JP7395420B2 - 脱穀装置の揚送コンベア - Google Patents
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Description
上記コンバインのフィーダハウスAに設置されるコンベア(コンベアチェーン)1は、特許文献1の図1,図6に示される通り、フィーダハウス本体11内の上部に軸支される左右一対の駆動スプロケット5と、前方下部に軸支される前部回転ドラム(左右一対の従動スプロケット)3との間に掛設される一対のローラチェーン(チェン本体)6とを備えると共に、搬送片(揚送体)としての長尺なスラット8を上記ローラチェーン6,6間に架設している。
このローラチェーン6は、リンク61の一部にスラット8を取付ける取付部63を形成し、各ローラ62間に形成される空間部(ローラ間隔孔)64に駆動スプロケット5を噛み合わせて回転駆動することにより、各スラット8を介し二番物の掻き上げ揚送を行うようにしている。
そして、ローラチェーン6の取付部63に取付けるスラット8の取付片81には、前記空間部64に対向する位置に抜け穴84を形成し、これにより該空間部64に入ってしまった穀稈や茎等の切り屑等(夾雑物)を、噛みあうスプロケット5の各歯の押出し作用によって強制的に押し出すようにしている。
つまり、上記揚送コンベアは、ローラチェーン6の空間部64に対向するスラット8の抜け穴84を、取付片81に対し四角形状の抜き孔として形成した構造になっているので、スラット8がフィーダハウス本体11の底壁との間で二番物(搬送物)を挟みながら搬送するとき、抜き孔内に入り込む長い夾雑物は四角孔の搬送方向下流側の孔縁に巻き込み状態で引っ掛かるため、駆動スプロケット5の噛み込み時に押し出されないものが、そのまま持ち回り移動される結果、大きな搬送抵抗を生じるのでスムーズな揚送を妨げる等の問題がある。
一方、このような抜け穴を有する方式の揚送コンベアを、例えば脱穀部の二番物を揚送して選別室内で二番還元処理をさせる二番コンベア装置に採用しようとすると、この場合の二番コンベア装置は脱穀部の機壁に沿って略鉛直上に立設して構成されるものであるため、二番ラセン体から送られる二番物をローラチェーン(チェン本体)に突設する多数の揚送体(スラット)で掬い上げる際に、四角形状の抜け穴やローラ間隔孔内に入り込む藁屑類は、特に雨水で濡れた穀稈が脱穀される場合などでは、除去し難くなることからやがてこの部に詰まりを生ずること、及びチェン本体の内側でローラを転接案内するチェンガイド板との間で搬送トラブルを発生し易く、この解消のためのメンテナンス作業を煩雑にする等の課題を生じる。
前記揚送体25を、側面視L字状に屈曲されて取付部33eに着脱自在に取付ける鉛直方向の取付片部35aと水平方向の支持片部35bとを備える支持ブラケット35と、該支持ブラケット35の支持片部35bに対し基部側が取付けられて先端側が弾性力を有する自由端として突出状態で支持されて二番物を載置する平面視方形状の揚送板37とにより構成するに、上記支持ブラケット35の取付片部35aの左右中心位置に下端から凹入状に切欠する切欠部を形成し、該切欠部35cを上下のローラ33c間で形成されるローラ間隔孔33rに臨ませて設けると共に、上記揚送板37の左右中心位置に基端部から凹入状に切欠する嵌合凹部37aを形成し、該嵌合凹部37aをチェン本体33に挿入した状態で設けることを特徴としている。
第2に、前記支持ブラケット35は、支持片部35bの中央位置に揚送板37の中途部を非支持状態にする抜き孔35eを有して、揚送板37を支持することを特徴としている。
各揚送体は、揚送板が嵌合凹部を介してチェン本体の両外方に位置するチェン側方揚送片にも二番物を受けさせて揚送すると共に、この部から下方に漏れ落ちようとする穀粒や屑類をチェンガイド側に向けて案内し、チェン側方揚送片の端部からチェンガイド側への落下を促すため、揚送板に載置される揚送中の二番物が漏れ落ちてチェン本体に直接的に接当接触することを回避しながらスムーズな揚送を可能にすることができる。
また揚送板に受けられてチェン本体側に移動する二番物は、嵌合凹部を介し揚送板直上のローラ間隔孔を通り抜けてチェンガイドとの間に形成されるガイド隙間を通り、漏出物として漏れ落ちが許容されるため、ローラ間隔孔内への二番物詰まりを抑制した揚送をスムーズに行うことができる。
そして、支持ブラケットの取付片部の左右中心位置に形成した切欠部は、上下のチェンローラ間で形成されるローラ間隔孔に対向させて設けられるので、該ローラ間隔孔内からスプロケット歯によって押し出される屑類を取付片部に引っ掛けることなく、切欠部からスムーズに排出することができる。
請求項2に係る発明によれば、前記支持ブラケットは、支持片部の中央位置に揚送板の中途部を非支持状態にする抜き孔を有して、揚送板を支持することにより、
揚送体は、揚送板の基部側を支持片部の基部側に取付支持した状態で、自由端側になる揚送板の先端側と左右側を接当自在に支持しながら中途部を非支持状態にするため、コンベアチェーンの下部から二番物を掬い上げる際に、揚送板が受ける大きな掬い上げ負荷を抜き孔に対面する揚送板の中途部を弾力的に凹ませて緩衝することができるので、二番物を効率よく掬い上げながらチェン駆動をスムーズにすることができる。
上記脱穀部15は、扱室15a内で前後方向の扱胴回転軸17a回りに回転駆動自在に設けられた円筒状の扱胴17と、該扱胴17の下方側に沿って円弧状をなす受網18等からなる。
選別部16は、前記受網18を通過した脱穀物を揺動選別する揺動選別体20と、選別風を送風する唐箕ファン21と、選別後の排塵物を機外に排出する二番選別ファン21aと、選別された一番物を回収・搬送するラセン体としての一番ラセン22と、選別された二番物を回収・搬送するラセン体としての二番ラセン22aとを備えている。
一番ラセン22は唐箕ファン21の後方で左右方向に横設されており、選別された一番物を脱穀装置6の右側に搬送し、二番ラセン22aは二番選別ファン21aの後方で左右方向に横設されており、選別された二番物を脱穀装置6の右側に搬送する。
尚、揚送コンベアとしての一番コンベア装置10と二番コンベア装置11とは、図2に示すように揚送体25aと揚送体25との形状を一部異にしているだけで、他の基本的な構成を同じにしているため、揚送コンベアの具体構造については二番コンベア装置11を主体に同一符号を付して後述する。
これにより一番ラセン22によって横送りされた一番物は、揚送本体ケース13の下端部側でコンベア26のバケット型揚送片25aによって掬い上げられ、ケース上部側から前方側の穀粒搬送ラセン部を経て排出されグレンタンク5に排出供給される。
そして、揚送本体ケース13の揚送本体ケース13内には、下部に軸支されるラセン軸22bに設けられる駆動スプロケット23と上部に軸支される従動スプロケット23aとに巻き掛けるコンベアチェーン24に、二番物を受けて上方搬送する本発明に係るフラット状の揚送片25を備えるコンベア26を後述する構成によって内装している。
上記前方還元搬送ラセン部11aは図2に示すように、一番コンベア装置10より左右方向内側(左側)に配置して一番コンベア装置10の前方側まで延長しており、揚送された二番物を引き継いで前方搬送し排出口11bを介し扱室15a又は選別部16に排出供給する。
またオペレータは必要により、グレンタンク5をメンテナンス作業姿勢に切り換えた状態において、一番コンベア装置10及び二番コンベア装置11等のメンテナンス作業を速やかに行うことができる。
この実施形態における両者の差異点は、一番コンベア装置10の揚送本体ケース13の長さを二番コンベア装置11の揚送本体ケース13より短くし、且つ両者の上端部に設ける各上蓋の大きさと形状等を異にしている。
そして、コ字状断面をなすフレームケース13aは、その後側壁から帯板形状のチェンガイド32を揚送路13yに沿って立設することにより、コンベアチェーン24の揚送路13y内方側への大きな撓み変動を規制して案内し、また揚送体25によって掬い上げられて上昇搬送する二番物等の被搬送物のうち、揚送体25からこぼれ落ちるものがチェン下降経路側に漏出侵入することを防止するようにしている。
また正面下部壁13cには下開口蓋14を構成するため、日常的に行う例えば、この部のコンベア26やスプロケット23等の目視点検及び注油作業又は簡単な清掃等の通常メンテナンス作業を利便性を有して行うことができる。
上記取付片部35aは、左右中心位置に下端から切欠された屑抜き用の切欠部35cを凹入形成し、該切欠部35cの両側にボルト孔35dを穿設している。
支持片部35bは、その中央位置に揚送板37を非支持状態にすることができる抜き孔35eを大きく開口していると共に、該抜き孔35eの両側基部寄りにボルト孔35fを穿設している。
そして、揚送板37は取付け基部側の中央部に、チェン本体33を差し入れ可能にする嵌合凹部37aをチェン左右幅とリンク前後幅を有する大きさと形状に切欠形成し、且つ嵌合凹部37aの左右に幅狭の舌片状になるチェン側方揚送板37bを突出形成し、該チェン側方揚送板37bの基部近傍に、前記ボルト孔35dに合致するボルト孔37cを穿設している。
つまり、揚送板37は支持ブラケット35の支持片部35bに載せた状態で、位置決めされる各ボルト孔37c,35dに対し上方から固定座36に挿入した各ボルト36aを貫通させた状態で下方からナット36bによって締結し一体的に組付けることができる。これによりユニット化された各揚送体25は、前記嵌合凹部37a内にチェン本体33の左右のリンクを挿入状態に位置決めしたのち、支持ブラケット35の取付片部35aを取付部33eに接当させた状態で、取付ボルト33gをボルト孔35dとナット33hに挿入して締結することができる。
そして、長期の使用に伴う揚送板37の損耗や支持ブラケット35の変形等に伴い、部品の修理や交換を要する際には、図3に示すように揚送本体ケース13から所望個所のケースカバ―を外した開放状態において、対象の揚送体25を2本のボルト33gを緩めて外すと共に、前記組付けの逆順の動作によって再組付けを簡単且つ能率よく行うことができる
また揚送路13c内で、例えば上位側の揚送板37から漏れ落ちる二番物が下位側の揚送体25の揚送板37で受けられ過大に堆積する事態が生じた場合には、この揚送板37が後退角を有して弾力的に撓みケース内壁との間に生じさせる大きな隙間から二番物の落下を許容して促すので、揚送される二番物とケース内壁との接触抵抗を少なくし揚送負荷を軽減するため、揚送路13cの中途部での詰まりを防止することができる。
尚、上記チェン側方揚送片37bの端部は、図8に示す揚送板37のように、チェンリンクから突出するローラ33cの外周位置程度に突出形成してもよく、この場合には両者間の隙間をより小さくして二番物の落下を規制した揚送と、チェンガイド32に対するスクレーパ作用によって付着物の除去を行うことができる。
この際に、穀粒と伴にローラ間隔孔33rを通る切り藁等の屑類は、チェンガイド32との接当によって回動するローラ33cによって、ガイド隙間側への移動が促進されると共に、移動する屑類は上記ローラ33c直下のローラ間隔孔33r及び対向して開放されている切欠部35cからの排出がスムーズに行われると共に、漏出物がチェンガイド32側に接当接触することによる屑付着に伴うトラブルを回避し、全体として各揚送体25が二番物を効率よく安定的に受けてスムーズに揚送する等の特徴を創出する。
即ち、実施形態のコンベアチェーン24は、チェン本体33の取付部33eに対し、前記したように支持ブラケット35の取付片部35aの左右中心位置に下端から凹入状に形成した切欠部35cを、上下のチェンローラ33h間で形成されるローラ間隔孔33rに対向させて設けているので、該ローラ間隔孔33r内から押し出される屑類は取付片部35aに引っ掛かることなく、切欠部35cからスムーズに排出される。
図示する揚送体25は、揚送板37を側面視で逆ヘ字状にすることにより、凹入部の先端側が上向きになり二番物の揚送量を多くすると共に、揚送中の振動等によっても先端側から二番物が徒に落下しないようにしている。
即ち、この場合の支持ブラケット35は、支持片部35bの先端部40が上向きに反り返るように屈曲部41を介して形成することにより、ボルト36aによって基部側が支持片部35bに固定された状態で自由端になる揚送板37の先端側を、先端部40によって上向きに支持するため、掬い上げ時及び揚送時の各作用をより確実に効率よく行うことができる。
6 脱穀装置
10 一番コンベア装置
11 二番コンベア装置
13 揚送本体ケース
13a フレームケース
13y 揚送路
22 一番ラセン
22a 二番ラセン
23 駆動スプロケット
23a 従動スプロケット
25 揚送体
32 チェンガイド
33 チェン本体
33e 取付部
33h チェンローラ
33r ローラ間隔孔
35 支持ブラケット
35a 取付片部
35b 支持片部
35c 切欠部
35e 抜き孔
37 揚送板
37a 嵌合凹部
H 搬送間隔
Claims (2)
- 脱穀装置(6)に立設される揚送コンベアである二番コンベア装置(11)内に、その揚送本体ケース(13)に軸支される駆動スプロケット(23)と従動スプロケット(23a)とに巻き掛けられ、チェンローラ(33c)を備え、チェンガイド(32)に沿って揚送移動するチェン本体(33)と、該チェン本体(33)のリンクに搬送間隔(H)を有して突設した取付部(33e)に取付けられる二番物掬い上げ搬送用の揚送体(25)等からなるコンベアチェーン(24)を設置する脱穀装置の揚送コンベアにおいて、
前記揚送体(25)を、側面視L字状に屈曲されて左右中心部を取付部(33e)に着脱自在に取付ける鉛直方向の取付片部(35a)と水平方向の支持片部(35b)とを備える支持ブラケット(35)と、該支持ブラケット(35)の支持片部(35b)に対し基部側が取付けられて先端側が弾性力を有する自由端として突出状態で支持されて二番物を載置する平面視方形状の揚送板(37)とにより構成するに、上記支持ブラケット(35)の取付片部(35a)の左右中心位置に下端から凹入状に切欠する切欠部を形成し、該切欠部(35c)を上下のローラ(33c)間で形成されるローラ間隔孔(33r)に臨ませて設けると共に、上記揚送板(37)の左右中心位置に基端部から凹入状に切欠する嵌合凹部(37a)を形成し、該嵌合凹部(37a)をチェン本体(33)に挿入した状態で設けることを特徴とする脱穀装置の揚送コンベア。 - 前記支持ブラケット(35)は、支持片部(35b)の中央位置に揚送板(37)の中途部を非支持状態にする抜き孔(35e)を有して、揚送板(37)を支持する請求項1記載の脱穀装置の揚送コンベア。
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