JP2008251801A - コイル及びその製造方法 - Google Patents

コイル及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008251801A
JP2008251801A JP2007090785A JP2007090785A JP2008251801A JP 2008251801 A JP2008251801 A JP 2008251801A JP 2007090785 A JP2007090785 A JP 2007090785A JP 2007090785 A JP2007090785 A JP 2007090785A JP 2008251801 A JP2008251801 A JP 2008251801A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
thermoplastic resin
wire
winding
enameled
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007090785A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4763643B2 (ja
Inventor
Nobuaki Miyake
展明 三宅
Masahiro Yutani
政洋 湯谷
Yuji Nakahara
裕治 中原
Keiji Takai
啓司 高井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2007090785A priority Critical patent/JP4763643B2/ja
Publication of JP2008251801A publication Critical patent/JP2008251801A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4763643B2 publication Critical patent/JP4763643B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Insulating Of Coils (AREA)
  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)

Abstract

【課題】コイル占積率を高めかつ、巻線張力が緩んでコイル形状が変形することによる強度劣化を失くし、また、高い材料コストの融着材を用いることなく、かつ、自己融着線を用いたコイルに比べて放熱性を改善するようなコイルを提供する。
【解決手段】巻枠5と、巻枠5に複数層に整列巻した、導体3に絶縁層4を被覆したエナメル線2と、上下層の互いに接するエナメル線2が形成する隙間に溶融し固化した熱可塑性樹脂糸1が配置された熱可塑性樹脂とを備え、上下層の互いに接するエナメル線2同士が上記熱可塑性樹脂で固着されているものとする。
【選択図】図1

Description

この発明は、ブレーキ、モータ、発電機、トランス等の電磁機器において、コイルの保護や放熱を目的として、エナメル線を固着して形成されるコイル及びその製造方法に関するものである。
従来、コイルにかかる電磁加振力や環境負荷からコイルを保護したり、コイルからのジュール熱を放熱しやすくしたりすることを目的に、エナメル線を固着して形成する。このようなコイルの製造方法としては、自己融着エナメル線や一体モールド成形、ワニス処理などの方法が挙げられる。このうち、自己融着エナメル線は、ワニス炉や成形機のような大型の設備を必要としないという点で、多くの機器に使用されている。一般のエナメル線は、導体に絶縁層を焼き付けているのに対して、自己融着エナメル線は、この絶縁層の外周にさらに加熱硬化可能な樹脂製の自己融着層を形成したものである。
自己融着エナメル線によるコイルの製造方法は、自己融着エナメル線が巻枠に巻線されると、コイルを加熱・加圧し、自己融着層を溶融することによりエナメル線同士が固定される。巻枠の形態には、製品に組込まれる樹脂製部品と、製造工程にのみ用いられる金属製治具がある。コイルの加熱には、巻線中の熱風吹付け、巻線後の加熱炉やコイル通電などの方法が用いられる。金属製治具の巻枠では、巻線・加熱・固定完了後にコイルが巻枠から取り外されて、コイル形成が完了する(例えば、特許文献1参照)。
自己融着エナメル線によるコイルの加熱・加圧時には、自己融着エナメル線同士が接触している箇所から自己融着層の樹脂材が溶融流出して、巻線張力が緩むので、融着材内に空隙ができやすく、強度を有する絶縁物に自己融着層を被覆した融着材を併用して補強する例もある(例えば、特許文献2参照)。
一方、一体モールド成形は、巻線後のコイルを樹脂成形で固着させる方法で、樹脂の成形性・剛性を活かしたモータのステータ・ロータやブレーキコイルの外郭形成や、樹脂の充填による放熱性を活かしたモータの高性能化に活用されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平8−316082公報(第2−第3頁、図5、図6) 特開平8−316023公報(第4−頁、図1−図3) 特開平9−322497公報(第3−第4頁、図3)
従来からエナメル線を固着して形成されるコイルの製造法として用いられている自己融着エナメル線は、導体の外周に絶縁層が設けられ、さらにその最外周に自己融着層を備えている。このため、隣接するエナメル線同士の間には自己融着層の樹脂材が残り、通常のエナメル線を巻線したコイルに比べて、自己融着層の厚み分の余分なスペースができることになる。限られたスペースに高密度にコイルを巻線する高効率・高出力モータや小型ブレーキ等の機器においては、この余分なスペースにより導体占有面積の比率(コイル占積率)の低下のために、機器の高性能化に対してネックとなるという問題があった。
また、自己融着エナメル線は、コイルの加熱・加圧時には、自己融着エナメル線同士が接触している箇所から自己融着層の樹脂材が溶融流出し、巻線張力が緩んでコイル形状が変形するので、自己融着層の樹脂材内に空隙ができて強度低下しやすいという問題があった。
また、この強度低下の問題を避けるためには、自己融着エナメル線の自己融着層に加えて、強度を有する絶縁物に自己融着層を被覆するという複雑な工程による別の融着材を併用する必要があり、材料コストがあがるという問題があった。
また、自己融着エナメル線は、エナメル線同士の間に形成される隙間には何も充填されないため、ワニスや一体モールドのように樹脂が充填されるコイルに比べると熱伝導が悪く、放熱性が劣るため、高性能モータには適用しにくいという問題があった。
また、高性能モータでは、コイル占積率を高めるために、丸線の代わりに平角の自己融着エナメル線を用いることがあるが、平角線の角部は、表面張力で平坦部に比べて絶縁皮膜が薄くなりやすく、絶縁性能低下の可能性が懸念されるという問題があった。
同様に、コイル占積率を高めるために、丸線を変形させて断面形状に平行な平坦部を設けた自己融着エナメル線を用いることがあるが、新たに形成された平坦部と元の丸R部との境目では絶縁皮膜の伸びが大きく、絶縁性能低下の可能性が懸念されルという問題があった。
一方、一体モールドによるコイルの例では、成形時の圧力がエナメル線に直接かかるので、最外周に巻線されたエナメル線が動きやすく、エナメル線が巻枠からはずれて巻枠の成形樹脂の表面や、モータ・ブレーキ等の鉄心に触れて絶縁を損なう可能性が懸念されルという問題があった。
この発明は上記のような従来の課題を解消するためになされたものであり、コイル占積率において自己融着層の厚み分のスペースを無駄にすることなく、かつ、巻線張力が緩んでコイル形状が変形することによる強度劣化を失くし、また、高い材料コストの融着材を用いることなく、自己融着線に比べて放熱性を改善することができるようなコイル及びその製造方法を提供する。
この発明に係るコイルは、
巻枠と、
上記巻枠に複数層に巻線した、導体に絶縁層を被覆したエナメル線と、
内外層の互いに接するエナメル線が形成する隙間に熱可塑性樹脂糸が配置され、溶融し固化した熱可塑性樹脂とを備え、
上記内外層の互いに接するエナメル線同士が上記熱可塑性樹脂で固着されているものである。
この発明に係るコイルの製造方法は、
巻枠にエナメル線を巻線しつつ、巻線方向に隣接する上記エナメル線同士の谷間に熱可塑性樹脂糸を巻いて上記エナメル線を複数層に巻線する工程、
上記整列巻きの工程の後、上記熱可塑性樹脂糸を加熱溶融させて、内外層の互いに接するエナメル線同士を溶融した上記熱可塑性樹脂で固着するものである。
この発明に係るコイル及びコイルの製造方法によれば、巻線され内外層で隣接するエナメル線同士が形成する隙間に配置され溶融した熱可塑性樹脂糸によって上記エナメル線同士が固着され、かつ、上記エナメル線同士が接触状態で、スペースが無駄にされることなく高密度なコイルが得られる。
また、巻線張力が緩むことはなく、空隙発生による強度低下は起こりにくく、従って、強度を確保するための自己融着層を被覆した絶縁物を用いる必要がなく、材料コストの安価なコイルを得ることができる。
実施の形態1.
図1は、この発明に係るコイルの実施の形態1におけるコイルの構造を説明する断面図である。図1(a)において、エナメル線2は、銅等の導体3に絶縁層4を被覆したものであり、絶縁性の巻枠5に俵積み状態に整列巻され、隣接する接触したエナメル線2同士の間に隙間が形成され、この空間に熱可塑性樹脂糸1が配置されている。
図1(b)に示すように、すでに巻線された巻線層の隣接するエナメル線2の外側の谷間付近に熱可塑性樹脂糸1を置くように導きつつエナメル線2を整列巻することによって、熱可塑性樹脂糸1は谷間に誘い込まれて容易に位置決めされ、連続的にかつエナメル線2の巻線と同期して巻き付けられていく。
熱可塑性樹脂糸1は、ナイロン、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂材料の単線やあるいは繊維状の極細線を撚り合わせたものから成る。
引き続き、俵積み状態の整列巻による巻線が行われると、隣接するエナメル線2の外側の谷間付近に置かれた熱可塑性樹脂糸1を取り囲むように、次の層のエナメル線2が谷間に位置決めされ、図1(a)のように巻線が完了する。
巻線が完了した後、コイルの外側から加圧しながらエナメル線2に通電して加熱すると、同一層内で隣接するエナメル線2と次の層のエナメル線2との間の隙間に配置された熱可塑性樹脂糸1が各エナメル線2から伝熱されて溶融し、これらエナメル線2同士が固着される。
図2は、この発明に係るコイルの実施の形態1における他のコイルの構造を説明する断面図である。この例では、図1のコイルにおける熱可塑性樹脂糸1に加えて、別の熱可塑性樹脂糸6が、次の層の隣接するエナメル線2と前の層のエナメル線2との間に形成される隙間に配置される点である。この場合、エナメル線2は、下側の層と巻かれたばかりの上の層との間にできる斜め外向きの谷間に向かう方向の張力を与えられながら配置される。この例では、上記のような張力を与えながら斜め外向きの谷間に置くだけで、熱可塑性樹脂糸6を誘い込んで容易に位置決めすることができ、また、エナメル線2の隙間を多く埋めることができ、放熱上さらに有利なコイルを得ることができる。
図3は、この発明に係るコイルの実施の形態1における熱可塑性樹脂糸の大きさを説明する断面図である。図3は、隣接する3つのエナメル線2の断面(径φD)にできた隙間に、最小径φdの熱可塑性樹脂糸を置いた場合の寸法関係を示しており、図3から、dminは、
d≧D(1/COS30°―1)
≒0.15D
である必要がわかる。このことから、すくなくともエナメル線の最外径φDの0.15倍以上の等価円径の熱可塑性樹脂糸を準備すれば、隣接するエナメル線を固着しやすくなることがわかる。
また、最大径φdmaxは、隙間面積をSとすれば、
S=(正三角形−3個の扇部)
=D×Dsin60゜/2−(πD×D/4/6×3)
=D×D/4×(√3−π/2)
max=∫(S×4/π)
=0.227D
≒0.3D
と求められる。
この実施の形態1のコイルによれば、俵状に整列巻された上下層の隣接するエナメル線2が形成する隙間内で隣接するエナメル線2同士を熱可塑性樹脂糸で固着するようにしたので、スペースを無駄にすることなく高密度なコイルが得られる。
また、同一層内で隣接するエナメル線と上記外側に隣接する層のエナメル線との間の隙間に配置された熱可塑性樹脂糸が溶融されることにより上記エナメル線が固着されているので、エナメル線どおしが接触する箇所には自己融着層の樹脂材が残らず、自己融着層の厚み分のスペースを無駄にすることなく高密度なコイルを製造することができる。
また、エナメル線2が形成する全ての隙間内で隣接するエナメル線2同士を熱可塑性樹脂糸で固着するようにしたので、より強固にエナメル線2同士を固着することができる。
また、この実施の形態1のコイルの製造方法によれば、エナメル線2には自己融着層がないので、コイルの加熱・加圧時には、エナメル線2同士が接触している箇所から自己融着層の樹脂材が溶融流出することはなく、巻線張力は緩まず、空隙発生による強度低下は起こりにくく、従って、強度を確保するために自己融着層を被覆した絶縁物を用いる必要がなく、材料コストの安価なコイルを得ることができる。
また、エナメル線2には自己融着層がない分、導体からの発熱を外部へ伝えやすくなる上、俵積み状態に整列巻されたエナメル線2同士で形成される隙間に熱可塑性樹脂糸が溶融して充填されるため、自己融着エナメル線の場合の空隙に比べると放熱性が向上し、銅損の少ない高効率なモータを得ることができる。
図4は、この発明に係るコイルの実施の形態1における他のコイルの構造を説明する断面図である。この例では、エナメル線8は平角形状の導体9に絶縁層10を焼き付けたもので、ブロックを積むように整然と巻線される。熱可塑性樹脂糸7は、すでに巻かれた同一層の隣接するエナメル線8の外側の谷間に置かれると、誘い込まれて容易に位置決めされる。
一般的に、平角エナメル線の角部は絶縁皮膜が薄くなりやすいと言われているので、谷間に置かれた熱可塑性樹脂糸7は溶融後、エナメル線8の角部どおしを固着することになり、平角エナメル線においても高密度・高強度で放熱性がよく、かつ絶縁性能を確保しやすいコイルを得ることが期待できる。
図5は、この発明に係るコイルの実施の形態1における他のコイルの構造を説明する断面図である。この例では、エナメル線12は、丸線の導体を巻線前に平行な平坦部を備えるように変形された導体13を持つ。熱可塑性樹脂糸11は、すでに巻かれた同一層の隣接するエナメル線12の外側の谷間に置かれると、誘い込まれて容易に位置決めされる。
絶縁層14は、このような変形で、平坦部とR部の境目で大きな伸びを与えられ、絶縁性能が低下しやすいので、谷間に置かれた熱可塑性樹脂糸11は溶融後、平坦部とR部の境目付近でエナメル線12どおしを固着することになり、エナメル線を変形させる場合でも、高密度・高強度で放熱性がよく、かつ絶縁性能を確保しやすいコイルを得ることが期待できる。
なお、上記実施の形態1の例では、エナメル線同士の隙間に熱可塑性樹脂糸を配置したが、巻線の回転に同期させるために、巻枠とエナメル線との隙間に部分的に配置しても同様の効果は保たれる。
また、上記実施の形態1の例では、整列巻線されるコイルの例を示したが、部品の製造誤差等で部分的に整列巻線が乱れる場合、部分的に熱可塑性樹脂糸がエナメル線どおしにはさまれる箇所が発生するが、部分的に限定されるのであれば、コイル占積率に大きく影響は及ぼすことはない。
実施の形態2.
図6は、この発明に係るコイルの実施の形態2におけるコイルの構造を説明する断面図である。この実施の形態2では、実施の形態1と同様に巻線時、熱可塑性樹脂糸1を巻きつけ、巻線後、通電加熱にて溶融され、エナメル線2同士が固着される。この状態で、PPSやエポキシ樹脂、BMC等の熱硬化性樹脂材料による一体モールドが行なわれる。
この実施の形態2によれば、成形圧力がエナメル線2にかかっても、エナメル線2同士は固着されているので、はがれたり動いたりすることはなく、エナメル線2がモールド表面に飛び出したり、鉄心と接触したりするような絶縁性能低下の可能性をなくすことができる。
実施の形態3.
図7は、この発明に係るコイルの製造装置を示す正面図、図8はこの製造装置における巻線動作の折返しを説明するコイルの断面図である。図において、スピンドル軸機構15は、巻枠5を自転させ、線ボビン19から繰り出されるエナメル線2と、糸ボビン20から繰り出される熱可塑性樹脂糸1の巻き付けを行なう。ノズル送り軸機構18は、エナメル線ノズル16と熱可塑性樹脂糸用ノズル17を備え、これをスピンドル軸と平行な方向に前後させることにより、スピンドル軸機構15の回転に合せて、エナメル線2を整列巻きするために必要なピッチ精度で送る。
この実施の形態3の製造方法によれば、既存のスピンドル方式巻線機に、熱可塑性樹脂糸用ノズルを追加で付属させるだけの簡便な方法で自己融着線によらない高密度・高強度・放熱性のよいコイルを得ることができる。
図8には、巻線されるエナメル線2と熱可塑性樹脂糸1の巻線順序を断面円形状の中に書き込んでいる。エナメル線2と熱可塑性樹脂糸1の数字が同じターンが同時に巻線されるターンを表している。図8からわかるように、1層目では、エナメル線2は、図中右側に送られながら巻線され、これに追従するように熱可塑性樹脂糸1はその左外側の谷間に誘い込まれていく。一方、2層目では、エナメル線2は、図中左側に送られながら巻線され、これに追従するように熱可塑性樹脂糸1はその右外側の谷間に誘い込まれていく。このように、層毎の折返しに伴い、熱可塑性樹脂糸1は、エナメル線2に対して、相対的に前後移動する必要がある。熱可塑性樹脂糸用ノズル17がエナメル線用ノズル16に対して、スピンドル軸15方向の前後位置を入れ替えるための入替機構21は、上記のような層毎の折返し時に機能する。この機構21は、モータやエアシリンダで制御コントローラの指示に基づいて動作させる方法と、ボールプランジャで固定されながら折返し加速度で受動的に首振りを動作させる方法がある。この機構21によれば、より精度よく熱可塑性樹脂糸をエナメル線2の谷間に配置して、より高密度・高強度で放熱性のよいコイルを得ることができる。
図9は、この発明に係るコイルの製造方法の実施の形態3における他の例を示す正面図である。図2に示したような2種類の熱可塑性樹脂糸を巻き付けるために、ノズル送り軸機構18は、エナメル線ノズル16と熱可塑性樹脂糸用ノズル17及び糸ボビン20以外に、熱可塑性樹脂糸用ノズル22及び糸ボビン23を備え、熱可塑性樹脂糸6も巻き込める構成となっている。
このように、エナメル線2を巻線するスピンドル回転軸機構15とノズル送り軸機構18からなるスピンドル巻線機を流用して、熱可塑性樹脂糸用ノズルを設けるという簡便な方法で本発明のコイルの隙間を漏れなく熱可塑性樹脂糸で充填するという製造方法を得ることができる。
実施の形態4.
図10は、この発明に係るコイルの製造装置を示す正面図である。チャック24で固定される巻枠5に対して、エナメル線ノズル16と熱可塑性樹脂糸用ノズル17を備えたフライヤヘッド25を回転機構32が回転駆動することにより、エナメル線2と熱可塑性樹脂糸1の巻き付けが行なわれる。このとき、エナメル線2は、フライヤ25と回転軸を経由して、線ボビン19から繰り出され、熱可塑性樹脂糸1は、フライヤ25に内蔵された糸ボビン20からノズル17を経て繰り出される。回転機構32の回転動作に同期して、送り機構26はこれら回転機構32を回転軸と平行な方向に前後駆動させ、エナメル線2を整列巻きが行なわれる。この方法であれば、既存巻線機のフライヤのエナメル線ノズルとは反対側に、熱可塑性樹脂糸用のノズルと糸ボビンを内蔵するという簡便な方法により、上記実施の形態1のコイルを得ることが可能となる。
以上の実施の形態のコイルを分解するときには、加熱することにより、熱可塑性樹脂は再度溶融されてコイルが分解され、電磁機器分解性が向上し、リサイクルコストを低減することも可能となる。
この発明のコイルは、ブレーキ、モータ、発電機、トランス等の電磁機器に有効に利用することができる。
この発明に係るコイルの実施の形態1におけるコイルの構造を説明する断面図である。 この発明に係るコイルの実施の形態1における他のコイルの構造を説明する断面図である。 この発明に係るコイルの実施の形態1における熱可塑性樹脂糸の大きさを説明する断面図である。 この発明に係るコイルの実施の形態1における他のコイルの構造を説明する断面図である。 この発明に係るコイルの実施の形態1における他のコイルの構造を説明する断面図である。 この発明に係るコイルの実施の形態2におけるコイルの構造を説明する断面図である。 この発明に係るコイルの製造装置を示す正面図である。 実施の形態3の製造装置における巻線動作の折返しを説明するコイルの断面図である。 この発明に係るコイルの製造方法の実施の形態3における他の例を示す正面図である。 この発明に係るコイルの製造装置を示す正面図である。
符号の説明
1,6,7,11 熱可塑性樹脂糸,2,8,12 エナメル線、3 導体、
4,10,14 絶縁層、5 巻枠、9 平角導体、13 変形導体、
15 スピンドル機構、16 エナメル線ノズル、
17,22 熱可塑性樹脂糸用ノズル、18 ノズル送り軸機構、19 線ボビン、
20,23 糸ボビン、21 入替機構、24 チャック、25 フライヤヘッド、
26 送り機構、27 一体モールド樹脂材、32 回転機構。

Claims (12)

  1. 巻枠と、
    上記巻枠に複数層に巻線された、導体に絶縁層を被覆したエナメル線と、
    内外層の互いに接するエナメル線が形成する隙間に熱可塑性樹脂糸が配置され、溶融し固化した熱可塑性樹脂とを備え、
    上記内外層の互いに接するエナメル線同士が上記熱可塑性樹脂で固着されていることを特徴とするコイル。
  2. 上記エナメル線が形成する全ての隙間において、上記上下層の互いに接するエナメル線同士が上記熱可塑性樹脂で固着されていることを特徴と請求項1記載のコイル。
  3. 上記エナメル線は、上記導体断面形状が円形で、俵積み状に整列巻されていることを特徴とする請求項1に記載のコイル。
  4. 上記エナメル線は、上記導体断面形状が略長方形である平角線であることを特徴とする請求項1に記載のコイル。
  5. 上記エナメル線は、丸線を変形させて上記導体断面形状に平行な平坦部を設けていることを特徴とする請求項1に記載のコイル。
  6. 上記エナメル線の最外層を取り囲むように熱硬化性樹脂材で一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載のコイル。
  7. 巻枠にエナメル線を巻線しつつ、巻線方向に隣接する上記エナメル線同士の谷間に熱可塑性樹脂糸を巻いて上記エナメル線を複数層に巻線する工程、
    上記巻線の工程の後、上記熱可塑性樹脂糸を加熱溶融させて、内外層の互いに接するエナメル線同士を溶融した上記熱可塑性樹脂で固着することを特徴とするコイル製造方法。
  8. 上記エナメル線及び熱可塑性樹脂糸は、上記巻枠を回転させ、上記巻枠の回転軸方向に上記エナメル線を供給するエナメル線用ノズルと上記熱可塑性樹脂糸を供給する熱可塑性樹脂糸用ノズルを前後させる機構を備えた巻線機で巻線されることを特徴とする請求項7記載のコイルの製造方法。
  9. 上記巻線機は、巻線中、層の折り返し時に上記熱可塑性樹脂糸用ノズルが上記エナメル線用ノズルに対して、回転軸方向の前後位置を入れ替える機構を備えて巻線することを特徴とする請求項8記載のコイルの製造方法。
  10. 上記エナメル線は、上記巻枠が回転し、上記エナメル線用ノズルと2本の上記熱可塑性樹脂糸用ノズルを備えた巻線機で巻線されることを特徴とする請求項7記載のコイルの製造方法。
  11. 上記エナメル線及び熱可塑性樹脂糸は、上記巻枠を固定し、上記巻枠の中心軸方向に上記エナメル線を供給するエナメル線用ノズルと上記熱可塑性樹脂糸を供給する熱可塑性樹脂糸用ノズルとを上記中心軸の周りに回転させる機構を備えた巻線機で巻線されることを特徴とする請求項7記載のコイルの製造方法。
  12. 上記熱可塑性樹脂糸は、その断面積の等価円直径が上記エナメル線外径の0.15倍以上、0.3倍以下であることを特徴とする請求項7記載のコイルの製造方法。
JP2007090785A 2007-03-30 2007-03-30 コイル及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4763643B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007090785A JP4763643B2 (ja) 2007-03-30 2007-03-30 コイル及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007090785A JP4763643B2 (ja) 2007-03-30 2007-03-30 コイル及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008251801A true JP2008251801A (ja) 2008-10-16
JP4763643B2 JP4763643B2 (ja) 2011-08-31

Family

ID=39976408

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007090785A Expired - Fee Related JP4763643B2 (ja) 2007-03-30 2007-03-30 コイル及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4763643B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010239708A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Honda Motor Co Ltd コイル固定方法
JP2012089595A (ja) * 2010-10-18 2012-05-10 Panasonic Corp コイル部品
JP2015216718A (ja) * 2014-05-08 2015-12-03 三菱電機株式会社 コイル、コイルの製造方法、および、コイル製造装置
CN107591243A (zh) * 2017-10-24 2018-01-16 佛山市荣鑫宝数控设备有限公司 一种环形绕线机的磁环驱动机构
CN109162456A (zh) * 2018-08-07 2019-01-08 上海建工七建集团有限公司 一种对拉螺栓套管结构、模板固定结构及使用方法
JP2022169949A (ja) * 2021-04-28 2022-11-10 三菱電機株式会社 コイル用金属導体及びコイル
WO2023148844A1 (ja) * 2022-02-02 2023-08-10 三菱電機株式会社 電動機、圧縮機および冷凍サイクル装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0422111A (ja) * 1990-05-17 1992-01-27 Fujikura Ltd 自己融着性固定糸
JPH08228449A (ja) * 1995-02-22 1996-09-03 Toshiba Corp ステータコイルの製造方法
JPH08316023A (ja) * 1995-05-18 1996-11-29 Toshiba Corp 超電導コイルおよびその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0422111A (ja) * 1990-05-17 1992-01-27 Fujikura Ltd 自己融着性固定糸
JPH08228449A (ja) * 1995-02-22 1996-09-03 Toshiba Corp ステータコイルの製造方法
JPH08316023A (ja) * 1995-05-18 1996-11-29 Toshiba Corp 超電導コイルおよびその製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010239708A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Honda Motor Co Ltd コイル固定方法
JP2012089595A (ja) * 2010-10-18 2012-05-10 Panasonic Corp コイル部品
JP2015216718A (ja) * 2014-05-08 2015-12-03 三菱電機株式会社 コイル、コイルの製造方法、および、コイル製造装置
CN107591243A (zh) * 2017-10-24 2018-01-16 佛山市荣鑫宝数控设备有限公司 一种环形绕线机的磁环驱动机构
CN107591243B (zh) * 2017-10-24 2024-05-28 佛山市荣鑫宝数控设备有限公司 一种环形绕线机的磁环驱动机构
CN109162456A (zh) * 2018-08-07 2019-01-08 上海建工七建集团有限公司 一种对拉螺栓套管结构、模板固定结构及使用方法
JP2022169949A (ja) * 2021-04-28 2022-11-10 三菱電機株式会社 コイル用金属導体及びコイル
JP7394806B2 (ja) 2021-04-28 2023-12-08 三菱電機株式会社 コイル用金属導体及びコイル
WO2023148844A1 (ja) * 2022-02-02 2023-08-10 三菱電機株式会社 電動機、圧縮機および冷凍サイクル装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4763643B2 (ja) 2011-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4763643B2 (ja) コイル及びその製造方法
US4616407A (en) Insulating method for rotary electric machine
WO2007055210A1 (ja) モータコア部品及びモータ部品
US20120274172A1 (en) Stator for rotating electrical machine
JP2013507898A (ja) 特に界磁コイルを形成するための巻き付け方法
JP2006295106A (ja) 空芯コイルおよび空芯コイルの製造方法
JPH10285882A (ja) 絶縁コイルの製造方法並びに電気機械及び回転電気機械
US10910931B2 (en) Method of manufacturing divided cores for a stator
Stone et al. Progress in rotating-machine insulation systems and processing
JP6332042B2 (ja) 電気機器コイルの製造方法及びワニス滴下含浸装置並びに回転電機の製造方法
CN111512520A (zh) 电机的子导线的绝缘
CN103109448B (zh) 用于形成电动式机械绝缘线圈的方法
JP2007027345A (ja) 積層電磁コイル及び積層電磁コイルの製造方法
JP2007282410A (ja) 回転電機の固定子コイル、回転電機の固定子コイルの製造方法、半導電性シート、半導電性テープ、および回転電機
CN101313369B (zh) 云母增强型绝缘
JP2012105420A (ja) モータの絶縁構造及びその製造方法
CN1190809C (zh) 绕线装置
JP2018125988A (ja) 自己融着性横巻線、自己融着性横巻線の製造方法、及びコイル体の製造方法
JP2009131052A (ja) モールドコイルの製造方法およびモールドコイル、それを用いた固定子および回転電機
CN110062998B (zh) 用于组装电动发电机的方法
JP4040064B2 (ja) 空芯コイルおよび空芯コイルの製造方法
JP2006325309A (ja) コイルおよびその成形方法とモータ
JP4448372B2 (ja) モールド変圧器の製造方法
JP2011015456A (ja) 回転電機およびその製造方法
JP2020107776A (ja) コイルおよびコイルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100713

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110609

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4763643

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees