JP7407781B2 - やに入りはんだ用フラックス、やに入りはんだ及びはんだ付け方法 - Google Patents

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Description

本発明は、やに入りはんだ用フラックス、このやに入りはんだ用フラックスを用いたやに入りはんだ及びはんだ付け方法に関する。
一般的に、はんだ付けに用いられるフラックスは、はんだ及びはんだ付けの対象となる接合対象物の金属表面に存在する金属酸化物を化学的に除去し、両者の境界で金属元素の移動を可能にする効能を持つ。このため、フラックスを使用してはんだ付けを行うことで、はんだと接合対象物の金属表面との間に金属間化合物が形成できるようになり、強固な接合が得られる。
はんだ付けで使用されるはんだとして、線状のはんだにフラックスが充填されたやに入りはんだと称すはんだが知られている。このようなやに入りはんだで使用されることを想定したフラックスが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、やに入りはんだを使用したはんだ付け方法としては、はんだごてと称す加熱部材を用いることが知られている。これに対し、はんだごての中心軸に貫通孔を備え、この貫通孔にやに入りはんだを供給してはんだ付けを行う技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平5-42388号公報 特開平5-42389号公報 特開2009-195938号公報
特許文献3に記載されているようなはんだごてを使用してはんだ付けを行うと、貫通孔に供給したやに入りはんだのフラックスに含まれる、はんだ付けで想定される熱履歴で揮発しにくいロジンが加熱後に残渣となり、貫通孔の内面に付着する場合がある。特許文献3に記載されているはんだごてを使用したはんだ付けでは、はんだごてがはんだの融点を超える所定の温度を保つように制御された状態で、やに入りはんだが貫通孔に供給されてはんだ付けが連続して行われる。これにより、残渣等の付着物が加熱され続けて炭化物となり、貫通孔内の焦げの原因となる。そして、はんだごての貫通孔内に炭化物が堆積して貫通孔の径が小さくなり、やに入りはんだが供給できなくなる可能性がある。
そこで、特許文献3に記載されているようなはんだごてに使用するフラックスとして、揮発性ロジンを主成分とし、はんだ溶融時にフラックスを揮発させることで、はんだごての貫通孔内に炭化物が堆積することを抑制する技術が提案されている。
揮発性ロジンを主成分とすることで、殆どのフラックスは目的通りに揮発する。しかし、一部残存したフラックス残渣が炭化物となり、はんだごての貫通孔内に堆積するため、最終的にはんだごての貫通孔が堆積物で詰まる要因となる。
本発明は、このような課題を解決するためなされたもので、堆積物の排出が促進されるフラックス、このフラックスを使用したやに入りはんだ及びはんだ付け方法を提供することを目的とする。
揮発しにくい不揮発性のロジンを含むフラックスは、特許文献3に記載されているようなはんだごてに使用されるやに入りはんだのフラックスには適さないと考えられてきた。これに対し、本発明者らは、不揮発性のロジンの中でもロジンエステルは、はんだごての貫通孔内のフラックス残渣による堆積物を液状化させることができ、堆積物の外部への排出を促進して、堆積物がはんだごての貫通孔の内部へ固着することを抑制できることを見出した。
そこで、本発明は、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔に供給されるやに入りはんだに使用されるやに入りはんだ用フラックスあって、ロジンエステルを、フラックス全体の質量に対して60質量%以上99.9質量%未満、共有結合ハロゲン化物を、フラックス全体の質量に対して0.1質量%以上15質量%以下、ロジンアミンまたはN,N-ジエチルオクチルアミン、あるいは、ロジンアミン及びN,N-ジエチルオクチルアミンを、フラックス全体の質量に対して0質量%超10質量%以下含むやに入りはんだ用フラックスである。
共有結合ハロゲン化物は、trans-2,3-ジブロモ-1,4-ブテンジオール、トリアリルイソシアヌレート6臭化物、1-ブロモ-2-ブタノール、1-ブロモ-2-プロパノール、3-ブロモ-1-プロパノール、3-ブロモ-1,2-プロパンジオール、1,4-ジブロモ-2-ブタノール、1,3-ジブロモ-2-プロパノール、2,3-ジブロモ-1-プロパノール、2,3-ジブロモ-1,4-ブタンジオール、2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール、trans-2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール、cis-2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール、2,2-ビス(ブロモメチル)-1,3-プロパンジオール、テトラブロモエタン、テトラブロモブタン、テトラブロモフタル酸、ブロモコハク酸、2,2,2-トリブロモエタノールの何れか1種または2種以上である。
また、ロジンエステルは、1種のロジンをエステル化したものの1種以上、あるいは、2種以上のロジン混合物をエステル化したものの1種以上であり、エステル化するロジンは、天然ロジン、並びに天然ロジンから得られるロジン誘導体である精製ロジン、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、水添不均化ロジン、酸変性ロジン、フェノール変性ロジン及びα、β不飽和カルボン酸変性物、並びに重合ロジンの精製物、水素化物及び不均化物、並びにα、β不飽和カルボン酸変性物の精製物、水素化物及び不均化物のいずれか、あるいは、その混合物である。
なお、更に他のロジンを、フラックス全体の質量に対して0質量%以上39質量以下含んでも良い。また、更に共有結合ハロゲン化物以外の活性剤を、フラックス全体の質量に対して0質量%以上39質量%以下含んでもよい。
また、本発明は、上述したやに入りはんだ用フラックスがはんだに充填されたやに入りはんだである。
更に、本発明は、ロジンエステルを、フラックス全体の質量に対して60質量%以上99.9質量%未満、共有結合ハロゲン化物を、フラックス全体の質量に対して0.1質量%以上15質量%以下、ロジンアミンまたはN,N-ジエチルオクチルアミン、あるいは、ロジンアミン及びN,N-ジエチルオクチルアミンを、フラックス全体の質量に対して0質量%超10質量%以下含むやに入りはんだ用フラックスが充填されたはんだからなるやに入りはんだが、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔に供給され、はんだの融点を超える温度まで、やに入りはんだをはんだごてで加熱して、接合対象物を加熱すると共に前記やに入りはんだを溶融させるはんだ付け方法である。
ロジンエステルは、はんだごての貫通孔内のフラックス残渣による堆積物を液状化させることができ、堆積物の外部への排出を促進して、堆積物がはんだごての貫通孔の内部へ固着することを抑制できる。
また、ハライド(結合しないハロゲン元素)として区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物を添加することで、信頼性を損なわずに良好な作業性を達成することができる。
本実施の形態のはんだ付け方法で使用されるはんだごての一例を示す説明図である。 本実施の形態のはんだ付け方法を示す説明図である。 本実施の形態のはんだ付け方法を示す説明図である。 本実施の形態のはんだ付け方法を示す説明図である。 本実施の形態のはんだ付け方法を示す説明図である。
<本実施の形態のやに入りはんだ用フラックスの一例>
本実施の形態のやに入りはんだ用フラックスは、ロジンエステルと、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物を含む。
ロジンエステルは、はんだごての貫通孔内のフラックス残渣による堆積物を液状化させることができ、堆積物の外部への排出を促進して、堆積物がはんだごての貫通孔の内部へ固着することを抑制できる。
但し、ロジンエステルを含むフラックスの課題として、フラックス中のベース材(ロジンエステルとその他のロジン)の酸価値低下が挙げられる。フラックス残渣による堆積物を液状化できる所定量のロジンエステルを含むフラックスでは、従来のアミンハロゲン塩の添加量では活性が不充分であり、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔にやに入りはんだを供給してはんだ付けを行うはんだ付け工法において、不濡れが発生しやすくなる課題が発生する。濡れ性向上のためにアミンハロゲン塩を増量することが考えられるが、アミンハロゲン塩を増量するとハライド(結合しないハロゲン元素)の含有量が増加するため信頼性が低下する可能性がある。
そこで、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔に供給されるやに入りはんだに使用される本実施の形態のやに入りはんだ用フラックスでは、ロジンエステルを、フラックス全体の質量に対して60質量%以上99.9質量%以下、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物を、フラックス全体の質量に対して0.1質量%以上15質量%以下含む。これにより、はんだごての貫通孔が堆積物で詰まることを抑制しつつ、信頼性を損なわずに良好な作業性を達成することが可能となる。
ロジンエステルの含有量が、本発明で規定される下限値の60質量%未満であると、はんだごての貫通孔が堆積物で詰まることを抑制する効果が十分に得られない。また、ロジンエステルの含有量が、本発明で規定される上限値の99.9質量%を超えると、はんだの濡れ性が低下する。
共有結合ハロゲン化物の含有量が、本発明で規定される下限値の0.1質量%未満であると、作業性が低下する。また、共有結合ハロゲン化物の含有量が、本発明で規定される上限値の15質量%を超えると、信頼性が低下する。
ロジンエステルは、1種のロジンをエステル化したものの1種以上、あるいは、2種以上のロジン混合物をエステル化したものの1種以上であることが好ましい。エステル化するロジンは、例えば、ガムロジン、ウッドロジン及びトール油ロジン等の天然ロジン、並びに天然ロジンから得られる誘導体が挙げられる。ロジン誘導体としては、例えば、精製ロジン、重合ロジン、水添ロジン(水素添加ロジン)、不均化ロジン、水添不均化ロジン、酸変性ロジン、フェノール変性ロジン及びα、β不飽和カルボン酸変性物(アクリル化ロジン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン等)、並びに重合ロジンの精製物、水素化物及び不均化物、並びにα、β不飽和カルボン酸変性物の精製物、水素化物及び不均化物のいずれか、あるいは、その混合物が挙げられる。また、ロジンエステルは、固形であることが好ましいが、フラックスがやに入りはんだの形態に加工できる粘度となるならば、液状のロジンエステルを使用してもよい。なお、やに入りはんだ用フラックスに求められる粘度は、例えば3500Pa・s以上であることが好ましい。
共有結合ハロゲン化物は、trans-2,3-ジブロモ-1,4-ブテンジオール、トリアリルイソシアヌレート6臭化物、1-ブロモ-2-ブタノール、1-ブロモ-2-プロパノール、3-ブロモ-1-プロパノール、3-ブロモ-1,2-プロパンジオール、1,4-ジブロモ-2-ブタノール、1,3-ジブロモ-2-プロパノール、2,3-ジブロモ-1-プロパノール、2,3-ジブロモ-1,4-ブタンジオール、2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール、trans-2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール、cis-2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール、2,2-ビス(ブロモメチル)-1,3-プロパンジオール、テトラブロモエタン、テトラブロモブタン、テトラブロモフタル酸、ブロモコハク酸、2,2,2-トリブロモエタノールの何れか1種または2種以上であることが好ましい。
本実施の形態のやに入りはんだ用フラックスは、更にロジンエステル以外の他のロジンや樹脂を、フラックス全体の質量に対して0質量%以上39質量以下含んでも良い。他のロジンは、例えば、ガムロジン、ウッドロジン及びトール油ロジン等の天然ロジン、並びに天然ロジンから得られる誘導体が挙げられる。ロジン誘導体としては、例えば、精製ロジン、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、水添不均化ロジン、酸変性ロジン、フェノール変性ロジン及びα 、β不飽和カルボン酸変性物(アクリル化ロジン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン等)、並びに重合ロジンの精製物、水素化物及び不均化物、並びにα、β不飽和カルボン酸変性物の精製物、水素化物及び不均化物が挙げられ、これらの1種以上を使用することができる。
また、他のロジン以外にも樹脂としては、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペンフェノール樹脂、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、及び変性キシレン樹脂から選択される少なくとも1種以上の樹脂をさらに含むことができる。変性テルペン樹脂としては、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添芳香族変性テルペン樹脂等を使用することができる。変性テルペンフェノール樹脂としては、水添テルペンフェノール樹脂等を使用することができる。変性スチレン樹脂としては、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等を使用することができる。変性キシレン樹脂としては、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール変性キシレン樹脂、フェノール変性レゾール型キシレン樹脂、ポリオール変性キシレン樹脂、ポリオキシエチレン付加キシレン樹脂等を使用することができる。
本実施の形態のやに入りはんだ用フラックスは、更に共有結合ハロゲン化物以外の他の活性剤を、フラックス全体の質量に対して0質量%以上39質量%以下含んでも良い。
他の活性剤は、有機酸、アミン、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物以外のハロゲン化物等を指す。そして、他の活性剤としては、有機酸を0質量%以上20質量%以下、アミンを0質量%以上10質量%以下、アミンハロゲン塩を0質量%以上3質量%以下含むことが好ましい。
有機酸としては、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、エイコサン二酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、サリチル酸、ジグリコール酸、ジピコリン酸、ジブチルアニリンジグリコール酸、スベリン酸、セバシン酸、チオグリコール酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ドデカン二酸、パラヒドロキシフェニル酢酸、ピコリン酸、フェニルコハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、ラウリン酸、安息香酸、酒石酸、イソシアヌル酸トリス(2-カルボキシエチル)、グリシン、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、4-tert-ブチル安息香酸、2,3-ジヒドロキシ安息香酸、2,4-ジエチルグルタル酸、2-キノリンカルボン酸、3-ヒドロキシ安息香酸、リンゴ酸、p-アニス酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
また、有機酸としては、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸に水素を添加した水添ダイマー酸またはオレイン酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸に水素を添加した水添トリマー酸等が挙げられる。更に、有機酸としては、オレイン酸とリノール酸の反応物以外のダイマー酸、オレイン酸とリノール酸の反応物以外のトリマー酸、オレイン酸とリノール酸の反応物以外のダイマー酸に水素を添加した水添ダイマー酸またはオレイン酸とリノール酸の反応物以外のトリマー酸に水素を添加した水添トリマー酸として、アクリル酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とメタクリル酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とメタクリル酸の反応物であるトリマー酸、オレイン酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸の反応物であるトリマー酸、リノール酸の反応物であるダイマー酸、リノール酸の反応物であるトリマー酸、リノレン酸の反応物であるダイマー酸、リノレン酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とオレイン酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とオレイン酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とオレイン酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とオレイン酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、オレイン酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、リノール酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、リノール酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、上述したオレイン酸とリノール酸の反応物以外のダイマー酸に水素を添加した水添ダイマー酸、オレイン酸とリノール酸の反応物以外のトリマー酸に水素を添加した水添トリマー酸等が挙げられる。本発明は上記有機酸の何れか1種以上を含有してもよい。
アミンとしては、モノエタノールアミン、ジフェニルグアニジン、エチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2′-メチルイミダゾリル-(1′)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2′-ウンデシルイミダゾリル-(1′)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2′-エチル-4′-メチルイミダゾリル-(1′)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2′-メチルイミダゾリル-(1′)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン、2,4-ジアミノ-6-ビニル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-ビニル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-s-トリアジン、エポキシ-イミダゾールアダクト、2-メチルベンゾイミダゾール、2-オクチルベンゾイミダゾール、2-ペンチルベンゾイミダゾール、2-(1-エチルペンチル)ベンゾイミダゾール、2-ノニルベンゾイミダゾール、2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2-(2′-ヒドロキシ-5′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-3′-tert-ブチル-5′-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-5′-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2′-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-tert-オクチルフェノール]、6-(2-ベンゾトリアゾリル)-4-tert-オクチル-6′-tert-ブチル-4′-メチル-2,2′-メチレンビスフェノール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2,2′-[[(メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、1-(1′,2′-ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1-(2,3-ジカルボキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1-[(2-エチルヘキシルアミノ)メチル]ベンゾトリアゾール、2,6-ビス[(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]-4-メチルフェノール、5-メチルベンゾトリアゾール、5-フェニルテトラゾール、ロジンアミン、N,N-ジメチルオクチルアミン、N,N-ジエチルオクチルアミン、N,N-ジエチルアニリン等が挙げられる。本発明は上記アミンの何れか1種以上を含有してもよい。
アミンハロゲン塩は、アミンとハロゲン化水素を反応させた化合物であり、アニリン塩化水素酸塩、アニリン臭化水素酸塩等が挙げられる。アミンハロゲン化水素酸塩のアミンとしては、上述したアミンを用いることができ、エチルアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン、メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、N,N-ジエチルアニリン等が挙げられ、ハロゲン化水素としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素の水素化物(塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、フッ化水素)が挙げられる。更にホウフッ化物でも良く、ホウフッ化物としてホウフッ化水素酸等が挙げられる。本発明は上記任意のアミンとハロゲン化水素を反応させた化合物であるアミンハロゲン塩の何れか1以上を含有してもよく、アミンとハロゲン化水素を反応させた化合物であるアミンハロゲン塩としては、N,N-ジエチルアニリン・HBr等が挙げられる。
なお、フラックスに有機酸とアミンが添加されると、所定量の有機酸とアミンが反応して塩となる。そこで、有機酸、アミンの2種以上を反応させて塩の状態にしてから添加することで、有機酸とアミンの反応を抑制できるようにしても良い。
更に、本実施の形態のやに入りはんだ用フラックスは、添加剤として、リン酸エステルを0質量%以上10wt%以下、シリコーンを0質量%以上5質量%以下、界面活性剤を0質量%以上5質量%以下、溶剤を0質量%以上13質量%以下、消泡剤を0質量%以上3質量%以下含んでも良い。
リン酸エステルとしては、メチルアシッドホスフェイト、エチルアシッドホスフェイト、イソプロピルアシッドホスフェイト、モノブチルアシッドホスフェイト、ブチルアシッドホスフェイト、ジブチルアシッドホスフェイト、ブトキシエチルアシッドホスフェイト、2-エチルへキシルアシッドホスフェイト、ビス(2-エチルへキシル)ホスフェイト、モノイソデシルアシッドホスフェイト、イソデシルアシッドホスフェイト、ラウリルアシッドホスフェイト、イソトリデシルアシッドホスフェイト、ステアリルアシッドホスフェイト、オレイルアシッドホスフェイト、牛脂ホスフェイト、ヤシ油ホスフェイト、イソステアリルアシッドホスフェイト、アルキルアシッドホスフェイト、テトラコシルアシッドホスフェイト、エチレングリコールアシッドホスフェイト、2-ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェイト、ジブチルピロホスフェイトアシッドホスフェイト、2-エチルヘキシルホスホン酸モノ-2-エチルヘキシル、アルキル(アルキル)ホスホネート等が挙げられる。本発明は上記リン酸エステルの何れか1種以上を含有してもよい。
シリコーンとしては、ジメチルシリコーンオイル、環状シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル・ポリエーテル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル等が挙げられる。本発明は上記シリコーンの何れか1種以上を含有してもよい。
界面活性剤としては、アクリルポリマー、ビニルエーテルポリマー、オレフィンポリマー、ブタジエンポリマー等が挙げられ、アクリルポリマーとしてポリオキシアルキレンポリアルキルアミド等が挙げられる。本発明は上記界面活性剤の何れか1種以上を含有してもよい。
溶剤としては、各種グリコールエーテル系溶剤等、例えばフェニルグリコール、ヘキシレングリコール、ヘキシルジグリコール等が挙げられるが、これらに限定されず、公知の溶剤を使用できる。溶剤の形状は固形でも液状のどちらでもよい。固形溶剤としては、ネオペンチルグリコール(2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール)、ジオキサングリコール、4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、カテコール等が挙げられる。本発明は上記溶剤の何れか1種以上を含有してもよい。
消泡剤としては、アクリルポリマー、ビニルエーテルポリマー、ブタジエンポリマー等が挙げられる。本発明は上記溶剤の何れか1種以上を含有してもよい。
<本実施の形態のやに入りはんだの構成例>
本実施の形態のやに入りはんだは、上述したやに入りはんだ用フラックスが充填された線状のはんだである。やに入りはんだ用フラックスは、はんだを加工する工程で流れ出さないように常温(例えば25℃)で固形であること、あるいは流れ出さないような所定の高粘度であることが求められる。なお、やに入りはんだ用フラックスに求められる粘度は、例えば3500Pa・s以上であることが好ましい。やに入りはんだ用フラックスが25℃において低粘度液体(粘度が3500Pa・s未満)であると、やに入りはんだの加工性が低下するため好ましくない。なお、後述するはんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔に供給可能な形状であれば、やに入りはんだの形状は、断面が円形で連続した形態の線状に限定されず、四角形等の角を有した形状や、星型等の任意の断面形状で連続した形態の線状、円柱状や角柱状等の任意の断面形状で非連続な形態のペレット状、連続した形態または非連続な形態のシート状、球状等、適宜変更可能である。
やに入りはんだの線径は、0.1mm以上3.0mm以下であり、好ましくは0.3mm以上1.6mm以下である。また、やに入りはんだに充填されたフラックスの含有量は、やに入りはんだを100とした場合、0.5質量%以上6質量%以下であり、好ましくは1.5質量%以上4.5質量%以下であり、より好ましく2.0質量%以上4.0質量%以下である。
はんだは、Sn単体、または、Sn-Ag系、Sn-Cu系、Sn-Ag-Cu系、Sn-Bi系、Sn-In系、Sn-Zn系、Sn-Pb系等、あるいは、これらの合金にSb、Bi、In、Cu、Zn、As、Ag、Cd、Fe、Ni、Co、Au、Ge、Ga、Al、Mn、Ti、P、Pb、Zr等を添加した合金で構成される。
<本実施の形態のはんだ付け方法の一例>
図1は、本実施の形態のはんだ付け方法で使用されるはんだごての一例を示す説明図、図2A、図2B、図2C及び図2Dは、本実施の形態のはんだ付け方法を示す説明図である。
本実施の形態のはんだ付け方法は、スルーホール実装や片面基板等に適用される。本実施の形態のはんだ付け方法で使用されるはんだごて1Aは、はんだごて1Aの中心軸に沿って貫通孔2が形成され、はんだごて1Aを加熱する加熱手段としてヒータ3を備える。
はんだごて1Aは、貫通孔2の直径Dが、やに入りはんだHの直径dより大きく、貫通孔2を通してはんだごて1Aの先端部10にやに入りはんだHを供給することが可能である。また、はんだごて1Aは、貫通孔2の直径Dが、電子部品100のリード端子101の直径dより大きく、貫通孔2の先端部10にリード端子101を挿入することが可能である。
本実施の形態のはんだ付け方法では、図2Aに示すように、電子部品100のリード端子101が、基板200に形成されたスルーホール201に挿入される。また、ヒータ3ではんだの融点を超えるまではんだごて1Aを加熱し、はんだごて1Aがはんだの融点を超える所定の温度を保つように制御する。次に、図2Bに示すように、リード端子101が挿入されたスルーホール201に、はんだごて1Aの先端部10を接触または近接させ、リード端子101をはんだごて1Aの貫通孔2に挿入する。
次に、はんだごて1Aの貫通孔2に所定の長さに切断されたやに入りはんだHを供給し、貫通孔2に挿入されたリード端子101にやに入りはんだHを接触させる。
はんだごて1Aがはんだの融点を超える所定の温度を保つように制御されることで、図2Cに示すように、やに入りはんだが加熱され、はんだが溶融すると共に、スルーホール201及びリード端子101が加熱される。
はんだの融点を超える温度まではんだごて1Aでやに入りはんだHを加熱する際、やに入りはんだ中のフラックスの粘度が低下し、フラックスがスルーホール201及びリード端子101に流れることで、はんだ、スルーホール201及びリード端子101の表面の金属酸化物が除去され、溶融したはんだがぬれ広がる。
次に、図2Dに示すように、はんだごて1Aをスルーホール201から離すことで、スルーホール201及びリード端子101にぬれ広がったはんだを硬化させる。
<本実施の形態のやに入りはんだ用フラックス、やに入りはんだ及びはんだ付け方法の作用効果例>
やに入りはんだ用フラックスが、本発明で規定された所定量のロジンエステルを含むことで、上述したはんだ付け方法において、はんだごての貫通孔内のフラックス残渣による堆積物を液状化させることができ、堆積物の外部への排出を促進して、堆積物がはんだごての貫通孔の内部へ固着することを抑制できる。
これにより、はんだごて1Aがはんだの融点を超える所定の温度を保つように制御された状態で、やに入りはんだHが貫通孔2に供給されてはんだ付けが連続して行われても、貫通孔2内に残渣の堆積物が固着することが抑制され、はんだごて1Aの貫通孔2が、残渣の堆積物で詰まる等の不具合の発生を抑制することができる。
更に、やに入りはんだ用フラックスが、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物を、本発明で規定された所定量含むことで、上述したはんだ付け方法において、信頼性を損なわずに良好な作業性を達成することが可能となる。
以下の表1、表2、表3、表4及び表5に示す組成で実施例と比較例のやに入りはんだ用フラックスを調合し、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔にやに入りはんだを供給して行われるはんだ付け方法に関するスルーホール濡れ上がり性試験と信頼性試験を行って、やに入りはんだが供給されるか否か、供給されたやに入りはんだの信頼性、作業性を検証した。信頼性試験としては、絶縁信頼性(絶縁抵抗値)、ハライド量(電位差)、はんだ付け性、活性剤の析出について検証した。なお、表1~表5における組成率は、フラックスの全体の質量を100とした場合の質量%である。
<スルーホール濡れ上がり性試験>
(1)検証方法
ピン部品を挿入した厚さ1.6mmのスルーホール基板を用意し、アポロ精工製J-CAT300SLVを用いて、はんだごての設定温度400℃、はんだ付け時間1.0sで40ポイントのはんだ付けを実施した。スルーホール濡れ上がり性試験におけるはんだ付けは、上述したように、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔にやに入りはんだを供給して行われる。試験後の基板をキーエンス製デジタルマイクロスコープ VHX-6000で観察し、下記条件で判定した。
(2)判定基準
◎:スルーホール内にはんだが充填されているポイントの割合が100%
〇:スルーホール内にはんだが充填されているポイントの割合が95%以上100%未満
×:スルーホール内にはんだが充填されているポイントの割合が95%未満
<信頼性試験>
(a)絶縁信頼性
(1)検証方法
JIS Z 3197に則り、やに入りはんだをくし形基板にはんだ付けし、85℃85%RHの高温高湿条件下に設置して、エスペック製イオンマイグレーション評価システムAMI-150-U-5を用いて100Vの電圧を印加することで電気絶縁性を測定した。JIS Z 3283よりJIS A級は168時間経過時点の絶縁抵抗値が1×10Ω以上と規定されているため、下記条件で判定した。
(2)判定基準
◎:168時間での絶縁抵抗値が1×108Ω以上
×:168時間での絶縁抵抗値が1×108Ω未満
(b)電位差測定
(1)検証方法
JIS Z 3197に則り、京都電子工業製電位差自動滴定装置AT-610を用いてやに入りはんだ用フラックスの2-プロパノール溶液を硝酸銀水溶液で滴定し、電位差の変位点からハライド含有量を求めた。JIS Z 3283よりJIS A級はハライド含有量が0.5%以下と規定されている為、下記条件で判定した。
(2)判定基準
◎:ハライド含有量が0.5%以下
×:ハライド含有量が0.5%超
(c)はんだ付け性
(1)検証方法
ピン部品を挿入せずに裏面にテープを貼付した厚さ1.6mmのスルーホール基板を用意し、はんだごての設定温度400℃、はんだ付け時間1.0sで15000ショットのはんだ付けを実施した。はんだ付け性におけるはんだ付けは、上述したように、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔にやに入りはんだを供給して行われる。15000ショット終了時にはんだごての貫通孔の内径をデジタルマイクロスコープで観察した後に、再度上記スルーホール濡れ上がり性試験を実施し、下記条件で判定した。
(2)判定基準
◎:堆積物を含むはんだごての貫通孔の内径が、堆積物を含まない貫通孔内径に対して60%以上、且つスルーホール濡れ上がり性試験で◎判定
〇:堆積物を含むはんだごての貫通孔の内径が、堆積物を含まない貫通孔内径に対して60%以上、且つスルーホール濡れ上がり性試験で〇判定
×:堆積物を含むはんだごての貫通孔の内径が、堆積物を含まない貫通孔内径に対して60%未満、又はスルーホール濡れ上がり性試験で×判定
(c)活性剤の析出
(1)検証方法
作製した実施例、比較例のやに入りはんだ用フラックスを容器に移して冷却させ、固化させた際の外観を目視で観察した。活性剤の析出が発生するとはんだ付け時の外観が悪くなる上、フラックス成分の偏りによる性能安定性への影響や信頼性への懸念も増加することから避ける必要があり、下記条件で判定した。
(2)判定基準
◎:固化したフラックス中に活性剤の析出が確認されない
×:固化したフラックス中に活性剤の析出が確認される
Figure 0007407781000001
Figure 0007407781000002

Figure 0007407781000003
Figure 0007407781000004
Figure 0007407781000005



ロジンエステルを、フラックス全体の質量に対して60質量%以上99.9質量%以下、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物を、フラックス全体の質量に対して0.1質量%以上15質量%以下含む各実施例のやに入りはんだ用フラックスでは、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔に供給されるやに入りはんだに使用されることで、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔にやに入りはんだを供給して行われるはんだ付け方法におけるスルーホール濡れ上がり性試験と信頼性試験(絶縁信頼性(絶縁抵抗値)、ハライド量(電位差)、はんだ付け性、活性剤の析出)のそれぞれについて、良好な結果が得られた。
これに対して、ロジンエステルの含有量が、本発明で規定される範囲の下限値を下回る比較例1、比較例2では、所望のはんだ付け性が得られなかった。また、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物を含まず、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物以外のハロゲン化物等であるアミンハロゲン塩を、本発明で規定される範囲の上限値を超えて含む比較例3では、ハライド量(電位差)が所望の値を満たさず、良好な効果が得られなかった。更に、アミンハロゲン塩の含有量は、本発明で規定される範囲内であるが、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物を含まない比較例4では、スルーホール濡れ上がり性試験、はんだ付け性が所望の値を満たさず、良好な効果が得られなかった。これに対し、実施例2に示すように、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物を、本発明で規定される範囲内で含むことで、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物以外のハロゲン化物等であるアミンハロゲン塩を、本発明で規定される範囲内で含むことでも、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔にやに入りはんだを供給して行われるはんだ付け方法におけるスルーホール濡れ上がり性試験、はんだ付け性で良好な効果が得られた。また、他の信頼性試験についても良好な結果が得られた。
また、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物としてtrans-2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオールを含むが、その含有量が本発明で規定される範囲の上限値を超える比較例5では、活性剤の析出量が所望の値を満たさず、良好な効果が得られなかった。更に、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物として2,2,2-トリブロモエタノールを含むが、その含有量が本発明で規定される範囲の上限値を超える比較例6では、絶縁信頼性(絶縁抵抗値)が所望の値を満たさず、良好な効果が得られなかった。
更に、ロジンエステルの含有量、有機酸の含有量は、本発明で規定される範囲内であるが、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物を含まない比較例7では、スルーホール濡れ上がり性試験、はんだ付け性が所望の値を満たさず、良好な効果が得られなかった。また、ロジンエステルの含有量、アミンの含有量は、本発明で規定される範囲内であるが、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物を含まない比較例8では、スルーホール濡れ上がり性試験、はんだ付け性が所望の値を満たさず、良好な効果が得られなかった。
上述した比較例4、比較例7及び比較例8に示すように、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物を含まなければ、他の活性剤を本発明で規定される範囲内で含んでも、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔にやに入りはんだを供給して行われるはんだ付け方法におけるスルーホール濡れ上がり性試験、はんだ付け性で良好な効果が得られなかった。
これに対し、実施例27に示すように、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物を、本発明で規定される範囲内で含むことで、他の活性剤を含まなくても、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔にやに入りはんだを供給して行われるはんだ付け方法におけるスルーホール濡れ上がり性試験、はんだ付け性で良好な効果が得られた。また、他の信頼性試験についても良好な結果が得られた。
更に、実施例1等に示すように、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物を、本発明で規定される範囲内で含むことで、他の活性剤を、本発明で規定される範囲内で含んでも、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔にやに入りはんだを供給して行われるはんだ付け方法におけるスルーホール濡れ上がり性試験、はんだ付け性で良好な効果が得られた。また、他の信頼性試験についても良好な結果が得られた。
よって、ロジンエステルを、本発明で規定される範囲内で含むやに入りはんだ用フラックスにおいて、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物を、発明で規定される範囲内で含むことは、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔にやに入りはんだを供給して行われるはんだ付け方法に用いるやに入りはんだ用フラックス、及び当該はんだ付け方法において技術的特徴があることが判る。
以上のことから、ロジンエステルを、フラックス全体の質量に対して60質量%以上99.9質量%以下、ハライドとして区分されないハロゲン化物である共有結合ハロゲン化物を、フラックス全体の質量に対して0.1質量%以上15質量%以下含むやに入りはんだ用フラックスでは、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔に供給されるやに入りはんだに使用されることで、スルーホール濡れ上がり性試験と信頼性試験(絶縁信頼性(絶縁抵抗値)、ハライド量(電位差)、はんだ付け性、活性剤の析出)のそれぞれについて、良好な結果が得られた。
これらの効果は、他の活性剤、他のロジンや樹脂、添加剤を本発明で規定される範囲内で含むことでも阻害されなかった。

Claims (7)

  1. はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔に供給されるやに入りはんだに使用されるやに入りはんだ用フラックスあって、
    ロジンエステルを、フラックス全体の質量に対して60質量%以上99.9質量%未満
    共有結合ハロゲン化物を、フラックス全体の質量に対して0.1質量%以上15質量%以下、
    ロジンアミンまたはN,N-ジエチルオクチルアミン、あるいは、ロジンアミン及びN,N-ジエチルオクチルアミンを、フラックス全体の質量に対して0質量%超10質量%以下含む
    やに入りはんだ用フラックス。
  2. 前記共有結合ハロゲン化物は、trans-2,3-ジブロモ-1,4-ブテンジオール、トリアリルイソシアヌレート6臭化物、1-ブロモ-2-ブタノール、1-ブロモ-2-プロパノール、3-ブロモ-1-プロパノール、3-ブロモ-1,2-プロパンジオール、1,4-ジブロモ-2-ブタノール、1,3-ジブロモ-2-プロパノール、2,3-ジブロモ-1-プロパノール、2,3-ジブロモ-1,4-ブタンジオール、2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール、trans-2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール、cis-2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール、2,2-ビス(ブロモメチル)-1,3-プロパンジオール、テトラブロモエタン、テトラブロモブタン、テトラブロモフタル酸、ブロモコハク酸、2,2,2-トリブロモエタノールの何れか1種または2種以上である
    請求項1に記載のやに入りはんだ用フラックス。
  3. 前記ロジンエステルは、1種のロジンをエステル化したものの1種以上、あるいは、2種以上のロジン混合物をエステル化したものの1種以上であり、エステル化するロジンは、天然ロジン、並びに天然ロジンから得られるロジン誘導体である精製ロジン、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、水添不均化ロジン、酸変性ロジン、フェノール変性ロジン及びα、β不飽和カルボン酸変性物、並びに重合ロジンの精製物、水素化物及び不均化物、並びにα、β不飽和カルボン酸変性物の精製物、水素化物及び不均化物のいずれか、あるいは、その混合物である
    請求項1または請求項2に記載のやに入りはんだ用フラックス。
  4. 更に他のロジンを、フラックス全体の質量に対して0質量%以上39質量以下含む
    請求項1~請求項3の何れか1項に記載のやに入りはんだ用フラックス。
  5. 更に共有結合ハロゲン化物以外の活性剤を、フラックス全体の質量に対して0質量%以上39質量%以下含む
    請求項1~請求項4の何れか1項に記載のやに入りはんだ用フラックス。
  6. 請求項1~請求項5の何れか1項に記載のやに入りはんだ用フラックスがはんだに充填された
    やに入りはんだ。
  7. ロジンエステルを、フラックス全体の質量に対して60質量%以上99.9質量%未満、共有結合ハロゲン化物を、フラックス全体の質量に対して0.1質量%以上15質量%以下、ロジンアミンまたはN,N-ジエチルオクチルアミン、あるいは、ロジンアミン及びN,N-ジエチルオクチルアミンを、フラックス全体の質量に対して0質量%超10質量%以下含むやに入りはんだ用フラックスが充填されたはんだからなるやに入りはんだが、はんだごての中心軸に沿って形成された貫通孔に供給され、
    前記はんだの融点を超える温度まで、前記やに入りはんだを前記はんだごてで加熱して、接合対象物を加熱すると共に前記やに入りはんだを溶融させる
    はんだ付け方法。
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