JP7396536B2 - 水性インク組成物、インクセット、印刷物及び印刷物の製造方法 - Google Patents

水性インク組成物、インクセット、印刷物及び印刷物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水性インク組成物、インクセット、印刷物及び印刷物の製造方法に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式は、使用する装置の騒音が小さく、操作性がよいという利点を有するのみならず、カラー化が容易である。そのため、オフィスや家庭での出力機としてだけでなく、産業用途においても利用されている。
インクジェット記録方式用のインク(インクジェットインク)としては、溶剤インク、UVインク、水性インク等がある。これらの中でも、環境面への対応等の点から水性インクの需要が高まっている(例えば特許文献1参照)。
特開2011-12226号公報
近年、インクジェット記録方式の用途拡大が期待されており、普通紙のようなインク吸収性の被記録媒体だけでなく、塗工紙がライナーされたコート紙段ボール等のインク難吸収性の被記録媒体又はインク非吸収性の被記録媒体への水性インクジェットインクによる印刷のニーズが高まっている。
しかしながら、水性インクジェットインクによりインク難吸収性又はインク非吸収性の被記録媒体へ印刷した場合、インクが被記録媒体上ではじかれ、ドットの結合が起こることにより、インク塗膜に粒状のムラ(粒状感)が発生するという課題がある。また、本発明者らの検討結果によれば、顔料と染料を併用することで上記粒状感を低減できるものの、この場合、普通紙のようなインク吸収性の被記録媒体に対して印刷した際に充分な画像堅牢性が得られ難く、摩擦や水分による影響等によってインク塗膜が被記録媒体から剥がれるといった不具合が生じる場合がある。
そこで、本発明は、インク難吸収性又はインク非吸収性の被記録媒体に印刷した際に発生するインク塗膜の粒状感を低減しつつ、インク吸収性の被記録媒体に印刷した場合にも充分な画像堅牢性が得られる、水性インクジェットインクを提供することを一つの目的とする。
ところで、インクジェット記録方式で得られた印刷物の適用範囲の拡大に伴って、前記印刷物には、ディスプレイ等に表示された画像等を高いレベルで再現できることが求められている。前記再現にあたっては、一般に基本色といわれる色相とは異なる、特定の用途や国等で好まれる嗜好色を再現可能なインクが求められる場合がある。
前記したような特徴的な色相を再現可能なインクは、例えば顔料や染料などを適宜選択し組み合わせ使用することによって得ることができる。
しかし、例えば特徴的な色相を備えたマゼンタインクを得ようとする場合、マゼンタの基本的な色調を失うわけにはいかないため、選択される顔料等は、どうしても同系統の色相を備えた顔料などを組み合わせることが一般的であった。
また、顔料や染料の組み合わせによっては、最適な色相を備えたインクを調製できる場合があるものの、インクジェット記録方式で吐出することができない場合や、印刷物に色ムラや濁りを引き起こす場合があった。
以上のことから、本発明は、最適な色相に調整する自由度や光学濃度が高く、印刷物に色ムラや濁りを引き起こすことがなく、良好な吐出性を備えた水性インク組成物を提供することを目的の一つとする。
本発明の一側面は、インクジェット記録方式に用いられる水性インク組成物であって、
前記水性インク組成物が、分光光度計を用いて求められたLh色空間における色相角度がhである水性顔料分散体と、分光光度計を用いて求められたLh色空間における色相角度がhが下記条件を満たすものであることを特徴とする水性インク組成物に関する。
色相角hが0°以上45°未満のとき、色相角hは(h+45)°以上(360-45+h)°以下の範囲
色相角hが45°以上315°未満のとき、色相角hは0°以上(h-45)°以下の範囲、または、(h+45)°以上360°以下の範囲
色相角hが315°以上360°未満のとき、色相角hは(h+45-360)°以上(h-45)°以下の範囲
本発明によれば、インク難吸収性又はインク非吸収性の被記録媒体に印刷した際に発生するインク塗膜の粒状感を低減しつつ、インク吸収性の被記録媒体に印刷した場合にも充分な画像堅牢性や光学濃度が得られる、水性インクジェットインクを提供することができる。
また、本発明によれば、最適な色相に調整する自由度が高く、印刷物に色ムラや濁りを引き起こすことがなく、良好な吐出性を備えた水性インクジェットインクを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は下記実施形態に何ら限定されるものではない。なお、本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、個別に記載した上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。また、「水性インク組成物」とは、インク組成物における溶媒全体に占める水の含有量が40質量%以上であり、且つ、水に対する20℃での溶解度が0.5g/100mL未満である非水溶性の溶媒を実質的に含まない(含有量が溶媒全量の1質量%以下)であることを意味する。
(水性インク組成物)
本発明の水性インク組成物は、インクジェット記録方式に用いられる水性インク組成物であって、前記水性インク組成物が、分光光度計を用いて求められたLh色空間における色相角度がhである水性顔料分散体と、分光光度計を用いて求められたLh色空間における色相角度がhである水性染料組成物とを含有し、前記水性染料組成物の色相角度hが、下記条件を満たすものであることを特徴とする。
色相角hが0°以上45°未満のとき、色相角hは(h+45)°以上(360-45+h)°以下の範囲
色相角hが45°以上315°未満のとき、色相角hは0°以上(h-45)°以下の範囲、または、(h+45)°以上360°以下の範囲
色相角hが315°以上360°未満のとき、色相角hは(h+45-360)°以上(h-45)°以下の範囲
上記水性インク組成物によれば、インク難吸収性又はインク非吸収性の被記録媒体に印刷した際に発生するインク塗膜の粒状感を低減しつつ、インク吸収性の被記録媒体に印刷した場合にも充分な画像堅牢性が得られる。そのため、上記水性インク組成物によれば、被記録媒体のインク吸収性によらず、光学濃度や画像堅牢性に優れ、且つ、ムラのない均一なインク塗膜が得られる傾向がある。
また、本発明によれば、最適な色相に調整する自由度が高く、印刷物に色ムラや濁りを引き起こすことがなく、良好な吐出性を備えた水性インクジェットインクを提供することができる。
上述のとおり、本実施形態のインク組成物は、インク吸収性の被記録媒体のみでなく、インク難吸収性又はインク非吸収性の被記録媒体に適用可能である。インク吸収性の被記録媒体としては、例えば、複写機で一般的に使用されているコピー用紙(PPC紙)等の被記録媒体、インクの吸収層を有する被記録媒体等が挙げられる。
ここで、「インク難吸収性」とは、被記録媒体の記録面と水との接触時間100m秒における前記被記録媒体の吸水量が10g/m以下であることをいい、「インク非吸収性」とは、上記吸水量が0g/mであることをいう。吸水量は、自動走査吸液計(熊谷理機工業株式会社製、KM500win)を用いて、23℃、相対湿度50%の条件下にて測定される、純水の接触時間100m秒における転移量である。測定条件を以下に示す。
[Spiral Method]
Contact Time:0.010~1.0(sec)
Pitch:7(mm)
Lencth per sampling:86.29(degree)
Start Radius:20(mm)
End Radius:60(mm)
Min Contact Time:10(ms)
Max Contact Time:1000(ms)
Sampling Pattern:50
Number of sampling points:19
[Square Head]
Slit Span:1(mm)
Width:5(mm)
インク難吸収性又はインク非吸収性の被記録媒体としては、例えば、表面にインク中の溶媒を吸収しにくい着色層が設けられた段ボール、印刷本紙等のアート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙、プラスチックフィルムなどが挙げられる。
本発明の水性インク組成物は、前記水性顔料分散体と水性染料組成物とを含有する。前記水性顔料分散体は、分光光度計を用いて求められたLh色空間における色相角度がhであるものを使用する。ここで、hは、任意の値を採用できるが、例えばイエロー顔料と赤色染料とを組み合わせイエローインクを製造する場合であれば、hは45°~135°の範囲であることが好ましく、シアン顔料と黄色染料とを組み合わせシアンインクを製造する場合であれば、hは135°~225°の範囲であることが好ましく、マゼンタ顔料と赤色染料とを組み合わせマゼンタインクを製造する場合であれば、hが270°~360°のものを使用することが好ましい。前記した顔料及び染料を組み合わせたインクを用いることによって、最適な色相に調整する自由度が高く、印刷物に色ムラや濁りを引き起こすことがなく、良好な吐出性を備えた水性インク組成物を得ることができる。
前記水性顔料分散体は、顔料が顔料分散剤によって水性媒体に分散されたものを使用することができる。また、前記水性顔料分散体としては、自己分散顔料が水性媒体に分散したものを使用することができる。
また、本発明の水性インク組成物で使用する水性染料組成物としては、分光光度計を用いて求められたLh色空間における色相角度がhである水性染料組成物を使用する。ここで、前記水性染料組成物の色相角度hは、前記水性染料組成物と組み合わせ使用する水性顔料分散体の色相角度hに応じて最適なものを選択し使用する。前記色相角度hとhとの組み合わせは下記のとおりである。
色相角hが0°以上45°未満のとき、色相角hは(h+45)°以上(360-45+h)°以下の範囲
色相角hが45°以上315°未満のとき、色相角hは0°以上(h-45)°以下の範囲、または、(h+45)°以上360°以下の範囲
色相角hが315°以上360°未満のとき、色相角hは(h+45-360)°以上(h-45)°以下の範囲
前記色相角度がhである水性顔料分散体と、色相角度hが上記範囲の水性染料組成物とを組み合わせることによって、前記画像堅牢性などを損なうことなく、印刷物に色ムラや濁りを引き起こすことがなく、良好な吐出性を備えた水性インク組成物を得ることができる。
ここで、hは、例えば色相角度hが45°~135°の範囲の水性イエロー顔料分散体と、赤色染料とを組み合わせイエローインクを製造する場合であれば、hが0°以上(h-45)°以下の範囲、または、(h+45)°以上360°以下の範囲のものを使用することが、印刷物に色ムラや濁りを引き起こすことがなく、良好な吐出性を備えた水性インク組成物を得るうえで好ましい。一例を挙げると、色相角度hが90°の水性イエロー顔料分散体を用いる場合、色相角度hが0°以上45°以下の赤色染料組成物または135°以上360°以下の赤色染料組成物を使用することが好ましい。
前記水性染料組成物は、染料が水性媒体に溶解または分散したものを使用することができる。
なお、前記水性顔料分散体の色相角度hと前記水性染料組成物の色相角度hとは、前記水性顔料分散体及び前記水性染料組成物を蒸留水で希釈したサンプルを、分光光度計(光源C)を用いて得られた吸光度に基づいて算出したLの値を用い、下記式に基づいて算出した値を指す。
色相角度h=tan-1(b/a
前記サンプルとしては、水性顔料分散体を例えば1万倍に希釈し顔料濃度0.002質量%に調整したものを用い、水性染料組成物を例えば5万倍に希釈し染料濃度0.002質量%に調整したものを用いた。
以下では、顔料と、染料と、酸変性ポリプロピレン樹脂と、酸化ポリエチレンワックスとを含有する水性インク組成物を例に挙げて、水性インク組成物に含まれる構成成分について詳細に説明する。
前記顔料としては、例えばブラック顔料、シアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料などを使用することができる。これらの顔料としては、水性グラビアインク又は水性インクジェットインクにおいて通常使用される有機顔料及び無機顔料を使用することができる。
前記シアン顔料を含有する水性顔料分散体の色相角度hは210°~230°である。前記マゼンタ顔料を含有する水性顔料分散体の色相角度hは330°~350°である。前記イエロー顔料を含有する水性顔料分散体の色相角度hは80°~100°である。
前記顔料は、有機顔料及び無機顔料の一方又は両方を含んでいてよい。また、顔料としては、未酸性処理顔料、酸性処理顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、例えば、酸化鉄や、コンタクト法、ファーネス法又はサーマル法等の方法で製造されたカーボンブラックなどを使用することができる。
有機顔料としては、例えばアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等)、レーキ顔料(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
ブラックインクに使用可能な顔料(ブラック顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、6、7、8、10、26、27、28等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントブラック7が好ましく用いられる。ブラック顔料の具体例としては、三菱化学株式会社製のNo.2300、No.2200B、No.900、No.960、 No.980、No.33、No.40、No,45、No.45L、No.52、HCF88、MA7、MA8、MA100等;コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等;キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Mogul 700、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400等;デグサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同1400U、Special Black 6、同5、同4、同4A、NIPEX150、NIPEX160、NIPEX170、NIPEX180等が挙げられる。
シアンインクに使用可能な顔料(シアン顔料)の具体例としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:3、15:4、15:6、16、22、60、63、66等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましく用いられる。
マゼンタインクに使用可能な顔料(マゼンタ顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、146、176、184、185、202、209、269、282等;C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントレッド122が好ましく用いられる。
イエローインクに使用可能な顔料(イエロー顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、174、180、185等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントイエロー74が好ましく用いられる。
顔料には、水性インク組成物中に安定に存在させるために、水性媒体に良好に分散させる手段を講じてあることが好ましい。例えば、顔料の表面には、分散性付与基(親水性官能基及び/又はその塩)又は分散性付与基を有する活性種が、直接又はアルキル基、アルキルエーテル基、アリール基等を介して間接的に結合(グラフト)されていてよい。このような自己分散型顔料は、例えば、真空プラズマ処理、次亜ハロゲン酸及び/又は次亜ハロゲン酸塩による酸化処理、オゾンによる酸化処理等による方法や、水中で酸化剤により顔料表面を酸化する湿式酸化法、p-アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシ基を結合させる方法等によって製造することができる。
自己分散型顔料を用いる場合、顔料分散剤を含む必要がないため、顔料分散剤に起因する発泡等を抑制することができ、吐出安定性に優れた水性インク組成物が得られやすい。また、自己分散型顔料を用いる場合、顔料分散剤に起因する大幅な粘度上昇が抑えられるため、顔料をより多く含有することが可能となり、印字濃度の高い印刷物を製造しやすくなる。自己分散型顔料としては、市販品を利用することも可能である。市販品としては、マイクロジェットCW-1(商品名;オリヱント化学工業株式会社製)、CAB-O-JET200、CAB-O-JET300(以上商品名;キヤボット社製)等が挙げられる。
前記顔料としては、後述する顔料分散剤が顔料の表面に吸着、または、顔料分散剤によって顔料の表面が被覆されたものなどを使用することもできる。
顔料の含有量は、充分な印字濃度を確保する観点から、水性インク組成物の全量に対して、例えば1質量%以上であり、2質量%以上であってもよい。顔料の含有量は、前記スジの発生を抑制しやすい観点、及び、顔料の優れた分散安定性を維持しつつ、より優れた画像堅牢性が得られやすい観点から、水性インク組成物の全量に対して、例えば15質量%以下であり、10質量%以下であってもよい。
また、前記顔料と組み合わせ使用する染料としては、例えば青色染料は、Acid Blue90、Acid Blue104、Acid Blue317、Direct Blue301、Acid Blue83、Acid Blue103、Acid Blue113及びAcid Blue123からなる群より選択される少なくとも一種であり、耐水性の観点から、Acid Blue317、Direct Blue301、Acid Blue113及びAcid Blue123からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。青色染料としてこれらの染料を複数組み合わせて用いることもできる。青色染料は、これらの染料以外の染料を含んでいてもよいが、これらの染料を主として含むことが好ましい。これらの染料の含有量は、例えば、青色染料の全量に対して60質量%以上であり、70質量%以上であってもよい。
赤色染料は、Acid Violet48、Acid Red80、Acid Red97、Acid Red151、Acid Red249、Acid Red289及びAcid Red94からなる群より選択される少なくとも一種であり、耐水性の観点から、Acid Violet48、Acid Red289及びAcid Red94からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。赤色染料としてこれらの染料を複数組み合わせて用いることもできる。赤色染料は、これらの染料以外の染料を含んでいてもよいが、これらの染料を主として含むことが好ましい。これらの染料の含有量は、例えば、赤色染料の全量に対して60質量%以上であり、70質量%以上であってもよい。
黄色染料は、Acid Yellow23、Acid Yellow17及びAcid Yellow40からなる群より選択される少なくとも一種であり、黄色染料としてこれらの染料を複数組み合わせて用いることもできる。黄色染料は、これらの染料以外の染料を含んでいてもよいが、これらの染料を主として含むことが好ましい。これらの染料の含有量は、例えば、黄色染料の全量に対して60質量%以上であり、70質量%以上であってもよい。
染料の含有量は、充分な印字濃度を確保する観点及び粒状感をより低減する観点から、水性インク組成物の全量に対して、好ましくは0.01質量%以上である。染料の含有量は、画像堅牢性(特にインク吸収性被記録媒体への印刷時における画像堅牢性)をより向上させる観点から、水性インク組成物の全量に対して、好ましくは3.0質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下である。これらの観点から、染料の含有量は、水性インク組成物の全量に対して、好ましくは0.01~3.0質量%であり、より好ましくは0.01~1.5質量%である。
前記顔料と染料との具体的な組み合わせとしては、例えばイエローインクを製造する場合には、C.I.ピグメントイエロー74を含有する色相角度hが98°である水性顔料分散体と、Acid Red151を含有する色相角度hが9°である水性染料組成物とを組み合わせ使用することが、最適な色相に調整する自由度が高く、2次色レッドにおいてインパクトのある嗜好色の印刷物を製造するうえで好ましい。
顔料及び染料の合計の含有量は、充分な印字濃度を確保する観点から、水性インク組成物の全量に対して、例えば1質量%以上であり、2質量%以上であってもよい。顔料及び染料の合計の含有量は、前記スジの発生を抑制しやすい観点、及び、顔料の優れた分散安定性を維持しつつ、より優れた画像堅牢性が得られやすい観点から、水性インク組成物の全量に対して、例えば17質量%以下であり、15質量%以下又は10質量%以下であってもよい。これらの観点から、顔料及び染料の合計の含有量は、水性インク組成物の全量に対して、1~17質量%であってよい。
前記顔料と染料とは、前記顔料の質量に対する前記染料の質量割合[(染料の質量/顔料の質量)×100]が1.0~40.0質量%となる範囲で使用することが好ましく、1.0~20質量%となる範囲で使用することがより好ましく、1.0~10.0質量%となる範囲で使用することが、優れた印刷品質を得るうえで特に好ましい。
[水性媒体]
水性媒体は、例えば水であり、具体的には、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の、純水又は超純水を使用することができる。水性媒体の含有量は、より優れたセット性が得られる観点及び高い吐出安定性が得られやすい観点から、水性インク組成物の全量に対して、例えば30~90質量%又は40~80質量%である。水性媒体の含有量は、水性インク組成物の全量に対して、30質量%以上又は40質量%以上であってよく、90質量%以下又は80質量%以下であってよい。
水性インク組成物は、粘度の調整等を目的として、水以外の溶媒成分(例えば水溶性の有機溶剤)を含有してもよい。ただし、水と水以外の溶媒成分(例えば水溶性の有機溶剤)との混合溶媒を用いる場合、溶媒全体に占める水の含有量は、40質量%以上であり、50質量%以上であってもよい。水溶性の有機溶剤としては、インクジェットインクに用いられる公知の水溶性の有機溶剤を使用することができる。
本発明の水性インク組成物は、前記水性媒体と前記顔料と前記染料に加えて、バインダー樹脂及び/又はワックスを更に含有していてよい。水性インク組成物において、前記顔料、前記染料、バインダー樹脂、及びワックスは、好ましくは、溶媒である水性媒体中に分散又は溶解した状態で存在している。
バインダー樹脂の種類及びワックスの種類は特に限定されないが、バインダー樹脂が酸変性ポリプロピレン樹脂を含み、ワックスが酸化ポリエチレンワックスを含むことが好ましい。水性インク組成物が酸変性ポリプロピレン樹脂及び酸化ポリエチレンワックスを含有する場合、インク難吸収性又はインク非吸収性の被記録媒体への印刷における、印刷直後の被記録媒体へのインク定着性(セット性)と画像堅牢性が向上する傾向がある。また、水性インクジェットインクによりインク難吸収性又はインク非吸収性の被記録媒体へ印刷する場合には、上記セット性及び画像堅牢性に優れることに加えて、「モットリング」と呼ばれるインク塗膜の濃淡差の発生を抑制できること、及び、「白スジ」と呼ばれるスジ状の印刷不良の発生を抑制できることが望ましいが、水性インク組成物が酸変性ポリプロピレン樹脂及び酸化ポリエチレンワックスを含有する場合には、上記酸変性ポリプロピレン樹脂の含有量を調整することで、上記モットリング及び白スジの発生を抑制することができる。
[酸変性ポリプロピレン樹脂]
酸変性ポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレンを1種又は2種以上の酸性化合物で変性することにより得られる樹脂であり、ポリプロピレン由来の骨格(ポリプロピレン骨格)と、酸性化合物由来の官能基と、を有する。ポリプロピレン骨格は主としてプロピレンに由来する構造単位を有している。
ポリプロピレン骨格は、ホモポリプロピレン(プロピレンの単独重合体)骨格であってよく、ブロックポリプロピレン(プロピレンと他のオレフィン(例えばエチレン)とのブロック共重合体)骨格であってもよく、ランダムポリプロピレン(プロピレンと他のオレフィン(例えばエチレン)とのランダム共重合体)骨格であってもよい。他のオレフィンとしては、例えばエチレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン等のアルケンが挙げられる。これらの成分は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。他のオレフィン成分の炭素数は、例えば、2~6である。
ポリプロピレン骨格におけるプロピレン成分の含有量(プロピレンに由来する構造単位の含有量)は、例えば60モル%以上であり、70モル%以上であってもよい。ポリプロピレン骨格がブロックポリプロピレン骨格又はランダムポリプロピレン骨格である場合、ポリプロピレン骨格におけるプロピレン成分の含有量(プロピレンに由来する構造単位の含有量)は、例えば95モル%以下であり、90モル%以下であってもよい。
酸変性ポリプロピレン樹脂中のポリプロピレン骨格の含有量は、酸変性ポリプロピレン樹脂の全量に対して、例えば50~99質量%である。酸変性ポリプロピレン樹脂におけるポリプロピレン骨格の含有量は、酸変性ポリプロピレン樹脂の全量に対して、50質量%以上、60質量%以上又は70質量%以上であってよく、99質量%以下、95質量%以下又は90質量%以下であってよい。
酸性化合物は、例えば、カルボキシ基、酸無水物基等の酸性基を有する化合物又はその誘導体である。誘導体とは、酸性基を有する化合物の当該酸性基を変性(例えば、エステル化、アミド化又はイミド化)することによって得られる化合物である。酸性化合物における酸性基の数は1つであっても複数(例えば2つ)であってもよい。酸性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物及びこれらの誘導体が挙げられる。具体的には、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸及び無水ハイミック酸、並びに、これらの化合物の誘導体を例示することができる。誘導体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の分子中に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ有する化合物が挙げられる。なお、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリロイルについても同様である。酸性化合物は、好ましくは酸性基を有する化合物である。
酸変性ポリプロピレン樹脂における酸変性度(例えばグラフト重量)は、例えば、1~20質量%である。酸変性ポリプロピレン樹脂における酸変性度は、1質量%以上又は3質量%以上であってよく、20質量%以下又は10質量%以下であってよい。酸変性度及びグラフト重量は、アルカリ滴定法又はフーリエ変換赤外分光法により求めることができる。
酸変性の方法としては、例えば、ポリプロピレンに対しグラフト変性させる方法が挙げられる。具体的には、ラジカル反応開始剤の存在下でポリプロピレンを融点以上に加熱融解して反応させる方法(溶融法)、ポリプロピレンを有機溶剤に溶解させた後ラジカル反応開始剤の存在下で加熱撹拌して反応させる方法(溶液法)等が挙げられる。ラジカル反応開始剤としては、有機過酸化物系化合物、アゾニトリル類等が挙げられる。
酸変性ポリプロピレン樹脂は塩素化されたものであってもよい。塩素化反応は、従来公知の方法で行うことができる。
酸変性ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量は、例えば、10,000~200,000である。酸変性ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量は、10,000以上、15,000以上又は40,000以上であってよく、200,000以下、150,000以下又は120,000以下であってよい。上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準物質:ポリスチレン)によって測定された値である。
酸変性ポリプロピレン樹脂の融点(Tm)は、例えば50~150℃である。酸変性ポリプロピレン樹脂の融点(Tm)がこの範囲であると、より優れたセット性と画像堅牢性が得られる傾向がある。酸変性ポリプロピレン樹脂の融点(Tm)は、酸化ポリエチレンワックスの融点よりも低いことが好ましい。上記融点(Tm)は、JIS K 0064に準拠した融点測定装置によって測定した値である。
酸変性ポリプロピレン樹脂は、例えば、粒子状である。粒子状の酸変性ポリプロピレン樹脂の平均粒子径は、インクジェットヘッドの目詰まりを防止する観点から、例えば、10~200nmである。粒子状の酸変性ポリプロピレン樹脂の平均粒子径は、10nm以上又は20nm以上であってよく、200nm以下又は170nm以下であってよい。上記平均粒子径は、レーザー散乱型粒径測定装置(例えば、マイクロトラック)を用いて、レーザー散乱法により測定される、体積基準の粒度分布におけるd50径である。
酸変性ポリプロピレン樹脂は、溶媒中に溶解又は分散した状態のものを用いることが好ましく、溶媒中に分散したエマルションの状態のものを用いることがより好ましい。上記溶媒は、水性媒体であることが好ましく、水性インク組成物の溶媒に用いられる水性媒体と同じ水性媒体であることがより好ましい。このような分散体を用いる場合、分散体のpHは、酸変性ポリプロピレン樹脂が溶媒中に分散しやすくなり、貯蔵安定性が向上する観点から、例えば、液温25℃において6~10である。pHがこのような範囲となるように、分散体には、アンモニア水、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、モルホリン等のアミン系の中和剤、もしくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基を含有させてもよい。
酸変性ポリプロピレン樹脂は、1種を単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸変性ポリプロピレン樹脂としては、市販品を用いることもできる。好ましい市販品としては、日本製紙株式会社製のアウローレン(登録商標)AE-301及びAE-502が挙げられる。
酸変性ポリプロピレン樹脂の含有量は、インク難吸収性又はインク非吸収性の被記録媒体への印刷時のモットリング及び白スジの発生を抑制できる観点から、水性インク組成物の全量に対して、3質量%以下であることが好ましく、2.5質量%以下又は2質量%以下であってもよい。酸変性ポリプロピレン樹脂の含有量は、より優れたセット性が得られる観点から、水性インク組成物の全量に対して、0.5質量%以上であることが好ましく、0.75質量%以上又は1質量%以上であってもよい。これらの観点から、酸変性ポリプロピレン樹脂の含有量は、水性インク組成物の全量に対して、0.5~3質量%であることが好ましい。
酸変性ポリプロピレン樹脂の含有量は、インク難吸収性又はインク非吸収性の被記録媒体への印刷時のモットリング及び白スジの発生を抑制できる観点から、顔料及び染料の合計100質量部に対して、300質量部以下であることが好ましく、150質量部以下又は100質量部以下であってもよい。酸変性ポリプロピレン樹脂の含有量は、より優れたセット性が得られる観点から、顔料及び染料の合計100質量部に対して、8質量部以上であることが好ましく、12質量部以上又は16質量部以上であってもよい。これらの観点から、酸変性ポリプロピレン樹脂の含有量は、顔料及び染料の合計100質量部に対して、8~300質量部であることが好ましい。
水性インク組成物は、バインダー樹脂として、酸変性ポリプロピレン樹脂以外の樹脂を含んでいてもよいが、バインダー樹脂の全量100質量部に対する酸変性ポリプロピレン樹脂の含有量は、好ましくは80質量部以上であり、90質量部以上、95質量部以上又は100質量部であってもよい。
[酸化ポリエチレンワックス]
酸化ポリエチレンワックスは、ポリエチレンワックスを酸化処理したものであり、ポリエチレン由来の骨格(ポリエチレン骨格)を有している。ポリエチレン骨格は、主として、エチレンに由来する構造単位を有している。
ポリエチレン骨格は、ホモポリエチレン(エチレンの単独重合体)骨格であってよく、ブロックポリエチレン(エチレンと他のオレフィンとのブロック共重合体)骨格であってもよく、ランダムポリエチレン(エチレンと他のオレフィンとのランダム共重合体)骨格であってもよい。他のオレフィンとしては、例えばプロピレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン等のアルケンが挙げられる。これらの成分は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。他のオレフィン成分の炭素数は、例えば、2~6である。
ポリエチレン骨格におけるエチレン成分の含有量(エチレンに由来する構造単位の含有量)は、例えば60モル%以上であり、70モル%以上であってもよい。ポリエチレン骨格がブロックポリエチレン骨格又はランダムポリエチレン骨格である場合、ポリエチレン骨格におけるエチレン成分の含有量(エチレンに由来する構造単位の含有量)は、例えば95モル%以下であり、90モル%以下であってもよい。
酸化ポリエチレンワックス中のポリエチレン骨格の含有量は、酸化ポリエチレンワックスの全量に対して、例えば50~99質量%である。酸化ポリエチレンワックスにおけるポリエチレン骨格の含有量は、酸化ポリエチレンワックスの全量に対して、50質量%以上、60質量%以上又は70質量%以上であってよく、99質量%以下、95質量%以下又は90質量%以下であってよい。
酸化ポリエチレンワックスは、より優れた画像堅牢性が得られる観点から、好ましくは高密度酸化ポリエチレンワックスを含む。本実施形態では、酸変性ポリプロピレン樹脂と高密度酸化ポリエチレンワックスとを併用することによる相乗効果によって、より優れたセット性及び画像堅牢性と、より優れたモットリング抑制効果が得られる傾向がある。高密度酸化ポリエチレンワックスの密度は、例えば、0.95g/cm以上であり、0.95~1.1g/cmであってよい。
酸化ポリエチレンワックスの融点(Tm)は、例えば、160℃以下であり、好ましくは140℃以下であり、135℃以下又は130℃以下であってもよい。酸化ポリエチレンワックスの融点(Tm)は、例えば、40℃以上であり、好ましくは120℃以上であり、より好ましくは125℃以上である。上記融点(Tm)は、JIS K 0064に準拠した融点測定装置によって測定した値である。
酸化ポリエチレンワックスは、例えば、粒子状である。粒子状の酸化ポリエチレンワックスの平均粒子径は、インクジェットヘッドの目詰まりを防止する観点から、例えば、10~200nmである。粒子状の酸化ポリエチレンワックスの平均粒子径は、20nm以上又は30nm以上であってよく、100nm以下又は60nm以下であってよい。上記平均粒子径は、レーザー散乱型粒径測定装置(例えば、マイクロトラック)を用いて、レーザー散乱法により測定される、体積基準の粒度分布におけるd50径である。
酸化ポリエチレンワックスは、溶媒中に溶解又は分散した状態のものを用いることが好ましく、溶媒中に分散したエマルションの状態のものを用いることがより好ましい。上記溶媒は、水性媒体であることが好ましく、水性インク組成物の溶媒に用いられる水性媒体と同じ水性媒体であることがより好ましい。
酸化ポリエチレンワックスは、1種を単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化ポリエチレンワックスとしては、市販品を用いることもできる。好ましい市販品としては、BYK社製のAQUACER515、AQUACER1547等が挙げられる。
酸化ポリエチレンワックスの含有量は、画像堅牢性に優れる観点から、水性インク組成物の全量に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上又は0.3質量%以上であってもよい。酸化ポリエチレンワックスの含有量は、充分な吐出安定性が得られやすい観点から、水性インク組成物の全量に対して、例えば、5質量%以下であり、3質量%以下又は2質量%以下であってもよい。これらの観点から、酸化ポリエチレンワックスの含有量は、水性インク組成物の全量に対して、0.1~5質量%であってよい。
酸化ポリエチレンワックスの含有量は、画像堅牢性に優れる観点から、顔料及び染料の合計100質量部に対して、1.6質量部以上であることが好ましく、4質量部以上又は6質量部以上であってもよい。酸化ポリエチレンワックスの含有量は、充分な吐出安定性が得られやすい観点から、顔料及び染料の合計100質量部に対して、例えば、500質量部以下であり、350質量部以下又は200質量部以下であってもよい。これらの観点から、酸化ポリエチレンワックスの含有量は、顔料及び染料の合計100質量部に対して、1.6~500質量部であってよい。
酸変性ポリプロピレン樹脂の含有量に対する酸化ポリエチレンワックスの含有量の比率(酸化ポリエチレンワックスの含有量/酸変性ポリプロピレン樹脂の含有量)は、セット性及び画像堅牢性により優れ、モットリングをより抑制できる観点から、例えば、0.03~10である。上記比率は、0.03以上、0.1以上、0.2以上又は0.3以上であってよく、10以下、2.0以下又は1.5以下であってよい。本実施形態では、特に、高密度酸変性ポリプロピレン樹脂の含有量と酸化ポリエチレンワックスの含有量の比率が上記範囲であることが好ましい。
水性インク組成物は、ワックスとして、酸化ポリエチレンワックス以外のワックスを含んでいてもよい。ただし、ワックスの全量100質量部に対する酸化ポリエチレンワックスの含有量は、好ましくは80質量部以上であり、90質量部以上、95質量部以上又は100質量部であってもよい。
[その他の成分]
水性インク組成物は、上述した成分の他に、必要に応じて、界面活性剤、顔料分散剤、湿潤剤(乾燥抑止剤)、浸透剤、防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等のその他の添加剤を更に含んでいてよい。
界面活性剤を用いることにより、インクジェットヘッドの吐出口から吐出された水性インク組成物が被印刷体に着弾後、表面で良好に濡れ広がりやすいこと等から、スジ状の印刷不良の発生を防止しやすい。さらに、界面活性剤を用いることにより、水性インク組成物の表面張力を低下させる等することで水性インク組成物のレベリング性を向上させやすい。
界面活性剤としては、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を使用することができる。界面活性剤としては、スジ状の印刷不良が発生することを抑制しやすい観点から、アニオン性界面活性剤、及び、ノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等を挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー等が挙げられ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、及び、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
水性インク組成物は、スジ状の印刷不良が発生することを抑制しやすい観点から、アセチレン系界面活性剤を含有することが好ましい。アセチレン系界面活性剤は、分子中にアセチレン構造を有する界面活性剤である。アセチレン系界面活性剤は、スジ状の印刷不良が発生することを抑制しやすい観点から、アセチレングリコール、及び、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物からなる群より選ばれる1種以上が含むことが好ましい。
アセチレン系界面活性剤の含有量は、スジ状の印刷不良が発生することを抑制しやすい観点から、界面活性剤の全量に対して、80~100質量%が好ましく、85~99.9質量%がより好ましく、90~99.5質量%が更に好ましく、95~99.3質量%が特に好ましい。
また、本発明で使用する水性インク組成物としては、前記アセチレン系界面活性剤の代わりに、または、前記アセチレン系界面活性剤と組み合わせて、ポリエーテル変性シロキサンを含む界面活性剤を使用することが、粒状感をより一層低減させるうえで好ましい。
前記ポリエーテル変性シロキサンとしては、EVONIK社製のTEGO Wet KL245、250、260、265、270、280等を使用することができる。
前記ポリエーテル変性シロキサンは、インク全量に対して0.05質量%~0.5質量%の範囲で使用することが、被記録媒体へのインクの濡れ性を向上させ、粒状感をより一層低減させるうえで好ましい。
本発明では、前記アセチレン系界面活性剤と前記ポリエーテル変性シロキサンとを組み合わせ使用することが、粒状感をより一層低減させるうえで特に好ましい。その場合、[前記ポリエーテル変性シロキサン/前記アセチレン系界面活性剤]が0.05~0.5となる範囲で使用することが、粒状感をより一層低減させるうえで好ましい。
前記界面活性剤としては、前記したもののほかに、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタントなども使用することができる。
界面活性剤の含有量は、水性インク組成物の全量に対して、0.001~5質量%が好ましく、0.001~3質量%がより好ましく、0.001~2質量%sが更に好ましく、0.01~2質量%が特に好ましく、0.1~2質量%が極めて好ましく、0.5~2質量%が非常に好ましく、0.8~2質量%がより一層好ましく、1~1.6質量%が更に好ましい。これらの含有量で界面活性剤を含有する水性インク組成物は、吐出液滴の被印刷体の表面での濡れ性が良好であり、被印刷体上で充分な濡れ広がりを有しやすく、スジ状の印刷不良の発生を防止する効果を得やすい。さらに、上記各範囲の界面活性剤を含有する水性インク組成物は、塗膜のレベリング性を向上させる効果を得やすい。同様の観点から、アセチレン系界面活性剤の含有量が、上記各範囲であることが好ましい。
顔料分散剤としては、例えばポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体などのアクリル樹脂、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体などのスチレン-アクリル樹脂、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン-アクリル酸共重合体の水性樹脂、及び、前記水性樹脂の塩を使用することができる。顔料分散剤としては、味の素ファインテクノ株式会社製のアジスパーPBシリーズ、ビックケミー・ジャパン株式会社製のDisperbykシリーズ、BASF社製のEFKAシリーズ、日本ルーブリゾール株式会社製のSOLSPERSEシリーズ、エボニック社製のTEGOシリーズ等を使用することができる。また、顔料分散剤として、WO2018/190139号パンフレットにおいてポリマー(G)として例示された化合物を用いることもできる。
湿潤剤は、インクジェットヘッドの吐出ノズルにおける水性インク組成物の乾燥を防止することを目的として使用することができる。湿潤剤としては、水との混和性があり、インクジェットヘッドの吐出口の閉塞防止効果が得られるものが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、グリセリン等が挙げられる。
湿潤剤としては固体の湿潤剤を用いることもできる。このような湿潤剤としては、例えば、尿素及び尿素誘導体が挙げられる。尿素誘導体としては、エチレン尿素、プロピレン尿素、ジエチル尿素、チオ尿素、N,N-ジメチル尿素、ヒドロキシエチル尿素、ヒドロキシブチル尿素、エチレンチオ尿素、ジエチルチオ尿素等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。セット性に優れた印刷物を得やすい観点では、尿素、エチレン尿素及び2-ヒドロキシエチル尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましい。
湿潤剤の含有量は、水性インク組成物の全量に対して3~50質量%であってよい。
浸透剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル類などが挙げられる。浸透剤の含有量は、水性インク組成物の全量に対して、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、浸透剤を実質的に含有しないことが更に好ましい。
水性インク組成物のpHは、水性インク組成物の保存安定性及び吐出安定性を向上させ、インク難吸収性又はインク非吸収性の被記録媒体に印刷した際の濡れ広がり、印字濃度、耐擦過性を向上させるうえで、好ましくは7.0以上、より好ましくは7.5以上、更に好ましくは8.0以上である。水性インク組成物のpHの上限は、インクの塗布又は吐出装置を構成する部材(例えば、インク吐出口、インク流路等)の劣化を抑制し、かつ、インクが皮膚に付着した場合の影響を小さくするうえで、好ましくは11.0以下、より好ましくは10.5以下、更に好ましくは10.0以下である。これらの観点から、水性インク組成物のpHは、好ましくは7.0~11.0である。なお、上記pHは25℃におけるpHである。
水性インク組成物の粘度は、例えば、25℃で2mPa・s以上10mPa・s未満である。水性インク組成物の粘度がこの範囲にある場合、インクジェット記録方式で使用した場合に、飛行曲がりによって発生する被記録媒体上の着弾位置のズレを見かけ上軽減し、印刷物のスジ発生を効果的に防止することができる傾向がある。また、この範囲の粘度を有する水性インク組成物は、保存安定性及びインクジェット記録方式での吐出安定性に優れる傾向がある。25℃における水性インク組成物の粘度は、好ましくは2mPa・s以上であり、より好ましくは3mPa・s以上である。25℃における水性インク組成物の粘度は、好ましくは5mPa・s以下であり、より好ましくは4mPa・s以下である。上記粘度は、例えば、E型粘度計に相当する円錐平板形(コーン・プレート形)回転粘度計を使用し、下記条件にて測定される値である。
測定装置:TVE-25形粘度計(東機産業社製、TVE-25 L)
校正用標準液:JS20
測定温度:25℃
回転速度:10~100rpm
注入量:1200μL
水性インク組成物の表面張力は、例えば、25℃で20~40mN/mである。水性インク組成物の表面張力がこの範囲にある場合、インクジェット記録方式で使用した場合に、吐出液滴の被記録媒体表面での濡れ性が良好となる傾向があり、着弾後に充分な濡れ広がりを有する傾向がある。25℃における水性インク組成物の表面張力は、好ましくは25mN/m以上であり、より好ましくは27mN/m以上である。25℃における水性インク組成物の表面張力は、好ましくは35mN/m以下であり、より好ましくは32mN/m以下である。
以上説明した一実施形態の水性インク組成物は、上述した成分を混合することによって製造することができる。具体的には、あらかじめ前記水性顔料分散体と水性染料組成物とを製造し、それらを混合し、必要に応じて水性媒体やバインダー樹脂やワックスや界面活性剤等を供給し混合することによって製造することができる。
また、水性インク組成物は、水性媒体と染料とを含む水性染料組成物に、前記水性顔料分散体と、必要に応じてバインダーやワックスや界面活性剤などを供給し混合することによって製造することもできる。
上述した成分は、一括して混合してよく、順次混合してもよい。例えば、バインダー樹脂(例えば酸変性ポリプロピレン樹脂)及びワックス(例えば酸化ポリエチレンワックス)は、それぞれ、水性媒体に溶解又は分散させてから混合してよい。また、顔料は、顔料分散剤とともに水性媒体に分散させてから混合してよい。混合の際には、例えば、ビーズミル、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、ナノマイザー等の分散機を使用することができる。混合後は、必要に応じて遠心分離処理、濾過処理等を行ってよい。
上記実施形態の水性インク組成物は、混合により水性インク組成物となるように、複数の液に分けて保存されてよい。
また、本発明のインクセットとしては、Lh色空間における色相角度がhである水性顔料分散体と、Lh色空間における色相角度がhである水性染料組成物とを含有する本発明の2色以上の水性インク組成物とから構成されるインクセット、または、前記した本発明の水性インク組成物と、本発明の水性インク組成物以外の水性インク組成物とから構成されるインクセットが挙げられる。
より具体的には、本発明のインクセットとしては、ブラック水性インク組成物と、シアン水性インク組成物と、マゼンタ水性インク組成物と、イエロー水性インク組成物とのうち、少なくとも1種が本願発明の構成を満たす水性インク組成物であるインクセットを使用することができる。
より具体的には、本発明のインクセットとしては、C.I.ピグメントイエロー74とAcid Red151とを組み合わせ含有するイエロー水性インク組成物と、任意のブラック水性インク組成物とシアン水性インク組成物とマゼンタ水性インク組成物とから構成されるインクセットを使用することができる。
(印刷物及びその製造方法)
一実施形態の印刷物は、被記録媒体の表面に、上記実施形態の水性インク組成物を印刷してなる印刷物である。この印刷物は、被記録媒体と、被記録媒体の表面に印刷されたインク塗膜とを有している。被記録媒体の表面に形成されたインク塗膜は、例えば、上記水性インク組成物の乾燥物であり、上記実施形態の水性インク組成物における固形分(例えば、上記顔料及び染料の合計と、上記酸変性ポリプロピレン樹脂と、上記酸化ポリエチレンワックス)を含有している。上記被記録媒体は、例えば、上述したインク難吸収性又はインク非吸収性の被記録媒体であり、インク吸収性の被記録媒体であってよい。この印刷物は、被記録媒体が上述したインク難吸収性又はインク非吸収性の被記録媒体であっても、インク吸収性の記録媒体であっても、充分な画像堅牢性を有している。
上記印刷物は、例えば、上記実施形態の水性インク組成物をインクジェット記録方式により被記録媒体の表面に印刷することにより得られる。具体的には、インクジェットヘッドのインク吐出口を有する面(x)から、前記面(x)の垂線と被記録媒体とが交わる位置(y)までの距離が1mm以上であるインクジェット記録方式で、上記水性インク組成物を吐出し被記録媒体に印刷することで、上記印刷物を得ることができる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<樹脂分散体の調製>
(調製例1)
チーグラー・ナッタ触媒を重合触媒として用いて、ランダムポリプロピレン樹脂(プロピレン成分75モル%、エチレン成分5モル%、ブテン成分20モル%、重量平均分子量65,000)を得た。
次いで、得られたランダムポリプロピレン樹脂100質量部、無水マレイン酸6質量部、エチルメタクリレート3質量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド1.5質量部を、バレル温度160℃に設定した二軸押出機を用いて混練反応させた。押出機内にて減圧脱気を行い、残留する未反応物を除去し、酸変性ポリプロピレン樹脂を得た。得られた酸変性ポリプロピレン樹脂は、重量平均分子量が55,000であり、無水マレイン酸のグラフト重量が5.2質量%であり、ジ-t-ブチルパーオキサイドのグラフト重量が1.3質量%であり、融点(Tm)が70℃であった。
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付け4つ口フラスコ中に、得られた酸変性ポリプロピレン樹脂100g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤)20g、モルホリン(中和剤)10g、トルエン(溶剤)20gを添加し、120℃で30分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを90分かけて添加した。引き続き、溶剤を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却することによって、バインダーである酸変性ポリプロピレン樹脂の分散体(樹脂分散体)を得た。得られた樹脂分散体の平均粒子径は151nmであり、pHは9.0であった。樹脂分散体中の酸変性ポリプロピレン樹脂の濃度は30質量%に調整した。
<顔料分散体の調製>
(調製例2-1)
シアン顔料として、DIC株式会社製の「FASTOGEN BLUE SBG-SD」(商品名、C.I.ピグメントブルー15:3)を用意し、以下の方法で、顔料分散体C(顔料濃度:20質量%)を調製した。まず、前記シアン顔料150g、顔料分散剤60g、プロピレングリコール75g、及び、34質量%水酸化カリウム水溶液19.4gを1.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社製)に仕込み、ローター周速2.94m/s、パン周速1m/sで25分間混練した。続いて、前記インテンシブミキサーの容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水306gを徐々に加えた後、プロピレングリコール12g、及び顔料濃度が20質量%になるようにイオン交換水127.5gを更に加え混合することによって顔料濃度が20質量%の水性顔料分散体(顔料分散体C)を得た。なお、顔料分散剤としては、WO2018/190139号パンフレットの合成例1に従って調製したポリマー(P-1)を用いた。
(調製例2-2)
マゼンタ顔料として、DIC株式会社製の「FASTOGEN SUPER MAGENTA RY」(商品名、C.I.ピグメントレッド122)を用意し、シアン顔料に代えて当該マゼンタ顔料を用いたこと以外は、調製例2-1と同様にして、顔料分散体M(顔料濃度:20質量%)を調製した。
(調製例2-3)
イエロー顔料として、山陽色素株式会社製の「FAST YELLOW 7413」(商品名、C.I.ピグメントイエロー74)を用意し、シアン顔料に代えて当該イエロー顔料を用いたこと以外は、調製例2-1と同様にして、顔料分散体Y(顔料濃度:20質量%)を調製した。
<染料>
以下の染料を用意した。
(青色染料)
・AcidBlue90
・AcidBlue9
(赤色染料)
・AcidRed73
・AcidRed151
・AcidRed249
(黄色染料)
・AcidYellow23
<水性インク組成物の調製>
(実施例及び比較例)
上記で得られた顔料分散体及び樹脂分散体を用い、下記表に示す顔料分散体、染料と水性媒体を含む水性染料組成物と、樹脂分散体と、プロピレングリコールと、グリセリンと、トリエタノールアミンと、TegoWET280(エボニック社製、ポリエーテル変性シロキサンを含むシリコーン系界面活性剤)と、ACTICIDE B20(ソー・ジャパン株式会社製、防腐剤)と、エチレン尿素と、SURFYNOL 420(エボニック社製、アセチレン系界面活性剤)と、AQUACER515(BYK社製、高密度酸化ポリエチレンワックスエマルション、融点(Tm)135℃)と、蒸留水と、を混合して撹拌し、実施例及び比較例の水性インク組成物を得た。
顔料分散体の含有量は、顔料の含有量が下記表に示すとおりとなるように、顔料の種類毎に調整した。具体的には、顔料分散体Cでは22質量%(顔料:6.0質量%)、顔料分散体Mでは30質量%(顔料:6.0質量%)、顔料分散体Yでは17質量%(顔料:5.0質量%)とした。染料の含有量は、下記表に示すとおりとした。プロピレングリコールの含有量は、水性インク組成物の粘度(25℃)が4.0Pa・sとなるように10~20質量%とした。グリセリン、トリエタノールアミン、ACTICIDE B20、エチレン尿素、SURFYNOL 420及びAQUACER515の含有量は、それぞれ、2.0質量%、0.5質量%、0.1質量%、5.62質量%、1.00質量とした。TegoWet280は下記表に示す濃度とした。蒸留水は、添加成分の含有量の合計が100質量%となるように加えた。なお、上記含有量はいずれも水性インク組成物の全量基準である。
<特性評価>
色相角度h及びhは、下記の方法で算出した。前記水性インク組成物の製造に使用した顔料分散体と、染料及び水性媒体を含有する水性染料組成物とを用意した。次に、顔料分散体の顔料濃度が0.002質量%となるように蒸留水で希釈したものをサンプルとした。また、前記水性染料組成物の染料濃度が0.002質量%となるように蒸留水で希釈したものをサンプルとした。
前記サンプルの吸光度を分光光度計(光源C)を用いて測定した。得られた吸光度を1にノーマライズした値に基づきLを算出した。前記値と下記式を用いて、色相角度h及びhを算出した。
色相角度h=tan-1(b/a
Figure 0007396536000001

下記に示す方法で、実施例及び比較例の水性インク組成物(水性インクジェットインク)の特性(色相調整のしやすさ(嗜好色)、画像堅牢性、粒状感及び色ムラや濁り)を評価し、下記表の評価結果を得た。下記評価において、印刷の供給圧は、ヘッドノズルプレート面からのインクサブタンクの水頭差を+35cm、負圧を-5.0kPaに設定することで調整した。また、インクジェットヘッドのインク吐出口と被記録媒体との最短距離(インクジェットヘッドのインク吐出口を有する面(x)から、前記面(x)に対して仮定した垂線と、被記録媒体とが交わる位置(y)までの距離(ギャップ))は、1mmに設定した。前記ヘッドの駆動条件は、インクジェットヘッドの標準電圧及び標準温度とし、液滴サイズを10pLに設定した。
[色相調整のしやすさ(嗜好色)]
前記水性インク組成物の製造に使用した顔料分散体及び水性染料組成物の、前記した方法で測定した色相角度h及びhの差が大きい水性インク組成物は、色相の制御が容易で自由度が高く、所望の嗜好色に設計しやすいといえることから、前記色相角度h及びhの差に基づいて色相の調整のしやすさを評価した。
5:色相角度h及びhの差(絶対値)が110°以上
4:色相角度h及びhの差(絶対値)が80°以上110°未満
3:色相角度h及びhの差(絶対値)が50°以上 80°未満
2:色相角度h及びhの差(絶対値)が20°以上 50°未満
1:色相角度h及びhの差(絶対値)が20°未満
(光学濃度)
実施例及び比較例の水性インク組成物を、それぞれセイコーエプソン株式会社製のインクジェットヘッドI3200に充填した。解像度は600dpi×600dpiであり、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、1滴当たりの質量が10ng±10%であるインク滴を1滴付与する条件を記録デューティが100%であると定義する。
被記録媒体(普通紙)に、記録デューティが100%であるベタ画像(2cm×2cm/1ライン)を記録した。被記録媒体としては、商品名「npi上質」(八代、日本製紙株式会社製、坪量52.3g/m)を用いた。記録の1日後に、分光測色計(商品名「eXact」、X-rite製)を用いて、3箇所のベタ画像における光学濃度を測定し、その平均値から光学濃度を評価した。下記の基準に基づき、光学濃度の評価を行った。
5:光学濃度が1.10以上
4:光学濃度が0.90以上 1.10未満
3:光学濃度が0.70以上 0.90未満
2:光学濃度が0.50以上 0.70未満
1:光学濃度が0.50未満
[画像堅牢性評価(普通紙)]
実施例及び比較例の水性インク組成物を、それぞれセイコーエプソン株式会社製のインクジェットヘッドI3200に充填した。インク吸収性の被記録媒体である普通紙(npi上質/八代、日本製紙株式会社製、坪量52.3g/m)に対して100%ベタ印刷を実施し、水性インク組成物の塗膜を得た。得られた塗膜を室温(25℃)で12時間(一晩)乾燥させた。次いで、乾燥後の塗膜上に、蒸留水を0.03g滴下し、色の滲み具合を目視で観察し、下記の基準に基づき画像堅牢性を評価した。
5:印刷面に色滲みがなく、普通紙の裏面からも色滲みが認められない
4:印刷面にわずかに薄い色滲みがあるが、普通紙の裏面からは色滲みが認められない
3:印刷面にわずかに薄い色滲みがあり、普通紙の裏面からもわずかに薄い色滲みが認められる
2:印刷面に色滲みがあり、普通紙の裏面からも色滲みが認められる
1:印刷面に色滲みがあり、普通紙の裏面からも明らかに色滲みが認められる
[粒状感評価]
実施例及び比較例の水性インク組成物を、それぞれセイコーエプソン株式会社製のインクジェットヘッドI3200に充填した。インク難吸収性の被記録媒体であるOKトップコート+(王子製紙社製、坪量104.7g/m)に対して、50%ベタ印刷を実施し、水性インク組成物の塗膜を得た。得られた塗膜を基材から約8cmの距離にある9kWの近赤外ヒーターで1秒間乾燥させた。次いで、乾燥後の塗膜をクオリティ・エンジニアリング・アソシエイツ社製画質評価装置「PIAS-II」を用いて数値解析を行った。具体的には、各塗膜のGraininess値(粒状度)を測定し、下記の基準に基づき粒状感の抑制性を評価した。
5:Graininess値が4未満
4:Graininess値が4以上5未満
3:Graininess値が5以上6未満
2:Graininess値が6以上7未満
1:Graininess値が7以上
[色ムラ、濁り]
実施例及び比較例の水性インク組成物を、それぞれセイコーエプソン株式会社製のインクジェットヘッドI3200に充填した。充填した水性インク組成物を用いて、ただちにOKトップコート+(王子製紙社製、坪量104.7g/m)に対して100%ベタ印刷を実施し、水性インク組成物の塗膜を得た。得られた塗膜を室温(25℃)で12時間(一晩)乾燥させた。前記塗膜の色差を測色計(商品名「eXact」、X-rite製)を用いて測定した。
次に実施例及び比較例の水性インク組成物を、それぞれ上記と同様のインクジェットヘッドに充填し、25℃の環境下に1か月静置した。
前記静置後の水性インク組成物を用いて、OKトップコート+(王子製紙社製、坪量104.7g/m)に対して100%ベタ印刷を実施し、水性インク組成物の塗膜を得た。得られた塗膜を室温(25℃)で12時間(一晩)乾燥させた。前記塗膜の色差を測色計(商品名「eXact」、X-rite製)を用いて測定した。
充填してすぐに印刷して得られた印刷物の色差と、充填して1カ月静置した後に印刷して得られた印刷物の色差との差(デルタE)に基づき下記評価基準で、経時での色の変化を評価した。
5:デルタEが1未満
4:デルタEが1以上デルタ2未満
3:デルタEが2以上デルタ3未満
2:デルタEが3以上デルタ4未満
1:デルタEが4以上
Figure 0007396536000002


Figure 0007396536000003



Figure 0007396536000004


Figure 0007396536000005


Figure 0007396536000006

Figure 0007396536000007
Figure 0007396536000008

Claims (12)

  1. インクジェット記録方式に用いられる水性インク組成物であって、
    前記水性インク組成物が、
    分光光度計を用いて求められたLh色空間における色相角度がhである水性顔料分散体と、
    分光光度計を用いて求められたLh色空間における色相角度がhである水性染料組成物と
    ポリエーテル変性シロキサンとを含有し、
    前記水性染料組成物の色相角度hが、下記条件を満たし、
    前記水性顔料分散体に含まれる顔料と前記水性染料組成物に含まれる染料の組み合わせが、
    C.I.ピグメントブルー15:3とAcidYellow23
    C.I.ピグメントイエロー74とAcidRed73、又は、
    C.I.ピグメントイエロー74とAcidRed151の組み合わせのいずれかであることを特徴とする水性インク組成物。
    色相角hが0°以上45°未満のとき、色相角hは(h+45)°以上(360-45+h)°以下の範囲
    色相角hが45°以上315°未満のとき、色相角hは0°以上(h-45)°以下の範囲、または、(h+45)°以上360°以下の範囲
    色相角hが315°以上360°未満のとき、色相角hは(h+45-360)°以上(h-45)°以下の範囲
  2. さらにアセチレン系界面活性剤を含有し、
    前記アセチレン系界面活性剤とポリエーテル変性シロキサンとの質量比[ポリエーテル変性シロキサン/アセチレン系界面活性剤]が0.1~0.5の範囲である請求項1に記載の水性インク組成物。
  3. 前記アセチレン系界面活性剤とポリエーテル変性シロキサンとの質量比[ポリエーテル変性シロキサン/アセチレン系界面活性剤]が0.2~0.5の範囲である請求項2に記載の水性インク組成物。
  4. 前記水性顔料分散体は、顔料が顔料分散剤によって水性媒体に分散されたものであり、前記水性染料組成物は、染料が水性媒体に溶解または分散したものである請求項1又は2に記載の水性インク組成物。
  5. 前記染料の含有量が、前記水性インク組成物の全量に対して、0.05~1.5質量%である、請求項1又は2に記載の水性インク組成物。
  6. 酸変性ポリプロピレン樹脂を更に含有する、請求項1又は2に記載の水性インク組成物。
  7. 酸化ポリエチレンワックスを更に含有する、請求項1又は2に記載の水性インク組成物。
  8. 前記酸化ポリエチレンワックスの融点が140℃以下である、請求項6に記載の水性インク組成物。
  9. 前記顔料の質量に対する前記染料の質量割合[(染料の質量/顔料の質量)×100]が1~40質量%である請求項1又は2に記載の水性インク組成物。
  10. 少なくとも、請求項1又は2に記載の水性インク組成物からなるイエローインクと、マゼンタインクと、シアンインクと、ブラックインクとを備えるインクセット。
  11. 被記録媒体の表面に、請求項1又は2に記載の水性インク組成物を印刷してなる印刷物。
  12. インクジェットヘッドのインク吐出口を有する面(x)から、前記面(x)の垂線と被記録媒体とが交わる位置(y)までの距離が1mm以上であるインクジェット記録方式で、請求項1又は2に記載の水性インク組成物を吐出し前記被記録媒体に印刷する、印刷物の製造方法。
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