加圧ベルトとニップ形成部材とで構成されていてもよい。つまり、加圧ベルトで囲まれる空間内に、ニップ形成部材として、弾性パッドや樹脂製あるいは金属製の加圧板などを配置する。ニップ形成部材が、定着ベルト81および加圧ベルトを介してヒータ82の表面に圧接して定着ニップNを形成する。
4.定着装置の動作
加圧ローラ84が回転駆動され、それに伴って定着ベルト81が従動回転する。ヒータ82に通電がなされ、該ヒータ82が昇温して所定の温度に立ち上がり温調される。このような状態において、定着ニップNの定着ベルト81と加圧ローラ84との間に未定着の現像剤像を担持した記録材15が導入される。定着ニップNにおいて記録材15の現像剤像担持面側が定着ベルト81の外面に密着して定着ベルト81と一緒に定着ニップNを挟持搬送される。
この挟持搬送過程において、ヒータ82の熱が定着ベルト81を介して記録材15に付与され、記録材15上の現像剤像が記録材15上に加熱および加圧されて溶融定着される。定着ニップNを通過した記録材15は定着装置8から排出される。
5.ホルダの凹部
上述したように、ホルダ83に設けられた複数のガイドリブ83B,83Cにより、ホルダ83と定着ベルト81の内周面との接触面積を減らして摩擦を低減して、定着ベルト81の回転安定性を高めることができる。しかしながら、定着装置8の立ち上げ時、温まっていない状態の複数のガイドリブ83B,83Cに定着ベルト81が接触すると奪熱により接触した部分で温度低下が起こる。
複数の下流ガイドリブ83Cに定着ベルト81が接触するのは、定着ニップNの出口側であるため奪熱による定着ニップNへの影響は殆どない。一方、定着ニップNの入口側で接触する複数の上流ガイドリブ83Bによる奪熱が定着ニップNに与える影響は大きく、定着ニップNにおいて長手方向の温度ムラが生じる。
このような温度ムラを抑制するために、ホルダ83における支持面83Aには、図6、図7に示すように、長手方向において複数の上流ガイドリブ83Bに対応する位置に、断熱材を収容する複数の凹部83Dが設けられている。本実施形態では、複数の凹部83Dには、断熱材として空気が収容されている。また、複数の凹部83Dは、短手方向に沿って延びており、短手方向において、支持面83Aの一端から他端まで形成されている。なお、断熱材はホルダ83よりも熱伝導率の低い材質のものであればよく、例えば、耐熱性のグラスウールやロックウール、アルカリアースシリケートウール(AES)、リフラクトリーセラミックファイバー(RCF)、アルミナファイバー等の人造鉱物繊維で構成されていてもよい。
このような複数の凹部83Dを設けることで、ホルダ83における複数の上流ガイドリブ83Bに対応する部分の断熱効果を、その他の部分よりも高めることができる。
これにより、定着装置8の立ち上げ時に、複数の上流ガイドリブ83Bと接触する部分の定着ベルト81の温度が、複数の上流ガイドリブ83Bによる奪熱にてその他の部分よりも低下することを抑制することができる。その結果、定着装置8の立ち上げ時に、複数の上流ガイドリブ83Bとの接触を起因とする定着ベルト81の温度ムラの発生を抑制することができる。
しかも、複数の上流ガイドリブ83Bが設けられているホルダ83自体に凹部83Dを形成しているので、抵抗発熱体に相当する発熱部材を加工する特許文献1の構成のように、ホルダとヒータとの線膨張率の違いによる影響を受けることがない。これにより、線膨張率の差を起因とした前述の課題1)2)を全て解消することができる。
さらに、上記構成では、ヒータ82の抵抗発熱体82Bに対する線幅や厚みを変えるなどの加工は行われないので、構成を簡単にできる。
また、本実施形態では、複数の凹部83Dのそれぞれは、支持面83Aに形成された凹部にて構成しており、空気を断熱材として用いた簡単な構成にて複数の凹部83Dを実現している。
しかも、図6に示すように、長手方向において、複数の凹部83Dのそれぞれは、複数の上流ガイドリブ83Bのそれぞれと同じ位置に配置され、凹部の長手方向における幅は、上流ガイドリブ83Bの長手方向における幅と等しく設定されている。各上流ガイドリブ83Bと各凹部83Dとの長手方向における幅を等しくすることで、ホルダ83における各上流ガイドリブ83B以外の箇所での温度上昇を抑えて、定着ベルト81の温度ムラをより確実に抑制することができる。
なお、本実施形態では、複数の上流ガイドリブ83Bと、複数の下流ガイドリブ83Cとが、長手方向の同位置に設けられている。そのため、複数の凹部83Dは、複数の下流ガイドリブ83Cにも対応している。しかしながら、複数の凹部83Dは、少なくとも定着ニップNの入口側となる複数の上流ガイドリブ83Bに対応して設けられていればよい。例えば、複数の凹部83Dは、短手方向において、支持面83Aの上流ガイドリブ83Bに近い側の端部から支持面83Aの中央まで形成された凹部であってもよい。また、複数の凹部83Dは、長手方向および短手方向の両方向と交差する方向に延びていてもよい。これについては、実施形態3で説明する。また、凹部83Dの形状は、短手方向において上流ガイドリブ83Bから離れるにつれて長手方向の幅が狭くなる先細り形状であってもよい。また、複数の凹部83Dは、それぞれ形状が異なっていてもよい。
(変形例)
本実施形態の変形例について説明する。例えば、複数の凹部83Dは、複数の上流ガイドリブ83Bに対応する位置であれば、短手方向において、支持面83Aの中央から下流ガイドリブ83Cに近い側の端部にまで形成されていてもよい。ヒータ82においては、基材82Aに設ける抵抗発熱体82Bの形状や位置によって、定着ニップNの上流側よりも下流側における温度ムラの影響が大きい場合もある。そのような場合、複数の上流ガイドリブ83Bに対応する位置に設ける凹部83Dを、定着ニップNの下流側に設けることが好ましい。
同様の理由で、凹部83Dの形状は、短手方向において上流ガイドリブ83Bから離れるにつれて長手方向の幅が太くなる形状であってもよい。
また、凹部83Dの形状は、短手方向に沿って連続して延びている必要はなく、短手方向に沿って格子状に設けられていてもよい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図8は、本実施形態の画像形成装置に搭載された定着装置8-1における、ホルダ83-1の底面図である。前述した定着装置8と定着装置8-1との違いは、ホルダ83とホルダ83-1との違いである。より詳細には、支持面83Aにおける凹部83Dの設け方が異なる。それ以外の構成は、定着装置8と同じである。
定着装置8では、ホルダ83の長手方向の全域において、同サイズ、同形状の複数の凹部83Dを複数の上流ガイドリブ83Bのそれぞれと同じ位置に均等に配置していた(図6参照)。つまり、ホルダ83の長手方向の全域において、断熱効果を決定する凹部83Dの容積を等しくしていた。
これに対し、図8に示すように、定着装置8-1では、定着ニップNの第1領域と、該第1領域に長手方向において隣接する第2領域とで、凹部83Dの長さを変えることで容積を異ならせている。定着装置8-1では、第2領域のホルダ83の断熱効果を第1領域よりも小さくしている。凹部83Dの容積は、長さおよび深さのうちの少なくとも何れか一方を変えることで変化させることができ、長くするあるいは深くすることで容積を大きくできる。ここで、凹部83Dの「長さ」とは短手方向の凹部83Dの寸法である。また、凹部83Dの長手方向の寸法については凹部83Dの「幅」と称する。
第1領域とは、定着ニップNにおける、小サイズの記録材15および大サイズの記録材15の両方が通過する領域であり、長手方向の中央を含む中央部に位置している。第2領域は、定着ニップNにおける、小サイズの記録材15は通過せず大サイズの記録材15のみが通過する領域であり、長手方向の端部に位置している。
本実施形態の画像形成装置100は、長手方向の中央を搬送基準として記録材15を搬送する、いわゆるセンター基準の画像形成装置である。そのため、第2領域が第1領域の両側に配置されている。長手方向の一方の端部を搬送基準として記録材15を搬送する、いわゆるサイド基準の画像形成装置の場合は、搬送基準となる端部から第1領域、第2領域の順に配置されることとなる。
第2領域は大サイズの記録材15が通過する際にしか奪熱されないため、第1領域よりも温度が上がり過ぎる傾向にある。第2領域の温度が上がり過ぎると、ヒータ82や加圧ローラ84などの部品の劣化や破損の原因となる。また、第2領域の温度が大きく上昇している状態で大サイズの記録材15を通紙すると、第2領域を通過した大サイズの記録材15の端部で高温オフセットが発生する恐れもある。
そこで、定着装置8-1では、第2領域に位置する凹部83Dが、第1領域に位置する凹部83Dよりも容積の小さい凹部83Dを含む構成としている。具体的には、第2領域に位置する凹部83Dが、第1領域に位置する凹部83Dよりも長さの短い凹部83Dを含む構成としている。
このような構成とすることで、第2領域におけるホルダの断熱効果が第1領域よりも弱められ、記録材15が大サイズである場合にしか奪熱されず、温度が上がり過ぎる傾向にある第2領域の昇温を抑制することができる。
また、本実施形態では、第2領域に位置する凹部83Dの容積を、第1領域に位置する凹部83Dの容積よりも小さくするにおいて、長手方向の最端部に位置する上流ガイドリブ83B-1に対応する凹部38Dについては対象から除いている。つまり、上流ガイドリブ83B-1に対応する凹部38Dの容積は、第2領域に位置する他の凹部83Dの容積よりも大きく形成されている。これは、上流ガイドリブ83B-1に対応する位置は、定着ベルト81の端部に最も近く放熱しやすい箇所であるためであり、第2領域ではあってもホルダ83の断熱効果を高める方が好ましい。
このような構成とすることで、温度が上がり過ぎる傾向にある第2領域であっても、定着ベルト81の端部に最も近く放熱しやすい箇所においてはホルダ83の断熱効果を高めることができる。これにより、第2領域の昇温を抑制しつつ、定着ベルト81の端部の放熱による温度低下を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、第1領域および第2領域に位置する複数の凹部83Dの容積に、段階的な変化を付けている。具体的には、図8に示すように、凹部83Dの長さを段階的に変えている。複数の凹部83Dのうち、長手方向の中央に位置する2つの凹部83Dが最も長く、これら2つの凹部83Dから長手方向の端部に向かうにつれて凹部83Dの長さが段階的に短くなっている。
このような構成とすることで、凹部83Dによるホルダ83の断熱効果に、クラウン形状のような長手方向の中央部で大きく、端部に向かうにつれて小さくなる分布を持たせることができる。
加圧ローラ84は、定着時に記録材15にシワを生じさせないことを目的に、中央部に向けて径を増大させたクラウン形状に形成されることが多い。加圧ローラ84がクラウン形状である場合、定着ニップNのニップ幅は逆クラウン形状となり、長手方向の中央部で狭く長手方向の端部で広くなる。
定着ニップNのニップ幅が逆クラウン形状となると、記録材15が定着ニップNを通過する時間は、長手方向の中央部で短くなり長手方向の端部で長くなる。そのため、通過時間の短い定着ニップNの長手方向の中央部は、上流ガイドリブ83Bによる影響を受けやすく、通過時間の長い定着ニップNの端部は該影響を受け難い。したがって、ホルダ83の断熱効果にクラウン形状の分布を持たせて、長手方向の端部側の断熱効果を弱めることで、第2領域の温度の上がり過ぎを抑制しつつ、上流ガイドリブ83Bによる影響も受け難い構成とできる。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。本実施形態では、前述した複数の凹部83Dが、長手方向および短手方向の両方向と交差する方向に延びている構成について説明する。
図9は、本実施形態の画像形成装置に搭載された定着装置8-2における、ホルダ83-2の底面図である。前述した定着装置8と定着装置8-2との違いは、ホルダ83とホルダ83-2との違いである。より詳細には、支持面83Aに設けられた凹部83Dの設け方が異なる。それ以外の構成は、定着装置8と同じである。
定着装置8では、ホルダ83の長手方向において、複数の上流ガイドリブ83Bのそれぞれと同じ位置に配置された複数の凹部83Dは、各々独立していた。
これに対し、図9に示すように、定着装置8-2では、長手方向において隣り合う凹部83Dの間の位置に溝83Eが設けられ、溝83Eにて隣り合う凹部83D同士が連結されている。この溝83Eが、前述した「複数の凹部83Dは、長手方向および短手方向の両方向と交差する方向に延びていてもよい」における、長手方向に延びている部分に相当する。
このような構成とすることで、凹部83Dにて上流ガイドリブ83Bによる温度の落ち込みを抑制すると共に、溝83Eにてホルダ83-2の断熱効果を全体的に高めることができる。これにより、上流ガイドリブ83Bによる定着ベルト81の温度の落ち込みを抑制するだけでなく、ヒータ82全体の加熱効率を上げることができる。
なお、本実施形態では、複数の凹部83Dを溝83Eにて連結する構成を例示したが、ホルダ83-2の断熱効果を全体的に高めるには、長手方向において隣り合う凹部83Dの間の位置に溝83Eが設けられていればよい。その場合、溝83Eは、長手方向における長さが凹部83Dよりも長く、且つ、短手方向における長さが凹部83Dよりも短ければよい。但し、複数の凹部83Dを溝83Eにて連結する構成とすることで、溝83E同士が連なって長手方向に延びる一本の溝が形成されるので、より効果的に、ホルダ83-2の断熱効果を全体的に高めることができる。
また、このような構成においても、溝83Eを含めて凹部83Dの深さを変えることで、第2領域に位置する部分の容積を第1領域に位置する部分よりも小さくし、第2領域における温度の上がり過ぎを抑制してもよい。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図10は、本実施形態の画像形成装置に搭載された定着装置8-3における、ホルダ83-3の底面図である。前述した定着装置8と定着装置8-3との違いは、ホルダ83とホルダ83-3との違いである。より詳細には、支持面83Aにおける凹部83Dの設け方が異なる。それ以外の構成は、定着装置8と同じである。
定着装置8では、定着ニップNの第2領域を含む、ホルダ83の長手方向の全域において、凹部83Dを複数の上流ガイドリブ83Bのそれぞれと同じ位置に均等に配置していた(図6参照)。
これに対し、図10に示すように、定着装置8-3では、第2領域において、上流ガイドリブ83Bに対応する位置に凹部83Dが設けられていない部分が存在する。図10の構成では、第2領域においては、凹部83Dが一切設けられていない。第1領域においては、定着装置8と同様に、凹部83Dのそれぞれは長手方向において上流ガイドリブ83Bのそれぞれと同じ位置に配置されている。
このような構成とすることで、第2領域におけるホルダ83-3の断熱効果が第1領域よりも弱められ、記録材15が大サイズである場合にしか奪熱されず、温度が上がり過ぎる傾向にある第2領域の昇温を抑制することができる。
また、このような構成とすることで、実施形態2の定着装置8-1程ではないが、長手方向の中央部で断熱効果が高く、長手方向の端部で断熱効果が小さいといったクラウン形状のような分布を持たせることができる。
また、本実施形態においても、第2領域ではあるが、長手方向の最端部に位置する上流ガイドリブ83B-1に対応する凹部38Dのみ設けても良い。これにより、第2領域の昇温を抑制しつつ、定着ベルト81の端部の放熱による温度低下を抑制することができる。
〔実施形態5〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。本実施形態では、図11、図12を用いて、前述した実施形態1-4の画像形成装置の定着装置8,8-1,8-2,8-3において適応可能な凹部83Dの断面形状について説明する。
図11は、実施形態1-4の画像形成装置の定着装置8,8-1,8-2,8-3において適応可能な凹部83Dの短手方向の断面形状を示す説明図である。実施形態1-4においてヒータ82は、短手方向に分割されていない抵抗発熱体82Bを有していたが、図11における参照符号1001のように、短手方向において2分割された抵抗発熱体82B-1,82B-1を有する構成とすることもできる。
このような短手方向に複数の抵抗発熱体82B-1を有するヒータ82の場合、長さがある凹部83Dについては、参照符号1001に示すように、抵抗発熱体82B-1の有る部分の深さを抵抗発熱体82B-1が無い部分よりも深くすることが好ましい。これにより、深さを一律にした構成に比べて、抵抗発熱体82B-1から発生した熱がホルダ83,83-1,83-2,83-3に奪われ難くなり、ヒータ82の加熱効率を上げることができる。
図11における参照符号1002は、凹部83Dの平面視の形状を同じとした場合に、深さを変えて凹部83Dの容積を変える構成を示している。実線で示す凹部83Dの底を、破線で示すように浅くすることで、容積を小さくして凹部83Dによる断熱効果を弱めることができる。
図12は、実施形態1-4の画像形成装置の定着装置8,8-1,8-2,8-3において適応可能な凹部83Dの長手方向の断面形状を示す説明図である。実施形態1-4において、凹部83Dの長手方向の断面形状を矩形としていたが、図12に示すように、長手方向の中央が一番高くなる山形状にしてもよい。
図3、図4に示されるように、上流ガイドリブ83Bは、長手方向の中央が最も高く突出し、且つ、長手方向の中央が最も厚肉に形成されている。つまり、上流ガイドリブ83Bによる定着ベルト81の温度の落ち込みは、上流ガイドリブ83Bの長手方向の中央と接触する部分にて最も大きくなる。
上記構成によれば、凹部83Dの長手方向の断面形を山形状としているので、上流ガイドリブ83Bの長手方向の中央に対応する、凹部83Dの長手方向の中央の断熱効果を最も高めることができる。これにより、長手方向の断面形状が矩形の凹部83Dよりも、定着ベルト81の温度をより均一にすることができる。
本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 感光体(画像形成部)
2 帯電装置(画像形成部)
3 露光装置(画像形成部)
4 現像装置(画像形成部)
5 転写装置(画像形成部)
6 クリーニング装置(画像形成部)
8,8-1,8-2,8-3 定着装置
9 給紙トレイ
10 排紙トレイ
15 記録材
16 搬送経路
71 ピックアップローラ
72,73,74,75 搬送ローラ対
81 定着ベルト
82 ヒータ
82A 基材
82B 抵抗発熱体
83,83-1,83-2,83-3 ホルダ
83A 支持面
83B 上流ガイドリブ(ガイドリブ)
83C 下流ガイドリブ
83D 凹部
84 加圧ローラ(加圧体)
85 ステー
86 ヒータ部
100 画像形成装置

Claims (10)

  1. 基材上に抵抗発熱体を備え、長手方向に延びる板状のヒータと、
    前記ヒータを支持し、前記ヒータの裏面を覆うホルダと、
    前記ヒータの表面に内周面を摺動させながら回転する定着ベルトと、
    前記定着ベルトを介して前記ヒータの表面に圧接して定着ニップを形成する加圧体と、
    を備え、
    前記ホルダは、
    前記ヒータの裏面に対向し、前記ヒータを支持する支持面と、
    前記定着ベルトの内周面をガイドする複数のガイドリブであって、前記定着ベルトの回転方向において前記支持面よりも上流に配置されると共に、前記長手方向に互いに間隔を空けて配置される複数のガイドリブと、を有し、
    前記支持面には、前記長手方向において前記複数のガイドリブに対応する位置に断熱材を収容する複数の凹部が設けられ
    前記定着ニップは、小サイズの記録材および大サイズの記録材の両方が通過する第1領域と、該第1領域と前記長手方向において隣接する、前記小サイズの記録材は通過せず前記大サイズの記録材が通過する第2領域と、を有し、
    前記長手方向において、前記凹部のそれぞれは前記ガイドリブのそれぞれと同じ位置に配置され、前記第2領域に位置する前記凹部は、前記第1領域に位置する前記凹部よりも容積の小さい凹部を含むことを特徴とする定着装置。
  2. 前記長手方向において、前記凹部のそれぞれは前記ガイドリブのそれぞれと同じ位置に配置され、
    前記凹部の前記長手方向における幅は、前記ガイドリブの前記長手方向における幅と等しいことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記長手方向の最端部に位置する前記ガイドリブに対応する前記凹部は、前記第2領域に位置する他の前記凹部よりも容積が大きいことを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  4. 前記長手方向において隣り合う前記凹部の間に位置する溝であって、前記長手方向における長さが前記凹部よりも長く、且つ、前記長手方向に直交する短手方向における長さが前記凹部よりも短い溝を有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記溝は、隣り合う前記凹部を連結することを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  6. 前記定着ニップは、小サイズの記録材および大サイズの記録材の両方が通過する第1領域と、該第1領域と前記長手方向において隣接する、前記小サイズの記録材は通過せず前記大サイズの記録材が通過する第2領域と、を有し、
    前記第1領域において、前記凹部のそれぞれは前記長手方向において前記ガイドリブのそれぞれと同じ位置に配置され、
    前記第2領域においては、前記ガイドリブに対応する位置に前記凹部が設けられていない部分が存在することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  7. 前記基材は、金属製であることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の定着装置。
  8. 前記加圧体は、前記長手方向に延びた芯金と、前記芯金上に設けられた弾性層とを有する加圧ローラであることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の定着装置。
  9. 請求項1からの何れか1項に記載の定着装置を備え、画像形成部にて記録材に転写された現像剤像を、前記定着装置の前記定着ニップに通過させて前記記録材に定着させることを特徴とする画像形成装置。
  10. 基材上に抵抗発熱体を備え、長手方向に延びる板状のヒータと、
    前記ヒータを支持し、前記ヒータの裏面を覆うホルダと、
    前記ヒータの表面に内周面を摺動させながら回転する定着ベルトと、
    前記定着ベルトを介して前記ヒータの表面に圧接して定着ニップを形成する加圧体と、
    を備え、
    前記ホルダは、
    前記ヒータの裏面に対向し、前記ヒータを支持する支持面と、
    前記定着ベルトの内周面をガイドする複数のガイドリブであって、前記定着ベルトの回転方向において前記支持面よりも上流に配置されると共に、前記長手方向に互いに間隔を空けて配置される複数のガイドリブと、を有し、
    前記支持面には、前記長手方向において前記複数のガイドリブに対応する位置に断熱材を収容する複数の凹部が設けられ
    前記定着ニップは、小サイズの記録材および大サイズの記録材の両方が通過する第1領域と、該第1領域と前記長手方向において隣接する、前記小サイズの記録材は通過せず前記大サイズの記録材が通過する第2領域と、を有し、
    前記第1領域において、前記凹部のそれぞれは前記長手方向において前記ガイドリブのそれぞれと同じ位置に配置され、
    前記第2領域においては、前記ガイドリブに対応する位置に前記凹部が設けられていない部分が存在することを特徴とする定着装置。
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