本発明に係る発光制御システムについて、好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下に説明する。
第1の実施の形態に係る発光制御システム10Aは、図1に示すように、制御装置12と、制御装置12に接続される親機14と、無線16を介して前記親機14と接続され、且つ発光部18(1)〜18(n)を各々有する複数の子機20(1)〜20(n)とから基本的に構成される。
制御装置12は、汎用のパーソナルコンピュータやワークステーション、あるいは前記発光制御システム10Aに特化した専用機等で構成され、複数の子機20(1)〜20(n)に対する各種コマンド等のデジタルデータを作成し、前記デジタルデータを親機14に出力する。
親機14は、図2に示すように、制御装置12から出力されたデジタルデータを入力して処理する親機側制御部22と、前記親機側制御部22からのデジタルデータを送信することが可能な高周波信号(搬送波)に重畳させる処理(変調)を行う変調部24と、変調された前記搬送波を増幅する増幅部26と、親機用アンテナ28とから構成される。
子機20(1)〜20(n)は、親機用アンテナ28から送信された電波を受信する子機用アンテナ32と、受信した前記電波に基づく電気信号を増幅する増幅部34と、増幅された前記電気信号を復調してデジタルデータを得るための復調部36と、得られた前記デジタルデータを処理する子機側制御部38と、前記子機20(1)〜20(n)の子機番号コード等の各種データを格納する第1メモリ40と、発光部18(1)〜18(n)の発光パターンプログラムを格納する第2メモリ42と、ワークメモリ44と、前記子機20(1)〜20(n)の現在位置を測定する現在位置検出部46と、前記子機側制御部38からのデジタルデータの変調を行う変調部48と、バッテリ50とから構成される。
なお、前記子機番号コードとは、前記子機20(1)〜20(n)を識別するために前記各子機20(1)〜20(n)に付与されたものであり、参照符号20(1)〜20(n)の括弧内の番号1〜nをいう。
また、子機20(1)〜20(n)の各子機側制御部38には、赤色光を発光する発光ダイオード52と、緑色光を発光する発光ダイオード54と、青色光を発光する発光ダイオード56とから構成される発光部18(1)〜18(n)が各々接続される。この場合、発光ダイオード52、54、56は、発光するか否かの単純なオン・オフ動作をするものであってもよいし、明るさ(階調)を調整することが可能なものであってもよい。
なお、本実施の形態では、これらの発光ダイオード52、54、56は、単純なオン・オフ動作をするものとして以下に説明し、且つ本実施の形態では、便宜的に、発光ダイオード52を赤LED52、発光ダイオード54を緑LED54、発光ダイオード56を青LED56として以下に説明する。
この場合、図1において、子機20(1)〜20(n)は据え置き形の子機として記載されているが、図3に示す携帯可能なペンライト形の子機20であってもよい。この場合、前記子機20の先端部に半球状の発光部18が設けられ、前記発光部18内に棒状の赤LED52、緑LED54及び青LED56が子機20の長手方向に各々延在して設けられ、子機用アンテナ32は前記子機20に内蔵されている。
第1の実施の形態に係る発光制御システム10Aは、基本的には、以上のように構成されるものであり、次に、各子機20(1)〜20(n)の発光部18(1)〜18(n)に対する発光制御について説明する。
ここでは、スタジアム、スタジオ、ホール等のイベント会場内において、図4に示すように、代表的に64個の子機20(1)〜20(64)(破線で示された正方形)を前記イベント会場の各観客席に対応して配置する場合を示し、以下、これらの子機20(1)〜20(64)を前提として、各発光部18(1)〜18(64)(図1及び図2参照)の発光制御について説明する。
なお、図4では、前記正方形内の数字が前記各観客席の番号1〜64を示し、前記各観客席には、前記各番号1〜64と一致する子機番号コード1〜64を有する各子機20(1)〜20(64)が配置されていることを前提とする。また、便宜的に、前記番号1〜64を各々有する前記各観客席を、観客席1〜64として説明する。
発光制御に先立ち、制御装置12(図12参照)内で、子機20(1)〜20(64)に子機番号コード1〜64を割り振ると共に、前記子機番号コード1〜64を前記各子機20(1)〜20(64)の第1メモリ40に各々格納する。次いで、制御装置12において、前記子機20(1)〜20(64)を8×8のマトリックス状に配置した図4に示す配置情報を作成する。
次いで、前記配置情報に従って、イベント会場内の64個の観客席1〜64に前記各子機20(1)〜20(64)を配置する。この場合、前記各子機20(1)〜20(64)は、予め前記各観客席1〜64に直接配置してもよいし、チケットと共に各観客に予め渡して、前記各観客が前記各観客席1〜64に着席することによって配置してもよい。
このような準備を経て、制御装置12は、前記配置情報に基づいて図5に示すデジタルデータの発光処理コマンド70を作成する。前記発光処理コマンド70は、コマンドの開始を示す開始データ72と、子機番号コード1〜64が格納される子機識別データ74及び各発光部18(1)〜18(64)を発光させるための発光情報データ76からなる前記子機20(1)〜20(64)毎の子機制御データ78と、終了データ80(同期データ)とから構成される。
次いで、制御装置12が、無線16を介して親機14から各子機20(1)〜20(64)に発光処理コマンド70を送信すると、前記各子機20(1)〜20(64)は、第1メモリ40に記憶されている自己の子機番号コードと、各子機識別データ74内に格納されている子機番号コード1〜64とを比較して、前記子機番号コード1〜64のうち、1つの子機番号コードと前記自己の子機番号コードとが一致する場合、前記1つの子機番号コードに付属する発光情報データ76に基づいて、発光部18(1)〜18(64)内の所定のLED52、54、56を発光させる。
具体的には、3、4、5、6、10、15、17、25、33、37、38、39、41、47、50、54、59、60、61の子機番号コードを有する各子機(以下、便宜上、これらの子機を処理対象子機20Wとする。)の赤LED52を発光させるには、制御装置12において、図6に示す発光処理コマンド70を作成する。この場合、各子機識別データ74には処理対象子機20Wの前記各子機番号コード3、4、5、6、10、15、17、25、33、37、38、39、41、47、50、54、59、60、61が格納され、各発光情報データ76には各赤LED52を発光させる指示データとしての“R”が格納される。
次いで、図6に示す発光処理コマンド70を親機14及び無線16を介して制御装置12から各子機20(1)〜20(64)に送信すると、上述した子機番号コード3、4、5、6、10、15、17、25、33、37、38、39、41、47、50、54、59、60、61に対応する各子機20(3)、20(4)、20(5)、20(6)、20(10)、20(15)、20(17)、20(25)、20(33)、20(37)、20(38)、20(39)、20(41)、20(47)、20(50)、20(54)、20(59)、20(60)、20(61)の赤LED52が発光し、これらの赤色光によって図7に示すアルファベットの大文字“G”の発光パターン68aが表示される。
また、第1の実施の形態に係る発光制御システム10Aでは、図8に示すように、制御装置12にハブ60を接続し、複数の親機14(1)〜14(8)にネットワーク装置62(1)〜62(8)を各々接続し、前記ハブ60と前記各ネットワーク装置62(1)〜62(8)とをネットワークケーブル64で接続した状態で、前記各親機14(1)〜14(8)からイベント会場66(ここではスタジアム)内の観客が携帯する各子機20に、無線16を介して発光処理コマンド70(図5参照)を送信することにより、前記各子機20の所定のLED52、54、56(図2参照)を発光させて、例えば、アルファベットの大文字“JAPAN”の発光パターン68bを表示させることも可能である。
第1の実施の形態に係る発光制御システム10Aの基本的動作は上述した通りであり、次に、前記発光制御システム10Aの特徴的な機能について、図9〜図23を参照しながら説明する。
この機能は、例えば、イベント会場内の観客席が自由席である場合、図4に示す子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)を携帯する観客が、観客席23、31、37、38から、図9に示す観客席37、38、23、31に各々移動しても、前記子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)の移動した位置を制御装置12で把握し、さらに各発光部18(23)、18(31)、18(37)、18(38)の発光制御を行うことを可能とする機能である。
この機能を説明する前に、子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)が前記イベント会場内を移動することによる問題点について、図4、図7、図9及び図10を参照しながら説明する。
先ず、子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)の位置が、図4に示す観客席23、31、37、38から図9に示す観客席37、38、23、31に各々移動した状態で、制御装置12が、無線16を介して親機14から各子機20(3)、20(4)、20(5)、20(6)、20(10)、20(15)、20(17)、20(25)、20(33)、20(37)、20(38)、20(39)、20(41)、20(47)、20(50)、20(54)、20(59)、20(60)、20(61)に発光処理コマンド70を送信すると、前記各子機の赤LED52が発光し、図10に示すアルファベットの“O”の発光パターン68cが表示される。すなわち、子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)の移動によって、制御装置12(図2参照)で予め設定された図7に示すアルファベットの“G”の発光パターン68aとは異なるアルファベットの“O”の発光パターン68cが表示される。
このような状態を回避するためには、観客に予め配布するチケット及び観客席に子機番号コードを有するRFID(Radio Frequency Identification)タグ等の無線タグを取り付ける一方、各子機20(1)〜20(64)には前記無線タグの読取手段を搭載することが考えられる。この場合、前記各子機20(1)〜20(64)は、移動する度に近接する無線タグから前記子機番号コードを取得するので、制御装置12から前記各子機20(1)〜20(64)の発光制御を行うことが可能になるものと想定される。
しかしながら、前記読取手段に関し、前記各子機20(1)〜20(64)に搭載できる程度に小型化されたものは市販されていない。また、イベント会場が立見席や観客が移動するような会場である場合には、上述した発光制御を行うことはできない。
これに対して、第1の実施の形態に係る発光制御システム10Aは、子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)が移動しても、図7に示すアルファベットの“G”の発光パターン68aを表示可能な機能を有する。
具体的には、先ず、制御装置12は、図4に示す観客席1〜64の位置情報と、各子機20(1)〜20(64)の子機番号コード1〜64との対応付けを行う。この場合、前記各観客席1〜64の前記位置情報は、緯度及び経度による所定の範囲で示され、前記子機番号コード1〜64は前記所定の範囲と対応付けられる。
例えば、図4上、観客席1の左上方の隅部を緯度(横方向)及び経度(縦方向)の原点と定め、前記各観客席1〜64の座席の大きさを横方向に50cm、縦方向に80cmと設定すれば、前記観客席1の座席の範囲は、緯度で0分〜0.00027分、経度で0分〜0.000432分となる。なお、便宜上、前述した緯度及び経度の値を、以下の説明では(緯度の値)/(経度の値)で表記する。ここで、上述した観客席1の座席の範囲は、0/0〜0.00027/0.000432分で表記される。
また、前記した観客席23、31、37、38の座席の範囲は、前記観客席23の場合は0.00162/0.000864〜0.00189/0.001296分であり、前記観客席31の場合は0.00162/0.00129〜0.00189/0.001728分であり、前記観客席37の場合は0.00108/0.001728〜0.00135/0.00216分であり、前記観客席38の場合は0.00135/0.001728〜0.00162/0.00216分である。
次いで、図11のフローチャートにおいて、子機20(1)〜20(64)を携帯する各観客が観客席1〜64に着席した時点で、制御装置12は、前記各子機20(1)〜20(64)の現在位置の送信を前記各子機20(1)〜20(64)に対し要求する位置情報送信要求コマンド100を作成する(ステップS1)。前記位置情報送信要求コマンド100の構成は、図16に示すように、コマンドの開始を示す開始データ102と、前記各子機20(1)〜20(64)に前記現在位置の送信を要求するための位置情報送信要求データ104と、コマンドの終了を示す終了データ106(同期データ)とから構成される。この場合、前記各子機20(1)〜20(64)に前記各現在位置の送信を要求するので、子機番号コード1〜64を前記位置情報送信要求コマンド100に格納する必要はない。
次いで、制御装置12は、図11に示すように、上述した位置情報送信要求コマンド100を親機14に出力する(ステップS2)。前記位置情報送信要求コマンド100は、前記親機14の親機側制御部22に入力される(ステップS3)。前記親機側制御部22は、入力された前記位置情報送信要求コマンド100を変調部24に転送する。前記変調部24は、デジタルデータである前記位置情報送信要求コマンド100を電波として送信することができる高周波信号(搬送波)に重畳させる変調処理を行う。変調された前記搬送波は、増幅部26において増幅され(ステップS4)、さらに親機用アンテナ28から電波として各子機20(1)〜20(64)に送信される(ステップS5)。
親機用アンテナ28から送信された前記電波は、各子機20(1)〜20(64)の子機用アンテナ32で同時に受信され、その後、前記電波に基づく電気信号は、増幅部34で増幅されてから復調部36で復調されてデジタルデータに変換される(ステップS6)。
位置情報送信要求コマンド100を示す前記デジタルデータは、各子機20(1)〜20(64)の子機側制御部38に同時に入力され、前記子機側制御部38では以下の処理が行われる。
先ず、子機側制御部38は、前記デジタルデータが位置情報送信要求コマンド100の開始データ102であるか否かを判定する(ステップS7)。開始データ102であると判定した場合、前記子機側制御部38は、ステップS6の処理を再度実行し、次のデジタルデータを取得する。一方、ステップS7において、開始データ72でないと判定した場合、前記子機側制御部38は、前記デジタルデータが終了データ106であるか否かを判定する(ステップS8)。
前記デジタルデータが終了データ106でないと判定した場合、子機側制御部38は、前記デジタルデータと第1メモリ40に予め格納されている位置情報送信要求データとを比較し(ステップS9)、一致した場合、制御装置12から位置情報送信要求コマンド100が送信されたものと判断し、現在位置検出部46に対して現在位置の測定を指示する。前記現在位置検出部46は、前記指示に基づいて前記現在位置を測定し(ステップS10)、測定された前記現在位置をワークメモリ44に転送し、前記ワークメモリ44は前記現在位置を格納する。
この場合、現在位置検出部46がGPSであれば、図示しない人工衛星から前記現在位置を緯度及び経度で取得することができる。前記人工衛星から現在位置検出部46に取得される緯度及び経度は1分(1852m)単位で示されるので、前記現在位置検出部46は、前記1分で表示されるデータを1/10000000で表現することにより、0.1852mmの分解能を実現している。
なお、前記人工衛星からの電波が弱く、前記現在位置の取得が困難である場合には、イベント会場内に取り付けられたスードライト(擬似衛星)を介して前記緯度及び前記経度を取得することが好ましい。
また、現在位置検出部46は、GPSにDGPS(Differential GPS)やRTK(Real Time Kinematic)技術を併用させることにより、前記人工衛星や前記スードライトから現在位置を高精度に取得することも可能である。
次いで、ステップS10の処理後、子機側制御部38は、ステップS6の処理を再度実行して次のデジタルデータを取得し、ステップS7の処理において前記デジタルデータが開始データ102でないと判定した場合、ステップS8の処理において前記デジタルデータが終了データ106であるか否かを判定し、前記デジタルデータが終了データ106であった場合、取得した前記現在位置に基づいてデジタルデータである返信情報コマンド110を作成する(ステップS11)。
前記返信情報コマンド110の構成は、図17に示すように、コマンドの開始を示す開始データ112と、各子機20(1)〜20(64)の子機番号コード1〜64が格納される子機識別データ114と、前記現在位置を示す現在位置情報データ116と、コマンドの終了を示す終了データ118(同期データ)とから構成される。
ここで、子機側制御部38は、作成された前記返信情報コマンド110を変調部48に転送する。前記変調部48は、デジタルデータである前記返信情報コマンド110を電波として送信することができる高周波信号(搬送波)に重畳させる変調処理を行う。変調された前記搬送波は、増幅部34において増幅され(ステップS12)、さらに子機用アンテナ32から電波として親機14に送信される(ステップS13)。
各子機用アンテナ32(図2参照)から送信された前記各電波は、親機14の親機用アンテナ28で受信され、次いで、前記各電波に基づく電気信号は、増幅部26で増幅されてから復調部30で復調されてデジタルデータに変換される(ステップS14)。
返信情報コマンド110を示す前記デジタルデータは、図12に示すように、親機側制御部22に入力され、前記親機側制御部22から制御装置12に出力される(ステップS15)。前記制御装置12に前記デジタルデータが入力されると(ステップS16)、前記制御装置12は、前記デジタルデータが返信情報コマンド110の開始データ112であるか否かを判定する(ステップS17)。前記制御装置12は、開始データ112であると判定した場合、ステップS16の処理を再度実行し、次のデジタルデータを取得する一方、ステップS17において、開始データ112でないと判定した場合、前記デジタルデータが終了データ118であるか否かを判定する(ステップS18)。
ここで、前記制御装置12は、前記デジタルデータが終了データ118でないと判定した場合、前記デジタルデータ内の現在位置情報データ116と前記制御装置12内で予め設定された位置情報とを比較し(ステップS19)、一致した場合、比較した子機は移動していないものと判断し、その後、ステップS16の処理を再度実行し、次のデジタルデータを取得する。
この場合、ステップS19の判定処理とは、前記現在位置情報データ116に格納されている各子機20(1)〜20(64)の現在位置を示す緯度及び経度の範囲が、制御装置12内で予め設定された各子機20(1)〜20(64)の緯度及び経度の範囲内にあるか否かを判定する処理である。
例えば、子機20(37)が図4に示す観客席37の位置から図9及び図10に示す観客席23の位置に移動した場合、移動した前記子機20(37)の現在位置は、前記観客席23の位置を示す0.00162/0.000864〜0.00189/0.001296分の範囲である一方、制御装置12内で予め設定された子機20(37)の位置は、前記観客席37の位置を示す0.00108/0.001728〜0.00135/0.00216分の範囲である。
これにより、前記子機20(37)の前記現在位置と、前記制御装置12内で予め設定された前記子機20(37)の前記位置とは、明らかに異なることが諒解される。
なお、上述した緯度及び経度の範囲とは、観客席1〜64の座席の大きさの範囲をいい、例えば、観客席1は前述したように0/0〜0.00027/0.000432分の緯度及び経度の範囲で示される。
一方、ステップS19において、前記現在位置情報データ116と予め設定された前記位置情報とが一致しない場合、前記制御装置12は、比較した子機が移動しているものと判断し、ダミーの子機番号コードを作成し(ステップS20)、次いで、ステップS16の処理を再度実行し、次のデジタルデータを取得する。
ステップS16の処理後のステップS17の処理において、制御装置12は、前記デジタルデータが開始データ112でないと判定した場合、ステップS18の処理において前記デジタルデータが終了データ118であるか否かを判定する。前記デジタルデータが終了データ118である場合、前記制御装置12は、ダミーの子機番号コードが作成されるような子機が存在したか否かを判定し(ステップS21)、前記子機が存在する場合には、前記子機に対して現在の子機番号コードを前記ダミーの子機番号コードに変更することを指示する位置情報変更コマンド130を作成する(ステップS22)。
ここで、位置情報変更コマンド130の構成は、図18に示すように、コマンドの開始を示す開始データ132と、現在の子機番号コードが格納される子機識別データ134及び前記ダミーの子機番号コードが格納される子機識別データ136から構成される子機識別変更データ138と、コマンドの終了を示す終了データ140(同期データ)とから構成される。
具体的には、図19に示すように、位置情報変更コマンド130内には、移動した子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)に対する子機識別変更データ138a、138b、138c、138dが形成され、前記子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)の子機番号コード23、31、37、38が子機識別データ134a、134b、134c、134d内に各々格納され、子機番号コード1〜64と重複しないダミーの子機番号コード、例えば、9996、9997、9998、9999が前記ダミーの子機識別データ136a、136b、136c、136dに各々格納されている。
次に、制御装置12は、図12に示すように、上述した位置情報変更コマンド130を親機14に出力する(ステップS23)。前記位置情報変更コマンド130は、親機側制御部22に入力され(ステップS24)、前記親機側制御部22は、入力された前記位置情報変更コマンド130を変調部24に転送する。
前記変調部24は、デジタルデータである前記位置情報変更コマンド130を、電波として送信することができる高周波信号(搬送波)に重畳させる変調処理を行う。変調された前記搬送波は、増幅部26において増幅され(ステップS25)、さらに図13に示すように、親機用アンテナ28から電波として各子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)に送信される(ステップS26)。
親機用アンテナ28から送信された前記各電波は、各子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)の子機用アンテナ32で同時に受信され、次いで、前記各電波に基づく各電気信号は、増幅部34で増幅されてから復調部36で復調されてデジタルデータに変換される(ステップS27)。
位置情報変更コマンド130を示す前記デジタルデータは、各子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)の子機側制御部38に同時に入力され、前記子機側制御部38では以下の処理が行われる。
先ず、子機側制御部38(図2参照)は、前記デジタルデータが位置情報変更コマンド130の開始データ132であるか否かを判定する(ステップS28)。開始データ132であると判定した場合、前記子機側制御部38は、ステップS27の処理を再度実行し、次のデジタルデータを取得する。一方、ステップS28において、開始データ132でないと判定した場合、前記子機側制御部38は、前記デジタルデータが終了データ140であるか否かを判定する(ステップS29)。
前記デジタルデータが終了データ140でないと判定した場合、前記子機側制御部38は、前記デジタルデータ内の子機番号コードと第1メモリ40に予め格納されている子機番号コードとを比較し(ステップS30)、一致した場合、前記第1メモリ40に格納されている前記子機番号コードを、ダミーの子機識別データ136に格納されている前記ダミーの子機番号コードに変更し、前記ダミーの子機番号コードを第1メモリ40に格納する(ステップS31)。
ステップS31の処理後、子機側制御部38は、ステップS27の処理を再度実行して次のデジタルデータを取得し、ステップS28の処理において前記デジタルデータが開始データ132でないと判定した場合、ステップS29の処理において前記デジタルデータが終了データ140であるか否かを判定する。前記デジタルデータが終了データ140であった場合、前記子機側制御部38は、次のデジタルデータを取得するまでの待機状態に至る。
これにより、移動した各子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)は、第1メモリ40に記憶されたダミーの子機番号コード9996、9997、9998、9999により、子機20(9996)、20(9997)、20(9998)、20(9999)に変更される。
しかしながら、前記子機番号コード9996、9997、9998、9999は、子機番号コード1〜64と何ら関係のないダミーの子機番号コードであるから、各子機20(1)〜20(64)に発光処理コマンド70(図5参照)を送信しても、前記子機20(9996)、20(9997)、20(9998)、20(9999)の発光部18(9996)、18(9997)、18(9998)、18(9999)は発光しないので、図7に示す“G”の発光パターン68aを表示させることはできない。
そこで、制御装置12は、図14に示すように、前記各子機20(9996)、20(9997)、20(9998)、20(9999)のダミーの子機番号コード9996、9997、9998、9999を、移動先の観客席37、38、23、31に対応する子機番号コード37、38、23、31に各々変更するための位置情報変更コマンド150を作成する(ステップS32)。
位置情報変更コマンド150の構成は、図20に示すように、コマンドの開始を示す開始データ152と、前記各子機20(9996)、20(9997)、20(9998)、20(9999)のダミーの子機識別データ154及び前記現在位置に対応する新たな子機識別データ156からなる子機識別変更データ158と、コマンドの終了を示す終了データ160(同期データ)とから構成される。
具体的には、図21に示すように、位置情報変更コマンド150内には、前記各子機20(9996)、20(9997)、20(9998)、20(9999)に対応する子機識別変更データ158a、158b、158c、158dが形成され、前記各子機20(9996)、20(9997)、20(9998)、20(9999)の子機番号コード9996、9997、9998、9999が子機識別データ154a、154b、154c、154d内に各々格納され、子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)の移動先の観客席37、38、23、31に対応する子機番号コード37、38、23、31が、新たな子機識別データ156a、156b、156c、156dに各々格納されている。
次に、制御装置12は、図14に示すように、上述した位置情報変更コマンド150を親機14に出力する(ステップS33)。前記位置情報変更コマンド150は、親機側制御部22に入力される(ステップS34)。
前記親機側制御部22は、入力された前記位置情報変更コマンド150を変調部24に転送する。前記変調部24は、デジタルデータである前記位置情報変更コマンド150を電波として送信することができる高周波信号(搬送波)に重畳させる変調処理を行う。変調された前記搬送波は、増幅部26において増幅され(ステップS35)、さらに親機用アンテナ28から電波として4個の子機20(9996)、20(9997)、20(9998)、20(9999)に送信される(ステップS36)。
親機用アンテナ28から送信された前記電波は、各子機20(9996)、20(9997)、20(9998)、20(9999)の子機用アンテナ32で同時に受信され、その後、前記各電波に基づく電気信号は、増幅部34で増幅されてから復調部36で復調されてデジタルデータに変換される(ステップS37)。
ここで、位置情報変更コマンド150を示す前記デジタルデータは、各子機20(9996)、20(9997)、20(9998)、20(9999)の子機側制御部38に同時に入力され、前記子機側制御部38では以下の処理が行われる。
先ず、子機側制御部38は、前記デジタルデータが位置情報変更コマンド150の開始データ152であるか否かを判定する(ステップS38)。開始データ152であると判定した場合、前記子機側制御部38は、ステップS37の処理を再度実行し、次のデジタルデータを取得する。一方、ステップS38において、開始データ152でないと判定した場合、前記子機側制御部38は、前記デジタルデータが終了データ160であるか否かを判定する(ステップS39)。
前記デジタルデータが終了データ160でないと判定した場合、子機側制御部38は、前記デジタルデータ内に格納されているダミーの子機番号コードと、第1メモリ40に格納されているダミーの子機番号コードとを比較し(ステップS40)、一致した場合、前記ダミーの子機番号コードを、新たな子機識別データ156に格納されている新たな子機番号コードに変更し、前記新たな子機番号コードを第1メモリ40に格納する(ステップS41)。
次いで、ステップS41の処理後、子機側制御部38は、ステップS37の処理を再度実行して次のデジタルデータを取得し、ステップS38の処理において前記デジタルデータが開始データ152でないと判定した場合、ステップS39の処理において前記デジタルデータが終了データ160であるか否かを判定する。前記デジタルデータが終了データ160であった場合、前記子機側制御部38は、図15に示すように、前記子機番号コードの変更を完了したことを示す変更完了コマンド170を作成する(ステップS42)。
変更完了コマンド170の構成は、図22に示すように、コマンドの開始を示す開始データ172と、上述した変更処理後の前記新たな子機番号コードが格納される新たな子機識別データ174及び前記現在位置を示す現在位置情報データ176から構成される変更完了データ178と、コマンドの終了を示す終了データ180(同期データ)とから構成される。
次に、子機側制御部38は、図15に示すように、作成された変更完了コマンド170を変調部48に転送する。前記変調部48は、デジタルデータである前記変更完了コマンド170を電波として送信することができる高周波信号(搬送波)に重畳させる変調処理を行う。変調された前記搬送波は、増幅部34において増幅され(ステップS43)、さらに子機用アンテナ32から電波として親機14に送信される(ステップS44)。
各子機用アンテナ32から送信された前記各電波は、親機14の親機用アンテナ28で受信され、その後、前記各電波に基づく電気信号は、増幅部26で増幅されてから復調部30で復調されてデジタルデータに変換される(ステップS45)。
ここで、変更完了コマンド170を示す前記デジタルデータは、親機側制御部22(図2参照)に入力され、前記親機側制御部22から制御装置12に出力される(ステップS46)。前記制御装置12に前記デジタルデータが入力されると(ステップS47)、前記制御装置12は、前記デジタルデータが変更完了コマンド170の開始データ172であるか否かを判定する(ステップS48)。開始データ172であると判定した場合、前記制御装置12は、ステップS47の処理を再度実行し、次のデジタルデータを取得する。一方、ステップS48において、開始データ172でないと判定した場合、前記制御装置12は、前記デジタルデータが終了データ180であるか否かを判定する(ステップS49)。
前記デジタルデータが終了データ180でないと判定した場合、制御装置12は、前記デジタルデータ内の現在位置情報データ176と前記制御装置12内で予め設定された位置情報とを比較し(ステップS50)、一致した場合、比較した子機がダミーの子機番号データから前記現在位置に対応する子機番号データへの変更を完了したものと判断し、その後、ステップS47の処理を再度実行し、次のデジタルデータを取得する。
上述したステップS50の判定処理とは、現在位置情報データ176内の前記現在位置を示す緯度及び経度の範囲が、前記設定された位置情報の緯度及び経度の範囲内であるか否かを判定する処理である。
一方、ステップS50において、前記現在位置情報データ176と予め設定された前記位置情報とが一致しない場合、前記制御装置12は、比較した子機が子機番号コードの変更を完了していないものと判断し、新たなダミーの子機番号コードを作成し(ステップS51)、次いで、ステップS47の処理を再度実行し、次のデジタルデータを取得する。
次に、ステップS47の処理後のステップS48の処理において、制御装置12は、前記デジタルデータが開始データ172でないと判定した場合、ステップS49の処理において、前記デジタルデータが終了データ180であるか否かの判定を行う。前記デジタルデータが終了データ180であった場合、前記制御装置12は、図12のステップS21に戻って、新たなダミーの子機番号コードが作成されるような子機が存在したか否かを判定し、前記子機が存在すればステップS22以降の処理を実行する。
一方、ステップS21において、新たなダミーの子機番号コードが作成されるような子機が存在しない場合、発光制御システム10Aは、図23に示す各発光部18(1)〜18(64)の発光処理を実行する。
前記各発光部18(1)〜18(64)の発光処理は、先ず、制御装置12において、発光処理コマンド70(図7及び図8参照)を作成する(ステップS52)。次いで、前記制御装置12は、作成した前記発光処理コマンド70を親機14に出力する(ステップS53)。
制御装置12から出力された発光処理コマンド70は、親機側制御部22(図2参照)に入力される(ステップS54)。親機側制御部22は、入力した発光処理コマンド70を変調部24に転送し、前記変調部24は、前記発光処理コマンド70を電波として送信することができる高周波信号(搬送波)に重畳させる変調処理を行う。変調された前記搬送波は、増幅部26において増幅され(ステップS55)、さらに親機用アンテナ28から電波として各子機20(1)〜20(64)に送信される(ステップS56)。
親機用アンテナ28から送信された各電波は、各子機20(1)〜20(64)の子機用アンテナ32で同時に受信され、その後、前記各電波に基づく各電気信号は、増幅部34で増幅され、さらに復調部36において復調されてデジタルデータに変換される(ステップS57)。
得られた前記デジタルデータは、各子機20(1)〜20(64)の子機側制御部38に同時に入力され、以下の処理が行われる。
先ず、子機側制御部38は、前記デジタルデータが発光処理コマンド70の開始データ72であるか否かを判定する(ステップS58)。開始データ72であると判定した場合、子機側制御部38は、ステップS57の処理を再度実行し、次のデジタルデータを取得する。一方、ステップS58において、開始データ72でないと判定した場合、前記子機側制御部38は、前記デジタルデータが終了データ80であるか否かを判定する(ステップS59)。前記デジタルデータが終了データ80でないと判定した場合、前記子機側制御部38は、前記デジタルデータ内の子機番号コード1〜64と第1メモリ40に格納されている自己の子機番号コードとを比較し(ステップS60)、一致した場合、前記デジタルデータに続く次のデジタルデータ、すなわち、発光情報データ76を取得し、ワークメモリ44に格納する(ステップS61)。
ステップS60の処理において、前記デジタルデータが自己の子機番号コードと一致しない場合、前記子機側制御部38は、ステップS57の処理を再度実行して次のデジタルデータを取得する。
また、ステップS59の処理において、子機側制御部38は、前記デジタルデータが終了データ80であった場合、ワークメモリ44に格納されている発光情報データ76に基づいて発光部18(1)〜18(64)を駆動して発光処理を行う(ステップS62)。
以上の処理において、子機側制御部38は、発光処理コマンド70内に自己の子機番号コードが存在しない場合、次に続く発光情報データ76を取得せず、勿論発光処理も行わない。一方、図6に示すように、発光処理コマンド70には、8×8マトリックス内に文字“G”(図7参照)を表示させるべく、処理対象子機20Wの子機制御データ78のみが格納されている。従って、終了データ80の受信時に駆動されるのは、処理対象子機20Wの発光部のみであるから、結局、8×8マトリックス内には文字“G”が表示される。
一方、図6に示すように、発光処理コマンド70の全ての発光情報データ76には赤LED52のみの発光を指示するデータ“R”が格納されているので、処理対象子機20Wの赤LED52のみが発光する。従って、8×8マトリックス内には“赤”の文字“G”が表示される。
また、共通な発光処理コマンド70が親機14から全ての処理対象子機20Wに同時に送信され、しかも、前記処理対象子機20Wは終了データ80を受信したタイミングでその発光部を駆動するので、各処理対象子機20Wの各発光部の発光タイミングを同期させ、前記各発光部を一斉に発光させることができる。
なお、第1の実施の形態では、子機20(1)〜20(n)における発光部18(1)〜18(n)の発光タイミングを同期させるための同期データを終了データ80としているが、同期データは必ずしも終了データ80に限定されるものではない。例えば、開始データ72、あるいは、開始データ72及び終了データ80以外の所定データを同期データとすることもできる。この場合、開始データ72や所定データを受信してから所定時間経過後に発光部18(1)〜18(n)を発光させればよい。
上述したように、第1の実施の形態に係る発光制御システム10Aでは、子機20(1)〜20(n)から親機14に、前記各子機20(1)〜20(n)の現在位置を示す現在位置情報データ116が送信されるので、制御装置12は、子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)が、予め設定した前記各子機20(1)〜20(n)の正規の位置から移動しても、前記各子機20(1)〜20(n)の前記各現在位置を容易に把握することができる。
また、制御装置12が、現在位置情報データ116に基づいて各子機20(1)〜20(n)の前記各現在位置から、移動した子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)の現在位置を認識し、移動した前記子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)に対して前記現在位置に対応する位置情報変更コマンド130、150を前記親機14から送信することにより、前記制御装置12は、前記各子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)の移動に関わりなく各発光部18(23)、18(31)、18(37)、18(38)を発光させることができる。
例えば、スタジアム、スタジオ、ホール等のイベント会場において、観客が子機20(1)〜20(64)を携帯しながら自分の観客席から他の観客席に移動しても、前記各子機20(1)〜20(64)から前記親機14に、前記他の観客席の位置を示す現在位置情報データ116が送信されるので、制御装置12は、移動した前記各子機20(1)〜20(64)の位置を正確に把握することができる。
また、第1の実施の形態では、イベント会場内において、観客が各子機20(23)、20(31)、20(37)、20(38)を持って観客席を移動する場合について説明したが、前記第1の実施の形態は、(1)出演者が子機20(1)〜20(n)を持って前記イベント会場内を移動する場合、(2)前記イベント会場が立見席である場合、(3)神輿、山車等の車両に子機20(1)〜20(n)を取り付けて前記車両を移動させる場合、(4)船、ボート、筏、浮き等に子機20(1)〜20(n)を取り付けて移動させる場合、(5)ヘリコプター、飛行機、風船、凧等に子機20(1)〜20(n)を取り付けて移動させる場合、(6)ボール、フリスビー等の移動可能な玩具に子機20(1)〜20(n)を取り付けて移動させる場合についても、制御装置12から上述した各発光部18(1)〜18(n)の発光制御を行えることは勿論である。
次に、第2の実施の形態に係る発光制御システム10Bについて、図24〜図33を参照しながら説明する。なお、なお、第1の実施の形態に係る発光制御システム10Aと同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略し、以下同様とする。
第2の実施の形態に係る発光制御システム10Bは、図24に示すように、復調部30及び変調部48を有しない点で、第1の実施の形態に係る発光制御システム10A(図2参照)とは異なる。
そして、前記発光制御システム10Bの特徴的な機能は、親機14から各子機20(1)〜20(n)に発光情報データ及び所定の位置又は範囲内を示す位置情報データを送信すると、前記子機20(1)〜20(n)内では、現在位置検出部46で測定された現在位置と前記所定の位置又は範囲とを比較して、前記現在位置が前記所定の位置又は範囲内であれば、前記発光情報データに基づいて発光部18(1)〜18(n)を発光させる機能である。
具体的には、先ず、制御装置12において、図25に示すイベント会場内の各観客席1〜64の位置情報から、緯度及び経度で示した配置情報を作成する。なお、図25では、代表的に観客席1、2、9、10を含む範囲の緯度及び経度について示している。
次に、図26のフローチャートにおいて、制御装置12は、発光処理コマンド200を作成する(ステップS70)。
ここで、発光処理コマンド200は、図27に示すように、コマンドの開始を示す開始データ202と、所定の位置及び範囲を示す位置情報データ204及び各発光部18(1)〜18(64)を発光させるための発光情報データ206からなる子機制御データ208と、終了データ210(同期データ)とから構成される。
この場合、前記所定の位置及び範囲とは、発光情報データ206に基づく発光部18(1)〜18(64)の発光制御範囲をいい、前記発光制御システム10Bでは、(1)制御装置12から所定の範囲を示すデータを送信して、前記所定の範囲内にある子機20(1)〜20(64)の発光部18(1)〜18(64)を発光させる場合と、(2)制御装置12から所定の位置を示すデータを送信して、前記所定の位置を含む所定の範囲を各子機20(1)〜20(64)で設定して、前記所定の範囲内に存在する各子機20(1)〜20(64)の発光部18(1)〜18(64)を発光させる場合とについて説明する。
(1)の場合、例えば、観客席1(図25)の範囲内にある子機20の赤LED52(図3及び図24参照)を発光させるには、図28に示すように、位置情報データ204に前記観客席1の緯度及び経度である0/0〜0.0002699/0.0004319分の位置情報を格納し、発光情報データ206に赤LED52の発光を示す“R”のデータを格納させる。
(2)は、(2−1)緯度及び経度で表記された起点190(図25参照)の位置情報を制御装置12から各子機20(1)〜20(64)に送信して、前記子機20(1)〜20(64)において前記起点190から所定の範囲を設定する場合と、(2−2)緯度及び経度で表記された中心点192(図25参照)の位置情報を制御装置12から各子機20(1)〜20(64)に送信して、前記子機20(1)〜20(64)において前記中心点192を中心とする所定の範囲を設定する場合とに分けられる。
(2−1)の場合、例えば、観客席2(図25)の範囲内にある子機20の緑LED54(図3及び図24参照)を発光させるには、図25及び図29に示すように、位置情報データ204に前記観客席2の左上方の隅部の起点190の緯度及び経度である0.00027/0分の位置情報を格納し、発光情報データ206に緑LED54の発光を示す“G”のデータを格納させる。
また、(2−2)の場合、例えば、観客席9(図25)の範囲内にある子機20の青LED56(図2及び図3参照)を発光させるには、図25及び図30に示すように、位置情報データ204に前記観客席9の中心点192の緯度及び経度である0.000135/0.000648分の位置情報を格納し、発光情報データ206に青LED56の発光を示す“B”のデータを格納させる。
次に、制御装置12は、図26に示すように、作成した前記発光処理コマンド200を親機14に出力する(ステップS71)。
制御装置12から出力された発光処理コマンド200は、親機側制御部22(図2参照)に入力される(ステップS72)。親機側制御部22は、入力された前記発光処理コマンド70を変調部24に転送し、前記変調部24は、前記発光処理コマンド70を電波として送信することができる高周波信号(搬送波)に重畳させる変調処理を行う。変調された前記搬送波は、増幅部26において増幅され(ステップS73)、さらに親機用アンテナ28から電波として各子機20(1)〜20(64)に送信される(ステップS74)。
親機用アンテナ28から送信された各電波は、各子機20(1)〜20(64)の子機用アンテナ32で同時に受信され、その後、前記各電波に基づく各電気信号は、増幅部34で増幅され、さらに復調部36において復調されてデジタルデータとなる(ステップS75)。
得られた前記デジタルデータは、各子機20(1)〜20(64)の子機側制御部38に同時に入力され、以下の処理が行われる。
先ず、子機側制御部38は、前記デジタルデータが発光処理コマンド200の開始データ202であるか否かを判定する(ステップS76)。開始データ202であると判定した場合、前記子機側制御部38は、ステップS75の処理を再度実行し、次のデジタルデータを取得する。一方、ステップS76において、開始データ202でないと判定した場合、前記子機側制御部38は、前記デジタルデータが終了データ210であるか否かを判定する(ステップS77)。前記デジタルデータが終了データ210でないと判定した場合、前記子機側制御部38は、現在位置検出部46に現在位置の測定を指示する。前記現在位置検出部46は、前記指示に基づいて前記現在位置を測定してワークメモリ44に出力する(ステップS78)。前記ワークメモリ44は、入力された前記現在位置を格納する。
次に、子機側制御部38は、前記デジタルデータが示す所定の位置又は範囲と、第1メモリ40に格納されている前記現在位置とを比較し(ステップS79)、前記現在位置が前記所定の位置又は範囲内にある場合、前記デジタルデータに続く次のデジタルデータ、すなわち、発光情報データ206を取得し、ワークメモリ44に格納する(ステップS80)。
ステップS79の処理において、前記現在位置が前記所定の位置又は範囲内にない場合、子機側制御部38は、ステップS75の処理を再度実行して次のデジタルデータを取得する。
また、ステップS77の処理において、前記デジタルデータが終了データ210であった場合、子機側制御部38は、ワークメモリ44に格納されている発光情報データ206に基づいて発光部18(1)〜18(64)を駆動して発光処理を行う(ステップS81)。
ステップS81において、発光処理コマンド200が上述した(1)の場合には、観客席1の範囲内にある子機20の赤LED52(図3及び図24参照)が発光し、(2−1)の場合には、起点190の位置情報に基づいて観客席2の範囲内にある子機20の緑LED54が発光し、(2−2)の場合には、中心点192の位置情報に基づいて観客席9の範囲内にある子機20の青LED56が発光する。
また、図31に示すように、道路220上を走行する車両222、224、226に子機(図示せず)を搭載して、緯度及び経度が100/0〜200/40分のエリア228では前記子機から緑色光を発光させ、0/10〜100/100分のエリア230では前記子機から赤色光を発光させ、0/100〜40/180分のエリア232では前記子機から黄色光を発光させる場合、図示しない制御装置は、図32に示す発光処理コマンド240を、図示しない親機及び無線を介して図31の前記各車両222、224、226に搭載された前記各子機に送信する。
図32に示す発光処理コマンド240は、コマンドの開始を示す開始データ242と、所定の位置及び範囲を示す位置情報データ244及び前記各子機の発光部を発光させるための発光情報データ246からなる子機制御データ248と、終了データ250(同期データ)とから構成される。
具体的には、図33に示すように、位置情報データ244aにエリア228の位置情報を示す100/0〜200/40分のデータを格納し、発光情報データ246aに緑色光の発光を示す“G”のデータを格納し、位置情報データ244bにエリア230の位置情報を示す0/10〜100/100分のデータを格納し、発光情報データ246bに赤色光の発光を示す“R”のデータを格納し、位置情報データ244cにエリア232の位置情報を示す0/100〜40/180分のデータを格納し、発光情報データ246cに黄色光の発光を示す“Y”のデータを格納する。
これにより、前記各車両222、224、226がエリア228内を走行する際には、前記各子機の前記各発光部は緑色光を発光し、前記各車両222、224、226がエリア230内を走行する際には、前記各子機の前記各発光部は赤色光を発光し、前記各車両222、224、226がエリア232内を走行する際には、前記各子機の前記各発光部は黄色光を発光する。
第2の実施の形態に係る発光制御システム10Bでは、制御装置12が、前記所定の位置又は範囲を示す位置情報データ204、244を含む発光処理コマンド200、240を、親機14から各子機20(1)〜20(64)に送信すると、前記発光処理コマンド200、240を受信した前記子機は、前記所定の位置又は範囲と各子機20(1)〜20(64)の現在位置とを比較し、前記現在位置が前記所定の位置又は範囲内にある場合に、発光情報データ206、246に基づいて各発光部18(1)〜18(64)を発光させる。
そのため、制御装置12は、各子機20(1)〜20(64)の前記現在位置を把握できなくても、発光処理コマンド200、240を親機14から前記各子機20(1)〜20(64)に送信することによって、各発光部18(1)〜18(64)の発光を制御することができる。
また、スタジアム、スタジオ、ホール等のイベント会場において、観客が子機20(1)〜20(64)を携帯しながら前記イベント会場内を頻繁に移動しても、前記現在位置が前記所定の位置又は範囲内にあれば、発光情報データ206、246に基づいて各発光部18(1)〜18(64)が発光するので、制御装置12から前記各発光部18(1)〜18(64)の発光を正確に制御することができる。
次に、第3の実施の形態に係る発光制御システム10Cについて、図34〜図38を参照しながら説明する。
第3の実施の形態に係る発光制御システム10Cは、赤外線発光器260を有し、子機20(1)〜20(n)内に赤外線受光部262が設けられ、前記赤外線発光器260と赤外線受光部262とが赤外線264で接続され、さらに前記子機20(1)〜20(n)内に現在位置検出部46が配置されていない点で、第2の実施の形態に係る発光制御システム10B(図24参照)と異なる。
赤外線発光器260は、図34及び図36に示すように、スイッチ266と、前記スイッチ266からの信号に基づいてデータを出力する赤外線制御部268と、前記制御部に接続され、子機番号コード1〜64や観客席1〜64の現在位置等のデータが記憶されているメモリ270と、前記赤外線制御部268に接続され、且つ赤外線264を送信する赤外線発光部272とを有する。
赤外線受光部262は、子機20(1)〜20(n)内において子機側制御部38と接続され、受信された赤外線264をデータに変換して前記子機側制御部38に転送する。
赤外線発光器260は、図35に示すように、イベント会場内における観客席1〜64の座席280の肘掛282表面又は背もたれ284に配置され、図36に示すように、赤外線受光部262と赤外線発光部272の赤外線発光面286とを近距離で対向させた状態でスイッチ266を押圧すると、前記赤外線発光面286から前記赤外線受光部262に赤外線264が送信される。
第3の実施の形態に係る発光制御システム10Cの特徴的な機能は、観客が子機20(1)〜20(64)を持ってイベント会場内を移動しても、観客席1〜64に配置された赤外線発光器260から前記各子機20(1)〜20(n)に、子機番号コード1〜64の内容を含む赤外線264を送信することにより、制御装置12から前記各子機20(1)〜20(n)の各発光部18(1)〜18(64)の発光制御を可能とする機能である。
具体的には、図37のフローチャートにおいて、先ず、子機20(1)〜20(64)を携帯しながらイベント会場内を移動している観客が、前記子機20(1)〜20(64)の赤外線受光部262と、近くの座席280に配置された赤外線発光器260の赤外線発光面286とを対向させた状態でスイッチ266を押圧する(ステップS89)。
これにより、スイッチ266は、前記スイッチ266が押圧されたことを示す信号を赤外線制御部268に送信すると共に、前記赤外線制御部268は、受信された前記信号に基づいて、メモリ270に記憶された子機番号コードと前記赤外線発光器260の現在位置とを呼び出して、位置情報データコマンド300を作成する(ステップS90)。
位置情報データコマンド300の構成は、図38に示すように、コマンドの開始を示す開始データ302と、前記子機番号コードが格納される子機識別データ304と、前記現在位置を示す現在位置情報データ306と、コマンドの終了を示す終了データ308(同期データ)とから構成される。
次に、前記位置情報データコマンド300は、赤外線制御部268から赤外線発光部272に出力され、前記赤外線発光部272は、前記位置情報データコマンド300を赤外線264に変換すると共に、図37に示すように、前記赤外線264を赤外線発光面286を介して赤外線発光器260近傍の子機の赤外線受光部262に送信する(ステップS91)。
前記赤外線受光部262は、受信した前記赤外線264をデジタルデータに変換して子機側制御部38に転送する(ステップS92)。
得られた前記デジタルデータに基づいて子機側制御部38では、以下の処理が行われる。
先ず、子機側制御部38は、前記デジタルデータが位置情報データコマンド300の開始データ302であるか否かを判定する(ステップS93)。開始データ302であると判定した場合、前記子機側制御部38は、ステップS92の処理を再度実行し、次のデジタルデータを取得する。一方、ステップS93において、開始データ302でないと判定した場合、前記子機側制御部38は、前記デジタルデータが終了データ308であるか否かを判定する(ステップS94)。前記デジタルデータが終了データ308でないと判定した場合、前記子機側制御部38は、前記デジタルデータの示す子機番号コードと第1メモリ40に格納されている子機番号コードとが一致しているか否か判定し(ステップS95)、一致している場合には、ステップS92の処理を再度実行して次のデジタルデータを取得する。
一方、ステップS95において、前記子機番号コードが一致しない場合、子機側制御部38は、第1メモリ40に現在記憶されている子機番号コードが、赤外線発光器260から送信された子機番号コードと一致していないものと判定し、前記子機の子機番号コードを前記赤外線発光器260から送信された前記子機番号コードに変更して前記第1メモリに格納すると共に、前記赤外線発光器260から送信された前記現在位置を前記子機の現在位置に変更する(ステップS96)。
また、ステップS94の処理において、前記デジタルデータが終了データ308である場合、子機側制御部38は、次のデジタルデータの取得を待機する状態に至る。
次に、制御装置12は、発光処理コマンド200(図27参照)を作成し(ステップS97)、作成した前記発光処理コマンド200を親機14に出力する(ステップS98)。
前記発光処理コマンド200は、親機側制御部22(図34参照)に入力され(ステップS99)、前記親機側制御部22は、入力された前記発光処理コマンド70を変調部24に転送する。前記変調部24は、前記発光処理コマンド70を電波として送信することができる高周波信号(搬送波)に重畳させる変調処理を行い、変調された前記搬送波は、増幅部26において増幅され(ステップS100)、さらに親機用アンテナ28から電波として各子機20(1)〜20(64)に送信される(ステップS101)。
親機用アンテナ28から送信された前記各電波は、各子機20(1)〜20(64)の子機用アンテナ32で同時に受信され、その後、前記各電波に基づく各電気信号は増幅部34で増幅され、さらに復調部36において復調されてデジタルデータとなる(ステップS102)。
得られた前記デジタルデータは、各子機20(1)〜20(64)の子機側制御部38に同時に入力され、以下の処理が行われる。
先ず、子機側制御部38は、前記デジタルデータが発光処理コマンド200の開始データ202であるか否かを判定する(ステップS103)。開始データ202であると判定した場合、前記子機側制御部38は、ステップS102の処理を再度実行し、次のデジタルデータを取得する。一方、ステップS103において、開始データ202でないと判定した場合、前記子機側制御部38は、前記デジタルデータが終了データ210であるか否かを判定する(ステップS104)。
前記デジタルデータが終了データ210でないと判定した場合、子機側制御部38は、前記デジタルデータが示す所定の位置又は範囲と、第1メモリ40に格納されている現在位置とを比較し(ステップS105)、前記現在位置が前記所定の位置又は範囲内にある場合、前記デジタルデータに続く次のデジタルデータ、すなわち、発光情報データ206を取得し、ワークメモリ44に格納する(ステップS106)。
ステップS105の処理において、前記現在位置が前記所定の位置又は範囲内にない場合、子機側制御部38は、ステップS102の処理を再度実行して次のデジタルデータを取得する。
また、ステップS104の処理において、前記デジタルデータが終了データ210であった場合、子機側制御部38は、ワークメモリ44に格納されている発光情報データ206に基づいて発光部18(1)〜18(64)を駆動して発光処理を行う(ステップS107)。
第3の実施の形態に係る発光制御システム10Cにおいては、赤外線発光器260から前記赤外線発光器260近傍の子機に子機識別データ304及び現在位置情報データ306を含む位置情報データコマンド300を送信することにより、前記子機は、前記子機識別データ304に格納された子機番号コード及び現在位置情報データ306に格納された現在位置を、前記子機の子機番号コード及び現在位置に変更する。次いで、親機14から各子機20(1)〜20(n)に発光処理コマンド200を送信すると、前記現在位置が発光処理コマンド200の示す所定の位置又は範囲内である場合、子機側制御部38は、発光処理コマンド200内の発光情報データ206に基づいて前記各子機20(1)〜20(n)の各発光部18(1)〜18(n)を発光させる。
そのため、制御装置12は、各子機20(1)〜20(n)の前記現在位置を把握できなくても、前記発光処理コマンド200を親機14から前記各子機20(1)〜20(n)に送信することにより、各発光部18(1)〜18(n)の発光を制御することができる。
なお、本発明に係る発光制御システムは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。