JP7394806B2 - コイル用金属導体及びコイル - Google Patents

コイル用金属導体及びコイル Download PDF

Info

Publication number
JP7394806B2
JP7394806B2 JP2021075699A JP2021075699A JP7394806B2 JP 7394806 B2 JP7394806 B2 JP 7394806B2 JP 2021075699 A JP2021075699 A JP 2021075699A JP 2021075699 A JP2021075699 A JP 2021075699A JP 7394806 B2 JP7394806 B2 JP 7394806B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal conductor
curvature
radius
insulating layer
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021075699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022169949A (ja
Inventor
満 長谷川
大介 越前谷
拓也 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2021075699A priority Critical patent/JP7394806B2/ja
Publication of JP2022169949A publication Critical patent/JP2022169949A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7394806B2 publication Critical patent/JP7394806B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)

Description

本願は、コイル用金属導体及びコイルに関するものである。
金属導体を巻線して製作するコイルにおいては、金属導体の各ターン間の絶縁を確保するため、各金属導体の周りに絶縁層が設けられ、 金属導体と接着されている。金属導体に通電すると金属導体に発生する電磁力に起因して圧縮負荷がかかり、金属導体周りの絶縁層には圧縮応力、引張応力、及びせん断応力などが発生する。
これらの応力により絶縁層が破壊されるとコイルの故障につながるため、金属導体に流す電流または印加する磁場を制御して金属導体に作用する電磁力を低減する方法がある。若しくは、ラディアルプレート等の各金属導体とは独立した別の補強金属で、絶縁層が接着された金属導体を覆って、隣接ターン同士の直接的な電磁力のやり取りをなくして、金属導体周りの絶縁層に発生する応力を低減する等の方法がある。
また、金属導体の曲げ加工の際、加工具との接触面積を広くとれるように、または絶縁被膜の付きまわり性を向上するために、金属導体の矩形形状の断面の4つの角のそれぞれを形成する曲率半径を、単一の曲率半径若しくは楕円の曲率半径とするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-41531号公報
しかし、特許文献1に記載された金属導体では、コイル作成の曲げ加工の際の利便のために、またはコイル作成までの工程で絶縁被膜の付着性を向上するために、金属導体の矩形形状の断面の各角に曲線を形成することが開示されているが、コイル作成後に、金属導体の各面に発生する圧縮負荷と金属導体の断面形状との関係について何ら開示はなく、圧縮負荷による絶縁層の破壊について対策が施されているとの示唆もない。また、金属導体に流す電流を制限すると、コイルの性能を十分に発揮することができず、別の補強金属を使用することは、部品点数およびコストの増加となる問題があった。
本願は上述のような課題を解決するためになされたものであり、金属導体周りの絶縁層が、電磁力により生じる応力で破壊されにくい構造を実現できるコイル用金属導体を提供することを目的とする。
本願に開示されるコイル用金属導体は、
周囲に絶縁層が形成され、断面が矩形形状のコイル用金属導体において、矩形形状の角を異なる曲率半径を持つ複数の円弧で形成するとともに、通電時に発生する圧縮負荷のかかる第1の面から続く円弧の曲率半径を、前記圧縮負荷よりも小さい圧縮負荷のかかる第2の面から続く円弧の曲率半径よりも小さくすることを特徴とする。
本願に開示されるコイル用金属導体によれば、絶縁層に発生する引張応力とせん断応力それぞれが大きくなる部位を遠ざけることができ、金属導体周りの絶縁層が電磁力により生じる応力で破壊されにくい構造を実現できる。
実施の形態1に係るコイル用金属導体の断面形状を示す図である。 図1の一部拡大断面図である。 比較例の他のコイル用金属導体の断面形状を示す図である。 図3の一部拡大断面図である。 実施の形態1に係るコイル用金属導体及び比較例の他のコイル用金属導体に生じる応力の分布図である。 実施の形態1に係るコイル用金属導体及び比較例の他のコイル用金属導体に生じる応力の分布図である。 実施の形態2に係るコイル金属導体の一部拡大断面図である。
以下、本願に係るコイル用金属導体の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、同一内容および相当部については同一符号を配し、その詳しい説明は省略する。以降の実施形態も同様に、同一符号を付した構成について重複した説明は省略する。
図1は、金属導体1を巻回して形成されるコイル100の断面形状を示す図であり、図2は図1の一部拡大図を示す。
図1に示すように、コイル100は、棒状の金属導体1を縦3列、横2列並べ、接着剤2により固定したものをコイル形状に加工成形して作成される。金属導体1は、例えば銅素材の導体であり、断面形状は、後述する4つの角を含め完全な矩形ではないが、矩形形状を呈している。金属導体1の表面周囲には、例えばポリイミドの絶縁層3が形成されている。絶縁層3は、ポリイミドテープを金属導体1の周囲にテーピング後、エポキシ樹脂を含侵し熱処理を行うことで形成する。本実施の形態では、金属導体1の中央部4は、他の導線の通路及び冷却路のために中空に形成されているが、これに限るものではない。
図2は図1の一部拡大図である。金属導体1の断面形状の矩形形状の4つの角の各角を、2つの異なる曲率半径R1および曲率半径R2を持つ円弧に形成する。曲率半径R1の円弧と曲率半径R2の円弧は滑らかにつながる二段Rを形成する。曲率半径R1と曲率半径R2の大きさの関係は、断面が矩形形状の金属導体1の4面の内、圧縮負荷のかかる面の圧力を比較し、圧縮負荷が大きい方の第1の面Aに続く円弧の曲率半径R1を、圧縮負荷が小さいもしくは発生しない方の第2の面B(圧縮負荷が高い面Aに垂直な面)に続く円弧の曲率半径R2よりも小さく形成する。
図3は、比較例として示す金属導体10で形成されたコイル100の断面形状を示す。図4は図3の一部拡大図である。金属導体10の断面形状の矩形形状の各角は1つの曲率半径R3にて形成している。絶縁層30は実施の形態1で説明した絶縁層3と同様に形成している。
図5(a)は、比較例の金属導体10周りに形成された絶縁層30に、圧縮負荷により発生する垂直方向の引張応力の分布図であり、図5(b)は、絶縁層30が多数の層から構成されるとして、その層間のせん断応力の分布図である。
これに対し図6(a)は、実施の形態1の金属導体1周りに形成された絶縁層3に、圧縮負荷により発生する垂直方向の引張応力の分布図であり、図6(b)は、絶縁層3が多数の層から構成されるとして、その層間のせん断応力の分布図である。各分布図の右側に示したバーは、応力の大きさを示しており、数字(単位はMPa)が大きいほど応力は大きくなる。また、引張応力のバーに示された負の数字は、圧縮応力を表している。これら分布図において、引張応力の大きい部分を二重丸の破線と実線で示し、せん断応力の大きい部分を一重丸の破線と実線で示している。なお、それぞれの応力の大きい部分には、その範囲での最大値が存在する。
この分布図でわかるように、図6に示した実施形態1の絶縁層3に加わる引張応力の大きい部分及びせん断応力の大きい部分と、図5に示した比較例の絶縁層30に加わる引張応力の大きい部分及びせん断応力の大きい部分とは、同じ程度の数字の明るさで示されており、応力の大きさの値としては共に大きく変わらない。
しかし、図中、一重丸と二重丸で示されるように、図5に示した比較例の絶縁層30に加わる引張応力の大きい部分(二重丸)とせん断応力の大きい部分(一重丸)とは加わる箇所が絶縁層30上で一部重なっているのに対し、実施の形態1の絶縁層3に加わる引張応力の大きい部分(二重丸)とせん断応力の大きい部分(一重丸)とは、加わる箇所は離れており、重なることがない。従って、実施の形態1の金属導体1に形成された絶縁層3と絶縁層30で同じせん断応力値が発生する点を対応させて引張応力値を比較した場合、絶縁層3の各点の引張応力値の方が、絶縁層30の対応する点の引張断応力値より小さいため、絶縁層3は絶縁層30に比べ破壊されにくい。これは, 絶縁層が微視的には複数の絶縁層から構成されており、それらの層間の引張力が小さいほど若しくは圧縮力が大きいほど(但し一定の値まで)、層間のせん断力に対する強度が大きくなるということによる。
以上のように、金属導体1の矩形形状の断面において、矩形形状の4つの角を形成する金属導体1の面の内、圧縮負荷が大きい第1の面Aに続く円弧の曲率半径R1を、圧縮負荷が小さいもしくは発生しない第2の面Bに続く円弧の曲率半径R2よりも小さく形成することにより、金属導体1の周りの絶縁層3に、大きな引張応力と大きなせん断応力とが離れた箇所に加わり、重畳して加わる部分がなくなるため、絶縁層3が破壊されにくく、コイルの故障となる確率は低いものとなる。また、後に説明する実施の形態2に比べ、角の形状を円弧の曲率半径R1、R2の異なる2つのみで形成するため、断面形状の決定が容易であり、製作性も向上する。
なお、上述の効果は金属導体1周りの絶縁層3が複数の層をなす基材と基材同士を接着する樹脂によって構成される場合、複数層で構成される絶縁層の割れを防ぐのに特に顕著な効果を発揮する。
実施の形態2.
実施の形態1では、金属導体1の断面形状の矩形形状の4つの角の各角を、2つの異なる曲率半径R1および曲率半径R2を持つ円弧を滑らかにつなげる形状に形成したが、3つの曲率半径を有する円弧をつなげる形状で形成してもよい。
即ち、図7に示すように、金属導体1にかかる圧縮負荷が高い方の第1の面に続く円弧の曲率半径R4を最も小さくし、圧縮負荷が小さいもしくは発生しない第2の面(圧縮負荷が高い面に垂直な面)に続く円弧の曲率半径R5を最も大きくし、曲率半径R4と曲率半径R5との間をさらに滑らかにつなげるために、両隣りの円弧の曲率半径R4、R5の間の値である円弧の曲率半径R6とする。このように構成することで金属導体1の表面をさらに滑らかな局面とすることができ、実施の形態1同様、絶縁層3が応力により破壊されにくい構造となるとともに、コイル作成時の絶縁層の付きまわりを改善することができる。
この円弧の数をさらに増やし、理論上無限とすると、楕円の短軸と長軸の間の1/4形状とすることも可能である。この場合でも、金属導体1の第1の面とそれに垂直な第2の面にかかる圧縮負荷を比較し、圧縮負荷が高い方の第1の面に続く円弧の曲率半径を、最も小さくし、圧縮負荷が低い方の第2の面に続く円弧の曲率半径を最も大きくするように曲面を形成することで、絶縁層3に加わる引張応力の大きい部分とせん断応力の大きい部分とが重ならず、絶縁層が破壊されにくくするという実施の形態1と同様の効果を奏することができるとともに、コイル作成時の絶縁層の付きまわりなどをさらに改善することができ、絶縁層の破壊によるコイルの故障をさらに防ぐことが可能となる。
なお、上述の効果は金属導体1周りの絶縁層3が複数の層をなす基材と基材同士を接着する樹脂によって構成される場合、複数層で構成される絶縁層の割れを防ぐのに特に顕著な効果を発揮する。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1、10:金属導体、2:接着剤、3、30:絶縁層、100:コイル

Claims (5)

  1. 周囲に絶縁層が形成され、断面が矩形形状のコイル用金属導体において、前記矩形形状の角を、異なる曲率半径を持つ複数の円弧で形成するとともに、通電時に発生する圧縮負荷のかかる第1の面から続く円弧の第1の曲率半径を、前記圧縮負荷よりも小さい圧縮負荷のかかる第2の面から続く円弧の第2の曲率半径よりも小さくすることを特徴とするコイル用金属導体。
  2. 前記複数の円弧は、2つの円弧であることを特徴とする請求項1に記載のコイル用金属導体。
  3. 前記複数の円弧は、前記第1の曲率半径を有する円弧と、前記第2の曲率半径を有する円弧と、前記第1の曲率半径と前記第2の曲率半径の間の値を有する第3の曲率半径を有する円弧の3つの円弧により形成されることを特徴とする請求項1に記載のコイル用金属導体。
  4. 前記絶縁層を、複数の層をなす基材と基材同士を接着する樹脂によって形成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコイル用金属導体。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のコイル用金属導体を巻回して形成したコイル。
JP2021075699A 2021-04-28 2021-04-28 コイル用金属導体及びコイル Active JP7394806B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021075699A JP7394806B2 (ja) 2021-04-28 2021-04-28 コイル用金属導体及びコイル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021075699A JP7394806B2 (ja) 2021-04-28 2021-04-28 コイル用金属導体及びコイル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022169949A JP2022169949A (ja) 2022-11-10
JP7394806B2 true JP7394806B2 (ja) 2023-12-08

Family

ID=83944686

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021075699A Active JP7394806B2 (ja) 2021-04-28 2021-04-28 コイル用金属導体及びコイル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7394806B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001067943A (ja) 1999-08-30 2001-03-16 Totoku Electric Co Ltd コイル巻線用平角多層絶縁電線
JP2002033213A (ja) 2000-07-13 2002-01-31 Sumitomo Heavy Ind Ltd コイルの絶縁方法及びコイル
JP2005209378A (ja) 2004-01-20 2005-08-04 Mitsubishi Cable Ind Ltd 平角絶縁導線の製造方法
JP2008251801A (ja) 2007-03-30 2008-10-16 Mitsubishi Electric Corp コイル及びその製造方法
JP2017041531A (ja) 2015-08-19 2017-02-23 トヨタ自動車株式会社 平角線とコイル、およびコイルの製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001067943A (ja) 1999-08-30 2001-03-16 Totoku Electric Co Ltd コイル巻線用平角多層絶縁電線
JP2002033213A (ja) 2000-07-13 2002-01-31 Sumitomo Heavy Ind Ltd コイルの絶縁方法及びコイル
JP2005209378A (ja) 2004-01-20 2005-08-04 Mitsubishi Cable Ind Ltd 平角絶縁導線の製造方法
JP2008251801A (ja) 2007-03-30 2008-10-16 Mitsubishi Electric Corp コイル及びその製造方法
JP2017041531A (ja) 2015-08-19 2017-02-23 トヨタ自動車株式会社 平角線とコイル、およびコイルの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022169949A (ja) 2022-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109427463B (zh) 线圈部件
US20160133374A1 (en) Common mode choke coil
KR101983192B1 (ko) 코일 전자부품
JP2007159332A (ja) 回転電機
JP2013062399A (ja) トランス
WO2020071512A1 (ja) 巻鉄心及び変圧器
JP2007036056A (ja) エッジワイズコイル
US20180277293A1 (en) Laminated coil
KR102044603B1 (ko) 전자 부품
JP7394806B2 (ja) コイル用金属導体及びコイル
US8508323B2 (en) Transformer
JP2023175010A (ja) コイル部品
JP2004153874A (ja) モータの固定子
JP2008010328A (ja) 絶縁電線、絶縁電線複合線及びシールド電線
US20230137323A1 (en) Coil component
TWI680474B (zh) 積層線圈零件
JP2006196682A (ja) 環状コイル、コイル製造装置、コイル製造方法及び変圧器
US20180268985A1 (en) Ac reactor
WO2018110107A1 (ja) 可撓導体と可撓導体を使用した真空遮断器
JPH0315324B2 (ja)
JP7486917B2 (ja) インダクタンス素子及び電子機器
JP7373902B2 (ja) 積層コイル部品
JP2009253041A (ja) コイル部品
JP2009099651A (ja) 電子部品
CN110660567A (zh) 层叠线圈及其制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231031

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231128

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7394806

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151