JP3004894U - 眼鏡のスプリングテンプル - Google Patents

眼鏡のスプリングテンプル

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JP3004894U
JP3004894U JP1994006277U JP627794U JP3004894U JP 3004894 U JP3004894 U JP 3004894U JP 1994006277 U JP1994006277 U JP 1994006277U JP 627794 U JP627794 U JP 627794U JP 3004894 U JP3004894 U JP 3004894U
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temple
spectacles
ear hook
hook contact
ear
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JP1994006277U
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Inventor
優志 奥澤
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福井光器株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 掛け心地の良い眼鏡テンプル、具体的には、
眼鏡フロント部の垂直荷重を側頭部へ分散しつつ、しか
も、垂直方向への弾性的緩衝性も発揮するような眼鏡テ
ンプルを、実現することを目的とする。 【構成】 テンプルをU字形に屈曲して折り返し、折り
返した部分を内下方へ持ち出しながら耳殻上縁の形状に
湾曲して、耳掛け接触部位を構成する。 【効果】 眼鏡を装用すると、テンプルの耳掛け接触部
位を弾性的に外側に押し出される。このため、耳掛け接
触部位が内方に付勢され、側頭部との間で大きな摩擦力
が発生してフロント荷重を分散する。また、U字形の屈
曲部分で上下方向にも弾性が発揮される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、眼鏡のテンプルの改良、更に詳しくは、テンプルの耳掛け部分の形 状を刷新して所定の弾性を発揮させ、眼鏡の装用感を改善するスプリングテンプ ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
日常の眼鏡使用では、眼鏡使用者の日常動作や運動によって生じる振動、それ に更に汗が加わって眼鏡がずり動き易く、眼鏡のレンズが正しく眼前に支持され ない傾向がある。このような眼鏡のずり動きは眼の健康上有害であり、眼鏡の正 常な機能発揮を阻害する上、眼精疲労の原因ともなる。しかし、顔に良く支持さ れるような眼鏡を作ろうとすると、支持のために眼鏡の顔に対する接圧を強くせ ねばならず、顔の各部に苦痛が生じるようになってくるという問題があった。
【0003】 そこで、従来にも、苦痛を与えずに安定に装用できる眼鏡の開発努力がなされ てきた。その工夫の1つは、眼鏡のテンプル、つまり、眼鏡を使うときに耳に掛 ける部品を、眼鏡の内側へむけて付勢して取りつけるようにし、当該付勢された テンプルと側頭部との摩擦力によって、眼鏡のフロントの荷重の一部を支持せし めようというものである。一般の眼鏡の使用においては、鼻の部分に掛かる荷重 が大き過ぎるために、鼻部に特に苦痛を感じる人が多いのに対し、上記のように すると、鼻に掛かる荷重を軽減して鼻部の苦痛を緩和する効果が期待できる。し かし、このような荷重分散方式を用いるときは、付勢したテンプルに水平方向へ 弾力的に運動することを許容する代わりに、テンプルに垂直方向へ大きな弾力を 発揮させることを諦めなければならない。というのも、テンプルに眼鏡の装用を 補助させるためには、ある程度の強度が必要であって、テンプルに水平、垂直両 方向へ弾性的運動を許容してしまうと、テンプルの形態安定性が損なわれて支持 力が弱くなり、眼鏡を掛けた際に揺れ動くことになってしまうからである。この ため、上記の荷重分散方式眼鏡では、垂直方向にテンプルが固くなって、テンプ ルに垂直に接する耳殻付け根部分が特に痛くなるという欠点が生じていたのであ る。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、従来の眼鏡に上記の問題点があったことに鑑みてなされたもので、 テンプルを内側へ水平に付勢して荷重を分散し、かつ、テンプルに垂直方向への 弾性的運動を許容して耳殻付け根部分の痛みを和らげつつも、テンプルに充分な 強度を与えて眼鏡をぐらつかせないようにすることを技術的課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以下、上記課題解決のために、本考案において採用した手段を説明すると、線 材の一端を眼鏡フロントに連結してテンプルとする一方、このテンプルの後端近 傍をU字形に屈曲して弾性を持つ屈曲弾性部位を形成する一方、当該屈曲弾性部 位からフロント連結端までの部分をテンプル長手部位とし、また、屈曲弾性部位 からフロント連結反対端までをテンプル耳掛け接触部位とすると共に、このテン プル耳掛け接触部位は、耳殻の付け根上縁に沿う形状にしながら、テンプル長手 部位よりも内下方へ寄せるというものである。
【0006】 この手段においては、眼鏡全体を支えるのに強度が必要な部分と弾性的柔軟性 を発揮させて装用感を向上させる部分とにテンプルを分け、前者の部分によって テンプルの強度を保証し、後者の部分によってテンプルのクッション的な弾性運 動を許容させる。つまり、屈曲弾性部位からフロント連結端までのテンプル長手 部位に所定の強度を発揮させて、このテンプル長手部位で眼鏡を支える一方、弾 性を持つ屈曲弾性部位に水平、垂直両方向に弾性的な緩衝運動を許容させて、テ ンプル耳掛け接触部位と側頭部との摩擦力で眼鏡フロントの荷重を分散し、各部 位でより小さな荷重で眼鏡を支持できるようにすると共に、テンプル耳掛け接触 部位にクッション効果を与えて接触部分の痛みを和らげることを目的としている のである。このような、テンプルの弾性的な緩衝運動が許容されると、眼鏡の相 対的運動によって各接触部位に掛かる力も緩衝されて小さくなるので、より小さ な接触荷重で眼鏡を支え得るという作用もある。なお、この場合における眼鏡装 用感の向上にあたっては、テンプルの水平、垂直両方向への弾力作用は、テンプ ル全体について許容される必要はなく、テンプルの皮膚に直接接触する部分につ いて許容されれば良い。したがって、テンプルを、直接皮膚に接するテンプル耳 掛け接触部位と強度発揮のテンプル長手部位とに分けて、テンプル耳掛け接触部 位のみを屈曲弾性部位で弾性的に連結すれば、所望の性能を持つテンプルが構成 できるのである。
【0007】 また、テンプル耳掛け接触部位は、眼鏡の内方へ持ち出されるように配置して おいて、眼鏡を顔に掛けたときに側頭部に接触して外側へ移動されるようにして おく。このようにすると、屈曲弾性部位の弾性によって、テンプル耳掛け接触部 位と側頭部との間に摩擦力が生じ、眼鏡の荷重を分散することができる。また、 テンプル耳掛け接触部位をテンプル長手部位よりも下方寄りに配置しておくと、 眼鏡の使用時においては、屈曲弾性部位の弾性的変形でテンプル耳掛け接触部位 が下向きに付勢されつつその垂直運動が許容される。
【0008】 上記の手段に加えて、テンプルを構成する線材に金属線材を用いると、テンプ ルを軽く作れる上、テンプル長手部位にある程度の強度を与えつつ、屈曲弾性部 位に充分な弾性を発揮させることが容易になる。更に、テンプル耳掛接触部位を 耳殻の上縁から後縁上部まで沿うような形状にしておくと、テンプル耳掛接触部 位が耳殻に引っ掛かるようにして眼鏡のずり落ちを防ぐことができ、同時に眼鏡 のフロント部分を上に引っ張り上げる効果も発揮して鼻部の荷重を更に軽減し、 装用感を向上させる。
【0009】
【実施例】
以下、本考案を実施例に基づいて説明する。
【0010】 弾性のある金属線材(バネ洋白)を屈曲加工して、テンプル1を作る。テンプ ル1の製造にあたっては、まず、金属線材の一端を先端として、この先端から所 定の長さの線材部分をピンカーブ形状に緩やかに湾曲させることにより、テンプ ル長手部位11を構成しておく。次いで、テンプル長手部位11が終わる部位をU字 形に屈曲して屈曲弾性部位12を形成すると共に、この屈曲弾性部位12で折り返さ れた部分を耳殻の付け根上縁から後縁上部に沿う略円弧形状に湾曲してテンプル 耳掛け接触部位13として、テンプル1を作製する。このテンプル作製のとき、テ ンプル1の先端を後述の眼鏡フロントFに取りつけると、テンプル長手部位11よ りもテンプル耳掛け接触部位13が眼鏡の内側へかつ下方へ持ち出されることにな るように、屈曲弾性部位12を加工しておく。つまり、屈曲弾性部位12は、斜めに 傾けて若干股開き状に湾曲させる。
【0011】 この後、テンプル1の先端に、テンプル1を眼鏡フロントFに取りつけるため の丁番Hのコマ1aをプレス成形し、削出する。こうして作られたテンプル1の コマ1aを、後述の眼鏡フロントFのブラケット智4aの二股コマ4bに、ピボッ ト4cでヒンジ連結することによって、眼鏡ができあがる。
【0012】 以上のようなテンプルを眼鏡に装備させると、次のようなメリットがある。ま ず第1に、テンプル耳掛け接触部位が眼鏡の内側へ持ち出されているため、眼鏡 を顔に掛けたときに、側頭部に接触して外側へ弾性的に押し広げられ、逆にテン プル耳掛け接触部位は側頭部に適圧で当接して、両者間で大きな摩擦力が生じ、 眼鏡の荷重が分散される。このため、特に鼻部の負担を軽減して、装用感を向上 させる。また、第2に、眼鏡を装用したとき、主に屈曲弾性部位の弾性が、日常 的動作から生じるあらゆる方向からの振動を緩衝して、3次元的なクッション効 果を発揮し、より小さな荷重で眼鏡を支えることを可能とするので、装用感が改 善される。つまり、屈曲弾性部位の弾性で眼鏡の主要部分の挙動が縦横両方向と も緩衝され、急に強い力が掛かったりするようなことがなくなって、やや緩めの 眼鏡を使用してもずれ動かない。加えて、第3に、テンプル耳掛け接触部位の3 次元的運動が、テンプル長手部位の変形によってだけではなく屈曲弾性部位の弾 性変形によっても許容されるので、テンプル長手部位を比較的弾性変形しにくく 作っても、3次元的クッション効果が得られる。このため、テンプルにある程度 強度を与えて、眼鏡全体の支持を良好にすることができる。
【0013】 また、以上のようなテンプルにおいては、屈曲弾性部位の部分とテンプル長手 部位の部分とで、線材の径を変化させたり、熱処理を目的に即して適宜選択する ことによって、テンプル長手部位を必要限度に弾性変形しにくくすることもでき る。また、テンプルを作る線材に、方向によって弾力の異なる扁平な線材を用い ると共に、偏平の角度を捩じりつつ屈曲弾性部位を形成して、テンプル長手部位 の垂直方向の強度を特に高めつつ、3次元的クッション効果が得られるようにし ても良い。
【0014】 上記実施例の眼鏡に用いる眼鏡フロントFは以下のようにして得られる。
【0015】 金属線材(洋白)を湾曲して所要のレンズ外形と同じ形状の屈曲線材21に加工 し、当該屈曲線材21の端部に、接合面積増加の目的で薄板状のコネクタ22・22を 連結する。更に、このコネクタ22・22に、ネジ23aで開閉する一対のリムロック2 3・23をロウ付けして、リム2とする。このようなリムを左右1対として、ブリ ッジ3にロウ付けして左右対称に連結せしめる。なお、リムロック23の下端に、 図示しないパッドアームをロウ付けし、これに鼻当パッド(図示せず)を取りつ けるものとする。
【0016】 そして、弾性金属線材(ばね洋白)を加工してテンプル連結部材4・4を得、 前記のリム2・2とブリッジ3との接合体にロウ付けして連結する。このテンプ ル連結部材4・4は、リム上縁に沿わせながらブリッジ3付近からフロントの両 端まで伸びるように構成し、その先端に前述のブラケット智4a・4aを延設して 丁番Hの二股コマ4b・4bを設け、上記のテンプル1・1の先端のコマ1a・1a を差し込んでヒンジ連結する。
【0017】 このようにして構成された眼鏡枠フロント部のリム2にレンズLを抱持させる と、眼鏡フロントFが得られる。この眼鏡フロントFにおいては、長く伸びたテ ンプル連結部材4・4が緩衝効果を発揮して、レンズ間隔を一定に保つ効果を発 揮する。
【0018】 本実施例は以上のように構成されるが、本考案は上記実施例にのみ限定される ものではなく、例えば、U字形の屈曲弾性部位に捩じりコイルバネ12aを配置し たりすることができるし(図5参照)、あるいは、テンプル全体に軽くて強度の 高いチタン合金線材を用いたり、弾性の大きいニッケルチタン系形状記憶合金を 用いたりするようなこともできる。
【0019】
【考案の効果】
以上のように、本考案においては、テンプル長手部位と屈曲弾性部位とテンプ ル耳掛け接触部位とを持つテンプルを線材で作って、テンプルの強度を確保しつ つ、テンプルにクッション効果を付与し得た。このため、本考案のテンプルは、 眼鏡全体を支えるに充分な剛性と適度の弾性とを兼ね備え、装用感に優れる。
【0020】 また、テンプル耳掛け接触部位は眼鏡の内方へ持ち出し気味にしておくと、眼 鏡を装用したときに、テンプル耳掛け接触部位と側頭部との間に大きな摩擦力が 生じて、眼鏡の荷重を分散でき、鼻部の装用感が向上する。また、テンプル耳掛 け接触部位を下方寄りに配置しておくと、テンプル耳掛け接触部位の垂直運動が 大きく許容されるので、眼鏡の装用感がますます良好になる。
【0021】 上記の手段に加えて、テンプルを構成する線材に金属線材を用いたり、テンプ ル耳掛接触部位を耳殻の上縁から後縁上部まで沿うような形状にしたりして、眼 鏡の掛け心地を改善することもできる。前者の場合、軽くてしかも強度と弾性と を兼ね備えたテンプルが可能になるし、後者の場合、テンプル耳掛接触部位が耳 殻に引っ掛かって眼鏡のずり落ちを防止する上、眼鏡のフロント部分を上に引っ 張り上げる効果も発揮して鼻部の荷重を軽減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す側面図である。
【図2】同実施例を示す正面図である。
【図3】同実施例を示す平面図である。
【図4】同実施例におけるフロントとテンプルの連結を
説明する部分拡大分解組み立て図である。
【図5】同実施例におけるフロントのブリッジ近傍を説
明する部分拡大図である。
【図6】本考案テンプルの変形例を示す部分拡大図であ
る。
【符号の説明】
1 テンプル 1a コマ 11 テンプル長手部位 12 屈曲弾性部位 13 テンプル耳掛け接触部 2 リム 3 ブリッジ 4 テンプル連結部材 4a ブラケット智 4b 二股コマ 4c ピボット

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼鏡フロントから後方へ持ち出され、装
    用者の側頭部に接触して眼鏡の装用を補助するテンプル
    であって、 テンプル全体は、一端を眼鏡フロントに連結された線材
    から構成され、 テンプル後端近傍がU字形に屈曲されて弾性発現する屈
    曲弾性部位が形成される一方、当該屈曲弾性部位からフ
    ロント連結端までの線材部分がテンプル長手部位として
    形成され、屈曲弾性部位からフロント連結反対端までの
    線材部分がテンプル耳掛け接触部位として形成されると
    共に、 当該テンプル耳掛け接触部位が、テンプル長手部位より
    も内下方へ寄った位置に位置させられつつ、耳殻付け根
    の少なくとも上縁に沿う形状を与えられていることを特
    徴とする眼鏡のスプリングテンプル。
  2. 【請求項2】 眼鏡フロントから後方へ持ち出され、装
    用者の側頭部に接触して眼鏡の装用を補助するテンプル
    であって、 テンプル全体は、一端を眼鏡フロントに連結された金属
    線材から構成され、 テンプル後端近傍がU字形に屈曲されて弾性発現する屈
    曲弾性部位が形成される一方、当該屈曲弾性部位からフ
    ロント連結端までの線材部分がテンプル長手部位として
    形成され、屈曲弾性部位からフロント連結反対端までの
    線材部分がテンプル耳掛け接触部位として形成されると
    共に、 当該テンプル耳掛け接触部位が、テンプル長手部位より
    も内下方へ寄った位置に位置させられつつ、耳殻付け根
    の少なくとも上縁に沿う形状を与えられていることを特
    徴とする眼鏡のスプリングテンプル。
  3. 【請求項3】 眼鏡フロントから後方へ持ち出され、装
    用者の側頭部に接触して眼鏡の装用を補助するテンプル
    であって、 テンプル全体は、一端を眼鏡フロントに連結された金属
    線材から構成され、 テンプル後端近傍がU字形に屈曲されて弾性発現する屈
    曲弾性部位が形成される一方、当該屈曲弾性部位からフ
    ロント連結端までの線材部分がテンプル長手部位として
    形成され、屈曲弾性部位からフロント連結反対端までの
    線材部分がテンプル耳掛け接触部位として形成されると
    共に、 当該テンプル耳掛け接触部位が、テンプル長手部位より
    も内下方へ寄った位置に位置させられつつ、耳殻付け根
    の上縁と後縁上部とに沿う形状を与えられていることを
    特徴とする眼鏡のスプリングテンプル。
JP1994006277U 1994-06-02 1994-06-02 眼鏡のスプリングテンプル Expired - Lifetime JP3004894U (ja)

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