JP7408522B2 - エンジンシステム - Google Patents

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Description

本発明は、過給機と排気処理装置とを備えるエンジンシステムの制御に関する。
過給機を搭載したエンジンにおいては、過給機の動作状態がサージ領域に入らないように過給機のコンプレッサの下流の通路とタービン下流の通路とを接続するバイパス通路を設ける構成が公知である。
たとえば、特開2007-162545号公報(特許文献1)には、コンプレッサ下流側と、タービンと触媒との間にバイパス流路を設け、サージに入った場合にバイパス流路のガスを流すことでサージを回避することが開示されている。
特開2007-162545号公報
しかしながら、過給機の動作状態がサージ領域に入らないようにコンプレッサの下流の気体をバイパス通路を経由してタービン下流に流通させると、タービン下流の排気を浄化する排気処理装置の浄化性能を十分に発揮できない場合がある。これは、バイパス通路を経由してタービン下流に供給される気体によって排気処理装置の温度が低下し、排気処理装置の浄化性能が十分に機能する温度域から外れるためである。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、過給機の動作状態がサージ領域に入ることを抑制しつつ、排気処理装置の排気の浄化性能の低下を抑制するエンジンシステムを提供することである。
この発明のある局面に係るエンジンシステムは、エンジンと、エンジンの吸気通路に設けられるコンプレッサを含み、コンプレッサを用いてエンジンに吸入される吸気を過給する過給機と、エンジンの排気通路に設けられ、エンジンから排出される排気を浄化する複数の排気処理装置と、コンプレッサとエンジンとの間に設けられ、吸気通路を流通する空気量を調整可能に構成される第1絞り弁と、吸気通路におけるコンプレッサと第1絞り弁との間の位置に一方端が接続され、他方端が排気通路における複数の排気処理装置のうちの2つの排気処理装置の間の位置に接続されるバイパス通路と、バイパス通路を流通する空気量を調整可能に構成される第2絞り弁と、第2絞り弁の動作を制御する制御装置とを備える。制御装置は、予め定められた条件が成立する場合に、過給機によって過給されている状態において開弁状態になるように第2絞り弁を制御する。
このようにすると、予め定められた条件が成立する場合に、過給機によって過給されている状態において第2絞り弁が開弁状態になることによって、コンプレッサとエンジンとの間を流通する気体の一部をバイパス通路を経由してタービンの下流に流通させることができる。そのため、コンプレッサとエンジンとの間の気体の圧力を適切な圧力に調整することができる。そのため、コンプレッサの動作領域がサージ領域になることを抑制することができる。さらに、複数の排気処理装置のうちのバイパス通路の他端が接続される位置よりも下流側に空気を供給し、下流側の排気処理装置に供給される排気の空燃比をリーン状態にすることができる。このように上流側と下流側とで排気の空燃比を変化させることができるため、上流側と下流側とで適切な空燃比の排気を排気処理装置に供給することによって、それぞれの排気処理装置における排気の浄化性能を向上させることができる。
さらにある実施の形態においては、予め定められた条件は、コンプレッサにおける圧力比と吸入空気量とによって示される過給機の動作領域が過給機のサージ領域と、サージ領域の吸入空気量側の境界に隣接する第1領域とを含む範囲内であるという条件を含む。
このようにすると、予め定められた条件が成立する場合に、過給機によって過給されている状態において第2絞り弁が開弁状態になることによって、コンプレッサとエンジンとの間を流通する気体の一部をバイパス通路を経由してタービンの下流に流通させることができる。そのため、過給機の動作領域がサージ領域に変化することを抑制することができる。
さらにある実施の形態においては、制御装置は、コンプレッサから流出する空気の第1圧力と大気圧とを用いて算出される圧力比と、コンプレッサに流入する吸入空気量とによって示される動作領域が第1領域を含む予め定められた第2領域内になるように第2絞り弁との動作を制御する。
このようにすると、予め定められた条件が成立する場合に、過給機によって過給されている状態において第2絞り弁が開弁状態になることによって、コンプレッサとエンジンとの間を流通する気体の一部をバイパス通路を経由してタービンの下流に流通させることができる。そのため、コンプレッサの動作領域がサージ領域に変化することを抑制し、第2領域の範囲内で過給機を適切に動作させることができる。
さらにある実施の形態においては、2つの排気処理装置のうちの流通する排気の上流側の上流側排気処理装置は、三元触媒と、酸化触媒と、PM除去フィルタと、NOx浄化触媒とのうちの少なくともいずれかを含む。
このようにすると、三元触媒と、酸化触媒と、PM除去フィルタと、NOx浄化触媒とのうちの少なくともいずれかを含む上流側の排気処理装置には、バイパス通路を経由した空気の供給対象から除外される。そのため、上流側の排気処理装置を流通する排気の空燃比をリーン側に変化することを抑制するとともに、不必要に温度が低下することを抑制することができる。これにより、空燃比の変化や温度低下に起因する上流側の排気処理装置における排気の浄化性能の低下を抑制することができる。
さらにある実施の形態においては、2つの排気処理装置のうちの流通する排気の上流側の上流側排気処理装置は、三元触媒を含む。2つの排気処理装置のうちの流通する排気の下流側の下流側排気処理装置は、三元触媒と、酸化触媒と、NOx浄化触媒とのうちの少なくともいずれかを含む。予め定められた条件は、上流側排気処理装置における酸素吸蔵量がしきい値よりも低いという条件と、エンジンの排気の空燃比がストイキ状態およびリッチ状態のうちの少なくともいずれかの状態を示す値であるという条件とを含む。
このようにすると、予め定められた条件が成立して、第2絞り弁が開弁状態になっても、空燃比がストイキ状態またはリッチ状態のエンジンの排気が上流側排気処理装置に含まれる三元触媒に供給されるため、NOxを適切に浄化することができる。さらに、バイパス通路を経由して空気が下流側排気処理装置に供給されるため、三元触媒と酸化触媒とNOx浄化触媒とのうちの少なくともいずれかに供給される排気の空燃比をリーン側の値に変化させることができる。そのため、これらの下流側排気処理装置における排気の浄化性能を向上させることができる。
さらにある実施の形態においては、2つの排気処理装置のうちの流通する排気の上流側の上流側排気処理装置は、三元触媒を含む。2つの排気処理装置のうちの流通する排気の下流側の下流側排気処理装置は、PM除去フィルタとNOx浄化触媒とを含む。
このようにすると、予め定められた条件が成立して、第2絞り弁が開弁状態になっても、空燃比がストイキ状態およびリッチ状態のエンジンの排気が上流側排気処理装置に含まれる三元触媒に供給されるため、NOxを適切に浄化することができる。さらに、バイパス通路を経由して空気が下流側排気処理装置に供給されるため、下流側排気処理装置に流通する排気の空燃比をリーン側の値に変化させることができる。そのため、NOx浄化触媒を用いてNOxを浄化させることができるとともに、PM除去フィルタに捕集される煤を燃やしてPM除去フィルタを再生することができる。
さらにある実施の形態においては、NOx浄化触媒は、選択還元型NOx浄化触媒と、吸蔵還元型NOx浄化触媒とのうちの少なくともいずれかを含む。
このようにすると、NOx浄化触媒として、選択還元型NOx触媒や吸蔵還元NOx触媒等を用いる場合に、NOxを適切に浄化させることができる。
さらにある実施の形態においては、2つの排気処理装置のうちの流通する排気の下流側の下流側排気処理装置は、PM除去フィルタを含む。予め定められた条件は、PM除去フィルタにおけるPM堆積量がしきい値よりも大きいという条件を含む。
このようにすると、予め定められた実行条件が成立して、第2絞り弁が開弁状態になると、バイパス通路を経由して供給される空気によって下流側排気処理装置に含まれるPM除去フィルタに流通する排気の空燃比をリーン側に変化させることができる。そのため、PM除去フィルタに堆積する煤を燃やしてPM除去フィルタを再生することができる。
さらにある実施の形態においては、過給機は、過給圧を調整可能な調整装置を含む。制御装置は、予め定められた条件が成立する場合には、過給圧がしきい値よりも高くなるように調整装置を制御するとともに、第2絞り弁を開弁状態にする。
このようにすると、過給機によって過給されている状態で第2絞り弁を開弁状態にすることにより、空気をバイパス通路を経由して2つの排気処理装置のうちの下流側の排気処理装置に供給することができる。そのため、排気処理装置における排気の浄化性能の低下を抑制することができる。
さらにある実施の形態においては、制御装置は、バイパス通路を流通する気体の流量を算出し、算出された流量を用いて算出されるエンジンに流通する気体の流量を算出する。
このようにすると、第2絞り弁が開弁状態になる場合において、エンジンに流通する気体の流量を算出することができるため、エンジンの燃料噴射量を適切に調整し、排気の空燃比を適切な空燃比に調整することができる。
さらにある実施の形態においては、制御装置は、バイパス通路を流通する気体の流量を算出し、算出された流量が目標流量になるように第2絞り弁の開度を調整する。
このようにすると、第2絞り弁が開弁状態になる場合において、バイパス通路を流通する気体の流量を目標流量に調整することができるため、2つの排気処理装置のうちの下流側の排気処理装置に供給される空気量を適切な量に調整することができる。そのため、下流側の排気処理装置の排気の浄化性能が低下することを抑制することができる。
さらにある実施の形態においては、エンジンシステムは、吸気通路におけるコンプレッサと第1絞り弁との間を流通する気体の第1圧力を検出する第1圧力検出装置と、バイパス通路内の気体の第2圧力を検出する第2圧力検出装置とをさらに備える。制御装置は、第1圧力と第2圧力との差を用いてバイパス通路を流通する気体の流量を算出する。
このようにすると、第1圧力と第2圧力との差を用いてバイパス通路を流通する気体の流量を精度高く算出することができる。
さらにある実施の形態においては、エンジンシステムは、バイパス通路に設けられ、バイパス通路において他方端から一方端への気体の逆流を抑制する弁をさらに備える。
このようにすると、バイパス通路を経由して排気側から吸気側へと気体が逆流することを抑制することができる。
この発明によると、過給機の動作状態がサージ領域に入ることを抑制しつつ、排気処理装置の排気の浄化性能の低下を抑制するエンジンシステムを提供することができる。
第1の実施の形態におけるエンジンシステムの概略構成の一例を示す図である。 第1の実施の形態においてECUで実行される処理の一例を示すフローチャートである。 過給機の動作点の所定範囲の一例を示す図である。 ECUの動作による過給機の動作点の変化について説明するための図である。 第1の実施の形態の変形例に係るエンジンシステムの概略構成の一例を示す図である。 第1の実施の形態の変形例におけるDOCの温度変化の一例を説明するための図である。 第2の実施の形態に係るエンジンシステムの概略構成の一例を示す図である。 第2の実施の形態においてECUで実行される処理の一例を示すフローチャートである。 空燃比と酸素吸蔵量とNOx排出量との変化を示すタイミングチャートである。 第3の実施の形態に係るエンジンシステムの概略構成の一例を示す図である。 第3の実施の形態においてECUで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態に係るエンジンシステム1の概略構成の一例を示す図である。エンジンシステム1は、エンジン2と、第1絞り弁12と、過給機50と、三元触媒(以下、TWC(Three-Way Catalyst)とも記載する。)60と、PM除去フィルタ62と、NOx浄化触媒64と、バイパス通路70と、第2絞り弁72と、EGR(Exhaust Gas Recirculation)通路80と、EGR弁82と、ECU(Electronic Control Unit)100とを備える。エンジンシステム1は、たとえば、車両等の移動体に動力源として搭載される。
本実施の形態において、エンジン2は、たとえば、ディーゼルエンジンを一例として説明するが、たとえば、ガソリンエンジン等の他の内燃機関であってもよい。エンジン2は、たとえば、複数の気筒と気筒に燃料を噴射するための燃料噴射装置(いずれも図示せず)とを含む。エンジン2に供給される燃料量は、たとえば、ECU100のエンジン制御部102によって制御される。
過給機50は、コンプレッサ52と、タービン54と、シャフト56とを含む。コンプレッサ52の吸気流入口には、第1吸気通路10の一方端が接続される。第1吸気通路10の他方端には、エアクリーナ(図示せず)が設けられる。第1吸気通路10の途中には、流量計200が設けられる。
流量計200は、第1吸気通路10を流通する空気の流量(以下、吸入空気量と記載する)を検出する。流量計200は、検出された吸入空気量を示す信号をECU100に送信する。
コンプレッサ52の吸気流出口には、第2吸気通路20の一方端が接続される。第2吸気通路20の他方端は、エンジン2のインテークマニホールド(図示せず)に接続される。また、特に図示しないが第2吸気通路20の途中には、インタークーラ(図示せず)が設けられる。コンプレッサ52内には、コンプレッサホイール(図示せず)が回転自在に設けられる。
タービン54の排気流入口には、一方端がエンジン2のエキゾーストマニホールド(図示せず)に接続される第1排気通路30の他方端が接続される。タービン54の排気流出口には、第2排気通路40の一方端が接続される。タービン54内には、タービンホイール(図示せず)が回転自在に設けられる。
シャフト56は、コンプレッサ52内のコンプレッサホイール(図示せず)と、タービン54内のタービンホイール(図示せず)とを連結する。
エンジン2から第1排気通路30を経由して排気流入口から流通する排気によってタービン54内のタービンホイールが回転する。タービンホイールの回転力はシャフト56を介してコンプレッサ52内のコンプレッサホイールに伝達される。伝達された回転力によりコンプレッサホイールが回転することによって第1吸気通路10から流通する空気が圧縮されて吸気流出口から第2吸気通路20に供給される。
第2吸気通路20には、第1圧力計202が設けられる。第1圧力計202は、コンプレッサ52から流出する気体の圧力(以下、第1圧力と記載する)を検出する。第1圧力計202は、検出された第1圧力を示す信号をECU100に送信する。
コンプレッサ52の下流側の第2吸気通路20には、バイパス通路70の一方端が接続される。さらに、第2吸気通路20におけるバイパス通路70との接続位置よりも下流側の位置には、第1絞り弁12が設けられる。
第1絞り弁12は、弁体の開度を調整することによって第1絞り弁12を通過する気体の流量を調整する。第1絞り弁12は、ECU100からの制御信号C1に応じて動作する。第1絞り弁12は、たとえば、EGR通路80からEGRガスをインテークマニホールドに流通させるために開度を小さくしたり、エンジン2の作動を止める際に燃焼を止めるために開度を小さくしたり、車両の高負荷走行時にアクセルオフの操作に応じてポンピングロスを増加させてエンジンブレーキを作用させるために開度を小さくしたりするように制御される。
バイパス通路70の他方端は、三元触媒60とPM除去フィルタ62とを接続する第3排気通路42に接続される。バイパス通路70の途中には、第2絞り弁72と逆止弁74とが設けられる。
逆止弁74は、バイパス通路70において第2絞り弁72よりもバイパス通路70の他方端側の位置に設けられ、他方端から一方端への気体の逆流を抑制する。逆止弁74は、バイパス通路70に設けられればよく、特に図1に示される位置に限定されるものではない。
第2絞り弁72は、ECU100からの制御信号C2に応じて開弁状態と閉弁状態とのうちのいずれか一方の状態から他方の状態に切替えられる。第2絞り弁72が閉弁状態である場合には、第2吸気通路20からバイパス通路70への空気の流通が抑制される。一方、第2絞り弁72が閉弁状態である場合には、第2吸気通路20からバイパス通路70に空気の流通が許容される。
第2吸気通路20における第1絞り弁12が設けられる位置よりも下流側の位置には、EGR通路80の一方端が接続される。EGR通路80の他方端は、第1排気通路30の途中に接続される。EGR通路80の途中には、EGR弁82が設けられる。
EGR弁82は、弁体の開度を調整することによってEGR弁82を通過する気体の流量を調整する。EGR弁82は、ECU100からの制御信号C3に応じて動作する。
バイパス通路70における第2絞り弁72と逆止弁74との間の位置に第2圧力計204が設けられる。第2圧力計204は、バイパス通路70を流通する気体の圧力(以下、第2圧力と記載する)を検出する。第2圧力計204は、検出された第2圧力を示す信号をECU100に送信する。
TWC60は、一方端がタービン54に接続される第2排気通路40の他方端に接続される。TWC60は、排気中に含まれる有害物質である炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を、プラチナ、パラジウム、ロジウムを使用した触媒により酸化および還元することによって同時に除去する。具体的には、TWC60は、炭化水素を水と二酸化炭素に酸化し、一酸化炭素を二酸化炭素に酸化し、窒素酸化物を窒素に還元する。排気中に含まれる有害物質をTWC60で適切に浄化(酸化および還元)するためには、空燃比が理論空燃比となるストイキ状態でエンジン2が運転される。さらにTWC60は、たとえば、排気の空燃比がリーン状態である場合に排気中の酸素成分を吸蔵したり、排気の空燃比がリッチ状態である場合に吸蔵した酸素を放出したりする機能を有している。
PM除去フィルタ62は、第3排気通路42から流通する排気に含まれる煤(Soot)などの粒子状物質(以下、PM(Particulate Matter)と記載する。)を捕集する。PM除去フィルタ62は、たとえば、セラミック等によって構成される。捕集されたPMは、PM除去フィルタ62内に堆積される。
NOx浄化触媒64は、たとえば、SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒を含む。SCR触媒は、還元剤である尿素水の供給を受けて活性化し、排気中のNOxを選択的に還元する。SCR触媒の上流には、尿素水を添加するための添加弁(図示せず)が設けられる。添加弁によって尿素水が添加されると、添加された尿素水は、SCR触媒において、排気の熱により加水分解され、アンモニアに変化する。変化したアンモニアと排気中のNOxとの化学反応により窒素と水に還元され、排気が浄化される。添加弁は、ECU100からの制御信号に応じて制御される。
なお、NOx浄化触媒64は、SCR触媒に代えてまたは加えてNSR(NOx Storage-Reduction)触媒を含むようにしてもよい。NSR触媒は、排気中に多量の酸素が存在している状態(リーン状態)においてはNOxを吸収し、排気中の酸素濃度が低く、かつ還元剤(たとえば燃料の未燃成分(HCやCO))が多量に存在している状態においてはNOxをNに還元して放出する。HCやCOは、NOやNOを還元することで、自身は酸化されてHOやCOとなる。すなわち、NSR触媒に導入される排気中の酸素濃度やHC成分やCO成分を適宜調整すれば、排気中のHC、CO、NOxを浄化することができることになる。
ECU100には、大気圧計206が接続される。大気圧計206は、大気圧を検出する。大気圧計206は、検出された大気圧を示す信号をECU100を送信する。
エンジン2の動作処理は、ECU100によって実行される。ECU100は、各種処理を行なうCPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよびデータを記憶するROM(Read Only Memory)およびCPUの処理結果等を記憶するRAM(Random Access Memory)等を含むメモリとを含む制御装置である。
ECU100は、各計測装置(たとえば、流量計200、第1圧力計202および第2圧力計204)からの信号、ならびにメモリに格納されたマップおよびプログラムに基づいて、エンジン2が所望の運転状態となるように各種機器を制御する。なお、ECU100が実行する各種処理については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)により処理することも可能である。
ECU100は、エンジン制御部102と、流量算出部104と、バルブ制御部106とを含む。
エンジン制御部102は、エンジン2を制御するための処理等を実行する。具体的には、エンジン制御部102は、流量算出部104とバルブ制御部106と大気圧計206とからの情報を用いてエンジン2を制御する。
エンジン制御部102は、たとえば、エンジン2の排気の空燃比が目標空燃比(たとえば、ストイキを示す値)になるようにエンジン2に吸入される空気量に基づいて燃料噴射装置へ指令する燃料噴射量を設定する。
エンジン制御部102は、たとえば、バイパス通路70を流通する空気の流量と、吸入空気量とからエンジン2に吸入される空気量を算出する。エンジン制御部102は、たとえば、バルブ制御部106から吸入空気量を取得する。さらに、エンジン制御部102は、大気圧計206から大気圧を取得する。
さらに、エンジン制御部102は、たとえば、エンジン2の運転状態に基づいて目標EGR率を設定し、設定された目標EGR率あるいは目標EGR率から算出されるEGR弁82の開度に関する情報をバルブ制御部106に出力する。さらに、エンジン制御部102は、たとえば、第1圧力を用いて過給機50の動作を制御する。
流量算出部104は、バイパス通路70を流通する空気の流量を算出する処理等を実行する。流量算出部104は、たとえば、第1圧力計202を用いて第1圧力を取得する。さらに、流量算出部104は、たとえば、第2圧力計204を用いて第2圧力を取得する。
流量算出部104は、たとえば、第1圧力と第2圧力との差(圧力差)を用いてバイパス通路70を流通する空気の流量を算出する。流量算出部は、圧力差、第2吸気通路20の通路断面積およびバイパス通路70の通路断面積等を用いてバイパス通路70を流通する空気の流量を算出する。圧力差を用いて流量を算出する方法については、周知の方法を用いればよく、その詳細な説明は行なわない。
流量算出部104は、算出されたバイパス通路70を流通する空気の流量に関する情報および第1圧力に関する情報をエンジン制御部102に出力する。
バルブ制御部106は、第1絞り弁12、第2絞り弁72およびEGR弁82を制御するための処理等を実行する。バルブ制御部106は、流量計200によって取得される吸入空気量とエンジン制御部102から受信する情報とを用いて第1絞り弁12、第2絞り弁72およびEGR弁82を制御するための制御信号C1~C3を各バルブに出力する。バルブ制御部106は、たとえば、エンジン制御部102から受信した目標EGR率やEGR弁82の開度に関する情報に基づいて第1絞り弁12およびEGR弁82を制御する。
以上のような構成を有するエンジンシステム1において、過給機50は、過給機50の動作状態がサージ領域に入らないように予め定められた動作領域内で動作することが求められる。サージ領域とは、過給圧と大気圧との圧力比が高く、かつ、吸入空気量が小さい領域である。そのため、たとえば、過給機50の動作状態がサージ領域に入らないように、過給機50のコンプレッサ52の下流の通路と、タービン54の下流の第2排気通路40とを接続するバイパス通路を設けて、過給機50の動作領域がサージ領域になるときにバイパス通路をバルブ等を用いて連通させることが考えられる。このような構成によってコンプレッサ52の下流の圧力を低下させることにより、圧力比を低下させることができる。そのため、過給機50の動作領域がサージ領域になることを抑制することができる。
しかしながら、コンプレッサ52の下流の気体をバイパス通路を経由してタービン54の下流の第2排気通路40に流通させると、タービン54の下流の複数の排気処理装置に供給される排気に空気が混合し、排気の温度が低下したり、空燃比が変化したりするため、排気処理装置によっては、空燃比の変化や温度の低下に起因して、複数の排気処理装置の各々において適切に排気を浄化することができない場合がある。
そこで、本実施の形態においては、エンジンシステム1がバイパス通路70と、第2絞り弁72とを含むものとし、ECU100が、予め定められた条件が成立する場合に、過給機50によって過給されている状態において開弁状態になるように第2絞り弁72を制御するものとする。さらに、本実施の形態において、予め定められた条件は、コンプレッサにおける圧力比と吸入空気量とによって示される過給機50の動作領域がサージ領域と予め定められた第1領域とを含む範囲内であるという条件を含むものとする。
このようにすると、予め定められた条件が成立する場合に、過給機50によって過給されている状態において第2絞り弁72が開弁状態になることによって、コンプレッサ52とエンジン2との間を流通する気体の一部をバイパス通路70を経由してタービン54の下流に流通させることができるため、コンプレッサ52の動作領域がサージ領域になることを抑制することができる。さらに、バイパス通路70から空気が供給されることにより、第3排気通路42より下流側において排気の空燃比がリーン状態になる。そのため、TWC60においては、バイパス通路70から供給される空気によって空燃比が変化することがなく、かつ、PM除去フィルタ62とNOx浄化触媒64には、バイパス通路70から供給される空気によって空燃比がリーン状態となる排気が供給される。その結果、TWC60の浄化性能が低下することを抑制しつつ、PM除去フィルタ62において煤を燃やして再生が可能になったり、NOx浄化触媒64においてNOxを浄化させたりして、各排気処理装置の浄化性能の低下を抑制することができる。
以下、図2を参照して、第1の実施の形態におけるECU100で実行される処理について説明する。図2は、第1の実施の形態においてECU100で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、所定の制御周期毎にメインルーチン(図示せず)から呼び出されて実行される。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU100は、吸入空気量と、第1圧力と、大気圧とを取得する。ECU100は、流量計200を用いて吸入空気量を取得する。ECU100は、第1圧力計202を用いて第1圧力を取得する。ECU100は、大気圧計206を用いて大気圧を取得する。
S102にて、ECU100は、過給機50の動作点を算出する。ECU100は、取得された第1圧力と大気圧とからコンプレッサ52の圧力比を算出する。ECU100は、算出されたコンプレッサ52の圧力比と吸入空気量とを過給機50の動作点として算出する。
S104にて、ECU100は、過給機50の動作点が所定範囲内であるか否かを判定する。
図3は、過給機50の動作点の所定範囲の一例を示す図である。図3の横軸は、吸入空気量を示す。図3の縦軸は、コンプレッサ52における圧力比を示す。図3のLN1で示される実線枠は、過給機50の動作領域として設定される領域を示す。図3のLN2で示される斜線領域は、第2絞り弁72を開弁状態にする制御を実行する過給機50の動作領域として設定される所定範囲を示す。図3のLN3は、所定範囲と図3のLN1の実線枠で示される領域との重複部分を示す。
所定範囲は、たとえば、サージ領域と、図3のLN3で示される重複部分とを含む。すなわち、図3のLN3で示される重複部分が、「サージ領域の吸入空気量側の境界に隣接する第1領域」に相当する。また、図3のLN1の実線枠で示される領域が、「第1領域を含む予め定められた第2領域」に相当する。
ECU100は、算出された過給機50の動作点が図3のLN2で示される所定範囲内であるか否かを判定する。過給機50の動作点が図3のLN2で示される所定範囲内であると判定される場合(S104にてYES)、処理はS106に移される。
S106にて、ECU100は、開弁状態になるように第2絞り弁72を制御する。ECU100は、第2絞り弁72を開弁状態にした場合には、第2絞り弁72が開弁状態であることを示すフラグをオン状態にする。
S108にて、ECU100は、第1圧力と第2圧力とを取得する。ECU100は、第1圧力計202を用いて第1圧力を取得するとともに、第2圧力計204を用いて第2圧力を取得する。なお、ECU100は、第2絞り弁72を開弁状態にしてから圧力変化が収束する予め定められた時間が経過した後に第1圧力と第2圧力とを取得してもよい。
S110にて、ECU100は、バイパス通路70を通過する空気の流量を算出する。ECU100は、第1圧力と第2圧力との差を用いてバイパス通路70を通過する空気の流量を算出する。
S112にて、ECU100は、空燃比が目標空燃比になるようにエンジン2を制御する。ECU100は、バイパス通路70を通過する空気の流量と吸入空気量とからエンジン2に流通する空気量を算出し、算出された空気量に対してエンジン2の排気の空燃比が目標空燃比になるように燃料噴射量を設定する。目標空燃比は、たとえば、ストイキを示す値であってもよい。ECU100は、設定された燃料噴射量の燃料が噴射されるように燃料噴射装置を制御する。
なお、過給機50の動作点が図3のLN2で示される所定範囲内でないと判定される場合(S104にてNO)、処理はS114に移される。
S114にて、ECU100は、第2絞り弁72が開弁状態であるか否かを判定する。ECU100は、たとえば、第2絞り弁72が開弁状態であることを示すフラグがオン状態である場合に、第2絞り弁72が開弁状態であると判定する。第2絞り弁72が開弁状態であると判定される場合(S114にてYES)、処理はS116に移される。
S116にて、ECU100は、閉弁状態になるように第2絞り弁72を制御する。このとき、ECU100は、第2絞り弁72を閉弁状態にした場合には、第2絞り弁72が開弁状態であることを示すフラグをオフ状態にする。
なお、第2絞り弁72が開弁状態でないと判定される場合(S114にてNO)、この処理は終了される。
以上のような構造およびフローチャートに基づくECU100の動作について図4を参照しつつ説明する。
図4は、ECU100の動作による過給機50の動作点の変化について説明するための図である。図4の横軸は、吸入空気量を示す。図4の縦軸は、コンプレッサ52における圧力比を示す。図4のLN1で示される実線枠は、図3のLN1で示される実線枠と同様に、過給機50の動作領域として設定される領域を示す。図4のLN2で示される斜線領域は、図3のLN2で示される斜線領域と同様に、第2絞り弁72を開弁状態にする制御を実行する過給機50の動作領域として設定される所定範囲を示す。図4のLN3で示される斜線領域は、図3のLN3で示される斜線領域と同様に、所定範囲と図4のLN1の実線枠で示される領域との重複部分を示す。
たとえば、流量計200により検出される吸入空気量と、第1圧力計202により検出される第1圧力と、大気圧計206により検出される大気圧とがECU100により取得されると(S100)、取得された吸入空気量と、第1圧力と、大気圧とから過給機50の動作点が算出される(S102)。たとえば、図4の点Aが過給機50の動作点として算出される場合、過給機50の動作点が図4のLN2の斜線領域で示される所定範囲内であると判定され(S104にてYES)、開弁状態になるように第2絞り弁72が制御される(S106)。
第2絞り弁72が開弁状態になると、コンプレッサ52から流出する空気の一部は、第2絞り弁72を通過し、バイパス通路70を経由して第3排気通路42に流通し、その他の部分は、エンジン2に流通する。その結果、過給機50の動作点は、図4の点Aからサージ領域内の点Bに変化することが抑制される。そのため、過給機50の動作点は、図4点Aから矢印に示すように、サージ領域に入ることなく図4のLN1の実線枠で示される領域内を維持した状態で点Cに変化する。これにより、過給機50がサージ領域で動作することが抑制される。なお、バイパス通路70には、逆止弁74が設けられるため、第2絞り弁72が開弁状態である間、バイパス通路70において第3排気通路42側から第2吸気通路20側に気体が逆流することが抑制される。
その後、第1圧力と第2圧力とが取得され(S108)、第1圧力と第2圧力との差を用いてバイパス通路70に流通する空気の流量が算出される(S110)。そして、算出された空気の流量を用いてエンジン2に流入する空気量が算出されると、算出された空気量を用いてエンジン2からの排気の空燃比が目標空燃比(たとえば、ストイキ状態を示す値)になるようにエンジン2が制御される(S112)。
空燃比がストイキ状態を示す値となる排気がTWC60に供給されるため、排気に含まれるHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)が適切に浄化されるとともに、バイパス通路70を経由して供給される空気によって空燃比がリーン状態を示す値になる排気がPM除去フィルタ62およびNOx浄化触媒64に供給される。その結果、PM除去フィルタ62において堆積したPMが燃焼させやすくなるとともに、NOx浄化触媒64においてNOxの浄化が促進される。
そして、吸入空気量と第1圧力と大気圧とが取得され(S100)、取得結果を用いて過給機50の動作点として点Cが算出される場合、所定範囲内でないと判定され(S104にてNO)、第2絞り弁72が開弁状態であるため(S114にてYES)、閉弁状態になるように第2絞り弁72が制御される(S116)。
以上のようにして、本実施の形態に係るエンジンシステム1によると、過給機50の動作点が所定範囲内であるという条件が成立する場合、過給機50により過給されている状態において第2絞り弁72が開弁状態になる。そのため、コンプレッサ52とエンジン2との間を流通する気体の一部をバイパス通路70を経由してタービン54の下流に流通させることができるため、過給機50の動作領域がサージ領域になることを抑制することができる。さらに、バイパス通路70から空気が供給されることにより排気の空燃比がリーン状態になる。そのため、TWC60においては、バイパス通路70から供給される空気によって空燃比が変化することがなく、かつ、PM除去フィルタ62とNOx浄化触媒64とには、バイパス通路70から供給される空気によって空燃比がリーン状態となる排気が供給される。その結果、TWC60の浄化性能が低下することを抑制しつつ、PM除去フィルタ62において煤を燃やして再生が可能になったり、NOx浄化触媒64においてNOxを浄化させたりして、各排気処理装置の浄化性能の低下を抑制することができる。したがって、過給機の動作状態がサージ領域に入ることを抑制しつつ、排気処理装置の排気の浄化性能の低下を抑制するエンジンシステムを提供することができる。
さらに、第1圧力と第2圧力との差を用いてバイパス通路70を流通する気体の流量が算出され、算出された流量を用いてエンジン2に流通する気体の流量が算出されるので、エンジン2の燃料噴射量を適切に調整し、排気の空燃比を適切な空燃比(目標空燃比)に調整することができる。
さらに、バイパス通路70には、逆止弁74が設けられるため、排気側から吸気側へとバイパス通路70を経由して気体が逆流することを抑制することができる。
さらに、バイパス通路70から空気が供給される第3排気通路42よりも上流側の排気処理装置としてTWC60が設けられるため、バイパス通路70を経由した空気の供給対象からTWC60が除外される。そのため、TWC60に供給される排気の空燃比がリーン側に変化することを抑制するとともに、不必要に温度が低下することを抑制することができる。これにより、TWC60における排気の浄化性能の低下を抑制することができる。
以下、変形例について記載する。
上述の実施の形態においては、第2絞り弁72は、開弁状態と閉弁状態とのうちのいずれか一方の状態から他方の状態に切替えるものとして説明したが、第2絞り弁72は、開度が調整可能に構成されるようにしてもよい。このようにすると、たとえば、バイパス通路70を流通する気体の流量が目標流量になるように第2絞り弁72の開度を調整することができる。そのため、目標流量を適切に設定することによって、第3排気通路42よりも下流側の排気処理装置に供給される空気量を適切な量に調整することができる。そのため、下流側の排気処理装置の排気の浄化性能が低下することを抑制することができる。あるいは、過給機50の動作点がサージ領域に近いほど開度を大きくするなどすることによって、過給機50の動作点がサージ領域になることを抑制するとともに、不必要に過給圧が低下することを抑制することができる。
さらに上述の実施の形態においては、過給機50の動作点が所定の範囲内である場合に、開弁状態になるように第2絞り弁72を制御するものとして説明したが、たとえば、所定の範囲内であって、かつ、過給機50の動作点の変化方向がサージ領域に近づく方向(たとえば、吸入空気量が減少する方向)である場合に、開弁状態になるように第2絞り弁72を制御してもよい。このようにすると、過給機50の動作点がサージ領域になることを抑制するとともに、不必要に過給圧が低下することを抑制することができる。
さらに上述の実施の形態においては、過給機50の動作点が所定の範囲内である場合に、開弁状態になるように第2絞り弁72を制御するものとして説明したが、たとえば、所定の範囲内であって、かつ、第1絞り弁12の開度がしきい値以下である場合に、開弁状態になるように第2絞り弁72を制御してもよい。このようにすると、過給機50の動作点がサージ領域になることを抑制することができる。
さらに上述の実施の形態においては、流量算出部104が第1圧力と第2圧力との差からバイパス通路70を流通する空気の流量を算出するものとして説明したが、第2絞り弁72の開度が調整可能な場合には、以下のようにしてバイパス通路70を流通する空気の流量を算出してもよい。すなわち、第1圧力と、第2絞り弁72の開度と、バイパス通路70を流通する空気の流量との関係を示すマップを実験等により作成しておき、流量算出部104は、第1圧力と、第2絞り弁72の開度と、上述のマップとからバイパス通路70を流通する空気の流量を算出するようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態においては、バイパス通路70からの空気が供給される第3排気通路42よりも上流側の排気処理装置としてTWC60が設けられる構成を一例として説明したが、上流側の排気処理装置としては、TWC60に特に限定されるものではない。上流側の排気処理装置としては、たとえば、TWC60と、酸化触媒(以下、DOC(Diesel Oxidation Catalyst)と記載する)と、PM除去フィルタと、NOx浄化触媒とのうちの少なくともいずれかを含むようにしてもよい。
以下、エンジンシステム1においてTWC60に代えてDOCが設けられる構成を変形例の一例として説明する。
図5は、第1の実施の形態の変形例に係るエンジンシステム1の概略構成の一例を示す図である。図5に示すエンジンシステム1の構成は、図1に示すエンジンシステム1の構成と比較して、TWC60に代えてDOC66が設けられる点で異なる。それ以外の構成については、図1に示したエンジンシステム1の構成と同様であり、同じ参照符号を付与している。そのため、それらの構成についての詳細な説明は繰り返さない。
DOC66は、第2排気通路40の他方端に接続される。DOC66は、セラミック製の円柱状等に形成されたセル状筒体からなり、その軸方向には多数の貫通孔が形成され、内面に白金(Pt)等の貴金属がコーティングされる。DOC66は、所定の温度下で多数の貫通孔に排気を通すことにより、排気に含まれる一酸化炭素および炭化水素等を酸化して除去する。
このような構成を有するエンジンシステム1において、ECU100は、図2のフローチャートに示す処理を実行する。図2のフローチャートに示す処理については、上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。
以上のような構造およびフローチャートに基づくECU100の動作について説明する。
たとえば、吸入空気量と第1圧力と大気圧とが取得され(S100)、取得された吸入空気量と、第1圧力と、大気圧とから過給機50の動作点が算出される(S102)。算出された過給機50の動作点が所定範囲内であると判定されると(S104にてYES)、開弁状態になるように第2絞り弁72が制御される(S106)。
第2絞り弁72が開弁状態になると、コンプレッサ52から流出する空気の一部は、第2絞り弁72を通過し、バイパス通路70を経由して第3排気通路42に流通する。その結果、過給機50の動作点がサージ領域に入ることなく所定範囲内を維持した状態で変化する。これにより、過給機50がサージ領域で作動することが抑制される。
その後、第1圧力と第2圧力とが取得され(S108)、第1圧力と第2圧力との差を用いてバイパス通路70に流通する空気の流量が算出される(S110)。そして、算出された空気の流量を用いてエンジン2の制御が実行される(S112)。
バイパス通路70を経由して供給される空気によって空燃比がリーン状態を示す値になる排気がPM除去フィルタ62およびNOx浄化触媒64に供給される。その結果、PM除去フィルタ62において堆積したPMが燃焼させやすくなるとともに、NOx浄化触媒64においてNOxの浄化が促進される。
一方、バイパス通路70を経由して第3排気通路42に供給される空気は、DOC66に供給されないため、バイパス通路70を流通する空気によってDOC66の温度が低下することが抑制される。
図6は、第1の実施の形態の変形例におけるDOC66の温度変化の一例を説明するための図である。図6の横軸は、時間を示す。図6の縦軸は、DOC66の床温(以下、触媒床温とも記載する)を示す。図6のLN4(実線)は、この変形例に係るエンジンシステム1におけるDOC66の温度変化を示す。図6のLN5(破線)は、第2排気通路40にバイパス通路70の他方端が接続される場合におけるDOC66の温度変化を示す。触媒床温Tc(0)は、触媒が活性化する温度の下限値を示している。
たとえば、時間t(0)にて、第2絞り弁72が開弁状態になると、バイパス通路70に空気が流通する。第2排気通路40にバイパス通路70の他方端が接続される場合には、図6のLN5に示すように、バイパス通路70の他方端から第2排気通路40に流通する空気がDOC66に供給され、供給された空気によりDOC66の温度が低下していく。そして、時間t(1)にて、DOC66の温度が触媒床温Tc(0)を下回り、DOC66の排気の浄化性能が低下することとなる。
一方、この変形例に係るエンジンシステム1において第3排気通路42にバイパス通路70の他方端が接続される構成とする場合には、バイパス通路70の他方端から第3排気通路42に流通する空気は、DOC66に供給されないので、図6のLN4に示すように、DOC66の温度は、触媒床温Tc(0)よりも高い状態で維持される。そのため、DOC66の浄化性能の低下を抑制することができる。
なお、TWC60に代えてPM除去フィルタが設けられる場合についても、NOx浄化触媒が設けられる場合についても同様に、各排気処理装置の温度を活性化可能な温度範囲で維持することができるため、浄化性能の低下を抑制することができる。
さらに上述の実施の形態では、過給機50は、ターボチャージャである場合を一例として説明したが、過給機50は、たとえば、コンプレッサをエンジン2の動力を用いて駆動するスーパーチャージャであってもよいし、コンプレッサをモータで動作させる電動ターボチャージャであってもよい。
さらに上述の実施の形態では、バイパス通路70の他方端が接続される位置よりも下流側の排気処理装置として、PM除去フィルタ62とNOx浄化触媒64とを含むものとして説明したが、PM除去フィルタ62とNOx浄化触媒64とに加えてまたは代えて三元触媒および酸化触媒のうちの少なくともいずれかが下流側の排気処理装置として設けられるようにしてもよい。
なお、上記した変形例は、その全部または一部を組み合わせて実施してもよい。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、ECU100が過給機50の動作点が所定範囲内であるという予め定められた条件が成立する場合に、過給機50により過給されている状態において開弁状態になるように第2絞り弁72を制御するようにした。これに対して、第2の実施の形態では、ECU100がTWC60における酸素吸蔵量と空燃比とについての予め定められた条件が成立する場合に、過給機50により過給されている状態において開弁状態になるように第2絞り弁72を制御するものとする。
図7は、第2の実施の形態に係るエンジンシステム1の概略構成の一例を示す図である。図7に示される第2の実施の形態に係るエンジンシステム1の構成は、図1に示した第1の実施の形態に係るエンジンシステム1の構成と比較して、大気圧計206が省略され、かつ、空燃比計208を含む点、および、タービン54が可変ノズル機構58を含む点で異なる。それ以外の構成については、図1に示したエンジンシステム1の構成と同様であり、同じ参照符号を付与している。そのため、それらの構成についての詳細な説明は繰り返さない。
空燃比計208は、ECU100に接続される。空燃比計208は、第2排気通路40を流通する排気の空燃比を検出する。空燃比計208は、検出した空燃比を示す信号をECU100に送信する。
可変ノズル機構58は、タービン54を作動させる排気の流速を変化させる。可変ノズル機構58は、タービン54のタービンホイールの外周側に配置され、排気流入口から供給される排気をタービンホイールに導く複数のノズルベーン(図示せず)と、複数のノズルベーンの各々を回転させることによって隣接するノズルベーン間の隙間(以下、VN開度と記載する)を変化させる駆動装置(図示せず)とを含む。可変ノズル機構58は、たとえば、ECU100からの制御信号C4に応じて動作する駆動装置を用いてノズルベーンを回転させることによってVN開度を変化させる。たとえば、VN開度が小さく制御されることによって隣接するノズルベーン間の隙間が小さくなる。そのため、排気の流速が上昇し、タービンホイールの回転速度を上昇させることにより、過給圧を高めることができる。同様に、VN開度が大きく制御されることにより、排気の流速が低下し、タービンホイールの回転速度を低下させることにより、過給圧を低下させることができる。
このような構成において、本実施の形態において、ECU100は、TWC60における酸素吸蔵量がしきい値以下であって、かつ、空燃比計208によって検出される排気の空燃比がストイキ状態またはリッチ状態を示す値であるという予め定められた条件が成立する場合に、過給機50によって過給されている状態において開弁状態になるように第2絞り弁72を制御するものとする。
このようにすると、エンジン2の排気の空燃比がストイキ状態またはリッチ状態を示す値であるため、バイパス通路70の他方端と第3排気通路42との接続位置よりも上流側の排気処理装置に含まれる三元触媒においてHC、COおよびNOxなどの排気成分を浄化させることができる。また、TWC60において酸素吸蔵量が低いと、TWC60から酸素が吐き出されないが、バイパス通路70を経由して空気が上記接続位置よりも下流側の排気処理装置に供給されるため、下流側の排気処理装置に含まれるPM除去フィルタ62およびNOx浄化触媒64における排気の浄化性能を向上させることができる。そのため、PM除去フィルタ62においてPMを燃焼させやすくなったり、NOx浄化触媒64においてNOxの浄化が促進されたりする。
以下、図8を参照して、第2の実施の形態におけるECU100で実行される処理について説明する。図8は、第2の実施の形態においてECU100で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、所定の制御周期毎にメインルーチンから呼び出されて実行される。
S200にて、ECU100は、第1圧力と空燃比を取得する。ECU100は、第1圧力計202を用いて第1圧力を取得する。ECU100は、空燃比計208を用いて空燃比を取得する。
S202にて、ECU100は、TWC60の酸素吸蔵量を推定する。ECU100は、たとえば、空燃比を含むエンジン2の運転履歴を用いてTWC60の酸素吸蔵量を推定する。
ECU100は、たとえば、予め定められた期間(たとえば、制御周期)において、空燃比がリーン状態である場合には、過剰分の酸素が貯蔵されるため、空燃比から酸素の貯蔵量の増加分を推定する。ECU100は、推定された酸素の貯蔵量の増加分を前回の貯蔵量の推定値に加算することで、今回の貯蔵量の推定値を算出する。同様に、ECU100は、たとえば、予め定められた期間において、空燃比がリッチ状態である場合には、不足分の酸素が吐き出されるため、空燃比から酸素の貯蔵量の減少分を推定する。ECU100は、推定された酸素の貯蔵量の減少分を前回の貯蔵量の推定値に加算することで、今回の貯蔵量の推定値を算出する。なお、増加分の推定および減少分の推定には、空燃比に加えてエンジン2の運転状態を考慮してもよい。
S204にて、ECU100は、酸素吸蔵量がしきい値以下であって、かつ、空燃比がストイキ状態またはリッチ状態を示す値であるか否かを判定する。しきい値は、たとえば、酸素吸蔵量が不足している状態を判定するための値である。しきい値は、たとえば、ゼロであってもよいし、ゼロよりも大きい値であってもよく、実験等によって適合される予め定められた値である。酸素吸蔵量がしきい値以下であって、かつ、空燃比がストイキ状態またはリッチ状態を示す値であると判定される場合(S204にてYES)、処理はS206に移される。
S206にて、ECU100は、過給圧上昇制御を実行する。ECU100は、たとえば、第1圧力がしきい値を超えるように可変ノズル機構58を制御する。ECU100は、たとえば、第1圧力としきい値との差に対応した開度になるように可変ノズル機構58を制御する。ECU100は、たとえば、第1圧力としきい値との差とVN開度との関係を示すマップ等を用いて開度を設定し、設定された開度になるように可変ノズル機構58を制御する。しきい値は、少なくともバイパス通路70を経由して第3排気通路42に空気が流通可能な圧力であればよく、特に限定されるものではなく、たとえば、予め定められた値である。なお、ECU100は、第1圧力がしきい値を超えている場合には、可変ノズル機構58の制御状態を維持する。
S208にて、ECU100は、開弁状態になるように第2絞り弁72を制御する。ECU100は、第2絞り弁72を開弁状態にした場合には、第2絞り弁72が開弁状態であることを示すフラグをオン状態にする。
S210にて、ECU100は、第1圧力と第2圧力を取得する。ECU100は、第1圧力計202を用いて第1圧力を取得するとともに、第2圧力計204を用いて第2圧力を取得する。なお、ECU100は、第2絞り弁72を開弁状態にしてから圧力変化が収束する予め定められた時間が経過した後に第1圧力と第2圧力とを取得することが望ましい。
S212にて、ECU100は、バイパス通路70を通過する空気の流量を算出する。ECU100は、第1圧力と第2圧力との圧力差を用いてバイパス通路70を通過する空気の流量を算出する。
S214にて、ECU100は、空燃比が目標空燃比になるようにエンジン2を制御する。具体的な制御方法については、上述の第1の実施の形態における図2のフローチャートのS112の処理に示されるエンジン2の制御方法と同様である。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
なお、酸素吸蔵量がしきい値よりも大きい場合や、空燃比がリーン状態を示す値である場合には(S204にてNO)、処理はS216に移される。
S216にて、ECU100は、第2絞り弁72が開弁状態であるか否かを判定する。ECU100は、第2絞り弁72が開弁状態であることを示すフラグがオン状態である場合に、第2絞り弁72が開弁状態であると判定する。第2絞り弁72が開弁状態であると判定される場合(S216にてYES)、処理はS218に移される。
S218にて、ECU100は、閉弁状態になるように第2絞り弁72を制御する。ECU100は、たとえば、第2絞り弁72を閉弁状態にした場合には、第2絞り弁72が開弁状態であることを示すフラグをオフ状態にする。
なお、第2絞り弁72が開弁状態でないと判定される場合(S216にてNO)、この処理は終了される。
以上のような構造およびフローチャートに基づくECU100の動作について図9を参照しつつ説明する。図9は、空燃比と酸素吸蔵量とNOx排出量との変化を示すタイミングチャートである。図9の横軸は、時間を示す。図9の縦軸は、空燃比と酸素吸蔵量とNOx排出量とを示す。図9のLN6は、空燃比の変化を示す。図9のLN7は、酸素吸蔵量の変化を示す。図9のLN8は、酸素吸蔵量の低下時に第2絞り弁72を開弁状態にしない場合におけるNOx浄化触媒64からのNOx排出量の変化を示す。図9のLN9は、酸素吸蔵量の低下時に第2絞り弁72を開弁状態にする場合におけるNOx浄化触媒64からのNOx排出量の変化を示す。
第1圧力と空燃比とが取得されると(S200)、空燃比を含むエンジン2の運転履歴を用いてTWC60の酸素吸蔵量が推定される(S202)。
たとえば、図9の時間t(2)前のLN6に示すように、エンジン2からの排気の空燃比がリーン状態を示す値であって、TWC60において酸素吸蔵量が上限値である場合には(S204にてNO)、第2絞り弁72の閉弁状態が維持される(S216にてNO)。このとき、排気の空燃比がリーン状態であるため、TWC60およびNOx浄化触媒64の各々においてNOxの浄化が行なわれることによってNOx排出量の増加が抑制される。
時間t(2)にて、エンジン2の運転状態の変化により排気の空燃比がリッチ状態になると、TWC60に吸蔵された酸素が供給され、TWC60の触媒表面はストイキ状態が維持されることによって、HC、COおよびNOxの浄化が行なわれる。その結果、TWC60における酸素吸蔵量が低下していくこととなる。
そして、時間t(3)にて、排気の空燃比がリッチ状態のまま、酸素吸蔵量がしきい値以下になると(S204にてYES)、過給圧上昇制御が実行されることによって第1圧力がしきい値を超えるように可変ノズル機構58が制御されるとともに(S206)、第2絞り弁72が開弁状態になる(S208)。そして、第1圧力と第2圧力とが取得されると(S210)、取得された第1圧力と第2圧力との圧力差を用いてバイパス通路70に流通する空気の流量が算出される(S212)。算出された空気の流量を用いてエンジン2の制御が実行される(S214)。
バイパス通路70を経由して供給される空気によって空燃比がリーン状態を示す値になる排気がPM除去フィルタ62およびNOx浄化触媒64に供給される。その結果、PM除去フィルタ62において堆積したPMが燃焼させやすくなるとともに、NOx浄化触媒64においてNOxの浄化が促進される。
たとえば、第2絞り弁72が開弁状態にならない場合には、酸素吸蔵量の低下によりTWC60においてNOxが十分に浄化されず、空燃比がリッチ状態であることによりNOx浄化触媒64においてもNOxが十分に浄化されない。そのため、図9のLN8に示すように、時間t(3)以降においてNOx排出量が増加していき、その後、一定量のNOxが排出される状態が継続する。
これに対して、時間t(3)にて、第2絞り弁72が開弁状態になる場合には、第2絞り弁72が開弁状態になる場合には、バイパス通路70を経由して供給される空気によってNOx浄化触媒64においてNOxが浄化されるため、図9のLN9に示すように、時間t(3)以降においてもNOxが排出されない状態が継続される。
なお、時間t(4)にて、空燃比がリーン状態になると(S204にてNO)、第2絞り弁72が開弁状態であるため(S216にてYES)、閉弁状態になるように第2絞り弁72が制御される(S218)。
以上のようにして、本実施の形態に係るエンジンシステム1によると、酸素吸蔵量がしきい値よりも低下するという条件と、エンジンの排気の空燃比がストイキ状態およびリッチ状態のうちの少なくともいずれかの状態を示す値であるという条件とを含む予め定められた条件が成立する場合に、過給機50によって適切に過給されている状態において第2絞り弁72が開弁状態になる。そのため、上流側排気処理装置に含まれるTWC60においてNOxを十分に浄化できない場合でもバイパス通路70を経由して空気が下流側排気処理装置に供給されるため、NOx浄化触媒64に供給される排気の空燃比をリーン側の値に変化させることができるため、NOxの浄化性能の低下を抑制することができる。したがって、過給機の動作状態がサージ領域に入ることを抑制しつつ、排気処理装置の排気の浄化性能の低下を抑制するエンジンシステムを提供することができる。
さらにECU100は、第1圧力と第2圧力との圧力差を用いてバイパス通路70を流通する気体の流量を算出し、算出された流量を用いて算出されるエンジン2に流通する気体の流量を算出することができる。そのため、エンジン2の燃料噴射量を適切に調整し、排気の空燃比を適切な空燃比に調整することができる。
さらに、バイパス通路70には、逆止弁74が設けられるため、排気側から吸気側へとバイパス通路70を経由して気体が逆流することを抑制することができる。
さらに、バイパス通路70から空気が供給される第3排気通路42よりも上流側の排気処理装置としてTWC60が設けられるため、バイパス通路70を経由した空気の供給対象からTWC60が除外される。そのため、TWC60の温度が不必要に低下することを抑制することができる。
以下、変形例について記載する。
上述の実施の形態においては、第2絞り弁72は、開弁状態と、閉弁状態とのうちのいずれか一方の状態から他方の状態に切替えるものとして説明したが、第2絞り弁72は、開度が調整可能に構成されるようにしてもよい。このようにすると、たとえば、バイパス通路70を流通する気体の流量が目標流量になるように第2絞り弁72の開度を調整することができる。そのため、第3排気通路42よりも下流側の排気処理装置に供給される空気量を適切な量に調整することができる。そのため、下流側の排気処理装置の排気の浄化性能が低下することを抑制することができる。
さらに上述の実施の形態においては、流量算出部104が第1圧力と第2圧力との圧力差からバイパス通路70を流通する空気の流量を算出するものとして説明したが、第2絞り弁72の開度が調整可能な場合には、以下のようにしてバイパス通路70を流通する空気の流量を算出してもよい。すなわち、第1圧力と、第2絞り弁72の開度と、バイパス通路70を流通する空気の流量との関係を示すマップを実験等により作成しておき、流量算出部104は、第1圧力と、第2絞り弁72の開度と、上述のマップとからバイパス通路70を流通する空気の流量を算出するようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態においては、バイパス通路70からの空気が供給される第3排気通路42よりも上流側の排気処理装置としてTWC60が設けられる構成を一例として説明したが、上流側の排気処理装置としては、TWC60に特に限定されるものではない。上流側の排気処理装置としては、たとえば、TWC60に代えて酸化触媒(DOC)と、PM除去フィルタと、NOx浄化触媒とのうちの少なくともいずれかを含むようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態では、過給機50は、ターボチャージャである場合を一例として説明したが、過給機50は、たとえば、スーパーチャージャであってもよいし、電動ターボチャージャであってもよい。
さらに上述の実施の形態では、バイパス通路70の他方端が接続される位置よりも下流側の排気処理装置として、PM除去フィルタ62とNOx浄化触媒64とを含むものとして説明したが、少なくともNOx浄化触媒64が設けられていればよく、たとえば、NOx浄化触媒64に加えてPM除去フィルタと三元触媒と酸化触媒とのうちの少なくともいずれかが下流側の排気処理装置として設けられるようにしてもよい。
なお、上記した変形例は、その全部または一部を組み合わせて実施してもよい。
<第3の実施の形態>
第1の実施の形態では、ECU100が過給機50の動作点が所定範囲内であるという予め定められた条件が成立する場合に、過給機50により過給されている状態において開弁状態になるように第2絞り弁72を制御するようにした。これに対して、第3の実施の形態では、ECU100がPM除去フィルタ62において堆積したPM堆積量についての予め定められた条件が成立する場合に、過給機50により過給されている状態において開弁状態になるように第2絞り弁72を制御するものとする。
図10は、第3の実施の形態に係るエンジンシステム1の概略構成の一例を示す図である。図10に示される第3の実施の形態に係るエンジンシステム1の構成は、図1に示した第1の実施の形態に係るエンジンシステム1の構成と比較して、大気圧計206が省略され、かつ、ECU100がPM堆積量推定部108をさらに含む点、および、タービン54が可変ノズル機構58を含む点で異なる。それ以外の構成については、図1に示したエンジンシステム1の構成と同様であり、同じ参照符号を付している。そのため、それらの構成についての詳細な説明は繰り返さない。さらに、可変ノズル機構58は、上述の第2の実施の形態において説明した可変ノズル機構58と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
ECU100は、PM堆積量推定部108をさらに含む。PM堆積量推定部108は、PM除去フィルタ62におけるPM堆積量を推定する。ECU100は、たとえば、エンジン2の運転条件(たとえば、エンジン回転数や燃料噴射量の指令値や吸入空気量等)からエンジン2からの予め定められた期間(たとえば、制御周期)のPMの排出量を算出する。ECU100は、算出された予め定められた期間のPMの排出量を積算することによってPM堆積量を推定する。なお、ECU100は、たとえば、PM除去フィルタ62の上流と下流との圧力差によってPM除去フィルタ62におけるPM堆積量を推定してもよい。PM堆積量推定部108は、PM堆積量の推定結果をエンジン制御部102に出力する。
このような構成において、本実施の形態において、ECU100は、PM除去フィルタ62におけるPM堆積量がしきい値以上であるという条件を含む予め定められた条件が成立する場合に、過給機50によって過給されている状態において開弁状態になるように第2絞り弁72を制御するものとする。
このようにすると、予め定められた実行条件が成立して、第2絞り弁72が開弁状態になると、バイパス通路70の他方端が接続される第3排気通路42よりも下流側の排気処理装置であるPM除去フィルタ62に第3排気通路を経由して空気が供給される。そのため、PM除去フィルタ62を流通する排気の空燃比をリーン側に変化させることができる。そのため、PM除去フィルタ62に捕集される煤を燃焼させてPM除去フィルタ62を再生することができる。
以下、図11を参照して、第3の実施の形態におけるECU100で実行される処理について説明する。図11は、第3の実施の形態においてECU100で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、所定の制御周期毎にメインルーチンから呼び出されて実行される。
S300にて、ECU100は、第1圧力を取得する。ECU100は、第1圧力計202を用いて第1圧力を取得する。
S302にて、ECU100は、PM除去フィルタ62におけるPM堆積量を推定する。PM堆積量の推定方法については、上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。
S304にて、ECU100は、PM堆積量がしきい値以上であるか否かを判定する。しきい値は、たとえば、PM除去フィルタ62において再生処理が必要であるか否かを判定するための値であって、実験等により適合される。PM堆積量がしきい値以上であると判定される場合(S304にてYES)、処理はS306に移される。
S306にて、ECU100は、過給圧上昇制御を実行する。具体的な制御方法については、上述の第2の実施の形態における図8のフローチャートのS206の処理に示される過給圧上昇制御と同様の制御方法である。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
S308にて、ECU100は、開弁状態になるように第2絞り弁72を制御する。ECU100は、第2絞り弁72を開弁状態にした場合には、第2絞り弁72が開弁状態であることを示すフラグをオン状態にする。
S310にて、ECU100は、第1圧力と第2圧力を取得する。ECU100は、第1圧力計202を用いて第1圧力を取得するとともに、第2圧力計204を用いて第2圧力を取得する。なお、ECU100は、第2絞り弁72を開弁状態にしてから圧力変化が収束する予め定められた時間が経過した後に第1圧力と第2圧力とを取得することが望ましい。
S312にて、ECU100は、バイパス通路70を通過する空気の流量を算出する。ECU100は、第1圧力と第2圧力との圧力差を用いてバイパス通路70を通過する空気の流量を算出する。
S314にて、ECU100は、空燃比が目標空燃比になるようにエンジン2を制御する。具体的な制御方法については、上述の第1の実施の形態における図2のフローチャートのS112の処理に示されるエンジン2の制御方法と同様である。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
なお、PM堆積量がしきい値よりも小さい場合には(S304にてNO)、処理はS316に移される。
S316にて、ECU100は、第2絞り弁72が開弁状態であるか否かを判定する。ECU100は、たとえば、第2絞り弁72が開弁状態であることを示すフラグがオン状態である場合に、第2絞り弁72が開弁状態であると判定する。第2絞り弁72が開弁状態であると判定される場合(S316にてYES)、処理はS318に移される。
S318にて、ECU100は、閉弁状態になるように第2絞り弁72を制御する。ECU100は、第2絞り弁72を閉弁状態にした場合には、第2絞り弁72が開弁状態であることを示すフラグをオフ状態にする。
なお、第2絞り弁72が開弁状態でないと判定される場合(S316にてNO)、この処理は終了される。
以上のような構造およびフローチャートに基づくECU100の動作について説明する。なお、第2絞り弁72は、閉弁状態である場合を想定する。
第1圧力が取得されるとともに(S300)、PM除去フィルタ62におけるPM堆積量が推定される(S302)。推定されたPM堆積量がしきい値以上であるか否かが判定される(S304)。PM堆積量がしきい値よりも小さい場合には(S304にてNO)、第2絞り弁72の閉弁状態が維持される(S316にてNO)。エンジン2の運転が継続すると、時間の経過とともにPM除去フィルタ62においてPM堆積量が増加していく。
PM堆積量がしきい値以上になると(S304にてYES)、過給圧上昇制御が実行されることによって第1圧力がしきい値を超えるように可変ノズル機構58が制御されるとともに(S306)、第2絞り弁72が開弁状態になる(308)。そして、第1圧力と第2圧力とが取得されると(S310)、取得された第1圧力と第2圧力との圧力差を用いてバイパス通路70に流通する空気の流量が算出される(S312)。算出された空気の流量を用いてエンジン2の制御が実行される(S314)。
バイパス通路70を経由して供給される空気によって空燃比がリーン状態を示す値になる排気がPM除去フィルタ62およびNOx浄化触媒64に供給される。その結果、PM除去フィルタ62において堆積したPMが燃焼することでPM除去フィルタ62の再生が進行するとともに、NOx浄化触媒64においてNOxの浄化が促進される。
なお、PM堆積量がしきい値よりも小さく(S304にてNO)、かつ、第2絞り弁72が開弁状態であると(S316にてYES)、閉弁状態になるように第2絞り弁72が制御される(S318)。
以上のようにして、本実施の形態に係るエンジンシステム1によると、PM堆積量がしきい値よりも大きくなるという条件を含む予め定められた条件が成立する場合に、過給機50によって適切に過給されている状態において第2絞り弁72が開弁状態になる。そのため、バイパス通路70を経由して空気がPM除去フィルタ62に供給されるため、PM除去フィルタ62に堆積したPMを燃焼させてPM除去フィルタ62を再生させることができる。したがって、過給機の動作状態がサージ領域に入ることを抑制しつつ、排気処理装置の排気の浄化性能の低下を抑制するエンジンシステムを提供することができる。
さらにECU100は、第1圧力と第2圧力との圧力差を用いてバイパス通路70を流通する気体の流量を算出し、算出された流量を用いて算出されるエンジン2に流通する気体の流量を算出することができる。そのため、エンジン2の燃料噴射量を適切に調整し、排気の空燃比を適切な空燃比に調整することができる。
さらに、バイパス通路70には、逆止弁74が設けられるため、排気側から吸気側へとバイパス通路70を経由して気体が逆流することを抑制することができる。
さらに、バイパス通路70から空気が供給される第3排気通路42よりも上流側の排気処理装置としてTWC60が設けられるため、バイパス通路70を経由した空気の供給対象からTWC60が除外される。そのため、TWC60の温度が不必要に低下することを抑制することができる。
以下、変形例について記載する。
上述の実施の形態においては、第2絞り弁72は、開弁状態と、閉弁状態とのうちのいずれか一方の状態から他方の状態に切替えるものとして説明したが、第2絞り弁72は、開度が調整可能に構成されるようにしてもよい。このようにすると、たとえば、バイパス通路70を流通する気体の流量が目標流量になるように第2絞り弁72の開度を調整することができる。そのため、第3排気通路42よりも下流側の排気処理装置に供給される空気量を適切な量に調整することができる。そのため、下流側の排気処理装置の排気の浄化性能が低下することを抑制することができる。
さらに上述の実施の形態においては、流量算出部104が第1圧力と第2圧力との圧力差からバイパス通路70を流通する空気の流量を算出するものとして説明したが、第2絞り弁72の開度が調整可能な場合には、以下のようにしてバイパス通路70を流通する空気の流量を算出してもよい。すなわち、第1圧力と、第2絞り弁72の開度と、バイパス通路70を流通する空気の流量との関係を示すマップを実験等により作成しておき、流量算出部104は、第1圧力と、第2絞り弁72の開度と、上述のマップとからバイパス通路70を流通する空気の流量を算出するようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態においては、バイパス通路70からの空気が供給される第3排気通路42よりも上流側の排気処理装置としてTWC60が設けられる構成を一例として説明したが、上流側の排気処理装置としては、TWC60に特に限定されるものではない。上流側の排気処理装置としては、たとえば、TWC60に代えて酸化触媒(DOC)と、PM除去フィルタと、NOx浄化触媒とのうちの少なくともいずれかを含むようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態では、過給機50は、ターボチャージャである場合を一例として説明したが、過給機50は、たとえば、スーパーチャージャであってもよいし、電動ターボチャージャであってもよい。
さらに上述の実施の形態では、バイパス通路70の他方端が接続される位置よりも下流側の排気処理装置として、PM除去フィルタ62とNOx浄化触媒64とを含むものとして説明したが、少なくともPN除去フィルタ62が設けられていればよく、たとえば、PM除去フィルタ62に加えてNOx浄化触媒と三元触媒と酸化触媒とのうちの少なくともいずれかが下流側の排気処理装置として設けられるようにしてもよい。
なお、上記した変形例は、その全部または一部を組み合わせて実施してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 エンジンシステム、2 エンジン、10 第1吸気通路、12 第1絞り弁、20 第2吸気通路、30 第1排気通路、40 第2排気通路、42 第3排気通路、50 過給機、52 コンプレッサ、54 タービン、56 シャフト、58 可変ノズル機構、60 三元触媒、62 PM除去フィルタ、64 NOx浄化触媒、70 バイパス通路、72 第2絞り弁、74 逆止弁、80 EGR通路、82 EGR弁、100 ECU、102 エンジン制御部、104 流量算出部、106 バルブ制御部、108 PM堆積量推定部、200 流量計、202 第1圧力計、204 第2圧力計、206 大気圧計、208 空燃比計。

Claims (10)

  1. エンジンと、
    前記エンジンの吸気通路に設けられるコンプレッサを含み、前記コンプレッサを用いて前記エンジンに吸入される吸気を過給する過給機と、
    前記エンジンの排気通路に設けられ、前記エンジンから排出される排気を浄化する複数の排気処理装置と、
    前記コンプレッサと前記エンジンとの間に設けられ、前記吸気通路を流通する空気量を調整可能に構成される第1絞り弁と、
    前記吸気通路における前記コンプレッサと前記第1絞り弁との間の位置に一方端が接続され、他方端が前記排気通路における前記複数の排気処理装置のうちの2つの排気処理装置の間の位置に接続されるバイパス通路と、
    前記バイパス通路を流通する空気量を調整可能に構成される第2絞り弁と、
    前記吸気通路における前記コンプレッサと前記第1絞り弁との間を流通する気体の第1圧力を検出する第1圧力検出装置と、
    前記バイパス通路内の前記第2絞り弁よりも前記排気通路側の気体の第2圧力を検出する第2圧力検出装置と、
    前記第2絞り弁の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、予め定められた条件が成立する場合に、前記過給機によって過給されている状態において開弁状態になるように前記第2絞り弁を制御し、
    前記第1圧力と前記第2圧力との差と前記第2絞り弁の開度とを用いて、前記バイパス通路を流通する気体の流量をバイパス流量として算出し、前記吸気通路を流通する気体の総流量から前記バイパス流量を減算して前記エンジンに流入する流入流量を算出し、算出された流入流量を用いて前記エンジンの空燃比が目標空燃比になるように燃料噴射量を制御し、
    前記予め定められた条件は、前記コンプレッサにおける圧力比と吸入空気量とによって示される前記過給機の動作領域が前記過給機のサージ領域と、前記サージ領域の吸入空気量側の境界に隣接する第1領域とを含む範囲内であるという条件を含む、エンジンシステム。
  2. 前記制御装置は、前記コンプレッサから流出する空気の第1圧力と大気圧とを用いて算出される前記圧力比と、前記コンプレッサに流入する前記吸入空気量とによって示される前記動作領域が前記第1領域を含む予め定められた第2領域内になるように前記第2絞り弁との動作を制御する、請求項1に記載のエンジンシステム。
  3. 前記2つの排気処理装置のうちの流通する排気の上流側の上流側排気処理装置は、三元触媒と、酸化触媒と、PM除去フィルタと、NOx浄化触媒とのうちの少なくともいずれかを含む、請求項1または2に記載のエンジンシステム。
  4. 前記2つの排気処理装置のうちの流通する排気の上流側の上流側排気処理装置は、三元触媒を含み、
    前記2つの排気処理装置のうちの流通する排気の下流側の下流側排気処理装置は、PM除去フィルタとNOx浄化触媒とを含む、請求項1に記載のエンジンシステム。
  5. エンジンと、
    前記エンジンの吸気通路に設けられるコンプレッサを含み、前記コンプレッサを用いて前記エンジンに吸入される吸気を過給する過給機と、
    前記エンジンの排気通路に設けられ、前記エンジンから排出される排気を浄化する複数の排気処理装置と、
    前記コンプレッサと前記エンジンとの間に設けられ、前記吸気通路を流通する空気量を調整可能に構成される第1絞り弁と、
    前記吸気通路における前記コンプレッサと前記第1絞り弁との間の位置に一方端が接続され、他方端が前記排気通路における前記複数の排気処理装置のうちの2つの排気処理装置の間の位置に接続されるバイパス通路と、
    前記バイパス通路を流通する空気量を調整可能に構成される第2絞り弁と、
    前記第2絞り弁の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、予め定められた条件が成立する場合に、前記過給機によって過給されている状態において開弁状態になるように前記第2絞り弁を制御し、
    前記2つの排気処理装置のうちの流通する排気の上流側の上流側排気処理装置は、三元触媒を含み、
    前記2つの排気処理装置のうちの流通する排気の下流側の下流側排気処理装置は、三元触媒と、酸化触媒と、NOx浄化触媒とのうちの少なくともいずれかを含み、
    前記予め定められた条件は、前記上流側排気処理装置における酸素吸蔵量がしきい値よりも低いという条件と、前記エンジンの排気の空燃比がストイキ状態およびリッチ状態のうちの少なくともいずれかの状態を示す値であるという条件とを含む、エンジンシステム。
  6. 前記NOx浄化触媒は、選択還元型NOx浄化触媒と、吸蔵還元型NOx浄化触媒とのうちの少なくともいずれかを含む、請求項4または5に記載のエンジンシステム。
  7. 前記過給機は、過給圧を調整可能な調整装置を含み、
    前記制御装置は、前記予め定められた条件が成立する場合には、前記過給圧がしきい値よりも高くなるように前記調整装置を制御するとともに、前記第2絞り弁を前記開弁状態にする、請求項4~6のいずれかに記載のエンジンシステム。
  8. 前記制御装置は、前記バイパス通路を流通する気体の流量を算出し、算出された前記流量を用いて算出される前記エンジンに流通する気体の流量を算出する、請求項1~7のいずれかに記載のエンジンシステム。
  9. 前記制御装置は、前記バイパス通路を流通する気体の流量を算出し、算出された前記流量が目標流量になるように前記第2絞り弁の開度を調整する、請求項1~8のいずれかに記載のエンジンシステム。
  10. 前記エンジンシステムは、前記バイパス通路に設けられ、前記バイパス通路において前記他方端から前記一方端への気体の逆流を抑制する弁をさらに備える、請求項1~のいずれかに記載のエンジンシステム。
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