JP7403836B2 - 眼鏡フレーム - Google Patents

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本発明は、左右のテンプルによって装着者のこめかみと側頭部とを挟持することにより、鼻当部材と装着者の鼻梁との当接部分に局所的な荷重をかけることなく、レンズ部を含む眼鏡フレーム全体を安定的に支持することのできる、眼鏡に関するものである。
一般的に眼鏡は、フロントフレームと、左右一対のテンプル部とから構成され、フロントフレームにはレンズ部を備えるとともに、フロントフレームの重量を装着者の鼻梁で支持する鼻当部を備える。
また、左右一対のテンプル部は、その基端部でフロントフレームの両端部にそれぞれ接続するとともに、テンプル部で装着者の側頭部を挟持しながら、その末端部のモダン部を装着者の耳にかけて眼鏡フレーム全体を支持する。
このように、眼鏡はレンズ部を備えたフロント部がテンプル部に比して重量が重く、重心がフロント部に偏っているため、フロント部に鼻当て部材を備えてフロント部の重量を支持させるとともに、左右一対のテンプル部で装着者の側頭部を挟持しながら、テンプル部末端のモダン部を耳にかけることにより、眼鏡フレーム全体を支持する構成を採用するのが一般的である。
換言すると、レンズ部を備えた眼鏡フレーム全体を、フロントフレームの鼻当部と、左右一対のテンプル部材による側頭部の挟持及びモダン部の耳掛けにより、重量を分散させて支持するものである。
殊に鼻当部には、レンズ部を含むフロントフレームの重量がかかるため、鼻当部と装着者の鼻梁との当接部に負担がかかるほか、鼻当部と鼻梁との当接部に眼鏡の装着痕が残って、眼鏡を外した後、顔貌に不体裁な痕跡を残す不具合もある。
また、鼻当部を備えた一般的眼鏡では、鼻当部が装着者の鼻梁を滑って、眼鏡がずれるという不具合や、長時間の着用により、鼻当部を介して目の周辺に負担がかかって眼精疲労を起こし易いという問題も生ずる。
さらに、鼻当部材は、装着者の顔貌正面であって、対面者から最も着目されるべき目の周辺に位置するため、着用者のフェイスイメージを減殺する異物として不体裁であるとの問題点も指摘される。
この点、従来においては、鼻当部材を備えない構成であって、これに代わるべき支持部材を設けることにより、鼻当部材による課題を克服しようとする先行技術がある。
その一例は、鼻当てを設けない眼鏡であって、フレームの一部(テンプルに相当する部分)を変形させて頬骨の上で眼鏡を支えるようにした眼鏡フレームの技術が開示されている(特許文献1参照)。
この技術によれば、フレームの変形部が頬骨の上に載ることで、メガネが顔からずり落ちることを防止できるとともに、鼻当てがないので鼻の上に鼻当の痕が残ったり、痛みを感じたりすることもないとされている。
次に従来技術の第二例として、テンプルの基端部付近に縦片と横片とを有するL型又はへ型のパッドを設けるとともに、テンプルの先端部には髪に係止可能な係止穴を設けた眼鏡フレームの技術も開示されている(特許文献2参照)。
この技術によれば、テンプル基端部に設けたL型又はへ型のパッドが頬骨に載ることにより、眼鏡のフロント部が支持されるため、鼻当て部材が当たって鼻の両脇が赤く変色することがなく、鼻の両脇の化粧が剥がれることもないとされる。
また、鼻当部材がコメカミにあたって押圧しないためにコメカミの痛みはなく、長時間にわたって眼鏡を着用することができるという効果があるともされている。
さらに、テンプル先端部に設けた係止穴に短い髪が嵌って眼鏡フレームを係止するため、テンプルがパッドを中心として揺動して先端が浮上することを防止することができるという効果もあるとされている。
従来技術の第三の例として、テンプルのフロントフレーム寄りの基端部と耳掛部との間を下方に曲げて湾曲形の頬押さえを形成するとともに、耳掛部より先端側は側頭骨の斜め後ろ上部に至る曲線に平行となる様に形成した眼鏡フレームの技術も開示されている(特許文献3参照)。
この技術によれば、頭部側面と頬骨の隆起部上方の斜面にテンプルの頬押さえを載せて耳の付け根に耳掛部を掛け、側頭骨の斜め後ろ上方を挟み込んで支持する。
これにより、フロントフレームの荷重は、頬骨と耳の付根では下方向に働き、側頭骨斜め後ろ上部では上方向に働く。
そのため、眼鏡の上下方向の荷重を支持するとともに、頭部を挟支することができ、顔面の化粧落ちや押さえられたくぼみが無くなり、すっきりした顔面が得られるという効果があるとされている。
実開平5-29021号公報 特開2020-16719号公報 実開昭57-98426号公報
しかし、特許文献1の技術において、フロントフレームの重量を支持しているのは、主として、装着者のこめかみに当接しているフレームの変形部と、テンプル末端の耳掛部である。
また、特許文献2の技術においても、フロントフレームの重量を支持しているのは、装着者の頬骨付近に載置されているパッドの横片と、テンプル末端の耳掛部である。
この点、特許文献1の技術においては、前記フレームの変形部による挟持力のみでは、フロントフレーム(特にレンズ部)の重量により、フロントフレームがずり落ちることを阻止するに十分でない。
さらに、装着者が上下動を伴う運動をした場合等には、こめかみの当接部分を支点としてフロントフレームが下方にずり落ちるのを阻止し得ない問題も残る。
特許文献2の技術においては、ツル(テンプル)基部側のパットと、ツル先端部(テンプル末端部)とにより眼鏡フレームを支持する構成であるけれども、前記パットは装着者の頬骨に載せてフロント部を支持する構成であって、装着者の顔面正面に異物が所在することになるため、装着者の顔貌イメージを損なう問題点は否定できない。
また、特許文献2の技術においては、眼鏡フレームの重量を装着者の頬骨にパットを載せて支持する構成となるため、やはりフレームがずり落ちるという課題を完全に克服し得ない問題が残る。
特許文献3の技術では、鼻当部材を欠く眼鏡フレームの構成であって、ツル(テンプル)の形状を、装着者の頭部側面と頬骨の隆起部上方の斜面に載置すべき頬押え部として湾曲させるとともに、耳の後方側頭部情報に湾曲させて挟持させるように形成させた眼鏡フレームが提示されている。
これは、テンプルによって、頭部側面及び頬骨の隆起部上方の斜面に頬押さえを載せ、その載置部と、耳掛部と、側頭骨の斜め後ろ上方とをテンプルが挟み込んで支持する構成である。
しかし、この構成の場合、眼鏡フレームは、後方のテンプルに比して、レンズを備えたフロント部の比重が重く、重心はフロント部に傾斜しているため、フロント部の重量を主として支持するのは、頬押え部と耳掛け部であり、テンプル末端の後頭部押えによる挟持力はあくまでも補助的である。
そのため、フロント部がずり落ちたり、頬押え部にフロント部の荷重がかかって装着者に負担がかかったり違和感を生じたりする不具合のほか、眼鏡を外した後に頬骨付近の目立つ部分に痕跡が残るという不体裁の問題はなお残るものというべきである。
本発明は、上記の如き問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、左右のテンプルによって装着者のこめかみと側頭部とを挟持することにより、鼻当部材と装着者の鼻梁との当接部分に局所的な荷重をかけることなく、眼鏡フレーム全体を安定的に支持することのできる眼鏡フレームを提供することにある。
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段は以下のとおりである。
本発明の眼鏡フレームは、左右一対のテンプル部による挟持力のみで眼鏡フレーム全体の重量を支持するテンプル形態を備えた眼鏡フレームであって、少なくとも智部と、左右一対のテンプルとから構成され、鼻当部材を設けない構成であり、前記テンプルは、前記智部から後方に延設される
前記テンプルは、前記智部に回動自在にヒンジ連結されるヒンジ部と、前記ヒンジ部から後方に延設されるアーム部とからなる。
前記アーム部は全体が一体に形成されているが、必ずしも一つの素材から形成されていることに限定されるものではなく、複数素材からなっていたとしても、テンプルの製造時に一体として形成されるものであればよい。
また、前記アーム部は、装着時には耳の上部に触れることなくこめかみ及び側頭部に側圧を与えて頭部に支持される構成としている。
ここで、耳の上部とは、耳介と側頭部とを連結している部分であり、一般的な眼鏡の耳掛部が掛かる部分を指す。
また、ここで、側頭部とは、厳格に頭部の側面のみを指すものではなく、側面から後頭部にかけての境界部分が含まれもよいものとする。
また、アーム部は、前記ヒンジ部から後方に延設される第一アーム部と、前記第一アーム部の先端側から装着時におけるこめかみに対応する位置に向かって延設される第二アーム部と、前記第二アーム部の先端側から装着時において側頭部に沿うように延設される第三アーム部とを有するように構成することもできる。
アーム部を、上述のように第一アーム部、第二アーム部及び第三アーム部とから構成した場合には、前記第二アーム部によってこめかみに側圧を与えるとともに、前記第三アーム部によって側頭部に側圧を与える構成とするのが好ましい。
第一アーム部がヒンジ部から後方に延設され、第二アーム部が第一アーム部の先端側から装着時におけるこめかみに対応する位置に向かって延設される構成であることによって、ヒンジ部から第二アーム部のこめかみに対応する位置までの長さは、第一アーム部の長さに第二アーム部の長さを加えた長さとなる。
装着時においては、第二アーム部がこめかみに当接して外向きに拡開することによって、第一アーム部が撓むとともに捩じれることによって反発力が生じ、第二アーム部以降の部分に対して内向きの力のモーメントが発生する。
また、第二アーム部も、装着時にこめかみに当接して外側に拡開することによって、第二アーム部全体が撓んで反発力が生じる。
これら第一アーム部の撓みや捩じれによる反発力と第二アーム部の撓みによる反発力とによる力のモーメントによって、第二アーム部がこめかみ部分に側圧を与える。
さらに、第三アーム部が第二アーム部の先端側から装着時において側頭部に沿うように延設される構成であることによって、装着時には、第三アーム部全体が装着者の側頭部に沿うように密着するとともに、第二アーム部のこめかみへの当接部分が支点となって、頭部の幅に合わせて外側に拡開して撓むこととなる。
この第三アーム部の撓みによる反発力によって、第三アーム部全体が側頭部にこめかみに対する側圧と連続した線状の側圧を与える。
上述のようなアーム部の構成においては、前記第二アーム部が、前記第一アーム部の先端側から側面視において前方下向きに屈曲もしくは湾曲するとともに平面視において内向きに延設され、前記第三アーム部が、前記第二アーム部の先端側から側面視において後方上向きに屈曲もしくは湾曲するとともに平面視において内向きの円弧状に延設された構成とすることもできる。
特に、前記第二アーム部及び前記第三アーム部は、鋭角に屈曲することで前記アーム部が側面視において略Z字状を呈するようにするのがより好ましい。
第二アーム部は、前記第一アーム部の先端側から側面視において前方下向きに屈曲もしくは湾曲するとともに平面視において内向きに延設されるようにすることで、ヒンジ部からこめかみまでの距離がより大きくなる。
また、第三アーム部を、第二アーム部の先端側から側面視において後方上向きに屈曲もしくは湾曲するとともに平面視において内向きの円弧状に延設することで、耳の上部に触れることなく、側頭部に線状の側圧を十分な長さ亘って与えることとなる。
ところで、リムを有する眼鏡フレームやリムレスの眼鏡フレームにおけるレンズ周辺部(以下、フロントフレーム)においては、重量の大きいフロントフレームに近いこめかみに側圧を与えて保持すると、支点であるこめかみと力点であるフロントフレームが近づき、力のモーメントが小さくなってフロントフレームが下にずり落ちにくくなるが、こめかみへの過大な側圧はこめかみの痛みの原因となる。
そこで、こめかみに加わる側圧は、痛みを伴わない程度に適度に抑制しつつ、力のモーメントの支点としての必要十分な側圧は確保するとともに、側頭部にも側圧を線状に分散させて加える構成とするのが好ましい。
そのため、前記アーム部が与える側圧はこめかみよりも側頭部の方が弱い構成とするのが好ましく、前記アーム部が側頭部に与える側圧は、頭部の圧迫感を軽減しつつ、安定的に眼鏡フレームを支持するために、基端部から先端部にかけて徐々に弱くなるのがより好ましい。
本発明の眼鏡フレームは、アーム部により重量の大きいフロントフレームに近いこめかみに十分な側圧を与えることによって、フロントフレームの重量による力のモーメントが小さくなるため、フロントフレームが下にずり落ちにくくなる。
また、アーム部が側頭部に側圧を与えることによって、摩擦力によってフロントフレームの下方向へのずり落ち、すなわちアーム部のモダン部側の上方向への動きを抑制するとともに、アーム部が側頭部に沿うように延設された構成であることにより、頭蓋骨の側頭部における上広がりの部分に密着当接して、アーム部の上方向の動きを抑制する。
さらに、側頭部に沿って側圧を与えて頭部を挟持することで、フロントフレームの上下の揺動を防止するとともに、頭を左右に動かした場合であっても線状の幅広の側圧分布によってフロントフレームの動きを支え、眼鏡フレームを安定的に保持することができる。
テンプルについて上記構成を採用することにより、フロントフレームの重量が大きい場合であっても、テンプルのアーム部の側圧によって装着者の側頭部を挟持する作用により、鼻当部材と鼻梁との当接部分に局所的な荷重をかけることなく、安定して眼鏡フレームを支持することができるという効果がある。
また、上記効果を奏するアーム部を一体形成する構成を採用すれば、本発明のテンプルを一体成形により大量生産することが可能となるため、本発明の眼鏡フレームの製造コストを軽減し得るという効果を発揮し得る。
また、本発明の眼鏡フレームのアーム部の構成として、第一アーム部がヒンジ部から後方に延設され、第二アーム部が第一アーム部の先端側から装着時におけるこめかみに対応する位置に向かって延設される構成を採用した場合には、ヒンジ部から第二アーム部のこめかみに対応する位置までのアーム部の長さが長くなるため、第一アーム部の撓みや捩じれによる反発力と第二アーム部の撓みによる反発力とによる力のモーメントを適度に抑制することができる。
特に、前記第二アーム部の構成として、前記第一アーム部の先端側から側面視において前方下向きに屈曲もしくは湾曲するとともに平面視において内向きに延設される構成を採用した場合には、装着者の頭部の形状やサイズに応じて、第二アーム部の先端を確実にこめかみに当接させて十分な撓み量を確保するとともに、アーム部の長さを適宜調整することが可能となるため、撓みによるこめかみ方向への力のモーメント、すなわちこめかみへの側圧が過大になることを防止して、テンプルによる側圧を装着者に合わせて調整することもできる。
さらに、本発明の眼鏡フレームにおいては、前記第一アーム部及び第二アーム部については、それぞれその先端側から側面視において前方下向きに鋭角に屈曲させたえうえで、第三アーム部については、前記第二アーム部の先端側から側面視において後方上向きに鋭角に屈曲するとともに平面視において内向きの円弧状に延設されることによりアーム部が側面視において略Z字状を呈するように構成を採用することも可能である。
この構成を採用した場合には、装着者の頭部の形状やサイズに応じて、第三アーム部全体を側頭部に確実に密着させることにより、装着者の側頭部に線状の側圧を与えることが可能となるので、より眼鏡フレームの荷重が局所に集中することを防止して、装着者の負担を軽減することという作用効果を発揮し得る。
第三アーム部を装着者の側頭部に密着させて線状の側圧を与える構成を採用すれば、力のモーメントの支点としての必要十分な側圧は確保するとともに、これよりも弱い側圧を側頭部に線状に分散させて加える作用効果を発揮するので、フロントフレームのずり落ちを防止するとともに、眼鏡フレームとの当接部分に局所的な荷重がかかることを防止して装着者に係る負担を軽減することが可能となり、長時間の眼鏡の着用に耐え得る眼鏡フレームを提供することができる。
また、本発明の眼鏡フレームにおいては、鼻当部材等を省略した構成を採用すれば、これらの支持部材による痕跡を顔貌に残すという不体裁も解消され、スッキリとした顔貌イメージを維持することも可能である。
上述のとおり、本発明の眼鏡フレームは、上記構成のアーム部を備えたテンプルによって眼鏡フレーム全体を安定的に支持し得る構成を採用することにより、装着者と眼鏡フレームとの当接部分に局所的な荷重をかけることを防止することに最大の特徴があり、不可欠の作用効果とする。
本発明の眼鏡フレームを用いた実施例1における眼鏡を表わす斜視図である。 本発明の眼鏡フレームを用いた実施例1におけるアーム部を表す側面図及び平面図である。 本発明の眼鏡フレームを用いた実施例1における眼鏡を装着した状態の側面図及び平面図である。 本発明の眼鏡フレームを用いた実施例1における装着時の第一アーム部及び第二アーム部の変形の様子を表した説明図である。 本発明の眼鏡フレームを用いた実施例1における装着時の第三アーム部の変形の様子を表した説明図である。 本発明の眼鏡フレームを用いた実施例1における側圧分布を表す説明図である。 本発明の眼鏡フレームを用いた実施例2における眼鏡を表わす斜視図である。 本発明の眼鏡フレームを用いた実施例3における眼鏡を表わす斜視図である。 本発明の眼鏡フレームを用いた参考例1における眼鏡を表わす斜視図である。
『実施例1』
本発明の眼鏡フレームを用いた実施例1に係る眼鏡1について図1~図6に基づいて以下に説明する。
本実施例の眼鏡1は、一枚レンズのサングラスであって、図1に示すように、樹脂製のレンズ2と、レンズ2の左右端に設けられた樹脂製の智部3・3と、智部3・3から後方に延設されたテンプル4・4とからなり、鼻当て部材を設けない構成である。
本実施例では、智部3は、レンズ2を保持するブローバーと一体に形成されることによりレンズ2の左右端に設けられる構成となっているが、レンズ2に直接智部3・3が設けられる構成や、左右分離したレンズ2・2を保持する左右のリムに智部3・3が設けられる構成としてもよい。
智部3・3から延設されたテンプル4・4は、智部3・3の端部でヒンジ部4a・4aによって回動自在にヒンジ連結されており、内側にコンパクトに折り畳むことができるようになっている。
本実施例のテンプル4・4はポリカーボネート樹脂により一体に形成されており、所定の力を加える事で弾性的に変形可能となっている。なお、可撓性のある素材により一体に形成されていれば、他の樹脂や金属により形成されてもよく、テンプル4・4の製造時に一体的に形成可能であれば、複合素材により形成されていてもよい。
本実施例のテンプル4は、ヒンジ部4aより先端側の一連のアーム部が、第一アーム部4bと、第二アーム部4cと、第三アーム部4dとから構成されている。
アーム部について詳述すると、図2に示すように、第一アーム部4bは、ヒンジ部4aから智部3の曲率に沿って後方に延設されている。
また、第二アーム部4cは、第一アーム部4bの先端側の第一屈曲点4eから側面視において前方下向きに鋭角に屈曲するとともに、平面視において内向きに延設されている。
さらに、第三アーム部4dは、第二アーム部4cの先端側の第二屈曲点4fから側面視において後方上向きに鋭角に屈曲するとともに、平面視において内向きの円弧状に延設されている。
すなわち、側面視において、第一アーム部4bと、第二アーム部4cと、第三アーム部4dとによって略Z字状を呈している。
このようなテンプル4・4を備える本実施例の眼鏡1を装着すると、図3に示すように、テンプル4・4が側頭部Hを挟持して眼鏡1を支持することができる。そのため、鼻当てが無くとも、安定して支持することができる。
このとき、第三アーム部4dは、側頭部の耳の上方で頭部Hを挟持するように配置されるように装着されるが、一般的な眼鏡の耳掛けが当接する耳の上部には触れておらず、間隙を有するように装着される。
また、装着者Uと眼鏡1とが接触する部分は、第二屈曲点4fとこめかみT及び第三アーム部4dと側頭部Hのみであり、その他の部分は装着者Uからは離間している。
次に、本実施例の眼鏡1の装着時における、各アーム部の変形の様子について、図4及び図5に基づいて説明する。
まず、第一アーム部4b及び第二アーム部4cについて、図4(a)に示すように、非装着の状態においては、第一アーム部4bは、ヒンジ部4aから智部3の曲率に沿って後方に延設されている。また、第二アーム部4cは、第一アーム部4bの先端側の第一屈曲点4eから側面視において前方下向きに鋭角に小さな曲げRで屈曲するとともに、平面視において内向きに延設された状態となっている。
したがって、装着の際にテンプル4を顔面の上方から降下させると、まず内側に突出した第二屈曲点4fがこめかみTに当接する。
第二屈曲点4fがこめかみTに当接してからさらにテンプル4を降下させて装着位置となるように配置すると、図4(b)に示すように、第一屈曲点4eを支点として第二アーム部4cが撓み、第二屈曲点4fが外向きに変位して左右の第二アーム部4c・4c間が拡開する。これにより、内向きの反発力が生じる。
このとき、同時に、第一屈曲点4eを介して第二アーム部4cと連結されている第一アーム部4bが外側に撓むことによっても内向きの反発力が生じる。
また、力点である第二屈曲点4fが第一アーム部4b上から離間した位置にあることにより第一アーム部4bが捩じれることとなるため、これによっても反発力が生じる。
したがって、これら第一アーム部4b及び第二アーム部4cの反発力によって、第二アーム部以降の部分に対して内向きの力のモーメントを与える。
この内向きの力のモーメントは、こめかみTに対し、側頭部Hに与えられる側圧よりも高い側圧を生じさせることとなる。しかし、撓みの支点であるヒンジ部4aに対して、力点である第二屈曲点4fまでの弾性体としての第一アーム部4b及び第二アーム部4cの長さが長いため、過大な側圧とはならない。
次に、第三アーム部4dについて、図5(a)に示すように、非装着の状態においては、第二アーム部4cの先端側の第二屈曲点4fから側面視において後方上向きに鋭角に小さな曲げRで屈曲するとともに平面視において内向きの円弧状に延設された状態となっている。
したがって、装着の際にテンプル4を上方から降下させると、第三アーム部4dの内側の面全体が側頭部Hに当接する。このとき、第三アーム部4dは耳の上部には触れず、側頭部Hに当接した状態で配置される。
第三アーム部4dの内側の面全体が側頭部Hに当接してからさらにテンプル4を降下させて装着位置となるように配置すると、図5(b)に示すように、第二屈曲点4fを支点として第三アーム部4dが撓んで外向きに変位して左右の第三アーム部4d・4d間が拡開する。これにより、内向きの反発力が生じる。
このとき、こめかみTに当接した第二屈曲点4fが支点となって第三アーム部4dが撓むことで、第二屈曲点4fによるこめかみTに対する側圧と連続した線状の側圧を側頭部Hに与えることとなる。
第三アーム部4dの撓みは、こめかみTに当接した第二屈曲点4fが支点となっていることにより、装着者Uの顔の幅の大小に関わらず、略一定とすることができる。そのため、側頭部Hへの側圧が過大となることを防ぐことができる。
本実施例の眼鏡1を装着した場合におけるこめかみT及び側頭部Hに対する側圧は、図6に示すような分布となる。
すなわち、第二屈曲点4fに対応する位置4f’の側圧が最も高く、第三アーム部4dに対応する位置4d’の側圧はそれよりも弱くなる。
ここで、前記位置4f’・4d’の側圧は連続的であるとともに、第三アーム部4dに対応する位置4d’の側圧は、基端部から先端部にかけて徐々に弱くなるように第三アーム部4dが形成されていることにより、装着時に後頭部付近まで締め付けられるような不快感を与えることがなく、頭部の圧迫感を軽減しつつ、安定的に支持することができる。
第二屈曲点4fに対応する位置4f’の方が強い側圧となるようにすることで、眼鏡1のフロントフレームを力点とすると、こめかみTが支点となるため、力点と支点の距離が近くなり、フロントフレームの重量による力のモーメントが小さくなる。そのため、フロントフレームが下方向にずり落ちにくくなる。
この点、単にこめかみTの側圧を強いものとすると、こめかみTに痛みが生じる可能性があるが、本実施例の第一アーム部4b及び第二アーム部4cのような構成であることにより、アーム部の長さが長くなり、こめかみTへの側圧を適度に抑制することができる。
加えて、第三アーム部4dによる側頭部Hへの側圧は、この抑制したこめかみTへの側圧を補完する役割も有するものであるが、側頭部Hへの側圧の方が強いと、その最も強く当接する部分が支点となって、力点であるフロントフレームまでの距離が長くなって、力のモーメントが大きくなり、フロントフレームが下方向にずり落ちやすくなってしまう。
本実施例では、図6に示すように、こめかみTよりも側頭部Hの方が弱い側圧となっていることで、こめかみTへの痛みは伴わないが、こめかみTを支点とすることができる程度の十分な側圧を与えつつ、側頭部Hに対する比較的弱いが広い範囲を押圧する線状の側圧により、フロントフレームの上下左右の動きを抑制して、安定して支持することができる。
また、比較的弱い側圧を与える第三アーム部4dの撓みは、こめかみTに当接した第二屈曲点4fが支点となっていることにより、装着者Uの顔の幅の大小に関わらず、略一定とすることができるため、どのような顔幅の装着者であったとしても、こめかみTを支点とすることができ、フロントフレームによる力のモーメントを小さくすることができるため、安定して支持することができる。
以上のような本実施例の眼鏡1によれば、テンプルT・Tによって頭部に安定して装着することができるため、鼻当てや耳掛けによらずに、側圧によって支持するため、どのような重量のフロントフレームであっても鼻や耳への負荷を無くすことができ、鼻当てを有する眼鏡であったとしても、鼻への負荷を軽減することができる。
また、安定して支持することができるテンプルTを、付加部材を用いることなく一体に形成することにより、眼鏡1を安価に提供することができ、付加部材を必要としないため、デザインの幅も広がる。
『実施例2』
次に、本発明の眼鏡フレームを用いた実施例2に係る眼鏡1について図7に基づいて以下に説明する。
本実施例の眼鏡1は、テンプル4における第一アーム部4bと第二アーム部4cとが直角に屈曲している点が、実施例1と異なる。
このようなテンプル4の形状の場合には、こめかみTに対する側圧をより強いものにすることができるが、この構成であっても実施例1と同様の効果を奏することができる。
『実施例3』
次に、本発明の眼鏡フレームを用いた実施例3に係る眼鏡1について図8に基づいて以下に説明する。
本実施例の眼鏡1は、テンプル4における第一アーム部4bと第二アーム部4cとが大きな直径で180度湾曲して形成されており、第二アーム部4cと第三アーム部4dとにおいても、同様に大きな直径で180度湾曲している。これにより、アーム部が側面視において略S字状を呈している点が、実施例1と異なる。
このようなテンプル4の形状の場合には、こめかみTに対する側圧をより抑制することができるが、この構成であっても実施例1と同様の効果を奏することができる。
参考例1
次に、本発明の眼鏡フレームを用いた参考例1に係る眼鏡1について図9に基づいて以下に説明する。
参考例の眼鏡1は、テンプル4における第三アーム部4dが短く形成されている点が、実施例1と異なる。
このようなテンプル4の形状の場合には、側頭部Hの前方のみに側圧を与えることができるため、後頭部にかけての圧迫感を無くすことができるとともに、側圧による髪型の崩れを防止することができる。
参考例1例では、支持の安定性の向上のために、鼻当てNを設ける構成としているが、この構成であっても、鼻への負荷を大きく軽減することができるため、実施例1と同様の効果を奏することができる。
1 眼鏡
2 レンズ
3 智部
4 テンプル
4a ヒンジ部
4b 第一アーム部
4c 第二アーム部
4d 第三アーム部
4e 第一屈曲点
4f 第二屈曲点
N 鼻当て
H 側頭部
T こめかみ
U 装着者

Claims (3)

  1. 左右のテンプルによって眼鏡フレーム全体を支持することのできる眼鏡であって、
    少なくとも智部と、前記智部から後方に延設されるテンプルとを備え、
    鼻当部材を設けない構成であり、
    前記テンプルは、前記智部に回動自在にヒンジ連結されるヒンジ部と、前記ヒンジ部から後方に延設されるアーム部とからなり、
    前記アーム部は、一体に形成されるとともに、前記ヒンジ部から後方に延設される第一アーム部と、前記第一アーム部の先端側から装着時におけるこめかみに対応する位置に向かって延設される第二アーム部と、前記第二アーム部の先端側から装着時において側頭部に沿うように延設される第三アーム部とを有し、
    装着時には前記第二アーム部によってこめかみに側圧を与えるとともに、前記第三アーム部によって側頭部に側圧を与えて頭部に支持される構成であることを特徴とする、眼鏡フレーム。
  2. 前記第二アーム部は、前記第一アーム部の先端側から側面視において前方下向きに屈曲もしくは湾曲するとともに平面視において内向きに延設され、
    前記第三アーム部は、前記第二アーム部の先端側から側面視において後方上向きに屈曲もしくは湾曲するとともに平面視において内向きの円弧状に延設されていることを特徴とする、請求項1に記載の眼鏡フレーム。
  3. 前記第二アーム部及び前記第三アーム部が鋭角に屈曲することで前記アーム部が側面視において略Z字状を呈していることを特徴とする、請求項2に記載の眼鏡フレーム。
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