JP7406162B2 - ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物、及び該結晶核剤組成物を含むポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物、及び該結晶核剤組成物を含むポリオレフィン系樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物、該結晶核剤組成物を含んでなるポリオレフィン系樹脂組成物、及び該樹脂組成物を原料とするポリオレフィン系樹脂成形体に関する。
ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂は、安価でバランスの良い性能を有し、汎用のプラスチックとして様々な用途で使用されている。また、一般的に結晶性の樹脂の場合、その結晶性を改良することにより、例えば、成形加工性を改善したり、得られた成形品の機械的特性、熱的特性及び光学的特性を向上させることが可能であることが広く知られており、ポリオレフィン系樹脂の場合も同様である。
樹脂の結晶性を改良する方法には、樹脂の構造及び組成を制御する方法も広く検討されており実際に実用化されているが、添加剤を配合する方法が、簡易でより実用的な方法として広く用いられている。結晶核剤は、樹脂の結晶性を改良することのできる代表的な添加剤であり、これまでも様々な検討がなされ、タルク等の無機化合物、ジアセタール化合物、リン酸エステルの金属塩、カルボン酸やスルホン酸の金属塩等の有機化合物などの結晶核剤が様々な結晶性の樹脂で検討され、実用化されている。
上記結晶核剤のなかでも、カルボン酸の金属塩が優れた核剤効果を有することが古くから知られており、代表的なものとしては、安息香酸のナトリウム塩やp-tert-ブチル安息香酸のヒドロキシアルミニウム塩などが挙げられ、様々な用途で広く使われてきた(特許文献1、2、非特許文献1、2)。
最近では、ヘキサヒドロフタル酸、水添ナジック酸等の脂環式カルボン酸の金属塩(カルシウム塩、ナトリウム塩等)が、熱可塑性樹脂の結晶核剤として優れた効果を有することが報告されている(特許文献3~7)。
上記結晶核剤のなかでも、リン酸エステルの金属塩は、樹脂に配合して得られた成形品の機械的特性、特に剛性の改善に優れることが知られており、自動車材料、工業材料などの分野で広く使われている(特許文献8、9)。
特許文献10には、2,2’-メチレン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェートアニオンの金属塩、cis-ヘキサヒドロフタレートアニオンの金属塩及びポリマーを含むポリマー組成物の曲げ弾性率及び結晶化温度が評価されている。
近年、様々な用途で、コスト削減や軽量化等の目的でプラスチックへの切り替えが進んでおり、なかでもポリオレフィン系樹脂は安価でかつ軽量であることより最も有用な材料として注目されている。その中でも、自動車部材の用途では、最近の環境問題より低燃費化の要求が強く、最もポリオレフィン系樹脂の使用が進んでおり、最近では小型部材にとどまらず、大型部材にもポリオレフィン系樹脂が使われるようになってきている。その様な分野では、これまでに知られている結晶核剤による結晶性の改善では、成形加工性の改善や機械的特性の改善の面で必ずしも十分とは言えず、更なる結晶性の改善が望まれている。
米国特許第3207737号明細書 米国特許第3207739号明細書 国際公開第2002/078924号(特表2004-525227号公報) 国際公開第2002/079312号(特表2004-524417号公報) 国際公開第2002/094759号(特表2004-531613号公報) 国際公開第2005/040259号(特表2007-509196号公報) 特開2012-97268号公報 特開2002-338820号公報 特開2004-83852号公報 国際公開第2018/031271号(特表2019-532120号公報)
J.Appl.Poly.Sci.,11,673-685(1967) Polymer,11(5)、253-267(1970)
本発明は、ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤としての本質的な性能である結晶性の改善効果(結晶化促進効果)に非常に優れた、ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物を提供することを目的とする。即ち、ポリオレフィン系樹脂に配合することによりポリオレフィン系樹脂の結晶化速度及び結晶化温度を向上させるとともに、得られた成形体の剛性も向上させることのできるポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、該結晶核剤組成物を含んでなるポリオレフィン系樹脂組成物、及び該樹脂組成物を原料とするポリオレフィン系樹脂成形体を提供することをも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、特定の構造の脂環式ジカルボン酸の金属塩と特定の構造のリン酸エステルの金属塩を含んでなるポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物が、ポリオレフィン系樹脂に配合することによりポリオレフィン系樹脂の結晶化速度及び結晶化温度を著しく向上させるとともに、得られた成形体の剛性をも大きく向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下に示すポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物、該結晶核剤組成物を含んでなるポリオレフィン系樹脂組成物、及び該樹脂組成物を原料とするポリオレフィン系樹脂成形体に関する。
[1] 下記一般式(1)で示される化合物(脂環式ジカルボン酸の金属塩)、及び一般式(2)で示される化合物(リン酸エステルの金属塩)を含むポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物。
Figure 0007406162000001
[式中、Rは、炭素数1~4のアルキル基であり、Rはシクロヘキサン環上の3位又は4位の炭素と結合し、Mはカルシウムイオン、ヒドロキシアルミニウムイオン、ナトリウムイオン又はリチウムイオンであり、Mがカルシウムイオン又はヒドロキシアルミニウムイオンの場合、aは2であり、bは1であり、Mがナトリウムイオン又はリチウムイオンの場合、aは1であり、bは2である。]
Figure 0007406162000002
[式中、R~Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~9のアルキル基であり、Rは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基であり、Mはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、亜鉛イオン又はヒドロキシアルミニウムイオンであり、Mがアルカリ金属イオンの場合、cは1であり、dは1であり、Mがアルカリ土類金属イオン、亜鉛イオン又はヒドロキシアルミニウムイオンの場合、cは2であり、dは2である。]
[2] 一般式(1)で示される化合物と一般式(2)で示される化合物との質量比が、5/95~95/5の範囲である、[1]に記載のポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物。
[3] 一般式(1)で示される化合物において、すべての立体異性体中、シクロヘキサン環上のR及び2つのオキシカルボニル基がすべてシス配置である異性体の含有量が70モル%以上である、[1]又は[2]に記載のポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物。
[4] Rが、メチル基又はtert-ブチル基である、[1]~[3]の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物。
[5] [1]~[4]の何れかに記載されたポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物及びポリオレフィン系樹脂を含む、ポリオレフィン系樹脂組成物。
[6] ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物を0.001~10質量部含む、[5]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
[7] [5]又は[6]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物からなるポリオレフィン系樹脂成形体。
[8] [1]~[4]の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物の製造方法であって、一般式(1)で示される化合物と一般式(2)で示される化合物とを混合する工程を含む、製造方法。
[9] [5]又は[6]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法であって、一般式(1)で示される化合物と一般式(2)で示される化合物とを混合してポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物を得る工程、並びに得られた該結晶核剤組成物をポリオレフィン系樹脂に配合する工程を含む、製造方法。
本発明の結晶核剤組成物をポリオレフィン系樹脂に配合することにより、ポリオレフィン系樹脂の結晶化速度及び結晶化温度を著しく向上させることができる。即ち、ポリオレフィン系樹脂の半結晶化時間を短縮させ、結晶化温度を高くすることができる。また、本発明の結晶核剤組成物をポリオレフィン系樹脂に配合することにより、得られた成形品の剛性を著しく向上させることができる。即ち、ポリオレフィン系樹脂の曲げ弾性率を大きくすることができる。
その結果、特に大型部材等における成形サイクルが大きく短縮され、コストダウン、加工時のトラブル防止等に非常に有効であり、更に、得られた成形品の剛性が向上するため、薄肉化による軽量化を図ることができる等、様々な効果を発揮することができる。特に、該成形品は、自動車材料及び工業材料分野において有用である。また、本発明の結晶核剤組成物は、タルク等の充填剤やステアリン酸カルシウム等の中和剤などとの併用する場合でも、その効果が低減することなく優れた効果を発揮することが可能である。そのため、本発明の結晶核剤組成物は、様々な用途で使用することができる。
1.ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤組成物
本発明のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤組成物は、一般式(1)で示される化合物(脂環式ジカルボン酸の金属塩)、及び一般式(2)で示される化合物(リン酸エステルの金属塩)を含んでなることを特徴とする。
一般式(1)で示される脂環式ジカルボン酸の金属塩
Figure 0007406162000003
[式中、Rは、炭素数1~4のアルキル基であり、Rはシクロヘキサン環上の3位又は4位の炭素と結合し、Mはカルシウムイオン、ヒドロキシアルミニウムイオン、ナトリウムイオン又はリチウムイオンであり、Mがカルシウムイオン又はヒドロキシアルミニウムイオンの場合、aは2であり、bは1であり、Mがナトリウムイオン又はリチウムイオンの場合、aは1であり、bは2である。]
上記一般式(1)で示される脂環式ジカルボン酸の金属塩は、下記一般式(3)で示される脂環式ジカルボン酸又はその無水物と金属酸化物、金属水酸化物、又は金属塩化物などを反応させることにより、容易に製造することができる。例えば、特許文献の3~7等に従い又は準じて製造することができる。
Figure 0007406162000004
[式中、Rは前記に同じ。]
一般式(1)及び(3)におけるRは、炭素数1~4の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。中でも、メチル基及びtert-ブチル基が、結晶化の改善効果の観点等より、特に推奨される。
一般式(1)及び(3)におけるRの置換位置は、シクロヘキサン環上の3位又は4位であり、どちらの位置に置換されていても良いが、特に好ましい置換位置は、置換されているアルキル基と金属塩を形成する金属種の種類により、適宜選択される。
一般式(1)で示される脂環式ジカルボン酸の金属塩を形成する金属種は、カルシウムイオン、ヒドロキシアルミニウムイオン、ナトリウムイオン及びリチウムイオンからなる群より選ばれた一種であり、中でも、結晶性改善効果の観点より、カルシウムイオン、ヒドロキシアルミニウムイオン又はナトリウムイオンであることがより好ましい。
一般式(1)で示される脂環式ジカルボン酸の金属塩の具体的な態様としては、例えば、3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二ナトリウム塩、3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩、3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二リチウム塩、3-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二ナトリウム塩、3-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩、3-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、3-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二リチウム塩、3-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二ナトリウム塩、3-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩、3-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、3-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二リチウム塩、3-イソプロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二ナトリウム塩、3-イソプロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩、3-イソプロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、3-イソプロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二リチウム塩、3-n-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二ナトリウム塩、3-n-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩、3-n-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、3-n-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二リチウム塩、3-tert-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二ナトリウムの塩、3-tert-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩、3-tert-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、3-tert-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二リチウム塩、3-イソブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二ナトリウム塩、3-イソブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩、3-イソブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、3-イソブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二リチウム塩、4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩、4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二リチウム塩、4-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩、4-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、4-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二リチウム塩、4-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩、4-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、4-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二リチウム塩、4-イソプロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4-イソプロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩、4-イソプロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、4-イソプロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二リチウム塩、4-n-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4-n-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩、4-n-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、4-n-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二リチウム塩、4-tert-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4-tert-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩、4-tert-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、4-tert-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二リチウム塩、4-イソブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4-イソブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩、4-イソブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のヒドロキシアルミニウム塩、4-イソブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二リチウム塩などが例示され、中でも好ましい態様としては、3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸の二ナトリウム塩、4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩、4-tert-ブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸のカルシウム塩などが挙げられる。
一般式(1)で示される脂環式ジカルボン酸の金属塩は、単独で用いてもよいが、2種以上を併用してもよい。
一般式(1)で示される脂環式ジカルボン酸の金属塩には、シクロヘキサン環上のR及び2つのオキシカルボニル基が、紙面に対してすべて同方向を向いているシス異性体(すべてシス配置である異性体)と、それ以外の立体異性体とが存在する。本発明においては、本発明の効果を奏する限り、その異性体の構造に依存するものではないが、結晶性改善の効果の観点より、シス異性体がリッチであることが望ましく、例えば、上記立体異性体中、シス異性体の比率(モル%)が、70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上、特に97モル%以上であることが推奨される。
一般式(1)で示される脂環式ジカルボン酸の金属塩の粒子形状は、本発明の効果を奏する限り特に制限はないが、上記脂環式ジカルボン酸の金属塩が分散タイプである場合、二次凝集により樹脂中での分散性が悪化しない程度に粒子の大きさが小さいほど樹脂との接触面が広くなり、より少量でより優れた結晶核剤としての性能を発揮できる可能性がある。従って、結晶化促進性能の観点より、レーザー回折式粒度分布測定により求めた粒径の平均値が、100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下、特に好ましくは10μm以下であることが推奨される。また、分散性の観点より、上述の通り、レーザー回折式粒度分布測定により求めた粒径の平均値が、0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上であることが推奨される。
一般式(2)で示されるリン酸エステルの金属塩
Figure 0007406162000005
[式中、R~Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~9のアルキル基であり、Rは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基であり、Mはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、亜鉛イオン又はヒドロキシアルミニウムイオンであり、Mがアルカリ金属イオンの場合、cは1であり、dは1であり、Mがアルカリ土類金属イオン、亜鉛イオン又はヒドロキシアルミニウムイオンの場合、cは2であり、dは2である。]
一般式(2)で示されるリン酸エステルの金属塩の具体的な態様としては、例えば、ナトリウム-2,2’-メチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2’-メチレン-ビス(4,6-ジ-エチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2’-メチレン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2’-メチレン-ビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2’-エチリデン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2’-エチリデン-ビス(4-イソプロピル-6-tert-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-n-ブチル-6-tert-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-tert-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-tert-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート、カリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネシウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート]、バリウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート]、バリウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニウム-トリス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニウム-トリス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート]などが例示され、中でも好ましい態様としては、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2’-メチレン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェートなどが挙げられ、特にナトリウム-2,2’-メチレン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェートが最も推奨される。
一般式(2)で示されるリン酸エステルの金属塩は、単独で用いてもよいが、2種以上を併用してもよい。
上記リン酸エステルの金属塩は、例えば、日本国特開昭61-210090号公報等に記載されている製造方法等を用いて容易に製造することができる。また、現在ポリオレフィン用結晶核剤として市販されているもの、例えば、(株)ADEKA社製のアデカスタブNA-11、アデカスタブNA-27、アデカスタブNA-902等を使用することができる。
一般式(2)で示されるリン酸エステルの金属塩の粒子形状は、本発明の効果を奏する限り、特に制限はないが、上記リン酸エステルの金属塩が、分散タイプである場合、二次凝集により樹脂中での分散性が悪化しない程度に粒子の大きさが小さいほど、樹脂との接触面が広くなり、より少量で、より優れた結晶核剤としての性能を発揮できる可能性がある。従って、結晶化促進性能の観点より、レーザー回折式粒度分布測定により求めた粒径の平均値が、100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下、特に好ましくは10μm以下であることが推奨される。また、分散性の観点より、上述の通り、レーザー回折式粒度分布測定により求めた粒径の平均値が、0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上であることが推奨される。
本発明の結晶核剤組成物中における一般式(1)で示される化合物と一般式(2)で示される化合物との比率(質量比)は、本発明の効果を奏する限り、特に制約されるものではないが、本発明の効果の観点より、5/95~95/5、好ましくは10/90~90/10の範囲であることが好ましい。一般式(1)で示される化合物と一般式(2)で示される化合物との比率(質量比)が上記範囲内であれば、本発明の特徴である結晶化促進効果と成形品の剛性向上効果を同時に満足することが可能となる。
さらに、本発明の結晶核剤組成物中における一般式(1)で示される化合物と一般式(2)で示される化合物との比率(質量比)が、40/60~60/40の範囲である場合、相乗効果により、一般式(1)で示される化合物又は一般式(2)で示される化合物を単独で用いた場合に比べて、更に優れた結晶化促進効果及び成形品の剛性向上効果を得ることができる。特に、一般式(1)で示される化合物と一般式(2)で示される化合物との比率(質量比)が、45/55~55/45、さらに50/50のとき、その効果が最も顕著である。
本発明の結晶核剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、一般式(1)で示される化合物及び一般式(2)で示される化合物以外の一般的にポリオレフィン系樹脂に使われている各種添加剤を含有していてもよい。その場合、結晶核剤組成物中に占める一般式(1)で示される化合物及び一般式(2)で示される化合物の含有量は、結晶核剤組成物全体を100質量%とした場合に、一般式(1)で示される化合物及び一般式(2)で示される化合物の合計量で70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であることが推奨される。
本発明の結晶核剤組成物中に含めることができる添加剤は、後述するポリオレフィン系樹脂組成物に添加することができるポリオレフィン系樹脂用添加剤の中から選択することができる。
本発明の結晶核剤組成物は、一般式(1)で示される化合物、一般式(2)で示される化合物及び必要に応じてその他の添加剤を予め均一に混合して調製することができる。混合方法は、本発明の効果を奏する限り特に制約はなく、通常、室温下で、汎用の回転型や撹拌型の乾式粉体混合機を用いて実施することができる。
2.ポリオレフィン系樹脂組成物
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、上記ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物(一般式(1)で示される化合物及び一般式(2)で示される化合物を含む)とポリオレフィン系樹脂とを含んでいる。必要に応じてその他のポリオレフィン系樹脂用添加剤を含んでいてもよい。
ポリオレフィン系樹脂組成物中のポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物の含有量は、結晶核剤としての効果を奏する限り特に制約はないが、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001~10質量部、より好ましくは0.01~5質量部である。
ポリオレフィン系樹脂組成物中の一般式(1)で示される化合物の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001~10質量部、より好ましくは0.01~5質量部であり、一般式(2)で示される化合物の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001~10質量部、より好ましくは0.01~5質量部である。
ポリオレフィン系樹脂
上記ポリオレフィン系樹脂としては、本発明の効果を奏する限り特に限定されることなく、従来公知のポリオレフィン系樹脂が使用可能であり、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂などが例示される。より具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、エチレン含量50質量%以上(好ましくは70質量%以上)のエチレンコポリマー、プロピレンホモポリマー、プロピレン50質量%以上(好ましくは70質量%以上)のプロピレンコポリマー、ブテンホモポリマー、ブテン含量50質量%以上(好ましくは70質量%以上)のブテンコポリマー、メチルペンテンホモポリマー、メチルペンテン含量50質量%以上(好ましくは70質量%以上)のメチルペンテンコポリマー、ポリブタジエン等が例示される。また、上記コポリマーはランダムコポリマーであってもよく、ブロックコポリマーであってもよい。更に、これらの樹脂の立体規則性がある場合は、アイソタクチックでもシンジオタクチックでもよい。上記コポリマーを構成し得るコモノマーとして、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン等の炭素数2~12のα-オレフィン、1,4-エンドメチレンシクロヘキセン等のビシクロ型モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル等が例示される。
かかる重合体を製造するために適用される触媒としては、一般に使用されているチーグラー・ナッタ型触媒はもちろん、遷移金属化合物(例えば、三塩化チタン、四塩化チタン等のチタンのハロゲン化物)を塩化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウムを主成分とする担体に担持してなる触媒と、アルキルアルミニウム化合物(トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド等)とを組み合わせてなる触媒系、メタロセン触媒等も使用できる。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(以下「MFR」と略記する。)は、JIS K 7210-1999により測定した値である。MFRは、その適用する成形方法により適宜選択されるが、通常0.01~200g/10分程度、好ましくは0.05~100g/10分程度が推奨される。
その他の添加剤
また、上述の通り、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物には、その使用目的やその用途に応じて、本発明の効果を損なわない範囲でその他のポリオレフィン系樹脂用添加剤が含まれていてもよい。
上記ポリオレフィン系樹脂用添加剤としては、例えば、ポリオレフィン等衛生協議会編「ポジティブリストの添加剤要覧」(2004年9月)に記載されている各種添加剤が挙げられる。具体的には、蛍光増白剤(2,5-チオフェンジイル(5-tert-ブチル-1,3-ベンゾキサゾール)、4,4’-ビス(ベンゾオキサゾール-2-イル)スチルベン等)、酸化防止剤、安定剤(金属化合物、エポキシ化合物、窒素化合物、燐化合物、硫黄化合物等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等)、界面活性剤、滑剤(パラフィン、ワックス等の脂肪族炭化水素、炭素数8~22の高級脂肪酸、炭素数8~22の高級脂肪酸金属(Al、Ca等)塩、炭素数8~22の高級脂肪族アルコール、ポリグリコール、炭素数4~22の高級脂肪酸と炭素数4~18の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8~22の高級脂肪酸アマイド、シリコーン油、ロジン誘導体等)、充填剤(タルク、ハイドロタルサイト、マイカ、ゼオライト、パーライト、珪藻土、炭酸カルシウム、ガラス繊維等)、発泡剤、発泡助剤、ポリマー添加剤、可塑剤(ジアルキルフタレート、ジアルキルヘキサヒドロフタレート等)、架橋剤、架橋促進剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、有機無機の顔料(インディゴ化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ウルトラマリン化合物、アルミン酸コバルト化合物等)、加工助剤、他の核剤等の各種添加剤が例示される。
これらの添加剤を使用する場合、その使用量は、本発明の効果を阻害しない限り、通常使用されている範囲で使用すればよいが、例えば、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.0001~100質量部程度、より好ましくは0.001~50質量部程度で使用されるのが一般的である。
上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、亜リン酸エステル系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が例示され、具体的な酸化防止剤としては、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンなどのフェノール系酸化防止剤、アルキルジスルフィド、チオジプロピオン酸エステル、ベンゾチアゾールなどの硫黄系酸化防止剤、トリスノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、3,9-ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5,5]ウンデカンなどの亜リン酸エステル系酸化防止剤等が例示される。中でも、フェノール系酸化防止剤であるテトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、亜リン酸エステル系の酸化防止剤であるトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、3,9-ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5,5]ウンデカンなどが特に推奨される。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、上記ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物及び必要に応じてその他の添加剤をポリオレフィン系樹脂に添加し、ドライブレンド後、溶融混合して調製することができる。或いは、上記一般式(1)で示される化合物、一般式(2)で示される化合物、及び必要に応じてその他の添加剤をポリオレフィン系樹脂に添加し、ドライブレンド後、溶融混合して調製することもできる。
上記の溶融混合は、例えば、二軸押出機を用いて、バレル温度160~260℃で実施することができる。
3.ポリオレフィン系樹脂成形体
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体は、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、慣用されている成形方法に従って成形することにより得られる。前記成形方法としては、本発明の効果を奏する限り、特に制約はなく、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧空成形、回転成形、フィルム成形等の従来公知の成形方法のいずれも採用できる。
かくして得られたポリオレフィン系樹脂成形体は、結晶化温度が高く結晶化速度が速い。その結果、ポリオレフィン系樹脂成形体の成形サイクルが著しく短縮される。特に大型部材等の成形体における成形サイクルが著しく短縮され、コストダウン及び加工時のトラブル防止等を図ることができるため、非常に有効である。
更に、ポリオレフィン系樹脂の結晶性が改善されるため、得られた成形品の剛性等の機械的性能、透明性等の光学的性能等が著しく向上する。そのため、自動車材料や工業材料の分野において薄肉化による軽量化等を図ることができるなど様々な効果を発揮することができる。
更に、本発明の結晶核剤組成物は、タルク等の充填剤やステアリン酸カルシウム等の中和剤などと併用した場合でもその効果が低減することなく優れた効果を発揮することができる。そのため、様々な用途で、非常に有用である。
以下に実施例を示し、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。尚、実施例中の化合物の略号、及び各特性の測定方法は以下の通りである。
[ポリオレフィン系樹脂組成物の評価方法]
(1)結晶化温度
示差走査熱量分析装置(パーキンエルマー社製、DSC8500)を用い、JISK7121(1987)に従って測定した。評価用試料には、各実施例・比較例のポリオレフィン樹脂組成物約6mgを使用した。その試料を装置にセットし、200℃で3分間保持した後、10℃/分の冷却速度で冷却し、吸熱ピークの頂点を結晶化温度(℃)とした。
(2)半結晶化時間(T1/2
示差走査熱量分析装置(パーキンエルマー社製、DSC8500)を用い、JISK7121(1987)に従って測定した。評価用試料には、各実施例・比較例のポリオレフィン樹脂組成物約6mgを使用した。その試料を装置にセットし、200℃で3分間保持した後、750℃/分の冷却速度で140℃まで冷却し、その温度において等温結晶化を行った。等温結晶化工程開始から、時間と熱量との関係図において認められる結晶化に基づく発熱ピークの面積の1/2に到達するまでの所要時間を半結晶化時間(T1/2、秒)とした。
[ポリオレフィン系樹脂成形体の評価方法]
(3)曇り度(ヘイズ値)
日本電色工業(株)のヘイズメータ(NDH 7000)を用いて、JISK7136(2000)に準じた方法でヘイズ値(%)を測定した。評価試料には、0.5mm厚み射出成形品のオレフィン系樹脂成形体を使用した。得られたヘイズ値の数値が小さい程、透明性に優れていることを示す。
(4)曲げ弾性率
万能材料試験機(インストロン社製)を用い、JISK7171(2016)に準じた方法で曲げ弾性率を測定した。なお、試験温度は25℃、試験速度は10mm/分とした。
[実施例又は比較例で用いた化合物]
化合物1:4-メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩(MH-Ca)、メチル基と2つのオキシカルボニル基の立体構造;シス体比率95モル%、
化合物2:4-tert-ブチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩(tBuH-Ca)、tert-ブチル基と2つのオキシカルボニル基の立体構造;シス体比率100モル%、
化合物3:シクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩(HH-Ca)、
化合物4:2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)リン酸ナトリウム((株)ADEKA製、商品名「アデカスタブNA-11」)
[実施例1]
「化合物1」1gと「化合物4」10gをミキサーに投入し、室温で均一にドライブレンドし、結晶核剤組成物を調製した。
次に、ポリプロピレンホモポリマー(MFR=30g/10分(荷重2160g、温度230℃))10kgに、上記で得られた結晶核剤組成物の全量11g及びその他の添加剤としてステアリン酸カルシウム(日東化成工業(株)製)5g、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(BASFジャパン(株)製、商品名「IRGANOX1010」)5g、及びトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(BASFジャパン(株)製、商品名「IRGAFOS168」)5gを加えて、ドライブレンドした。得られたドライブレンド物を二軸押出機((株)テクノベル社製 L/D=45、スクリュー径15mm、ダイス径5mm)を用いてバレル温度200℃にて溶融混合後、押し出されたストランドを冷却し、ペレタイザーでカッティングして、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製NS40-5A)にて射出成形温度(加熱温度)200℃、金型温度(冷却温度)40℃の条件下で成形して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
[実施例2]
「化合物1」の量を3gに変えた以外は実施例1と同様に実施して、結晶核剤組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
[実施例3]
「化合物1」の量を5gに変えた以外は実施例1と同様に実施して、結晶核剤組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
[実施例4]
「化合物1」の量を10gに変えた以外は実施例1と同様に実施して、結晶核剤組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
[実施例5]
「化合物4」の量を5gに変えた以外は実施例4と同様に実施して、結晶核剤組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
[実施例6]
「化合物4」の量を3gに変えた以外は実施例4と同様に実施して、結晶核剤組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
[実施例7]
「化合物4」の量を1gに変えた以外は実施例4と同様に実施して、結晶核剤組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
[実施例8]
「化合物1」を「化合物2」に変えた以外は実施例4と同様に実施して、結晶核剤組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表1に示した。
Figure 0007406162000006
[比較例1]
本発明の結晶核剤組成物を用いずに、結晶核剤として「化合物1」10gを用いた以外は実施例1と同様に実施して、結晶核剤組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
[比較例2]
本発明の結晶核剤組成物を用いずに、結晶核剤として「化合物2」10gを用いた以外は実施例1と同様に実施して、結晶核剤組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
[比較例3]
本発明に係る「化合物1」を本発明の範囲外の「化合物3」に変えた以外は実施例4と同様に実施して、結晶核剤組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
[比較例4]
本発明の結晶核剤組成物を用いずに、結晶核剤として「化合物4」10gを用いた以外は実施例1と同様に実施して、結晶核剤組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。得られたポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度及び半結晶化時間を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に実施して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の曲げ弾性率及びヘイズ値を測定し、得られた結果を合わせて表2に示した。
Figure 0007406162000007
表1中の実施例5~7の結果と表2中の比較例1の結果の比較より、脂環式カルボン酸の金属塩系の核剤に少量のリン酸エステルの金属塩系の核剤を加えることにより、脂環式ジカルボン酸の金属塩系核剤の特徴である優れた結晶化促進効果を維持しつつ、剛性が大きく向上していることがわかる。
表1中の実施例1~3の結果と表2中の比較例4の結果の比較より、リン酸エステルの金属塩系の核剤に少量の脂環式ジカルボン酸の金属塩系の核剤を加えることにより、リン酸エステルの金属塩系核剤の特徴である優れた剛性向上効果を維持しつつ、結晶化促進効果が大きく向上していることがわかる。
表1中の実施例4の結果と表2中の比較例1及び比較例4の結果の比較、及び表1中の実施例8と表2中の比較例2及び比較例4の結果の比較より、各結晶核剤を単独で用いた場合に比べて、結晶化促進効果と剛性向上効果のどちらもより一層向上されていることがわかる。
表1中の実施例4及び8の結果と表2中の比較例3の結果の比較より、脂環式カルボン酸の金属塩系の核剤として、4-メチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩(MH-Ca)及び4-tert-ブチルシクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩(t-BuH-Ca)を用いた場合は、シクロヘキサンジカルボン酸のカルシウム塩(HH-Ca)を用いた場合に比べて、結晶化促進効果と剛性向上効果のどちらも大きく向上していることがわかる。
本発明の結晶核剤組成物は、ポリオレフィン系樹脂に配合することにより、ポリオレフィン系樹脂の結晶化速度及び結晶化温度を著しく向上させることができる。また、本発明の結晶核剤組成物をポリオレフィン系樹脂に配合することにより、得られた成形品の剛性を著しく向上させることができる。その結果、ポリオレフィン系樹脂成形体の成形サイクルが著しく短縮される。特に大型部材等における成形サイクルが大きく短縮され、コストダウン及び加工時のトラブル防止等を図ることができ、非常に有効である。
また、ポリオレフィン系樹脂の結晶性が改善されるため、得られた成形品の剛性等の機械的性能、透明性等の光学的性能等が著しく向上する。そのため、自動車材料や工業材料の分野において薄肉化による軽量化等を図ることができるなど様々な効果を発揮することができる。
本発明の結晶核剤組成物は、上記の様な特徴を活かして、上記自動車材料や工業材料に限らず、電気部材、機械部品、日用雑貨、衣装等のケース、食品等の容器など、様々な用途で広く使うことができる。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で示される化合物、及び一般式(2)で示される化合物を含むポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物。
    Figure 0007406162000008
    [式中、Rは、炭素数1~4のアルキル基であり、Rはシクロヘキサン環上の3位又は4位の炭素と結合し、Mはカルシウムイオン、ヒドロキシアルミニウムイオン、ナトリウムイオン又はリチウムイオンであり、Mがカルシウムイオン又はヒドロキシアルミニウムイオンの場合、aは2であり、bは1であり、Mがナトリウムイオン又はリチウムイオンの場合、aは1であり、bは2である。]
    Figure 0007406162000009
    [式中、R~Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~9のアルキル基であり、Rは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基であり、Mはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、亜鉛イオン又はヒドロキシアルミニウムイオンであり、Mがアルカリ金属イオンの場合、cは1であり、dは1であり、Mがアルカリ土類金属イオン、亜鉛イオン又はヒドロキシアルミニウムイオンの場合、cは2であり、dは2である。]
  2. 一般式(1)で示される化合物と一般式(2)で示される化合物との質量比が、5/95~95/5の範囲である、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物。
  3. 一般式(1)で示される化合物において、すべての立体異性体中、シクロヘキサン環上のR及び2つのオキシカルボニル基がすべてシス配置である異性体の含有量が70モル%以上である、請求項1又は2に記載のポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物。
  4. が、メチル基又はtert-ブチル基である、請求項1~3の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物。
  5. 請求項1~4の何れかに記載されたポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物及びポリオレフィン系樹脂を含む、ポリオレフィン系樹脂組成物。
  6. ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物を0.001~10質量部含む、請求項5に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  7. 請求項5又は6に記載のポリオレフィン系樹脂組成物からなるポリオレフィン系樹脂成形体。
  8. 請求項1~4の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物の製造方法であって、一般式(1)で示される化合物と一般式(2)で示される化合物とを混合する工程を含む、製造方法。
  9. 請求項5又は6に記載のポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法であって、一般式(1)で示される化合物と一般式(2)で示される化合物とを混合してポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物を得る工程、並びに得られた該結晶核剤組成物をポリオレフィン系樹脂に配合する工程を含む、製造方法。
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