JP7406871B1 - クレーンシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 天井クレーンの操作における安全性を向上する。【解決手段】 クレーンを操作するためのコントローラ130に、文字や画像などを表示可能なディスプレイ137を取り付ける。操作者OPが、クレーンを操作する際、クレーンシステムの制御装置140は、コントローラ130による移動方向の指示などの操作内容、および施設内にいる操作者以外の作業員P1~P3の携帯端末S1~S3の位置情報などを取得する。そして、コントローラ130のディスプレイ137に、クレーンの移動方向を示す矢印や、作業員P1~P3の位置など、クレーンの操作を支援するための情報を表示する。移動方向が表示されれば、操作者は、クレーンを移動方向を誤って指示したときに容易に気づくことができる。また、作業員P1~P3の位置が表示されれば、これらの者に接触する危険を回避することができる。このようにディスプレイ137に種々の情報を表示することにより、クレーンシステムの安全性を向上させることができる。【選択図】 図3

Description

本発明は、吊荷を移動させるためのクレーンシステムに関する。
工場、倉庫などの施設において、重量物の運搬等にはクレーンが利用される。クレーンの操作時の効率向上や、事故防止を図るためには、クレーンの操作者に対して多くの情報を提供することが好ましい。
特開2018-095362号公報は、クレーン車の運転席に設けられたディスプレイに、作業領域周辺の地形や建築物などを表す3次元マップを表示する技術を開示している。
特開2019-156533は、クレーン車のブームの先にカメラを取り付け、このカメラで吊荷を撮影した画像を、運転席に設けられたディスプレイに表示する技術を開示している。
特開2000-191274号公報は、天井クレーンのコントローラに、ホイストの現在の東西方向、南北方向の位置を表すインジケータを設ける技術を開示している。
特開2016-136192は、天井クレーンのホイストに表示装置を取り付け、ホイストの移動方向を表示させる技術を開示している。
しかし、天井クレーンなど、操作者が手に持ったコントローラで操作するタイプのクレーンシステムにおいては、操作者に十分な情報が提示されていなかった。ホイストに表示装置を取り付ける方法もあるが、この場合、操作者は、高い位置にある表示装置を見上げながら、手元のコントローラも確認する必要があり、操作しづらいという課題があった。
かかる課題は、天井クレーンに限らず、操作者が手に持ったコントローラで操作するクレーンシステムに共通の課題であった。
本発明は、操作者が手に持ったコントローラで操作するクレーンシステムにおいて、操作者に十分な情報を提供可能とすることを目的とする。
本発明は、クレーンシステムであって、
吊荷を吊り上げて移動させるためのクレーン装置と、
操作者が手に持って前記クレーン装置の移動を操作するためのコントローラと、
前記コントローラに取り付けられ、前記クレーン装置に関する情報を、文字および画像の双方または一方で表示する表示部と、
前記表示部の表示内容を制御する表示制御部とを備えるクレーンシステムとすることができる。
本発明では、操作者が操作するためのコントローラに、表示部が取り付けられており、ここにクレーン装置に関する情報が文字、画像等で表示される。従って、操作者は、この表示により、クレーン装置の情報を得ることができるため、クレーン装置の操作の効率向上、または事故防止などを図ることが可能となる。
しかも、本発明では、コントローラに表示部が設けられているため、操作者は、コントローラと表示部の双方を視認しやすいという利点がある。従来も、クレーン装置に移動方向などを表示するとともに音声を出力する報知装置が設置されている例はあり、安全向上に有効であった。しかし、クレーンの運用中に、例えば、吊荷が目の前で揺れたような場合、操作者は、目前の吊荷に集中する必要があり、天井に設置された報知装置を確認することは非常に困難であった。この点、本発明では、コントローラに表示部が設けられているため、操作者は、視線を大きく移動させる必要なく、表示を確認することができるため、安全性をさらに向上させることができるのである。
本発明は、種々のクレーン装置に適用できるが、例えば、工場その他の施設内に設置された走行レール上を作業者の操作に応じて移動する天井クレーンに適用してもよい。
コントローラも種々のタイプを適用可能である。クレーン装置への指示を、有線、無線のいずれで行ってもよい。コントローラは、東西南北の押ボタンなどで操作するもの、相対的に回転するシリンダで移動方向を指示するもの、ジョイスティックなどで移動方向を指示するものなど種々のタイプを用いることができる。
表示部は、コントローラに予め組み込まれているビルドインのもの、コントローラに脱着可能なもの、コントローラの操作部の一部を表示部として利用するものなど種々の態様を取ることができる。例えば、スマートフォンなどの携帯端末を、表示部として利用してもよい。ただし、表示部は、文字、画像を表示可能である必要があり、単なるインジケータは含まれない。
表示制御部は、コントローラ内部に設けたり、表示部に設けたり、クレーン装置に設けたり、種々の態様で設けることができる。
表示部に表示する内容は、クレーン装置に関する情報である。例えば、クレーン装置の位置、移動方向、速度、巻上/巻下、吊荷の有無、クレーン装置に対する操作内容などの情報が含まれる。
本発明において、
前記表示制御部は、前記コントローラの操作を取得し、前記表示部に、該操作に応じた表示を行わせてもよい。
例えば、コントローラで移動方向を指示したときに、その内容を表示する態様が挙げられる。従来のコントローラでは、操作者が移動方向を誤って指示した場合でも、そのことに気づかないままクレーン装置が移動することがあった。しかし、上記態様によれば、操作者は、自身が指示した移動方向を確認できるため、安全性を向上することができる。巻上、巻下げなど移動方向の指示以外の操作についても同様である。
操作に応じた表示は、クレーン装置が動作を開始する前に予告表示として行うことが安全性向上という点で好ましいが、かかるタイミングに限定されるものではない。
コントローラの操作の取得は、種々の方法で行うことができる。表示制御部が、コントローラから操作信号を直接に受信するようにしてもよいし、何らかの制御装置等を介して間接に受信するようにしてもよい。
操作に応じた表示を行わせる場合においては、
前記表示部がいずれの方位を向いているかを検知する検知部を備え、
前記表示制御部は、前記表示部に、前記表示部の方位に応じた表示を行わせてもよい。
方位とは、水平面内において表示部が向いている方向を意味する。例えば、東西南北などの方位で表すこともできるし、北などの基準方位に対する方位角で表してもよい。
表示部の方位とは、より厳密に定義すれば、表示部において情報が表示される面の法線を180°回転させたベクトルが向いている方位となる。この方位は、つまり、操作者が表示部を視認するときの視線ベクトルに近い方位となる。
こうすることで、操作者に対して直感的に理解しやすい状態で表示を行うことが可能となる。例えば、「東」というように移動方向が指示された場合において、表示部が「北」を向いているときには、その方位を踏まえて移動方向を表示する。表示部の右方向に矢印を表示したり、表示部の右方向に「東」と表示することが考えられる。こうすることによって、操作者は移動方向を直感的に理解しやすくなる。
別の態様として、移動方向の表示をするか否かに関わらず、表示部の方位に応じて画面の色や明るさを変えるなどすることで、自分がどの方位を向いているかを、操作者が直感的に理解できるようにしてもよい。
なお、本発明において移動方向とは、必ずしも方位で表される必要はない。例えば、前後左右、山方面/海方面など多様な表し方を用いることができる。
表示部の方位の検出は、種々の態様をとることができる。
第1の態様として、
前記検知部は、
前記表示部の方位を検出するセンサを有し、
前記センサの出力を、予め設定した所定の方位のうち近いものに割り当てた結果を出力してもよい。
例えば、所定の方位として、東西南北の4方位が設定されている場合、センサで検出した正確な方位が、東を中心に左右45°の範囲内であれば、表示部の方位として「東」を出力する態様が挙げられる。
このように所定の方位に割り当てることにより、比較的軽い処理で表示部の方位を特定することができる。また、表示部の方位が、量子化されることにより、方位を反映させて表示を行うための処理負荷も軽くなる利点がある。
表示部の方位は、操作者が表示内容を直感的に理解できる程度に正確であれば良いから、第1の態様のように割り当てられた方位であっても、十分、有用な表示を行うことが可能である。
第1の態様において、所定の方位は、東西南北の4方位に限らず、任意に設定することができる。また、正確な方位である必要もない。例えば、クレーンシステムが設置された施設が、正確な東西南北の方位に対してずれている場合、施設の壁に併せて仮想的に東西南北の方向を設定してもよい。この場合は、仮想的に東西南北のそれぞれの方位に対して、所定の範囲内の方位を割り当てるようにすればよい。
また、所定の方位に割り当てる範囲も、必ずしも均等である必要はない。例えば、南北の方位に割り当てる範囲を、東西の方位に割り当てる範囲よりも広くしてもよい。
第2の態様として、
前記検知部は、
前記表示部の方位を検出するセンサを有し、
前記センサの出力を、予め設定した補正値で補正して出力してもよい。
上述の通り、クレーンシステムが設置された施設が、正確な東西南北の方位に対してずれている場合があり、クレーンを操作する操作者は、例えば、施設の壁に併せて東西南北などの方位を認識していることが多い。このような場合に、正確な方位を用いて表示を行うと、操作者の認識とずれることがある。従って、センサで検出された方位を、施設内における仮想的な方位に補正することが好ましい。第2の態様では、予め設定された補正値を用いてセンサの出力を補正することができるため、検出部は、施設内で用いられている仮想的な方位に整合した出力を行うことが可能となる。
より具体的に説明する。例えば、矩形状の平面形状をした施設が、東西南北の方位から10°ずれて建っている場合を考える。この施設において、東西と呼ばれる方位は、正確な東西よりも10°ずれていることになる。例えば、表示部の方位として、センサが「東」を出力している場合、表示部は施設内における東西よりも10°ずれた方向を向いていることになるから、表示部が東を向いているものとして表示を行うと、操作者には違和感を与えることになる。これに対し、第2の態様では、センサの出力を10°補正することにより、表示部の方向として、東西より10°ずれた方向が出力される。これは正確な方位ではないが、施設内における東西南北の方位には整合した出力となる。従って、このように補正することにより、操作者に対して違和感のない表示を実現することが可能となる。
第2の態様においては、
前記補正値は、前記クレーンシステムが設置されている施設内において設定された方位と、前記センサによって検出される方位との誤差に基づいて設定された値としてもよい。
この補正値は、事前にキャリブレーションすることによって求めることができる。
なお、第2の態様における補正値は、必ずしもキャリブレーションにより正確に求める必要はなく、任意に設定可能である。例えば、操作者に違和感のない表示が行われる値を試行錯誤的に設定してもよい。
第3の態様として、
前記検知部は、前記クレーンシステムが設置されている施設内において方位を示すために設置された方位マーカを検出し、当該方位マーカに基づいて前記表示部の方位を特定してもよい。
こうすることにより、方位を検出するセンサを用いるまでなく、方位を特定することができる。
方位マーカとしては、施設の壁に方位を表すために貼り付けられた表示板、施設の床に描かれた方位を表す線・図形などを用いることができる。天井クレーンの場合には、クレーン装置が走行するレールを方位マーカとして用いても良い。検知部は、方位マーカの画像を表示部の背面側に設けたカメラによる撮影その他の方法で取得し、画像処理などによって、方位を特定すればよい。
また、方位マーカは、可視的なものである必要はなく、ビーコンなどの電波・レーザ・音波などを用いてもよい。かかる場合は、検知部は、受信した信号に基づいて表示部の方位を特定すればよい。
本発明において、
前記表示制御部は、前記表示部に、前記表示部の方位に応じた態様で、前記クレーン装置の移動方向を表示させてもよい。
こうすることで、操作者に対して直感的に理解しやすい状態で移動方向を表示させることが可能となる。移動方向は、コントローラの操作に基づいて表示させてもよいし、クレーン装置の実際の動きに基づいて表示させてもよい。また、移動を開始する前には、操作に基づいて表示させ、移動を開始した後は、その動きに基づいて表示させてもよい。こうすることで、操作者が自身の操作内容やクレーン装置の移動方向を、手元で確認することができるため、安全性が向上する。
移動方向の表示を行う場合、
前記表示制御部は、
前記クレーンシステムが設置された施設内の様子を表す画像と、
前記クレーン装置の移動方向を表す画像とを、重畳させて前記表示部に表示させてもよい。
こうすることで、操作者が視認している景色と同様の画像内において移動方向が表示されるため、一層、直感的に移動方向を理解しやすくなる利点がある。
施設内の様子を表す画像は、種々の方法で生成できる。例えば、施設内の荷物その他の配置を表す2次元のデータに基づいて描かれる平面図(施設内地図と呼ぶ)を用いてもよい。この場合は、施設内地図を表示部の方位に応じて表示させた上で、移動方向を表す矢印などを2次元的に表示してもよい。また、施設内地図を透視投影などによって3次元的に描いてもよい。移動方向は、施設内地図とともに3次元的に描いてもよいし、施設内地図の上空部分に描いてもよい。
また、施設内の様子を表す3次元モデルに基づいて、3次元画像を生成してもよい。また、施設内の様子を、表示部の背面などに取り付けられたカメラで撮影した画像を用いてもよい。
上記態様において、
前記表示制御部は、
さらに、前記表示部に、前記表示部の水平面に対する傾きに応じた表示を行わせてもよい。
例えば、表示部が水平なときには2次元的な施設内地図が表示され、表示部を斜めまたは垂直にした場合には水平面に対する角度に応じた3次元的な施設内地図を表示する態様が挙げられる。こうすることにより、一層、直感的に表示内容を理解することができる。施設内の様子を3次元画像、または撮影した画像で表す場合も同様である。
水平面に対する角度は、磁気センサによる検出、画像解析その他種々の方法で検出可能である。
本発明において、
前記表示制御部は、危険が生じていると判断されるときに、前記コントローラを操作する操作者に対して、危険を報知するための表示を前記表示部に行わせてもよい。
例えば、危険を表す文字、色、図形などを表示させる態様が挙げられる。
危険の判断は種々の方法をとることができる。クレーンシステムの制御装置から、「危険が発生」している旨の信号を受信するようにしてもよい。クレーン装置の位置情報と、コントローラの位置情報などを検出し、両者の距離や位置関係に基づいて危険の有無を判断してもよい。表示部の背面またはクレーン装置に設けたカメラなどで撮影した画像に基づいて、吊荷付近に人がいるか否かに基づいて危険の有無を判断してもよい。
本発明において、
前記表示制御部は、前記表示部に、前記コントローラを操作する操作者以外の者または物の位置を表示させてもよい。
こうすることにより、操作者以外の者または物との衝突を回避することができる。
操作者以外の者の位置は、表示部の背面またはクレーン装置に設けたカメラなどで撮影した画像に基づいて判断してもよい。また、操作者以外の者にGPSなど位置情報を検出可能な装置を所持させ、その出力によって特定してもよい。操作者以外の物の位置も、表示部の背面またはクレーン装置に設けたカメラなどで撮影した画像に基づいて判断してもよい。また、予め施設内地図として記憶しておいてもよい。
本発明において、
前記クレーン装置は、吊荷を上方から撮影するカメラを有しており、
前記表示制御部は、前記表示部に、前記カメラで撮影した画像を表示させてもよい。
こうすることで、操作者は、吊荷の状態を、手元で確認することができる。従って、吊荷が傾いている場合、振動している場合など異常を容易に発見することができ、安全性を向上させることができる。
本発明においては、
前記コントローラは、さらに音声を出力可能としてもよい。
こうすることで、一層、安全性を向上させることができる。
出力する音声としては、移動方向などコントローラによる操作内容、危険の有無などが挙げられる。コントローラから音声を出力することにより、騒音がある場合でも、聞き取りやすい利点がある。
従来においても、クレーン装置自体に音声を出力する報知装置を設置する例はあった。しかし、複数のクレーン装置が設置されている施設内では、それぞれのクレーン装置が音声を出力するため、操作者は、自身が操作中のクレーン装置の音声と、他のクレーン装置の音声とを聞き間違えることもあった。しかし、上記態様によれば、コントローラから音声が出力されるため、こうした聞き間違いを回避することができ、安全性を一層、向上させることが可能となる。
本発明において、
前記表示部は、前記コントローラに脱着可能に取り付けられていてもよい。
こうすることにより、表示部を容易に交換することができる利点がある。表示部は、クレーンシステムに専用の機器であってもよいし、スマートフォンその他の携帯端末などの汎用機器であってもよい。
コントローラは、表示部が装着されているときにだけ作動するようにしてもよいし、表示部の有無に関わらず作動するようにしてもよい。
表示部を脱着可能な場合、コントローラに装着された表示部を特定する必要がある。その方法としては、種々の態様が考えられる。
第1の態様として、
前記コントローラには、所定の識別情報が与えられており、
前記表示部は、前記コントローラの識別情報を読み込み可能となっており、
前記表示制御部は、前記表示部から前記識別情報を受け取ることによって、前記表示部と前記コントローラとを関連づけてもよい。
識別情報の読み込みは、例えば、識別情報をコントローラの外面に文字・数字などで表示しておき、これを表示部に設けられたタッチパネル、キーボード等の入力部を利用して読み込む方法をとることができる。また、コントローラの外面に文字・数字・バーコードなどで表示された識別情報を表示部のカメラで読み込むようにしてもよい。コントローラと表示部との間の通信によって、コントローラの識別情報を読み込むようにしてもよい。
第2の態様として、
前記表示部には、所定の識別情報が与えられており、
前記コントローラは、前記識別情報を読み込み可能となっており、
前記表示制御部は、前記コントローラから前記識別情報を受け取ることによって、前記表示部と前記コントローラとを関連づけてもよい。
識別情報の読み込みは、例えば、表示部の外面に文字・数字などで表示しておき、これをコントローラに設けられたタッチパネル、キーボード等の入力部を利用して読み込む方法をとることができる。また、表示部の外面に文字・数字・バーコードなどで表示された識別情報をコントローラに取り付けたカメラ・スキャナなどで読み込むようにしてもよい。コントローラと表示部との間の通信によって、表示部の識別情報を読み込むようにしてもよい。
表示部のコントローラへの取付方法および取付部位も種々の態様が考えられる。
前記コントローラは、前記表示部の表示が行われる面の手前に前記クレーン装置の移動を操作するための操作部が来るように前記表示部を取付可能としてもよい。
こうすることにより、操作部を操作する際に表示部が邪魔にならない利点がある。
上述の位置関係は、操作部よりも上側に表示部が取り付けられている状態と言うこともできる。コントローラの上下方向は、操作するためにコントローラを手に持った状態で定義することができる。また、押ボタンその他の操作部に文字が書かれている場合には、文字の向きに従って、コントローラの上下方向を定義してもよい。
表示部をコントトーラに脱着可能とする場合、
前記表示部は、背面側にカメラを有しており、
前記コントローラは、前記表示部を取り付ける取付面から前記カメラが浮く方向に、前記表示部をティルトさせて取り付け可能としてもよい。
表示部が水平に寝た状態では、カメラは床しか撮影できない。表示部の背面に設けられたカメラで、クレーンシステムを使用している施設内などを撮影する場合、カメラを可能な限り立てる方が好ましい。一方、手に持って操作する場合には、コントローラは、水平から若干、斜めに傾けた状態が持ちやすい。
上記態様では、コントローラに対して、表示部がティルト、即ちコントローラに対して傾いて取り付けられている。従って、コントローラを斜めに持ったとき、表示部はコントローラよりも垂直に近い状態となるため、カメラを有効に使用することが可能となる。
上記態様において、カメラをティルトさせる角度は、任意に決定可能である。コントローラを持った時に表示部が垂直になる程度の角度が好ましいが、かかる角度に限定されるものではない。
表示部をコントトーラに脱着可能とする場合、
前記表示部は、前記コントローラに対して脱着可能なアタッチメントを介して、前記コントローラに取り付けられてもよい。
これは、表示部だけでなく、アタッチメント自体も脱着可能とする態様である。こうすることにより、従前のコントローラを利用しながら表示部を設けることができる。
アタッチメントのコントローラへの取り付けは、例えば、アタッチメントの土台部分に、コントローラの本体の一部を挟み込む機構を設けるようにしてもよい。また、有線式のコントローラを利用する場合には、コントローラのケーブルにアタッチメントを取り付けるようにしてもよい。さらに、カメラにストロボなどを取り付けるホットシューと呼ばれる機構のように、コントローラおよびアタッチメントの双方に、脱着のための機構を設けるようにしてもよい。
アタッチメントと表示部とを一つのユニットとして構成してもよいし、アタッチメントと表示部とを脱着可能としてもよい。
本発明において、
前記表示部は、携帯端末であり、
前記表示制御部は、予め登録された前記携帯端末のうち前記クレーン装置が設置された施設内またはその近傍の所定範囲に存在するものに対して、前記表示を行わせてもよい。
先に述べた通り、本発明では、スマートフォンその他の携帯端末を表示部として用いることができる。この場合は、操作者自身の携帯端末を利用するなど、複数の携帯端末が交代で表示部として用いられることが考えられる。従って、表示部としてクレーンシステムに予め登録された携帯端末が、いずれも必ず施設内に存在するとは限らない。
上記態様では、施設内またはその近傍の所定範囲に存在する携帯端末に対して、表示を行わせるため、無用な表示を抑制することができる。また、表示を抑制することにより、クレーンシステムの稼働状況などの情報の外部への漏えいを抑制することもできる。
表示部が、施設内またはその近傍の所定範囲に存在するか否かの判断は、例えば、表示部の位置情報を取得し、この位置情報に基づいて判断してもよい。また、通信距離が所定の距離範囲内に限られる短距離通信を用いて表示部との通信を行うことにより、結果として、表示部が施設内またはその近傍の所定範囲に存在するときにのみ通信が成立するようにしてもよい。このように、「近傍の所定範囲」は、結果として定まるものであっても差し支えない。
上記態様においては、
前記携帯端末は、複数が登録可能であり、
少なくとも一つの前記携帯端末は前記コントローラに取り付けられており、
前記表示制御部は、登録された複数の前記携帯端末のうち、前記コントローラに取り付けられたものと、その他のもので異なる表示を行わせてもよい。
コントローラに取り付けられた表示部のみに表示を行うものとしてもよいが、その他の表示部にも表示を行うことにより携帯端末を有効活用することができる。上記態様によれば、コントローラに取り付けられた携帯端末と、その他の携帯端末で表示内容を異ならせることができるため、それぞれの携帯端末に対して有用な表示を実現することができる。コントローラに取り付けられていない携帯端末が複数存在する場合には、それぞれで異なる内容を表示させてもよい。
携帯端末を表示部として利用する場合、
前記表示制御部は、前記携帯端末の位置情報を取得し、該位置情報に応じた表示を行わせてもよい。
位置情報を取得することで、施設外にある携帯端末には、表示を行わせないようにすることができる。
また、携帯端末の位置情報とクレーン装置の位置情報とを取得し、クレーン装置と携帯端末が近づくにつれて注意を喚起する表示を行うようにしてもよい。
他の携帯端末の位置情報を取得し、自身の携帯端末にその位置を表示してもよい。こうすることで、操作者は他の者の位置を知ることができ、安全性を向上させることができる。また、他の者も、操作者の位置を知ることにより、クレーン装置に衝突しないよう注意することができる。
携帯端末を表示部として利用する場合、
前記表示制御部は、前記携帯端末が向いている方位を取得し、該方位に応じた表示を行わせてもよい。
こうすることによって、操作者は移動方向を直感的に理解しやすくなる。携帯端末は、磁気センサを備えていることが多いため、これを利用することにより、簡易に方位を取得できる利点もある。先に説明した通り、磁気センサで検出された方位を、予め量子化された方位のいずれかに割り当てたり、補正して用いたりしても良い。
本発明においては、
前記表示部は、前記クレーン装置の移動を操作するための操作部を兼ねてもよい。
例えば、表示端末をタッチパネルとし、その表示画面を操作に利用する態様が考えられる。タッチパネルに、東西南北の押ボタン、移動方向を示す矢印などを表示してもよい。
また、コントローラに設けられた押ボタンの表面を表示部としてもよい。こうすることで、押ボタンの表示を変更して、多様な操作を行わせることができる。例えば、押ボタンに巻上を指示する「上」、巻下げを指示する「下」などを表示する際には、東西南北などの移動方向の指示は表示しないようにしてもよい。こうすることで、巻上または巻下げ中に、誤ってクレーン装置を移動させてしまうことを回避できる。逆に、クレーン装置を移動させる際には、「上」「下」の表示を行わないようにしてもよい。東西南北の表示と、上下の表示を切り替えるようにすれば、押ボタンを複数通りの指示に使い分けることができ、安全性を向上させるとともに、押ボタンの数を減らすことができる。
表示部と操作部とを兼ねる場合、必ずしも操作部の全てを兼用する必要はない。一部の操作部を表示部と兼ねてもよい。
表示部と操作部を兼ねる場合、
前記コントローラは、前記クレーン装置の移動方向を指示するための第1操作部と、移動の開始を指示するための第2操作部を有しており、
前記表示部は、前記第2操作部に設けられており、
前記表示制御部は、前記第1操作部の操作結果を前記表示部に表示させてもよい。
こうすることで、移動方向を指示した上で、移動の開始を指示することができるため、安全性を向上させることができる。また、移動の開始を指示するための操作部に、移動方向の指示の結果が表示させる。例えば、東を指示した場合、第2操作部に「東」と表示されるのである。操作者が、東を指示したつもりで、誤って西を指示した場合、第2操作部には「西」と表示されるため、操作者はクレーン装置の移動を開始する前に操作の誤りに気づくことができる。このように、操作者が、移動方向の指示が正しいか否かを確認した上で、クレーン装置の移動を開始させることができるから、安全性を向上させることができる。
本発明は、上述した特徴を必ずしも全てを備えている必要はなく、適宜、その一部を省略したり、組み合わせたりしてもよい。
また、上述したクレーンシステムにおいて実現される種々の機能を、コンピュータによって実行するクレーンシステムの制御方法、またはクレーンシステムにおける表示方法として構成してもよいし、以下に述べるように、これらの方法をコンピュータに行わせるためのコンピュータプログラムとして構成してもよい。さらに、かかるコンピュータプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体として構成してもよい。
例えば、本発明は、
吊荷を吊り上げて移動させるためのクレーン装置と、操作者が手に持って前記クレーン装置の移動を操作するためのコントローラと、該操作に応じて前記クレーン装置を制御する制御装置とを備えるクレーンシステムにおいて、携帯端末に前記クレーン装置に関する情報を表示するためのコンピュータプログラムであって、
前記制御装置から、前記クレーン装置に関する情報を取得する取得機能と、
前記取得した情報を、文字および画像の双方または一方で表示させる表示機能とをコンピュータによって実現するためのコンピュータプログラムとしてもよい。
このコンピュータプログラムは、携帯端末上で稼働させることが好ましい。スマートフォンなどの汎用の携帯端末にかかるコンピュータプログラムをインストールすることで、本発明の表示部として機能させることが可能となる。
また、別の態様として、コンピュータプログラムは、クレーンシステムの制御装置上で稼働させても良い。
また、上記コンピュータプログラムにおいて、
前記取得機能は、前記コントローラの操作を取得する機能であり、
前記表示機能は、該操作に応じた表示を行わせる機能としてもよい。
また、上記コンピュータプログラムにおいて、
さらに、前記携帯端末がいずれの方位を向いているかを検知する検知機能を備え、
前記表示機能として、前記方位に応じた表示を行わせる機能をコンピュータに実現させてもよい。
また、上記コンピュータプログラムにおいて、
前記表示機能は、
前記クレーンシステムが設置された施設内の様子を表す画像と、
前記クレーン装置の移動方向を表す画像とを、重畳させて前記表示部に表示させる機能としてもよい。
クレーンシステムの構成を示す説明図である。 コントローラの構成を示す説明図である。 操作時の表示の概要を示す説明図である。 ディスプレイ方位判定処理(1)のフローチャートである。 ディスプレイ方位判定処理(2)のフローチャートである。 ディスプレイ方位判定処理(3)のフローチャートである。 ディスプレイ表示処理(操作者)のフローチャートである。 ディスプレイの表示画面例を示す説明図である。 ディスプレイ表示処理(操作者以外)のフローチャートである。 第2実施例におけるコントローラの構成を示す説明図である。 ディスプレイ登録処理(1)の説明図である。 ディスプレイ登録処理(2)の説明図である。 ディスプレイ登録処理(3)の説明図である。 第3実施例におけるコントローラの構成を示す説明図である。 予告表示モード制御処理のフローチャートである。 第4実施例におけるコントローラの構成を示す説明図である。
本発明の実施例について、工場または倉庫内で重量物を運搬する天井クレーンを例にとって説明する。本発明は、この例に限らず種々のクレーンシステムとして構築可能であり、例えば、被介護者を運搬するための介護クレーンとして構成することもできる。クレーンシステムが設置されている場所は、屋内に限らない。また、本発明は、必ずしも天井クレーンのように固定の走行レールを利用して移動するものに限らず適用可能である。
実施例のクレーンシステムについて、以下の順序で説明する。
A.システム構成:
B.ディスプレイの使用例:
C.ディスプレイ方位判定処理:
C1.方法1:
C2.方法2:
C3.方法3:
D.ディスプレイ表示処理:
E.第2実施例:
E1.コントローラの構成:
E2.ディスプレイ登録処理:
E2-1.方法1:
E2-2.方法2:
E2-3.方法3:
F.第3実施例:
F.第3実施例:
F1.コントローラの構成:
F2.予告表示モード制御処理:
G.第4実施例:
H.効果および変形例:
A.システム構成:
図1は、クレーンシステムの構成を示す説明図である。
天井クレーン100は、工場内に設置された走行レール上を作業者の操作に応じて移動して、重量物を運搬する装置である。
天井クレーン100には、吊荷を運搬するための吊上装置にあたるホイスト120が設けられている。ホイスト120は、先端に吊荷を引っかけるためのフック122が取り付けられたワイヤ121の巻上げ、巻下げによって、吊荷の上昇/降下を行うことができる。
ホイスト120におけるワイヤ121の巻上げ/巻下げ、ホイスト120の移動などの操作は、ケーブル131で接続されたコントローラ130によって行うことができる。コントローラ130には、ディスプレイ137が取り付けられている。
ホイスト120には、ホイストカメラ124が取り付けられている。ホイストカメラ124は、動画像を撮影可能であり、鉛直下方を撮影できるよう下向きに固定されている。ホイストカメラ124としては、静止画像を撮影するスチルカメラを用いても良い。
ホイスト120には、表示器123が下向きに取り付けられている。表示器123としては、本実施例では、液晶ディスプレイを用いたが、他に有機EL、LEDその他のディスプレイを用いることができる。表示器123は、ホイスト120の移動方向その他、クレーンの稼働中に有用な情報を作業者等に表示する。
ホイスト120が移動する機構について、以下、説明する。
天井クレーン100が設置された施設には、建物の天井近傍に、走行レール101、102が平行かつ水平に敷設されている。
走行レール101、102の上には、モータの動力によって、矢印aのように走行できるようサドル111、112が取り付けられている。サドル111、112には、両者にまたがるようにクレーンガーダ110が固定されている。クレーンガーダ110は、水平かつ走行レール101、102に直交する方向に設けられている。サドル111、112が矢印a方向に移動すると、これに伴ってクレーンガーダ110も一体として移動することができる。
ホイスト120は、モータによって、クレーンガーダ110に沿って矢印b方向に移動できるよう、クレーンガーダ110に取り付けられている。
従って、矢印a方向のクレーンガーダ110の移動と、矢印b方向のホイスト120の移動の組合せによって、ホイスト120は、走行レール101、102の間の空間を任意に移動することが可能となる。
本実施例では、ホイスト120の位置を検出する機構が設けられている。
図示する通り、走行レール102には、位置を検出するためのマーカ103が描かれている。サドル112に固定されたセンサ113によって、光学的にマーカ103を読み取ることにより、サドル112の移動量、ひいてはサドル112のa方向の位置を検出することができる。同様に、クレーンガーダ110にも位置検出用のマーカ114が描かれている。ホイスト120の移動時には、ホイスト120に固定されたセンサ127によって、光学的にマーカ114を読み取ることにより、ホイスト120の移動量、ひいてはホイスト120のb方向の位置を検出することができる。この結果、センサ113、127で読み取った結果に基づき、ホイスト120の水平方向の位置座標(x、y)を検知することが可能である。
本実施例では、施設内の壁に、東西南北の方位を示す方位板150が取り付けられている。方位板150は、表面に方位が描かれた薄板である。方位板150として、壁に方位を直接描いてもよい。方位板150には、方位を示す所定の信号を発信するビーコン151を取り付けてもよい。図の例では、北のみを示したが、他の方位についても同様である。
ホイスト120におけるワイヤ121の巻上げ/巻下げ、ホイスト120の移動などは、制御装置140によって制御される。制御装置140は、内部にCPU、メモリを備えたコンピュータとして構成されており、本実施例では、図の下方に示す各機能がソフトウェア的に構築されている。これらの機能の一部または全部をハードウェア的に構築してもよい。
送受信部141は、コントローラ130との送受信等を行う。送受信部141は、ビーコン151の信号を受信してもよい。また、施設内にいる者が保持するスマートフォンその他の携帯端末との通信を行っても良い。
クレーン位置検出部145は、ホイスト120の位置座標(x、y)を検出する。
ディスプレイ方位判定部147は、コントローラ130に取り付けられたディスプレイ137が、いずれの方位を向いているかを検出する。
モード切換部142は、天井クレーン100の動作モードを切換える。本実施例では、コントローラ130で移動方向を指示すると、ホイスト120が直ちに移動を開始する即時移動モード、移動方向を指示すると表示器123に移動方向を予告表示してから、ホイスト120が移動を開始する予告表示モードなどが動作モードとして設定されている。さらに多くの動作モードを設定してもよいし、いずれか一つのモードのみで動作するようにしてもよい。動作モードを切り換えない場合、モード切換部142は、省略することもできる。
ディスプレイ制御部146は、ディスプレイ137の表示内容を制御する。
端末検出部148は、施設内のスマートフォンその他の携帯端末を検出する。
クレーン移動制御部143は、コントローラ130の指示に従って、ホイスト120の移動を制御する。
表示器制御部144は、ホイスト120に取り付けられた表示器123の表示内容を制御する。
上述した各機能は、一部を省略してもよいし、更に多くの機能を追加してもよい。また、制御装置140は、ホイスト120に取り付ける場合に限らず、ホイスト120とは別体の装置として設けてもよい。例えば、天井クレーン100が設けられた施設内に制御装置140を設置し、ホイスト120等との通信によって、その動作等を制御するようにしてもよい。
また、制御装置140の一部の機能を、インターネット等のネットワーク上に接続されたサーバによって提供するようにしてもよい。
本実施例では、ホイスト120、クレーンガーダ110、サドル111、112および走行レール101、102が請求の範囲におけるクレーン装置に相当する。また、天井クレーン100が請求の範囲におけるクレーンシステムに相当する。
図2は、コントローラ130の構成を示す説明図である。図2(a)には斜視図を示し、図2(b)には側面図を示した。
コントローラ130は、操作者が手に持って操作するための本体139に、電源をオン・オフするための押ボタン132、ワイヤ121の巻上げ/巻下げのための押ボタン133、東西南北の4方向に移動させるための4つの押ボタン134が設けられている。
コントローラ130には、種々の文字や画像を表示するディスプレイ137が取り付けられている。ディスプレイ137は、図2(a)に示すように、押ボタン132、133、134よりも上側に取り付けられている。上側とは、コントローラ130を操作するために手に持った状態で定義する。これらの押ボタン132、133、134に記載された文字の上方向や、ケーブル131が突出している側と定義してもよい。
ディスプレイ137を、押ボタン132、133、134よりも上側に取り付けることにより、ディスプレイ137に視界を遮られることなく押ボタン132、133、134を操作できる利点がある。
ディスプレイ137は、図2(b)に示すように、コントローラ130の上面、即ち押ボタン132、133、134が設けられた面に対して、ティルト角TAだけ傾けて取り付けられている。ティルト角TAは、任意に決めることができるが、コントローラ130を手に持って操作するときに、ディスプレイ137の面が垂直に近くなる程度の角度とすることが好ましい。こうすることにより、ディスプレイ137の背面にカメラが取り付けられている場合には、コントローラ130の操作中に、そのカメラで施設内の様子を撮影することができる。ティルト角TAの角度を調整可能としてもよい。
本実施例では、ディスプレイ137は、コントローラ130に固定されたビルトインタイプのものを利用している。ディスプレイ137は、コントローラ130に脱着可能な構成としてもよい。スマートフォンなどの携帯端末をディスプレイ137として利用してもよい。
実施例において、コントローラ130は、図2に示した構成に限定されるものではない。例えば、4つの押ボタン134に代えて、コントローラ自体を円筒状の筐体の中心軸周りに回転させることにより、ホイスト120の移動方向を指示可能な構成としてもよい。コントローラ130は、ケーブル131で接続された有線式のものに代えて、無線式のものを利用してもよい。
クレーンシステムは、以上で説明した構成に限らず、種々の構成をとることができる。
B.ディスプレイの使用例:
図3は、操作時の表示の概要を示す説明図である。施設内で操作者OPが、コントローラ130を用いてクレーンを操作している状態を例示した。
施設内には、操作者OPの他、作業員P1、P2、P3がいる。各作業員P1~P3は、自身のスマートフォンを携帯端末S1~S3として保持している。
操作中、クレーンシステムの制御装置140は、作業員P1~P3の携帯端末S1~S3の位置情報を取得する。位置情報は、例えば、携帯端末S1~S3のGPS機能を利用して取得することができる。そして、制御装置140は、コントローラ130のディスプレイ137に、クレーンの操作を支援するための情報を表示する。表示としては、例えば、クレーンの移動方向を示す矢印や、作業員P1~P3の位置などが挙げられる。移動方向が表示されれば、操作者OPは、クレーンを誤って操作した場合、その誤りに気づきやすい。作業員P1~P3の位置が表示されれば、これらの者に接触する危険を回避することができる。これらの表示がなされることにより、クレーンシステムの安全性を向上させることができる。ディスプレイ137は、コントローラ130に取り付けられているため、操作者OPが、操作中に容易に表示を確認できる利点もある。
図3で示したのは、ディスプレイ137を活用する一例であり、ディスプレイ137には、後述する通り、他にも種々の表示を行うことができる。
以下、実施例の天井クレーン100において、表示内容およびそれを実現するための処理等を説明する。
C.ディスプレイ方位判定処理:
操作者が、表示内容を直感的に理解しやすくするためには、コントローラ130に取り付けられたディスプレイ137が向いている方位に応じて表示を行うことが好ましい。一例として、操作者が北を向いている状態で、東への移動を指示した場合を考える。コントローラ130に取り付けられたディスプレイ137も操作者と同じく北を向いているはずであるから、ディスプレイ137の右側に「東」の表示を出したり、または右向きの矢印を表示すれば、東への移動を直感的に認識しやすくなる。かかる処理を実現するためには、ディスプレイ137の水平面内での向き、即ち方位を検出する必要がある。ここでディスプレイ137の方位とは、ディスプレイ137の法線ベクトルを180度回転させたベクトルが水平面内で示す方向と定義できる。
ディスプレイ137の方位は、必ずしも地理上の厳密な方位を一致しているとは限らない。天井クレーン100が設置されている施設の向きが、地理上の方位と一致しているとは限らないからである。例えば、図1に示した「北」側の方位板150は、概ね北の方向にある壁に取り付けられているが、正確に地理上の北を向いているとは限らない。操作者が、直感的に把握しやすい表示を行うという目的のため、ディスプレイ137の方位は、天井クレーン100が設けられた施設において定義された局所的な方位であればよい。局所的な方位は、施設の一つの壁がある方向を「北」として定義しても差し支えないのである。
以下、かかる方位を特定するための3通りの方法について説明する。いずれかの方法を選択して用いてもよいし、併用してもよいし、切り換えて使用可能としてもよい。
C1.方法1:
図4は、ディスプレイ方位判定処理(1)のフローチャートである。ディスプレイ方位判定部147(図1参照)が実行する処理であり、ハードウェア的には制御装置140のCPUが実行する処理である。この機能を、コントローラ130またはディスプレイ137で実現してもよい。
処理を開始すると、CPUは、磁気センサにより方位を検出する(ステップS10)。磁気センサは、地磁気センサ、電子コンパスとも呼ばれる機器である。本実施例では、磁気センサは、ディスプレイ137またはコントローラ130に取り付けることができる。スマートフォンなどをディスプレイ137として使用する場合には、スマートフォンに備えられている磁気センサを利用してもよい。磁気センサは、ディスプレイ137またはコントローラ130と一体である必要はなく、操作者が保持してもよい。
次に、CPUは、量子化処理を行う(ステップS11)。量子化処理とは、磁気センサで検出された方位を、予め設定された所定の方位に割り付ける処理である。
図中に量子化処理のイメージを示した。図示する通り、検出された方位が、北(N)を中心とする範囲a1に入る場合は、「北(N)」を割り付ける。同様に範囲a2には北東(NE)、範囲a3には東(E)、範囲a4には南東(SE)、範囲a5には南(S)、範囲a6には南西(SW)、範囲a7には西(W)、範囲a8には北西(NW)を割り当てる。
こうすることにより、簡易に方位を割り付けることができる。
図中では、8つの方位を設定しているが、4つでも良いし、8以上でも良い。
方位の設定は、地理上の方位と一致させる必要はない。天井クレーン100が設置されている施設内の局所的な方位に基づいて設定すればよい。この結果、例えば、北(N)の方位が地理上の北からずれていることも許容される。
方位を割り付けるための範囲a1~a8は、均等である必要もない。例えば、東西南北の範囲を広めに設定し、他の4方位の範囲を狭く設定するということも可能である。
C2.方法2:
図5は、ディスプレイ方位判定処理(2)のフローチャートである。ディスプレイ方位判定部147(図1参照)が実行する処理であり、ハードウェア的には制御装置140のCPUが実行する処理である。この機能を、コントローラ130またはディスプレイ137で実現してもよい。
この方法は、磁気センサで検出された方位を修正することによって、ディスプレイ137の方位を算出する処理となる。
図の左側には、事前に行われるキャリブレーション処理を示した。上述の修正を行うための修正量Adを求めるための処理である。
まず、操作者が施設内の北方向にディスプレイ137を向け(ステップS20)、CPUはこれを検知する。例えば、操作者がコントローラ130またはディスプレイ137を操作して、北方向を向けたことを入力するようにしてもよいし、磁気センサの検出値がほぼ変動しない状態が所定の時間継続することで検知してもよい。
次に、CPUは、この状態での磁気センサの方位を検出する(ステップS21)。
そして、検出された方位と北との誤差に基づき修正量Adを算出する(ステップS22)。図中に修正量Adの算出方法を示した。施設内の局所的な方位における「北」が地理的な東西南北(E、W、S、N)からずれているとき、ステップS21で検出される方位は、図のベクトルのように地理的な北(N)からずれた状態となる。このベクトルと、地理的な北(N)との差が修正量Adとなるのである。
算出された修正量Adは、以後の処理で使用するために、ディスプレイ方位判定部147に登録される(ステップS23)。
キャリブレーション処理が完了した後、クレーンの操作中は、図の右側に示したディスプレイ方位判定処理が行われる。
この処理では、CPUは、磁気センサによる方位を検出する(ステップ30)。
そして、キャリブレーション処理で求められた修正量Adを用いて、方位修正処理を行う(ステップS31)。図示するように、検出された修正前の方位に対して、修正量Adを加えることで、修正後の方位を得る。
こうすることにより、比較的簡単な計算で、施設内の局所的な方位に合わせて、ディスプレイ137の方位を求めることができる。ディスプレイ方位判定処理(2)では、方位の量子化を行わないため、検出センサと同じ解像度で方位を特定できる利点がある。
C3.方法3:
図6は、ディスプレイ方位判定処理(3)のフローチャートである。ディスプレイ方位判定部147(図1参照)が実行する処理であり、ハードウェア的には制御装置140のCPUが実行する処理である。この機能を、コントローラ130またはディスプレイ137で実現してもよい。
この処理では、磁気センサを用いず、施設内に設置されたマーカを用いて方位を特定する。
処理を開始すると、CPUは、カメラによりマーカを撮影する(ステップS40)。カメラの向きは、ディスプレイ137の向きとほぼ同一となることが望まれるから、例えば、ディスプレイ137の背面に設置されたカメラを利用することができる。コントローラにカメラを設置してもよい。撮影するマーカとしては、施設内に設けられた方位板150が挙げられる。
次に、CPUは、マーカ画像に基づいて方位を判定する(ステップS41)。図中に判定方法のイメージを示した。カメラによる撮影時の視点位置および画角は既知であるとすれば、図示するように画像内のマーカの位置に基づいて解析することで、カメラの方位、ひいてはディスプレイ137の方位を判定することができる。
この方法によれば、磁気センサを用いることなく方位を判定できる利点がある。マーカは、方位板150の他、施設の床面に方位を示す線などを描いたものをマーカとして利用してもよいし、施設内の設備などをマーカとして用いてもよい。
ディスプレイ137の方位は、上述した処理に限られるものではない。例えば、施設内の各方位に設けられたビーコン151からの信号を受信し、その強弱などに基づいて方位を特定してもよい。
以上の各処理によって得られたディスプレイ137の方位は、次に示すディスプレイ137の表示に用いることができる。
D.ディスプレイ表示処理:
図7は、ディスプレイ表示処理(操作者)のフローチャートである。図8は、ディスプレイの表示画面例を示す説明図である。これらの図を参照して、ディスプレイ表示処理の内容を説明する。
ディスプレイ表示処理は、操作者のディスプレイ137、即ちコントローラ130に取り付けられたディスプレイ137に表示を行うための処理である。ディスプレイ制御部146(図1参照)が行う処理であり、ハードウェア的には制御装置140のCPUが実行する処理である。ディスプレイ制御部146をコントローラ130またはディスプレイ137に設けても良い。
具体的には、制御装置140において、ディスプレイ137に表示すべき画像等の画像データを生成し、これを送信してディスプレイ137に表示させる方法をとることができる。また、画像等を表示させるために必要な情報を、制御装置140からディスプレイ137に設けたディスプレイ制御部146に送信し、ディスプレイ137側で画像データを生成して表示を行うようにしてもよい。さらに、ディスプレイ137に設けたディスプレイ制御部146が、必要な情報を取得して、表示を行うようにしてもよい。
処理を開始するとCPUは、ホイスト120の移動方向についての指示、即ちコントローラ130の操作内容を入力する(ステップS50)。
また、CPUは、周囲の人の位置情報を入力する(ステップS51)。周囲の人とは、図3で示した作業員P1~P3など、クレーンの操作に関わらないものの、クレーンの周囲に存在する人を意味する。これらの人の位置情報は、例えば、各人が保持するスマートフォンから取得することができる。スマートフォンに代えて、位置情報を検出するための機器を各人に保持させてもよい。また、ホイスト120に取り付けられたホイストカメラ124で撮影した画像の解析によって、人の存在、およびその位置を特定してもよい。
次に、CPUは、ディスプレイ137の方位、位置情報を入力する(ステップS52)。ディスプレイ137の方位は、先に図4~6で説明した方法などによって得ることができる。ディスプレイ137の位置は、コントローラ130またはディスプレイ137に設けたGPSによって特定してもよい。ホイスト120に取り付けられたホイストカメラ124で撮影した画像の解析によって特定してもよい。
次に、CPUは、ディスプレイ137の表示モードに応じた表示処理を実行する(ステップS53)。図8(a)に表示モードを選択するための画面例を示した。図示するように、種々のモードにおける画面のサムネイルSN1~SN3が表示されており、それぞれを選択することで表示モードを選択することができる。
図8(a)において、サムネイルSN3を選択するとホイストカメラモードとなり、図8(d)の表示が行われる。
ホイストカメラモードが選択されている場合、CPUは、ディスプレイ137にホイストカメラ124で撮影した画像を表示する(図7のステップS58)。ホイストカメラ124は、ホイスト120から下を見た画像を撮影しているから、この表示では、図8(d)に示すように、吊荷の状態やその周囲の人の配置などを確認することができる。ホイストカメラ124で撮影した画像をそのまま表示してもよいし、直感的に理解しやすくするために、ヘディング表示、即ちディスプレイ137の方位に合わせて回転して表示させてもよい。
図8(a)において、サムネイルSN1を選択すると2Dモードとなり、図8(b)の表示が行われる。
2Dモードが選択されている場合、CPUは、移動方向を2次元表示する(図7のステップS57)。図8(b)に示すように、施設内の2次元的な地図を表示し、そこに、操作者の位置PP、周囲の人の位置IP3、IP4を表示した上で、指示された移動方向M1を表示する。ホイスト120の位置を表示してもよい。これらの表示により、操作者は、周囲の状況およびホイスト120の移動方向を確認することができる。この2次元の地図も、ディスプレイ137の上を北など特定の方位に固定して表示してもよいし、ディスプレイ137の方位に合わせて回転させて表示してもよい。
移動方向の表示と合わせて音声を出力してもよい。例えば、音声で移動方向を読み上げたり、移動開始や停止などを知らせる音声を出力してもよい。こうすることで、安全性を向上させることができる。
図8(a)において、サムネイルSN2を選択すると3Dモードとなり、図8(c)の表示が行われる。
3Dモードが選択されている場合、CPUは、ホイスト120の移動方向を3次元表示する(図7のステップS56)。図8(c)に示すように、施設内の様子を3次元的な地図で表示し、そこに、周囲の人の位置IP1、IP2を表示した上で、指示された移動方向Mを表示する。こうすることで、操作者は、周囲の状況および移動方向を確認することができる。この3次元の地図も、ディスプレイ137の上を北など特定の方位に固定して表示してもよいし、ディスプレイ137の方位に合わせて回転させて表示してもよい。図8(c)中の円Cは、方位を認識しやすくするために表示されている。省略することも可能である。
図8(a)において、サムネイルSN2を選択したとき、3Dモードに代えて、ARモードとなるようにしてもよい。ARモードにおける表示は、図8(c)と同様である。
ARモードが選択されている場合、CPUは、カメラにより前方の画像を入力する(図7のステップS54)。ディスプレイ137の背面に取り付けられたカメラを用いることが好ましい。カメラは、コントローラ130に取り付けてもよいし、コントローラ130とは別体としてもよい。前方の画像とは、操作者の視線方向、即ちディスプレイ137の背面方向を撮影した画像である。
CPUは、前方の画像に、移動方向を重畳してディスプレイに表示する(ステップS55)。図8(c)に示すように、施設内の撮影画像を重ねて、指示された移動方向Mを表示するのである。周囲の人の位置IP1、IP2を合わせて表示してもよい。また、方位や水平面を表す円Cなどを合わせて表示してもよい。これらの表示により、操作者は、周囲の状況および移動方向を確認することができる。
CPUは、終了するまで(ステップS59)、以上の各処理を繰り返し実行する。
なお、以上の処理においては、種々の変形例が可能である。例えば、ホイスト120の移動方向は、移動開始前はコントローラ130の指示に従って表示し、移動中は実際の移動方向を表示してもよい。また、移動方向は、移動開始前に表示してもよいし、移動を開始してから表示してもよい。周囲の人の表示は省略してもよい。
本実施例では、操作者以外の人が保持するディスプレイにも表示を行うものとした。操作者以外のディスプレイは、例えば、各自が保持するスマートフォンを利用することができる。また、本実施例専用の表示器を保持させるようにしてもよい。
各自のスマートフォンを利用する場合には、予め制御装置140に対して登録をするとともに、表示のためのアプリケーションをインストールしておく。各自が、アプリケーションにログインすることで表示が行われるようにしてもよい。また、スマートフォンの位置情報などにより、登録済みのスマートフォンが、施設内にいることを検知して自動的に表示を行うようにしてもよい。さらに、制御装置140とスマートフォンとの通信を、Bluetooth(登録商標)などの短距離通信で行うものとし、スマートフォンが制御装置140から所定の距離範囲内に入った時に表示が行われるようにしてもよい。
図9は、ディスプレイ表示処理(操作者以外)のフローチャートである。この処理は、ディスプレイ制御部146(図1参照)が行う処理であり、ハードウェア的には制御装置140のCPUが実行する処理である。ディスプレイ制御部146を各人のスマートフォンにインストールしたアプリケーションで実現してもよい。
処理を開始するとCPUは、図7で説明したディスプレイ表示処理と同様、ホイストの移動方向についての指示、周囲の人の位置情報、周囲の人が保持するディスプレイの方位、位置情報を入力する(ステップS60、S61、S62)。さらに、コントローラ130に取り付けられたディスプレイ137の位置、方位を入力してもよい。
次に、CPUは、危険の有無を判断する(ステップS63)。例えば、ホイスト120の周囲の所定の距離の領域に、人が入っている場合に危険と判断してもよい。ホイスト120の移動方向に人がいる場合に危険と判断してもよい。その他種々の条件に基づいて危険を判断することができる。
そして、危険であると判断された場合には、CPUは、危険を知らせるための警報表示を行う(ステップS65)。表示と合わせて音声を出力してもよい。
この警報表示は、危険と判断された人が保持するスマートフォンに対してのみ行うものとしてもよいし、操作者も含め、施設内の全てのディスプレイ、スマートフォンに行うようにしてもよい。
危険がないと判断される場合には、図7で説明したのと同様、表示モードに応じて(ステップS64)、表示を行う。ホイストモードでは、ホイストカメラの画像を表示する(ステップS70)。2Dモードでは、ホイスト120の移動方向を2次元表示する(ステップS69)。3Dモードでは、ホイスト120の移動方向を3次元表示する(ステップS68)。これらの表示は、ディスプレイの方位に合わせて行ってもよい。この場合、各人が保持するディスプレイに合わせてもよいし、操作者のディスプレイに合わせてもよい。
また、ARモードでは、カメラにより前方の画像を入力して(ステップS66)、移動方向を重畳表示する(ステップS67)。ARモードにおける画像は、各人が保持するスマートフォンのカメラで撮影した画像であってもよいし、コントローラ130に取り付けられたカメラで撮影した画像であってもよい。
CPUは、終了するまで(ステップS71)、以上の各処理を繰り返し実行する。図9で説明した処理においても、図7で説明したのと同様、種々の変形例が可能である。
E.第2実施例:
次に、第2実施例のクレーンシステムについて説明する。
第1実施例では、ディスプレイはコントローラと一体化されている例を示した。第2実施例では、ディスプレイを脱着可能とした例を示す。この場合、スマートフォンなどの携帯端末をディスプレイとして使用することができる。
E1.コントローラの構成:
図10は、第2実施例におけるコントローラ230の構成を示す説明図である。
コントローラ230は、操作者が手に持って操作するための本体239に、電源をオン・オフするための押ボタン232、ワイヤの巻上げ/巻下げのための押ボタン233、東西南北の4方向に移動させるための4つの押ボタン234が設けられている。
コントローラ230には、アタッチメント240を介してスマートフォンなどの携帯端末250が脱着可能に取り付けられている。第2実施例では、携帯端末250がディスプレイとして機能する。携帯端末250は、第1実施例と同様、押ボタン232、233、234よりも上側、つまりケーブル231が突出している側に取り付けられている。第1実施例と同様、携帯端末250は、コントローラ230の上面に対して傾けて取り付けられている。
アタッチメント240は、コントローラ230に固定されていても良いし、脱着可能に取り付けられていてもよい。
アタッチメント240は、携帯端末250の背面に設けられたカメラに干渉しないように保持可能な機構とすることが好ましい。
携帯端末250には、所定のアプリケーションをインストールすることにより、図示する各機能がソフトウェア的に構成されている。
送受信部251は、クレーンシステムを構成する制御装置140と種々の情報を送受信する。
位置検出部252は、GPSなどを用いて携帯端末250の位置情報を検出する。
方位判定部253は、携帯端末250に備えられた磁気センサなどを利用して、第1実施例の図4~6で説明した方法などにより、携帯端末250の方位を検出する。
撮影部254は、携帯端末250に備えられたカメラを利用して撮影を行う。
表示制御部255は、携帯端末250のディスプレイに、種々の表示を行う。
登録処理部256は、携帯端末250を天井クレーン100の制御装置140に登録する。
これらの機能の一部は携帯端末250のオペレーティングシステム(OS)で提供されているものを利用してもよい。また、第2実施例において、携帯端末250で実現する機能に応じて、制御装置140に構成する機能の一部を省略してもよい。また、制御装置140に、携帯端末250を利用するために必要な機能を追加してもよい。
E2.ディスプレイ登録処理:
第1実施例では、ディスプレイはコントローラにビルトインされていたが、第2実施例では、携帯端末250をディスプレイとして使用する。任意の携帯端末250を使用可能であるため、第2実施例においては、コントローラ230に、どの携帯端末250が取り付けられているのかを登録する処理が必要となる。この登録は、例えば、以下に説明する3通りの方法で行うことができる。これらの方法は、いずれか一つを用いるものとしてもよいし、操作者などが、いずれかの方法を選択可能としてもよい。
E2-1.方法1:
図11は、ディスプレイ登録処理(1)の説明図である。
図11(a)に、登録方法の概要を示した。コントローラ230には固有の識別情報、つまりコントローラID、が付されている。コントローラIDは、図示する通り、バーコード230aや番号などの視認可能なコード230bが、表面に貼付されている。携帯端末250は、コントローラIDを入力し、自身の識別情報、つまり端末IDと合わせて制御装置140に送信する。こうすることで、コントローラ230と携帯端末250、即ちディスプレイとを紐付けることができる。
端末IDは、ハードウェアを特定できる識別情報の他、携帯端末250にインストールされたアプリケーションを利用する際のユーザIDを利用してもよい。
コントローラIDの入力は、例えば、バーコード230aを携帯端末250のカメラで読み取ってもよい。また、コード230bをスマートフォンのタッチパネル250aで入力してもよい。この他、コントローラ230に、コントローラIDを記憶したICチップ等を設け、携帯端末250で、これを読み取るようにしてもよい。
施設内で用いられているコントローラ230が1台に限られる場合には、コントローラIDは既知のものとして、その読み込みを省略してもよい。即ち、携帯端末250から制御装置140に対して、端末IDを送信することにより、コントローラに取り付けられていることを指示するようにしてもよい。
図11(b)は、上述の登録方法を実現するための処理を示すフローチャートである。左側には、携帯端末250が実行する処理を示し、右側には、制御装置140が実行する処理を示した。
図示する通り、携帯端末250で、コントローラIDを入力する(ステップS80)。そして、端末IDとともに、コントローラIDを制御装置に送信する(ステップS81)。
一方、制御装置では、携帯端末250から送信された端末ID、コントローラIDを入力する(ステップS85)。
そして、これらの情報が適正か判断する(ステップS86)。コントローラID、端末IDの一方または双方が、制御装置に予め登録されたものと一致しないなど、適正ではないと判断される場合には、再度、コントローラIDの入力を行わせる(ステップS80)。
端末ID、コントローラIDが適正であると判断される場合には(ステップS86)、両者を紐付けて登録し(ステップS87)、登録完了の通知を送信する(ステップS88)。これに応じて、携帯端末250では、登録完了が表示される(ステップS82)。
こうすることにより、任意の携帯端末250を、第1実施例におけるディスプレイ137と同様に利用することが可能となる。
E2-2.方法2:
図12は、ディスプレイ登録処理(2)の説明図である。
図12(a)に、登録方法の概要を示した。コントローラ230は携帯端末250との通信により、携帯端末250の識別情報、つまり端末IDを読み込む。この通信は、携帯端末250をコントローラ230に接近させたときに自動的に行われるようにしてもよいし、コントローラ230の押ボタンまたは携帯端末250の画面操作などで指示するようにしてもよい。コントローラ230は、自身の識別情報であるコントローラIDと、携帯端末250から読み込んだ端末IDとを合わせて制御装置140に送信する。
図12(b)は、上述の登録方法を実現するための処理を示すフローチャートである。左側には、コントローラ230が実行する処理を示し、右側には、制御装置140が実行する処理を示した。
図示する通り、コントローラ230で、端末IDを入力する(ステップS90)。そして、端末IDとコントローラIDとを制御装置に送信する(ステップS91)。
一方、制御装置では、コントローラ230から送信された端末ID、コントローラIDを入力する(ステップS95)。
そして、これらの情報が適正ではないと判断される場合には(ステップS96)、再度、コントローラIDの入力を行わせる(ステップS90)。
端末ID、コントローラIDが適正であると判断される場合には(ステップS96)、両者を紐付けて登録し(ステップS97)、携帯端末250との間で通信を確立し(ステップS98)、登録完了の通知を送信する(ステップS99)。
こうすることにより、任意の携帯端末250を、第1実施例におけるディスプレイ137と同様に利用することが可能となる。
E2-3.方法3:
図13は、ディスプレイ登録処理(3)の説明図である。
図13(a)に、登録方法の概要を示した。この方法では、コントローラ230は携帯端末250とBluetooth(登録商標)などの短距離通信を確立させ、種々の情報を通信可能な状態とする。そして、制御装置に、通信が確立したことを通知する。この方法では、制御装置140に、コントローラIDと端末IDとを紐付けて登録するということは行わない。携帯端末250に表示させるためのデータは、コントローラ230を介して携帯端末250に送信するのである。こうすれば、コントローラ230に対して、どの携帯端末250が取り付けられているかを制御装置140が把握していなくても、コントローラ230に取り付けられた携帯端末250に適正な表示を行うことが可能となる。
図13(b)は、上述の登録方法を実現するための処理を示すフローチャートである。左側には、コントローラ230が実行する処理を示し、右側には、制御装置140が実行する処理を示した。
図示する通り、コントローラ230は、携帯端末250との短距離通信の確立を試行する(ステップS100)。この試行は、通信が確立するまで繰り返し実行される(ステップS101)。コントローラ230は、通信が確立すると、そのことを制御装置に通知する(ステップS102)。
一方、制御装置では、コントローラ230から通信の確立がした旨の通知が送信されるのを待ち(ステップS105)、通知を受け取ると、コントローラ230に携帯端末250が取り付けられたことを登録する(ステップS106)。そして、登録が完了した旨の通知をコントローラ230に対して送信する(ステップS107)。
コントローラ230は、この通知を受け取ると、登録完了画面を携帯端末250に表示させる(ステップS103)。
こうすることにより、任意の携帯端末250を、第1実施例におけるディスプレイ137と同様に利用することが可能となる。
F.第3実施例:
第1実施例、第2実施例では、種々の画像を表示可能なディスプレイを用いる例を示したが、本発明におけるディスプレイは、コントローラの操作部に取り付けられ、文字を表示するものとしてもよい。以下、かかる例を第3実施例として説明する。
F1.コントローラの構成:
図14は、第3実施例におけるコントローラ330の構成を示す説明図である。
第3実施例のコントローラ330には、図示するようにワイヤの巻き上げ、巻き下げを指示するための押ボタン333、移動方向を指示するための押ボタン334(方向ボタンとも称する)、移動開始を指示するための押ボタン335(移動開始ボタンとも称する)が設けられている。移動開始ボタン335の表面は、文字を表示可能なディスプレイとなっている。コントローラ330には、この表示を制御するための表示回路336が内蔵されている。
なお、押ボタン333、334、335の配置、大きさなどは任意に決めることができる。また、第3実施例のコントローラ330においても、4つの方向ボタン334に代えて、コントローラ自体を円筒状の筐体の中心軸周りに回転させることにより、移動方向を指示可能な構成としてもよい。
図には、第3実施例における移動開始ボタン335の表示の変化を併せて示した。ホイスト120の移動開始前は、移動開始ボタン335には、移動開始を指示するためのボタンであることを表す「動」の文字が表示されている。
その後、操作者が、方向ボタン334のいずれかを押して移動方向を指示すると、移動開始ボタン335には、方向ボタンに応じた方向が表示される。図示するように、移動方向として「東」が指示されると、移動開始ボタン335には、「東」が表示される。西、南、北が指示された場合には、移動開始ボタン335には、それぞれ西、南、北が表示される。移動開始ボタン335に、移動方向が表示されることにより、操作者は、自身が行った操作内容を容易に確認することができ、誤った移動方向を指示したときには、すぐに誤りに気づくことができる。
このように移動開始ボタン335に移動方向が表示された状態で、操作者が、移動開始ボタン335を操作すると、ホイスト120は移動を開始する。移動を開始した後は、移動開始ボタン335の表示を「止」に切換えて、移動停止を指示するための押ボタンとして機能させてもよい。移動停止のための押ボタンは、移動開始ボタン335とは別に用意してもよい。
F2.予告表示モード制御処理:
図14で説明したように、移動方向を指示することによって、ホイスト120の移動開始前に、その表示が行われることを予告表示と呼び、この状態でホイスト120が動作することを予告表示モードと呼ぶ。以下、予告表示モードにおけるクレーンの制御処理について説明する。
図15は、予告表示モード制御処理のフローチャートである。主としてクレーン移動制御部143(図1参照)が実行する処理であり、ハードウェア的には制御装置140のCPUが実行する処理である。
処理を開始すると、CPUは、移動方向の指示がなされるまで待ち(ステップS70)、移動方向が指示されると、移動方向を予告表示する(ステップS71)。図14で説明したように、コントローラ330の移動開始ボタン335に、指示された移動方向の文字を表示するのである。また、ホイスト120に設けられた表示器123に、移動方向を示す矢印を表示する。なお、移動開始ボタン335の表示は、制御装置140を介するのではなく、コントローラ330内の表示回路336が、方向ボタン334の操作内容を検出し、それに応じた表示を行うようにしてもよい。ただし、制御装置140からコントローラ330に、移動方向を指示して、移動開始ボタン335の表示を行わせるようにすれば、ノイズの影響などにより方向ボタン334による操作内容が誤って制御装置140に伝わった場合に、移動開始ボタン335には誤った内容が表示されることになるため、操作者が誤りに気づきやすい利点がある。
CPUは、操作者が、移動開始ボタン335を操作して、移動開始を指示するまで、予告表示を継続する(ステップS72)。
移動開始が指示されると(ステップS72)、CPUは、クレーンの表示器123に、移動方向を表示しながら(ステップS73)、クレーンを移動させる(ステップS74)。この移動は、停止が指示されるまで(ステップS75)、継続する。
以上で説明した第3実施例によれば、ホイスト120を移動させるために操作する必要がある移動開始ボタン335に、移動方向が予告表示され、操作者は必ずこの表示を確認することになるため、安全性を向上させることができる。また、予告表示を表示器123にも併せて行うことにより、一層、安全性を向上させることができる。
G.第4実施例:
第3実施例では、ディスプレイを操作部と兼用する一例として、移動開始ボタン335の表面をディスプレイとする例を示した。次に、ディスプレイによって、複数の押ボタンを表示させ、操作部として利用する例を第4実施例として説明する。
図16は、第4実施例におけるコントローラ430の構成を示す説明図である。コントローラ430の表面には、タッチパネルで構成されたディスプレイ437が取り付けられており、クレーンを操作する場面に応じた押ボタンを表示させられるようになっている。
図16(a)には、ホイスト120が停止している状態のディスプレイ437の画面例を示した。停止しているときは、ワイヤの巻き上げ、巻き下げを指示するための押ボタン433が表示される。画面の表示は、切換ボタン436によって切り換えることができる。
図16(b)には、移動方向を指示するためのディスプレイ437の画面例を示した。この画面では、移動方向を表す方向ボタン434と、画面を切り換えるための切換ボタン436が表示される。方向ボタン434の配置は任意に決めることができる。図の例では、東西南北の方向に合わせて配置した。東と西のボタンを上下に若干ずらしてあるのは、両者のボタンの押し間違いを回避するためである。方向ボタン434は、コントローラ430が向いている方位に応じてヘディング表示となるように配置を変更してもよい。こうすることで、直感的に移動方向を指示することが可能となる。
移動方向を指示すると、図16(c)に表示する画面に切り換わる。この画面では、ディスプレイ437の上部に、指示された移動方向434aが予告表示され、その下に、移動開始ボタン435が表示される。図の例は、東への移動が表示された場合の例である。こうすることにより、第3実施例で説明したのと同様、操作者は、移動方向の予告表示を確認した上で、移動開始を指示することができるため、安全性を向上させることができる。移動開始ボタン435の「動」の文字に代えて、移動方向を表示させてもよい。
第4実施例によれば、クレーンを操作する場面に応じた画面をディスプレイ437に表示し、操作部として使用することができる。例えば、ホイスト120の巻き上げ、巻き下げを行う場面では、図16(a)に示した画面を表示することにより、移動方向の指示や移動開始の指示が誤って行われることを回避できる。また、ホイスト120を移動させる場面では、図16(b)、図16(c)の画面を表示することにより、誤って巻き上げ、巻き下げが行われることを回避できる。このように、第4実施例によれば、誤操作を回避でき、安全性を一層、向上させることが可能となる。
第4実施例では、次のような変形例を採用してもよい。コントローラ430を向けた方向を、磁気センサなどで検出可能としておき、その方向に応じて、ホイスト120を移動させる方向を指示可能とするのである。
このとき、ホイスト120は、いずれの方向にも自由に移動可能にするのではなく、安全性を考慮して、4方向または8方向に移動方向が制限されているのが通常である。従って、制御装置は、磁気センサによりコントローラ430の方向を検出すると、図4で説明したのと同じ処理によって、予め規定された方位のいずれかを割り当てる。こうすることにより、コントローラ430の指す方向が「北」から少しずれている場合でも、「北」への移動を指示することが可能となる。他の方位も同様である。移動方向ボタン434を操作するまでなく、直感的に容易に移動方向を指示することが可能となるのである。また、ホイスト120を8方向に移動可能とした場合には、移動方向434が8個も必要となり、非常に煩雑になるが、上記態様によれば、移動方向ボタン434が不要となるため、こうした煩雑さを回避することも可能となる。
このように移動方向を指示すると、コントローラ430には、図16(c)に示したように、移動方向434aの表示が行われる。従って、操作者は、コントローラ430を向けることで指示した移動方向が、適切に受け付けられているかを確認することが可能となる。移動開始ボタン435の「動」の文字に代えて、移動方向を表示させてもよい。
第4実施例では、コントローラ430を向けた方向に応じて、移動方向ボタン434の表示内容を変える態様をとってもよい。例えば、クレーンが8方向に移動可能な場合、コントローラ430が「北」を向いているときは、「北」を中心として、「北西」「北東」の3つ、またはこれに「東」「西」を加えた5つの移動方向ボタンを表示する。このようにコントローラ430が向いている方向を中心にした一部の移動方向ボタンのみを表示するのである。こうすることにより、移動方向ボタンが多数表示されることによる煩雑さを回避しながら、移動方向ボタンの操作によって確実に移動方向を指示するという利点も活かすことができる。この場合も、移動方向ボタンの操作に応じて、図16(c)のような移動方向434aの表示を行うようにしてもよい。
H.効果および変形例:
以上、本発明の種々の実施例について説明した。本発明によれば、コントローラに取り付けられたディスプレイに種々の情報を表示させることにより、クレーンの操作における安全性を向上させることができる。
上述の各実施例で説明した種々の特徴は、必ずしも全てを備えている必要はなく、適宜、その一部を省略したり組み合わせたりしてもよい。
また、本発明については、実施例の他、種々の変形例を構成可能である。実施例では、施設内で吊荷を運搬するクレーンを例示したが、種々のタイプのクレーンに利用可能であり、介護施設において被介護者を運搬するための介護クレーンに適用しても良い。その他、種々の変形例が可能である。
本発明は、クレーンの操作における安全性を向上させるために利用することができる。
100 天井クレーン
101、102 走行レール
103 マーカ
110 クレーンガーダ
111、112 サドル
113、127 センサ
114 マーカ
120 ホイスト
121 ワイヤ
122 フック
123 表示器
124 ホイストカメラ
127 センサ
130 コントローラ
131 ケーブル
132、133、134 押ボタン
137 ディスプレイ
139 本体
140 制御装置
141 送受信部
142 モード切換部
143 クレーン移動制御部
144 表示器制御部
145 クレーン位置検出部
146 ディスプレイ制御部
147 ディスプレイ方位判定部
148 端末検出部
150 方位板
151 ビーコン
230 コントローラ
230a バーコード
230b コード
231 ケーブル
232、233、234 押ボタン
239 本体
240 アタッチメント
250 携帯端末
250a タッチパネル
251 送受信部
252 位置検出部
253 方位判定部
254 撮影部
255 表示制御部
256 登録処理部
330 コントローラ
333 押ボタン
334 押ボタン(方向ボタン)
335 押ボタン(移動開始ボタン)
336 表示回路
430 コントローラ
433 押ボタン
434 方向ボタン
435 移動開始ボタン
436 切換ボタン
437 ディスプレイ

Claims (13)

  1. 施設内に予め設置された走行レール上を移動するクレーンシステムであって、
    吊荷を吊り上げて移動させるためのクレーン装置と、
    オペレータが手に持って前記クレーン装置の移動を操作するためのコントローラと、
    前記コントローラに取り付けられ、前記クレーン装置に関する情報を、文字および画像の双方または一方で表示する表示部と、
    前記表示部が、前記クレーンシステムが設置されている施設内において設定された方位を基準として、いずれの方位を向いているかを検知する検知部を備え、
    前記表示部に、前記表示部の前記検知された方位に応じた態様で、前記クレーン装置の移動方向を表示させる表示制御部とを備えるクレーンシステム。
  2. 請求項1記載のクレーンシステムであって、
    前記表示制御部は、前記コントローラの操作を取得し、前記表示部に、該操作に応じた表示を行わせるクレーンシステム。
  3. 請求項1記載のクレーンシステムであって、
    前記検知部は、
    前記表示部の方位を検出するセンサを有し、
    前記センサの出力を、予め設定した所定の方位のうち近いものに割り当てた結果を出力するクレーンシステム。
  4. 請求項1記載のクレーンシステムであって、
    前記検知部は、
    前記表示部の方位を検出するセンサを有し、
    前記センサの出力を、予め設定した補正値で補正して出力するクレーンシステム。
  5. 請求項4記載のクレーンシステムであって、
    前記補正値は、前記クレーンシステムが設置されている施設内において設定された方位と、前記センサによって検出される方位との誤差に基づいて設定された値であるクレーンシステム。
  6. 請求項1記載のクレーンシステムであって、
    前記検知部は、前記クレーンシステムが設置されている施設内において方位を示すために設置された方位マーカを検出し、当該方位マーカに基づいて前記表示部の方位を特定するクレーンシステム。
  7. 請求項1記載のクレーンシステムであって、
    前記表示制御部は、
    前記クレーンシステムが設置された施設内の様子を表す画像と、
    前記クレーン装置の移動方向を表す画像とを、重畳させて前記表示部に表示させるクレーンシステム。
  8. 請求項1記載のクレーンシステムであって、
    前記表示制御部は、
    さらに、前記表示部に、前記表示部の水平面に対する傾きに応じた表示を行わせるクレーンシステム。
  9. 請求項1記載のクレーンシステムであって、
    前記表示制御部は、危険が生じていると判断されるときに、前記コントローラを操作する操作者に対して、危険を報知するための表示を前記表示部に行わせるクレーンシステム。
  10. 請求項1記載のクレーンシステムであって、
    前記表示制御部は、前記表示部に、前記コントローラを操作する操作者以外の者または物の位置を表示させるクレーンシステム。
  11. 請求項1記載のクレーンシステムであって、
    前記クレーン装置は、吊荷を上方から撮影するカメラを有しており、
    前記表示制御部は、前記表示部に、前記カメラで撮影した画像を表示させるクレーンシステム。
  12. 請求項1記載のクレーンシステムであって、
    前記コントローラは、さらに音声を出力可能であるクレーンシステム。
  13. 施設内に予め設置された走行レール上を、吊荷を吊り上げて移動させるためのクレーン装置と、オペレータが手に持って前記クレーン装置の移動を操作するためのコントローラと、該操作に応じて前記クレーン装置を制御する制御装置と、前記クレーン装置に関する情報を、文字および画像の双方または一方で表示する表示部を備えるクレーンシステムにおいて、前記表示部に前記クレーン装置に関する情報を表示するためのコンピュータプログラムであって、
    前記制御装置から、前記クレーン装置の移動方向に関する情報を取得する取得機能と、
    前記表示部、前記クレーンシステムが設置されている施設内において設定された方位を基準として、いずれの方位を向いているかを検知する検知部を備え、
    前記取得した情報に基づき前記表示部に、前記表示部の前記検知された方位に応じた態様で、前記クレーン装置の移動方向を表示させる表示機能とをコンピュータによって実現するためのコンピュータプログラム。
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